JP2005228664A - 高分子電解質型燃料電池の試験方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池の試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池運転時の高分子電解質の劣化現象を事前に把握して燃料電池の性能を保証するための燃料電池の試験方法を提供する。
【解決手段】酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転より高くして運転することにより、燃料電池運転時の高分子電解質の劣化を模擬した試験を行う。電池電圧の低下またはオフガス中のドレイン水のフッ素イオン濃度を測定する。この試験により測定された値が判定基準をパスする電解質膜電極接合体を用いることにより、信頼性の高い燃料電池を提供することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯機器用電源、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用される燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池の加速試験方法、およびこれを用いた燃料電池に関するものである。
高分子電解質型燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させて、電気と熱とを同時に発生させるものである。このような高分子電解質型燃料電池の一般的な構造を図1に示す。
水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面には一対の電極4が配置されている。電極4は、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜に密着された触媒層2、およびその外面に配された、通気性と導電性を兼ね備えた拡散層3からなる。高分子電解質膜の外周部には、ガスケット5が配される。
このようにして構成される電解質膜電極接合体(MEA)6を機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続するための導電性セパレータ板10および20がMEAの外側に配される。導電性セパレータ板10および20は、電極と対向する面に、電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路11および21をそれぞれ有する。ガス流路は、セパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
セパレータ板の他方の面には、電池温度を一定に保つための冷却水を循環させる冷却水の流路12および22が設けられている。このように冷却水を循環させることにより、反応により発生した熱エネルギーは、温水などの形で利用することができる。
また、燃料ガスや酸化剤ガスが電池外にリークしたり、互いに混合したりしないように、さらには冷却水が電池外にリークしないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスケットやOリングが配される。図1の例では、セパレータ板10に設けた溝13にOリング14が装着され、隣接するセパレータ板10と20との間から冷却水が漏洩するのを防止する。
周知のように、燃料電池は長期間運転すると経時的に劣化する。劣化部位としては、電極触媒、高分子電解質膜、ガス拡散層などである。リン酸型燃料電池では、電極触媒の粒径増大や、電極部の濡れ性の変化が劣化原因として考えられている。また、高分子電解質型燃料電池の場合、高分子電解質膜が劣化することでも電池性能が低下する。高分子電解質膜の劣化メカニズムは十分に解明されていないが、電極触媒反応の副反応で生成する過酸化水素などの過酸化物が、ラジカル化して電解質膜を浸食し、劣化を促進すると考えられている。
高分子電解質膜としては、通常パーフルオロカーボンスルホン酸膜(例えば、米国デュポン社製、商品名:ナフィオン膜)を用いるのが一般的である。このようなフッ素系電解質膜は、耐酸化性に優れた材料と考えられている。しかし、近年このような膜であってもラジカル反応により劣化することが報告されている(非特許文献1)。また、フッ素系の電解質膜よりも安価な炭化水素系電解質膜も開発されているが、一般的にはフッ素系電解質膜よりも耐酸化性が低くなると考えられている。
高分子電解質膜に欠陥等があり、このような劣化が加速進行した場合には、短時間で高分子電解質膜が致命的なダメージを受け、電池運転が不能になる危険性がある。燃料電池を長期間作動させる時には、このような電池性能の低下や電解質膜の破損などの危険を、電池運転前に適切に検査しておくことが要請される。また、高分子電解質の劣化現象を短時間で的確に判断し、燃料電池としての性能をあらかじめ保証しておくことは、燃料電池の品質を保証する上で必須である。
これまで高分子電解質型燃料電池の電池性能を保証する方法としては、燃料ガス流路、酸化剤ガス流路等にヘリウムガスを注入して、ガスもれ量を事前に的確に検知する方法があった(特許文献1)。この方法を用いれば、燃料電池のガスもれ量の把握ができるため、ガスシール性の良否を事前に判断することができる。
第10回燃料電池シンポジウム予稿集、P261−264 特開2002−334713号公報
上記のように、燃料電池のガス流路にヘリウムガス等を注入して、燃料電池のガスもれ量を事前に判断することは、品質保証の観点からも重要である。また、この方法は燃料電池に用いられる各種シール材のガスシール性の評価や、MEAの物理的欠陥等による初期もれ量を判断する方法としては有効である。しかしながら、ガスもれ検知を行うためのヘリウムガスやガスもれ検知器等の特別な検査装置が必要である。また、発電していないときに検査するため、電池運転時の高分子電解質膜の劣化に関する品質保証を行うことは困難である。
本発明は、以上に鑑み、燃料電池運転時の高分子電解質膜の劣化を模擬した加速試験方法、またそのような劣化現象を事前に把握して燃料電池の性能を保証するための燃料電池の試験方法を提供することを目的とする。
本発明は、またそのような試験により特定の基準をパスした電解質膜電極接合体を備えた信頼性の高い燃料電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、アノードに燃料ガス、カソードに酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して電気化学反応により電力を発生させる高分子電解質型燃料電池の試験方法に関するものであって、酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりも高くして運転することを特徴とする。
本発明は、また酸化剤ガスの圧力から燃料ガスの圧力を減じた差圧を、定格運転時よりも高くして運転することを特徴とする。
上記のようにして運転する試験において、燃料電池の出力電圧などの特性、または燃料電池のオフガス中の高分子電解質の分解生成物の濃度などを測定し、それらの値が一定の基準をパスするか否かにより燃料電池の良否を判定する。
本発明によると、酸化剤ガス中の酸素濃度を上げることにより、燃料電池運転時の高分子電解質の劣化を模擬した試験を実施できる。また、この試験により一定の基準を満たす電解質膜電極接合体を選択することにより、信頼性の高い燃料電池を提供することができる。
本発明は、前記のように、定格運転よりも酸素濃度を高くした酸化剤ガスをカソードに供給して燃料電池を試験運転し、燃料電池の特性、例えば出力電圧、または燃料電池のオフガス中のフッ素イオンなどの電解質の分解生成物の濃度を測定し、それらの値が一定の基準内に収まっているか否かにより、その燃料電池を構成している電解質膜電極接合体(MEA)の良否を判定する。
そして、そのような判定基準を満足したMEAまたはそれと同じ製造ロットのMEAを用いて、燃料電池を構成する。これによって、耐久性の優れた高分子電解質型燃料電池を提供することができる。
上記の判定基準の1つは、酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりもn倍高くして運転したときの燃料電池の電圧低下の割合が、定格運転時のαn倍以内であり、かつα<1.5を満足することである。
他の判定基準は、酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりもn倍高くして運転したときの燃料電池から排出されるオフガス中の高分子電解質の分解生成物量が、定格運転時のαn倍以内であり、かつα<1.5を満足することである。
ここで、高分子電解質膜がフッ素系の電解質膜である場合には、前記オフガス中の高分子電解質の分解生成物として、フッ素イオンを用いることが好ましい。前述のように、ヒドロキシラジカルの攻撃を受けて高分子電解質膜が劣化すると、膜を構成する主要成分のフッ素がオフガス中のドレイン水に溶出すると考えられる。本発明は、このフッ素イオン量を判定基準に用いる。
以下、本発明をその実施例より詳細に説明する。
《実施例1》
まず、高分子電解質膜(米国デュポン社製、ナフィオン膜、厚み50μm)にガス拡散層を備えた触媒層付き電極を取り付けてMEAを作製した。
このMEAを、その両面から気密性を有するカーボン製のセパレータ板とシリコーンゴム製のガスシール材で挟み込んで図1のような単電池の構成とした。この単電池を10セル積層して積層体を作製した。積層体の端部の冷却部を構成する外側のセパレータ板は、ガス流路を有しないものとした。この積層体の両端部に、金メッキした銅製の集電板、電気絶縁材料でできた絶縁板、およびステンレス鋼製エンドプレートを順に配し、締結して積層電池を作製した。
上のように構成したそれぞれの燃料電池を各種の条件で運転した。定格運転は、次の条件で行った。すなわち、水素ガスをアノードに、空気(酸素濃度20%)をカソードにそれぞれ露点が70℃となるように加湿して供給した。燃料電池を冷却する冷却水の入口温度を70℃、燃料利用率80%、空気利用率40%とした。
この基準となる定格条件Aにおける酸素濃度を1とし、それぞれ酸素濃度が2.5倍、3.5倍および5倍となるように酸素濃度および窒素濃度を変更した条件B、CおよびDで運転した。条件Dでは酸素濃度100%である。各条件での運転時間の経過に伴う電圧の変化を図3に示す。
ここで、図2に示すように、積層燃料電池30の酸化剤ガスである空気の流路31の排出路にドレインタンク33、燃料ガスの流路32の排出路にドレインタンク34をそれぞれ設けた。そして、ドレインタンク34のドレイン水をポンプ35によりドレインタンク33に送り、そこから採取したドレイン水中のフッ素イオンの量を経時的に測定した。フッ素イオン濃度の測定には、イオンクロマトグラム(ICS−90、日本ダイオネクス(株)製)を用いた。このドレイン水中のフッ素イオン濃度から溶出速度を算出した。
酸素濃度が一番低い条件Aにおいて、1000時間当たりに低下した電圧値と時間当たりに排出されたフッ素イオン量を各々1とし、これを基準にして他の条件でのそれらの値(比)を表1に示す。表1から、酸素濃度を高めた条件B、CおよびDでは、電圧の低下およびフッ素イオン量ともに増加することが分かる。また、各々の値は酸素濃度にほぼ比例することが分かる。酸素分圧を高めると電極での過酸化物の生成量が増加するため、高分子電解質膜の劣化が促進されると考えられる。
Figure 2005228664
酸素濃度を上げる方法としては、例えば定格運転時の酸化剤ガスに空気を使用する場合、酸化剤ガスを空気から酸素に替える方法や、酸素と窒素の比率を変化させる方法が適用できる。また、酸化剤ガスの組成を変更するのではなく、酸化剤ガスの供給圧力を上げることによって酸素分圧を上げ、結果的に酸素濃度を上げることもできる。
《実施例2》
実施例1で示した試験による結果と燃料電池の特性との関係について述べる。
実施例1と同様にして作製したロットの異なる10種類の燃料電池を各組用意し、それぞれ条件AおよびBで試験した。この時の条件Aと条件Bとの電圧低下の関係を図4に、フッ素イオン量の関係を図5にそれぞれ示す。電圧低下およびフッ素イオン量は、条件Aにおける実施例1で使用したロットのMEAの値を1としてそれに対する比で示す。条件Bでの電圧低下が3.75以上の場合に、定格条件Aの電圧低下も大きくなることが分かる。また、条件Bでのフッ素イオン量が3.75以上の場合に、定格条件でのフッ素イオン量も増加することが分かる。
これから、電池の酸素濃度の倍数をnとすると、条件Bでの電圧低下およびフッ素イオン量ともに1.5n倍以上となるものは、定格運転時の特性が悪くなることが分かる。このことから、条件Bでの電圧低下およびフッ素イオン量が1.5n倍以下の燃料電池を使用することが、品質保証の観点から最適であることが分かる。また、実施例1の条件CおよびDについても、同様に作製ロットの異なる10種の燃料電池について評価したところ、酸素濃度の倍数をnとすると、概ね1.5n倍以上の電圧低下およびフッ素イオン量の場合に、定格条件での電圧低下が上昇し、フッ素イオン量が増大することが分かった。
ここでは、高分子電解質の分解生成物としてフッ素イオンに着目したが、フッ素系以外の高分子膜を用いた場合には、その材料にあわせて測定対象物を選択すべきである。
《実施例3》
上記と同様にして作製した燃料電池に、露点が70℃となるように加湿した水素ガスおよび空気を供給し、冷却水の入口温度を75℃、燃料利用率を80%、空気利用率を40%にして運転した。この条件を定格条件とした。
次に、定格条件よりも酸素濃度が高い表2に示す酸化剤ガスを用いた以外は上と同じ条件で試験した。このときの運転時間の経過に伴う電池電圧の変化を図6に示す。また、図7は各条件でのフッ素イオンの溶出速度を比較して示す。図8は、電圧低下およびフッ素イオン溶出量を、酸素濃度に対してプロットしたものである。
Figure 2005228664
図8から、定格条件より酸素濃度を高めた条件1、2および3では、電圧低下およびフッ素イオン量ともに高くなり、各々の値が酸素濃度にほぼ比例することが分かる。
ここでは、酸素濃度を酸素と窒素の混合比で変えたが、これ以外のガス組成で酸素分圧を変化させることもできる。また、ガス組成を変えるのではなく酸化剤ガスの供給圧力を高くすることで酸素分圧を高くし、結果的に酸化剤ガス中の酸素濃度を高めることもできる。試験条件についても、本実施例に限るものではなく、本発明が適用できるのであれば、ここに示した方法に限られるものではない。
《実施例4》
実施例1と同様にして作製した製造ロットの異なる5種のMEA−1〜MEA−5について、それぞれ実施例1と同様に10セル積層した燃料電池を作製し、実施例3の加速試験条件1により試験した。酸化剤ガス濃度以外の試験条件は、実施例3と同じである。MEA−1は実施例3で使用したものと同じロットのものである。
図9はこれらのMEAの電圧の経時変化を示す。各MEA−1、2、3、4および5の電圧低下の割合は、それぞれ24μV/h、26μV/h、32μV/h、51μV/hおよび32μV/hであった。図中の点線はMEA−1の定格条件の1.5n倍、つまり3.75倍の電圧低下(37.5μV/h)となる電圧曲線を示している。これよりMEA−1〜5の中でもMEA−4の電圧低下が一番大きく、点線の電圧曲線よりも低くなっている。そこで、このMEA−4について定格条件で試験したところ、MEA−1に比べて電圧低下が大きくなることが分かった。また、この他のMEA−2、3および5についても定格条件で試験したところ、電圧低下はMEA−1とほぼ同じであった。これより試験条件1の電圧低下から定格条件での特性低下を判断できることが分かる。
そこで、MEA−1〜5の各2セルずつ計10セルを積層した燃料電池Pと、MEA−1を4セル、MEA−2、3および5を各2セル計10セル積層した燃料電池Qについて、定格条件で試験した。燃料電池Qの電圧低下は、MEA−1のみで構成した燃料電池とほぼ同じであった。一方、燃料電池Pは、電圧低下が燃料電池Pより大きかった。これより、加速試験条件1での電圧低下から定格条件での電圧低下を判断できることが分かる。従って、加速試験条件1で電圧低下が3.75倍のMEA−4を除くことにより、耐久性に優れた燃料電池を構成することができる。
上記の試験中に、ドレイン水中のフッ素イオン濃度を計測した。この結果を図10に示す。各MEA−1、2、3、4および5のフッ素イオン量は、それぞれ2.1μg/h、2.3μg/h、2.5μg/h、3.5μg/hおよび2.4μg/hであった。MEA−1の定格条件時のフッ素イオン量の3.75倍(図中点線)を越えていたのはMEA−4であった。また、このMEA−4は、定格条件で運転した際のフッ素イオン量も、MEA−1に比較して増加していることが分かった。他のMEA−2、3および5についても定格条件で試験したところ、電圧低下はMEA−1とほぼ同じであった。これから、フッ素イオン量についても、試験条件1で特性劣化を判断できることが分かる。
燃料電池PおよびQを定格条件で試験したときのフッ素イオン量について調べたところ、燃料電池Qのフッ素イオン量は、MEA−1のみで構成した燃料電池とほぼ同じであった。一方、燃料電池Pは、フッ素イオン量が燃料電池Pより大きかった。これより、加速試験条件1でのフッ素イオン量が3.75倍のMEA−4を除くことにより、耐久性に優れた燃料電池を構成することができる。
本実施例では、加速試験条件として酸素濃度を定格条件の2.5倍にしたが、これ以外の濃度であってもよく、酸化剤ガスの組成はそのままで供給ガス圧力を高くすることで対応することもできる。また、定格条件も本実施例に限るものではなく、定格条件での試験に比べて、酸素濃度をn倍高くしたときの電圧低下やフッ素イオン量が1.5n倍以下であれば一応良品とすることができる。実施例では、フッ素系高分子電解質膜を用いたためフッ素イオン量を指標とした。しかし、例えば炭化水素系の膜を用いた場合には、フッ素イオンの代わりに、これらの分解生成物を指標とすることができる。酸化剤ガス以外の燃料ガス組成や電池温度、加湿条件なども本実施例に限るものではない。
実施例では、加速試験条件として酸素濃度を定格条件より高くする方法をとっtが、酸化剤ガス圧力から燃料ガス圧力を減じた差圧を、定格条件よりも高くして運転する方法によっても加速試験を行うことができる。
本発明によれば、例えば製造ロット毎にいくつかのMEAを抜き取り、加速試験を行うことで燃料電池の信頼性を事前に評価できる。また、加速試験をクリアできなかったMEAを排除することで信頼性の高い燃料電池を構成することができる。
本発明にかかる試験方法により、容易に高分子電解質型燃料電池の良否を判定できる。従って、この試験方法を品質管理に利用することにより、各種携帯機器用の電源やポータブル機器用電源としての高分子電解質型燃料電池、および自動車用あるいは家庭用コージェネレーションシステム等の燃料電池の特性向上を図ることができる。
高分子電解質型燃料電池の一般的な構成を示す概略縦断面図である。 本発明の実施例で試験に供した高分子電解質型燃料電池システムの構成を示す略図である。 本発明の実施例1における高分子電解質型燃料電池の電池電圧の経時変化を示す図である。 本発明の実施例2における燃料電池の異なる運転条件下の電圧低下のの関係を示す図である。 同じくフッ素イオン量の関係を示す図である。 本発明の実施例3における燃料電池の電池電圧の経時変化を示す図である。 異なる運転条件下でのドレイン水中のフッ素イオンの溶出速度を比較した図である。 本発明の実施例4における燃料電池の電圧低下とフッ素イオン量とを酸化剤ガス中の酸素分圧に対してプロットした図である。 同じく電池電圧の経時変化を示す図である。 同じくドレイン水中のフッ素イオンの溶出速度を比較した図である。
符号の説明
30 燃料電池
31 酸化剤ガスの流路
32 燃料ガスの流路
33、34 ドレインタンク
35 ポンプ

Claims (5)

  1. アノードに燃料ガス、カソードに酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して電気化学反応により電力を発生させる高分子電解質型燃料電池の試験方法であって、前記酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりも高くして運転することを特徴とする高分子電解質型燃料電池の試験方法。
  2. アノードに燃料ガス、カソードに酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して電気化学反応により電力を発生させる高分子電解質型燃料電池の試験方法であって、前記酸化剤ガス圧力から前記燃料ガス圧力を減じた差圧を、定格運転時よりも高くして運転することを特徴とする高分子電解質型燃料電池の試験方法。
  3. 高分子電解質膜とこれを挟むアノードおよびカソードとからなる電解質膜電極接合体を具備し、前記アノードに燃料ガス、カソードに酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して電気化学反応により電力を発生させる燃料電池であって、前記酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりもn倍高くして運転したときの前記燃料電池の電圧低下が、定格運転時のαn倍以内であり、かつα<1.5を満足するような電解質膜電極接合体を備えることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  4. 高分子電解質膜とこれを挟むアノードおよびカソードとからなる電解質膜電極接合体を具備し、前記アノードに燃料ガス、カソードに酸素を含む酸化剤ガスをそれぞれ供給して電気化学反応により電力を発生させる燃料電池であって、前記酸化剤ガス中の酸素濃度を定格運転時よりもn倍高くして運転したときの前記燃料電池から排出されるオフガス中の前記高分子電解質の分解生成物量が、定格運転時のαn倍以内であり、かつα<1.5を満足するような電解質膜電極接合体を備えることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  5. 前記オフガス中の高分子電解質の分解生成物がフッ素イオンである請求項4に記載の高分子電解質型燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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