JP2005223118A - 超臨界処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン基板101を高圧容器の内部に配置し、高圧容器の内部にSF6を導入し、高圧容器の内部をSF6で充填しかつ内部の圧力を10MPa程度とし、高圧容器の内部温度を初期の23℃程度から50℃に上昇させ、高圧容器内部のSF6を超臨界状態とし、高圧容器の内部にジブトキシナフタル酸が添加されたSF6を導入し、パターン102の周囲の超臨界流体103の中に、ジブトキシナフタル酸からなるエッチング耐性物質104が溶解した状態とする。
【選択図】 図1
Description
従って、ナノメータサイズの微細なパターンを形成するために、エッチング耐性の低いレジストパターンが用いられているのが、現状である。
この方法によれば、レジストパターンにエッチング耐性物質が導入される。
図1は、本発明の実施の形態における超臨界処理方法の一例を説明するための工程図である。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板101の上に、レジストパターン102を形成する。例えば、シリコン基板101の上に、ArFエキシマレーザに感光性を有するArFレジスト(AR230:JSR社製)を塗布して膜厚500nm程度のレジスト膜を形成し、ArFエキシマレーザを光源とした所定のパターン像の露光を行い、直後に現像することで、レジストパターン102を形成する。レジストパターン102は、図1の紙面の法線方向に延在する幅90nm程度の線条である。
ついで、上述した超臨界状態の条件を維持した状態で、高圧容器の内部にジブトキシナフタル酸が添加されたSF6を導入し、図1(c)に示すように、パターン102の周囲の超臨界流体103の中に、ジブトキシナフタル酸からなるエッチング耐性物質104が溶解した状態とする。
レジストパターンのドライエッチング耐性を向上させるためには、例えばベンゼン環を持つなどのエッチング耐性のある分子を、レジストパターンの内部に導入すればよい。これによれば、パターニングが終了しているレジストパターンに導入するので、露光や現像に悪影響を与えることがない。
しかしながら、エッチング耐性が向上するように、レジストパターンの内部に多くの分子を導入することは容易ではない。
また、本方法によれば、従来より用いられている高解像レジストを用い、エッチング耐性の高いレジストパターンが形成できる。
例えば、高圧容器内部の圧力を、超臨界状態が維持できる最低限度の圧力にまで低下させ、エッチング耐性物質の溶解していない超臨界流体を導入するようにしてもよい。超臨界状態が維持できる最低限度の圧力とすることで、超臨界流体の密度が低下して溶解性を低くすることができる。また、高圧容器の内部温度を臨界点以下とし、超臨界物質を液体の状態として放出させるようにしてもよい。これらのことにより、ヘリウムなど異なる超臨界物質を用いることなく、レジストパターン内部のエッチング耐性物質を保持した状態で、エッチング耐性物質の析出を抑制できるようになる。
以下、上述したレジスト材料とエッチング耐性物質との反応について説明する。
レジストパターンに導入したエッチング耐性物質とレジスト材料とを反応させるためには、レジスト材料を構成している官能基と反応する反応基を有している材料を、エッチング耐性物質として用いればよい。
このような構成のレジストにおいては、化学構造中にOH基やカルボキシル基があるので、これらの基と反応する反応基がエッチング耐性物質に導入されていればよい。
また、前述したように、パターン内に導入したエッチング耐性物質とパターンを構成するレジスト材料との反応を、乾燥(超臨界乾燥)させた後に行うようにしてもよい。例えば、架橋反応により、エッチング耐性が得られる共役結合の構造形成できる。
従って、側鎖にt−ブトキシカルボニル基がついたエッチング耐性物質(図3参照)をレジストパターン内に導入すれば、レジストパターンに光を照射することで、レジストパターン材料とエッチング耐性物質の両方においてt−ブトキシカルボニル基が脱離し、両方に活性点(活性種)が発生してこれらが化学反応し、架橋が生じるようになる。
レジスト材料の架橋反応として知られているヘキサメトキシメチルメラミンなどのメラミン化合物や、グリシジル化合物を用いた架橋反応を用いるようにしてもよい。また、イソシアン酸エステルを用いてウレタン結合を生じさせて架橋させるようにしてもよい。
エッチング耐性物質は、少なくとも炭素を構成元素とする物質であり、分子を構成する総原子数中の炭素原子の数が大きいものほど有効である。また、エッチング耐性物質は、高分子材料であるレジストの自由体積(隙間)に導入するため、分子の大きさは、自由体積と同程度の0.6nm程度とすることが好ましい。
また、フラーレンで知られている球面状況役結合構造の炭素化合物からエッチング耐性物質を構成してもよい。炭素数が60程度のフラーレンは、直径0.7nm程度の分子であり、前述した自由体積の大きさを考慮すると、好適な大きさである。また、フラーレンは、エッチング耐性も非常に高い。また、金属が含有していてもよい。例えば、Si,Al,Tiなどの金属が炭素鎖で囲まれた配位化合物から、エッチング耐性物質が構成されていてもよい。なお、金属は、一般に半導体プロセスで使用されているものの方が、プロセスとの整合性の観点からも望ましい。
まず、シリコン基板の上にシリコン酸化膜を形成し、シリコン酸化膜の上に電子線レジストであるZEP−520(日本ゼオン製)をスピン塗布、膜厚500nmのレジスト膜を形成する。形成したレジスト膜に、所望のパターンの電子線露光を行い、露光の後現像及びリンス処理を行い、シリコン酸化膜の上に幅50nm程度のレジストパターンが形成されている状態とする。
まず、シリコン基板の上にシリコン酸化膜を形成し、シリコン酸化膜の上に電子線レジストであるZEP−520(日本ゼオン製)をスピン塗布、膜厚500nmのレジスト膜を形成する。形成したレジスト膜に、所望のパターンの電子線露光を行い、露光の後現像及びリンス処理を行い、シリコン酸化膜の上に幅50nm程度のレジストパターンが形成されている状態とする。
シリコン基板の上にArFレジスト(AR230:JSR社製)を塗布して膜厚500nm程度のレジスト膜を形成し、ArFエキシマレーザを光源とした所定のパターン像の露光を行い、直後に現像することでレジストパターンを形成する。現像の後、現像を停止させるためのリンス処理を行い、リンス処理の後、例えば基板を回転させるスピン乾燥により乾燥を行う。
シリコン基板の上にArFレジスト(AR230:JSR社製)を塗布して膜厚500nm程度のレジスト膜を形成し、ArFエキシマレーザを光源とした所定のパターン像の露光を行い、直後に現像することでレジストパターンを形成する。現像の後、現像を停止させるための水によるリンス処理を行い、現像を停止する。
シリコン基板の上にレジスト(TDUR−P603:東京応化製)を塗布してレジスト膜を形成し、KrFエキシマレーザを光源とした所定のパターン像の露光を行い、直後に現像することでレジストパターンを形成する。現像の後、現像を停止させるための水によるリンス処理を行い、現像を停止する。リンス処理の後、パターンが水で濡れた状態を保持し、シリコン基板を高圧容器の内部に配置する。
シリコン基板の上にArFレジスト(AR230:JSR社製)を塗布してレジスト膜を形成し、ArFエキシマレーザを光源とした所定のパターン像の露光を行い、直後に現像することでレジストパターンを形成する。現像の後、現像を停止させるための水によるリンス処理を行い、現像を停止する。
リンス処理の後、形成したパターンが水で濡れた状態を保持し、シリコン基板を高圧容器の内部に配置して高圧容器を密閉する。高圧容器の内部温度は、23℃とする。ついで、一部にカルボキシル基が導入されたブトキシナフタル酸が溶解したSF6を高圧容器の内部に導入し、高圧容器の内部を充填しかつ内部の圧力を10MPa程度とする。このことにより、高圧容器の内部は、SF6の液体で充填された状態となり、レジストパターンに付着していた水が、SF6の液体で置換される。
以上の処理によっても、レジストパターンの中に、上述したエッチング耐性物質が導入された状態となる。
これらの添加は、全てを同時に超臨界流体となる超臨界物質中に溶解して高圧容器内部に導入してもよく、個別に高圧容器内に導入して高圧容器内で混合されるようにしてもよい。また、添加する物質を、個別に超臨界物質に溶解させ、各々を高圧容器に輸送し、段階的に高圧容器内部に導入するようにしてもよい。
Claims (7)
- 所定の光源に感光性を有するレジストをリソグラフィー技術によりパターニングして形成したレジストパターンを備えた基板を用意し、
前記レジストパターンをエッチング耐性物質が溶解した超臨界流体に浸漬した状態とする超臨界処理方法であって、
前記超臨界流体は、大気雰囲気では気体である物質を超臨界状態としたものであり、
前記エッチング耐性物質は、炭素を構成元素とする分子から構成されたものである
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項1記載の超臨界処理方法において、
前記エッチング耐性物質は、寸法が1nm以下の分子から構成された
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項1又は2記載の超臨界処理方法において、
前記エッチング耐性物質は、化学構造の中にベンゼン環を備える分子から構成された
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項1又は2記載の超臨界処理方法において、
前記エッチング耐性物質は、複数の炭素が球面状に共役結合した分子から構成された
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の超臨界処理方法において、
前記エッチング耐性物質は、前記レジストを構成する官能基と化学反応を起こす反応基を備えた分子から構成された
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項5記載の超臨界処理方法において、
前記エッチング耐性物質が溶解した前記超臨界流体に前記レジストパターンが浸漬した状態とした後、
前記レジストパターンに光を照射し、かつ加熱する
ことを特徴とする超臨界処理方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超臨界処理方法において、
現像処理をして前記レジストパターンを形成する工程と、
前記現像処理の後、前記レジストパターンが濡れている状態で前記レジストパターンを大気雰囲気では気体である前記物質の液体に晒して前記レジストパターンに前記物質の液体が付着している状態とする工程と、
前記物質の液体を超臨界状態として前記レジストパターンが超臨界流体に浸漬した状態とする工程と、
前記エッチング耐性物質が溶解した前記超臨界流体に前記レジストパターンが浸漬した状態とする工程と、
前記超臨界流体を気化させる工程と
を少なくとも備えたことを特徴とする超臨界処理方法。
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