JP2005230684A - 冷却装置及び鋼材の冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 流体を混合して噴射する装置に使用されるチップ状のノズル100であって、入り側流路1、混合部3、及び出側流路2がこの順に配置されてチップ100を貫通する主流路8と、チップの側面9から混合部3へと通じるとともに流れ方向が主流路8に対して30〜60度の角度をなす複数の副流路4、4、…とを備え、入り側流路1はその入口側開口が混合部側開口より小であるとともに、流路側面5の流れ方向に対する傾斜が5〜25度の角度をなしている、ことを特徴とする、ノズル100を設ける。
【選択図】 図1
Description
一方で、熱間圧延鋼板の製造ラインに配置される冷却装置では、通常、液体のみもしくは気体と液体とを混合させた混合物を鋼板表面へ噴射することにより、当該鋼板を冷却しており、この混合物は、気液混合ノズルから噴射されている。
入り側流路(1)、混合部(3)、及び出側流路(2)がこの順に配置されてチップ(100)を貫通する主流路(8)と、チップの側面(9)から混合部(3)へと通じるとともに流れ方向が主流路(8)に対して30〜60度の角度をなす複数の副流路(4)、(4)、…とを備え、
入り側流路(1)はその入口側開口が混合部側開口より小であるとともに、流路側面(5)の流れ方向に対する傾斜が5〜25度の角度をなしている、ことを特徴とする、ノズル(100)により、上記課題を解決しようとするものである。
ここで、「流体」は、気体、液体、及び粉体等圧力をかけることにより流動可能なものを含む概念である。また、「流れ方向」とは、流体の流れる方向であって、流路の中心線の方向をいう。
入り側流路(1)の入口側開口に通じる第1流体供給部(20)と、副流路(4)のチップ側面開口に通じる第2流体供給部(21)と、これら流体供給部を仕切る第1隔壁(30)と、第2流体供給部(21)と被噴射面側とを仕切る第2隔壁(31)とを備え、
チップ(100)は、第1隔壁(30)及び第2隔壁(31)に固定されるとともに、出側流路(2)は、第2隔壁(31)の被噴射面側に開口していることを特徴とする、ヘッダーにより上記課題を解決しようとするものである。
P1>P2+0.05(MPa) を満たすことを特徴とする。
また、本発明のノズルは従来のノズルの1/3程度の大きさであるほか、本発明のノズルが二重構造を有する本発明のヘッダーに備えられると、ノズルに供給される流体は配管を介することなくヘッダーからノズルへと直接供給され、従来は必要であった配管が不要になる。したがって、本発明のヘッダーは、ノズルの配置密度を従来よりも大きくすることが可能になり、被冷却材を均一に冷却することができる。
さらに、かかる特徴を有するヘッダーを具備する本発明の冷却装置は、高い冷却能力を有するとともに被冷却材を均一に冷却することが可能である。したがって、本発明の冷却装置は、冷却装置内に備えるべきヘッダー数を抑えることが可能になるため、冷却装置の小型化を図ることが可能になる。
加えて、このような特徴を有する本発明の冷却装置を、熱間圧延鋼板等の冷却装置として適用すれば、鋼板を均一に冷却し得る鋼板の冷却方法を提供することができる。
なお、以下において、本発明のノズルを通して物質が噴射される場合には、入り側流路に圧縮空気が供給されるとともに、複数の副流路(以後、単に「副流路」と記述することがある。)に工業用水が供給されることを想定して記載するが、入り側流路及び副流路に供給される流体はこれらに限定されず、気体、液体、及び粉体等圧力をかけることにより流動可能なものから適宜選択することができる。
また、以下において、本発明のノズルを備えたヘッダーは、熱間圧延鋼板等の冷却装置に備えられることを想定して記述するが、例えば、温度維持装置や加熱装置等にも使用され得る。
本発明のノズルの実施形態例を、図1に示す。図1(a)〜(c)は、本発明のノズル100を鉛直方向に切断した場合における断面図であり、図の下方向に噴射が行われる。ここで、図1(a)は、一定の空間を有する混合部3を備えるノズル100の断面図であり、図1(b)は、単なる合流部である混合部3を備えるノズル100の断面図、そして、図1(c)は、副流路を含まない鉛直方向断面を示す図である。
本発明のノズル100は、流体を混合して噴射する装置に使用されるチップ状のノズル100であって、入り側流路1、混合部3、及び出側流路2がこの順に配置されてチップ100を貫通する主流路8と、チップの側面9から混合部3へと通じるとともに流れ方向が主流路8に対して30〜60度の角度をなす複数の副流路4、4、…とを備え、入り側流路1はその入口側開口が混合部側開口より小であるとともに、流路側面5の流れ方向に対する傾斜が5〜25度の角度をなしている、ことを特徴とする。
入り側流路1において、その入口側開口は混合部側開口よりも小さい。かかる形状を採ることにより、入口側開口から供給される圧縮空気を絞って当該空気の流速を増加させる、いわゆるオリフィスの役割を果たすことが可能になる。また、入り側流路の側面5は、入り側流路1の流れ方向に対する傾斜が5〜25度の角度をなしている。すなわち、入口側開口及び混合部側開口が共に円形であり、入口側開口が混合部側開口よりも上方に位置している場合、入り側流路1は、戴頭円錐の形状を有する。入り側流路1がかかる形状を採ることにより、流路1の入口側開口から流入する圧縮空気が、この開口から混合部側開口へと進むにつれて均一に広がり易くなり、副流路4、4から流入する工業用水と、混合部3において均一に混合され得る。
ノズル100を通して気液混合物が噴射される際、出側流路2は、噴射される気液混合物が通過する。出側流路2において、混合部側開口を出口側開口よりも小さくすることにより、混合部3において混合された気液混合物が、出口側開口から噴射されやすくなる。また、出側流路2がテーパ状の側面10を備えることにより、出口側開口から噴射される気液混合物が均一になる。したがって、出側流路2がかかる形状を備えるノズル100とすることにより、このノズル100を備える熱間圧延鋼板等の冷却装置は、均一な気液混合物を噴射することが容易になり、その冷却能力を向上させることが可能になる。
ノズル100を通して気液混合物が噴射される際、混合部3では、入り側流路1から供給される圧縮空気と副流路4、4から供給される工業用水とが混合されて気液混合物となる。入り側流路1及び副流路4、4が上記形状を備えることにより、混合部3において均一な気液混合物を得ることが可能になり、出側流路2から均一な気液混合物を噴射することが可能になる。
なお、混合部3の形状は特に限定されず、均一な混合物が得られる限り、どのような形状であっても良い。例えば、混合部3は、図1(a)のように一定の空間を有する形状であっても良く、図1(b)及び(c)のように単なる合流部であっても良い。
複数の副流路4、4の流れ方向を、主流路8に対して30〜60度の角度とすることにより、入り側流路1から供給される圧縮空気と副流路4、4から供給される工業用水との混合が均一になる。したがって、複数の副流路4、4の流れ方向が、主流路8に対してなす角度は30〜60度であることが好ましい。より好ましくは、40〜50度である。副流路4、4の流れ方向が、主流路8と上記角度をなすことにより、本発明のノズル100を備える熱間圧延鋼板等の冷却装置は、均一な気液混合物を得ることが容易になり、その冷却能力を向上させることが可能になる。
なお、図1は、副流路4を2つ備えるノズル100の断面図であるため、図中には2つの副流路4、4が示されているが、本発明のノズル100が備える副流路4の数は、2以上であれば特に限定されない。
ネジ部6は、本発明のチップ状のノズル100(以後、本発明のノズル100の外形形状について記載する場合、チップ状のノズル100を単に「チップ100」と記載することがある。)をヘッダー200へ固定する際に活用され、その形状は特に限定されない。なお、図1に示すチップ100では、ネジ部6を記載したが、本発明のチップ100をヘッダー200へ固定可能であれば、ネジ部6に代わる形状を有していても良い。例えば、チップ100をヘッダー200へ押し付けて装着する際に適する嵌合構造等を好適に備えることができる。
図1に示すチップ100において、シール7は、O−リングが配設されることを想定して示したが、シリコーンやシールテープが備えられても良く、チップ100からの液体等の漏洩を防止可能であれば、備えられる部材は特に限定されない。
チップ100の形状は、特に限定されず、例えば、円柱状とすることができる。これ以外にも、例えば、角柱状等の柱状又は戴頭円錐等の形状とすることができ、さらに、入口側開口が属する部位及び/又は出口側開口が属する部位の形状だけでなく、チップ100の側面9を適当な形状としても良い。例えば、チップ側面の少なくとも一部に切り込みを入れた形状等とすることができる。
本発明のヘッダーの実施形態例を、図3及び図4に示す。図3は、本発明のヘッダー200を鉛直方向に切断した場合における断面図であり、図4は、図3におけるA−A断面のうち、本発明のノズル100が設置されている箇所及びその周辺のみを拡大した断面図である。
なお、図3において、チップ100は便宜的に一つのみを示したが、本発明のヘッダー200は、複数のチップ100、100、…を備えるものとする。
また、図4において、第1流体供給部20内の圧縮空気は、入り側流路1を通って供給されるとともに、第2流体供給部21内の工業用水は、副流路4、4を通って供給され、チップ100の混合部3において混合された後、かかる気液混合物は、出側流路2を通って、出口側開口より噴射される。
ヘッダーに設置されるノズルの設置密度が大きいほど、ヘッダーから噴射される気液混合物の量が増すと同時に噴流衝突点の総面積が増加するので冷却能が増加する。したがって、単に水量を増加させるよりノズル密度を増すことにより、ヘッダーの冷却能力を向上させることが好ましい。従来のノズルは、その大きさが本発明のノズル100よりも大きいため、ヘッダーにおけるノズル密度を一定値以上とすることができず、均一な冷却をすることが困難であった。しかし、本発明のノズル100は、従来よりも小型であるため、当該密度を増すことにより、均一な冷却をすることが可能になるほか、冷却能力が向上するため、熱間圧延鋼板等の冷却装置としても利用され得る。
本発明のヘッダー200において、ノズル密度の値は特に限定されないが、かかる密度を100個/m2以上とすることにより、高い冷却能力を有するヘッダーを得ることが容易になり、当該ヘッダーを熱間圧延鋼板等の冷却装置に用いる場合には、高い冷却能力を有するとともに熱間圧延鋼板等を均一に冷却し得る冷却装置とすることが可能である。したがって、本発明のヘッダー200において、ノズル密度は100個/m2以上とすることが好ましく、かかる密度を有するノズルは、千鳥状に配置されることが好ましい。
本発明のヘッダー200における噴射面40の形状例を、図5に示す。図5は、ヘッダー200の側面図である。ここで、図5の各図において、実線は、紙面方向に最も手前のノズルから噴射されている気液混合物を、点線は、それ以外のノズルから噴射されている気液混合物を、それぞれ示している。
本発明において、ヘッダー200における噴射面40の形状は特に限定されないが、フラット状(図5(a))、又は円弧状(図5(b))等の形状とすることが好ましい。さらに好ましくは、台形状(図5(c))である。
これは、以下の理由による。すなわち、ノズルを備えるヘッダーをテーブルローラー間に設置し、下から上へと気液混合物を噴射して鋼板の下面を冷却する場合において、
1)噴射面40を台形状とし、斜めの面41、41にノズルを一列ずつ配置すれば、ヘッダーの斜め上方への気液混合物の噴射が容易になり、ロールと鋼板との接点近傍の領域にも気液混合物を到達させることが可能になるため、冷却面積が増大し鋼板の強冷却及び均一冷却が可能になる。
2)噴射面40が水平ではない面にそれぞれ二列以上のノズルを配置すると、鋼板下面に衝突した後の冷却水と噴射面40から噴射される気液混合物とが干渉して冷却効果が低下する結果、鋼板の冷却効率が低下するが、噴射面40を台形状とし、噴射面40における斜めの面41、41にノズルを一列ずつ配置することにより、干渉による冷却能低下を防止しつつ、鋼板を強冷却、均一冷却することが可能になる。
したがって、噴射面40の形状は、さらに好ましくは台形状である。
噴射面40がかかる形状を採ることにより、本発明のヘッダー200を備える熱間圧延鋼板等の冷却装置の冷却能力を向上させることもできる。
本発明の冷却装置は、本発明のヘッダー200を備えることを特徴とする。本発明のヘッダー200は、従来よりも小型である本発明のノズル100を備えるため、圧縮空気と工業用水とが均一に混合した気液混合物を噴射することが可能である。したがって、かかるヘッダー200を備える冷却装置を、熱間圧延鋼板等の冷却装置として用いることにより、熱間圧延鋼板等を均一に冷却することが可能になる。ここで、熱間圧延鋼板等の冷却装置において圧縮空気及び工業用水を冷却媒体として使用する場合には、これらに混入している不純物等が本発明のノズル200に詰まることを防止するため、各媒体はフィルターを通して供給することが好ましい。
本発明の冷却装置200に備えられるヘッダー200には、マスキング装置50を備えている。図6に、本発明の冷却装置に備えられるヘッダー200の形態例を示す。図6(a)は、気液混合物が噴射される噴射面40に、マスキング装置50、50を備えるヘッダー200の正面図であり、図中の矢印は、噴射される気液混合物を示している。一方、図6(b)は、図6(a)に示すヘッダー200の側面図である。
本発明の冷却装置に備えられるヘッダー200が図6の形態を採ることにより、マスキング装置50、50が備えられている部位において、気液混合物の噴射を制限することが可能になる。そのため、このヘッダー200を備える冷却装置が熱間圧延鋼板等の冷却装置として使用され、例えば、マスキング装置50、50の設置間隔を鋼板端部の間隔以下に設定して、気液混合物の鋼板端部への噴射を制限すると、鋼板端部の過冷却を低減することが容易になり、鋼板を均一に冷却することが可能になる。
なお、マスキング装置50、50は、図6(a)の左右方向へと移動可能なものとしても良い。
本発明のノズル100に流体を供給する方法につき、以下に説明する。
本発明のノズル100における入り側流路1へと供給される圧縮空気の供給圧をP1、複数の副流路4、4、…へと供給される工業用水の供給圧をP2とするとき、本発明の流体供給方法では、P1>P2 の条件を満たすことを特徴とする。
本発明の鋼板の冷却方法は、上記冷却装置を用いて熱間圧延鋼板等の鋼板を冷却する方法であって、使用される冷却装置にはヘッダー200が備えられており、このヘッダー200にはマスキング装置50が2以上備えられているとともに、備えられた2つのマスキング装置50、50は、冷却される鋼板の板幅以下の間隔で設置されていることを特徴とする。かかる構成を採る冷却装置を用いて鋼板を冷却することにより、鋼板端部の過冷却を抑制し得る冷却が容易になり、鋼板を均一に冷却し得る鋼板の冷却方法を提供することが可能になる。
本発明の実施例及び比較例では、鋼板を冷却することにより、本発明のノズルを備える冷却装置と従来のノズルを備える冷却装置との冷却能力を比較した。
本実施例の冷却能力測定試験において使用した本発明のヘッダーを、図7に示す。図7(a)は、ヘッダー200の正面図であり、ヘッダー200に設置されているノズル100、100、100、100、…より気液混合物が噴射され、図7(a)において、ヘッダー200の下方に位置すべき鋼板を冷却する。これに対し、図7(b)は、ヘッダー200の下面図であり、図中の「○」は、ヘッダー200に備えられるノズル100、100、…を示している。本実施例において、試験片は図7(b)の上下方向へと送られ、試験片の幅方向は、図7(b)の左右方向であった。以後、図7(b)の上下方向を「長手方向」と、図7(b)の左右方向を「幅方向」と、それぞれ記述する。
入り側流路1の入口内径d1; 1.2mm
複数の副流路4、4の内径d2; 3.0mm
複数の副流路4、4の数; 周方向に3個
出側流路2の入口内径d3; 4.9mm
出側流路2の出口内径d4; 11.1mm
入り側流路1及び副流路4の中心線同士がなす角度; 45度
入り側流路1のテーパ角度; 16度
出側流路2のテーパ角度; 45度
入り側流路1の入口側開口と出側流路2の混合部側開口との間の距離L1; 14mm
出側流路2の混合部側開口と出口側開口との間の距離L2;3.1mm
ここで、本実施例で使用したノズル100は、3つの副流路を備えていたが、図8にはその中の2つの副流路4、4のみが図示されている。
本発明の比較例において使用したスリットジェット冷却装置の概略図を、図9に示す。図9は、スリットジェット冷却装置60及び試験片70を、冷却装置60の側面から見た図であり、当該装置60におけるスリット部61及び試験片70が含まれる範囲を拡大して示した。なお、図中の矢印は、試験片に噴射される冷却水である。
試験片を1000℃まで加熱した後、試験片温度が900℃となってから試験片の冷却を開始し、当該試験片表面の温度が200℃以下となるまで、冷却を実施した。ヘッダーに設置されたノズルから噴射される噴射ミストの直下部(以後、単に「直下部」と記述する。)及び流水部における冷却曲線から、100℃間隔毎にその冷却曲線の傾きを求め、かかる傾きから、熱伝達率を算出した。
1) 上記冷却能力試験において、試験片の裏面に熱電対を溶着した後、その試験片を加熱し、引き続き、当該試験片の裏面を放冷するとともに、表面をノズルから噴射される気液混合物により冷却し、この冷却中における鋼板の温度変化を測定する。
2) 試験片の厚み、密度、比熱及び熱伝導率を考慮して、試験片表面の冷却速度を算出し、さらに、この冷却速度を熱流速及び試験片表面の面積で除することにより、鋼板表面の平均熱伝達率を表面温度の関数として算出する。
3) 上記冷却能力試験において、冷却条件を種々変化させた各場合における熱伝達率を算出する。
なお、本発明の実施例及び比較例では、試験片の位置を適宜変更することにより、直下部及び流水部における熱伝達率を測定した。
そこで、本発明の実施例及び比較例では、実際の厚板製造ラインにおける冷却装置(以後、「実機」と記述する。)により近い環境で実験を行うため、実施例においては板幅500mm、高さ200mmのせき止め板を用いて試験片表面に水膜を形成させる一方、比較例においては200mmφのロールを用いて試験片上の流水をせき止めることにより、実機における鋼板の冷却状態を模擬した。図10(a)及び(b)に、本実施例におけるヘッダー及びせき止め板の配置の概念図を、図10(c)及び(d)に、本比較例におけるスリットジェットノズル及びせき止め板の配置の概念図を、それぞれ示す。なお、図10(a)〜(d)において、図中の矢印は冷却媒体を示している。ここで、図10(a)は、ヘッダー200、せき止め板80、及び試験片を置く試験台90を横から見た、本実施例における実機模擬形態の側面図であり、便宜上、せき止め板80は一つのみを図示している。一方、図10(b)は、ヘッダー200、せき止め板80、80、及び試験台90を上から見た、本実施例における実機模擬形態の上面図である。これに対し、図10(c)は、スリットジェットノズル60、水切りロール85、及び試験台90を横から見た、本比較例における実機模擬形態の側面図であり、便宜上、せき止め板80は図示していない。一方、図10(d)は、スリットジェットノズル60、せき止め板80、水切りロール85、及び試験台90を上から見た、本比較例における実機模擬形態の上面図である。
図11の縦軸として示した熱伝達率は、直下部及び流水部における熱伝導率の値と、750mmと仮定したヘッダー間隔の値とを用いて算出した、1ヘッダー当たりの試験片冷却長さである750mm間における平均熱伝達率である。
ここで、本発明の実施例におけるノズル一個当りの水量は、8.0L/分、圧縮空気の流量は、40NL/分、ノズルにおける気水比は5.0NL/L、及びヘッダー一個当りの水量は、0.912m3/分であったため、750mm間における平均水量密度は、0.912÷0.75=1.216m3/分・m2であった。一方、本発明の比較例におけるスリットジェットの流量は、3.0m3/分であったため、750mm間における平均水量密度は、3.0÷0.75=4.0m3/分・m2であった。
2 出側流路
3 混合部
4 副流路
5 入り側流路の側面
8 主流路
9 チップの側面
10 出側流路の側面
20 第1流体供給部
21 第2流体供給部
30 第1隔壁
31 第2隔壁
40 噴射面
50 マスキング装置
100 ノズル(チップ)
200 ヘッダー
Claims (10)
- 流体を混合して噴射する装置に使用されるチップ状のノズルであって、
入り側流路、混合部、及び出側流路がこの順に配置されて前記チップを貫通する主流路と、前記チップの側面から前記混合部へと通じるとともに流れ方向が前記主流路に対して30〜60度の角度をなす複数の副流路とを備え、
前記入り側流路はその入口側開口が前記混合部側開口より小であるとともに、流路側面の流れ方向に対する傾斜が5〜25度の角度をなしている、ことを特徴とする、ノズル。 - 前記出側流路は、その出口側開口が前記混合部側開口より大きく形成されており、その側面がテーパ状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のノズル。
- 請求項1又は2に記載のノズルを備えたヘッダーであって、
前記入り側流路の入口側開口に通じる第1流体供給部と、前記副流路の前記チップ側面開口に通じる第2流体供給部と、これら流体供給部を仕切る第1隔壁と、前記第2流体供給部と被噴射面側とを仕切る第2隔壁とを備え、
前記チップは、前記第1及び第2隔壁に固定されるとともに、前記出側流路は、前記第2隔壁の被噴射面側に開口している、ことを特徴とする、ヘッダー。 - 前記第1流体供給部に供給される流体が気体であるとともに、前記第2流体供給部に供給される流体が液体であることを特徴とする、請求項3に記載のヘッダー。
- 前記気体が空気であり、前記液体が水であることを特徴とする、請求項4に記載のヘッダー。
- 請求項3〜5のいずれか1項に記載のヘッダーを備えることを特徴とする、冷却装置。
- 前記ヘッダーから流体が噴射される噴射面に、マスキング装置が備えられていることを特徴とする、請求項6に記載の冷却装置。
- 請求項1又は2に記載のノズルに流体を供給する方法であって、前記入り側流路から供給される流体の供給圧P1と、複数の前記副流路から供給される流体の供給圧P2とが、P1>P2 を満たすことを特徴とする、流体供給方法。
- 前記P1及び前記P2が、P1>P2+0.05(MPa) を満たすことを特徴とする、請求項8に記載の流体供給方法。
- 請求項7に記載の冷却装置を用いて鋼板を冷却する方法であって、
前記冷却装置に備えられている前記ヘッダーは、複数の前記マスキング装置を備えるとともに、
備えられている複数の前記マスキング装置のうち少なくとも2つの前記マスキング装置の間隔は、鋼板の板幅以下であることを特徴とする、鋼板の冷却方法。
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