JP2005228508A - 薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置 - Google Patents

薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液相成膜法を用いローコストで、煩雑な工程を含まず成膜を行い、かつ精度よい被覆領域の制御を行うことができる薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 基板11表面への薄膜の形成方法において、基板11の側面に溝12を形成する工程と、溝12が形成された基板11を、薄膜となる物質を含有する溶液13に、溝12が形成された位置まで浸す工程と、薄膜となる物質が基板11に塗布された後、基板11を引き上げて焼成する工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、基板の表面に薄膜を形成する薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置に関し、特に、基板表面の限られた範囲に精度よく薄膜を形成する薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置に関する。
帯電防止膜、抵抗膜及び絶縁膜等に用いられる薄膜の成膜技術として、大きく分けて二つの方法がある。一つはCVDやスパッタリングに代表される気相成膜法であり、もう一つは液相成膜法である。
気相成膜法は、成膜する容器内を真空に保つ必要があるものが多く、装置が大型化し、成膜時間が長くなるため、生産性、コストの面では液相成膜法に比べて一般的に不利である。
一方、ディッピングやスプレーに代表される液相成膜法は大型の装置が不要であり、成膜スピードも早いために生産性はよく、コストの面でも気相成膜法に比べて有利である。
しかしながら、液相成膜法で膜のパターニングを行い、被覆領域を精密に制御するのは非常に難しかった。
通常、被覆領域を精密に制御するためには、フォトリソグラフィの技法を用いることが多い。
しかしながら、工程が煩雑であり、タクトタイムの面で大きなデメリットになる、そのため、せっかくの液相成膜法でのコスト、生産性のメリットを帳消しにしてしまう。
また、気相成膜の場合は、成膜したくないエリアをあらかじめマスクで被覆し、その後成膜を行いパターニングする方法もある。
しかしながら、液相成膜法の場合はこの方法は都合がよくない。なぜならば、マスクと基板との間に、毛細管現象により塗布液体が侵入して入ってしまい、はみ出しが生じ、精密なパターニングができないからである。
このような難しさにより、液相成膜法は塗布領域を精密に制御しなければいけないような場合には、あまり用いられることはなかった。
液相法で塗布領域を精密制御する一つの方法として、基板の濡れ性を場所により制御することにより、塗布領域を制御する方法が特許文献1に開示されている。
これは、親水性の塗布液を用い、基板の塗布したくない場所を撥水処理することにより、塗布液をはじくようにしてパターニングする方法である。
しかしながら、前処理となる基板の濡れ性制御のパターニングが難しく、精密に塗布領域を制御するのに結局フォトリソグラフィなどで事前にパターニングしなければならないという問題がある。
一方、電子放出を利用した画像表示装置において、容器内を真空に保つために、耐大気圧構造の支持部材としてスペーサと呼ばれる部材が用いられている。
このスペーサは電子放出部の近くに位置し、スペーサを帯電によりその軌道を狂わせないように表面の帯電を防ぐ目的で、ごく微弱の電流を流す高抵抗の膜が成膜されている。
また、このスペーサは電子放出部の近くに位置し、スペーサの帯電によりその軌道を狂わせないように表面の帯電を防ぐ目的で、ごく微弱の電流を流す高抵抗の膜が成膜されている。
また、このスペーサは上下に高電圧が印加されており、加速電極(メタルバック)と、グランド電位電極(上下配線のどちらかが兼ねる場合がある)の間に電気的接続が取られるようになっている。
前記した電極とスペーサの間の電気的接続を確実にするために、スペーサ端部に、側面膜以外の膜を成膜することがある。
これは、側面の高抵抗膜より比抵抗が一桁程度小さいもので、スペーサと電極の接続を確実にし、なおかつスペーサ端部の電位を揃えることにより、電子ビームの軌道を安定させ、高品位の画面を表示できるようにするためのものである。
これらのスペーサ端部高抵抗膜は、その被覆領域を精密に制御することが望ましいが、液相成膜法によって塗布領域を精密に制御する方法は特許文献2に開示されている。
この方法は、まず最初に端面を大雑把にマスキング剤で被覆した後、スペーサを結束して、端部を研磨することによりマスキングをはがす。
その後、端部を所望の膜材料で被覆し、端部からはみでた部分をリフトオフではがす方法である。
しかしながら、この方法も自由に被覆領域をパターニングできるわけでなく、加工自由度は高くない。また、液相法で所望の膜を被覆するとリフトオフするのが難しく、成膜プロセス、材料も制約がでることがある。
特開2001−35373号公報 特開2002−15795号公報
これまで述べてきたように、液相成膜法において、煩雑な操作なく、精密に被覆領域を制御し成膜する方法は存在しなかった。
また、そのため、電子放出を利用した画像表示装置において耐大気圧構造体の端面に、精度よくローコストに成膜を行うことができなかった。
本発明は、液相成膜法を用いローコストで、煩雑な工程を含まず成膜を行い、かつ精度よい被覆領域の制御を行うことができる薄膜の形成方法、スペーサ及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、基板表面への薄膜の形成方法において、前記基板の側面に溝を形成する工程と、当該溝が形成された前記基板を、前記薄膜となる物質を含有する溶液に、前記溝が形成された位置まで浸す工程と、前記薄膜となる物質が前記基板に塗布された後、前記基板を引き上げて焼成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記基板を浸す工程において、前記基板と前記溶液の成す角は、70°より小さいことを特徴とする。
さらに、本発明は、前記溝の幅と前記溝の深さとの比が5:1以下であり、前記溝の幅が2mm以下であることを特徴とする。
さらにまた、本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法において、前記端部に前記薄膜によって端部薄膜が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明は、電子放出素子を有する電子源と、当該電子源から放出される電子が衝突することによって発光するフェースプレートとを有し、当該発光によって画像を表示する画像表示装置において、前記フェースプレートを支持する支持部材が請求項4記載のスペーサであることを特徴とする。
本発明によれば、安価で高生産性の液相成膜法を用いながらも、被覆領域を精度よく制御することが可能である。また、耐気圧構造の端面被覆膜を有する画像表示装置に本発明を適用すれば、生産性及びコストの面で従来のフォトリソグラフィやスパッタ工程より有利である。それでいながら、耐大気圧構造周辺の画像品位は上記の従来工程を用いたときと同様に高品位に保つことができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す断面図である。図1(a)は、端面被覆膜16を形成する前の基板11の断面図であり、図1(b)は、端面被覆膜16が形成されたスペーサ10の断面図である。図2は、本実施の形態のスペーサ10の製造工程を示す断面図である。図1は、図2のA−A線で切断した際の断面を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態のスペーサ10は、側面に溝12が形成されていて、端面被覆膜16が底面と溝12を覆うように形成されている。
図2(a)に示すように、まず基板11を用意する。本実施の形態において、厚さ200μm、高さ1.6mmの平板上の形状をしたものを用いる。基板11には側面に溝12が設けてある。溝12は20μmの幅を有している。
溝12は被覆領域を規定する役割を担うもので、それに見合う精度が出せればどのような方法を用いて形成してもかまわない。
例として、研削法、ガラスモールド法、サンドブラスト法、ゾルゲル法を用いたスタンピング法及び加熱延伸法等があげられる。
本実施の形態では、溶融ガラスを加熱延伸して平板状ガラスを作った。その際に、引き出しローラの部分に溝12に相当する突起を設けておき、引き出されたガラスを冷却することにより、図1(a)のような形状の基板11を作製した。
図2(b)は、形成される膜の膜材料を含有する液体13に、基板11を溝12まで浸漬しようとする工程を示す断面図である。
本実施の形態においては、膜材料は酸化スズ微粒子分散溶液を用いた。溶媒は、エタノールとブタノールを体積比1:1に混合したものである。
液体13の水面が基板11の下端14の高さまで達すると、毛細管現象により上端15の部分まで液体13が満たされることになる。
通常、ディッピングにおいて、被覆領域を制御しようとすると、液体13の水面が被覆したい高さに達するまで精密に動作を制御して浸漬を行うことになる。
しかし、本発明によれば、浸漬領域を下端14と上端15の間に制御すれば、毛細管現象により上端15まで高さの膜が成膜されることになり、ディッピング装置の精度マージンは広がる。
溝12の幅を広げれば広げるほど、マージンは広がり、コスト、生産性の点で有利になる。本実施の形態の場合は、20μmのマージンがある。
溝12の幅は、毛細管現象を好適に引き起こすか否かによってある程度の制約を受ける。溝12の内部壁全てが毛細管現象によって被覆されるためには、溝12の壁面が液体をひきつける力が、溝12を満たす液体13に働く重力に打ち勝たなくてはならない。
溝12の溝幅と溝深さの比が5:1以下であり、溝幅が2mm以下であるならば、溝12の壁面が好適に被覆されることを実験的に確認した。
また、液体13が、固体表面を濡らそうとする力の強さは接触角によって表すことができる。接触角が小さければ液体と固体の親和性がよく、濡れやすくなり、塗布性もよくなり溝12の被覆性もよくなる。
本実施の形態においては、基板11の表面と液体13の成す接触角が70°以下の場合に好適な塗布性と溝12壁面の被覆が成されるということが実験的に確認された。
そもそも、基板11の表面と塗布液13の成す接触角が90°を超えると、毛細管現象は起こらず、溝12の壁面の被覆はまったく起こらない。
また、接触角が70°から90°の間においては、毛細管現象は起こるが、塗布性が悪く、溝12の内部のところどころにはじきや、むらが生じる可能性が高くなる。
そのため、基板11の表面と、液体13の成す接触角は70°以下であることが望ましい。
本実施の形態においては、溝12の幅は20μm、深さは10μmとした。また、基板11と液体13の成す接触角は約6°であった。
図2(c)は、浸漬した基板11を引き上げたところを示す断面図である。スペーサ10の下端から溝12の上端15までの領域に膜が正確に被覆されている。
このあと、焼成することにより所望の性能の膜を得ることができる。本実施の形態においては、380°で焼成することにより、図2(b)に示すようなプロファイルの被覆膜を得た。
図3は、スペーサ10を画像表示装置に取り付けたときの電子の流れと電位との関係を示す断面図である。
スペーサ10の機能は、一般的に容器内を真空に引いたときに大気圧で真空容器が破壊されないように支えることである。
このスペーサ10は、電子放出素子17の近くに位置するために、その電子軌道を狂わせないようにいくつかの要件を満たさなければならない。
要件の一つが帯電しにくいということである。スペーサ10が帯電すると、放電の原因になるだけでなく、電子軌道を狂わせ、画像の品位を落とすことになる。これは、帯電により、電子放出素子17から放出された電子を引き寄せることになり、正規の到達するべき位置からずれてしまうからである。
これを防ぐために、スペーサ10の表面には微弱な電流を流して除電する高抵抗膜が形成される。
そして、スペーサ10の画像表示装置のフェースプレート側の端部は、電子加速電極と(メタルバックか、透明電極が兼ねる場合が多い。)、スペーサ10の画像表示装置の基板側の端部はグランド電極(走査信号配線が兼ねることが多い)と電気的な接続がとられている。
そして、スペーサ10の上端及び下端には、電気的接続を確実にするための端面被覆膜16が成膜されることがある。
この端面被覆膜16は、側面を被覆する高抵抗膜よりも比抵抗の低い材料を用いることが多い。
そのため、図3(b)に示すように、スペーサ10の近傍では、下端面を被覆した抵抗膜の低い膜によって、グランド電位が持ち上がりスペーサ10近傍の等電位線をゆがめてしまう。同じように、上端付近も加速電位が下りてきてしまい、等電位線をゆがめてしまう。
その結果、電子放出素子17から放出される電子の軌道を曲げることになる。逆に、端面被覆膜16の領域を制御することにより電子の軌道を制御することができる。
たとえば、多少帯電するスペーサ10を用いても、下端面を被覆する端面被覆膜16の領域を上に伸ばすことにより、等電位線を曲げ、電子軌道をスペーサ10から遠ざける方向にずらすことができる。
スペーサ10が帯電すると、電子をスペーサ10の近くにひきつける方向に力が働くので、結局二つの力が作用して電子は正規の位置に到達する。
いずれの場合にしても、スペーサ10の下端面を被覆する端面被覆膜16の被覆領域を精密に制御しないと、電子は、正規の位置に到達することができなくなる。
もし、端面被覆膜16の被覆領域にばらつきがあると、電子の到達位置にばらつきがでてしまい、画像の乱れを引き起こすことになる。
このため、特に下端面の端面被覆膜16の被覆領域は、特に精密に制御する必要がある。
ディッピング法及びディスペンサー法等で被覆領域を制御しようとしても、制御マージンを10μm以下にすることは非常に困難である。
しかし、溝12の加工精度は、研削や加熱延伸など比較的簡単な方法で±1μmに治めることが可能であり、本実施の形態によれば、安価で、高精度の被覆領域制御を行うことが可能である。
(実施例)
以下、より具体的な例である実施例を図1−9を用いて説明する。図4以下に記載されている記号は、図1−3と対応するものはそのまま同じ記号を用いている。また、図1−3と重複するものはその図をそのまま用いている。
図4は、本実施例のスペーサの基板を側面から見た際の側面図である。図5は、図4の基板をC−C線で切断した際の断面図である。図6は、画像表示装置35の電子放出素子を示す平面図である。図7は、図6の電子放出素子を用いて組み立てた画像表示装置の斜視図である。図8は、フォーミング処理の際の時間と電圧の関係を示すグラフである。図9は、実施例のスペーサを示す断面図である。
図4で、基板11の材料としては、ディスプレイなどによく用いられる低ナトリウム含有ガラスを使った。基板11の成型法としては、原材料を溶融して引き伸ばしながら冷却する加熱延伸法を用いた。
引き出しローラには、溝12を形成するための溝形成用ブレードを設けた。
これにより溝12が形成される。冷却後の溝の深さは8μmになるようにブレード位置を設定した。また、引き出されて冷却された基板は800μmごとにカットし、冷却後の基板幅は1.8mmになるように調整された。
溝12の位置は、下端14が基板下端から5μmになるようにし、溝12の幅は10μmとした。同様のことをスペーサ10の上端にも行った。出来上がった基板11は、図4及び図5のような形をしている。
次に、出来上がった基板11に端面被覆膜16を被覆した。端面被覆膜16として酸化クロムを被覆するために、液体13として、酢酸クロム水和物をエタノールに溶解したものを用いた。
図1と多少異なる点は、液体13を、底が平滑な容器に一定量供給して、薄い液体13の液体膜を形成したことである。この液体13を用いる。この液体13の厚みは、液体の供給量や、温度を制御することによりある精度範囲内で一定レベルに保たれている。
本実施の形態においては、液体13の液面の高さは、容器の底から7±1.5μmとなるように設定した。このように設定することにより、基板11を容器の底に押し付けるだけで、溝12の高さまで液体13が満たされることになる。ディッピング装置により、浸漬ストロークを制御する手間を省くことができる。
その後、図1と同様の方法を用いて、基板11の端面被覆膜16を被覆した。その後、基板11を500℃で、5分焼成することにより、端面被覆膜16を形成した。
基板11を1000枚以上成膜したところで端面被覆膜16の被覆領域を計測した。実測で基板下端から14.6〜15.2μmの範囲に成膜され、非常によい被覆が成されていることが確認された。
また、このようにして作られた基板表面に、ディッピング法により側面高抵抗膜を成膜した。膜材料としては酸化スズ一酸化アルミ複合酸化物を用いており、前駆体として、スズとアルミの有機塩をキシレンに溶解したものを用いている。また、抵抗値は酸化スズと酸化アルミの組成比を調節することより調整を行うようになっていて、本実施の形態では380℃、10min焼成した後で、膜厚200nm、約1eΩのシート抵抗を示した。焼成後の膜プロファイルの概略は、図9のようになっている。
その後、基板11を用いて、画像表示装置の組み立てを行った。組み立ては以下のように行った。
複数の電子放出素子をマトリクス状に配置し配線を配置した電子源を、以下に示す手順により作製した。
図6に示すように電子放出素子は、導電性薄膜21と、素子電極19及び20と、X方向配線22aと、Y方向配線22bとである。
なお、X方向配線22aとY方向配線22bとには、実際は絶縁層が形成されているが、図6では、構造をわかりやすくするために、これらの部材の一部を記載していない。
次に、本実施例の具体的な製造方法について説明する。
[工程1]
青板ガラスを洗剤と純水により洗浄した後、スクリーン印刷法により、素子電極19及び20の形状のMODペースト(DU−2110;ノリタケ(株)製)のパターンを形成した。このMODペーストは金属成分として、金を含むである。
印刷後、110℃で20分乾燥し、次いで熱処理装置によりピーク温度580℃、ピーク保持時間8分間の条件で上記MODペーストを焼成し、厚さ0.3μmの素子電極19及び20を形成した。なお、素子電極間隔は10μmとした。
[工程2]
次いで、金属成分として銀を含むペースト材料(NP−4028A;ノリタケ(株)製)を用い、スクリーン印刷法によりY方向配線22bのパターンを形成、工程1と同様の条件で焼成してY方向配線22bを形成した。
次に、PbOを主成分とするペーストを用い、層間絶縁層のパターンを形成し、工程1と同様の条件で焼成し、層間絶縁層を形成した。
[工程3]
工程2と同様の方法で、X方向配線22aを形成し配線を形成した。
[工程4]
次いで、導電性薄膜21を形成した。
具体的には、有機パラジウム含有溶液を、バブルジェット(登録商標)方式のインクジェット噴射装置を用いて、幅が200μmとなるように塗布して、その後350℃で10分間の加熱処理を用いて、酸化パラジウム微粒子から成る微粒子膜を得た。
その後、前記したようにできあがった基板11を弱アルカリ洗浄液で超音波洗浄した。洗浄液は0.4wt.%TMAH(トリメチルアンモニウムハイドライド)を用い、超音波洗浄は2分間行った。洗浄後は、純粋で流水置換すすぎをおこない、付着水をエアーナイフで除去したあと、オーブンにて120℃、2分間の乾燥を行った。
その後、以下に述べる方法により、基板11の表面を素子電極20となる抵抗膜で被覆した。
抵抗膜は、酸化スズに酸化アンモニウムをドープした酸化物微粒子をエタノールとイソプロピルアルコールの1:1混合液に分散させたものを用いた。
固形物の重量濃度は約0.1Wt%とした。
塗布方法としてはスプレー法を用いた。スプレー装置を用い、液圧0.025Mpa、エアー圧1.5Kg/cm 、基板−ヘッド間距離50mm、ヘッド移動速度0.8m/sec.の条件で塗布した。
塗布後は膜の安定化のために425℃、20min.の大気焼成を行った。次に、以上のように作製した電子源を用いて画像表示装置を構成した。図7を用いて説明する。
図7に示すように、スペーサ36は絶縁性部材の表面に半導電性膜を被膜、あるいは半導電性物質を配置し、かつフェースプレート34の内側及び電子源形成基板24の表面(X方向配線22a又はY方向配線22b)に面したスペーサ10の等接面及び接する側面部に端面被覆膜16を成膜した部材からなるもので、耐大気圧及び画像品位を達成するのに必要な数だけ、かつ必要な間隔をおいて配置され、フェースプレート34の内側及び電子源形成基板24により固定される。
ここで説明する実施の形態におけるスペーサ36の形状は薄膜状であり、800mmの長さがある。画面外で側面方向から挟んで保持することにより、X方向配線22aに平行に配置され、X方向配線22aに電気的に接続されている。
その後、多数の平面型表面伝導電子放出素子を作製した電子源形成基板24をリアプレート29上に固定した後、基板24の5mm上方に、フェースプレート34(ガラス基板31の内面に蛍光膜32とメタルバック33が形成されて構成される)を支持枠30を介して配置し、フェースプレート34、支持枠30、リアプレート29の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400℃ないし500℃で、10min焼成することで封着した。
また、リアプレート29への電子源形成基板24の固定もフリットガラスで行った。
図7において、17は電子放出素子、22a、22bはそれぞれX方向及びY方向の素子配線である。
蛍光膜32は、モノクロームの場合は蛍光体のみからなるが、本実施の形態では、蛍光膜32はストライプ形状を採用し、ブラックストライプを形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布し、蛍光膜32を作製した。
ブラックストライプの材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。
ガラス基板31に蛍光膜を塗布する方法はスラリー法を用いた。
また、蛍光膜32の内面側には、通常メタルバック33が設けられる。メタルバック33は、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィミングと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着することで作製した。
フェースプレート34には、さらに蛍光膜32の導電性を高めるため、蛍光膜32の外面側に透明電極が設けられる場合もあるが、本実施の形態では、メタルバックのみで十分な導電性が得られたので省略した。
前記の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子17とを対応させなくてはいけないため、十分な位置あわせを行った。
以上のようにして完成したガラス容器内の雰囲気を、排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気して、十分な真空度に達した後、容器外端子Dxo1ないしDoymとDoy1ないしDoynを通じて、電子放出素子17の素子電極19及び20間に電圧を印加し、導電性薄膜21となる電子放出部形成用薄膜をフォーミング処理することにより、電子放出部を作製した。
フォーミング処理の電圧波形は、図8(b)と同様である。本実施の形態では、印加時間T1を1msec.、印加時間T2を10msec.とし、約2×10−3Paの圧力下で行った。なお、図8(a)の波形電圧を用いることも可能である。
このように作製された電子放出部は、パラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態となり、その微粒子の平均粒径は3nmであった。
次に、パネルの排気管より、アセトンをスローリークバルブを通してパネル内に導入し、0.1Paを維持した。
次いで、上記フォーミング処理で使用した三角波を矩形波に変えて、波高14Vで、素子電流If(素子電極19、20間を流れる電流)、放出電流Ie(アノード(メタルバック)に到達する(流れる)電流)を測定しながら、活性化処理を行った。
以上のようにフォーミング、活性化処理を行い、電子放出部を形成し、電子放出素子を作製した。
次に、10−6Pa程度の圧力まで排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶着して外囲器の封止を行った。
最後に、封止後の真空度を維持するために、高周波加熱法でゲッター処理を行った。
以上のように完成した本実施の形態の画像表示装置35において、各電子放出素子には、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段より、それぞれ印加することにより、電子放出させて、高圧端子Hvを通じて、メタルバック33、あるいは透明電極(不図示)に数kv以上の高圧を印加して電子ビームを加速し、蛍光膜32に衝突させて励起・発光させることで画像を表示した。
その結果、安定した高品位な画像を表示し、電子ビームの偏向等もおきず、放電による破壊等も見られなかった。特にスペーサ36の周辺において、他の領域と異なるような電子到達位置(発光位置)の乱れは生じず、スペーサ36に起因すると考えられるような固定パターンはまったく見られなかった。これは、端面被覆膜16の被覆領域が、精度よく制御されているため、電子ビームの軌道が設計値どおりに、均一に制御されたためである。
本発明の実施の形態としてのスペーサ及びそれに用いられる基板の断面図である。 スペーサ10の製造工程を示す断面図である。 スペーサ10を画像表示装置35に取り付けたときの電子の流れと電位との関係を示す側面図である。 本発明の実施例のスペーサの基板を側面から見た際の側面図である。 図4の基板をC−C線で切断した際の断面図である。 画像表示装置35の電子放出素子を示す平面図である。 図6の電子放出素子を用いて組み立てた画像表示装置の斜視図である。 フォーミング処理の際の時間と電圧の関係を示すグラフである。 実施例のスペーサを示す断面図である。
符号の説明
10 スペーサ
11 基板
12 溝
13 液体
14 溝12の下端
15 溝12の上端
16 端面被覆膜
17 電子放出素子
19 素子電極
20 素子電極
21 導電性薄膜
22a X方向配線
22b Y方向配線
24 電子源形成基板
29 リアプレート
30 支持枠
31 ガラス基板
32 蛍光膜
33 メタルバック
34 フェースプレート
35 画像表示装置
37 側面被覆膜

Claims (5)

  1. 基板表面への薄膜の形成方法において、
    前記基板の側面に溝を形成する工程と、
    当該溝が形成された前記基板を、前記薄膜となる物質を含有する溶液に、前記溝が形成された位置まで浸す工程と、
    前記薄膜となる物質が前記基板に塗布された後、前記基板を引き上げて焼成する工程と、を含むことを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 前記基板を浸す工程において、前記基板と前記溶液の成す角は、70°より小さいことを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
  3. 前記溝の幅と前記溝の深さとの比が5:1以下であり、前記溝の幅が2mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜の形成方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法において、前記端部に前記薄膜によって端部薄膜が形成されてなることを特徴とする耐大気圧構造体の支持部材としてのスペーサ。
  5. 電子放出素子を有する電子源と、当該電子源から放出される電子が衝突することによって発光するフェースプレートとを有し、当該発光によって画像を表示する画像表示装置において、
    前記フェースプレートを支持する支持部材が請求項4記載のスペーサであることを特徴とする画像表示装置。







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