JP2005226660A - 生分解性樹脂組成物製機械部品及び直動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生分解性を有することは勿論のこと、細菌や黴等の発生、増殖や生分解の進行を防いで十分な耐久性を有し、更には耐熱性をも兼備した生分解性樹脂組成物製の機械部品、並びにこの生分解性樹脂組成物よりなる部材を備え、細菌や黴等の発生の恐れも無く、更には非磁性で医療用に好適な直動装置を提供する。
【解決手段】 融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物、または更に抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなる生分解性樹脂組成物製機械部品、並びに前記樹脂組成物からなる外方部材や内方部材を備える直動装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生分解性樹脂組成物、あるいは更に抗菌剤を含有する生分解性樹脂組成物からなる機械部品に関する。また、本発明は、生分解性樹脂組成物、あるいは更に抗菌剤を含有する生分解性樹脂組成物からなる外方部材や内方部材を備える直動装置に関する。
生分解性樹脂は、土壌中等に放置されるとバクテリア等によって最終的に二酸化炭素及び水に徐々に分解される。よって、生分解性樹脂で構成された樹脂製品は、自然環境に放出されても原形を留めなくなるまで自然に分解される。また、焼却処理された場合でも有害物質を発生することはなく、燃焼に伴う熱量が小さいので焼却設備を傷めることが少なく、大量の燃料や大型の焼却設備を必要とすることもない。このように生分解性樹脂は、自然環境に対して悪影響を及ぼし難い。
現在実用化されている生分解性樹脂の用途としては農業資材や包装資材が中心であるが、最近、機械部品や構造部品用材料としての研究開発も進んでおり、転がり軸受の構成要素に生分解性材料を適用した例(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)や、ねじ装置の一部の部材に生分解性樹脂を適用した例(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
特開2002-89567号公報 特開2002-363391号公報 特開2002-13607号公報
しかしながら、従来の生分解性樹脂組成物あるいは生分解性樹脂組成物製品においては、保管または使用時に細菌や黴等が発生、増殖したり、生分解が進行したりして劣化するおそれがあった。特に、直動装置等の機械製品には耐久性が要求されるため、保管または使用時に劣化し難い材料が望まれている。
また、リニアガイドやボールねじ等の直動装置は金属製部品で主に形成され、材料となる金属は特殊高炭素鋼・ステンレス鋼等で、殆どが磁性鋼である。そのため、医療用設備等で用いた場合、磁気を帯びることで直動装置の作動によって磁場変動を生じ、検査精度等に悪影響を及ぼす可能性があった。そのため、使用部品のより多くをプラスチック製に代替できれば、このような不具合を抑えることができるようになり、更には生分解性樹脂組成物製とすることにより、環境面でも有利となる。しかし、上記のように、従来の生分解性樹脂組成物は抗菌作用を持たず、劣化するという欠点があり、更には直動装置が細菌や黴の発生源になるおそれもある。また、直動装置は運転に伴い高温になるため、耐熱性も要求されるが、従来の生分解性樹脂は十分な耐熱性を備えていない。
一方、プラスチック製部品では、エンジニアリングプラスチックを用いることによりある程度の耐熱性を確保することができるものの、特別の抗菌性を有する訳ではないので、同様に劣化や、細菌・黴の発生源になるおそれがある。更に、このような直動装置で使用されたプラスチック製部品の廃棄の際、不燃ゴミとして埋設処理すると廃棄物問題の一因となってしまう。また、衛生面から焼却処理される場合もあるが、それに伴って有害物質を発生したり、大量の燃料を必要としたり、焼却設備を傷めたりする恐れがある。
本発明は上記の問題点に着目してなされたものであり、生分解性を有することは勿論のこと、細菌や黴等の発生、増殖や生分解の進行を防いで十分な耐久性を有し、更には耐熱性をも兼備した生分解性樹脂組成物製の機械部品、並びにこの生分解性樹脂組成物よりなる部材を備え、細菌や黴等の発生の恐れも無く、更には非磁性で医療用に好適な直動装置を提供することを目的とする。
本発明は前記課題を解決するために、下記に示す生分解性樹脂組成物製機械部品、接合部材及び直動装置を提供する。
(1)融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする生分解性樹脂組成物製機械部品。
(2)融点が200℃以上である生分解性樹脂と、抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする生分解性樹脂組成物製機械部品。
(3)抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする上記(2)記載の生分解性樹脂組成物製機械部品。
(4)機械部品同士を接合するための接合部材であって、融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物、または融点が200℃以上である生分解性樹脂と抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする接合部材。
(5)抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする上記(4)記載の接合部材。
(6)少なくとも外方部材と、該外方部材に隙間を介して対向する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に転動自在に配設され、前記外方部材と前記内方部材とを相対移動させる複数の転動体とを備えた直動装置であって、
少なくとも前記外方部材及び前記内方部材が、融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物、または融点が200℃以上である生分解性樹脂と抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする直動装置。
(7)抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする上記(6)記載の直動装置。
本発明によれば、耐熱性に優れ、細菌や黴の発生もなく、耐久性に優れた生分解製の機械部品や接合部材を提供できる。また、細菌や黴等の発生がなく、非磁性で医療用設備等で使用しても検査精度に悪影響を及ぼすことない直動装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
(生分解性樹脂組成物)
本発明において、生分解性樹脂組成物のベースとなる生分解性樹脂として融点200℃以上のものを用いる。これは、後述される直動装置等に使用する場合の耐熱性や耐久性を確保するためである。更に、製造コストを考慮すると、射出成形できる樹脂が好適である。これらの要件を満たす生分解性樹脂として具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂、芳香族系ポリエステル、ポリグリコール酸樹脂等が例示できる。
ここで、ポリビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニルアルコール及びその改質樹脂のことをいう。ポリビニルアルコールの改質樹脂とは、ポリビニルアルコールの主鎖や側鎖に任意の分子構造を導入したもので、例えばポリビニルアルコールの側鎖にオキシアルキレン基を導入したオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール等が例示できる。芳香族系ポリエステルとは、ポリエステルの主鎖に芳香環を有しているポリエステルのことで、構造によって生分解性に大きな違いが生ずる。生分解が可能な芳香族系ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート共重合体やポリブチレンテレフタレート共重合体等が例示できる。尚、これらの樹脂は単独でも2種類以上を混合して使用しても構わない。
上記の生分解性樹脂に充填材を配合して生分解性樹脂組成物を調製し、これを所望の形状に成形することにより本発明の生分解性樹脂組成物製機会部品が得られる。充填材としては、酸化チタン、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪酸カルシウム、ガラス繊維、カーボン繊維、カーボンブラック、アラミド繊維等が使用できる。繊維状あるいはウィスカー状の充填材は、生分解性樹脂組成物の強度を効果的に向上させるので特に好適である。また、環境安全性の面からは、生分解性プラスチック研究会(BPS)の運用によるグリーンプラ識別表示制度のポジティブリスト(PL)に登録されている充填材を使用するのが好適である。
更に、生分解性樹脂には、充填材とは別にガラス繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の補強材、酸化防止剤、固体潤滑剤、熱伝導性改良剤、結晶化促進剤、増核剤等を必要に応じて配合しても良い。これらの種類は特に限定しないが、同じく生分解性プラスチック研究会(BPS)の運用によるグリーンプラ識別表示制度のポジティブリスト(PL)に登録されているものを使用するのが環境安全性の面から好ましい。
尚、充填材及びその他の配合物の配合量は、機械部材の種類に応じてその要求特性を満たすように適宜選択されるが、一例を示すと、直動装置に使用する場合では、充填材と補強材との合計含有量は生分解性樹脂組成物全体に対して10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%とすると良い。充填材と補強材の合計含有量が低すぎると、機械的強度や耐久性が実用レベルに達しない可能性がある。一方、充填材と補強材との合計含有量が高すぎると、生分解性樹脂組成物の成形性が悪化する可能性がある。
また、本発明は、上記の生分解性樹脂組成物に、更に抗菌剤を配合した機械部品を提供する。抗菌剤としては銀系抗菌剤が好ましく、例えば銀または銀酸化物を好適に使用することができる。銀系抗菌剤は、長期間にわたって効果が持続し、加工するときの高温環境(220〜240℃程度)でも比較的安定であり、更には生物や自然環境に対する危険性が低いという利点を有する。
この銀系抗菌剤は、生分解性樹脂組成物に直接添加するよりも、充填材の表面に担持させたり、被覆させたりする方が、分散性に優れるため好適である。
また、銀系抗菌剤の含有量は、生分解性樹脂組成物全体に対して、銀含有量に換算して0.2〜2.0質量%が好ましく、更には0.5〜1.5質量%が好ましい。銀含有量が0.2質量%未満では、十分な抗菌効果が得られない可能性がある。一方、銀含有量が2.0質量%を超える範囲では、抗菌効果がほぼ飽和してくることに加え、コストアップにも繋がるし、生分解性樹脂組成物の物性低下を招く可能性もある。
上記生分解性樹脂組成物を機械部品に成形するときの成形方法には制限がないが、成形効率等を考慮すると射出成形が好ましい。また、機械部品の種類にも制限がなく、従来のプラスチック製部品の他にも、後述される接合部材や直動装置の構成部材等とすることができる。
(直動装置)
本発明において直動装置自体の種類や構成には制限がなく、例えば、以下に示すようなボールねじ、リニアガイド及びボールねじ一体型直動案内ユニット(モノキャリア)を例示することができる。本発明では、これら直動装置を構成する部材を上記した生分解性樹脂組成物で形成するが、上記の生分解性樹脂組成物は融点が200℃以上であり、直動装置の一般的な使用条件に十分に対応できる。
図1はボールねじの一例を示す断面図、図2は図1のAA断面図である。図示されるボールねじ10は、断面が円形のねじ軸11を備えており、このねじ軸11の外周面には断面円弧状のねじ溝(転動体転動溝)12がねじ軸(内方部材)11の一端部から他端部にわたって形成されている。ねじ溝12には多数の球状転動体13が係合しており、これらの球状転動体13がねじ溝12に沿って転がり運動をするとナット(外方部材)14がねじ軸11の軸方向に直線運動するようになっている。ナット14はねじ軸11が貫通する円形の貫通孔を有しており、この貫通孔の内面には、ねじ溝12との間に螺旋状の転動体通路を画成する転動体転動溝16が形成されている。また、ナット14は転動体通路の一端とそれぞれ連通する二つの循環チューブ挿入孔18を有し、この循環チューブ挿入孔18に転動体循環チューブ17の両端が差し込まれている。更に、ナット14の両端面には、封入グリースの漏洩防止及び外部からの異物の侵入防止のためのラビリンスシール19が装着されている。循環チューブ挿入孔18は転動体循環チューブ17を介して互いに連通しており、ねじ溝12と転動体転動溝16との間に画成された螺旋状の転動体通路を転動した転動体13は、転動体循環チューブ17内を通って転動体通路を繰り返し転動するようになっている。
本発明においては、ナット14、ねじ軸11、ボール循環チューブ17、ラビリンスシール19等を上記の生分解性樹脂組成物で形成する。また、転動体13は、医療用設備に使用するために非磁性を考慮してガラスやセラミックスで形成することができるが、同種の生分解性樹脂組成物とすることもできる。
また、図3はリニアガイドの斜視図、図4はリニアガイドの断面図、図5は図3に示すスライダの一部分を示す断面図である。図示されるリニアガイド20は、断面が矩形の案内レール(内方部材)21を備えており、この案内レール21の両側面には断面円弧状の転動体転動溝22が案内レール21に沿って形成されている。転動体転動溝22には多数の球状転動体23が係合しており、これらの球状転動体23が転動体転動溝22に沿って転がり運動をするとスライダ(外方部材)24が案内レール21の長手方向に直線運動するようになっている。スライダ24はスライダ本体25と、このスライダ本体25の前端と後端に設けられたエンドキャップ26とからなり、スライダ本体25の両袖部25a,25aには、転動体転動溝22との間に直線状の転動体通路を画成する転動体転動溝27が形成されていると共に円形の転動体通路孔28が転動体転動溝27と平行に形成されている。一方、エンドキャップ26には、U字状に湾曲した転動体通路孔29が形成されている。この転動体通路孔29は転動体転動溝22と転動体転動溝27との間に画成された転動体通路と転動体通路孔28にそれぞれ連通しており、従って、転動体転動溝22と転動体転動溝27との間に画成された直線状の転動体通路を転動した球状転動体23は、転動体通路孔29及び転動体通路孔28を通って転動体通路を繰り返し転動するようになっている。
本発明では、スライダ24のスライダ本体25、エンドキャップ26、案内レール21等を上記の生分解性樹脂組成物で形成する。また、転動体23は、医療用設備に使用するために非磁性を考慮してガラスやセラミックスで形成することができるが、同種の生分解性樹脂組成物とすることもできる。
また、図6はボールねじ一体型直動案内ユニットの側面図、図7は図6のBB断面図、図8は図7のCC断面図である。図示されるボールねじ一体型直動案内ユニット30において、案内レール41は横断面略コ字状で、底面から立ち上げた両側縁部41aの内面に、それぞれ軸方向に延びる1本のボール転動溝42を対向位置に有して延長されている。この案内レール41の長さ方向の両端には、軸受け板43,44がねじ止めして取付けられている。軸受け板43には図示しないボールベアリングが取付けられ、軸受け板44にはベアリングハウジング46を介し図示しないボールベアリングがダブルに取付けられており、これらのベアリングに支持されて、ボールねじのねじ軸47が案内レール41の幅の中心部においてボール転動溝42と平行に配設されている。また、ねじ軸47のボールねじ溝48は、大リードの4条ねじとして形成されている。ねじ軸47の一方の軸端部47aはベアリングハウジング46から外方に突出して図外の駆動モータの出力軸と連結可能とされている。ナット40は、角形のナット本体40Aと、その前後の両端にそれぞれボルトで固定したエンドキャップ49とを備えており、ねじ軸47に螺合される。ナット本体40Aの中心部に形成されたねじ孔51の内周面には、ねじ軸47のボールねじ溝48に対応するボールねじ溝50が形成されている。ナット本体40Aの横幅は案内レール41の両側縁部41a,41a間の内のり寸法より僅かに小さく形成されていて、その左右両側面の下部には案内レール41のボール転動溝42にそれぞれ対向させたボール転動溝52が形成されると共に、これに平行する直線状の貫通孔からなるボール戻り通路53がナット肉厚内に形成されている。また、ナット40の下部には、案内レール41のボール転動溝42とこれに対向するボール転動溝52及びボール戻り通路53と湾曲路55とからなる直線案内系のボール無限循環路が構成され、このボール無限循環路内に多数の転動体56が転動自在に装着されている。
本発明では、ナット40のナット本体40A、エンドキャップ49、ねじ軸47、案内レール41、軸受け板43,44、ベアリングハウジング等を生分解性樹脂組成物で形成する。また、転動体56は、医療用設備に使用するために非磁性を考慮してガラスやセラミックスで形成することができるが、同種の生分解性樹脂組成物とすることもできる。
直動装置は上記以外にも、例えばX軸方向とY軸方向への移動が可能で、テーブル体と一体化されたXYテーブル等が挙げられ、テーブル体を上記生分解性樹脂組成物で形成することにより、本発明の直動装置とすることができる。
(接合部材)
本発明の接合部材としては、各種部品を連結するためのボルトやナット、ネジ、リベット等が挙げられ、これらを上記の生分解性樹脂組成物で形成する。これらの接合部材は、従来からプラスチック製のものが知られているが、生分解性樹脂組成物とすることにより廃棄したときの環境負荷を大きく低減できる。
また、接合部材として、図9及び図10に示すリニアガイド20、図11に示すボールねじ10を組み付ける際のボルト60,70とすることもできる。尚、図9及び図10に示すリニアガイドにおいて、更にスライダ24、エンドキャップ26、案内レール21等を図3に示したリニアガイド20と同様に生分解性樹脂組成物で形成することにより、本発明のリニアガイド装置とすることができる。また、図11に示すボールネジ10においても、更にナット14、ねじ軸11、ボール循環チューブ17、ラビリンスシール19等を図1に示したボールねじ10と同様に生分解性樹脂組成物で形成することにより、本発明のボールねじとすることができる。
本発明の効果を確認するために実施した試験について説明する。
(試験−1)
先ず、本発明に係る生分解性樹脂組成物を2種類調製した。その組成は以下に示す通りである。
○組成物A:
・オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール 65質量%
・ガラス繊維 25質量%
・銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 10質量%
(銀含有量は生分解性樹脂組成物全体に対して1.0質量%である)
○組成物B:
・ポリエチレンテレフタレート共重合体 60質量%
・ガラス繊維 30質量%
・銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 10質量%
(銀含有量は生分解性樹脂組成物全体に対して1.0質量%である)
続いて、図1〜5に示すボールねじ及びリニアガイドの転動体を除く部材を、組成物Aまたは組成物Bを用いて製作した。尚、転動体にはガラスを使用した。そして、製作したボールねじとリニアガイドを使用して以下の試験を実施した。
(1)保管試験
製作したボールねじとリニアガイドを梱包し、通常の保管環境で6ヵ月間放置した。組成物A製及び組成物B製のボールねじ、リニアガイドともに放置前後の外観や重量に特に変化は無かった。
(2)抗菌性試験
大腸菌を対象として殺菌性効果を示す試験を実施した。製作したリニアガイドのスライダ本体上面3cm×3cmのエリアに大腸菌を約1000個含む培養希釈液を塗布し、4時間後の菌数を測定した。組成物A製及び組成物B製のリニアガイドとも、菌数は300個以下まで減少しており、十分な抗菌性が確認された。
(3)生分解性試験
上記の(1)保管試験及び(2)抗菌性試験を終了したボールねじとリニアガイドについて、JIS K 6953「プラスチック−制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解度及び崩壊度の求め方−発生二酸化炭素量の測定による方法」に準拠した手法で、生分解度を求めた。抗菌剤の効果により、試験開始から生分解し始めるまでに3〜6ヵ月程を要したが、組成物A及び組成物Bともに生分解することを確認した。
(試験−2)
ポリエチレンテレフタレート改質樹脂(デュポン株式会社製バイオマックスWB200,ガラス繊維を35質量%配合したもの)と、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製エコマティAX-300,ガラス繊維を30質量%配合したもの)とを用い、図1〜5に示されるボールねじ及びリニアガイドの転動体を除く部材を射出成形により作製した。尚、転動体にはガラスを使用した。
そして、上記の(3)生分解性試験と同様にして生分解度を求めた。結果を図12に示す。図中、「PVA-BS」は「オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールで製作したボールねじ」を、「PVA-LG」は「オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールで製作したリニアガイド」を、「PEs-BS」は「ポリエチレンテレフタレート改質樹脂で製作したボールねじ」を、「PEs-LG」は「ポリエチレンテレフタレート改質樹脂で製作したリニアガイド」をそれぞれ示すが、何れのサンプルも生分解することが確認された。
(試験−3)
図9及び図10に示すように、生分解性樹脂組成物製のスライダ本体に、生分解性樹脂製のエンドキャップを本発明に係るボルトで組付け、更にスライダ本体への他部材の組付けや生分解性樹脂製の案内レールの他部材への組付けに本発明に係る接合部材を使用した。ボルト及び接合部材は、以下に示す3種類の生分解性組成組成物を射出成形して製作した.
○組成物C:
・ポリエチレンテレフタレート改質樹脂 60質量%
・ガラス繊維 35質量%
・銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 5質量%
(銀含有量は生分解性樹脂組成物全体に対して1.0質量%である)
○組成物D:
・オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール 70質量%
・ガラス繊維 30質量%
○組成物E:
・ポリグリコール酸樹脂 65質量%
・ガラス繊維 25質量%
・銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 10質量%
(銀含有量は組成物全体に対して1.0質量%である)
また、図11に示すように、生分解性樹脂製のナット本体に生分解性樹脂製のエンドキャップ及びシール部材を本発明に係るボルトで組付けた。接合部材は、以下に示す3種類の生分解性樹脂組成物を射出成形して製作した.
○組成物F:
・ポリエチレンテレフタレート改質樹脂 65質量%
・ガラス繊維 35質量%
○組成物G:
・オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール 65質量%
・ガラス繊維 25質量%
・銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 10質量%
(銀含有量は生分解性樹脂組成物全体に対して1.0質量%である)
○組成物H:
・ポリグリコール酸樹脂 70質量%
・ガラス繊維 30質量%
そして、作製したボールねじ及びリニアガイドについて、上記の(3)生分解性試験と同様にして生分解度を求めたところ、何れも生分解することが確認された。尚、抗菌剤が配合されたボルトや接合部材は、抗菌剤の効果により試験開始から生分解し始めるまでに3〜6ヵ月程度の時間を要した.
本発明のボールねじの一例を示す断面図である。 図1のAA断面図である 本発明のリニアガイドの一例を示す斜視図である。 図3に示されるリニアガイドの断面図である。 図3に示されるスライダの一部分を示す断面図である。 本発明のボールねじ一体型直動案内ユニットの一例を示す側面図である。 図6のBB断面図である。 図7のCC断面図である。 本発明の接合部材の一例並びにリニアガイドの他の例を示す斜視図である。 本発明の接合部材の他の例並びに図9に示したリニアガイドのスライダを示す斜視図である。 本発明の接合部材の更に他の例並びにボールねじの他の例を示す断面図である。 試験−2において各樹脂の生分解性を評価した結果を示すグラフである。
符号の説明
10 ボールねじ
11 ねじ軸
12 ねじ溝
13 転動体
14 ナット
17 ボール循環チューブ
19 ラビリンスシール
20 リニアガイド
21 案内レール
23 転動体
24 スライダ
25 スライダ本体
26 エンドキャップ
30 ボールねじ一体型直動案内ユニット
41 案内レール
47 ねじ軸
60 ボルト
70 ボルト

Claims (7)

  1. 融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする生分解性樹脂組成物製機械部品。
  2. 融点が200℃以上である生分解性樹脂と、抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする生分解性樹脂組成物製機械部品。
  3. 抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする請求項2記載の生分解性樹脂組成物製機械部品。
  4. 機械部品同士を接合するための接合部材であって、融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物、または融点が200℃以上である生分解性樹脂と抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする接合部材。
  5. 抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする請求項4記載の接合部材。
  6. 少なくとも外方部材と、該外方部材に隙間を介して対向する内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に転動自在に配設され、前記外方部材と前記内方部材とを相対移動させる複数の転動体とを備えた直動装置であって、
    少なくとも前記外方部材及び前記内方部材が、融点が200℃以上である生分解性樹脂を含む樹脂組成物、または融点が200℃以上である生分解性樹脂と抗菌剤とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴とする直動装置。
  7. 抗菌剤が銀系抗菌剤であることを特徴とする請求項6記載の直動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010138928A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Nsk Ltd 直動装置の製造方法

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