JP2005227682A - 立体画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】左眼用画像及び右眼用画像を表示して立体画像を表示する立体画像表示装置において、両眼視差を自然なものとし、また、表示画像の明るさ及び解像度を充分に確保しつつ、構成の簡素化を図る。
【解決手段】表示画面1と右眼Rとの間及び表示画面2と左眼Lとの間に、光軸が両眼R,Lの外側にオフセットされた凸レンズ5R,6R、5L,6L、または、光軸が両眼R,Lの内側にオフセットされた凹レンズからなる光学素子3,4を設け、両眼視差を大きくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、右眼用及び左眼用の画像を並列して表示し、それぞれの眼でそれぞれに対応された画像を見ることにより立体画像を鑑賞する立体画像表示装置に関する。
従来、大画面スクリーンを用いて画像表示を行う場合の臨場感が、大画面スクリーンを用いることなく手軽に得られるようにした表示装置として、いわゆる「ヘッドマウントディスプレイ」(HMD)が提案されている。この「ヘッドマウントディスプレイ」は、頭や顔に装着して使用することにより、微小な表示画面が両眼の近傍に配置され、これら表示画面を拡大レンズを通して見られるようにした表示装置である。
このような「ヘッドマウントディスプレイ」は、左右の眼のそれぞれに対応された表示画面を備えているので、立体(3D)画像表示装置として構成することが容易であるという特徴がある。
しかしながら、「ヘッドマウントディスプレイ」を立体画像表示装置として構成する場合においては、表示画面を高解像度化することが難しく、表示画像のリアリティを高めることできず、また、表示画像及び拡大レンズが組込まれているために軽量化が困難であり、さらに、構造が複雑であり、製造コストの低廉化が困難であるなどの問題がある。
このような「ヘッドマウントディスプレイ」を用いずに、立体画像を表示する表示装置としては、偏光板等を用いた専用メガネを用いるものや、専用メガネを用いずに表示画面を特殊な構造としたものなどが提案されている。これらのうち、専用メガネを用いる構成のほうが製造が容易であり、製造コストを低廉化しつつ、高品質の画像表示を行うことができる。
専用メガネを用いて立体画像を表示する表示装置としては、例えば、特許文献1に記載されているように、表示画面を左右に半分ずつの領域に分け、右側に右眼用の画像を表示し、左側に左眼用の画像を表示して、専用メガネを介して鑑賞するようにしたものが提案されている。この表示装置においては、専用メガネ、または、専用メガネ及び表示画面に、偏光フィルタ等からなる画像分離手段が設けられており、右眼には右眼用画像のみが見えるようにし、左眼には左眼用画像のみが見えるようにして、立体画像の表示を行う。
この表示装置においては、右眼用の画像と左眼用の画像とを偏光フィルタを用いて互いに直交する偏光方向の光によって表示し、専用メガネの右眼部と左眼部とにも互いに直交する偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタを用いることによって、右眼には左眼用画像が見えないようにし、左眼には右眼用画像が見えないようにしている。
特開平7−75136号公報
ところで、前述のような表示装置においては、例えば、表示画面としてCRT(陰極線管)を用いた場合には、表示画像はもともと無偏光の光によって表示されているので、偏光フィルタにより、表示画像の明るさが半分以下に低下してしまうという問題がある。
また、この表示装置においては、ひとつの表示画面を左右ふたつの領域に分けて右眼用画像及び左眼用画像を表示するので、表示される画像の解像度や画素数は、表示画面全体を用いてひとつの画像を表示する場合に比較して、半分に低下してしまう。
さらに、この表示装置においては、右眼用及び左眼用のふたつの画像をひとつの表示画面に表示するために合成する信号処理が必要となり、このような信号処理を行う信号処理回路を用いなければならないという問題がある。
そして、この表示装置においては、左眼用画像及び右眼用画像が左右に離間して表示されており、これら各画像の間隔は、通常は鑑賞者の左右の眼の間隔よりも広い。したがって、左眼用画像及び右眼用画像が重なって見えるようにしたときの鑑賞者における両眼視差は、この鑑賞者と表示画面との間の距離に対して、不自然に小さなものとなり、左眼用画像と右眼用画像とを重ねて見るように訓練をしないと、各画像が二重に見えてしまい、立体視ができない虞れがある。また、両眼視差が不自然な状態で左眼用画像と右眼用画像とを重ねて見ることは、眼の疲労を増大させる虞れがある。
前述の特許文献1には、両眼視差の不自然さを解消するために、専用メガネの前面に楔型プリズムを配置する構成や、左右画像の入替えを行う構成、すなわち、左眼用画像を右側に表示し右眼用画像を左側に表示することが記載されている。
楔型プリズムを用いることによって、両眼視差の不自然さは解消され得るが、楔型プリズムを用いると、この楔型プリズムにおいて非点収差や色収差が発生し、表示画像が鮮明に見えなくなる虞れがある。
また、左右画像の入替えを行った場合には、鑑賞者における両眼視差は極端に大きなものとなってしまい、左眼用画像と右眼用画像とを重ねて見るには、鑑賞者はいわゆる「寄り目」の状態を維持することを余儀なくされ、眼の疲労は甚大なものとなる。
そこで、本発明は、前述の課題に鑑みて提案されたものであって、左眼用画像及び右眼用画像を表示することによって立体画像を表示する立体画像表示装置であって、左眼用画像及び右眼用画像が重なって見えるようにしたときの鑑賞者における両眼視差がこの鑑賞者と表示画面との間の距離に対して自然なものとなされ、表示画像の明るさ及び解像度が充分に確保され、また、ふたつの画像をひとつの表示画面に表示するために合成する信号処理が不要となされた立体画像表示装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明に係る立体画像表示装置は、右眼用の画像を表示する右眼用表示手段及び左眼用の画像を表示する左眼用表示手段により表示することによりこれら右眼用及び左眼用の画像を並列して表示しそれぞれの眼でそれぞれに対応された画像を見ることにより立体画像を鑑賞する立体画像表示装置であって、右眼用表示手段と鑑賞者の右眼との間及び左眼用表示手段と鑑賞者の左眼との間に、鑑賞者における両眼視差を大きくする光学素子をそれぞれ備え、各光学素子は、光軸が鑑賞者の両眼の外側にオフセットされた凸レンズ、または、光軸が鑑賞者の両眼の内側にオフセットされた凹レンズを有することを特徴とするものである。
ここで、両眼視差(parallax)とは、両眼で立体や遠近を異にする対象を見たときに生ずる両眼の視方向の差をいう。無限遠方を見たときの両眼視差は0となり、見ている物体までの距離が短いほど、両眼視差は大きくなる。
本発明に係る立体画像表示装置においては、右側の表示手段と鑑賞者の右眼との間及び左側の表示手段と鑑賞者の左眼との間に配置された各光学素子は、鑑賞者における両眼視差を大きくする。したがって、この立体画像表示装置においては、左眼用画像及び右眼用画像が重なって見えるようにしたときの鑑賞者における両眼視差がこの鑑賞者と表示画面との間の距離に対して自然なものとなされる。
そして、この立体画像表示装置においては、例えば、いわゆる「ハイビジョンTV」のような横長の表示画面を用いた場合においても、高精細の立体(3D)画像を良好に鑑賞することができる。また、ふたつの画像をひとつの表示画面に表示するために合成する信号処理は不要である。さらに、各光学素子を専用メガネとして構成した場合においても、この専用メガネは小型軽量であり、使用感もよい。
すなわち、本発明は、左眼用画像及び右眼用画像を表示することによって立体画像を表示する立体画像表示装置であって、左眼用画像及び右眼用画像が重なって見えるようにしたときの鑑賞者における両眼視差がこの鑑賞者と表示画面との間の距離に対して自然なものとなされ、表示画像の明るさ及び解像度が充分に確保され、また、ふたつの画像をひとつの表示画面に表示するために合成する信号処理が不要となされた立体画像表示装置を提供することができるものである。
以下、本発明に立体画像表示装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔立体画像表示装置の構成〕
図1は、本発明に係る立体画像表示装置の構成を示す平面図である。
この立体画像表示装置は、図1に示すように、右眼R用の画像を右側の表示手段となる右側表示画面1により表示するとともに、左眼L用の画像を左側の表示手段となる左側表示画面2により表示することにより、これら右眼R用及び左眼L用の画像を並列して表示し、それぞれの眼R,Lでそれぞれに対応された画像を見ることにより、立体画像を鑑賞する立体画像表示装置である。
そして、この立体画像表示装置においては、右側表示画面1と鑑賞者の右眼Rとの間及び左側表示画面2と鑑賞者の左眼Lとの間に、鑑賞者における両眼視差を大きくする光学素子3,4を備えている。
これら光学素子3,4は、光軸が鑑賞者の両眼R,Lの外側にオフセットされた凸レンズ5R,6R、5L,6L(または、光軸が鑑賞者の両眼の内側にオフセットされた凹レンズ)を有して構成されている。
なお、この実施の形態においては、右眼用の光学素子3において2枚の凸レンズ5R,6Rを用い、左眼用の光学素子4において2枚の凸レンズ5L,6Lを用いているが、これらは、それぞれ1枚の凸レンズを用いることとしてもよい。
右側表示画面1には、被写体を右眼位置より撮影した画像である右眼用画像7Rが表示される。そして、左側表示画面2には、右眼用画像7Rと同一の被写体を左眼位置より撮影した画像である左眼用画像7Lが表示される。このような右眼用画像7R及び左眼用画像7Lは、人間の両眼の間隔に相当する間隔を隔てて並列に配置した2台のテレビカメラを用いて撮影されるものである。
各光学素子3,4を構成する凸レンズ5R,6R、5L,6Lは、この実施の形態においては、それぞれのディオプタ値が+6及び+3となっている。そして、右側の光学素子3の各凸レンズ5R,6R間、及び、左側の光学素子4の各凸レンズ5L,6L間には、それぞれ、凹レンズ8R,8Lが配置されている。この実施の形態においては、各凹レンズ8R,8Lは、ディオプタ値が−7となっている。
また、これら光学素子3,4は、図示しない支持機構によって支持されており、鑑賞者の右眼R及び左眼Lの間隔に対応して、互いの間の間隔が調整可能となっている。
なお、この実施の形態においては、各眼R,Lから各表示画面1,2までの距離は、40cm程度であることとしている。
図1において、各表示画面1,2から各眼R,Lに至る実線は、実際に表示されている画像から各眼R,Lに至る光路を示しており、点線は、鑑賞者から見たみかけの画像の位置を示している。
すなわち、この立体画像表示装置においては、鑑賞者が各表示画面1,2を重ね合わせて見ているときには、各光学素子3,4の作用により両眼視差が大きくなされ、各表示画面1,2は、実際に配置されている位置よりも、それぞれ内側に配置されているように見える。したがって、この立体画像表示装置においては、右側表示画面1が表示する右眼用画像7R及び左側表示画面2が表示する左眼用画像7Lは、人間がもっとも見やすい状態であるやや「寄り眼」の状態で合致させることができ、良好に立体画像の鑑賞が行える。
〔光学素子の構成〕
次に、この立体画像表示装置の各光学素子3,4について説明する。
図2は、凸レンズの光軸と眼の関係を示す平面図である。
図2(a)は、凸レンズ5の光軸が眼Eに対してオフセットしていない状態を示す。
凸レンズ5の光軸に対して眼Eをオフセットさせないときには、図2(a)に示すように、眼Eの正面にある物体9は、正面にあるように見える。
図2(b)は、凸レンズ5の光軸及び物体9に対して眼Eをオフセットさせた状態を示す。
そして、凸レンズ5の光軸及び物体9に対して眼Eをオフセットさせたときには、図2(b)に示すように、眼Eの右側にある物体9が正面にあるように見える。
この原理は、ビデオプロジェクタ装置などにおいて使用されている投射画像のシフト機構と同様のものであり、レンズの光軸を平行にシフトさせることにより、投射画像にひずみを生じさせることなく、画像を光軸に直交する方向に移動させることができるものである。
図2(c)は、両眼R,Lに対して光軸が両眼の外側にオフセットされた一対の凸レンズ5R,5Lからなる専用メガネの構成を示す。
このようなレンズの性質を利用して、図2(c)に示すように、両眼R,Lについて一対の凸レンズ5R,5Lを用いると、両眼R,L間の間隔よりも広い間隔を隔てた左右一対の画像7R,7Lのそれぞれが、鑑賞者の顔の中心方向にシフトされ、右眼用画像7Rは右眼Rにより、左眼用画像7Lは左眼Lにより、自然に鑑賞することができるようになる。
このような画像のシフト量を大きくするには、凸レンズの口径を大きくし、凸レンズの光軸の眼に対するオフセット量を大きくするか、または、屈折力の大きい凸レンズ(ディオプタ値の絶対値が大きく焦点距離が短い凸レンズ)を用いればよい。
図3は、凸レンズ及び凹レンズと眼の関係を示す平面図である。
図3(a)は、凸レンズの直前に凹レンズを配置した例を示す。
図3(b)は、凸レンズの直後に凹レンズを配置した例を示す。
しかし、焦点距離が短いレンズを用いると、眼から近い位置にしか眼の焦点が合わなくなる。これを改善するには、図3(a)及び図3(b)に示すように、凸レンズ5R,5Lの直前、または、直後に、凹レンズ8R,8Lを配置するとよい。このように凹レンズ8R,8Lを配置することより、遠視の鑑賞者でなくとも、遠方の表示画面1,2に眼の焦点が合うようになり、適度に離れた位置における表示画面1,2を良好に鑑賞することができる。
図3(c)は、凹レンズ8の光軸及び物体9に対して眼Eをオフセットさせた状態を示す。
この立体画像表示装置の光学素子においては、凸レンズ5に代えて、図3(c)に示すように、凹レンズ8を用いることもできる。凹レンズ8を用いた場合には、眼Eに対する凹レンズ8の光軸のオフセットの方向に対して、みかけの物体の位置がシフトする方向が、凸レンズ5を用いた場合の逆方向となる。
したがって、一対の凹レンズを用いて専用メガネを構成する場合には、両眼R,Lに対して、光軸を両眼の内側にオフセットさせて構成する。このように凹レンズを用いる場合には、近視の鑑賞者以外は、表示画面に対して眼の焦点を合わせることができないので、さらに凸レンズを追加することが望ましい。
このように、凸レンズでも凹レンズでも、光軸を眼に対してオフセットさせることにより、画像のみかけの位置を内側に移動させることができる。また、凸レンズ及び凹レンズのいずれか一方のみを用いた場合には、正常な視力の鑑賞者にとっては、表示画面に眼の焦点が合わず画像の鑑賞が良好に行えない場合があるので、これら凸レンズ及び凹レンズを適宜組合わせることにより、最適な光学系を設計することができる。
この場合において、凸レンズ及び凹レンズのいずれか一方のみを眼に対してオフセットさせることとしてもよいし、凸レンズ及び凹レンズのオフセットさせることとしてもよい。凸レンズ及び凹レンズの両方をオフセットさせた場合には、表示画面のみかけの位置をシフトさせる効果が足し合わされるので、度の小さい(ディオプタ値の絶対値の小さい)レンズでも、充分なシフト量を得ることができる。
そして、この光学素子3,4においては、凸レンズ、または、凹レンズの有限の大きさのため、視野が制限される。この光学素子3,4においては、各レンズの大きさ及び位置を適宜調整することにより、このような視野の制限を利用して、各眼に対応された画像だけが見えるようにすることができる。すなわち、左眼用画像に隣接する右眼用画像が左眼によって見られたり、右眼用画像に隣接する左眼用画像が右眼によって見られたりすることがないようにすることができる。
また、この光学素子3,4においては、光学素子3,4を構成するレンズから外れた視野内においては、並列された右眼用画像7R及び左眼用画像7Lが光学素子3,4を介することなく、直接に見えてしまう。しかし、このとき、眼の焦点は光学素子3,4を介して見える画像に合っており、光学素子3,4を介さずには画像をはっきりとは見ることができず、見えないのと同様な感覚が生ずるので問題ない。
したがって、この立体画像表示装置においては、専用メガネ側や表示画面側に、隣接する不要画像を見えなくするための遮光部材(マスク)を設ける必要がなく、また、偏光板を用いる必要もない。そのため、この立体画像表示装置においては、専用メガネの構成の簡素化、軽量化が可能であり、開放感のある使用感を実現することができ、また、製造コストの低廉化を図ることができる。
この立体画像表示装置の光学素子3,4における前述のような作用は、各眼から表示画面までの距離が1m程度以下で有効である。各眼が表示画面に対してあまり近距離であると圧迫感が生じるので、20cm程度は離れて鑑賞することが望ましい。この場合には、光学素子3,4を構成する各レンズのディオプタ値を足し合わせた実質的ディオプタ値(合成ディオプタ値)は、+1乃至+5程度とすることが好ましい。
ところで、各光学素子3,4をそれぞれ複数のレンズを用いて構成した場合において、これらレンズの合成ディオプタ値は、表示画面の大きさや表示画面と鑑賞者との位置関係等によって、プラスのほうが望ましい場合とマイナスのほうが望ましい場合とがある。
表示画面が小さい場合には、対物側に凸レンズを配置し、合成ディオプタ値をプラスとすることが好ましい。この場合には、眼の焦点が無限遠に近い状態にあっても、近距離に配置された画像を鑑賞することができるので、眼に疲労感をあたえない効果がある。このときは、前述したように、光学素子3,4の合成ディオプタ値は、+1乃至+5程度とすることが望ましい。
そして、表示画面が大きい場合には、対物側に凹レンズを配置し、合成ディオプタ値をゼロ、または、マイナスとすることが好ましい。これらの関係は、双眼鏡を正しく用いた場合に像が拡大されるのに対し、逆向きに対物レンズの側から覗くと像が縮小されて見えることと同じ関係である。
なお、前述の光学素子3,4の実施の形態において使用する各レンズとしては、一般的に使用されている眼鏡用のレンズ(球面レンズ)を用いることができるが、非球面レンズを用いてもよい。また、各光学素子3,4は、それぞれ4枚以上のレンズを組み合わせて構成してもよい。
以上の説明は一人で鑑賞する場合に適した形態を示したが、多人数による鑑賞も可能である。たとえば、40インチ以上の大画面ディスプレイやスクリーンに投影された画像を見る場合は、一般に鑑賞距離は数メートル以上となる。このような場合は隣接画像遮断用のマスクを設け、合成ディオプタ値をほぼゼロに設定すればよい。鑑賞距離が大きくなるほど大人数による鑑賞ができる。
〔光学素子を色消しレンズにより構成した実施の形態〕
前述のような光学素子3,4を構成するレンズは、色収差を有している。この色収差は、レンズにおける屈折量を大きくするにしたがって増加する。従来の画像表示装置、例えば、NTSC方式のテレビジョン受像機を用いて本発明に係る立体画像表示装置を構成した場合には、表示画像の解像度がさほど高くないため、このような光学素子3,4における色収差はほとんど問題にならない。
しかし、いわゆる「ハイビジョンモニタ」の表示画面を二つ並列させて本発明に係る立体画像表示装置を構成した場合には、表示画像が高精細画像であるため、光学素子3,4における色収差が問題になる。また、「ハイビジョンモニタ」は従来のテレビジョン受像機の表示画面(アスペクト比4:3)に比較して横長であるので(アスペクト比16:9)、光学素子3,4による表示画像のみかけの位置のシフト量を、より大きくする必要がある。
そこで、この立体画像表示装置においては、各光学素子3,4は、構成レンズのうち少なくとも1つを色消しレンズとしてもよい。
図4は、色消しレンズを用いて構成した光学素子を示す平面図である。
この光学素子3,4においては、対物側の凸レンズ5R,5Lとして、色消しレンズを用いている。この色消しレンズは、例えば、低屈折率低分散の凸レンズ10と高屈折率高分散の凹レンズ11を貼合わせることによって構成することができる。このように色消しレンズを用いることにより、色収差を改善することができる。
また、凹レンズをオフセットさせ、凸レンズを略々眼の中心にオフセットさせずに配置する構成の光学素子3,4においても、凹レンズを色消しレンズとすることにより、色収差を改善することができる。
さらに、凹レンズ及び凸レンズの両方を色消しレンズとしてもよい。
〔一つの表示画面を用いて構成した実施の形態〕
図5は、一つの表示画面内に右眼用の画像及び左眼用の画像を表示した例を示す正面図である。
この立体画像表示装置は、図5に示すように、一つの表示画面12を中心から左右の領域に分け、この表示画面12内において、右眼用の画像7Rを右側に表示し、左眼用の画像7Lを左側に表示するさとによって構成してもよい。
この場合においても、光学素子3,4の構成は、前述した実施の形態におけるものと同様である。
本発明に係る立体画像表示装置の構成を示す平面図である。 凸レンズの光軸と眼の関係を示す平面図であり、(a)は光軸が眼に対してオフセットしていない状態、(b)は光軸に対して眼をオフセットさせた状態、(c)は両眼に対して光軸がオフセットされた一対の凸レンズからなる前記立体画像表示装置における専用メガネの構成を示す。 凸レンズ及び凹レンズと眼の関係を示す平面図であり、(a)は凸レンズの直前に凹レンズを配置した例、(b)は凸レンズの直後に凹レンズを配置した例、(c)は凹レンズの光軸及び物体に対して眼をオフセットさせた状態を示す。 色消しレンズを用いて構成した前記立体画像表示装置における光学素子を示す平面図である。 前記立体画像表示装置において、一つの表示画面内に右眼用の画像及び左眼用の画像を表示した状態を示す正面図である。
符号の説明
1 右側表示画面
2 左側表示画面
3,4 光学素子
5R,5L 凸レンズ
6R,6L 凸レンズ
7R 右眼用画像
7L 左眼用画像

Claims (1)

  1. 右眼用の画像を表示する右眼用表示手段及び左眼用の画像を表示する左眼用表示手段により表示することにより、立体画像を鑑賞する立体画像表示装置であって、
    前記右眼用表示手段と鑑賞者の右眼との間及び前記左眼用表示手段と鑑賞者の左眼との間に、鑑賞者における両眼視差を大きくする光学素子をそれぞれ備え、
    前記各光学素子は、光軸が鑑賞者の両眼の外側にオフセットされた凸レンズ、または、光軸が鑑賞者の両眼の内側にオフセットされた凹レンズを有する
    ことを特徴とする立体画像表示装置。
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