以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るサーバを備えた電子メールシステムの概略を概念的に示す全体構成図である。
図1において、ユーザの画像ファイルが添付された電子メール(画像ファイル付きメール)を送信する送信端末10と、送信端末10によって送信された画像ファイル付きメールから画像ファイルを取り外し、この画像ファイルを素材のひとつとしてマルチメディアファイルを作成するとともに、画像ファイルが取り外された電子メールの本文にマルチメディアファイルの取得に必要なURL(Uniform Resource Locator)を付加し、このURLが本文に付加された電子メール(URL付きメール)を、元の画像ファイル付きメールに設定されていた宛先に画像ファイル付きメールの代わりに配信するサーバ20と、URL付きメールを受信する受信端末30(第1受信端末31および第2受信端末32)によって構成されている。
ここで、マルチメディアファイル(マルチメディアコンテンツとも呼ばれる)は、画像、テキスト、ベクターグラフィックスのアニメーションなどの素材を合成して作成されたファイルである。本実施形態では、主として、ユーザの画像にメール本文を合成してマルチメディアファイルを作成する。なお、それ以外の素材同士の合成によるマルチメディアファイルについては、後に言及する。
このマルチメディアファイルの形式には様々あり、特に限定されるものではないが、例えば、Macromedia社の開発したFlash(商標)プログラムで作成される、拡張子が「swf」のSWFファイル(Flash(商標)コンテンツともいう)の形式がある。このSWFファイルは、Flash Player(商標)と呼ばれるプラグイン可能なプログラムまたはこれに相当するプログラムによって受信端末30上で再生される。
送信端末10は、主として、被写体を撮影したユーザの画像ファイルを取得する画像ファイル取得手段10aと、メール本文を取得するメール本文取得手段10bと、画像ファイル取得手段10aによって取得されたユーザの画像ファイルを添付して画像ファイル付きメールを作成する画像ファイル付きメール作成手段10cと、画像ファイル付きメールを送信する画像ファイル付きメール送信手段10dによって構成されている。
サーバ20は、主として、送信端末10の送信した画像ファイル付きメールを受信する画像ファイル付きメール受信手段20aと、画像ファイル付きメールから画像ファイルを取り外すとともに、画像ファイルが取り外された電子メールに後述のマルチメディアファイル作成手段20fで作成されるマルチメディアファイルを取得するためのアクセスに必要なURLを付加して、URL付きメールを生成するメール変換手段20bと、URL付きメールを画像ファイル付きメールの代わりに画像ファイル付きメールの宛先の受信端末30に送信するメール送信手段20cと、画像ファイル付きメールから取り外した画像ファイルおよび本文ファイルを保管するファイル保管手段20d、URL付きメールの本文に含まれたURLによりアクセスしてきた受信端末30がマルチメディアファイルを再生可能であるか否かを識別する受信端末識別手段20eと、ファイル保管手段20dに保管されていた画像ファイルおよび本文ファイルからひとつのマルチメディアファイルを作成するマルチメディアファイル作成手段20fと、マルチメディアファイルを再生可能であると識別される受信端末(第1受信端末31である)にはマルチメディアファイルを送信し、マルチメディアファイルを再生不可能であると識別される受信端末(第2受信端末32である)には画像ファイルを送信するファイル送信手段20gによって構成されている。
特に、サーバ20のマルチメディアファイル作成手段20fは、画像ファイル内の画像および本文ファイル内のテキストの本文を素材として、受信端末30上で画像と本文とを同時再生可能に合成したひとつのマルチメディアファイルを作成するようになっている。本実施形態では、具体的には、テキストの本文がマルチメディアファイルの再生時に画像の中または周囲にテロップで流れて表示されるマルチメディアファイルを作成する。
ここで、サーバ20のマルチメディアファイル作成手段20fは、受信端末30上で画像ファイル内のユーザの静止画像が時間の経過とともに変化して表示されるようにマルチメディアファイルを作成してもよい。
第1受信端末31は、マルチメディアファイルを再生可能な端末であり、主として、URL付きメールを受信するメール受信手段30aと、メール本文が表示されて画面上のURLの部分がメール受信者によりクリックされたときにサーバ20にファイルを要求するファイルリクエスト手段30bと、サーバ20から配信されるファイル(第1受信端末31ではマルチメディアファイルである)を受信するファイル受信手段30cと、マルチメディアファイルを再生するマルチメディアファイル再生手段30dによって構成されている。
第2受信端末32は、マルチメディアファイルを再生不可能な端末であり、主として、URL付きメールを受信するメール受信手段30aと、メール本文が表示されて画面上のURLの部分が受信者によりクリックされたときにサーバ20にファイルを要求するファイルリクエスト手段30bと、サーバ20から配信されるファイル(第2受信端末32では画像ファイルである)を受信するファイル受信手段30cと、画像ファイルを再生する画像ファイル再生手段30eによって構成されている。
図2は、本発明に係るサーバを備えた電子メールシステムの具体的な構成の例を示すブロック図である。
図2において、送信端末10および受信端末30は、それぞれ携帯電話によって構成されている。
サーバ20は、主として、メールサーバ21と、メール変換サーバ22と、ファイルサーバ23と、Webサーバ24と、ファイル変換サーバ25によって構成されている。これらの各サーバ21、22、23、24、25は、それぞれコンピュータ装置によって構成されている。各サーバ21、22、23、24、25の間の通信の形態は、特に限定されず、例えばインターネット9を介した通信としてもよいし、セキュリティや通信性能などを考慮し、専用回線を介した通信としてもよい。
図1に概念的に示したサーバ20の構成要素と図2のコンピュータ装置からなるサーバ20の構成要素との関係を簡単に説明すると、図1の画像ファイル付きメール受信手段20aおよびメール送信手段20cは図2のメールサーバ21によって構成され、図1のメール変換手段20bは図2のメール変換サーバ22によって構成され、図1のファイル保管手段20dは図2のファイルサーバ23によって構成され、図1の受信端末識別手段20eおよびファイル送信手段20gは図2のWebサーバ24によって構成され、図1のマルチメディアファイル作成手段20fはファイル変換サーバ25によって構成される。
図3は、送信端末10および受信端末30の具体的な構成例としての携帯電話の内部構成を示すブロック図である。この携帯電話10、30は、主として、被写体を撮影するカメラ102と、携帯電話10、30の各部を統括制御するCPU(Central Processing Unit)104と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)からなるメモリ106と、インターネット9に接続された装置と基地局8を介して通信を行う無線通信部108と、音声を入力するマイク112と、音声を出力するスピーカ114と、キーなどからなる操作パネル116と、液晶表示デバイスからなる表示パネル118によって構成される。なお、受信端末30の場合には、カメラ102がない構成もある。
図1に概念的に示した送信端末10の構成要素と図3の携帯電話からなる送信端末10の構成要素との関係を簡単に説明すると、図1の画像ファイル取得手段10aは図3の主にカメラ102およびCPU104によって構成され、図1のメール本文取得手段10bは図3の主に操作パネル116およびCPU104によって構成され、図1の画像ファイル付きメール作成手段10cは図3の主にCPU104によって構成され、図1の画像ファイル付きメール送信手段10dは図3の主に無線通信手段108およびCPU104によって構成される。
また、図1に概念的に示した受信端末30(第1受信端末31、第2受信端末32)の構成要素と図3の携帯電話からなる受信端末30の構成要素との関係を簡単に説明すると、図1のメール受信手段30a、ファイルリクエスト手段30bおよびファイル受信手段30cは図3の主に無線通信部108およびCPU104によって構成され、図1のマルチメディアファイル再生手段30dは図3の主に表示パネル118およびCPU104によって構成され、図1の画像ファイル再生手段30eは図3の主に表示パネル118およびCPU104によって構成される。
なお、マルチメディアファイルを再生可能な第1受信端末31を構成する携帯電話では、マルチメディアファイルを再生する際にCPU104によって実行されるマルチメディアファイル再生プログラムがメモリ106に記憶されている。例えば、SWFファイルを再生するFlash Player(商標)プログラムまたはこれと同等のプログラムがメモリ106に予め記憶され、CPU104によって実行される。
図4は、各サーバ(メールサーバ21、メール変換サーバ22、ファイルサーバ23、Webサーバ24、ファイル変換サーバ25)の具体的な構成例としてのコンピュータ装置の内部構成を示すブロック図である。このコンピュータ装置21、22、23、24、25は、主として、各部を統括制御するCPU204と、ROMやRAMなどからなるメモリ206と、インターネット9などのネットワークとのインタフェースであるネットワークインタフェース208と、各種データを記憶するハードディスク212と、CD(Compact Disk)−ROMなどのリームーバブルメディアからのデータの読み込みなどを行うリムーバブルメディアインタフェース214と、キーボードやマウスなどからなる操作パネル216と、液晶表示デバイスなどからなる表示パネル218によって構成される。
なお、ファイルサーバ23を構成するコンピュータ装置では、ハードディスク212に、画像ファイル、本文ファイル、マルチメディアファイルを作成するために必要なテンプレートファイルなどが記憶される。ここで画像ファイルと本文ファイルは互いに関連付けされて記憶される。
なお、ファイル変換サーバ25を構成するコンピュータ装置では、マルチメディアファイルを作成する際にCPU204によって実行されるマルチメディアファイル作成プログラムがメモリ206に記憶されている。例えば、SWFファイルを作成するFlash(商標)プログラムまたはそれと同等のプログラムがメモリ206に予め記憶され、CPU204によって実行される。
図5は、マルチメディアファイルの例を説明するための説明図である。図5において、マルチメディアファイル522は、ユーザが送信端末10のカメラ102で撮影した静止画像511に送信端末10の操作パネル116でユーザが入力したメール本文512が合成されて、受信端末30の表示パネル118に静止画像511が表示されると同時にメール本文512がテロップで流れて表示されるように作成されたひとつのファイルである。具体的には、受信端末30の表示パネル118にメール送信者自身の画像が表示されると同時に、このメール送信者自身の画像の直下に原電子メール(画像ファイル付きメール510)のメール本文512である「おはよう!! 今日もいい天気だね。・・・」がテロップで流れるように表示される(画面532)。
なお、テロップが画像の直下でなく、この画像の中に表示されるようにマルチメディアファイルを作成してもよい。また、吹き出しが画像とともに表示され、この吹き出しの中にメール本文512がテロップで流れるように表示されるマルチメディアファイルを作成してもよい。
また、受信端末30の表示パネル118上で画像が時間の経過とともに変化して表示され、元のユーザの画像が静止画像であっても動いて見えるようにマルチメディアファイルを作成してもよい。例えば、人物画像が時間の経過とともに拡大または縮小するように、すなわち人物が遠ざかったり近づいたりするかの如く見えるように、マルチメディアファイルを作成する。また、例えば、人物画像が時間の経過とともに縦横比率が変化するように、すなわち人物が太ったり細くなったりするかの如く見えるように、マルチメディアファイルを作成する。また、例えば、人物画像が時間の経過とともに移動するように、マルチメディアファイルを作成する。
このようなマルチメディアファイルの具体的な作成手法については、各マルチメディアファイルの形式の規定によって異なるので、詳細な説明を省略するが、例えば、Macromedia社のFlash(商標)プログラムを用いてSWFファイルを作成するのであれば、そのSWFファイルの形式の仕様で作成する必要がある。
また、サーバ20が受信端末30から受信する受信端末30の種別情報に基づいてその受信端末39で再生可能な形式のマルチメディアファイルを作成する。ここで、受信端末30で再生可能なバージョンについても留意し、種別情報に基づいて受信端末30で再生可能なバージョンの形式で作成する。
以下、本実施形態の電子メールシステムにおける処理の流れについて、図2を用いて、説明する。
メール送信者のAさんが送信端末10を用いて好みの被写体を撮影すると、送信端末10で画像ファイルが生成される。さらに、撮影した画像が送信端末10に表示されている状態で、メール送信者のAさんが送信端末10のメール作成を指示するための所定のキーを押すと、新規の電子メールが用意されて、画像ファイルが自動的に添付される。そして、メール送信者のAさんは、送信端末10で、メール本文を入力し、宛先のBさんのメールアドレスを入力する。ここで、メールの本文は、送信端末10に予め登録しておいた文章を選択する操作を行うことにより入力してもよい。また、宛先のメールアドレスは、送信端末10に予め登録しておいたアドレス帳から宛先のBさんを選択する操作を行うことにより入力してもよい。
このようにして、画像ファイル付きメールが作成された後、メール送信者のAさんは、送信端末10で、送信指示を入力する。そうすると、画像ファイル付きメールが、送信端末10から、メール受信者のBさん宛て、すなわち受信端末30宛てに発信される(S2)。例えば、図5に示すように、メール送信者のAさん自身を撮影して得られた画像ファイル511が添付され、「おはよう!! 今日もいい天気だね。・・・」というテキストからなるメール本文512を有した、画像ファイル付きメール510がBさん宛てに送信される。この画像ファイル付きメール510は、図2において、送信端末10としての携帯電話から、無線通信で発信され、基地局8およびインターネット9などを介して、メールサーバ21によって受信される。
メールサーバ21によって受信された画像ファイル付きメールは、宛先メールアドレスに応じて、さらに、メールサーバ21からメール変換サーバ22に転送される(S4)。ここで、AさんからBさん宛ての画像ファイル付きメールは、いわゆる迷惑メールではなく善意のメールであるが、画像ファイルはメール本文と比較して一般に容量が大きく、善意のメールであってもメール受信者が画像ファイルを期待しない場合にまで画像ファイルが受信端末30に送られてしまうと、通信料金が従量制による課金の場合にはメール受信者に不測の通信料金が課金されてしまうことがある。そこで、本実施形態では、メールサーバ21によって、画像ファイル付きメールの宛先メールアドレスに応じて、例えば予め決められた特定のドメイン名(一般に通信料金を従量制により課金する予め決められた通信事業者のドメイン名)が宛先メールアドレスに含まれている場合には、画像ファイルを取り外した電子メールを受信端末30に配信するようになっている。このように画像ファイルを取り外した電子メールが受信端末30に送信される場合について、以下、説明する。
メール変換サーバ22によって、まず、画像ファイル付きメールから画像ファイルが取り外されるとともにメール本文がファイル化される。取り外された画像ファイルおよびメール本文のみからなるファイル(以下「本文ファイル」と称する)は、ファイルサーバ23に転送されて、互いを関連付けるファイル識別情報(例えば拡張子のみ異ならせたファイル名)がそれぞれ付与されて、ファイルサーバ23で保管される(S6)。このように画像ファイルおよび本文ファイルを保管する場合を例に以下説明するが、本発明において保管形態は特にこのような例に限定されるものではなく、例えば、メール本文をファイル化する代わりに画像ファイルが取り外された電子メール自体を画像ファイルと関連付けて保管する保管形態としてもよいし、元の画像ファイル付きメールをそのまま保管する保管形態としてもよい。
次に、メール変換サーバ20によって、画像ファイルが取り外された電子メールのメール本文にURLが付加される。すなわち、画像ファイル付きメールが、画像ファイルの取り外されたURL付きメールに、変換される。ここで、URLは、マルチメディアファイルを再生可能な受信端末(第1受信端末31)が後にマルチメディアファイルを取得するためのアクセスに必要な情報(アクセス情報)である。また、URLは、マルチメディアファイルを再生不可能な受信端末(第2受信端末32)が後に画像ファイルを取得するためのアクセスに必要なアクセス情報でもある。
URLには、受信端末30からのアクセスに用いる通信プロトコル(例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いる)、Webサーバ24に割り当てられたドメイン名、および、画像ファイルおよび本文ファイルの格納場所を示す情報(例えばディレクトリおよびファイル名)などが含まれる。セキュリティのため、格納場所の代わりに格納場所に対応する変数が含まれるようにしてもよい。
このようにしてメール変換サーバ22によって画像ファイル付きメールからURL付きメールに変換されて、URL付きメールがメールサーバ21に渡される(S8)。
なお、メールサーバ21がメール変換サーバ22から受け取るURL付きメール(図5の521)の宛先メールアドレスは、元の画像ファイル付きメール(図5の510)の宛先メールアドレス(メール受信者のBさんのメールアドレスである)と同一であり、メールサーバ21によってURL付きメール521はBさんの受信端末30に配信される(S10)。
メールサーバ21からURL付きメールを受信した受信端末30(ここでは携帯電話である)では、メール受信者のBさんがBさん宛てに届いた複数の電子メールの中からAさんのURL付きメールを選択したとき、受信端末30の表示パネル118にURLを含むメール本文が表示される(図5の画面531)。URLは、例えば「http://www.xxx.・・・」である。ここで、「http」はHTTPによりアクセスすべきことを示し、「www」はWorld Wide Webを示し、「xxx」はWebサーバ24に割り当てられたドメイン名であり、それ以降には画像ファイルなどの格納場所を特定するための情報が含まれる。
ここで、Bさんが受信端末30でURLの部分をクリックする操作を行うと、受信端末30は、URL付きメールに関連するファイルを取得するために、そのURLを用いてWebサーバ24を介したアクセスを行う(S12)。本実施形態では、具体的には、受信端末30がマルチメディアファイルを再生可能な端末であればマルチメディアファイルを取得するためにURLを用いたアクセスを行うのであり、受信端末30がマルチメディアファイルを再生不可能である一方で画像ファイルを再生可能であれば画像ファイルを取得するためにURLを用いたアクセスを行うのである。ただし、本実施形態では、受信端末30側でマルチメディアファイルを取得するのかあるいは画像ファイルを取得するのかを区別してアクセスする必要はなく、共通的にメール本文に付加されたURLのみを用いてアクセスすればよいようになっている。
なお、受信端末30からURLを用いてアクセスしたとき、そのURLとともに、受信端末30の種別を表す種別情報がWebサーバ24で受信される。本実施形態において、受信端末30の種別情報は、受信端末30の機種名(例えば「DDD」)であり、Webサーバ24は、機種名ごとに、マルチメディアファイルの再生が可能か否か、その機種で前提とするマルチメディアファイルの形式およびバーション、などを示すテーブル情報を有しており、このテーブル情報を参照し、受信端末30から受信した種別情報とテーブル情報とに基づいて、受信端末30がマルチメディアファイルを再生可能であるかを判定するとともに、その受信端末30で前提とするマルチメディアファイルの形式およびバージョンを特定する。
受信端末30がマルチメディアファイルを再生可能であると判定された場合、Webサーバ24は、受信端末30がアクセスに用いたURLに基づいてファイルサーバ23に画像ファイルおよび本文ファイルを要求し(S14)、ファイルサーバ23から画像ファイルおよび本文ファイルを受け取って(S16)、ファイル変換サーバ25に転送する(S18)。なお、このような、Webサーバ24がファイルサーバ23からファイルを取得してファイル変換サーバ25に転送する場合に本発明は限定されるものではなく、ファイル変換サーバ25が直接的にファイルサーバ23からファイルを取得するようにしてもよく、そのようにした場合には、例えば、URLの中のファイルの格納場所を示す部分をWebサーバ24からファイル変換サーバ25に渡し、この格納場所を示す情報に基づいてファイル変換サーバ25が直接的にファイルサーバ23からファイルを取得する。
画像ファイルおよび本文ファイルを取得したファイル変換サーバ25は、これらの画像ファイルおよび本文ファイルに基づいて、ひとつのマルチメディアファイルを生成する。例えば、図5の画面532に示すように、受信端末30の表示パネル118にメール送信者のAさん自身の静止画像が表示されると同時に、その静止画像の直下にメール本文がテロップで流れて表示されるようにした、ひとつのマルチメディアファイルが生成される。
なお、本実施形態において、Webサーバ24はファイル変換サーバ25に受信端末30の種別情報を渡すようになっており、ファイル変換サーバ25は、マルチメディアファイルを作成する際、受信端末30の種別情報に基づいて該当する受信端末30に適した色およびサイズに画像を変換してマルチメディアファイルを作成する。ここで、画像の色およびサイズは、特に、受信端末30の表示パネル118の表示特性やサイズに対応して変換する。
ファイル変換サーバ25で生成されたマルチメディアファイルは、Webサーバ24に渡され(S20)、Webサーバ24によってBさんの受信端末30に送信される(S22)。
マルチメディアファイルを受信したBさんの受信端末30(ここでは携帯電話である)では、マルチメディアファイルが再生される。例えば、図5の画面532に示すように、Aさん自身の静止画像が表示されると同時に、その静止画像の直下にメール本文(「おはよう!! 今日もいい天気だね。・・・」)がテロップで流れて表示される。したがって、Bさんは画像とメール本文を同時に閲覧することができる。
一方で、受信端末30がマルチメディアファイルを再生不可能な端末であった場合には、URLを用いた受信端末30からのアクセス時(S12)に、Webサーバ24は、受信端末30の種別情報に基づいて、その受信端末30がマルチメディアファイルを再生不可能であると判断する。そして、Webサーバ24は、ファイルサーバ23から画像ファイルを受け取ると(S16)、その画像ファイルを受信端末30に送信する(S22)。なお、このような、Webサーバ24がファイルサーバ23からファイルを直接取得する場合に本発明は限定されるものではなく、ファイル変換サーバ25がファイルサーバ23からファイルを取得してWebサーバ24に渡すようにしてもよい。そして、受信端末30では画像ファイルのみ再生される。例えば、Aさん自身が撮影された静止画像のみが受信端末30の表示パネル118に表示される。
以上、URL付きメールをサーバ20から受信端末30に送信し、URLを用いて受信端末30がサーバ20にアクセスするようにしたメール配信形態について説明したが、本発明はこのメール配信形態に限るものではなく、マルチメディアファイルが添付された電子メール(マルチメディアファイル付きメール)をサーバ20から受信端末30に送信するメール配信形態としてもよい。
図6は、サーバ20から受信端末30にマルチメディアファイル付きメールを送信するようにしたメール配信形態を示す。
図6において、送信端末10から画像ファイル付きメール510が送信されると(S32)、メールサーバ21は、この画像ファイル付きメール510の宛先メールアドレスに応じて、URL付きメールの代わりにマルチメディアファイル付きメール(図7の723)を受信端末30に送信する(S42)。具体的には、メールサーバ21からメール変換サーバ22に画像ファイル付きメールが渡され(S34)、メール変換サーバ22によって画像ファイル付きメールから画像ファイルが取り外されるととともに、メール変換サーバ22からファイル変換サーバ25に画像ファイルと本文ファイルが渡され(S36)、ファイル変換サーバ25によって画像ファイルと本文ファイルに基づいてひとつのマルチメディアファイルが生成されて、ファイル変換サーバ25からメール変換サーバ22にマルチメディアファイルが渡され(S38)、画像ファイルの取り外された電子メールに、メール変換サーバ22によってマルチメディアファイルが添付され、このように生成されたマルチメディアファイル付きメール723は、メール変換サーバ22からメールサーバ21に渡されて、メールサーバ21から受信端末30に送信される。
メールサーバ21からマルチメディアファイル付きメール723を受信した受信端末30では、メール受信者のBさんがBさん宛てに届いた複数の電子メールの中からAさんの電子メールを選択したとき、受信端末30でマルチメディアファイルが再生される。例えば、図7の画面532に示すように、Aさん自身の静止画像が表示されると同時に、その静止画像の直下にメール本文(「おはよう!! 今日もいい天気だね。・・・」)がテロップで流れて表示される。
このようにマルチメディアファイル付きメールがメールサーバ21から受信端末30に送信される場合としては、例えば、下記(1)から(3)に示す場合がある。
(1)URL付きメールを配信するメール配信形態を採用した通信事業者のドメイン名を通信事業者ごとにメールサーバ21に予め登録しておき、この予め登録されたドメイン名が宛先メールアドレスに含まれない画像ファイル付きメールについては、メールサーバ21がURL付きメールの代わりにマルチメディアファイル付きメールを受信端末30に送信する。
(2)ユーザごとにURL付きメールを期待するかマルチメディアファイル付きメールを期待するかについてメールアドレスとともにユーザ情報としてメールサーバ21に予め登録しておき、このユーザ情報に基づいて、マルチメディアファイル付きメールを期待するユーザの受信端末30には、メールサーバ21がURL付きメールの代わりにマルチメディアファイル付きメールを送信する。
(3)メールサーバ21がマルチメディアファイル付きメールを受信端末30に送信することが前提となっている場合。この場合には、URL付きメールを受信端末30に送信することがないので、URL付きメールを生成する必要はなく、図6の構成において、ファイルサーバ23およびWebサーバ24は不要である。メール変換サーバ22およびファイル変換サーバ25は一体に形成してもよい。
なお、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、前述の実施形態と異なる形態をとってもよく、また、様々な改良を施してよいことは言うまでもない。
前述の実施形態では、送信端末10から画像ファイル付きメールを送信する場合を例に説明したが、画像ファイルを電子メールで送信端末10からサーバ20に送信する代わりに、サーバ20から送信端末10に送信して送信端末10に表示された入力画像上を介して、送信端末10から画像ファイルとメール本文をサーバ20に送信し、これらのサーバ20が送信端末10から受信した画像ファイルとメール本文とに基づいてサーバ20がURL付きメールおよびマルチメディアファイル、あるいは、マルチメディアファイル付きメールを作成するようにしてもよい。さらに、サーバ20側で予め用意したテンプレート素材を、メール送信依頼者であるユーザの画像およびメール本文に合成してマルチメディアファイルを作成してもよい。
また、送信端末10からメール本文の全文をサーバ20に送信しなくても、所定の埋め込み事項(例えばメール送信依頼者の名前やメール受信者への簡単なメッセージ)を、画像ファイルとともに、送信端末10からサーバ20に送信し、受信した埋め込み事項をサーバ20がメール本文のテンプレートに埋め込んで実際のメール本文を作成してもよい。
また、画像ファイルとメール本文とを素材として同時再生可能にして作成したマルチメディアファイルに限らず、画像ファイルを素材のひとつとした様々なマルチメディアファイルを作成可能である。具体的には、例えば、サーバ20に予め登録されたベクタグラフィックスのアニメーション素材に、送信端末10から受信した画像ファイルを合成して作成したマルチメディアファイルを受信端末30に配信するようにしてもよい。例えば、夏の季節に花火が夜空に打ち上げられる様子を表現したアニメーション素材にユーザが撮影した画像を合成した、ひとつのマルチメディアファイルを作成してもよい。ここで、花火が夜空で開いたところでユーザの画像がフェードインで表示されるようにしてもよい。また、例えば、クリスマスの季節にトナカイがひいて移動していくソリにサンタクロースが乗った様子を表現したアニメーション素材にユーザが撮影した画像を合成した、ひとつのマルチメディアファイルであってもよい。ここで、サンタクロースが背負った袋からプレゼントを取り出したところでユーザの画像がフェードインで表示されるようにしてもよい。ベクタグラフィックスのアニメーション素材に限らず、画像やテキストなどの他のテンプレート素材を合成してもよい。このようなマルチメディアファイルは、テキストのメール本文がさらに合成されていると好ましいが、メール本文が省略されたものであってもよい。
さらに、ユーザの複数の静止画像ファイルを合成して、スライドショーで、各静止画像が順次再生されるように作成された、ひとつのマルチメディアファイルを作成してもよい。このマルチメディアファイルは、テキストのメール本文がさらに合成されていると好ましいが、メール本文が省略されたものであってもよい。
サーバ20の構成は、図2および図6に記載した構成に限るものではない。例えば、メールサーバ21、メール変換サーバ22、ファイルサーバ23、Webサーバ24およびファイル変換サーバ25の全てをひとつのコンピュータ装置で構成してもよいし、これらの各サーバ21〜25のうちいくつかをひとつのコンピュータ装置で構成してもよい。また、セキュリティのためにファイアウォールをさらに設けてよいし、玄関となるポータルサイトを設けてもよいし、信頼性および効率の向上のためにさらに分散した構成にしてもよい。
マルチメディアファイルの形式は、Flash(商標)の形式に特に限定されるものではなく、Shockwave(商標)の形式などでもよい。
10…送信端末(第1の通信端末)、20…サーバ、20a…画像ファイル付きメール受信手段、20b…メール変換手段、20c…メール送信手段、20d…ファイル保管手段、20e…受信端末識別手段、20f…マルチメディアファイル作成手段、20g…ファイル送信手段、21…メールサーバ、22…メール変換サーバ、23…ファイルサーバ、24…Webサーバ、25…ファイル変換サーバ、30、31、32…受信端末(第2の通信端末)