JP2005231292A - インクジェット用記録シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水性インクの吸収性に優れ、且つインクドットの形状がシャープで、インクの発色性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、耐水性、耐湿性、透明性、更に搬送性及び耐ブロッキング性に優れたインク受容層を有するインクジェット用記録シートの提供。
【解決手段】 基材シートの少なくとも片面に、少なくとも1層のインク受容層を設けてなるインクジェット用記録シートにおいて、インク受容層が、有機ポリイソシアネートと、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミンと、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂と、微粒子アルミナとからなる組成物を用いて形成されているインクジェット用記録シート。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット用記録シート(以下単に「記録シート」という)及びその製造方法に関し、更に詳しくは、印字画像に優れた耐水性及び耐湿性を付与し、且つインクの吸収性及びインクの発色性に優れ、安定した高品位な印字画像の記録が可能で、更に透明性及び耐ブロッキング性に優れるインク受容層を有し、搬送性にも優れた記録シート及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理、例えば、静電吸引方式や圧電素子を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱して発泡させ、その圧力を利用する方式等によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させて画像や文字等の記録を行うものであり、高速印字が可能で、且つ印字時に騒音の発生が少なく、高品位印字や多色印字の行える記録方式として種々の用途に急速に普及している。
このようなインクジェット記録に用いられる記録シートとしては、該記録シート上に付着したインクが滲みや流れを発生し、印字品位を損ねることがないように、インクの吸収を速やかにし、明瞭なインクドットが形成されるように、紙等の支持体に種々の顔料と樹脂とを主成分とするインク受容層を設けたもの或いは紙自身に多孔質の顔料を抄き込んだ記録シートが提案されている。
例えば、特許文献1には、顔料として無機顔料と有機顔料とを併用し、水溶性高分子からなるインク受容層を設けることが記載され、又、特許文献2には、微粉末アルミナとシラノール基を有するポリビニルアルコール共重合体よりなるインク受容層を設けることが記載されている。
しかし、記録の高速化、高精細化或いはフルカラー化等のインクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録シートにも次のような高度な特性を併せ持つことが要求されるようになった。
(1)インクの吸収が速く、且つインク吸収容量が大きいこと、
(2)インクの発色性が高いこと、
(3)インク受容層の表面強度が高いこと、
(4)支持体が耐水性を有し、インクにより支持体に凹凸やカールを生じないこと、
(5)インク受容層に印字された画像は、耐水性及び耐オゾン性等の画像保存性が良いこと、
(6)インク受容層が経時変化しないものであること、等。
従来、これらの要求を満たすために記録シートに設けるインク受容層の成分として、インク吸収性に優れた多孔質顔料や水溶性高分子を使用したり、インク受容層の耐水性向上のためにラテックスを使用したり、更には支持体自体として耐水性を有する合成紙やプラスチックフィルム等を用いることが提案並びに検討されてきた。
しかしながら、支持体に紙を用いたり、水溶性高分子のみを用いて形成されたインク受容層を有する記録シートは、そこに形成された画像の耐水性が悪く、印字部分が滲み、画像の鮮明性に劣る。又、インク受容層に多孔質顔料を分散させた記録シートは、多孔質顔料は通常つや消し剤(マット剤)として使用されるように、一般的にインク受容層の透明性を低下させるものであり、たとえ5質量%以下の少ない分散量であってもその透明性は著しく低下する。一方、支持体に合成紙やプラスチックフィルムを用いたり、インク受容層の樹脂にラテックスを使用したものについては、インク受容層と支持体との接着性やインク受容層におけるインクの吸収性及びインクの乾燥性に問題がある。
特開昭57−82085号公報 特開昭62−268682号公報
本発明は、特に水性インクの吸収性に優れ、且つインクドットの形状がシャープで、インクの発色性に優れ、安定した高品位な印字画像を与え、更に透明性、耐ブロッキング性、耐水性及び耐湿性に優れるインク受容層を有し、搬送性にも優れる記録シートの提供を目的とするものである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの少なくとも片面に、少なくとも1層のインク受容層を設けてなる記録シートにおいて、インク受容層が、有機ポリイソシアネートと、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミン(以下「親水性成分」という)と、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂と、微粒子アルミナとからなる組成物(以下「本発明の組成物」という)で形成されていることを特徴とする記録シートを提供する。
又、本発明は、基材シートの少なくとも片面に、少なくとも1層のインク受容層を設けて記録シートを製造する方法において、インク受容層を、本発明の組成物を含む塗料を基材シートの少なくとも片面に塗布及び乾燥させて形成することを特徴とするインクジェット用記録シートの製造方法を提供する。
以上の本発明によれば、本発明の組成物を用いてインク受容層を形成することより、インクの吸収性、乾燥性、発色性に優れ、安定した高品位の印字画像の記録が可能で、更には印字画像の透明性、耐ブロッキング性、耐水性に優れたインク受容層を有する記録シートが提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。 本発明の記録シートは、インク受容層が、樹脂成分としての親水性ポリウレタン樹脂と微粒子アルミナとから構成されている。本発明で用いる親水性ポリウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネートと、親水性成分と、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを、必要に応じて鎖延長剤の存在下に反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂である。
本発明において微粒子アルミナは、前記親水性ポリウレタン樹脂を合成する際、前記親水性成分に予め微粒子アルミナを添加しておいて親水性ポリウレタン樹脂を合成することで、生成する親水性ポリウレタン樹脂中に含有(分散)させられ、上記微粒子アルミナは、上記の親水性ポリウレタン樹脂の溶液に、分散剤を使用しないにも拘らず、安定に分散している。この本発明の組成物を用いて本発明の記録シートのインク受容層が形成される。尚、本発明においてはポリウレタン樹脂とは、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂及びポリウレタン−ポリウレア樹脂を総称するものである。
本発明において、親水性成分と微粒子アルミナとの混合物としては、親水性成分に微粒子アルミナを機械的に混合及び分散させたものも使用できるが、上記親水性成分とアルミナゾルとの混合物からアルミナゾルの分散媒体を除去して得られたものを使用することが好ましい。上記親水性成分をそれらの可溶性有機溶剤の溶液として使用する場合には、上記可溶性有機溶剤もアルミナゾルの分散媒体とともに混合物から除去する。本発明におけるアルミナゾルとは、微粒子アルミナが、通常、その分散媒体である水及び/又はアルコール等に安定に分散したものである。分散媒体としては、ケトン、エステル、その他の有機溶剤も使用される。このアルミナゾル中の微粒子アルミナの平均粒径は、通常1μm以下であり、特に1〜300mμm(nm)のものが好ましい。
従来、記録シートのインク受容層を形成する場合には、樹脂の溶液や分散液等を使用する方法が一般的である。微粒子アルミナをポリウレタン樹脂の溶液に分散させる方法として、下記の方法が挙げられる。例えば、微粒子アルミナをポリウレタン樹脂に通常の分散混合機を用いて混合分散させ、これを溶剤に溶解して使用する方法(1)、微粒子アルミナ或いはアルミナゾルをポリウレタン樹脂溶液に添加及び分散させる方法(2)が考えられる。
しかし、上記方法(1)は、分散剤を用いても安定な微粒子アルミナの分散液が得られず、経済的にも不利である。又、上記方法(2)は、一般的な方法ではあるが、この方法でも分散剤を用いても微粒子アルミナを安定に分散させることはできない。又、上記(2)の方法において微粒子アルミナとしてアルミナゾルを用いても微粒子アルミナの分散安定性は低く、時間とともにポリウレタン樹脂溶液と微粒子アルミナの両者は容易に分離してしまう。この理由は、ポリウレタン樹脂とアルミナゾルとの相溶性(親和性)や、両者のpHの変化に対する安定性或いはポリウレタン樹脂と微粒子アルミナの表面の性質が異なること等によるものである。
他の方法として、ポリウレタン樹脂の合成反応時にアルミナゾルを合成系に添加する方法も考えられるが、アルミナゾルの分散媒体である水やアルコールはポリウレタン樹脂の原料であるポリイソシアネートと反応することから、この方法ではアルミナゾルは使用できないのは勿論、他の溶剤系のアルミナゾルを用いても微粒子アルミナの分散安定性に優れたポリウレタン樹脂溶液は得られない。
しかし、本発明で使用する後述の親水性成分は、その親水性によりアルミナゾルとの相溶性(親和性)が極めて高く、任意の割合でアルミナゾルと安定に混合することができる。そして、この混合物からアルミナゾルの分散媒体を任意の方法で除去することにより、極めて安定に微粒子アルミナが分散した親水性成分(以下では「微粒子アルミナ分散親水性成分」という)が得られ、しかも、親水性成分中の微粒子アルミナの分散量が増大しても、該親水性成分の粘度上昇は少なく、且つ該微粒子アルミナ分散親水性成分と他のポリウレタン原料を溶剤中で反応させることによって、親水性ポリウレタン樹脂溶液中に微粒子アルミナが、分散剤を使用しなくても安定に分散した分散液が得られる。無溶剤でポリウレタン樹脂を合成した場合には、得られたポリウレタン樹脂をその可溶性有機溶剤に溶解することで、上記と同じ安定な分散液が得られる。これらの分散液は、いずれも極めて透明であり、これらから形成される被膜(フィルム)も透明である。
親水性成分或いはその溶液とアルミナゾルとの混合物からのアルミナゾルの分散媒体や有機溶剤の除去は、一般的に減圧下で容易に行うことができる。この場合、分散媒体の留去を、減圧下及び低温で行うことが好ましく、70℃以下の温度で分散媒体を留去することが特に好ましい。これ以上の高温で分散媒体の留去を行うとアルミナゾル中の微粒子アルミナの凝集が起こることがあり、微粒子アルミナの分散安定性が低下するとともに、透明性の低い微粒子アルミナ分散親水性成分が生成することがある。親水性成分とアルミナゾルとの混合割合は、微粒子アルミナが、最終的に得られる親水性ポリウレタン樹脂と微粒子アルミナとからなる本発明の組成物において5〜95質量%を占める量が好ましく、更に好ましくは10〜90質量%を占める量である。
本発明においてインク受容層を構成する樹脂として使用する親水性ポリウレタン樹脂は、親水性成分を構成単位とする親水性セグメントと、少なくとも1個の加水分解性シリル基を有する成分を構成単位とする加水分解性シリル基含有セグメントとを有している。これらのセグメントは、親水性ポリウレタン樹脂の合成時に、鎖延長剤を使用しない場合は、それぞれランダムにウレタン結合、ウレア結合又はウレタン−ウレア結合で結合されている。親水性ポリウレタン樹脂の合成時に、鎖延長剤を使用する場合には、上記の結合とともに、これらの結合の間に鎖延長剤の残基である短鎖が存在する。
上記親水性ポリウレタン樹脂に加水分解性シリル基が導入されたことにより該樹脂は水分による架橋が可能であり、本発明の組成物には架橋によって各種素材に対する優れた接着性が付与され、且つ上記組成物を用いて形成されたインク受容層には優れた吸水性、防曇性、透明性、可とう性、水性インクの筆記性、耐水性、耐ブロッキング性及び滑性が付与される。親水性ポリウレタン樹脂中の加水分解性シリル基の導入部位は、特に制限されないが、通常、該樹脂の分子鎖末端及び/又は側鎖である。
親水性ポリウレタン樹脂の分子鎖末端及び/又は側鎖に導入された加水分解性シリル基は、例えば、下記の式(I)及び/又は(II)に示す反応によって、水分で該樹脂を架橋させることができる。架橋により、該樹脂は、耐水性が向上し、且つ該樹脂被膜の表面強度も向上し、耐ブロッキング性も向上する。
Figure 2005231292
本発明で使用する親水性ポリウレタン樹脂の架橋は、水分によって生じるが、該樹脂は親水性であることから、空気中の水分を利用して架橋させることもできる。架橋は、上記のように加水分解性シリル基が水分によってシラノール基に変換され、このシラノール基が縮合することによって行われるから、シラノール縮合を促進させるために本発明の組成物には触媒を添加しておくのが好ましい。かかる触媒としては、一般には錫系のカルボン酸塩や酸性触媒及び塩基性触媒が好ましく、その使用量は親水性ポリウレタン樹脂に対して0.0001〜10質量%の範囲が好ましい。
次に本発明で使用する親水性ポリウレタン樹脂の原料について説明する。
本発明において上記の親水性ポリウレタン樹脂中に加水分解性シリル基を導入するために使用する化合物としては、例えば、少なくとも1個の反応性基として、例えば、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、イソシアネート基等の反応性基と加水分解性シリル基とを有するシランカップリング剤或いは上記シランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物等が挙げられる。上記シランカップリング剤における加水分解性シリル基の代表例は、メトキシ化シリル基、エトキシ化シリル基、メトキシエトキシ化シリル基等のアルコキシ化シリル基であるが、これら以外の加水分解性シリル基も使用できることは勿論である。
本発明で使用する反応性基を有するシランカップリング剤としては、例えば、下記の如き化合物が挙げられる。
〔1〕一般式(1)で表される、少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するシランカップリング剤。
Figure 2005231292
(式中のR1は低級アルキル基、R2は低級アルキル基、低級アルコキシ基又はイソシアネート基を、Xは、何もないか、又は2価の有機基、好ましいものはC0〜C50のアルキレン鎖、芳香族環又は脂肪族環であり、これらの基はその中に連結基として、−N−、−O−、−CO−、−COO−、−NHCO−、−S−、−SO−、−SO2−等を含んでいてもよい。又、m=0〜3の整数、n=3−mである。)
上記一般式(1)で表わされる化合物の好ましい具体例は下記の通りである。
Figure 2005231292
〔2〕活性水素含有基を有するシランカップリング剤と有機ポリイソシアネートとの反応生成物であり、該生成物が分子中に少なくとも1個の遊離イソシアネート基を有するもの。
上記のシランカップリング剤としては、例えば、下記の一般式(2)で表わされるものが挙げられる。
Figure 2005231292
(式中のYは、−NH−、−NR3−、−O−、−S−であり、R1、R2、X、m、nは前記定義の通りである。R3は低級アルキル基である。)
上記一般式(2)で表わされる上記シランカップリング剤の好ましい具体例は下記の通りである。尚、下記化合物中のエポキシ基は開環させて使用する。
Figure 2005231292
Figure 2005231292
以上のシランカップリング剤は、本発明において使用する好ましいシランカップリング剤の例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。従って、上記の例示の化合物のみならず、その他公知の現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物は、いずれも本発明において使用することができる。
又、親水性ポリウレタン樹脂には、その合成時に加水分解性シリル基を導入することができるが、より好ましくは加水分解性シリル基が導入されていない親水性ポリウレタン樹脂を合成した後、その分子鎖末端及び/又は側鎖にある反応性基と上記のシランカップリング剤とを、例えば、下記のように反応させて、これらの部位に加水分解性シリル基を導入することが好ましい。
[1]分子鎖末端への導入
Figure 2005231292
[2]分子鎖側鎖への導入
Figure 2005231292
(上記式中のR1、R2、X及びYは前記と同じであり、Zは−O−、−S−、−NR3−、−NH−であり、〔P〕は重合体1分子当たり少なくとも2つのウレタン結合及び/又はウレア結合を含有する親水性ポリウレタン樹脂の分子鎖を表す。又、R3は低級アルキル基であり、m及びnは前記定義の通りである。)
本発明で使用する有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の合成に従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に制限されない。好ましいものとして、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等、或いはこれらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンを末端イソシアネートとなる様に反応させて得られるポリウレタンプレポリマー等も使用することができる。
本発明で使用する親水性成分としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を分子中に有する重量平均分子量が400〜8,000の範囲のものが好ましい。
末端が水酸基で、親水性を有するポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコールアジペートポリオール、ポリエチレングリコールサクシネートポリオール、ポリエチレングリコール/ポリ−ε−カプロラクトン共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリバレロラクトン共重合ポリオール等が挙げられる。特に好ましいのは、ポリエチレングリコールである。
末端がアミノ基で、親水性を有するポリアミンとしては、例えば、ポリエチレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドトリアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン等が挙げられる。その他、カルボキシル基やビニル基を有したエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
本発明においては、親水性ポリウレタン樹脂に耐水性を付与するため、上記の親水性成分とともに、親水性鎖を有しない他のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等を併用することも可能である。
本発明において必要により使用される鎖延長剤としては、例えば、低分子量ジオールやジアミン等の従来公知の鎖延長剤がいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
本発明で使用する組成物は、上述の親水性成分とアルミナゾルとの混合物から、アルミナゾルの分散媒体を除去して得られるもの、即ち、微粒子アルミナ分散親水性成分と、前記有機ポリイソシアネートと、少なくとも1個の活性水素含有基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子中に有する化合物とを、必要により鎖延長剤の存在下、従来公知のポリウレタン樹脂の製造方法に準じて反応させることによって得ることができる。該反応は、有機溶剤中で行ってもよいし、無溶剤で行ってもよい。有機溶剤中で行う場合には、得られる本発明の組成物は、親水性ポリウレタン樹脂溶液に微粒子アルミナが安定に分散した状態である。無溶剤で反応を行う場合には、得られた本発明の組成物は、固体状であり、該固体状の組成物を、該組成物を構成している親水性ポリウレタン樹脂の可溶性有機溶剤に溶解して使用する。該可溶性有機溶剤は特に限定されず、ジメチルホルムアミドやメチルエチルケトン等が好ましいものとして挙げられる。又、可溶性有機溶剤としては、親水性ポリウレタン樹脂の合成に用いられる溶剤も使用できる。本発明の組成物の溶液は、いずれも親水性ポリウレタン樹脂溶液に微粒子アルミナが安定に分散している分散液である。
本発明で使用する組成物を構成する親水性ポリウレタン樹脂の分子量は特に限定されず、GPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜800,000の範囲が好ましく、更に好ましくは5,000〜500,000の範囲である。
本発明で使用する組成物において、微粒子アルミナの含有量は、該組成物中において5〜95質量%を占める量が好ましく、更に好ましくは10〜90質量%を占める量である。微粒子アルミナの含有量が5質量%未満では、本発明の目的である耐ブロッキング性や滑性といったインク受容層の優れた表面特性の発現が不十分となり、一方、95質量%を超えるとインク受容層の強度やインク受容層の基材シートに対する接着性等に劣るようになるので好ましくない。驚くべきことに、微粒子アルミナの含有量が75〜95質量%の場合には、本発明の組成物を用いた塗料を基材シートにコーティングすることにより、数mμm(nm)サイズの微多孔質で、しかも透明性にも優れたインク受容層が形成される。
本発明における親水性ポリウレタン樹脂中の加水分解性シリル基の含有量は、0.001〜10meq(ミリ当量)/gの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0meq/gである。加水分解性シリル基の含有量が0.001meq/g未満、即ち、分子量10,000当たり0.01個未満では相対的に親水性セグメントの割合が大となり、本発明の所期の目的である耐水性や耐ブロッキング性といったインク受容層の優れた表面特性の発現が不十分となり、一方、加水分解性シリル基の含有量が10meq/gを超えると、即ち、分子量10,000当たり100個を超えると、樹脂中の親水性セグメントが相対的に減少し、その結果撥水性(耐水性)が強くなり、インク受容層の吸水性能や防曇性に劣るようになるので好ましくない。
又、本発明における親水性ポリウレタン樹脂中の親水性セグメントの含有量は、30〜80質量%が好ましく、更に好ましくは50〜75質量%である。親水性セグメントの含有量が30質量%未満では、形成されるインク受容層の吸水性及び防曇性に劣るようになり、一方、80質量%を超えると、形成されるインク受容層の耐水性及び耐ブロッキング性に劣るようになり好ましくない。
本発明の記録シートの基材シートとしては、例えば、紙、プラスチックフィルム、ガラス、布、木材、金属等が用いられるが、特に限定されない。紙としては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステル、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート等の厚さ50乃至250μmのシート等が挙げられる。又、基材シートには、必要に応じてインク受容層に対する接着性を付与するプライマー層や非受容層側である基材シートの裏面に記録シートカール防止層や摩擦係数を改良する滑性層を設けることもできる。
本発明においては、インク受容層を形成するために、前記の本発明の組成物が使用される。インク受容層を構成する樹脂成分としては、前記の組成物中の親水性ポリウレタン樹脂単独でもよいが、印字に使用するインクジェット記録用インクの組成により、インク受容層に親水性及び/又は吸水性を更に付与するか、或いは調整するために、前記組成物に公知の水溶性高分子を組み合わせて使用してもよい。これらの水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、CMC、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸系共重合体、澱粉、カチオン澱粉、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
又、インク受容層や印字画像に耐水性や耐久性を更に付与するために、前記の本発明の組成物に、疎水性の高分子を組み合わせて使用してもよい。これらの疎水性高分子としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等の如く、インク受容層の形成に一般に使用されている合成樹脂が挙げられる。
又、インク受容層のインクの吸収性、定着性、発色性、更には耐ブロッキング性及び耐水性を向上させる目的で、本発明の組成物に、無機及び有機の顔料や樹脂粒子等を含有させることができる。使用される顔料や樹脂粒子としては、例えば、カオリン、デラミカオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、ゼオライト、ベンナイト、セリサイト、リトポン等の鉱物質顔料や多孔質顔料、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン樹脂、その他有機顔料等の微粒子、多孔質微粒子及び中空粒子等の公知の顔料や樹脂粒子の中からインク受容層の品質設計に応じて1種又は2種以上が適宜使用される。この場合、これらの顔料や樹脂粒子の使用量は、インク受容層の形成に使用する本発明の組成物の全固形分の0〜95質量%、好ましくは10〜90質量%の範囲である。
更に、必要に応じて、本発明の組成物に上記以外に増粘剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、サイズ剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、着色剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、クエンチャー剤、防腐剤、帯電防止剤、架橋剤、分散剤、滑剤、可塑剤、pH調整剤、流動性改良剤、固化促進剤、耐水化剤等の各種助剤を適宜配合することも可能である。
本発明において記録シートのインク受容層を形成するために使用する本発明の組成物としては、溶剤中で合成した本発明の組成物の溶液をそのまま使用することが好ましく、無溶剤で本発明の組成物を製造した場合には、該組成物を適当な溶剤に溶解して使用することができる。これらの溶液に必要に応じて溶剤可溶性又は不溶性の添加剤を添加してもよい。上記溶液は、通常、固形分が5〜15質量%程度の塗料として調製される。
上記塗料を、グラビアコート、ダイレクト又はリバースロールコート、ワイヤーバーコート、エアナイフコート、カーテンコート、ブレードコート、ロッドコート、ダイコート等で基材シートの少なくとも片面に塗布及び乾燥してインク受容層を形成する。更に、乾燥後のインク受容層を、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて表面仕上げを行い、本発明の記録シートが得られる。
形成されるインク受容層の厚みは、上記塗布液の乾燥時塗布量で5〜100g/m2程度となる厚みが好ましく、更に好ましくは10〜50g/m2程度である。インク受容層の厚みが5g/m2未満では、インク受容層によるインクの吸収が不十分となり、厚みが100g/m2を超えると、得られる効果は飽和となり不経済であり、そのうえインク受容層の折れ割れや記録シートのカール等の発生が起こりやすくなる。
次に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中の「部」又は「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
参考例1
ポリエチレングリコール(分子量1,000)700部とアルミナ水ゾル(アルミナの平均粒径150〜160nm、固形分40%)750部とを充分に混合し、得られた混合物を攪拌しながら70℃で減圧脱水を行った。理論量の水が留去された後、温度を120℃に上げ、133.3Pa以下の減圧下で更に水分を除去し、アルミナ含有量30%の白色固体状ポリオール(A)を得た。このポリオール(A)は、水酸基価76mgKOH/g、水分率0.15%、80℃では透明な液体となり、その時の液体の粘度は380dPa・sであった。
参考例2
ポリエチレングリコール(分子量590)100部とアルミナ水ゾル(アルミナの平均粒径10〜20nm、固形分20%)500部とを充分に混合し、得られた混合物を攪拌しながら70℃で減圧脱水を行った。理論量の水が留去された後、温度を120℃に上げ、133.3Pa以下の減圧下で更に水分を除去し、アルミナ含有量50%の白色固体状ポリオール(B)を得た。このポリオール(B)は、水酸基価95mgKOH/g、水分率0.12%、90℃で軟化するものであった。
参考例3
ポリエチレンオキサイドジアミン(テキサコケミカル社製ジェファーミンED;分子量600)100部とアルミナ水ゾル(アルミナの平均粒径150〜160nm、固形分40%)2,250部とを充分に混合し、得られた混合物を攪拌しながら70℃で減圧脱水を行った。理論量の水が留去された後、温度を120℃に上げ、133.3Pa以下の減圧下で水分を更に除去し、アルミナ含有量90%の白色固体状ポリアミン(C)を得た。このポリアミン(C)は、アミン当量30g/mol、水分率0.20%、110℃で軟化するものであった。
参考例4
(本発明の組成物の製造)
ポリエチレングリコール(分子量2,040)30部と、参考例1のポリオール(A)120部と、1,3−ブチレングリコール12部とを、200部のメチルエチルケトンと200部のジメチルホルムアミドとの混合溶媒中に溶解し、60℃でよく攪拌しながら、60部の水添MDIを100部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を徐々に滴下し、滴下終了後、80℃で8時間反応させた。得られた樹脂を赤外分光光度計で分析したところ、その赤外吸収スペクトルには水酸基の吸収は認められず、又、ピリジン法(JISK−0070 2.5)による定量によっても水酸基は確認されなかった。
次に上記の樹脂溶液にイソシアネート基を有するシランカップリング剤〔(C25O)3Si(CH2)3NCO〕8部を加え、80℃で8時間反応させ、上記と同様にして生成した樹脂からイソシアネート基が消失していることを確認した後、ジメチルホルムアミドを加えて固形分を20%に調整し、本発明の組成物の溶液(塗料)を得た。
この組成物の溶液は、22dPa・s(25℃)の粘度を有していた。上記組成物を構成している親水性ポリウレタン樹脂のGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下の例も同様)は65,000であり、上記組成物(固形分)中のアルミナの含有量は15.6%、上記ポリウレタン樹脂中の加水分解性シリル基の含有量は0.47meq/g、親水性セグメントの含有量は58.7%であった。
参考例5
(本発明の組成物の製造)
(1)イソシアネート末端シランカップリング剤の製造
ヘキサメチレンジイソシアネートと水との付加物(ジュラネート24A−100:旭化成社製、NCO%=23.5)270部を25℃でよく攪拌しながら、この中にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン111部を徐々に滴下して反応させ、無色透明な液状生成物(D)が得られた。得られた生成物(D)は、遊離のイソシアネート基が10.5%〔理論値(100%反応した場合に化学量論的に生成する反応物中の該基の量)は11.2%〕であり、理論的には下記構造を有すると思われる。
Figure 2005231292
(2)上記液状生成物(D)8部と、トルエンジイソシアネート35部と、参考例2のポリオール(B)150部とを、200部のジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(=1/1(質量比))の混合溶剤中、80℃で5時間反応させてイソシアネート末端ポリウレタン樹脂を得た。次に該樹脂溶液の温度を20℃に調整し、50部のメチルエチルケトンに溶解した5部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後同温度で1時間反応させた。更に50部のメチルエチルケトンに溶解した10部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを徐々に滴下し、30℃で1時間反応させ、生成樹脂からイソシアネート基が消失していることを確認した後、ジメチルホルムアミドを加えて固形分を20%に調整し、本発明の組成物の溶液(塗料)を得た。
この組成物の溶液は、28dPa・s(25℃)の粘度を有していた。上記組成物を構成している親水性ポリウレタン−ポリウレア樹脂の重量平均分子量は58,000であり、上記組成物(固形分)中のアルミナの含有量は36%、上記樹脂中の加水分解性シリル基の含有量は0.35meq/g、親水性セグメントの含有量は56.3%であった。
参考例6
(本発明の組成物の製造)
12部の水添MDIと、ポリエチレンオキサイドジアミン(ジェファーミンED;分子量2,000)5部と、参考例3のポリアミン(C)145部とを、200部のジメチルホルムアミド中で、30℃、4時間反応させてイソシアネート末端ポリウレア樹脂を得た。次に該樹脂溶液の温度を20℃に調整し、50部のメチルエチルケトンに溶解した1部の1,4−ジアミノブタンを徐々に滴下し、滴下終了後、同温度で1時間反応させた。更に50部のメチルエチルケトンに溶解した4部のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを徐々に滴下し、30℃で1時間反応させ、前記と同様にして生成樹脂からイソシアネート基が消失していることを確認した後、ジメチルホルムアミドを加えて固形分を20%に調整し、本発明の組成物の溶液(塗料)を得た。
この組成物の溶液は、18dPa・s(25℃)の粘度を有していた。上記組成物を構成している親水性ポリウレア樹脂の重量平均分子量は42,000であり、上記組成物(固形分)中のアルミナの含有量は79%、上記樹脂中の加水分解性シリル基の含有量は0.62meq/g、親水性セグメントの含有量は54.9%であった。
参考例7
イソシアネート基を有するシランカップリング剤を使用せず、又、参考例1のポリオール(A)のアルミナを除いたポリオールを使用する他は参考例4と同じ材料と処方によりポリウレタン樹脂の溶液(塗料)を得た。
この樹脂溶液は、固形分が20%で、50dPa・s(25℃)の粘度を有し、上記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は68,000であった。
参考例8
イソシアネート末端シランカップリング剤とγ−アミノプロピルトリメトキシシランを使用せず、又、参考例2のポリオール(B)のアルミナを除いたポリオールを使用する他は参考例5と同じ材料と処方によりポリウレタン−ポリウレア樹脂の溶液(塗料)を得た。
この樹脂溶液は、固形分が20%で、40dPa・s(25℃)の粘度を有し、上記ポリウレタン−ポリウレア樹脂の重量平均分子量は55,000であった。
参考例9
γ−アミノプロピルトリメトキシシランを使用せず、又、参考例3のポリアミン(C)のアルミナを除いたポリアミンを使用する他は参考例6と同じ材料と処方によりポリウレア樹脂の溶液(塗料)を得た。
この樹脂溶液は、固形分が20%で、25dPa・s(25℃)の粘度を有し、上記ポリウレア樹脂の重量平均分子量は32,000であった。
参考例10〜12
参考例1〜3のアルミナ水ゾルを、それぞれ参考例7〜9の樹脂溶液中に攪拌しながら添加したが、微粒子アルミナが析出し、溶液(塗料)は不透明となった。
参考例13
鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(重合度550)の5%水溶液(塗料)を調製した。
実施例1〜3
参考例4〜6で得られた組成物の溶液(塗料)を坪量35g/m2の上質紙に、エアナイフコーターで、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布及び乾燥してインク受容層を形成し、本発明の記録シートとした。
比較例1〜7
参考例7〜13で得られた樹脂溶液(塗料)を、それぞれを坪量35g/m2の上質紙に、エアナイフコーターで、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布及び乾燥して、インク受容層を形成し、比較例の記録シートとした。
〔記録シートの評価〕
以上のようにして得られた10種類の記録シートについて、水溶性染料インクで印字記録するインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製PM−800C)でイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色を使用して印字記録を行い、以下の項目の評価を行った。
(1)耐ブロッキング性
インク受容層の表面に未処理PETフィルムを重ね、荷重0.29MPa、温度40℃で一日放置後の耐ブロッキング性を評価した。結果を以下のように表示する。
○:ブロッキング性なし
△:ややブロッキング性あり
×:ブロッキング性あり
(2)透明性
インク受容層の表面の曇りを目視にて判定した。結果を以下のように表示する。
○:完全に透明
△:僅かに曇りがある
×:完全に不透明
(3)発色鮮明性
インクジェットプリンターでインク受容層にカラー印字後、得られたカラー画像の発色鮮明性を目視により観察した。結果を以下のように表示する。
○:滲みがなく鮮明
△:やや滲みがあり、やや不鮮明
(4)インクの乾燥性
インクジェットプリンターでインク受容層にカラー印字後、50g/m2の荷重で5秒間濾紙を印字面に押し付け、インクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。
(5)印字画像の耐水性
インクジェットプリンターでインク受容層にカラー印字後、記録シートを水中に漬け(20℃、1時間)、その後、室温で乾燥した際の、記録画像の滲み、発色の変化を目視により観察した。結果を以下のように表示する。
○:画像の滲み、発色の変化なし
△:画像及びインク受容層に変化が認められる
×:画像がかなりとれるか、インク受容層ごと取れる
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2005231292
以上の本発明によれば、本発明の組成物を用いてインク受容層を形成することにより、インクの吸収性、乾燥性、発色性に優れ、安定した高品位の印字画像の記録が可能で、更には印字画像の透明性、耐ブロッキング性、耐水性に優れたインク受容層を有する記録シートが提供される。

Claims (10)

  1. 基材シートの少なくとも片面に、少なくとも1層のインク受容層を設けてなるインクジェット用記録シートにおいて、インク受容層が、有機ポリイソシアネートと、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミンと、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂と、微粒子アルミナとからなる組成物を用いて形成されていることを特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 微粒子アルミナの含有量が、組成物中において5〜95質量%を占める量である請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
  3. 微粒子アルミナが、親水性ポリウレタン樹脂を合成する際に、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミンに添加されている請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
  4. 微粒子アルミナが、平均粒径が1〜300nmの微粒子アルミナである請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
  5. 親水性ポリウレタン樹脂中の親水性セグメント及び加水分解性シリル基の含有量が、それぞれ30〜80質量%及び0.001〜10meq/gである請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
  6. 基材シートの少なくとも片面に、少なくとも1層のインク受容層を設けてインクジェット用記録シートを製造する方法において、インク受容層を、有機ポリイソシアネートと、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミンと、少なくとも1個の反応性基と少なくとも1個の加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合物とを反応させて得られる親水性ポリウレタン樹脂と、微粒子アルミナとからなる組成物を含む塗料を基材シートの少なくとも片面に塗布及び乾燥させて形成することを特徴とするインクジェット用記録シートの製造方法。
  7. 微粒子アルミナが、親水性ポリウレタン樹脂を合成する際に、高分子量親水性ポリオール及び/又はポリアミンに添加されている請求項6に記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
  8. 微粒子アルミナの含有量が、組成物中において5〜95質量%を占める量である請求項6に記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
  9. 微粒子アルミナが、平均粒径が1〜300nmの微粒子アルミナである請求項6に記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
  10. 親水性ポリウレタン樹脂中の親水性セグメント及び加水分解性シリル基の含有量が、それぞれ30〜80質量%及び0.001〜10meq/gである請求項6に記載のインクジェット用記録シートの製造方法。
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