JP2005229834A - 糸球体を用いたスクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 糸球体ひいては腎臓に対する化合物等の被験物質のの作用を評価するにあたり、生体内を反映しておりかつ容易に実施できる方法を提供する。
【解決手段】非ヒト哺乳類の単離及び調製された糸球体と被験物質を接触させることを特徴とするスクリーニング方法を見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非ヒト哺乳類の単離及び調製された糸球体と被験物質を接触させることを特徴とする糸球体に作用する物質のスクリーニング方法に関する。より詳細には、本発明は腎障害の治療薬・予防薬の探索に用いるスクリーニング方法に関する。
糸球体は、血液成分の濾過機能を司る重要な部位であり、糸球体上皮細胞、メサンギウム細胞、糸球体内皮細胞、ボーマン嚢上皮細胞のヘテロな細胞の集合体である。ヒトでは、腎臓一つあたり100万個の糸球体が腎皮質領域に存在している。病因を問わず、慢性腎疾患患者は最終的には糸球体の機能低下に陥り、人工透析が必要となるため、糸球体の機能保持は腎疾患治療薬・予防薬を開発する上で極めて重要な意味を持つことが知られている。
従来においては、腎疾患に作用する物質を評価する場合は糸球体構成細胞のうち増殖能が活発なメサンギウム細胞を単離して、薬剤探索のスクリーニングに用いてきた(特許文献1)。この場合、安定した細胞を取得するためには継代が必要なことから、薬剤のスクリーニングに利用できる細胞を得るまでに大体1ヶ月程度時間を要する。また、継代培養を繰り返すことにより形質転換が起こり本来の細胞機能とは異なっている可能性も高い。
また、メサンギウム細胞以外の細胞(例えば、糸球体上皮細胞)を薬剤探索のスクリーニングに利用する場合は、それらの細胞に増殖能がないので、不死化などの処置を施す必要がある(非特許文献1)。そのため、それらの細胞を用いたスクリーニングも、生体内機能を反映しているとは言い難い。
このように単一の培養細胞を用いた評価方法で被験物質の生体内での糸球体、ひいては腎臓に対する効果を推測することには限界がある。また糸球体構成細胞間で相互作用があると知られていることから共細胞培養を利用した評価方法の報告(特許文献2)もあるが上記と同様の問題は懸念される。
なお、糸球体を単離培養後に評価している報告もあるが、この報告では病態マウスと正常マウスの糸球体の性状を調べているにすぎず、被験物質のスクリーニングについて開示しているものではない(非特許文献2)。
特開平09-286803号公報 特開平09-87199号公報 Kidney Int 1988、第33巻、p677-684. DIABETES 1993、第42巻、p1673-1677.
腎疾患治療薬及び予防薬の探索などの目的で被験物質の作用を調べる場合、まず細胞に対する被験物質の作用を調べる。細胞を用いて陽性の結果を得たものについては、さらに動物に対する被験物質の作用を調べ、高次評価を行うことが一般的に行われている。
なお、動物を用いた評価では、1)個体間の差の影響を受けるために結果の安定性を欠くこと、2)時間及びコストを要すること、3)特定の腎疾患の評価に限定されるため汎用性に欠けること、といった問題点がある。
本発明者は、メサンギウム細胞を用いた実験結果と動物を用いた実験結果が一致しないことを見出したが、細胞での評価方法と動物等を用いた評価方法を繋ぐ適切な方法が存在しなかった。そのため、すべての薬剤について動物実験を行う必要性が生じていた。
上記の状況下、従来のメサンギウム細胞など培養細胞を用いた方法よりも生体内を反映しており、しかも動物実験よりも容易に実施できる新たな方法を開発することが望まれていた。
本発明者らは上記の問題を解決すべく、糸球体ひいては腎臓に対する被験物質の作用を簡便に評価するための新しいスクリーニング方法の構築を試みた結果、本発明の完成に至った。
すなわち,本発明は以下の方法を提供するものである。
[1]非ヒト哺乳類の単離及び調製された糸球体と被験物質を接触させることを特徴とするスクリーニング方法、
[2](a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(d)該接触により発現量が増減する物質を測定するステップとを含む前記[1]記載のスクリーニング方法、
[3](a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に刺激を加えるステップ、(d)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(e)該刺激により発現量が増減する物質の発現量を測定するステップとを含む前記[1]記載のスクリーニング方法、
[4]該糸球体に刺激を加えるステップが、成長因子の添加によるものであることを特徴とする前記[3]記載のスクリーニング方法、
[5]該成長因子がTGF-βであることを特徴とする前記[4]記載のスクリーニング方法、
[6]添加するTGF-βの濃度が培地中で50ng/ml以上であることを特徴とする前記[5]記載のスクリーニング方法、
[7]発現量が増減する物質を測定するステップが、遺伝子の量を測定するものである前記[1]〜[6]いずれか1項に記載のスクリーニング方法、
[8]該遺伝子が組織繊維化因子をコードするものであることを特徴とする前記[7]に記載のスクリーニング方法、
[9]該遺伝子がコラーゲンIに関連するものであることを特徴とする前記[8]に記載のスク
リーニング方法、
[10]該遺伝子がCTGFに関連するものであることを特徴とする前記[8]に記載のスクリーニング方法、
[11]腎疾患の治療剤の探索を目的とする前記[1]〜[10]いずれか1項に記載のスクリーニング方法、
である。
本発明の糸球体を用いたスクリーニング方法によれば、腎疾患治療薬及び予防薬として有効な物質を効率よくスクリーニングすることができるという優れた効果を奏する。これらのスクリーニング方法は、動物を用いた方法よりも簡便であり、動物実験と同様に生体内の反応をより正確に反映する効果を奏すると考えられる。
本発明は、非ヒト哺乳類の単離及び調製した糸球体を被験物質と接触させることを特徴とするスクリーニング方法である。
本発明のスクリーニング方法においては、腎疾患に対して予防効果及び治療効果を有する化合物等をスクリーニングすることができる。
なお、本発明(スクリーニング方法)の対象とする腎疾患としては、糖尿病性腎症、糸球体腎炎(IgA腎症、膜性腎症など)、ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、ループス腎炎、薬剤性腎障害および腎不全などの腎疾患が挙げられる。
また本発明のスクリーニング方法においては、腎毒性作用を有する化合物等もスクリーニングすることができる。
非ヒト哺乳類とはヒト以外の哺乳動物を意味し、モルモット、ラット、マウス、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなどがあげられるが、特に好ましくはラットである。例えば、6-8週齢のWistar系雄性ラットを使用することができる。
糸球体を単離する方法としては、麻酔処理した非ヒト哺乳類から腎臓を摘出し洗浄後、皮質を分離し孔の大きさが異なる金属篩を用いて連続的にふるいにかけることにより糸球体を得るsieving法(例えば Nephron 22, 454, 1978年)を用いることができる。この場合の糸球体は正常の非ヒト哺乳類のみならず、疾患(例えば、糖尿病性腎症や抗Thy1腎炎など)をもった非ヒト哺乳類から単離したものであってもよい。
糸球体を調製する方法としては、単離した糸球体を顕微鏡下でカウントし、RPMI1640など使用する培地等で希釈して数を調製する方法が挙げられる。使用するウェルの大きさにもよるが培地1mlあたり1.5〜2.0×104個程度が望ましい。
糸球体を培養する条件としては、細胞の培養条件と同じで良いが37°Cが望ましい。このとき5%の濃度の二酸化炭素環境下であることが望ましい。培地は、例えばRPMI1640等の培地を無血清にして用いるのが好ましい。必要に応じて種々の因子を添加してもよいが、好ましくはトランスフェリン、インスリン、セレニウム等が挙げられる。
本発明に包含される一つの方法としては、(a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(d)該接触により発現量が増減する物質を測定するステップとを含むスクリーニング方法が挙げられる。本方法によれば、被験物質の中から、糸球体に作用する化合物を選択することができる。このようにして選択された化合物は、糸球体に刺激を与えることができる物質としても使用することができる。
被験物質は、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物(低分子化合物等)、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などのいずれであってもよい。またこれらを含む試料であってもよい。
本発明に包含されるその他の方法としては、(a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に刺激を加えるステップ、(d)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(e)該刺激により発現量が増減する物質の発現量を測定するステップを含むスクリーニング方法が挙げられる。
例えば、糸球体として正常の糸球体を使った場合、刺激により糸球体を疾患に罹患した状態に近い状態にすることができる。従って、本方法によれば、そのような疾患に罹患した状態に近い状態の糸球体を使って、該疾患において増加または減少していることが知られている物質量の増減を被験物質存在下と非存在下で比較することにより、被験物質の中から、糸球体に作用する化合物を選択することができる。このようにして選択された化合物は、該疾患を治療または予防できる物質として有用である。
培養した糸球体に刺激を加えるステップとは、成長因子、生理活性物質若しくは糖などを単独もしくはこれらのうち2以上を培地中に添加すること、又は物理的刺激を加えることをいう。
成長因子とは増殖因子ともいい、細胞の分化促進や増殖抑制、アポトーシスを誘導するものをさす。サイトカインも含むものとする。
生理活性物質とはオータコイドなど近辺の標的細胞に到達するものやホルモンなど外来性のシグナルとして遠隔の標的細胞の活性を調節するものをさす。これらにはペプチドも含まれる。
糖とはグルコースなどの単糖だけでなく多糖類も含む。
物理的刺激とは、例えば光、熱、温度、浸透圧等を変化させることをいう。
例えば、成長因子であるTGF-βを刺激として加えると、メサンギウム細胞においてCTGF等の発現が上昇することは、[J Am Soc Nephrol. Mar;14(3):601-10.2003年]等に記載されている。その他ホルモンであるグルココルチコイドはメサンギウム細胞等において細胞周期関連因子であるp21に影響を及ぼすことが[Kidney International 59 (5) :1706. 2001年]等に記載されている。
本発明者らは種々の検討の結果、単離後調製した糸球体が、メサンギウム等の培養細胞と同様に、一定条件下でTGF-βの添加により、反応することを見出した。なお、添加する刺激物質の量は、使用する糸球体の量やその刺激の種類により定める必要がある。添加する刺激物質の量は、メサンギウム細胞を刺激する場合に用いる量(数ng/ml)よりも多い方が好ましい。例えば、TGF-βにより単離後調製した糸球体に刺激を与える場合は、50ng/ml以上、好ましくは50〜100ng/ml添加する。
スクリーニングに際して、被験物質と単離及び調製された糸球体を接触させる条件は、特に制限されないが、糸球体が生育できる培養条件(温度、pH、培地組成など)を選択するのが好ましい。また、単離・調製された糸球体に被験物質を加えてもよく、被験物質に単離・調製された糸球体を添加しても良い。
接触によりもしくは刺激により発現量が増減する物質とは、特にタンパク質もしくは遺伝子を意味する。
タンパク質とは、例えば塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮細胞接着分子(ICAM-1)、インスリン様成長因子(IGF-1 )、フィブロネクチン、インテグリンα5、各種コラーゲン(I、III、IV、VI)、結合組織成長因子(CTGF)などの組織繊維化因子、例えばp53、p21などの細胞周期関連因子、例えば組織因子 (TF)、メタロプロテアーゼなどの血栓関連因子等をさす。特にCTGFやコラーゲンIなど組織繊維化因子の発現の上昇は、細胞外にマトリックス等の基質を沈着させ、糸球体硬化及びそれに伴う慢性腎疾患の原因であることが指摘されており、これらの因子の発現を抑える薬剤の開発が課題となっている。
遺伝子とは、上記のタンパク質をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)またはその部分配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。該遺伝子としては、上記のタンパク質をコードするDNA、mRNA等のRNAが挙げられ、これらは二本鎖または一本鎖のいずれであってもよい。またそれから調製されるポリヌクレオチドも含む。
増減する物質をタンパク質として測定する方法は公知の方法であるが、抗体などを用いる免疫化学的方法(ELISA法、免疫組織染色法など)やウエスタンブロット法その他の適当な測定法があげられる。
タンパク質を測定する際、タンパク質は、糸球体内に含まれるものまたは糸球体外に分泌されたもののいずれであってもよく、さらに両者の合計であってもよい。また、糸球体を適当な緩衝液に懸濁し、超音波または凍結融解などによって糸球体を破壊した後、破砕液中のタンパク質を測定することもできる。必要により、破砕液中のタンパク質を分離精製した後に、タンパク質の測定を行ってもよい。
増減する物質を遺伝子として測定する方法は公知の方法であるが、例えば糸球体から、total RNAを抽出して逆転写を行い、測定したいタンパク質をコードするcDNA配列から作製したプライマーを使用してPCRにより該遺伝子の転写産物量を測定することができる。この場合ABI PRISM 7700 Sequence Detection System等の定量的PCRを用いることが望ましい。このときに用いるプライマーは(細胞工学別冊DNAマイクロアレイと最新PCR法、秀潤社2003年)等の記載に従って測定対象によって設計・作製するものとする。また、常法(分子細胞生物学基礎実験法、南江堂1994年)またはそれに準じる方法に従って、該遺伝子をコードするDNAの塩基配列を含むポリヌクレオチドを標識して作製したプローブを用いたノザンブロッティング法やDNAチップを用いる方法等によっても測定できる。
本発明のスクリーニング方法に従う候補物質の選別は、被験物質を添加した糸球体における上記各タンパク質(遺伝子)の発現レベルが被験物質を添加しない糸球体における同タンパク質(遺伝子)の発現レベルに比して変動することをもって、当該被験物質を候補物質として選別することができる。また、刺激を加えるステップを必要とする場合は、刺激(例えば、TGF-βなど)によって誘導されるタンパク質(遺伝子)発現が被験物質の存在によって変動する場合、刺激の存在下で被験物質を接触させた糸球体のタンパク質(遺伝子)発現が、刺激の存在下で被験物質を接触させなかった対照の糸球体(正のコントロール)に比して変動することを指標として、当該被験物質を候補物質として選別することができる。
例えば、指標とするタンパク質(遺伝子)発現レベルの変動(抑制・減少または誘導・増加)の程度としては、被験物質を添加した糸球体におけるタンパク質(遺伝子)の発現が被験物質を添加しない対照の糸球体での発現量と比較して例えば10%、好ましくは30%、特に好ましくは50%以上の減少または増加を示す場合、当該被験物質を候補物質として選別することができる。
本発明の方法により、上記物質の発現レベルを変動させる作用が認められた被験物質については、さらに腎疾患の既知病態モデル等において治療効果及び予防効果を確認することができる。
以下において実施例および実験例により本発明をより具体的にするが、本発明はこれらに限定されるものではない。
単離及び調製した糸球体を用いたスクリーニング方法
6-8週齢のWistar系雄性ラット(日本チャールスリバー)の腎臓を滅菌したPBS(-)(カルシウム及びマグネシウムを含まないリン酸緩衝液)で灌流し、その皮質からsieving法(180, 125, 63μm の順) によって糸球体を単離した。
顕鏡下で単離糸球体数(個/10μl)をカウントし、インスリン、トランスフェリン、セレニウムを含む無血清RPMI1640培地(ギブコ BRL)を用いて1.5-2.0×104 /1ml/wellの割合で糸球体を12ウェルプレート(コーニング製)に蒔いて37℃, 5% 炭酸ガス存在下で培養した。
被験物質として化合物A(M.W401.46)を添加して2時間後に50ng/mlのTGF-β(Genzyme Techne社)で刺激した。48時間後に糸球体を回収して冷PBS(-)で1回洗浄し、ISOGEN(ニッポンジーン)を用いてtotal RNAを抽出した。
以下常法(細胞工学別冊DNAマイクロアレイと最新PCR法、秀潤社2003年)に従ってcDNAを作製し精製後、定量的PCRを実施した。検出及び解析はABI PRISM 7700 Sequence Detection Systemにより行った。1-2μg相当量のtotal RNAを逆転写酵素により cDNAを合成してカラム精製してこれを定量的PCR用の鋳型とした。設計した合成プライマー及びTaqManプローブ(2種類の蛍光色素でラベルされたオリゴヌクレオチドでPCRに用いる両プライマー間のターゲット領域に特異的にアニールするようにデザインされたもの)を用いて 定量的 PCRを行いコラーゲンIのmRNA量を測定した。この時同時に内部標準としてハウスキーピング遺伝子であるグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の mRNA量についても測定しこの値を基準として相対値を求めた。このとき、mRNA量の測定に利用した合成プライマー及びプローブは以下の通り。
GAPDHについて
(センスプライマー) 5'-aactccctcaagattgtcagcaa-3'(配列番号:1)
(アンチセンスプライマー) 5'-ccacgatgccaaagttgtca-3'(配列番号:2)
(TaqMan プローブ) 5'-tcctgcaccaccaactgcttagccc-3'(配列番号:3)
コラーゲンIについて
(センスプライマー) 5'-ctcccacccagcccactt-3'(配列番号:4)
(アンチセンスプライマー) 5'-gtctcccaatttttggcttttg-3'(配列番号:5)
(TaqMan プローブ) 5'-accctggaaacagaccaacaacccaaa-3'(配列番号:6)

(結果)化合物Aの添加は糸球体内のコラーゲンIの発現量を抑制することが確認できた(図1)。
細胞(メサンギウム細胞)、糸球体を用いたスクリーニング方法とインビボの結果との比較の一例
(1)細胞を用いたスクリーニング方法
6-8週齢のWistar系雄性ラットの腎臓を滅菌したPBS(-)で灌流し、その皮質からsieving法(180, 125, 63μm の順) によって糸球体を単離し、20%牛血清、1% ペニシリン-ストレプトマイシン、1% Hepes 緩衝溶液を含むRPMI1640 培地を用いて37℃, 5%炭酸ガス存在下で外殖培養した。
3週間後に培地交換を行い、4週間後にoutgrowthしてコンフルエントになったメサンギウム細胞を2-5倍に希釈して継代した。この継代を50代以上繰り返し、10%牛血清、1% ペニシリン-ストレプトマイシン、1% Hepes 緩衝溶液を含む通常のRPMI1640 培地で培養したメサンギウム細胞を限界希釈法によってクローニングして細胞株Ms0-2を樹立した。
Ms0-2細胞(1×105 cells/1ml/well)を通常のRPMI1640培地を用いて6ウェルプレートに蒔いて37℃,5%炭酸ガス存在下で培養し、翌日に付着した細胞をPBS(-)で1回洗浄した後に、インスリン、トランスフェリン、セレニウムを含む無血清培地に切り換えた。2日間培養を継続した後、被験物質として化合物B(M.W 475.79)及び化合物C(M.W 443.75)を添加して2時間後にTGF-β(2ng/ml)で刺激し、さらに16時間後に細胞を冷PBS(-)で1回洗浄し、ISOGENを加えてtotal RNAを抽出した。以下実施例1と同様に定量的PCRを実施した。
(2)化合物B及びCを接触させた時それぞれの場合の糸球体を用いたスクリーニング方法については実施例1の方法に従い24時間後に糸球体を回収し、CTGF のmRNA量を測定した。このときmRNA量の測定に利用した合成プライマー及びプローブは以下の通り。
(センスプライマー) 3'-gcgctgacattctgattcca -5'(配列番号:7)
(アンチセンスプライマー) 3'-gcttgttaccggcaaattcac-5'(配列番号:8)
(TaqMan プローブ) 3'-acactggtcgggagtcagaaccttgtctatt-5'(配列番号:9)
(3)インビボ試験
化合物Bについては急性腎症モデル、化合物Cについては慢性腎症モデルを用いてCTGF のmRNA量を測定した。
化合物B
5週齢のSlc-Wistar/ST系雄性ラットを室温25℃、湿度40〜60%、明暗サイクル12時間の条件下で固形飼料(CA-1,日本クレア製)と水道水を自由に摂取させ、1週間の予備飼育を行った。その後、ラットをステンレス製代謝ケージに個別に収容し、7週齢(体重150〜180g)で実験に使用した。[ Exp Nephrol, 10:245-258(2002年)]記載の方法に従って作製したE-30モノクローナル抗体を100μg/0.4ml/ラットとなるように生理食塩水(大塚生食注、大塚製薬)で希釈し、エーテル麻酔下でラット尾静脈より投与した。化合物Bを0.5%メチルセルロース溶液に懸濁し、E-30投与1.5時間前に30mg/kgを経口投与し、以後1日に2回30mg/kgを連続投与した。
実験最終日(5日後)に腎臓を摘出し、腎皮質のCTGF発現量を測定した。ペントバルビタール(ネンブタール注射液:大日本製薬)麻酔下に腎臓を摘出し、腎皮質の一部をISOGENを用いてtotal RNAを回収した。以下実施例1と同様に定量的PCRを実施し、化合物非処置群と比較した。
化合物C
5週齢のSlc - Wistar/ST系雄性ラットを室温25℃、湿度40〜60%、明暗サイクル12時間の条件下で固形飼料と水道水を自由に摂取させ、1週間の予備飼育を行った。6週齢の時点でペントバルビタール麻酔下にラット左腹部を開腹し左腎を速やかに摘出した(UNX: Unilaterally Nephrectomized rats)。回復期間の後、ラットをステンレス製代謝ケージに個別に収容し、8週齢(体重270〜300g)で実験に使用した。E-30モノクローナル抗体を70μg/0.4ml/ラットとなるように生理食塩水で希釈し、エーテル麻酔下でラット尾静脈より投与した。実験開始8日目より化合物Cを0.5%メチルセルロース溶液に懸濁し20mg/kgを経口投与し、以後1日に1回20mg/kgを連続投与した。 実験最終日(7週後)に腎臓を摘出し、腎皮質のCTGF発現量を測定した。ペントバルビタール麻酔下に腎臓を摘出し、腎皮質の一部をISOGENを用いてtotalRNAを回収した。以下実施例1と同様に定量的PCRを実施し、化合物非処置群と比較した。
(4)結果
細胞を用いたスクリーニングの結果
化合物BはMs0-2細胞でのTGF-β刺激により増大したCTGFのmRNA発現量をほぼ完全に抑制した(図2)。同様に化合物Cについても濃度依存的に抑制した(図3)。
糸球体を用いたスクリーニングの結果
化合物Bは糸球体をTGF-β刺激することによって増加したCTGFのmRNA発現量を抑制せず、むしろ濃度依存的(100, 1000ng/ml)に発現を増大させた(図4)。これに対して化合物CはCTGFのmRNA発現量も濃度依存的に抑制した(図5)。
インビボ試験の結果
化合物Bを急性腎症モデルのラットに経口投与(30 mg/kg, twice/day)したが、CTGFのmRNA発現量を増加させた( 図6)。これに対して化合物Cを慢性腎症モデルのラットに経口投与(20 mg/kg, once/day)した場合はCTGFのmRNA発現量の抑制が認められた( 図7)。
(5)以上の結果は、細胞を用いたアッセイでは抑制効果の認められた化合物Bが糸球体アッセイ及びインビボではその効果が認められなかったことを示すものである。
上記の結果から、糸球体によるスクリーニング方法は、従来の細胞を用いたスクリーニング方法よりも、生体内での効果を反映しており、またインビボよりも簡便に行えるスクリーニング方法であると言える。
化合物Aの接触によりメサンギウム細胞内コラーゲンIのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するコラーゲンImRNA 発現量の相対比の値を示す)。 化合物Bの接触によりメサンギウム細胞内CTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す)。 化合物Cの接触によりメサンギウム細胞内CTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す)。 化合物Bの接触により糸球体内CTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す)。 化合物Cの接触により糸球体内CTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す)。 化合物Bを急性腎症モデルラットに経口投与した場合にCTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す。E30はE-30モノクローナル抗体を投与したことを示す)。 化合物Cを慢性腎症モデルラットに経口投与した場合にCTGFのmRNA発現量の変動を示す図である。(縦軸はGAPDH mRNA発現量に対するCTGF mRNA発現量の相対比の値を示す。E30はE-30モノクローナル抗体を投与したことを示す。UNXは片腎を摘出したラットを示す)
配列番号:1は、GAPDH遺伝子のセンスプライマーの配列である。
配列番号:2は、GAPDH遺伝子のアンチセンスプライマーの配列である。
配列番号:3は、GAPDH遺伝子のTaqManプローブの配列である。
配列番号:4は、コラーゲンI遺伝子のセンスプライマーの配列である。
配列番号:5は、コラーゲンI遺伝子のアンチセンスプライマーの配列である。
配列番号:6は、コラーゲンI遺伝子のTaqManプローブの配列である。
配列番号:7は、CTGF遺伝子のセンスプライマーの配列である。
配列番号:8は、CTGF遺伝子のアンチセンスプライマーの配列である。
配列番号:9は、CTGF遺伝子のTaqManプローブの配列である。

Claims (11)

  1. 非ヒト哺乳類の単離及び調製された糸球体と被験物質を接触させることを特徴とするスクリーニング方法。
  2. (a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(d)該接触により発現量が増減する物質を測定するステップとを含む請求項1記載のスクリーニング方法。
  3. (a)糸球体を単離及び調製するステップ、(b)該糸球体を培養するステップ、(c)該糸球体に刺激を加えるステップ、(d)該糸球体に被験物質を接触させるステップ、(e)該刺激により発現量が増減する物質の発現量を測定するステップとを含む請求項1記載のスクリーニング方法。
  4. 該糸球体に刺激を加えるステップが、成長因子の添加によるものであることを特徴とする請求項3記載のスクリーニング方法。
  5. 該成長因子がTGF-βであることを特徴とする請求項4記載のスクリーニング方法。
  6. 添加するTGF-βの濃度が培地中で50ng/ml以上であることを特徴とする請求項5記載のスクリーニング方法。
  7. 発現量が増減する物質を測定するステップが、遺伝子の量を測定するものである請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーニング方法。
  8. 該遺伝子が組織繊維化因子をコードするものであることを特徴とする請求項7に記載のスクリーニング方法。
  9. 該遺伝子がコラーゲンIに関連するものであることを特徴とする請求項8に記載のスクリーニング方法。
  10. 該遺伝子がCTGFに関連するものであることを特徴とする請求項8に記載のスクリーニング方法。
  11. 腎疾患の治療剤の探索を目的とする請求項1〜10記載のスクリーニング方法。
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