JP2005224502A - 光照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 患者に苦痛や不快感を与えることなく、血管拡張作用の高い波長の光を皮下の目的部位に安全かつ効率的に照射することができる光照射装置を提供する。
【解決手段】 光照射装置は、生体の皮膚20に当接される突出部104と、突出部104によって生体に加えられる圧力を測定する圧力測定部106とを有する。駆動部108は、突出部104を進退移動させて、実測圧力が設定圧力範囲内となるように調整し、光照射口である凸レンズ114は、圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長の光を照射する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、血管拡張作用を有する波長の光を生体の皮膚に照射する光照射装置に関する。
従来から、ペインクリニックおよび整形外科の領域において低反応レベルレーザー治療器および直線偏光赤外線治療器などの光線療法機器が用いられている。たとえば、レーザー光を治療目的部位に照射する装置(特許文献1)、および単色光を治療目的部位に照射する装置(特許文献2)などの光線療法機器が提案されている。
一般に、これらの光線療法機器は、皮膚上から光を照射することにより、「こり」および「痛み」を緩和するものである。このような光線療法機器を用いた光線治療の作用としては、一般的に神経伝達遮断作用が知られているが、さらに、近年では、循環改善による痛み関連物質(ブラジキニン、ヒスタミン、およびプロスタグランジンなど)および疲労関連物質(乳酸など)の拡散除去作用も重要視されている。特に、光の照射によって循環改善が生じる機構として、光に起因する血管平滑筋の直接的な弛緩効果が着目されている。また、光による血管平滑筋の弛緩に一酸化窒素(NO)の産生が関与していることも明らかにされてきている。
このような血管拡張による循環改善は、照射する光の波長帯に依存すると考えられている。一般の光線療法機器では、波長810〜830nmのレーザー光または波長600nm〜1600nm(ピーク波長1000nm)の直線偏光近赤外線が用いられてきた。しかしながら、いくつかの研究によれば、血管拡張による循環改善作用は、短波長側でより大きいことが報告されている。可視光領域の光による血管拡張作用の検討は不十分ではあるが、少なくとも波長300〜350nmの紫外線照射が血管を強く弛緩させることは明らかとされている(非特許文献1、非特許文献2、および非特許文献3)。
このように、血管拡張作用を有する光の照射は有望であるものの、波長帯によっては、血液中のヘモグロビンによる吸収が大きいため、組織深達性(生体組織内での光の透過性)が低いという問題がある。このような組織深達性が低い光を皮膚深部にある病巣(たとえば、筋・筋膜性の腰痛の場合、皮下脂肪組織の下にある筋膜および筋肉内の血管)まで十分に到達させようとすると、比較的高い出力エネルギーの光を照射せねばならず、皮膚表層部を損傷させてしまうおそれがある。
このように、従来の技術によれば、血管拡張作用の高い波長の光を皮膚深部の目的部位に安全かつ効率的に照射することが難しいという問題がある。また、臨床で広く使用するためには、光の照射の際に患者に苦痛や不快感を与えないことも重要である。したがって、患者に苦痛や不快感を与えることなく、血管拡張作用の高い波長の光を皮膚深部の目的部位に安全かつ効率的に照射する光照射装置が望まれている。
特開2001−187157号公報 特開2001−212250号公報 ファチゴット(Furchgott)等著,「ジャーナル オブ フィジオロジー(Journal of General Physiology)」,44号 1961年,p.449−519 ファチゴット(Furchgott)等著,「ジャーナル オブ ファーマコロジー アンド エクスペリメンタル サーアピュティクス(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics)」,259号 1991年,p.1140−1146 マツオ(Matsuo)等著,「レーザー イン メディカルサイエンス(Lasers in Medical Science)」,15号 2000年,p.181−187
本発明は、以上の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、患者に苦痛や不快感を与えることなく、血管拡張作用の高い波長の光を皮下の目的部位に安全かつ効率的に照射することができる光照射装置を提供することである。
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
(1)本発明の光照射装置は、生体の皮膚に当接される突出部と、前記突出部によって生体に加えられる圧力を測定する圧力測定手段と、前記突出部を進退移動させて、前記圧力測定手段で測定される圧力が予め設定された圧力範囲内となるように調整する圧力調整手段と、前記突出部によって圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長の光を照射する光照射口と、を有することを特徴とする。
(2)上記の光照射口が前記突出部の端部に設けられている。
(3)上記の光照射口の周辺には、皮膚を冷却するための冷却手段が設けられている。
(4)上記の冷却手段は、隙間を冷却媒体が循環するように所定の間隔を隔てて設けられた少なくとも2枚の透明体からなる二重壁構造を有する。
(5)上記の冷却手段は、前記照射口の周辺に連結されたペルチェ素子を有する。
(6)上記の光照射装置は、さらに、前記突出部が進退移動可能に取り付けられている筐体と、当該筐体を保持するための保持手段と、を有し、前記保持手段は、複数のアームが関節部を介して連結した多関節アームを含んでいる。
(7)上記の圧力測定手段は、ロードセルを含んでおり、上記の圧力調整手段は、測定された圧力と設定圧力にそれぞれ対応する電圧信号間の差分をとる差動アンプと、当該差動アンプの出力に基づいて直線駆動するリニアアクチュエータとを含んでいる。
(8)上記の圧力測定手段によって測定された圧力が予め設定された圧力範囲内にあるときにのみ、光照射されるように制御する制御手段を有する。
(9)上記の血管拡張作用を有する波長の光は、波長が450nm〜650nmのレーザー光である。
本発明の光照射装置によれば、突出部を進退移動させて圧力を調節しつつ、圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長の光を照射するので、患者に苦痛や不快感を与えることなく、血管拡張作用の高い波長の光を皮下の目的部位に安全かつ効率的に照射することができる。
特に、皮膚に圧力を加えて皮膚の厚さを実効的に薄くした上で、血管拡張作用を有する波長の光を照射することができるので、血管拡張作用を有する波長の光において組織深達性が低いことに起因して光を皮下にある病巣まで到達させることが難しい点を解決して、皮下の目的部位に十分な光を供給することができる。
さらに、光の照射口の周辺に皮膚を冷却するための冷却手段を設けることによって、レーザー光の照射に伴う熱による皮膚表面の損傷を防止するとともに、冷却による血管拡張作用も奏することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。まず、本実施の形態の光照射装置の具体的な構成を説明する前に、本実施の形態の光照射装置の前提として本発明者等によってなされた血管標本実験および血流測定実験について説明する。
(血管標本実験)
上述したとおり、波長300〜350nmの紫外線が強い血管拡張作用を有することは知られている。しかしながら、波長300〜350nmの紫外線は、皮膚への有害な刺激作用の存在が懸念されるため、光線治療用途には不向きな面がある。したがって、ここでは、有害な刺激作用を持たない可視領域450〜650nmの波長を有するレーザー光にも十分な血管拡張作用があるか否かを以下の実験により調べた。
図1は、血管標本実験に用いた装置の概略構成を示す図である。
まず、ラットから摘出した血管標本1を作製した。具体的には、撲殺潟血後、胸部大動脈を摘出し、血管の軸方向に対して垂直に切断することによって、長さ3mmのリング標本(径1.5mm)を作成した。
この血管標本1を、図1に示すように、容器2中のクレブス炭酸液(Krebs−bicarbonate溶液)3中にホルター5を用いて懸垂した。クレブス炭酸液3の組成は、NaCl 118mM、KCl 4.8mM、CaCl 2.5mM、MgSO 1.0mM、KHPO 1.2mM、NaHCO 24mM、グルコース 11mMとした。また、容器2の外周に一定温度の水4を流すことによって、クレブス炭酸液3の温度が33℃となるように調整した。クレブス炭酸液3中には、95%酸素と5%二酸化炭素の混合ガスを通気させた。クレブス炭酸液3に0.03μMのノルアドレナリンを加えて、ノルアドレナリンの作用によって血管標本1を緩やかに収縮させた。ノルアドレナリンの作用による収縮が一定となった後、レーザー照射処理を開始した。
レーザー照射処理では、可視領域450〜650nmの波長を有するレーザー光として、波長532nmのレーザー光、および波長635nmのレーザー光を使用した。また、比較例として、波長810nmのレーザー光を使用した。波長532nmのレーザー光は、NdドープYVO(Nd:YVO)結晶を半導体レーザーで励起するタイプの固体レーザー装置(株式会社高知豊中技研製のKTGグリーンレーザー 出力を20mWまで可変可能)を用いて発生させた。波長635nmのレーザー光は、半導体レーザー装置(オーディオテクニカ社製 SU−31C 出力を30mWまで可変可能)を用いて発生させた。また、波長810nmのレーザーは、近赤外線半導体レーザー装置(歯科用の株式会社ユニタク製半導体レーザー装置 出力を100mWまで可変可能)を用いて発生させた。
なお、発生させたレーザー光は、直径1.0mmの光ファイバケーブル6によって血管標本1の近傍まで導いて照射した。光ファイバケーブル6の先端と血管標本1との間の距離は、1mmとし、各光の照射時間は、1回あたり1分間とした。光ファイバケーブル6の先端からのレーザー光の出力エネルギー(レーザー照射強度)は、レーザー照射強度測定装置(米国 COHERENT社のFieldMasterFM)を用いて測定した。
血管標本1の弛緩の程度は、ノルアドレナリンの作用によって血管標本1の径方向に張力Tが加えられた状態で等寸法に保持し、光を照射する前後での張力Tの変化率(%)で評価した。すなわち、血管拡張作用が大きいほど弛緩して張力が弱くなるため、張力変化率(%)が大きくなる。
表1は、血管標本実験の実験結果を示している。
Figure 2005224502
表1中の値は、張力変化率(%)、すなわち弛緩反応の程度を示している。なお、図中のnは実験を行ったサンプル数を意味し、張力変化率の値は、平均値±標準偏差(SD)として示した。
表1に示されるとおり、波長532nmのレーザー光は、出力エネルギーが1mWである場合に、約40(40.2)%の張力変化率を示し、比較的強い弛緩を発生させた。さらに、出力エネルギーが4mWである場合に、約56(56.0)%の張力変化率を示し、最大の弛緩反応を奏することがわかった。出力エネルギーが4mWの場合と出力エネルギー20mWの場合とを比較すると、出力エネルギーが4mWの場合の方が、出力エネルギーが低いにもかかわらず、むしろ強い血管拡張作用を奏する。このように、波長532nmのレーザー光を用いる場合には、出力エネルギーを比較的低くしても、強い血管拡張作用を生じさせることができることが明らかとなった。
また、波長635nmのレーザー光では、出力エネルギーを1mW、および4mWとした場合に、張力変化率が、約23(22.7)%、および約28(28.2)%にとどまった。しかしながら、出力エネルギーを10mWとした場合には、張力変化率は、約42(41.7)%に達し、比較的強い弛緩を発生させた。したがって、波長635nmのレーザー光は、波長532nmのレーザー光に比べて、若干、照射強度を上げなければならないものの、十分な血管拡張作用を有することが確認された。
一方、波長810nmのレーザー光では、出力エネルギーが4mW乃至10mWの範囲においては、ほとんど弛緩反応を奏することがなかった(張力変化率で4%、10.6%程度)。出力エネルギーを50mWとした場合に、張力変化率が約26(26.3)%程度となり、わずかな弛緩が認められたものの、さらに、出力エネルギーを100mWと高めても、逆に、ほとんど弛緩反応を示さなかった。
レーザー光の波長は、レーザーの発光原理に起因して素子固有の離散的な値しかとれないため、波長を自由に変更して、血管拡張作用の波長依存性を検証することは難しいが、本実験によれば、波長650nm程度より短波長であれば、十分な弛緩作用、すなわち、血管拡張作用を奏することができ、波長650nm程度より長波長になると、わずかな弛緩作用しか発揮できないといえる。なお、波長が短くなると、血管拡張作用自体は徐々に高まるものの、血液中のヘモグロビンによる吸収が大きくて組織深達性があまりにも低くなるとともに、波長帯によっては皮膚への有害な刺激をおよぼすおそれがある。このため、使用する波長は、450nmより長波長であることが望ましい。したがって、結論としては、血管拡張作用を有する波長の光として、450nm乃至650nmの波長のレーザー光を用いることが望ましいといえる。
また、クレブス炭酸液の温度を33℃から36℃に変えて、同様の実験を行ったところ、血管拡張作用は、36℃の場合よりも33℃の方が大きかった。したがって、血管拡張作用は、熱によって間接的に引き起こされるのではなく、特定の波長の光による直接的な弛緩効果によることが検証された。
(血流測定実験)
次に、丸ごと動物を用いて、レーザー光照射による血流量増加を測定する実験を行った。実験動物としてラットを用いた。ペントバルビタールで麻酔した後、ラットの耳介部(耳たぶ)の内側面には血流測定装置(アドバンスレーザーフローメーター)のプローブを密着させる一方、耳介部の外側面にはレーザー照射口を配置した。すなわち、血流測定装置のプローブとレーザー照射口とは、耳介部を挟んで対向する位置に配置された。血流測定装置によって測定された血流量は、ペンレコーダを用いて記録した。
実験には、波長が532nmのレーザー光(出力エネルギーが5mWおよび20mW)と、波長が810nmのレーザー光(出力エネルギーが20mW)を用いた。照射時間は、1分、および5分とした。
表2に、血流測定実験の結果について示す。実験結果は、それぞれの波長のレーザー光を照射した直後の血流量の増加率(照射直前の血流量に対する照射直後の血流増加量の比率)で示している。
Figure 2005224502
表2に示されるとおり、波長532nmで出力エネルギー5mWのレーザー光照射の場合、および波長810nmで出力エネルギー20mWのレーザー光照射の場合は、ほとんど血流に影響を及ぼさなかった。一方、波長532nmで出力エネルギー20mWのレーザー光照射の場合には、血流量が増大した。特に、照射時間が1分から5分へと長くなるにしたがって血流量が増加することがわかった。
また、温度の影響を検討するために、血流測定装置のプローブの代わりに温度測定プローブを耳介の内側面に装着して、各波長のレーザー光を1分、5分、および10分にわたって照射した場合の耳介部の温度について測定した。実験では、波長532nmで出力エネルギー20mWのレーザー光を照射した場合と、波長810nmで出力エネルギー20mWのレーザー光を照射した場合とを比較した。
レーザー光の照射による温度変化の測定結果を表3に示す。
Figure 2005224502
表3に示されるとおり、波長532nmの場合と波長810nmの場合とで温度変化に差異はみられなかった。具体的には、波長532nmの場合および波長810nmの場合の双方とも、レーザー光の照射によって、1〜2℃程度の温度上昇が観察された。
このように波長532nmの場合と波長810nmの場合とで温度変化に差異がないにもかかわらず、表2に示されるような血流量の増加に差異が生じることから、表2に示されるようなレーザー照射による血流増加作用は、熱によって間接的に引き起こされるのではなく、特定の波長の光による直接的な弛緩効果によることが本実験によっても検証された。
以上、波長532nmおよび波長635nmの光を例として説明したように、可視光領域(波長450nm〜630nm)の光は、比較的低いエネルギーで血管を強く拡張する作用を有する。したがって、皮下深部の皮膚と筋肉との境界にある筋膜まで有効量の光を到達させることさえできれば、治療効果を期待できる。具体的には、筋・筋膜性の腰痛や肩こりなどのように、筋膜または筋肉の血流が障害されて起こる疾患を緩和することができる。
本発明は、このように血管拡張作用を有する波長の光、好ましくは、波長が450nm〜650nmのレーザー光を生体の皮膚へ照射するものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の光照射装置は、血管拡張作用を有する波長の光の組織深達性が低いことに起因して光を皮膚深部にある病巣まで到達させることが難しい点を解決するものである。特に、本実施の形態の光照射装置は、患者に苦痛や不快感を与えないように自動的に圧力を調整して、突出部で皮膚を加圧しつつ、この加圧された皮膚部分に対して血管拡張作用を有する波長の光を照射するものである。本実施の形態の光照射装置は、皮膚に局所的な圧力を加えて皮膚部分の厚みを実効的に薄くすることによって、光の照射エネルギーを高めることなく、皮膚深部にある病巣まで有効量の光を届くように構成されている。
図2は、本発明の一実施の形態における光照射装置の全体構成を示す図である。図2に示されるとおり、光照射装置10は、光照射部100と、制御部200と、多関節アーム300とを有している。
光照射部100は、筐体102内に進退移動可能に設けられた突出部104を有している。突出部104は、皮膚に対して圧力を加えて皮膚の厚さを実効的に薄くするために生体の皮膚上に当接される部分である。突出部104の先端には、光を照射するための光照射口が設けられている。
制御部200は、光照射装置10の制御を行うものである。具体的には、制御部200は、突出部104によって皮膚に加えられる圧力を調整するために、突出部104を進退移動させるように制御する。また、制御部200には、圧力条件や照射条件を設定するための操作部202と、種々の表示を行う表示パネル204とが設けられている。
多関節アーム300は、複数のアーム301、302が関節部303を介して回動自在に取り付けられたものである。多関節アーム300は、光照射部100を患者の皮膚上の各点に移動し、その点上で保持するために役立つ。多関節アーム300の一端は、光照射部の筐体102に取り付けられており、その他端は、制御部200のスタンド206に取り付けられている。多関節アーム300とスタンド206は、光照射部100の筐体102を保持する保持手段として機能する。なお、多関節アーム300の内部には、光照射部100と制御部200との間を電気的に接続するための電気配線(不図示)が設けられており、この電気配線を通じて、光照射部100と制御部200との間で電気信号がやり取りされる。
次に、光照射部100の内部の構成を説明する。図3は、光照射部100内部の構成を模式的に示す図である。光照射部100は、筐体102と、筐体102の内部に移動可能に保持された突出部104と、突出部104に作用する圧力を測定する圧力測定部106と、突出部104を軸線に沿って進退移動させる駆動部108とが設けられている。
また、筐体102の内部には、光学部品が配置されている。光学部品は、血管拡張作用を有する波長帯のレーザー光を放出するレーザー発光素子110と、レーザー発光素子から放出されたレーザー光のビーム径を拡大する拡大手段であるビームエクスパンダー112と、ビームエクスパンダー112によってビーム径が拡大されたレーザー光を生体の皮下に焦点を結ぶように絞り込むための集光手段である凸レンズ114とを含む。
このうち凸レンズ114は、突出部104の端部に設けられており、血管拡張作用を有する波長の光を照射する光照射口として機能する。凸レンズ114は、この突出部104の端部が生体の皮膚20に当接した状態でレーザー光を生体の皮下に焦点を結ぶように絞り込むものである。レーザー発光素子110としては、上述した血管標本実験で説明したように、半導体レーザー素子およびNdドープYVO結晶などの固体レーザー素子を用いることができる。
また、突出部104は、光照射口である凸レンズ114を覆うように設けられた二重壁構造120を冷却手段として有していることが望ましい。二重壁構造120は、隙間を冷却媒体が循環するように所定の間隔を隔てて設けられて少なくとも2枚の透明体121a,121bを有する。また、二重壁構造120は、この隙間に冷却媒体を供給するための供給口122と、この隙間から冷却媒体を排出するための排出口123とを有する。本実施の形態では、冷却媒体は、水であるが、透明であるかぎり他の冷却媒体を用いることもできる。このように、二重壁構造120およびその隙間を循環する冷却媒体がともに透明であるため、光照射口である凸レンズ114から照射された光が遮られることが防止される。
冷却媒体の温度は、0乃至30℃とすることが望ましい。皮膚20の温度を測定する温度測定手段である温度センサ109による温度測定結果に応じて冷却媒体の温度を調節して、皮膚20の温度を制御することができる。この結果、レーザー光の照射による皮膚20の温度上昇分を冷却により補償することができ、皮膚20に与える影響を抑制することができる。したがって、二重壁構造120を有する突出部104は、皮膚20に圧力を加える加圧機能とともに、皮膚20を冷却する冷却機能を有することとなる。
なお、突出部104の内部は、レーザー発光素子110からビームエクスパンダー112を経て光照射口である凸レンズ114に至る光路(図中に点線で表示)を遮らないように中空構造となっている
光照射口である凸レンズ114から照射される光の波長は、好ましくは、波長450〜650nmである。これは、上述した血管標本実験からわかるように、波長650nmより長くなると、十分な血管拡張作用が得られないおそれがある一方、波長が450nmより短くなると、血液中のヘモグロビンによる吸収が大きくて組織深達性が低くなりすぎるとともに波長帯によっては皮膚20への有害な刺激をおよぼすおそれがあるためである。
また、光照射口から照射される光の出力エネルギーは、5mW〜20Wであることが好ましい。これは、出力エネルギーが5mW以下であると、レーザーエネルギー自体があまりにも弱いので、レーザー光が皮膚組織を透過して皮下深部まで到達することができず、皮下深部における十分な治療効果が期待できないためである。一方、出力エネルギーを20W以下とすることが望ましいのは、20Wを越えると、光照射口の近傍を二重壁構造120を用いて冷却しても、皮膚組織への影響が心配されるためである。また、皮下深部においてレーザー光が焦点を結ぶことによって最もエネルギーが高くなる部分でのエネルギーが、50mW以下となるようにすることが望ましい。
筐体102内に設けられる圧力測定部106は、突出部104に作用する圧力(すなわち突出部104によって皮膚20に加えられる圧力に相当)を測定する圧力センサとして機能するロードセルを収容している。このロードセルには、突出部104の基部が接続されている。ここで、突出部104の基部とロードセルとは、種々の方法で接続することが可能である。たとえば、突出部104が皮膚20に当接されて圧力を受けた際に軸線に沿って内方へ微動してロードセルに力を伝達できるように突出部104を取り付けることができる。なお、ロードセルの構造は、従来のものと同様であるので詳しい説明を省略する。本実施の形態では、ロードセルなどの圧力測定部106は、レーザー発光素子110からビームエクスパンダー112を経て光照射口である凸レンズ114に至る光路を遮らないように、配置される必要がある。
駆動部108は、突出部104を軸線に沿って進退移動させるリニアアクチュエータである。リニアアクチュエータとしては、たとえば、中空軸モータ108aとボールネジ108bとを組み合わせて直線運動を得るタイプの構成を採用することができる。この場合、筐体102内に固定された中空軸モータ108bのロータ部分に設けられたボールナットと突出部104の基部側から伸延されたボールネジ108bとが螺合される。また、突出部104が回転しないようにリニアスライダ等(不図示)が設けられる。このように構成することによって、ロータが正方向に回転すると突出部104が軸に沿って外方に移動し、ロータが負方向に回転すると突出部104が軸に沿って内方に移動することとなる。
しかしながら、駆動部108の構成としては、この場合に限られず、ワイヤ、プーリ、ベルトを用いて直線運動を得るタイプ、ギア変換タイプ、およびリニアモータタイプなど種々のリニアアクチュエータを採用することができる。リニアアクチュエータの具体的な内部構成については、詳しい説明を省略する。
なお、駆動部108は、レーザー発光素子110からビームエクスパンダー112を経て光照射口である凸レンズ114に至る光路を遮らないように配置される必要がある。たとえば、駆動部108として、中空軸モータ108aとボールネジ108bとを組み合わせて直線運動を得る構成を採用した場合には、突出部104の基部側から伸延されるボールネジ108bにおいて軸線にそって貫通孔を形成することができる。この場合、この貫通孔を通じてレーザー光を通過させることができる。
次に、圧力測定部106によって測定された圧力に応じて駆動部108を駆動して圧力を調整するための回路構成例について説明する。図4は、本実施の形態の光照射装置の回路構成例を模式的に示す図である。なお、図4に示される回路構成は、主として、上記の制御部200に実装されるが、その一部は光照射部100に実装されてもよい。
図4に示される回路構成例では、制御部200は、フィードバック制御回路を構成しており、アンプ210、実測圧表示回路220、圧設定回路230、設定圧表示回路240、差動アンプ250、およびモータ駆動回路260を有する。なお、ここでは、圧力測定部106としてロードセル116を含み、駆動部108としてモータ108aを含む場合を例にとって説明する。
アンプ210は、ロードセル116からの電圧信号を検出する。なお、ロードセル116は、ホイーストンブリッジ回路(不図示)を内蔵しており、このホイーストンブリッジ回路の出力が電圧信号として検出される。得られた電圧信号は、実測圧力に対応するものであり、この電圧信号が実測圧表示回路220へ入力されるとともに、差動アンプ250にも入力される。実測圧表示回路220は、実測圧力値を表示パネル204に表示する。
圧設定回路230は、目標とする圧力を設定するための回路である。設定される圧力(「設定圧力」と称する)は、取扱者(施術者)が操作部202を操作することによって適宜に変更することができる。設定圧力に対応する電圧信号は、設定圧表示回路240へ入力されるとともに、差動アンプ250にも入力される。設定圧表示回路240は、設定圧力値を表示パネル204に表示する。
差動アンプ250は、実測圧力と設定圧力にそれぞれ対応する電圧信号間の差分をとるものであり、必要に応じて所定の利得で増幅してモータ駆動回路260に伝える。この結果、モータ駆動回路260は、実測圧力と設定圧力の差分に応じてモータ108aに指令を出力する。指令を受けたモータ108aが回転すると、それに応じて突出部104が進退移動する。
このような回路によれば、突出部104を皮膚20に当接した場合に、突出部104を進退移動させて、圧力測定部106によって測定された圧力が設定圧力と同じになるように調整することができる。
以上のように構成される本実施の形態の光照射装置10は、以下のように処理を行う。
まず、突出部104によって皮膚20に加える圧力条件が設定される。設定圧力の値は、適宜に定めることができる。
次に、多関節アームが操作されて、光照射部100の突出部104が皮膚20に押し付けられる。突出部104が皮膚20に押し付けられた後、圧力測定部106は、突出部104によって生体に加えられる圧力を測定する。なお、圧力の測定は、取扱者がスイッチなどを操作することによって開始されてもよく、あるいは、突出部104が皮膚20に当接されたことによる圧力変化を圧力測定部106によって検知することによって自動的に開始されてもよい。
そして、実測圧力Pが設定圧力と同じであるか否かが判断される。設定圧力は、一つの圧力値として設定されてもよいが、誤差や制御の安定性を考慮して、ある程度の幅を持った設定圧力範囲を設定圧力としてもよい。実測圧力Pが設定圧力と同じでない場合には、圧力調整処理がなされる。まず、差動アンプ250によって、実測圧力Pと設定圧力にそれぞれ対応する電圧信号間の差分が出力されて、この出力に応じて、リニアアクチュエータである駆動部108が直線駆動される。この結果、突出部104が軸線に沿って移動して圧力が調整される。すなわち、差動アンプ250と駆動部108とは、実測圧力Pが設定圧力と同じになるように調整する圧力調整手段として機能する。
具体的には、実測圧力Pが設定圧力より小さい場合には、突出部104が外方(突き出し方向)へ移動する。この結果、圧力が強められる。一方、実測圧力Pが設定圧力より大きい場合には、突出部104が内方(引き戻し方向)へ移動する。この結果、圧力が弱められる。なお、これらの圧力の測定処理、設定圧力との比較処理、および圧力調整処理は、繰り返し実行されている。この結果、患者の身体が動いた場合には、それに応じて突出部104が内方または外方に移動する。したがって、常に、実測圧力が設定圧力と一致するように加圧強度が制御されることとなる。
そして、実測圧力と設定圧力とが一致するのをまって、圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長のレーザー光が照射される。すなわち、制御部200は、圧力測定部106によって測定された圧力が予め設定された圧力範囲内にあるときのみ、光照射されるように制御する。このように圧力を加えて皮膚部分の厚みを実効的に薄くすることによって、光の照射エネルギーを高めることなく、皮膚深部にある病巣まで有効量の光を届かせることができる。
ここで、皮膚20に圧力を加えつつ光を照射することの有効性を示すために、豚の皮膚組織を用いた加圧実験の結果を示す。ブタの皮下脂肪付きの皮膚組織(厚み10mm)を採取し、この皮膚組織を2枚のアクリル板に挟み込んで加圧した。そして、加圧した状態で皮膚組織に対して、波長532nmのレーザー光を照射し、皮膚組織を透過するレーザー照射強度をレーザー照射強度測定装置(米国 COHERENT社のFieldMasterFM)を用いて測定して、レーザー光の透過率を測定した。
この結果、皮膚組織の厚さを8mm、および6mmになるように加圧したときの透過率は、それぞれ、加圧していない場合(皮膚組織の厚さ10mm)の透過率の1.3倍、および1.4倍となった。この実験では、皮膚組織を2枚のアクリル板で挟み込むことによって圧力を加えたが、本実施の形態の構成においても、突出部104によって皮膚20に圧力を加えることによって、皮膚組織の厚みが実効的に薄くなる効果が期待できる。したがって、光の照射エネルギーを高めることなく、皮膚深部にある病巣まで有効量の光を届かせることができる。また、光の照射エネルギーを低くできるために、皮膚温度の調節も容易となる。
なお、本実施の形態の光照射装置10は、皮下深部の病巣を目的部位とする場合に好適に用いられるが、比較的表層の抹消循環不全にも効果が期待できる。具体的には、皮下に存在する、筋・筋膜性の腰痛、肩こり、狭心症、裾創、閉塞性動脈硬化症(ASO)、閉塞性動脈炎(バージャー病TAO)、および糖尿病性動脈閉塞などの循環不全を伴う幅広い疾患に対して有用である。さらに、血流の改善により治療効果が期待でき、手術層の創傷治療の促進にも有用である。
以上のように、本実施の形態の光照射装置10は、以下のような効果を奏する。
(ア)患者に苦痛や不快感を与えることなく、血管拡張作用の高い波長の光を皮膚深部の目的部位に安全かつ効率的に照射することができる。
(イ)特に、常に設定範囲の圧力で患者の皮膚20を押し付けることが可能となるので、加える圧力が高すぎることによって患者に苦痛を与えることを防止しつつ、圧力が弱すぎることによる効果の低減を防止することができる。
(ウ)特に、波長450〜650nmのレーザー光を照射するので、十分な血管拡張作用を得ることができるとともに、組織深達性が低くなりすぎたり、皮膚20への有害な刺激をおよぼしたりすることが防止される。
(エ)また、本実施の形態の光照射装置10は、光照射部1の照射口を皮膚20に押し付けることによって、実測圧力が所定の設定圧力範囲となった場合に限って、レーザー照射されるように構成されているので、本装置の取扱者および患者がレーザー光を直視することが防止でき、この点においても安全性を高めることができる。
(オ)患者が動いた場合などであっても、その動きに合わせて突出部104が移動するので、操作が容易となる。
(カ)突出部104の端部に照射口となる凸レンズ114が設けられており、この照射口を通じて光を照射することができるので、圧迫照射が容易である。
(キ)光照射部100の筐体102は、多関節アーム300およびスタンド206からなる保持手段によって保持されるので、光照射部100を皮膚20上の各点に移動することができるとともに、光照射部100を各点上で保持することができる。したがって、操作性が高まる。
(ク)ロードセルを用いた圧力測定部106を筐体102内に組み込んだので、リミットスイッチなどを用いる場合と比べて、高精度かつ連続的に圧力を実測することができる。また、装置を小型化することができる。
(ケ)測定された圧力と設定された設定圧力との間の差分を増幅する差動アンプを用いて、差動アンプの出力に基づいてリニアアクチュエータが直線駆動されるので、リミットスイッチなどを用いる場合と異なり、患者間の状態の違いや個人差に柔軟に対応して設定値を変化させることもでき、適切に選択された一定圧力を加えることができる。
(コ)突出部104の外面には、光照射口である凸レンズ114を覆うように、冷却手段として二重壁構造120が設けられているので、皮膚20の温度に応じて、二重壁構造120の隙間に供給する冷却媒体の温度を調節することによって、皮膚温度を適切な温度に保つことができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、冷却手段として、二重壁構造を設けた場合を説明したが、本実施の形態では、冷却手段として、ペルチェ素子を設ける。他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、詳しい説明は、省略する。なお、第1の実施の形態と同様の部材には、同じ符号を用いて説明する。
図5は、本実施の形態の光照射装置10における光照射部100内部の構成を模式的に示す図である。光照射部100は、筐体102と、筐体102の内部に移動可能に保持された突出部104と、突出部104に作用する圧力を測定する圧力測定部106と、突出部104を軸線に沿って進退移動させる駆動部108とが設けられている。
また、筐体102の内部には、光学部品が配置されている。光学部品は、血管拡張作用を有する波長帯のレーザー光を放出するレーザー発光素子110と、レーザー発光素子から放出されたレーザー光のビーム径を拡大する拡大手段であるビームエクスパンダー112と、ビームエクスパンダー112によってビーム径が拡大されたレーザー光を生体の皮下に焦点を結ぶように絞り込むための集光手段である凸レンズ114とを含む。凸レンズ114は、照射口の窓部材として機能する。なお、この照射口の窓部材は、ガラス、または透明なプラスチックなどの材料で形成することもできるが、皮膚20の冷却効率を高めて、レーザー照射による皮膚20の急激な温度上昇に素早く対応する観点からは、熱伝導性の優れたサファイア単結晶(Al)を用いることが望ましい。
本実施の形態の光照射部100は、照射口の周辺に連結されたペルチェ素子130を有する。具体的には、ペルチェ素子130の吸熱面が、照射口の窓部材(本実施の形態では、凸レンズ114)に熱的に連結されており、ペルチェ素子130の放熱面は、筐体102の内部に搭載された放熱板131に熱的に連結されている。なお、ペルチェ素子130および放熱板131は、レーザー発光素子110からビームエクスパンダー112を経て光照射口である凸レンズ114に至る光路を遮らないように配置される。
また、皮膚20の温度を測定する温度測定手段である温度センサ109が、突出部104の先端に取り付けられている。この温度センサ109による温度測定結果に応じて、ペルチェ素子130へ供給する電流を調整して、皮膚20の温度を制御することができる。
本実施の形態においても、第1の実施の形態で説明した(ア)〜(ケ)の効果を達成できるとともに、(サ)皮膚20を冷却するために光照射口の周辺に設けられる冷却手段として、照射口の周辺に連結されたペルチェ素子を用いるので、皮膚温度を適切な温度に保つことができるという効果を有する。
以上のように、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、これらの場合に限られるものではなく、当業者によって種々の省略、追加、および改変が可能であることは明らかである。
上記の説明では、照射口の周辺に、皮膚20を冷却するための冷却手段を設けた場合を説明したが、冷却手段を有しない構成を採用することもできる。また、上記の説明では、光学部品として、レーザー発光素子110、ビームエクスパンダー112、および凸レンズ114を用いる場合を説明したが、本発明は、この場合に限られない。たとえば、凸レンズ114に代えて、透明体の平板を光照射口の窓部材として用いることもでき、ビームエクスパンダー112を省略することもできる。
また、上記の説明では、生体の皮膚20に当接される突出部104の端部に照射口を設け、突出部104内の空間を光の光路とする場合を説明した。確かに、圧力を加えた皮膚部分に光を容易に照射するためには、このような構成が望ましいが、本発明は、この場合に限られるものではない。突出部を進退移動させて圧力を調整し、圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長の光を照射する機能を持った光照射装置であればよく、たとえば、突出部104の端部に照射口を設けずに、突出部104と光路とを別々に設ける構成を採用することもできる。この場合には、突出部104、圧力測定部110、および駆動部112の配置の自由度が高くなり、本発明の構成が容易となる。このように、照射口を突出部104の端部以外の部分に設ける構成を採用する場合であっても、血管拡張作用を有する波長の光の組織深達性に起因して光を病巣まで到達させることが難しい点を解決し、血管拡張作用の高い波長の光を皮下に存在する目的部位に安全かつ効率的に照射することができるといった効果を奏することができる。
血管標本実験に用いた装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における光照射装置の全体構成を示す図である。 図2に示される光照射部の構成を模式的に示す図である。 図2の光照射装置の回路構成例を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態における光照射部の構成を模式的に示す図である。
符号の説明
100 光照射部、
102 筐体、
104 突出部、
106 圧力測定部、
108 駆動部、
108a モータ、
109 温度センサ、
114 凸レンズ、
120 二重壁構造、
130 ペルチェ素子、
200 制御部、
206 スタンド、
210 アンプ、
250 差動アンプ、
300 多関節アーム。

Claims (9)

  1. 生体の皮膚に当接される突出部と、
    前記突出部によって生体に加えられる圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記突出部を進退移動させて、前記圧力測定手段で測定される圧力が予め設定された圧力範囲内となるように調整する圧力調整手段と、
    前記突出部によって圧力が加えられた皮膚部分に対して、血管拡張作用を有する波長の光を照射する光照射口と、を有することを特徴とする光照射装置。
  2. 前記光照射口が前記突出部の端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記光照射口の周辺には、皮膚を冷却するための冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記冷却手段は、隙間を冷却媒体が循環するように所定の間隔を隔てて設けられた少なくとも2枚の透明体からなる二重壁構造を有することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
  5. 前記冷却手段は、前記照射口の周辺に連結されたペルチェ素子を有することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
  6. さらに、前記突出部が進退移動可能に取り付けられている筐体と、
    当該筐体を保持するための保持手段と、を有し、
    前記保持手段は、複数のアームが関節部を介して連結した多関節アームを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  7. 前記圧力測定手段は、ロードセルを含んでおり、
    前記圧力調整手段は、測定された圧力と設定圧力にそれぞれ対応する電圧信号間の差分をとる差動アンプと、当該差動アンプの出力に基づいて直線駆動するリニアアクチュエータとを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  8. 前記圧力測定手段によって測定された圧力が予め設定された圧力範囲内にあるときにのみ、光照射されるように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  9. 前記血管拡張作用を有する波長の光は、波長が450nm〜650nmのレーザー光であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の光照射装置。
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