JP2005226415A - 底質泥土回収装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水底に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置及び方法を提供する。
【解決手段】 ケーシングパイプを地盤中に建て込むと共にケーシングパイプ内部の土砂を掘削して取り出し、シャッター部を開状態として回収扇を回転させつつ底質泥土表面から地盤表面まで降下させ底質泥土を掻き寄せてシャッター部からケーシングパイプ内部に落とし込んだ後泥土回収扇部を上昇させ回収し、シャッター部を閉状態としてケーシングパイプの上端から土砂を投入して落とし込まれた底質泥土の表面を被覆し、ケーシングパイプを引き上げ回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、養殖漁場における排泄物や動植物の死骸等を含む沈殿物、あるいは河川等から流入する微粒物質等が堆積し、微生物等の影響でCOD値等が悪化し、水生生物の生育環境等に影響を与えている海域や湖沼等の底質泥土を処理する装置及び方法に関する。さらに、作業によって、汚濁等の水質汚染をほとんど生じることなく、かつ、固化材の投入や物理的固液分離装置等から排出する処理水の薬品処理等を行うことなく、更には処理過程で空気に触れさせないことから悪臭を発することなく、海底や湖沼の底にあるがままの状態で、海底または湖沼の底に形成した掘削孔中に落し込む底質泥土の処理装置及び方法に関する。
養殖施設が設置されている漁場では、養殖魚介類に与えた餌料の残滓や魚介類の排泄物及び動植物の死骸等が海底や湖沼の底に堆積する。また、河川等に流れこんだ生活排水や家畜糞尿、耕作地から流れ出た水に含まれる有機肥料等の成分によって汚泥化した物質が堆積する。この結果、COD値、全窒素量、全リン量、硫化物等が基準値を超えることとなる。この堆積物を「底質泥土」と称する。
これらの海域や湖沼では、富栄養価による赤潮の発生や微小生物の異常繁殖による酸欠状態によって無酸素水域を形成、あるいはCOD値等が上昇する等生環境が著しく悪化している。
堆積している底質泥土を、安価で周辺環境影響度の少ない方法で処理する技術の開発は、養殖漁場や湖沼の生環境の改善を促し、赤潮の発生やCOD値の低下等の改善を促すだけでなく、漁業生産者等にとって漁場の維持・回復のコストを低く抑え、かつ処理作業に伴う環境の悪化を防止するものとして望まれているところである。
底質泥土の処理に係る技術は、従来から幅広く提案されており、これを列挙する形で問題点を明らかにすることとする。
1.グラブ浚渫船、ドレッジャー型浚渫船、バケット付コンベアー型浚渫船等の一般的浚渫装置により物理的に浚渫除去する方法は、最も安価で大量に処理できる。しかしながら、養殖漁場等における有機物等微細粒子を大量に含む底質泥土を処理する場合、浮泥等の浮遊物質を大量に巻き上げる。従って、作業による周辺の水域汚染防止のために大量の沈降材の投入を行う等の処理が必要となる。また、浚渫した底質泥土の廃棄場所等での悪臭や排水による水質汚染等の環境への影響が避けられない。
2.吸引型浚渫装置は同じく物理的な処理を基本とする技術であるが、一般的浚渫装置に比較すると巻き上げる浮泥等の量は少なく、浚渫する周辺の水域に与える水質汚染等の影響は小さい。また、一度に処理できる泥土量も少ないことから工事区域を限定した対応も可能である。しかしながら、吸引装置より排出される底質泥土は高い含水比を有した軟泥液状となり、これを処理するために薬品や固化材等の処理材を大量に用いる(特許文献1参照)。
また、台船上あるいは陸上に設置した施設で脱水処理し、該脱水した泥水を薬品等で処理して放水し、含水比を下げた泥土を回収するので、大量に処理するためには大型の固液分離機械等の処理装置を必要としコスト高になることは必定であった。さらに、台船や陸上に圧送処理する工程若しくは処理装置内で、有機物質が空気に触れることによる悪臭の発生等、環境への影響を避けることができないものであった。あるいは、陸上で数年間仮置することにより脱水させる方法では、仮置きする場所が少ないため、この方法自体が困難なこと、また脱水後の処理方法としては埋立てなどしかなく、その処理可能な土砂の量が少ないことも問題となっている。
3.砂等を散布し直接底質泥土を被覆する方法は、安価で大量に施工できるという利点はある。しかしながら、被覆する土砂を散布する時点で底質泥土の巻き上げあるいは被覆材に含まれる微粒物質等の散乱による周辺水域の汚濁等を引起す。加えて、水深を浅くすることで水温上昇等環境条件の著しい変化を引起す。従って、漁場等生物資源を得ることを目的とする水域では適さないものであった。また、近年砂等の採取による自然破壊が問題化していることから、被覆材料を安価に、大量に入手することが困難な状況になっている。
4.底質泥土層の下部の地盤表面より下の砂層にガイドパイプを打込み、ガイドパイプ内にジェット噴射パイプを垂下してジェット水流で砂層の砂を押上げ、土層を反転するようにして底質泥土層を被覆する技術がある。この技術は、当該地盤表面より下の土質が浮遊汚濁の原因となる微細土粒子を含まない場合は有効であるが、地盤線以下の土層が微細土粒子の多い土質である場合は押上げて被覆する工程で周辺水質の汚濁が起こる。また、当該土層が軟岩や外径の大きいレキを含む砂礫層等の場合には、押上げて土層反転する状態で被覆する技術は適用できない。
5.吸引した土砂を回収した台船の処理装置に導いた後、高圧をかけて土中に差し込んだパイプの先端から吐き出して海底等の土中に封入する技術も検討されている。しかしながら、地盤の強度が一様でないところでは圧送された土砂が地盤強度の弱い部分を突き破って周辺水域に拡散し水質汚染を引起す。また、地盤が固結した砂層や砂礫、岩盤等の場合、圧送した泥土が固結した砂層等に殆ど封入できないことは地盤改良工法等の経験のある技術者にとっては周知の事実であり、無理に圧送しようとすると挿入したパイプの破損または圧力の反動で地盤から抜けることが起き、大量の泥土を拡散させるおそれがある。従って、当該圧送工法は極めて限られた条件を満たす場所以外、有効でない技術であった。
特開平10−499号公報
以上の通り、従来の技術は、底質泥土を除去するという点ではある程度の効果を奏する。しかしながら、これら技術の多くは底質泥土を陸上あるいは処理装置を設置した台船上に導き、機械装置による固液分離処理等を行おうとするものであり、処理過程で発生する泥水等を処理するために薬品や固化材等の処理材の使用を必要とする。従って、使用する薬品や固化材によっては、直接的に有害な成分を含んでいたり、環境ホルモン等生態系に影響を及ぼしたりする。
広く用いられてきたセメント系固化材においても、含有する六価クロムによる水質汚染が危惧されている等、多くの課題を残している。また、有機物が多い底質泥土の場合、空気に触れることで悪臭が発生するため、新たな環境問題を生じる。
一方、土層反転または他から持込んだ砂で被覆する方法は、当該土層の適用範囲が限られている。また、吸引した泥土を高圧で地中に封入する技術は、極めて限られた条件でしか有効でない技術と言える。
従来の技術の問題点をまとめると、下記の通りである。
1.底質泥土の掘削等の処理工程で浮泥の拡散等の汚染を引起こす。
2.陸上または台船上の装置等に送る過程で空気に触れ悪臭を発生する。
3.泥土の固化または脱水した処理後の泥水を浄化するために固化材や凝集剤等の化学物質を含む材料や薬品を投入することにより、環境ホルモンほか新たな環境問題の原因となるおそれがある。
4.回収した底質泥土を脱水した後の処理方法が確立されていない場合もあり、施工後に処理や廃棄を必要とする副産物を発生しない対策が望まれている。
5.限られた条件において有効な技術ではあっても、底質の地盤の土質変化がある海域や湖沼等において有効性を保持できないものがある。
本発明の目的は、上記の問題点を解決することができる底質泥土の回収装置及び回収方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成できる各請求項に係る発明は、次の通りである。
(1)請求項1に係る発明は、水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置において、その主要な構成要素として、水上における固定足場を形成する台船と、前記台船から地盤中の所定の貫入深度まで建て込み可能なケーシングパイプと、前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び上下移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、前記ケーシングパイプに対して昇降自在に装着される泥土回収扇部とを有する。
さらに、前記ケーシングパイプが、その軸方向中間部分にシャッター部を具備し、該シャッター部は該ケーシングパイプの内部空間と外部空間を遮断する閉状態と連通させる開状態とを前記ケーシング回転掘削機による軸周りの回転駆動により切り替え可能である。
またさらに、前記泥土回収扇部が、地盤表面上の円形領域内の底質泥土を回転しつつ中心へ掻き寄せるべく下端に設けた回収扇と、該回収扇を前記シャッター部近傍に位置させた状態にて該泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定可能な固定手段と、該回収扇の回転駆動手段と、該泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定した状態にて該回収扇を昇降させる昇降手段とを具備する。
本発明は、従来ポストテンション杭工法等で広く用いられているケーシングパイプ回転掘削装置の利用等、公知の技術と装置を応用することで構成される。
(2)請求項2に係る発明は、請求項1に記載の装置において、前記シャッター部が、前記ケーシングパイプを上下に分離した下部ケーシングパイプの上端の内管部と上部ケーシングパイプの下端の外管部とを回動自在に嵌合させた二重管構造部分に形成され、該内管部と該外管部の双方の対応する位置にて周方向に等間隔をもって同寸法の複数のスリットがそれぞれ開口され、かつ前記ケーシング回転掘削機による軸周りの回転駆動により該内管部と該外管部が軸周りに相対的に回動して、対応する各スリットがずれた位置となる閉状態と、対応する各スリットが同位置となる開状態とを切り替え可能であることを特徴とする。
(3)請求項3に係る発明は、請求項1に記載の装置において、前記回収扇が、前記ケーシングパイプを貫通させる貫通孔を設けた天板部と、該天板部の周縁から下方に延びる側壁部と、該天板部の下面に上辺が連結固定された複数の羽根用板とを具備し、
前記羽根用板の各々の内側の側辺は貫通孔の周縁に位置しかつ外側の側辺は前記側壁部に連結固定されると共に、該羽根用板が平面形状又は前記回収扇の回転進行方向側の面が凹面となるべく湾曲した形状であることを特徴とする。
(4)請求項4に係る発明は、請求項3に記載の装置において、前記天板部の貫通孔の周縁から該天板部の周縁へ向かって漸次下降する傾斜を設けたことを特徴とする。
(5)請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の装置において、前記泥土回収扇部が、前記回収扇の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた下部盤状枠を具備し、
前記回収扇の回転駆動手段が、
前記下部盤状枠の貫通孔内に前記ケーシングパイプ外周を回転自在に囲んで取り付けたリングギアと、
前記回収扇の前記天板部に設けた貫通孔の周縁から上方に延びて前記リングギアと連結された縦筒と、
前記下部盤状枠に取り付けられかつ前記リングギアを回転駆動する油圧回転モータとを具備することを特徴とする。
(6)請求項6に係る発明は、請求項5に記載の装置において、前記泥土回収扇部が、前記下部盤状枠の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた中間盤状枠を具備し、
前記泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定した状態にて前記回収扇を昇降させる昇降手段が、
前記下部盤状枠の上面と前記中間盤状枠の下面にそれぞれ両端が連結された伸縮自在のストロークジャックを具備することを特徴とする。
(7)請求項7に係る発明は、請求項6に記載の装置において、前記泥土回収扇部が、前記中間盤状枠の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた上部盤状枠を具備し、
前記泥土回収扇部の固定手段が、
前記上方盤状枠の貫通孔近傍位置からリンクを介して垂下する上方クサビと、 前記中間盤状枠の貫通孔近傍位置にて前記上方クサビに対応する位置に取り付けた下方クサビと、
前記中間盤状枠の上面と前記上方盤状枠の下面にそれぞれ両端が連結された伸縮自在のクランプシリンダとを具備し、
前記クランプシリンダの収縮により前記下方クサビが前記上方クサビを前記ケーシングリングへ押し付けることを特徴とする。
(8)請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、前記ケーシングパイプの下端に着脱自在に装着されかつ該ケーシングパイプを底質泥土表面から地盤表面まで建て込む際に使用される先端キャップ部を具備し、
前記先端キャップ部が、下側の先端キャップと、上側の支持固定手段とから構成され、
前記下側の先端キャップは、円盤と、該円盤の下面に連設された円錐体と、該円錐体の表面に突設された複数の螺旋状の泥土掻き出し突条とを具備し、
前記上側の支持固定手段は、前記円盤の上面中心部から上方に延びる円柱状のシリンダ固定フレームと、該シリンダ固定フレームの外周上から径方向外側へ延びる複数の前進後退可能なシリンダと、該シリンダの各々の先端から突出するアームに取り付けられ該ケーシングパイプ内面に当接可能な固定脚とを具備することを特徴とする。
(9)請求項9に係る発明は、請求項8に記載の装置において、前記上側の支持固定手段がさらに、前記円盤の上面周縁から上方に延びる複数の支柱に支持された円環状のガイドローラフレームと、該ガイドローラフレーム上に等角度間隔で取り付けられた複数のガイドローラとを具備し、該ガイドローラの各々は、前記ケーシングパイプの内面に沿って鉛直方向に転動可能に軸支され、かつ
前記先端キャップ部を吊り下げる吊りワイヤーを接続するワイヤーフックを具備することを特徴とする。
(10)請求項10に係る発明は、軸方向中間部分にシャッター部を具備するケーシングパイプであって該シャッター部が該ケーシングパイプの内部空間と外部空間を遮断する閉状態と連通させる開状態とを該ケーシングパイプの軸周りの回動により切り替え可能である該ケーシングパイプと、前記ケーシングパイプに対して昇降自在に装着されかつ地盤表面上の円形領域内の底質泥土を回転しつつ中心へ掻き寄せる回収扇を具備する泥土回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて、水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
前記シャッター部を閉状態とした前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
前記ケーシングパイプを底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中の所定の貫入深度まで建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出す第4工程と、
前記シャッター部を開状態とした後に前記回収扇を回転させつつ底質泥土表面から地盤表面まで降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該シャッター部から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
前記泥土回収扇部を上昇させ回収する第6工程と、
前記シャッター部を閉状態とした後に前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土表面を該土砂で被覆する第7工程と、
前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする。
本方法の主要部においては、平面形状又は湾曲した形状の複数の羽根用板を放射状に配置した円形の回収扇をゆっくりと回転させることにより円形領域内の底質泥土を水底(海底、河川、湖沼の底を含む)から大きく移動させることなく中心に掻き寄せる。この方法により、底質泥土を拡散させることなく回収扇の中心に建て込まれたケーシングパイプのシャッター部を通してケーシングパイプ内に掘削された掘削孔に落し込む。
(11)請求項11に係る発明は、請求項10に記載の方法において、一の底質泥土除去対象領域にて前記第1〜8工程を行った後、水平方向に移動する第9工程をさらに有し、移動した後に前記第1〜8工程を繰り返すことを特徴とする。
(12)請求項12に係る発明は、請求項10又は11に記載の方法において、前記第7工程において投入する土砂として、前記第4工程において掘削され取り出されたケーシングパイプ内部の土砂を用いることを特徴とする請求項9又は10に記載の底質泥土回収方法。
本発明は、杭打ち工事等の分野では広く用いられている、ケーシングパイプを貫入して内部を掘削する工程を繰返し所定深度まで掘削孔を形成する工法を、底質泥土の回収作業に利用したものであり、当該工法を海上作業で一般に用いられるスパッドを装備した台船と組合せている。さらに、公知のケーシング回転掘削機によりケーシングパイプを上下移動させたり、ケーシングパイプを軸周りのいずれかの方向に回転させたりする技術を利用すると共に、比較的簡易な新規構造体を組合わせている。これにより、安価な装置及び方法を実現している。
また、ケーシングパイプの建て込み時の先端キャップ部は、ケーシングパイプ直下の底質泥土をケーシングパイプの周囲に押出し排除する機能を有する。泥土回収扇部の回収扇は、直下にある底質泥土を中心へ掻き寄せる機能を有する。特に、中心部が高くなるよう傾斜を設けた回収扇は、回収効率が高い。掻き寄せられた底質泥土は、ケーシングパイプの開状態のシャッター部を通って内部に落し込まれる。底質泥土へ建て込む際のケーシングパイプの回転、並びに、泥土回収扇部の回転は、いずれも底質泥土を静かに横移動させるために必要な程度の緩やかな回転で足りる。これにより、回転による底質泥土の巻き上げや拡散が回避される。また、落とし込まれた底質泥土の表面を土砂でキャッピングした後にケーシングパイプを引き抜くので、これによっても底質泥土の巻き上げや拡散が回避される。このように水質汚濁による悪影響を与えないことから処理区域周辺の環境変化による生産性低下を引き起こすことがなく、養殖漁場等の底質泥土を処理する方法として適している。
本発明では、従来工法のように底質泥土を水上又は陸上まで掘削装置で掘り揚げたり吸引装置で吸い上げたりする必要がなく、底質泥土の堆積場所で処理を完了することができる。従って、陸上あるいは台船上に底質泥土を導く工程がなく、底質泥土が空気に一切触れない。この結果、処理工程における悪臭の発生が全くない。
また、従来工法の多くが採用している底質泥土の固化材や薬品等の処理材を全く使用しないので、処理材に含まれる成分による水質汚染や環境ホルモン等による生態系への影響が全く起こらない。
本発明は、水底の地盤の固結の程度に関わりなく、ケーシングパイプを地盤中に貫入させた後にハンマーグラブ等でケーシングパイプ内の土砂を掘削し取り出して掘削孔を形成した後、この掘削孔内に底質泥土をゆっくりと落し込む工法である。従って、土中圧送工法のように地盤の強度や土質構成成分等の現地条件によってその効果が制約されることはない。
特に、本発明では、底質泥土を水上に回収するのではなく、現地の地盤に掘削した掘削孔に落とし込み、さらにその掘削した土砂を用いて掘削孔の被覆を行ったり、底質泥土回収後の地盤表面への埋め戻しを行ったりすることができるため、施工後に処理や廃棄を必要とする副産物が全く発生しない。この点は、本発明の最も重要な効果の一つである。
尚、底質泥土層の下方地盤の土質が多量の微細粒子を含む等、掘削した土砂がキャッピング処理及びキャッピン後の埋め戻し土砂として不適当である場合は、地盤線と平坦になる程度良質の土砂をもって埋め戻し、掘削した土砂は台船等に回収し、陸上施設等において残土処理する。これにより、周辺水域を汚濁することが避けられる。 また、掘削土砂は微細粒子を含んでいても底質泥土等の汚泥部分を含まないものであるので、薬品処理や固結材処理をすることなく、水質汚濁のおそれがない状態で管理される工事の埋立土等として利用可能である。
本発明では、一般に用いられている建設機械や掘削工法を活用し、一サイクルで相当量の作業を可能とするほか、固液分離等の複雑な処理による時間を必要としないことから連続した作業が可能であり、単位処理量当りの費用が安価となる。また、掘削作業やケーシングパイプ抜取り以外では機械音等の騒音や振動等も抑えられる。
本発明では、泥土回収扇部の範囲以外の区域を乱さないこと、処理材の投入を行わないことから、周辺に存在する有用な微生物や動植物等生態系に与える負荷が小さく、漁場の生産性を維持したままで底質環境が悪化している部分のみを浄化処理することが可能であり経済的効果は大きい。
特に、本発明における底質泥土回収装置は、油圧回転モータを具備して独自に回転可能な泥土回収扇部を有し、掘削したケーシングパイプ内部に底質泥土を回収し落とし込むもので、次の効果が期待できる。
ケーシングパイプを一部二重管構造とすることと、ケーシング回転掘削機を台船に設置することと、着脱自在に装着可能で円錐体表面に螺旋状の突条を設けた先端キャップ部及び油圧駆動で回転及び昇降する泥土回収扇部以外には、特別の処理装置を必要とせず、一般に広く使用されているケーシング回転掘削機とケーシングパイプ、台船、掘削及び埋め戻し作業用の掘削機を搭載した掘削土仮積台船を用意することで、好適例の全工程を完了できる。従って、安価に実施できる。
更に、同一装置で多様な地盤に適用可能であることから、地盤変化が大きい地域でも複数の装置を準備する必要がなく、経済的な効果が高いものである。
本発明の底質泥土回収方法は、底質泥土が堆積している区域に限定して実施することが可能で、底質泥土の堆積が問題とならない区域には影響しない。また、脱水処理したあとに薬品等の処理材で処理した排水を水中に戻すこともないので、周辺の生物環境を変化させる度合いが極めて小さく、有用な微生物や動植物がそのまま維持され、漁場等の生産性が持続されることによる経済効果が大きいものである。
以下、本発明の実施の形態を一実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
先ず、第1発明である底質泥土回収装置について説明する。尚、本底質泥土回収装置は、後述する第2発明である底質泥土回収方法に好適に用いられる。
図1〜図13は、底質泥土の回収装置1の構成図である。各図の概要を説明する。
図1は、底質泥土回収装置1の全体構成図である。主たる構成要素は、スパッド11と、台船2と、クレーン3と、作業台5と、ケーシングパイプ4と、ケーシング回転掘削機6である。
図2〜図6は、ケーシングパイプ4の軸方向中間部分に設けられるシャッター部を示す構成図である。
図7は、地盤20中の貫入深度まで建て込まれた状態のケーシングパイプ4の先端部分の断面図である。図示の例では、ケーシングパイプ4内には、土砂埋戻しに用いるトレミー管10が挿入されている。
図8〜図11は、ケーシングパイプ4の下端に装着して用いる先端キャップ部7の構成図である。
図12は、底質泥土を回収する泥土回収扇部9をケーシングパイプ4に装着した状態の構成図である。
図13は、泥土回収扇部9の回収扇9Dの構成図である。
図1を参照する。台船2は、底質泥土回収装置1を水上に設置するための固定足場として用いられる。台船2の船体後部には、水底地盤に対する固定用支柱であるスパッド11が装備される。スパッド11は、必要な支持力に応じて2〜4基が用いられ、昇降装置により鉛直方向上下に移動可能である。主要な作業を行うための作業台5が、台船2の一部として連設され、作業台5には、中空管であるケーシングパイプ4が設置される。作業台5は、ケーシングパイプ4を建て込み可能とする強度を確保すべく形鋼等を組み合わせて張り出し形成されている。台船2上にはクレーン3が搭載されている。クレーン3は、ケーシングパイプ4の建て込みの際にケーシングパイプ4を吊り込んだり、建て込まれたケーシングパイプ4の内部の土砂を掘削し取り出し又は埋め戻す際にハンマーグラブ(図17の符号8参照)を取り付けて作業したりする能力を具備する。
作業台5上には、ケーシングパイプ4を支持すると共に軸周りの回転及び上下移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機6もまた設置固定されている。ケーシングパイプ4は、ケーシング回転掘削機6に連結されることにより支持され、ケーシング回転掘削機6及び作業台5を貫通して建て込まれる。ケーシング回転掘削機6は、例えば、公知技術として普及している内直径3mのケーシングパイプ4に対応する機種を選択し、作業台5に設置固定する。
ケーシングパイプ4の内部を掘削するハンマーグラブ(図17の符号8参照)は、例えば、広く普及している公知技術または製品の中から、ケーシングパイプ4の内直径3mと、搭載したクレーン3の能力に適合するものを選択する。
図2〜図6を参照してケーシングパイプ4について説明する。図2に示す通り、ケーシングパイプ4は、その軸方向中間部分(長さを二等分する中央部分の意味ではない)にシャッター部を具備する。このシャッター部は、中空管であるケーシングパイプ4の内部空間と外部空間を遮断する閉状態と、連通させる開状態とを、ケーシング回転掘削機6による軸周りの回転駆動により切り替え可能である。具体的構成は、次の通りである。ケーシングパイプ4は、上下に分離された下部ケーシングパイプ4Aと上部ケーシングパイプ4Bから構成される。尚、下部ケーシングパイプ4Aと上部ケーシングパイプ4Bは、それぞれが相当の長さを要するので、通常は適宜の長さの短いブロックを連結して形成する。下部ケーシングパイプ4Aの上端には内管部4A1が上方に突出する状態で溶着固定される。内管部4A1は、上部ケーシングパイプ4Bの下端に設けた外管部4B1に対し下方から回動自在に嵌合されている。内管部4A1と外管部4B1を嵌合することにより、上下に分離したケーシングパイプ4の分離領域に二重管構造部分が形成される。シャッター部は、この二重管構造部分に形成される。下部ケーシングパイプ4Aの内管部4A1には、周方向に等間隔をもって複数のスリット4A2が開口される。一方、上部ケーシングパイプ4Bの外管部4B1にも、複数のスリット4A2の各々に対応する位置をもって同寸法の複数のスリット4B2が開口されている。
さらに、上部ケーシングパイプ4Bの外管部4B1の前後面にはそれぞれ、スリット4B2の下方位置にスリット幅の2倍に当る有効可動幅をもつ切欠き4B3が形成される。一方、下部ケーシングパイプ4Aの内管部4A1の前後面にもそれぞれ、切欠き4B3に嵌め合わせるよう突起4A3が突設されている。
図3及び図4は、ケーシングパイプ4のシャッター部の断面図を示す。図2に示した突起4A3と切欠き4B3は、下部ケーシングパイプ4Aと上部ケーシングパイプ4Bを(すなわち内管部4A1と外管部4B1を)軸周りに相対的に回動させたときにスリット4A2と4B2により形成されるシャッター部を開状態または閉状態で停止させるための手段であり、この機能に適合する位置に設けられている。図3に示すシャッター部の閉状態では、スリット4A2と4B2とが周方向においてずれた位置にあり、ケーシングパイプ4の内部空間と外部空間とが遮断される。一方、図4に示すシャッター部の開状態では、スリット4A2と4B2とが周方向において同位置にあり、ケーシングパイプ4の内部空間と外部空間とがスリットを介して連通する。
一実施例として、ケーシングパイプ4は、内直径3mのものを使用する。地盤中への貫入深度(地盤表面からケーシングパイプ4の下端までの距離)を14mとした場合、ケーシングパイプ4の下端から13m(貫入深度−1m)の位置でケーシングパイプ4を上下に分離し、下部ケーシングパイプ4Aの上端に長さ3mの内管部4A1を溶着固定し、上部ケーシングパイプ4Bの下端に長さ3mの外管部4B1を設ける。これにより、分離位置から上方へ長さ3mの部分が二重管構造部分となる。二重管構造部分においては、下部ケーシングパイプ4Aの内管部4A1と、上部ケーシングパイプ4Bの外管部4B1とが嵌合している。すなわち二重管構造部分では、内管部4A1の外周面と外管部4B1の内周面とを互いに摺動させつつ相対的に回動可能である。
さらに、上部ケーシングパイプ4Bの下端から1m程度上方に、所定の幅及び高さをもつスリット4A2、4B2の下辺が位置するように、複数のスリットを等間隔に穿設する。スリットの幅は、土質によらずに適用可能な寸法として50cm程度が好適であるが、砂質土や粘性土の場合はこれより幅を狭くしてもよい。いずれにしてもこれらの数値に限定しない。また、スリットの高さは例えば1m程度であるが、この数値に限定しない。隣り合うスリット4B2同士の間隔は例えば68cm程度である。尚、貫入深度まで貫入したときに各スリットの下辺が地盤表面位置となるように位置を設定する。またさらに、スリット4B2の下方の少し離れた位置にて、外管部4B1に対し高さ20.5cmで有効可動幅75cmの切欠き4B3を形成する。この切欠き4B3に嵌め合わせるように、内管部4A1に対し切欠き4B3の高さより少し小さい高さ20cmで幅20cmの鋼材の突起4A3を溶着若しくはボルトナット等により取り付ける。従って、上記の切欠き4B3の有効可動幅75cmは、スリット幅50cm+突起幅20cm+余裕5cmから算出されたものである。
上記の例において、突起4A3の溶着位置ないしは取付位置は、下部ケーシングパイプ4Aと上部ケーシングパイプ4Bとが相対的に55cmだけ回動可能なように、図5に示すシャッター部の閉状態で切欠き4B3の一方の側辺に突起4A3の一方の側辺が当接して停止する位置とする。図5に示すシャッター部の閉状態は、上部ケーシングパイプ4Bすなわち外管部4B1を図5の矢印の方向に回転させることにより実現される。図6に示すシャッターの開状態では、切欠き4B3の他方の側辺に突起4B3の他方の側辺が当接して停止する。図5の閉状態から図6の開状態へ移行させる場合には、上部ケーシングパイプ4Bすなわち外管部4B1を図6の矢印の方向に回転させることにより実現される。
ケーシングパイプ4の全長は、下部ケーシングパイプ4Aを地盤中に14m貫入した状態で、上部ケーシングパイプ4Bの上端がケーシング回転掘削機6の上部よりも数メートルだけ上に位置する長さとなるように水深を考慮して決定する。
図8〜図11は、先端キャップ部7の構成図である。先端キャップ部7は、ケーシングパイプ4を底質泥土表面から地盤表面まで降下させる工程で使用され、主としてケーシングパイプ4の下端から内部への底質泥土の侵入防止用に取り付けられる。従って、先端キャップ部7は、ケーシングパイプ4の下端に着脱自在に装着される。
図8は、先端キャップ部7の側面図である。図9は、図8のC−C矢視図である。先端キャップ部7は、下側部分の先端キャップ7Aと、上側部分の支持固定手段とから構成される。下側部分の先端キャップ7Aは、ケーシングパイプ4の内直径よりやや短い直径をもつ円盤7A1と、円盤7A1の下面を底面として連設された円錐体7A2と、円錐体の表面に突設された複数の螺旋状の泥土掻き出し突条7A3とから構成されている。
上側部分の支持固定手段は、円盤7A1の上面中心部から上方に延びる円柱状のシリンダ固定フレーム7B1と、シリンダ固定フレーム7B1の外周上から径方向外側へ延びる3本のシリンダ7B2と、各シリンダ7B2の先端から突出するアームに取り付けられた固定脚7B3とを有する。シリンダ7B2はシリンダ固定フレーム7B1の周方向に等角度間隔で配置されている。シリンダの数は3本に限られず、複数のシリンダが対称的に配置されていればよい。各シリンダ7B2に対して気体若しくは液体の媒体を一対の供給管7B5から供給することにより、シリンダ7B2から突出するアームが前進後退するように駆動する。これにより固定脚7B3も前進後退することができる。一対の供給管7B5は、ロータリージョイント7B4へ接続されている。各固定脚7B3を構成するプレートは、ケーシングパイプ4の円筒内面に当接可能な曲面を具備する。
支持固定手段はさらに、円盤7A1の上面周縁3箇所から上方にそれぞれ延びる3本の支柱に支持された円環状のガイドローラフレーム7C2と、ガイドローラフレーム7C2上に等角度間隔で3箇所に取り付けられたガイドローラ7C1とを有する。各ガイドローラ7C1は、ケーシングパイプ4の内面に沿って鉛直方向に転動可能に軸支された状態で取り付けられている。
さらに、円盤7A1の上面周縁3箇所には、先端キャップ部7を吊り下げる吊りワイヤーを接続するためのワイヤーフック7D1が設けられている。支柱、ガイドローラ及びワイヤーフックの数は3つに限られず、複数のものが対称的に配置されていればよい。
図10は、先端キャップ部7をケーシングパイプ4の下端に装着した状態を示す一部切り欠き側面図である。図11は、図10のB−B矢視図である。先端キャップ部7は、3箇所のワイヤーフック7D1に接続された3本の吊りワイヤー7D2と、これら3本の吊りワイヤー7D2を集束して接続したスイベルジョイント7D3に接続された1本の吊りワイヤー7D4とにより、ケーシングパイプ4内で水平に吊り下げられている。先端キャップ部7をケーシングパイプ4の下端に装着する際には、先端キャップ部7をケーシングパイプ4の上端から挿入し、3つのガイドローラ7C1をケーシングパイプ4の内面に当接させつつ降下させる。これにより先端キャップ部7は、ケーシングパイプ4と同軸状態を保持しつつ下降する。先端キャップ部7をケーシングパイプ4の下端の所定位置まで降下させたならば、媒体の供給管7B6からロータリジョイント7B4を介して各シリンダ7B2への供給管7B5へ媒体を供給する。これにより各シリンダ7B2のアームを前進させて各固定脚7B3をケーシングパイプ4の内面へ押圧することにより、先端キャップ部7を固定する。
先端キャップ部7は、このように押圧固定されることにより、ケーシングパイプ4と一体化され、ケーシングパイプ4の回転に伴って回転することができる。先端キャップ7Aの円錐体7A2に設けた泥土掻き出し突条7A3は、先端キャップ部7を底質泥土の層中で一方向に回転させたときに底質泥土を周囲に押しやりケーシングパイプ4の外周へ向けて掻き出す作用がある。この底質泥土の掻き出しは、ケーシングパイプ4を徐々に降下させつつ緩やかに回転させることにより、底質泥土を巻き上げたり攪拌したりすることなく行うことができる。
図10において、下部ケーシングパイプ4Aの下端面には切削刃4Fが形成されており、ケーシングパイプ4Aを回転させつつ地盤中に建て込む際に地盤を切削する機能をもつ。
図12は、ケーシングパイプ4の外周に泥土回収扇部9を装着した状態を示す一部切り欠き断面図である。泥土回収扇部9は、ケーシングパイプ4を貫通させた状態で台船2から吊り下げられ、ケーシングパイプ4に対して昇降自在に装着される。泥土回収扇部9は、上から下へ順に連結された上方盤状枠9Aと、中間盤状枠9Bと、下方盤状枠9Cと、回収扇9Dから構成されている。下端に位置する回収扇9Dは、地盤表面上の円形領域内の底質泥土を回転しつつ中心へ掻き寄せる機能を有する。上端に位置する上方盤状枠9Aは、泥土回収扇部9の吊り下げ手段を具備する。
また、上部盤状枠9Aと中間盤状枠9Bとは、回収扇9Dを前述のケーシングパイプ4のシャッター部近傍に位置させた状態にて泥土回収扇部9をケーシングパイプ4に対して固定することができる固定手段を有する。さらに、下部盤状枠9Cには回収扇9Dの回転駆動手段が設けられている。またさらに、下部盤状枠9Cと中間盤状枠9Bには、泥土回収扇部9をケーシングパイプ4に対して固定した状態にて回収扇9Dを昇降させる昇降手段も設けられている。
所定厚さの上方盤状枠9Aには、その中心にケーシングパイプ4を鉛直方向に貫通させる貫通孔9A3が穿設されている。上方盤状枠9Aの上面9A4の所定箇所に複数の吊りワイヤフック9A2が設けられ、それぞれ吊りワイヤ9A1が接続されている。上方盤状枠9Aは、これらの吊りワイヤ9A1によりその平板面が水平となるように吊り下げられる。吊りワイヤ9A1の上端は、図1に示した作業台5上に設置された滑車を介してウィンチ等のワイヤ巻取り送出し装置へ接続されている。ワイヤ巻取り送出し装置は、台船2に固定されている。吊りワイヤ9A1が伸縮することにより、上方盤状枠9Aが鉛直方向に昇降する。すなわち、泥土回収扇部9全体が、ケーシングパイプ4に対して昇降する。
さらに、上方盤状枠9Aの下面9A5における貫通孔9A3近傍位置には、複数(図示の例では4個)のリンクRがケーシングパイプ4の中心について対称的に配置されて設けられ、各リンクRを介して上方クサビ9A6が垂下されている。またさらに、上方盤状枠9Aの下面9A5における周縁近傍位置には、油圧作動により鉛直方向に伸縮可能な複数(図示の例では4個、但し2個のみ図示)のクランプシリンダ9A7の上端が連結されている。複数のクランプシリンダ9A7は、下面9A5上にてケーシングパイプ4の中心について対称的に配置されている。尚、油圧作動のための媒体供給管の図示を省略している。
所定厚さの中間盤状枠9Bもまた、その中心にケーシングパイプ4を鉛直方向に貫通させる貫通孔9B3が穿設されている。中間盤状枠9Bの上面9B4における貫通孔9B3近傍位置には、前述の複数の上方クサビ9A6に対応する位置にそれぞれ下方クサビ9B6が取付けられている。図示の通り、上方クサビ9A6の内側面がケーシングパイプ4の外周面に沿う一方、上方クサビ9A6の外側面は下方クサビ9B6の内側面と互いに当接係合する。さらに、中間盤状枠9Bの上面9B4における周縁近傍位置には、前述の複数のクランプシリンダ9A7の下端が連結されている。
この結果、クランプシリンダ9A7を収縮させると、上方盤状枠9Aと中間盤状枠9Bの間の距離が短くなり、下方クサビ9B6によって上方クサビ9A6がケーシングパイプ4の外周面に対して強く押しつけられる。これにより、上方盤状枠9Aと中間盤状枠9Bはケーシングパイプ4と一体化され固定された状態となる。逆に、クランプシリンダ9A7を伸長させると、上方盤状枠9Aと中間盤状枠9Bの間の距離が長くなり、上方クサビ9A6が解放され、上方盤状枠9Aと中間盤状枠9Bはケーシングパイプ4から離脱することになる。
さらに、中間盤状枠9Bの下面9B5における周縁近傍位置には、ケーシングパイプ4の中心について対称的に複数(図示の例では4個、但し2個のみ図示)のストロークジャッキ9B7が垂下されている。各ストロークジャッキ9B7は、鉛直方向に伸縮可能である。ストロークジャッキ9B7も油圧作動されるが、媒体供給管の図示は省略する。
所定厚さの下方盤状枠9Cもまた、その中心にケーシングパイプ4を鉛直方向に貫通させる貫通孔9C3が穿設されている。さらに、下方盤状枠9Cの上面9C4における周縁近傍位置には、前述の複数のストロークジャッキ9B7の下端が連結されている。ストロークジャッキ9B7の伸縮に伴い、下方盤状枠9C及び回収扇9Dが昇降する。またさらに、下方盤状枠9Cの貫通孔9C3内には、ケーシングパイプ4の外周を囲む状態でリングギア9C6が回転自在に取付けられている。このリングギア9C6は、ピニオン9C8を介して油圧回転モータ9C9により回転駆動させられる。油圧回転モータ9C9へ供給される媒体供給管は図示を省略する。尚、リングギア9C6は、ベアリング9C7を介して下方盤状枠9Cにより支持されているので、リングギア9C6が回転しても下方盤状枠9Cは回転せず、回収扇9Dのみが回転することとなる。
回収扇9Dは、回収扇用ケース9D1と、羽根9D2から構成されている。図13は、図12の矢印Aの方向からみた回収扇9Dを示している(すなわち、回収扇9Dを斜め下方から見た図となっている)。回収扇用ケース9D1は、天板部9D12と、天板部9D12の周縁から下方に延びる側壁部9D13とから構成され、天板部9D12の中心にケーシングパイプ4を貫通させる貫通孔9D3が設けられている。図12に示すように、貫通孔9D3の周縁から上方に延びる縦筒9D5が連設され、その上端が前述のリングギア9C6に連結されている。
天板部9D12の形状は、好適には、貫通孔9D3の周縁から天板部9D12の周縁へ向かって漸次降下する傾斜を設けており、例えば円すい台の側面形状に相当する。このように、天板部9D12を中心部が盛り上がった形状とすると、後述する底質泥土回収方法の第5工程における底質泥土の回収能力が高い。
但し、別の実施例として、天板部9D12を水平な円板としても一定の回収能力を確保できる。
図13に示す通り、羽根9D2は、側壁部9D13の高さより少し短い寸法の幅を有する板で構成された適宜枚数(図示の例では4枚)の羽根用板9D21から構成され、各羽根用板9D21の上辺が天板部9D12の下面に連結固定されている。各羽根用板9D21の内側の側辺は貫通孔9D3の周縁に位置し、外側の側辺は側壁部9D13に連結固定されている。各羽根用板9D21は、回収扇9Dの回転方向(矢印)の進行方向側の面が凹面となるように湾曲した形状に成形されていることが好適であるが、別の実施例では平面形状であってもよい。
一実施例では、回収扇9Dは鋼材からなり、天板部9D12の直径10m、側壁部9D13の高さ15cmとし、中心の貫通孔に縦筒9D5を一体化させる。これにより、泥土の上方への散乱を防ぐ。羽根用板9D21は、高さ14cmとする。
ここで、図12及び図13を参照しつつ泥土回収扇部9の操作方法を説明する。この操作方法は、後述する底質泥土回収方法における第5工程における操作である。尚、初期位置において、泥土回収扇部9は、貫通孔9A3、9B3、9C3及び9D3にケーシングパイプ4を貫通させた状態にて、作業台5の下方近傍に位置する。この状態で、作業台5の上に設置したウィンチに連結した吊りワイヤー9A1が、泥土回収扇部9を懸垂している。
後述する底質泥土回収方法におけるケーシングパイプの貫入工程及び内部土砂の掘削工程(第4工程)が完了した段階で、ウィンチを操作して泥土回収扇部9の下端がケーシングパイプ4に設けたシャッター部(スリット4A2、4B2)の上辺付近に位置するまで降下させる。このとき、スリット4A2、4B2の下辺はほぼ地盤表面に位置し、スリット4A2、4B2は部分的に底質泥土の層に埋没した状態となっている。次に、油圧作動でクランプシリンダ9A7を収縮することにより、下方クサビ9B6によって上方クサビ9A6をケーシングパイプ4の外周面に強く押しつけ、泥土回収扇部9の上部盤状枠9A及び中間盤状枠9Bをケーシングパイプ4に固定する。
泥土を回収する回収扇9Dは、縦筒9D5を介して連結されたリングギア9C6と一体的に回転可能である。リングギア9C6は前述の通り、ピニオン9C8を介して油圧回転モータ9C9により回転駆動される。
回収扇9Dの昇降は、中間盤状枠9Bと下部盤状枠9Cとを連結して設けた4個のストロークジャッキ9B7により行われる。一実施例では、ストロークジャッキ9B7の1回の最大伸び長さが、1mを少し上回るように設定する。これは、ケーシングパイプ4のスリット4A2、4B2の高さ1mとした場合に適応される。
ストロークジャッキ9B7は、ケーシングパイプの貫入工程及び内部土砂の掘削工程(後述する第4工程)が完了した段階までは、最も収縮した状態に保持される。第5工程の底質泥土回収工程においては、ストロークジャッキ9B7を伸張するように作動させて回収扇9Dをゆっくり下降させつつ、油圧回転モータ9C9を作動させて回収扇9Dを回転させる。この回収扇9Dの動作に伴い、回収扇9Dの羽根9D2の湾曲した羽根用板9D21が、回収扇9Dの直下に位置する円形領域の底質泥土を外側から内側へとケーシングパイプ4へ向かって掻き寄せる。ここで、図7を参照すると、周囲から掻き寄せられた底質泥土は、開状態のシャッター部のスリット4A2、4B2を通ってケーシングパイプ4内へ入り、ケーシングパイプ4内に形成されている掘削孔21に落ち、掘削孔21内に堆積する(符号22b)。このようにして、ストロークジャッキ9B7をほぼ1ストローク分伸張させる間に底質泥土を回収する。ストロークジャッキ9B7が1ストローク分伸張した後は、ストロークジャッキ9B7を収縮させることにより回収扇9Dを上昇させる。上昇する際には回収扇9Dを回転させなくともよい。
次に、図7を参照してトレミー管10について説明する。後述する底質泥土回収方法の第7工程において、ケーシングパイプ4内の掘削孔21に堆積した底質泥土22の上を土砂20bで被覆するキャッピング作業に、掘削孔の掘削時に使用したハンマーグラブを使用することができる。さらに、キャッピング作業の効率を上げる目的でトレミー管10を使用することが好適である。その場合、トレミー管10は、例えばケーシングパイプ4の内直径よりもやや小さい外直径をもち上部ケーシングパイプ4Aとほぼ同じ長さのパイプであって、その上端が上方に開いた円錐状の環を取付けた漏斗状に形成されたものを使用する。重量を軽減し、取扱いを容易にするために、剛性のパイプ部分を1m程度として、その下端に高強度シート材等で形成した地盤表面に達する長さの筒状のホースを連結してもよい。連結するホースをトレミー管のパイプ下端近傍の外周になまし鉄線等で締付けて装着する。
キャッピングに用いる土砂20bは、ケーシングパイプ4内を掘削した土砂が望ましいが、掘削した土砂が粘土質等で水中で濁りを発生する場合等は、周囲の環境に影響を及ぼすおそれがある場合ため、別途土砂を用意することが好ましい。
ケーシングパイプ4内を掘削した土砂を仮積みし、底質泥土回収作業終了後に掘削孔に埋戻すバックホウを搭載した土砂仮積み台船は、土砂を収納するブルワークを取付けた構造とする。
次に、図14〜図24を参照しつつ、第2発明である底質泥土回収方法について説明する。上記の第1発明の底質泥土回収装置1を好適に用いて行う底質泥土回収方法は、以下の各工程から構成される。
(第1工程)
図14は、台船2及び底質泥土回収装置1のセッティングを行う第1工程を模式的に示す図である。海上作業等で広く用いられる台船後部にスパッド(図1参照)を2〜4基装備した台船2を、底質泥土を除去する対象領域の水面30上まで曳航する。対象領域の水底には、地盤20上に底質泥土22が堆積している。次に、台船2の後部に設置した2本のスパッドを落下させて水底の地盤につき立て台船2を固定する。潮汐流等により安定しない場合は台船2に装備したアンカー装置を併用して台船2が水平方向に移動しないように固定する。
その後、ケーシングパイプ4をクレーン3で吊り上げ、ケーシング回転掘削機6、作業台5、及び作業台から吊り下げられている泥土回収扇部9を貫通する形でケーシングパイプ4を建て込む。通常、ケーシングパイプ4の全長を一度に建て込むのではなく、適宜の長さに分割された複数のブロックを順次連結しつつ建て込み、最終的に必要な長さを得る。必要な長さまで建て込んだならば、ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4を一旦固定する。
ケーシングパイプ4の建て込み工程の任意の段階において、ケーシングパイプ4の下端からの泥土侵入を防止するために先端キャップ部7を装着する。例えばケーシングパイプ4の最初のブロックを建て込んだ後、先端キャップ部7をクレーン3で吊り下げてケーシングパイプ4の上端から内部に挿入し降下させる。図10で示したように、先端キャップ部7にはケーシングパイプ4の内面に沿って鉛直方向に転動するローラが設けられているので、ケーシングパイプ4と同軸状態を保持したまま降下させることができる。
先端キャップ部7が、ケーシングパイプ4の下端の所定位置まで達したならば、図10で示したように、油圧等によりシリンダを作動させ固定脚をケーシングパイプ4の内面へ押圧することにより、先端キャップ部7をケーシングパイプ4に固定する。尚、ケーシングパイプ4の下端近傍内面側に、先端キャップ部7の通過防止にストッパ突起等を溶接等により取付けておくことが好ましい。
先端キャップ部7をケーシングパイプ4に固定した後、ケーシングパイプ4を必要な長さとなるまで建て込む。必要な長さまでケーシングパイプ4を建て込んだならば、ケーシング回転掘削機6により、先端キャップ部7が底質泥土22の表面22aに達するまでケーシングパイプ4を降下させる。ケーシング回転掘削機6によるケーシングパイプ4の固定手段は、クサビやバンドを用いた種々のものがあるが、いずれでもよい。
(第2工程)
図15は、ケーシングパイプ4の下端を底質泥土表面から地盤表面まで降下させる第2工程を模式的に示す図である。ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4をゆっくり回転させながら、ケーシングパイプ4の下端が地盤表面20aに到達するまで徐々に降下させる。このとき、先端キャップ部7が回転することにより、その円錐体に設けた泥土掻き出し突条が、地盤表面に堆積した底質泥土22をケーシングパイプ4の外周方向に掻き出す。これにより、底質泥土22を不用意に攪拌することなくケーシングパイプ4の周囲に排斥する。
(第3工程)
図16は、先端キャップ部7を取り外し回収する第3工程を模式的に示す図である。図10で示したように、先端キャップ部7のシリンダを収縮させることにより固定脚をケーシングパイプ4から離脱させ、先端キャップ部7を解放する。その後、吊りワイヤを引き上げて先端キャップ部7をケーシングパイプ4の上端から取り出し、台船2上に回収する。
(第4工程)
図17は、ケーシングパイプ4の貫入工程及びケーシングパイプ4の内部土砂の掘削工程を含む第4工程を模式的に示す図である。先ず、ケーシング回転掘削機6を用いてその昇降動作の1ストローク分に相当する長さだけケーシングパイプ4を地盤20中へ貫入させる。貫入の際には、ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4を回転させつつ下降させる。このとき図10に示したケーシングパイプ4の下端に設けた切削刃により地盤を切削しつつ貫入することができる。貫入したケーシングパイプ4の内部には地盤20を形成する土砂が詰まっている。次に、ケーシングパイプ4の上端からクレーン3で吊り上げたハンマーグラブ8を挿入下降させ、内部土砂を掘削し、掘削した土砂を把持したまま引き上げ、ケーシングパイプ4から取り出す。
このようにして、ケーシングパイプ4が所定の貫入深度に達するまで、ケーシングパイプ4を1ストローク分だけ貫入させて内部土砂を掘削し取り出す作業を繰り返す。所定の貫入深度は、前述の底質地盤回収装置の実施例の場合、地盤表面20aから14mの深さである。この作業後、ケーシングパイプ4の下端から14mの長さの内部には、土砂を除かれた掘削孔21が形成されている。このとき、ケーシングパイプ4のシャッター部のスリット4A2、4B2の下辺がほぼ地盤表面20aに位置する。スリット4A2、4B2で形成されるシャッター部は、このときまでは閉状態である。すなわち、ケーシングパイプ4の貫入時の回転方向はシャッター部を閉状態に維持可能な方向とする(図5参照)。またこのとき、スリット4A2、4B2の上辺が、底質泥土22の表面22aより高くなるようにスリットの高さを設定することが好適である。
(第5工程)
図18は、泥土回収扇部9により底質泥土を回収する第5工程を模式的に示す図である。先ず、第4工程のケーシングパイプ4の貫入及び内部土砂の掘削が終った時点で、 ケーシング回転掘削機6によりケーシングパイプ4を貫入時とは反対方向に反転させる。上部ケーシングパイプをスリットの幅(一実施例では10cm)以上反転させれば、ケーシングパイプ4のスリット4A2、4B2で形成されるシャッター部が開状態となる(図6参照)。
作業台5の下方に吊り上げていた泥土回収扇部9を、ケーシングパイプ4に沿って吊り降ろす。泥土回収扇部9の非作業時の状態は、泥土回収扇部9がケーシングパイプ4に固定されておらず昇降自在であり(図12のクランプシリンダ9A7が伸張状態)、回収扇9Dは回転を停止し(図12の油圧回転モータ9C9が停止)、かつ回収扇9Dがその最上位置(図12のストロークジャッキ9B7が収縮状態)にある。泥土回収扇部9を降下させて、回収扇9Dの下端が底質泥土22の表面22aに達した時点で一旦停止させる。続いて、泥土回収扇部9の上部盤状枠と中間盤状枠の間を連結するクランプシリンダを収縮させることにより泥土回収扇部9をケーシングパイプ4に固定する(図12参照)。
次に、泥土回収扇部9の回収扇9Dをゆっくりと回転させつつ徐々に降下させる。回転及び降下の速度は、底質泥土22を攪乱しない程度に設定する。前述の通り、好適形状の回収扇9Dの天板部は、中心近傍が高く周縁が低くなるよう傾斜を設けている。回収扇9Dを降下させると、その下方の底質泥土22には回収扇9Dを降下させた反力として上向きの力がかかり上昇する。そして、底質泥土22が羽根によりかき集められ天板部の下面に到達すると、天板部の傾斜に沿って移動しようとする。こうして上向きの力と中心向きの力がかかることにより、回収扇9Dの周縁より内側の円形領域に存在する底質泥土22が外側から内側へとケーシングパイプ4に向かって掻き寄せられる。尚、天板部に傾斜のない場合も羽根により中心への掻き寄せ効果は得られるが、傾斜を設けた方が中心向きの力が大きくなり、効率的である。
こうして、ケーシングパイプ4まで掻き寄せられた底質泥土22は、開状態のシャッター部を通ってケーシングパイプ4内に入り、掘削孔21に落下する。このようにして、回収扇9Dの下端が地盤表面20aに達するまで降下させ、到達したならば降下及び回転を停止させる。この時点で、掘削孔21内に落とし込まれた底質泥土(図7の符号22b参照)の表面が、地盤表面20aから所定の距離より下方に位置するようにケーシングパイプ4の貫入深度、回収扇の大きさ(径及び高さ)等を設定することが好ましい。前述の実施例においては、所定の距離が約1mである。掘削孔21内に落とし込まれた底質泥土の表面から地盤表面20aまでの距離は、後述する第7工程で形成する被覆層の長さに相当することとなる。
(第6工程)
図19は、泥土回収扇部9を引き上げ回収する第6工程を模式的に示した図である。1つの貫入箇所における底質泥土22の回収が終了したならば、先ず回収扇9Dを上昇させて最上位置まで戻し、次いでケーシングパイプ4との固定を解除した後、吊りワイヤを巻き上げて作業台5の下方近傍の初期位置まで引き上げる。
(第7工程)
図20は、ケーシングパイプ4内の掘削孔に落とし込まれた底質泥土の表面を土砂で被覆する(すなわちキャッピングする)第7工程を模式的に示す図である。先ず、ケーシング回転掘削機6を再び逆に回転させることによりスリット4A2、4B2で形成されるシャッター部を閉じる。その後の被覆作業を効率よく行うためにはトレミー管10を用いることが好適である。ケーシングパイプ4の内部にトレミー管10を挿入し、その下端を、掘削孔(図7の符号21)に落し込まれた底質泥土(図7の符号22b)の表面から例えば約1m上方付近に位置させる。次に、ハンマーグラブ8または別途用意したバケットを用いて、トレミー管10の上部から被覆材20b’である土砂を、例えば約1mの厚さになるまで投入して被覆層(図7の符号20b)を形成した後トレミー管を引上げる。
第7工程の別の実施例では、シャッター部を閉じた後、ハンマーグラブ8を用いて台船2上に用意した土砂または砂(図示せず)を掴み、ケーシングパイプ4の上端からハンマーグラブ8を挿入してケーシングパイプ4内を吊り降ろし、掘削孔(図7の符号21)に落とし込まれた底質泥土(図7の符号22b)の表面付近にてハンマーグラブ8を開放して土砂または砂を底質泥土の上に落とす。その後、ハンマーグラブ8を引き上げる。これを繰り返して、例えば約1mの高さの被覆層(図7の符号20b)を形成する。
尚、被覆層の長さは、掘削孔が土砂等により充填されて周囲の地盤表面20aとほぼ均一な面となるように設定する。被覆材20b’として台船2上に用意する土砂または砂は、上記第4工程で掘削孔を掘削した際に取り出したものでもよく、あるいは、別途用意したものでもよい。第4工程で掘削され取り出された土砂を用いる場合には、廃棄土砂が全く発生しないことから環境的に最も好ましい。被覆層に別途用意した砂等を用いる場合としては、例えばケーシングパイプ内を掘削した土砂が粘土質であるために水中で濁りを発生する等、周囲の環境に却って影響を及ぼすおそれがある場合がある。
(第8工程)
図21は、ケーシングパイプ4を引き上げ回収する第8工程を模式的に示す図である。ケーシングパイプ4をケーシング回転掘削機6を回転させながら、上方に引き上げて各ブロックに分割し、台船2上に回収する。ケーシングパイプ4の回収後の水底には、底質泥土が除去されて地盤表面20aが現れた円形領域とその中心の被覆層20bによりキャッピングされた掘削孔21が残される。被覆層20bの下層に回収された底質泥土22bが充填されている。
(第9工程)
第8工程を終了したならば、図1に示したスパッド11及びアンカー等の固定装置を引上げ、台船2を曳航して水平方向に移動して次の底質泥土除去対象領域の水面30上まで曳航する第9工程を行う。図22は、上記の第1〜9工程を繰り返し行った後の水底の状態を示す平面図である。本発明の1作業サイクルにおける底質泥土除去対象領域の形状は、底質泥土回収装置の回収扇の形状及びその機能から図示のような円形領域となる。円形領域の直径は、回収扇のそれに一致する。図23は、図22と同様の状態を示す断面図である。図示の例のように、複数の底質泥土除去対象領域全体を漏れなくカバーするように掘削孔21の位置を決定することが好ましい。すなわち、なるべく少ない繰り返し回数で最大面積をカバーできるように、隣接する円形領域との重複部分が最小面積となるようにする。
(第10工程)
図24は、第1〜第9工程を繰り返し行った後、底質泥土除去後の地盤表面上に土砂を埋め戻す第10工程を模式的に示す図である。例えば、台船とは別の掘削土砂仮積用台船12にバックホウ等の掘削機械13と仮積みした土砂(図示せず)を搭載し、底質泥土除去後の地盤表面20a上の水上まで曳航してアンカーワイヤー等で位置を固定する。その後、バックホウ等を用いて仮積みしていた土砂を掘削孔とその周囲に埋め戻し、極端な凹凸ができない程度に均す。これにより全作業を完了する。
本発明の全体構成図である。 ケーシングパイプにおける内管部と外管部の各スリットの重なり部分の展開図である。 シャッター閉状態におけるケーシングパイプにおける内管部と外管部の各スリットの重なり部分の断面図である。 シャッター開状態におけるケーシングパイプにおける内管部と外管部の各スリットの重なり部分の断面図である。 上部ケーシングパイプと下部ケーシングパイプの分離領域であって二重管構造部分に設けられたシャッターが閉の状態を示す図である。 上部ケーシングパイプと下部ケーシングパイプの分離領域であって二重管構造部分に設けられたシャッターが開の状態を示す図である。 地盤中に貫入されたケーシングパイプの先端部分の断面図である。 先端キャップ部の側面図である。 図8のC−C矢視図である。 先端キャップ部をケーシングパイプの下端に装着した状態を示す一部切り欠き側面図である。 図10のB−B矢視図である。 ケーシングパイプの外周に泥土回収扇部を装着した状態を示す一部切り欠き断面図である。 図12の矢印Aの方向からみた回収扇を示す図である。 底質泥土の回収装置をセッティングする第1工程を模式的に示す図である。 ケーシングパイプの下端を地盤表面まで降下させる第2工程を模式的に示す図である。 先端キャップ部7を回収する第3工程を模式的に示す図である。 ケーシングパイプ4の貫入工程及び内部土砂の掘削工程を含む第4工程を模式的に示す図である。 泥土回収工程である第5工程を模式的に示す図である。 泥土回収扇部の回収工程である第6工程を模式的に示した図である。 掘削孔内に落とし込まれた底質泥土の上を土砂で覆うすなわちキャッピングする第7工程を模式的に示す図である。 ケーシングパイプを回収する第8工程を模式的に示す図である。 第1〜9工程を繰り返し行った後の水底の状態を示す平面図である。 第1〜9工程を繰り返し行った後の水底の状態を示す断面図である。 第1〜第9工程を繰り返し行った後、底質泥土除去後の地盤表面上に土砂を埋め戻す第10工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1 底質泥土の回収装置
2 台船
3 クレーン
4 ケーシングパイプ
4A 下部ケーシングパイプ
4A1 内管部
4A2 スリット
4A3 突起
4B 上部ケーシングパイプ
4B1 外管部
4B2 スリット
4B3 切欠き
4F カッター
5 作業台
6 ケーシング回転掘削機
7 先端キャップ部
7A 先端キャップ
7A1 円盤
7A2 円錐体
7A3 泥土掻き出し突条
7B1 シリンダ固定フレーム
7B2 シリンダ
7B3 固定脚
7B4 ロータリージョイント
7B5 供給管
7B6 供給管
7C1 ガイドローラ
7C2 ガイドローラフレーム
7D1 ワイヤーフック
7D2 吊りワイヤー
7D3 スイベルジョイント
7D4 吊りワイヤー
8 ハンマーグラブ
9 泥土回収扇部
9A 上部盤状枠
9A1 吊りワイヤー
9A2 吊りワイヤーフック
9A3 (上部盤状枠)貫通孔
9A4 (上部盤状枠)上面
9A5 (上部盤状枠)下面
R リンク
9A6 上方クサビ
9A7 クランプシリンダ
9B 中間盤状枠
9B3 (中間盤状枠)貫通孔
9B4 (中間盤状枠)上面
9B5 (中間盤状枠)下面
9B7 ストロークジャッキ
9C 下部盤状枠
9C3 (下部盤状枠)貫通孔
9C4 (下部盤状枠)上面
9C5 (下部盤状枠)下面
9C6 リングギア
9C7 ベアリング
9C8 ピニオン
9C9 油圧回転モータ
9D 回収扇
9D1 回収扇用ケース
9D12 天板部
9D13 側壁部
9D2 羽根
9D21 羽根用板
9D3 (回収扇)貫通孔
10 トレミー管
11 スパッド
12 掘削土砂仮積用台船12
13 掘削機械
20 地盤
20a 地盤表面
20b 被覆層
20b’ (被覆層用)被覆材
21 掘削孔
22 底質泥土
22a 底質泥土表面
22b 掘削孔内の底質泥土
23 埋戻材
30 水面

Claims (12)

  1. 水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収装置において、
    水上における固定足場を形成する台船と、
    前記台船から地盤中の所定の貫入深度まで建て込み可能なケーシングパイプと、
    前記台船上に設置され前記ケーシングパイプを支持すると共に軸周りの回転及び上下移動を行わせるべく駆動可能なケーシング回転掘削機と、
    前記ケーシングパイプに対して昇降自在に装着される泥土回収扇部とを有し、
    前記ケーシングパイプが、その軸方向中間部分にシャッター部を具備し、該シャッター部は該ケーシングパイプの内部空間と外部空間を遮断する閉状態と連通させる開状態とを前記ケーシング回転掘削機による軸周りの回転駆動により切り替え可能であり、
    前記泥土回収扇部が、地盤表面上の円形領域内の底質泥土を回転しつつ中心へ掻き寄せるべく下端に設けた回収扇と、該回収扇を前記シャッター部近傍に位置させた状態にて該泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定可能な固定手段と、該回収扇の回転駆動手段と、該泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定した状態にて該回収扇を昇降させる昇降手段とを具備することを特徴とする
    底質泥土回収装置。
  2. 前記シャッター部が、前記ケーシングパイプを上下に分離した下部ケーシングパイプの上端の内管部と上部ケーシングパイプの下端の外管部とを回動自在に嵌合させた二重管構造部分に形成され、該内管部と該外管部の双方の対応する位置にて周方向に等間隔をもって同寸法の複数のスリットがそれぞれ開口され、かつ前記ケーシング回転掘削機による軸周りの回転駆動により該内管部と該外管部が軸周りに相対的に回動して、対応する各スリットがずれた位置となる閉状態と、対応する各スリットが同位置となる開状態とを切り替え可能であることを特徴とする
    請求項1に記載の底質泥土回収装置。
  3. 前記回収扇が、前記ケーシングパイプを貫通させる貫通孔を設けた天板部と、該天板部の周縁から下方に延びる側壁部と、該天板部の下面に上辺が連結固定された複数の羽根用板とを具備し、
    前記羽根用板の各々の内側の側辺は貫通孔の周縁に位置しかつ外側の側辺は前記側壁部に連結固定されると共に、該羽根用板が平面形状又は前記回収扇の回転進行方向側の面が凹面となるべく湾曲した形状であることを特徴とする
    請求項1に記載の底質泥土回収装置。
  4. 前記天板部の貫通孔の周縁から該天板部の周縁へ向かって漸次下降する傾斜を設けたことを特徴とする
    請求項3に記載の底質泥土回収装置。
  5. 前記泥土回収扇部が、前記回収扇の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた下部盤状枠を具備し、
    前記回収扇の回転駆動手段が、
    前記下部盤状枠の貫通孔内に前記ケーシングパイプ外周を回転自在に囲んで取り付けたリングギアと、
    前記回収扇の前記天板部に設けた貫通孔の周縁から上方に延びて前記リングギアと連結された縦筒と、
    前記下部盤状枠に取り付けられかつ前記リングギアを回転駆動する油圧回転モータとを具備することを特徴とする
    請求項3又は4に記載の底質泥土回収装置。
  6. 前記泥土回収扇部が、前記下部盤状枠の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた中間盤状枠を具備し、
    前記泥土回収扇部を前記ケーシングパイプに対して固定した状態にて前記回収扇を昇降させる昇降手段が、
    前記下部盤状枠の上面と前記中間盤状枠の下面にそれぞれ両端が連結された伸縮自在のストロークジャックを具備することを特徴とする
    請求項5に記載の底質泥土回収装置。
  7. 前記泥土回収扇部が、前記中間盤状枠の上方に設けられかつ前記ケーシングパイプの貫通孔を設けた上部盤状枠を具備し、
    前記泥土回収扇部の固定手段が、
    前記上方盤状枠の貫通孔近傍位置からリンクを介して垂下する上方クサビと、 前記中間盤状枠の貫通孔近傍位置にて前記上方クサビに対応する位置に取り付けた下方クサビと、
    前記中間盤状枠の上面と前記上方盤状枠の下面にそれぞれ両端が連結された伸縮自在のクランプシリンダとを具備し、
    前記クランプシリンダの収縮により前記下方クサビが前記上方クサビを前記ケーシングリングへ押し付けることを特徴とする
    請求項6に記載の底質泥土回収装置。
  8. 前記ケーシングパイプの下端に着脱自在に装着されかつ該ケーシングパイプを底質泥土表面から地盤表面まで建て込む際に使用される先端キャップ部を具備し、
    前記先端キャップ部が、下側の先端キャップと、上側の支持固定手段とから構成され、
    前記下側の先端キャップは、円盤と、該円盤の下面に連設された円錐体と、該円錐体の表面に突設された複数の螺旋状の泥土掻き出し突条とを具備し、
    前記上側の支持固定手段は、前記円盤の上面中心部から上方に延びる円柱状のシリンダ固定フレームと、該シリンダ固定フレームの外周上から径方向外側へ延びる複数の前進後退可能なシリンダと、該シリンダの各々の先端から突出するアームに取り付けられ該ケーシングパイプ内面に当接可能な固定脚とを具備することを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の底質泥土回収装置。
  9. 前記上側の支持固定手段がさらに、前記円盤の上面周縁から上方に延びる複数の支柱に支持された円環状のガイドローラフレームと、該ガイドローラフレーム上に等角度間隔で取り付けられた複数のガイドローラとを具備し、該ガイドローラの各々は、前記ケーシングパイプの内面に沿って鉛直方向に転動可能に軸支され、かつ
    前記先端キャップ部を吊り下げる吊りワイヤーを接続するワイヤーフックを具備することを特徴とする
    請求項8に記載の底質泥土回収装置。
  10. 軸方向中間部分にシャッター部を具備するケーシングパイプであって該シャッター部が該ケーシングパイプの内部空間と外部空間を遮断する閉状態と連通させる開状態とを該ケーシングパイプの軸周りの回動により切り替え可能である該ケーシングパイプと、前記ケーシングパイプに対して昇降自在に装着されかつ地盤表面上の円形領域内の底質泥土を回転しつつ中心へ掻き寄せる回収扇を具備する泥土回収扇部とを有する底質泥土回収装置を用いて、水底の地盤表面上に堆積した底質泥土を回収する底質泥土回収方法において、
    前記シャッター部を閉状態とした前記ケーシングパイプの下端に土砂侵入防止用の先端キャップ部を装着すると共に該ケーシングパイプを底質泥土表面まで鉛直方向に建て込む第1工程と、
    前記ケーシングパイプを底質泥土表面から地盤表面まで建て込む第2工程と、
    前記ケーシングパイプの下端から前記先端キャップ部を取り外し回収する第3工程と、
    前記ケーシングパイプを回転させつつ地盤中の所定の貫入深度まで建て込むと共に該ケーシングパイプ内部の土砂を掘削し取り出す第4工程と、
    前記シャッター部を開状態とした後に前記回収扇を回転させつつ底質泥土表面から地盤表面まで降下させることにより底質泥土を掻き寄せて該シャッター部から該ケーシングパイプ内部に落とし込む第5工程と、
    前記泥土回収扇部を上昇させ回収する第6工程と、
    前記シャッター部を閉状態とした後に前記ケーシングパイプの上端から土砂を投入することにより該ケーシングパイプ内部に落とし込まれた底質泥土表面を該土砂で被覆する第7工程と、
    前記ケーシングパイプを引き上げ回収する第8工程とを有することを特徴とする
    底質泥土回収方法。
  11. 一の底質泥土除去対象領域にて前記第1〜8工程を行った後、水平方向に移動する第9工程をさらに有し、移動した後に前記第1〜8工程を繰り返すことを特徴とする請求項10に記載の底質泥土回収方法。
  12. 前記第7工程において投入する土砂として、前記第4工程において掘削され取り出されたケーシングパイプ内部の土砂を用いることを特徴とする請求項9又は11に記載の底質泥土回収方法。
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