JP2005230618A - 窒素酸化物の除去方法および窒素酸化物の除去装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法であって、窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含む窒素酸化物の除去方法とする。
【選択図】 図1
Description
このような再生むらは、再生工程に要する時間が長くなる、再生しても所定の除去機能が得られない場合があるなどの不都合の原因となるため問題となっていた。
したがって、窒素酸化物の除去機能の再生むらが軽減され、短時間で再生工程を行うことが可能になるとともに、再生により所定の除去機能が容易に得られる。また、除去装置の設置面積を縮小するためや除去能力を向上させるために、固体吸着剤の層厚を厚くした場合の再生むらに起因する問題の発生が防止される。
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、
前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含むことを特徴とする。
また、固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に気体を供給することにより気体中に含まれる窒素酸化物を除去するので、窒素酸化物を含む気体中に二酸化炭素や酸素などのガスが共存していても共存するガスに起因する問題が生じることはない。
また、上記の窒素酸化物の除去方法によれば、窒素酸化物の濃度にかかわらず、窒素酸化物を効率よく除去することができる。したがって、上記の窒素酸化物の除去方法は、従来の窒素酸化物の除去方法では窒素酸化物を効率よく除去することが困難であった気体、例えば、道路トンネル内、地下駐車場内、都市内幹線道路近傍などの大気が採取された気体である場合にも好ましく適用できる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、再生剤供給口から容易に均一に再生剤を供給することができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらをより一層効果的に軽減することができる。
一般に、固体吸着剤における窒素酸化物の除去機能は、単に固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去しても、固体吸着剤が乾燥状態となるまで完全には回復しない。このため、従来から、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することが望まれていた。
また、除去装置の設置場所によっては、固体吸着剤の凍結や結露に起因する固体吸着剤の劣化の促進や除去機能の低下などの不都合が生じることがあった。
これに対し、上記の窒素酸化物の除去方法では、再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程を含むので、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、固体吸着剤の凍結や結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、再生剤の供給時に固体吸着剤を加熱することで、再生剤による窒素酸化物の除去効率を促進することが可能となる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるともに、固体吸着剤の結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、加熱した気体を再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風することにより、より一層効果的に、固体吸着剤の乾燥時間の短縮や、固体吸着剤の凍結および結露に起因する不都合を防止することができる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、所定の水準以上の窒素酸化物の除去機能を確保することができ、窒素酸化物を除去した後に得られる気体の品質を向上させることができる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、窒素酸化物吸着装置と再生剤タンクとの間で再生剤を循環させるだけで、容易に再生工程を行うことができるものとなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素、五酸化二窒素は、いずれも一酸化窒素と比較して固体吸着剤に吸着されやすい。したがって、上記の前処理工程を含む窒素酸化物の除去方法とすることで、たとえ、気体中に含まれる窒素酸化物に一酸化窒素が含まれていたとしても、一酸化窒素が含まれていない場合と同様に、効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することが可能となる。
気体中に水が含まれていると、固体吸着剤の表面で窒素酸化物の水和反応が生じ、窒素酸化物が亜硝酸または硝酸となる。このため、固体吸着剤による窒素酸化物の吸着量が増大し、窒素酸化物が固体吸着剤により一層吸着されやすくなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、固体吸着剤が、大きな比表面積を有するものとなるので、窒素酸化物が固体吸着剤により一層吸着されやすくなり、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
特に、固体吸着剤として好ましく適用される大きな比表面積を有する炭素系材料の一例として、活性炭を挙げることができる。
強塩基性物質であるアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物は、固体吸着剤の吸着した窒素酸化物を効率良く除去することができる。このため、塩基性物質をアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物とすることで、より一層効率よく再生工程を行うことができ、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
亜硫酸塩は、常温でも効率よく窒素酸化物を窒素ガスまで還元することができる。このため、還元性物質を亜硫酸塩とすることで、より一層効率よく再生工程を行うことができ、より一層効率よく気体中に含まれる窒素酸化物を除去することができる。
このような窒素酸化物の除去方法とすることで、還元性物質が酸素などによって劣化することを防ぐことができ、再生剤の寿命を長くすることができる。
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段と、
前記窒素酸化物吸着手段の窒素酸化物の除去機能が低下した場合に、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給する再生剤供給手段とを備え、
前記固体吸着剤に吸着された窒素酸化物が前記再生剤によって除去されることにより、低下した前記除去機能が再生されることを特徴とする。
このような窒素酸化物の除去装置は、上述した窒素酸化物の除去方法を行う場合に好適に使用することができ、気体中に含まれる窒素酸化物を効率よく除去することができ、しかも、窒素酸化物の除去機能の再生むらを軽減することができる。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給口から容易に均一に再生剤を供給することができ、窒素酸化物の除去機能の再生むらをより一層効果的に軽減することができる。
また、再生剤供給管を固体吸着剤に埋め込むだけで、容易に固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口が得られるので、再生剤供給口を設ける際の手間がかからず容易である。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給管を発熱させることにより前記固体吸着剤を加熱することができ、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、固体吸着剤の凍結や結露に起因する不都合を防止することができる。
このような窒素酸化物の除去装置とすることで、再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風することができ、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるともに、固体吸着剤の結露に起因する不都合を防止することができる。さらに、加熱した気体を再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する除去装置とすることで、より一層効果的に、固体吸着剤の乾燥時間の短縮や、固体吸着剤の凍結および結露に起因する不都合を防止することができる。
図1および図2は、本発明の窒素酸化物の除去方法の一例を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本発明の窒素酸化物の除去装置の一例を説明するための概略図である。また、図4および図5は、図3に示された窒素酸化物の除去装置を構成する窒素酸化物吸着装置の内部構造を説明するための図であり、図4は、再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図であり、図5は、固体吸着剤の充填された層内に埋め込まれた再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。なお、図5においては、図面を見やすくするために、固体吸着剤の記載はしていない。
図3〜図5に示す窒素酸化物の除去装置は、窒素酸化物を除去するために採取された大気を窒素酸化物酸化装置2に供給する供給ライン1と、窒素酸化物酸化装置2と、窒素酸化物吸着装置(特許請求の範囲における「窒素酸化物吸着手段」に相当する。)4に窒素酸化物酸化装置2を通過した大気を供給する大気供給ライン3と、窒素酸化物を吸着する窒素酸化物吸着装置4と、窒素酸化物吸着装置4を通過した大気を浄化大気として放出する大気排出ライン5とを備えている。
図4に示す間隔aは、150mmのものが好ましい。150mmを越えると再生むらに起因する問題が生じやすく、150mm未満では、除去機能が十分に得られない恐れが生じる。
また、再生剤供給管73、76は、図4に示すように、一体化されて再生剤供給ライン7に接続されていてもよいし、それぞれ個別に再生剤供給ライン7に接続されていてもよい。
また、再生剤供給口72、74からの再生剤の散布方向は、均一に再生剤を散布することができればよく、特に限定されないが、例えば、再生剤供給管73、76を容易に形成可能なものとするように上向きや下向きなどの特定の方向に揃えられていてもよいし、図4および図5に示すように、揃えられていなくてもよい。
以下に説明する方法によって窒素酸化物が除去される窒素酸化物を含む大気としては、特に限定されないが、例えば、数ppm以下の窒素酸化物濃度が問題となっている道路トンネル内や地下駐車場内から採取される大気、あるいは都市幹線道路近傍などから採取される大気などが挙げられる。また、窒素酸化物を含む大気としては、湿度が60%以上、より好ましくは80%以上であることが望ましい。
また、ここでの固体吸着剤4aの加熱は、0〜400度の範囲とするのが望ましい。温度が0度未満であると、所望の効果が得られない場合があるので好ましくなく、温度が400度を越えると設置場所周辺の安全性が低下するおそれが生じるため好ましくない。
続いて、使用済みの再生剤を、再生剤戻りライン8を介して固体吸着剤4aの再生剤タンク6に戻す(S84)ことにより、窒素酸化物吸着装置4の再生が終了する。
また、再生剤供給管が供給する熱により固体吸着剤を加熱する工程を含むので、固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができるとともに、再生剤による窒素酸化物の除去効率を促進することができる。
さらに、再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を、再生剤供給管が供給する熱により固体吸着剤を加熱する工程と同時に行うことにより、加熱した気体を固体吸着剤に送風することができるので、非常に効果的に固体吸着剤の乾燥時間を短縮することができる。
図6は、再生剤供給管の形状を側面方向から見た概略図であり、図7は、固体吸着剤の充填された層上に配置された再生剤供給管の形状を上面側方向から見た概略図である。なお、図6および図7においては、図面を見やすくするために、固体吸着剤の記載はしていない。
図6および図7に示す再生剤供給管は、図6に示すように、固体吸着剤4aの充填された層上に配置された上部供給管75と、固体吸着剤4aの充填された層内に埋め込まれた内部供給管77とが、間隔aをあけて鉛直方向に接続されることによりS字型の形状をなし、図7に示すように、S字型の管が並べて設置され、上部供給管75において一体化されて再生剤供給ライン7に接続されているものである。
また、窒素酸化物吸着装置43を再生する場合には、窒素酸化物吸着装置43が矢印Dの方向に移動して窒素酸化物吸着装置を再生する領域Cに配置されると同時に、窒素酸化物吸着装置41が窒素酸化物を除去する領域Aに配置される。なお、図8においては、領域Cに配置された窒素酸化物吸着装置43を点線で示すとともに、符号42で示している。また、窒素酸化物吸着装置42には、再生剤タンク62から再生剤供給ライン72を介して再生剤が供給され、窒素酸化物吸着装置42を通過した再生剤が再生剤戻りライン82を介して再生剤タンク62に戻されるようになっている。
このように、窒素酸化物吸着装置が複数設けられている場合、複数の窒素酸化物吸着装置のうちの少なくとも1つが窒素酸化物を除去している間に、他の窒素酸化物吸着装置を再生することができ、窒素酸化物の除去と再生とを同時に行うことができるので、連続的に効率よく窒素酸化物の除去を行うことができる。なお、窒素酸化物吸着装置が複数設けられている場合の再生剤供給手段の設置数は、図8に示す例のように、複数であってもよいし、1つであってもよい。また、複数の窒素酸化物吸着装置は、図8に示す例のように、連結されていてもよいが、連結されていなくてもよく、窒素酸化物を除去する領域と、窒素酸化物吸着装置を再生する領域との間を、それぞれが個別に移動可能とされていてもよい。
2 窒素酸化物酸化装置
3、31 大気供給ライン
4、41、42、43 窒素酸化物吸着装置
4a 固体吸着剤
44 連結部材
45 支持部材
5、51 大気排出ライン
6、61、62 再生剤タンク
7、71、72 再生剤供給ライン
8、81、82 再生剤戻りライン
9 制御装置
76、77 内部供給管(再生剤供給管)
73、75 上部供給管(再生剤供給管)
72 内部供給口(再生剤供給口)
74 上部供給口(再生剤供給口)
Claims (14)
- 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する方法であって、
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段に、前記気体を供給することにより前記気体中に含まれる窒素酸化物を除去する除去工程と、
前記除去工程によって低下した前記窒素酸化物吸着手段の前記窒素酸化物の除去機能を、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給することによって、前記固体吸着剤が吸着した窒素酸化物を除去して再生する再生工程とを含むことを特徴とする窒素酸化物の除去方法。 - 前記再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を介して前記再生剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記再生工程が、前記再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤を加熱する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記再生工程が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 窒素酸化物センサーにより前記除去機能を検知する検知工程を含み、前記検知工程において除去機能の低下が検知された場合に、前記再生工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記窒素酸化物吸着装置と前記再生剤を貯留する再生剤タンクとの間で、前記再生剤を循環させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記気体が、道路トンネル内、地下駐車場内、都市内幹線道路近傍のいずれかの大気が採取されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記固体吸着剤が、炭素系材料であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記塩基性物質が、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 前記還元性物質が、亜硫酸塩であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の窒素酸化物の除去方法。
- 気体中に含まれる窒素酸化物を除去する装置であって、
窒素酸化物を吸着して除去する固体吸着剤を含む窒素酸化物吸着手段と、
前記窒素酸化物吸着手段の窒素酸化物の除去機能が低下した場合に、前記固体吸着剤に囲まれた再生剤供給口から塩基性物質または還元性物質を含む再生剤を前記固体吸着剤に供給する再生剤供給手段とを備え、
前記固体吸着剤に吸着された窒素酸化物が前記再生剤によって除去されることにより、低下した前記除去機能が再生されることを特徴とする窒素酸化物の除去装置。 - 前記再生剤供給手段が、前記再生剤供給口が複数設けられた再生剤供給管を含み、前記再生剤供給管を介して前記再生剤が散布されることを特徴とする請求項11に記載の窒素酸化物の除去装置。
- 前記再生剤供給管が発熱手段を備えたものであり、前記再生剤供給管が供給する熱により前記固体吸着剤が加熱されることを特徴とする請求項12に記載の窒素酸化物の除去装置。
- 前記再生剤供給管が、前記再生剤供給口から前記固体吸着剤に送風する送風手段を備えたものであることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の窒素酸化物の除去装置。
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