JP2005230618A - 窒素酸化物の除去方法および窒素酸化物の除去装置 - Google Patents

窒素酸化物の除去方法および窒素酸化物の除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 窒素酸化物の除去機能の再生むらを軽減することができる窒素酸化物の除去方法を提供する。
【解決手段】 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法であって、窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含む窒素酸化物の除去方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法および窒素酸化物の除去装置に関し、特に、大気中に含まれる窒素酸化物を効率よく除去することができる窒素酸化物の除去方法および前記除去方法を行う場合に好適に使用することができる窒素酸化物の除去装置に関する。
従来から、気体中の窒素酸化物を除去する方法として、ボイラーあるいはガスタービン、ガスエンジン等の発電設備の燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物を除去するアンモニア脱硝方法や尿素脱硝方法がある。また、自動車排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する方法として、排ガス中に含まれる炭化水素を還元剤とし、窒素酸化触媒を除去する三元触媒系方法がある。上記の方法により排ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する場合には、排ガスの有する数100℃のエネルギーを利用して窒素酸化物を窒素ガスに還元して除去している。また、燃焼ガス中や排ガス中に含まれる窒素酸化物濃度は、一般に数100ppmである。
燃焼ガスや排ガスに使用されている上記の窒素酸化物の除去方法を大気中に含まれる窒素酸化物の除去方法として応用する場合、大気中に含まれる窒素酸化物の濃度が低いために窒素酸化物を窒素ガスに還元する際の反応速度が遅いという問題が生じる。
また、大気中に含まれる窒素酸化物を除去する方法としては、アルカリ吸収液を用いるアルカリ吸収法(特許文献1)や、還元剤を用いる還元法、固体吸着剤を用いる吸着法(特許文献2)などがある。
しかしながら、アルカリ吸収法では、低濃度の窒素酸化物を吸収することは可能であるが、大気中に共存する二酸化炭素も窒素酸化物と同時に吸収してしまうため効率的に窒素酸化物を吸収できないという問題がある。また、還元法では、還元剤が大気中に共存する酸素によって酸化されてしまうため効率的に窒素酸化物を還元できないという問題がある。また、固体吸着法では、大気中に含まれる窒素酸化物の濃度が低い場合、固体吸着剤への窒素酸化物の吸着量が少なくても、固体吸着剤がすぐに吸着破過してしまうため、大気中に含まれる窒素酸化物を十分に吸着できないという問題がある。
さらに、上述した問題を解決するための窒素酸化物の除去方法として、固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に気体を供給することにより気体中に含まれる窒素酸化物を除去し、固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去することにより窒素酸化物の除去機能が再生される方法(特許文献3)もある。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、再生工程において供給される再生剤に、窒素酸化物吸着手段に含まれる固体吸着剤を均一に接触させることができず、窒素酸化物の除去機能の再生むらが生じる場合があった。特に、固体吸着剤を層状に充填した充填層を備えた窒素酸化物吸着手段において、除去装置の設置面積を縮小するためや除去能力を向上させるために、固体吸着剤の層厚を厚くすると、窒素酸化物が除去されにくい領域が形成されやすくなり、窒素酸化物の除去機能の再生むらが一層大きくなる。
このような再生むらは、再生工程に要する時間が長くなる、再生しても所定の除去機能が得られない場合があるなどの不都合の原因となるため問題となっていた。
特開平10−211427号 特開平11−9957号 特願2002−285903号
本発明の窒素酸化物の除去方法および除去装置によれば、固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に気体を供給することにより気体中に含まれる窒素酸化物を除去し、固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去することにより窒素酸化物の除去機能が再生されるので、気体中に含まれる窒素酸化物を効率よく除去することができる。しかも、窒素酸化物の除去機能を、固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から固体吸着剤に再生剤を供給することによって再生するので、窒素酸化物が除去されにくい領域が形成されることを防ぐことができる。
したがって、窒素酸化物の除去機能の再生むらが軽減され、短時間で再生工程を行うことが可能になるとともに、再生により所定の除去機能が容易に得られる。また、除去装置の設置面積を縮小するためや除去能力を向上させるために、固体吸着剤の層厚を厚くした場合の再生むらに起因する問題の発生が防止される。
本発明は、上述の問題を解決し、窒素酸化物の除去機能の再生むらを軽減することができる窒素酸化物の除去方法を提供することを課題としている。
上記の問題を解決するために、本発明の窒素酸化物の除去方法は、気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法であって、
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、
前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含むことを特徴とする。
この窒素酸化物の除去方法は、窒素酸化物の除去機能を再生する再生工程を含む方法であるので、以下に示すように、従来の窒素酸化物の除去方法における問題を解決することができ、気体中に含まれる窒素酸化物を効率よく除去することができる。
すなわち、この窒素酸化物の除去方法によれば、除去工程によって、固体吸着剤が窒素酸化物で吸着破過し、窒素酸化物の除去機能が低下しても、再生工程において窒素酸化物の除去機能が再生するので、固体吸着剤が窒素酸化物で吸着破過することによる問題は生じない。
また、固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に気体を供給することにより気体中に含まれる窒素酸化物を除去するので、窒素酸化物を含む気体中に二酸化炭素や酸素などのガスが共存していても共存するガスに起因する問題が生じることはない。
また、上記の窒素酸化物の除去方法によれば、窒素酸化物の濃度にかかわらず、窒素酸化物を効率よく除去することができる。したがって、上記の窒素酸化物の除去方法は、従来の窒素酸化物の除去方法では窒素酸化物を効率よく除去することが困難であった気体、例えば、道路トンネル内、地下駐車場内、都市内幹線道路近傍などの大気が採取された気体である場合にも好ましく適用できる。
しかも、上記の窒素酸化物の除去方法によれば、固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から固体吸着剤に再生剤を供給することによって、窒素酸化物の除去機能を再生するので、窒素酸化物が除去されにくい領域が形成されることを防ぐことができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらが軽減され、再生むらに起因する問題の発生が防止される。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を介して前記再生剤を供給する除去方法としてもよい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、再生剤供給口から容易に均一に再生剤を供給することができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらをより一層効果的に軽減することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記再生工程が、再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程を含む除去方法としてもよい。
一般に、固体吸着剤における窒素酸化物の除去機能は、単に固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去しても、固体吸着剤が乾燥状態となるまで完全には回復しない。このため、従来から、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することが望まれていた。
また、除去装置の設置場所によっては、固体吸着剤の凍結や結露に起因する固体吸着剤の劣化の促進や除去機能の低下などの不都合が生じることがあった。
これに対し、上記の窒素酸化物の除去方法では、再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程を含むので、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、固体吸着剤の凍結や結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、再生剤の供給時に固体吸着剤を加熱することで、再生剤による窒素酸化物の除去効率を促進することが可能となる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記再生工程が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を含む除去方法としてもよい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるともに、固体吸着剤の結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、加熱した気体を再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風することにより、より一層効果的に、固体吸着剤の乾燥時間の短縮や、固体吸着剤の凍結および結露に起因する不都合を防止することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、窒素酸化物センサーにより前記除去機能を検知する検知工程を含み、前記検知工程において除去機能の低下が検知された場合に、前記再生工程を行う除去方法としてもよい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、所定の水準以上の窒素酸化物の除去機能を確保することができ、窒素酸化物を除去した後に得られる気体の品質を向上させることができる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記窒素酸化物吸着装置と前記再生剤を貯留する再生剤タンクとの間で、前記再生剤を循環させてもよい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、窒素酸化物吸着装置と再生剤タンクとの間で再生剤を循環させるだけで、容易に再生工程を行うことができるものとなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
さらに、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記除去工程の前に、前記気体中に含まれる窒素酸化物を、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素のいずれかにする前処理工程を含む除去方法としてもよい。
二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素は、いずれも一酸化窒素と比較して固体吸着剤に吸着されやすい。したがって、上記の前処理工程を含む窒素酸化物の除去方法とすることで、たとえ、気体中に含まれる窒素酸化物に一酸化窒素が含まれていたとしても、一酸化窒素が含まれていない場合と同様に、効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することが可能となる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記窒素酸化物吸着手段に供給される前記気体が、湿度を含むことが望ましい。
気体中に水が含まれていると、固体吸着剤の表面で窒素酸化物の水和反応が生じ、窒素酸化物が亜硝酸または硝酸となる。このため、固体吸着剤による窒素酸化物の吸着量が増大し、窒素酸化物が固体吸着剤により一層吸着されやすくなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
さらに、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記固体吸着剤が、炭素系材料であることが望ましい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、固体吸着剤が、大きな比表面積を有するものとなるので、窒素酸化物が固体吸着剤により一層吸着されやすくなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
特に、固体吸着剤として好ましく適用される大きな比表面積を有する炭素系材料の一例として、活性炭を挙げることができる。
さらに、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記塩基性物質が、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物であることが望ましい。
強塩基性物質であるアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物は、固体吸着剤の吸着した窒素酸化物を効率良く除去することができる。このため、塩基性物質をアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物とすることで、より一層効率よく再生工程を行うことができ、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、前記還元性物質が、亜硫酸塩であることが望ましい。
亜硫酸塩は、常温でも効率よく窒素酸化物を窒素ガスまで還元することができる。このため、還元性物質を亜硫酸塩とすることで、より一層効率よく再生工程を行うことができ、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去方法においては、再生剤が還元性物質を含む場合には、除去機能を窒素雰囲気で再生することが望ましい。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、還元性物質が酸素などによって劣化することを防ぐことができ、再生剤の寿命を長くすることができる。
さらに、上記の問題を解決するために、本発明の窒素酸化物の除去装置は、気体中に含まれる窒素酸化物を除去する装置であって、
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段と、
前記窒素酸化物吸着手段の窒素酸化物の除去機能が低下した場合に、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給する再生剤供給手段とを備え、
前記固体吸着剤に吸着された窒素酸化物が前記再生剤によって除去されることにより、低下した前記除去機能が再生されることを特徴とする。
このような窒素酸化物の除去装置は、上述した窒素酸化物の除去方法を行う場合に好適に使用することができ、気体中に含まれる窒素酸化物を効率よく除去することができ、しかも、窒素酸化物の除去機能の再生むらを軽減することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去装置においては、再生剤供給手段が、前記再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を含み、前記再生剤供給管を介して前記再生剤が散布される除去装置としてもよい。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給口から容易に均一に再生剤を供給することができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらをより一層効果的に軽減することができる。
また、再生剤供給管を固体吸着剤に埋め込むだけで、容易に固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口が得られるので、再生剤供給口を設ける際の手間がかからず容易である。
また、上記の窒素酸化物の除去装置においては、再生剤供給管が発熱手段を備えたものであり、再生剤供給管が供給する熱により固体吸着剤が加熱される除去装置としてもよい。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給管を発熱させることにより前記固体吸着剤を加熱することができ、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、固体吸着剤の凍結や結露に起因する不都合を防止することができる。
また、上記の窒素酸化物の除去装置においては、再生剤供給管が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する送風手段を備えたものである除去装置としてもよい。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風することができ、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるともに、固体吸着剤の結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、加熱した気体を再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する除去装置とすることで、より一層効果的に、固体吸着剤の乾燥時間の短縮や、固体吸着剤の凍結および結露に起因する不都合を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の窒素酸化物の除去方法の一例を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本発明の窒素酸化物の除去装置の一例を説明するための概略図である。また、図4および図5は、図3に示された窒素酸化物の除去装置を構成する窒素酸化物吸着装置の内部構造を説明するための図であり、図4は、再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図であり、図5は、固体吸着剤の充填された層内に埋め込まれた再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。なお、図5においては、図面を見やすくするために、固体吸着剤の記載はしていない。
まず、本発明の窒素酸化物の除去装置について詳細に説明する。
図3〜図5に示す窒素酸化物の除去装置は、窒素酸化物を除去するために採取された大気を窒素酸化物酸化装置2に供給する供給ライン1と、窒素酸化物酸化装置2と、窒素酸化物吸着装置(特許請求の範囲における「窒素酸化物吸着手段」に相当する。)4に窒素酸化物酸化装置2を通過した大気を供給する大気供給ライン3と、窒素酸化物を吸着する窒素酸化物吸着装置4と、窒素酸化物吸着装置4を通過した大気を浄化大気として放出する大気排出ライン5とを備えている。
また、図3に示す大気排出ライン5中には、窒素酸化物センサーが設置されている。窒素酸化物センサーは、窒素酸化物吸着装置4の窒素酸化物の除去機能を検知するものであって、大気排出ライン5から放出される浄化大気の窒素酸化物の濃度を管理するものである。さらに、図3に示す窒素酸化物の除去装置には、再生剤を貯留する再生剤タンク6と、再生剤タンク6から窒素酸化物吸着装置4に再生剤を供給する再生剤供給ライン7と、窒素酸化物吸着装置4から再生剤タンク6に窒素酸化物吸着装置4を通過した再生剤を戻す再生剤戻りライン8とを有する再生剤供給手段が備えられ、再生剤が、再生剤タンク6と窒素酸化物吸着装置4との間で、再生剤供給ライン7および再生剤戻りライン8を介して循環できるようになっている。
そして、図3に示す窒素酸化物の除去装置は、窒素酸化物センサーが所定濃度以上の濃度を検知した場合に、窒素酸化物吸着装置4の窒素酸化物の除去機能が再生されるようになっている。
供給ライン1は、窒素酸化物酸化装置2に大気を供給し得る構造のものであればいかなるものであってもよく、特に限定されない。また、供給ライン1には、必要に応じて、窒素酸化物吸着装置4の目づまりなどを防止する集塵装置や窒素酸化物酸化装置2に供給する大気の流速や流量を制御する装置などが取り付けられる。
窒素酸化物酸化装置2は、大気に含まれる窒素酸化物を酸化することにより、大気に含まれる窒素酸化物を二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素のいずれかにする前処理工程を行うものである。窒素酸化物酸化装置2の形態は特に限定されないが、低濃度の窒素酸化物を効果的に酸化することができるオゾン発生による酸化装置であることが好ましい。
窒素酸化物吸着装置4は、窒素酸化物を吸着させるものであり、窒素酸化物を吸着する固体吸着剤4aを容器内に充填してなる充填層が用いられる。固体吸着剤4aは、圧力損失を低くおさえる観点から、数mm〜数cmの破砕粒子や成型粒子、またはハニカム構造の粒子であることが好ましい。さらに、固体吸着剤4aは、低濃度の窒素酸化物を効率良く吸着する観点から、比表面積が大きいことが好ましい。また、窒素酸化物吸着装置4に使用される固体吸着剤4aの種類は、1種類でもよいが2種類以上併用してもよい。固体吸着剤4aを構成する材料としては、炭素系材料や無機系材料などを例示できる。炭素系材料としては、やしがら活性炭、ピッチ系活性炭、炭素繊維、木炭、フラーレン、カーボンナノチューブなどを例示できる。無機系材料としては、活性白土、アルミナ、ゼオライト、シリカ、マグネシア、チタニアなどを例示できる。中でも特に好ましい固体吸着剤4aとして、活性炭など大きな比表面積を有する炭素系材料が挙げられる。
また、固体吸着剤4aを充填する容器は、大気の漏洩がなく、固体吸着剤4aからの体圧や、固体吸着剤4aを洗浄・再生する際に使用される再生剤の液圧に耐え得る構造のものであればいかなるものであってもよく、特に限定されない。さらに、固体吸着剤4aを充填する容器の材質も特に限定されず、軟鋼、ステンレス鋼、FRP、PCVなどが例示できる。
また、再生剤供給手段には、図4および図5に示すように、再生剤供給ライン7に接続された再生剤供給管73、76と、再生剤供給管73、76に複数設けられ、再生剤供給管73、76を介して固体吸着剤4aに再生剤を散布する再生剤供給口72、74とが設けられている。再生剤供給管73、76は、固体吸着剤4aの充填された層上に配置された上部供給管73と、固体吸着剤4aの充填された層内に埋め込まれた内部供給管76とを有している。また、再生剤供給口72、74は、上部供給管73に設けられた上部供給口74と、内部供給管76に設けられ、固体吸着剤4aに囲まれた内部供給口72とを有している。
また、図4および図5に示すように、内部供給管76および上部供給管73は、S字型でそれぞれ水平に設置され、間隔aをあけて鉛直方向に積み重ねられ、平面的に重なり合う位置で一体化されて再生剤供給ライン7に接続されている。
図4に示す間隔aは、150mmのものが好ましい。150mmを越えると再生むらに起因する問題が生じやすく、150mm未満では、除去機能が十分に得られない恐れが生じる。
なお、再生剤供給管73、76の形状は、再生剤を均一に供給できればよく、図5に示す例に限定されるものではなく、形成の容易性や設置時の手間、窒素酸化物吸着装置4の形状などを考慮して適宜決定することができる。具体的には、例えば、櫛歯状であってもよいし、渦巻き状であってもよい。
また、再生剤供給管73、76は、図4に示すように、一体化されて再生剤供給ライン7に接続されていてもよいし、それぞれ個別に再生剤供給ライン7に接続されていてもよい。
また、再生剤供給口72、74からの再生剤の散布方向は、均一に再生剤を散布することができればよく、特に限定されないが、例えば、再生剤供給管73、76を容易に形成可能なものとするように上向きや下向きなどの特定の方向に揃えられていてもよいし、図4および図5に示すように、揃えられていなくてもよい。
再生剤供給管73、76は、発熱手段を備えたものであり、固体吸着剤4aに熱を供給できるようにされている。発熱手段としては、再生剤供給管73、76が発熱することにより固体吸着剤4aに熱を供給できるものであればよく、とくに限定されないが、例えば、熱伝導性に優れた材料によって再生剤供給管73、76を形成し、絶縁被覆されたニクロム線を再生剤供給管73、76内に延在させて発熱体として用いる方法などが挙げられる。
また、再生剤供給管73、76は、送風手段を備えたものであり、再生剤供給口から温風を固体吸着剤4aに供給できるようにされている。送風手段としては、とくに限定されないが、例えば、簡易的な温風ヒータなどが挙げられる。
また、再生剤供給管73、76を形成する材料としては、特に限定されないが、固体吸着剤4aに熱を短時間で供給できるため、銅などの金属で形成することが望ましい。また、再生剤供給管73、76は、径が15〜25mm、再生剤供給口72、74の口径が3〜5mm、再生剤供給口72、74同士の間隔が30 〜100mmのものが好ましく、洗浄・再生する際の再生剤の液圧などによって決定される。例えば、再生剤を6.6×10−4/sで供給する場合には、径が20mm、再生剤供給口72、74の口径が3mm、再生剤供給口72、74同士の間隔が50mmのものが好ましく使用できる。
また、図3に示す窒素酸化物の除去装置では、窒素酸化物を効果的に吸着するために、大気供給ライン3を介して供給された大気の湿度が、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上となるようにされている。窒素酸化物吸着装置4に供給される大気の湿度は、いかなる方法および装置を用いて制御されていてもよく、例えば、大気に水を噴霧するなどして湿度を上昇させる方法などが好適に使用できる。
さらに、図3に示す窒素酸化物の除去装置では、窒素酸化物を効率よく吸着するために、制御装置9を用いて制御することにより、窒素酸化物吸着装置4に供給される大気の空間速度が、1000〜200000h−1、より好ましくは3000〜100000h−1となるようにされている。窒素酸化物吸着装置4に供給される大気の空間速度は、除去すべき大気の窒素酸化物の濃度や、固体吸着剤4aの種類、窒素酸化物吸着装置4の大きさなどに応じて決定される。なお、制御装置9は、窒素酸化物吸着装置4に供給される大気の空間速度を制御できるものであればいかなるものであってもよく、特に限定されない。
窒素酸化物吸着装置4は、固体吸着剤4aが窒素酸化物で吸着破過することによって徐々に窒素酸化物の除去機能が低下する。しかし、図3に示す窒素酸化物の除去装置では、吸着破過した固体吸着剤4aから再生剤を用いて窒素酸化物を除去することにより、窒素酸化物吸着装置4が再生される。再生剤としては、塩基性物質または還元性物質を含む水溶液が使用される。
塩基性物質としては、特に限定されないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などを挙げることができ、固体吸着剤の吸着した窒素酸化物を効率良く除去する観点から、強塩基性物質であるアルカリ金属水酸化物やアルカリ土類水酸化物が特に好ましく使用される。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを例示できる。アルカリ土類水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどを例示できる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを例示できる。アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを例示できる。
また、還元性物質としては、特に限定されないが、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、水素化物、硫化水素、アルデヒド類などを挙げることができ、常温で窒素酸化物を窒素ガスまで還元する観点から、亜硫酸塩を用いることが好ましい。
亜硫酸塩としては、亜硫酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸鉄、亜硫酸銅などを例示できる。チオ硫酸塩としては、チオ硫酸リチウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウムなどを例示できる。水素化物としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミリチウムなどを例示できる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどを例示できる。
なお、再生剤として還元性物質を用いる場合は、還元性物質が酸素などによって劣化することを防ぐために、再生剤タンク6を窒素置換しておくことが望ましい。さらに、窒素酸化物吸着装置4を再生する際には、再生剤タンク6だけでなく窒素酸化物吸着装置4も窒素置換しておくことが好ましい。
再生剤は、窒素酸化物吸着装置4に供給される大気中の窒素酸化物の種類や量、再生剤の濃度などを考慮して調製することによって、1回または複数回使用することが可能なものとされる。
次に、このような窒素酸化物の除去装置を用いて、大気中に含まれる窒素酸化物を除去する方法について詳細に説明する。
以下に説明する方法によって窒素酸化物が除去される窒素酸化物を含む大気としては、特に限定されないが、例えば、数ppm以下の窒素酸化物濃度が問題となっている道路トンネル内や地下駐車場内から採取される大気、あるいは都市幹線道路近傍などから採取される大気などが挙げられる。また、窒素酸化物を含む大気としては、湿度が60%以上、より好ましくは80%以上であることが望ましい。
このような窒素酸化物を含む大気中に含まれる窒素酸化物を除去するには、まず、図1に示すように、窒素酸化物を含む大気が、大気供給ライン1を介して窒素酸化物酸化装置2に供給(S1)され、大気中の窒素酸化物が、前処理工程において、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素のいずれかとされる。ついで、窒素酸化物酸化装置2を通過した大気が、大気供給ライン3を介して窒素酸化物吸着装置4に供給(S3)され、大気中の窒素酸化物が固体吸着剤4aに吸着されて除去(特許請求の範囲における「除去工程」に相当する(S4)。)される。そして、窒素酸化物吸着装置4を通過した大気が、大気排出ライン5を介して浄化大気として放出(S6)される。
このとき、大気排出ライン5中に設置されている窒素酸化物センサーにより所定濃度以上の窒素酸化物が検知(特許請求の範囲における「検知工程」に相当する(S5)。)されると、大気供給ライン1からの窒素酸化物を含む大気の供給が遮断(S7)され、大気の供給を遮断したままの状態で、以下に示す窒素酸化物吸着装置4の再生(特許請求の範囲における「再生工程」に相当する(S8)。)が行われる。
窒素酸化物吸着装置4を再生するには、まず、図2に示すように、再生剤タンク6から再生剤供給ライン7を介して窒素酸化物吸着装置4に再生剤を供給(S81)し、固体吸着剤4aから窒素酸化物を除去(S82)する。再生剤による窒素酸化物の除去は、固体吸着剤4aに再生剤供給管73、76を介して再生剤供給口72、74から再生剤を散布するとともに、再生剤供給管73、76が供給する熱により固体吸着剤4aを加熱する方法によって行われる。
その後、再生剤供給管73、76が供給する熱により固体吸着剤4aを加熱するとともに、再生剤供給口72、74から固体吸着剤4aに送風し、固体吸着剤4aから再生剤を除去(S83)する。ここでの固体吸着剤4aへの熱の供給時間や送風時間は、天候などによって適宜決定される。また、送風の際には、固体吸着剤4aの配置に偏りを生じさせることがないように、固体吸着剤4aの材質や大きさなどに応じて、風速が適宜決定される。
また、ここでの固体吸着剤4aの加熱は、0〜400度の範囲とするのが望ましい。温度が0度未満であると、所望の効果が得られない場合があるので好ましくなく、温度が400度を越えると設置場所周辺の安全性が低下するおそれが生じるため好ましくない。
続いて、使用済みの再生剤を、再生剤戻りライン8を介して固体吸着剤4aの再生剤タンク6に戻す(S84)ことにより、窒素酸化物吸着装置4の再生が終了する。
このようにして、窒素酸化物吸着装置4の再生が終了すると、図1に示すように、大気供給ライン1からの窒素酸化物を含む大気の供給が再開(S9)される。そして、窒素酸化物を含む全ての大気が浄化大気として放出されるまで、上記の工程が繰り返され、窒素酸化物を含む全ての大気についての窒素酸化物の除去が終了する。
このような窒素酸化物の除去方法および除去装置によれば、固体吸着剤4aに囲まれた内部供給口である再生剤供給口72から固体吸着剤4aに再生剤を供給することにより窒素酸化物の除去機能を再生するので、窒素酸化物が除去されにくい領域が形成されることを防ぐことができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらが軽減され、再生むらに起因する問題の発生が防止される。
また、再生剤供給管が供給する熱により固体吸着剤を加熱する工程を含むので、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、再生剤による窒素酸化物の除去効率を促進することができる。
さらに、再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を、再生剤供給管が供給する熱により固体吸着剤を加熱する工程と同時に行うことにより、加熱した気体を固体吸着剤に送風することができるので、非常に効果的に固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができる。
なお、本発明の窒素酸化物の除去方法および除去装置においては、図4および図5に示すように、内部供給管76および上部供給管73がそれぞれS字型で水平に設置され、間隔aをあけて鉛直方向に積み重ねられたものであってもよいが、例えば、図6および図7に示すものであってもよい。
図6は、再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図であり、図7は、固体吸着剤の充填された層上に配置された再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。なお、図6および図7においては、図面を見やすくするために、固体吸着剤の記載はしていない。
図6および図7に示す再生剤供給管は、図6に示すように、固体吸着剤4aの充填された層上に配置された上部供給管75と、固体吸着剤4aの充填された層内に埋め込まれた内部供給管77とが、間隔aをあけて鉛直方向に接続されることによりS字型の形状をなし、図7に示すように、S字型の管が並べて設置され、上部供給管75において一体化されて再生剤供給ライン7に接続されているものである。
図6および図7に示す再生剤供給管においても、固体吸着剤4aに囲まれた再生剤供給口72から固体吸着剤4aに再生剤を供給することによって、窒素酸化物の除去機能を再生するので、窒素酸化物が除去されにくい領域が形成されることを防ぐことができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらが軽減され、再生むらに起因する問題の発生が防止される。
また、本発明の窒素酸化物の除去方法および除去装置においては、上述した例に示したように、窒素酸化物センサーにより所定濃度以上の窒素酸化物が検知された場合に窒素酸化物吸着装置4の再生を行うものとしてもよいが、所定の期間毎に行うものとしてもよい。例えば、本発明の窒素酸化物の除去方法および除去装置を長期にわたって連続して適用する場合など、メンテナンスのしやすさなどを考慮して、1日1回あるいは、1週間に1回などの周期で再生するようにしてもよい。
また、本発明の窒素酸化物の除去方法および除去装置においては、窒素酸化物吸着装置が複数設けられていてもよい。図8は、2つの窒素酸化物吸着装置が設けられている窒素酸化物の除去装置の一例を示した概略図である。なお、図8に示す窒素酸化物の除去装置は、図3に示す窒素酸化物の除去装置と、窒素酸化物吸着装置41、43とその周辺部分のみ異なるものであるので、図8においては、窒素酸化物吸着装置41、43とその周辺部分以外の部分を省略して示している。
図8に示す窒素酸化物の除去装置は、窒素酸化物を除去する領域Aと、窒素酸化物吸着装置を再生する領域B、Cとを備えている。窒素酸化物を除去する領域Aに配置され、支持部材45に支持された窒素酸化物吸着装置43には、大気供給ライン31から大気が供給される。そして、窒素酸化物吸着装置43を通過した大気が大気排出ライン51から放出されるようになっている。また、窒素酸化物吸着装置を再生する領域Bに配置され、窒素酸化物吸着装置43と連結部材44によって連結され一体化された窒素酸化物吸着装置41には、再生剤タンク61から再生剤供給ライン71を介して再生剤が供給され、窒素酸化物吸着装置41を通過した再生剤が再生剤戻りライン81を介して再生剤タンク61に戻されるようになっている。
また、窒素酸化物吸着装置43を再生する場合には、窒素酸化物吸着装置43が矢印Dの方向に移動して窒素酸化物吸着装置を再生する領域Cに配置されると同時に、窒素酸化物吸着装置41が窒素酸化物を除去する領域Aに配置される。なお、図8においては、領域Cに配置された窒素酸化物吸着装置43を点線で示すとともに、符号42で示している。また、窒素酸化物吸着装置42には、再生剤タンク62から再生剤供給ライン72を介して再生剤が供給され、窒素酸化物吸着装置42を通過した再生剤が再生剤戻りライン82を介して再生剤タンク62に戻されるようになっている。
図8に示す窒素酸化物の除去装置を用いて窒素酸化物を除去する場合、窒素酸化物吸着装置43が窒素酸化物を除去している間に、窒素酸化物吸着装置41が再生される。また、窒素酸化物吸着装置41が窒素酸化物を除去している間に、窒素酸化物吸着装置43が再生される。
このように、窒素酸化物吸着装置が複数設けられている場合、複数の窒素酸化物吸着装置のうちの少なくとも1つが窒素酸化物を除去している間に、他の窒素酸化物吸着装置を再生することができ、窒素酸化物の除去と再生とを同時に行うことができるので、連続的に効率よく窒素酸化物の除去を行うことができる。なお、窒素酸化物吸着装置が複数設けられている場合の再生剤供給手段の設置数は、図8に示す例のように、複数であってもよいし、1つであってもよい。また、複数の窒素酸化物吸着装置は、図8に示す例のように、連結されていてもよいが、連結されていなくてもよく、窒素酸化物を除去する領域と、窒素酸化物吸着装置を再生する領域との間を、それぞれが個別に移動可能とされていてもよい。
さらに、窒素酸化物吸着装置4が小型の場合には、固体吸着剤をカセット化して取り外し可能なものとすることで、カセット化された固体吸着剤を取り外して再生剤中に浸漬させる方法により、固体吸着剤の窒素酸化物を除去できるものとしてもよい。また、固体吸着剤をカセット化して取り外し可能なものとすることで、固体吸着剤を交換する必要が生じた場合に、容易に固体吸着剤を交換できるものとなる。
さらに、上述した例に示したように、窒素酸化物を含む大気は、窒素酸化物酸化装置2を通過した後、窒素酸化物吸着装置4に供給されることが望ましいが、窒素酸化物を含む大気における窒素酸化物の除去率が低くても問題ない場合や、気体中に含まれる窒素酸化物が、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素から選ばれる一種以上からなる場合には、大気供給ライン1が大気供給ライン3に直接接続され、窒素酸化物酸化装置2を介することなく窒素酸化物を含む大気が窒素酸化物吸着装置4に供給されるようになっていてもよい。
また、上述した例に示したように、本発明は、大気中に含まれる窒素酸化物を除去する際に好ましく適用することができるが、本発明において、窒素酸化物が除去される気体は大気でなくてもよく、特に限定されない。
また、本発明においては、上述した例に示したように、再生工程において、再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程や、再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を行うことができるが、固体吸着剤の凍結や結露に起因する不都合を防止するために、除去装置の設置場所の天候などに応じて、再生工程以外の工程において行うこともできる。
本発明の窒素酸化物の除去方法の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の窒素酸化物の除去方法の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の窒素酸化物の除去装置の一例を説明するための概略図である。 図3に示された窒素酸化物の除去装置を構成する窒素酸化物吸着装置の内部構造を説明するための図であり、再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図である。 図3に示された窒素酸化物の除去装置を構成する窒素酸化物吸着装置の内部構造を説明するための図であり、図5は、固体吸着剤の充填された層内に埋め込まれた再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。 再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図である。 固体吸着剤の充填された層上に配置された再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。 本発明の窒素酸化物の除去装置の他の例を説明するための概略図である。
符号の説明
1 大気供給ライン
2 窒素酸化物酸化装置
3、31 大気供給ライン
4、41、42、43 窒素酸化物吸着装置
4a 固体吸着剤
44 連結部材
45 支持部材
5、51 大気排出ライン
6、61、62 再生剤タンク
7、71、72 再生剤供給ライン
8、81、82 再生剤戻りライン
9 制御装置
76、77 内部供給管(再生剤供給管)
73、75 上部供給管(再生剤供給管)
72 内部供給口(再生剤供給口)
74 上部供給口(再生剤供給口)

Claims (14)

  1. 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法であって、
    窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、
    前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含むことを特徴とする窒素酸化物の除去方法。
  2. 前記再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を介して前記再生剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物の除去方法。
  3. 前記再生工程が、前記再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の窒素酸化物の除去方法。
  4. 前記再生工程が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  5. 窒素酸化物センサーにより前記除去機能を検知する検知工程を含み、前記検知工程において除去機能の低下が検知された場合に、前記再生工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  6. 前記窒素酸化物吸着装置と前記再生剤を貯留する再生剤タンクとの間で、前記再生剤を循環させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  7. 前記気体が、道路トンネル内、地下駐車場内、都市内幹線道路近傍のいずれかの大気が採取されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  8. 前記固体吸着剤が、炭素系材料であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  9. 前記塩基性物質が、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  10. 前記還元性物質が、亜硫酸塩であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
  11. 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する装置であって、
    窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段と、
    前記窒素酸化物吸着手段の窒素酸化物の除去機能が低下した場合に、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給する再生剤供給手段とを備え、
    前記固体吸着剤に吸着された窒素酸化物が前記再生剤によって除去されることにより、低下した前記除去機能が再生されることを特徴とする窒素酸化物の除去装置。
  12. 前記再生剤供給手段が、前記再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を含み、前記再生剤供給管を介して前記再生剤が散布されることを特徴とする請求項11に記載の窒素酸化物の除去装置。
  13. 前記再生剤供給管が発熱手段を備えたものであり、前記再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤が加熱されることを特徴とする請求項12に記載の窒素酸化物の除去装置。
  14. 前記再生剤供給管が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する送風手段を備えたものであることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の窒素酸化物の除去装置。
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