JP2005222438A - 加工機 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工材に生じているキャンバー量を測定し、測定結果が許容値を越えたとき、被加工材をそのままにしてこの被加工材に対する加工内容を変更するか、加工内容をそのままにしてこの可能内容を実現し得る被加工材を変更することで無人運転を実行する。
【解決手段】レール1上を走行する台車2と、台車2に配置され横行可能な横行キャリッジ5と、被加工材Bの端部を検出する端部検出手段と、端部検出手段による検出値からキャンバー量Qを測定する測定手段と、制御手段20とを有し、測定されたキャンバー量Qが許容値を越えたとき、被加工材に割り当てられている加工内容を解除して該被加工材に対し適した他の加工内容を選択して指令する。
【選択図】 図1
【解決手段】レール1上を走行する台車2と、台車2に配置され横行可能な横行キャリッジ5と、被加工材Bの端部を検出する端部検出手段と、端部検出手段による検出値からキャンバー量Qを測定する測定手段と、制御手段20とを有し、測定されたキャンバー量Qが許容値を越えたとき、被加工材に割り当てられている加工内容を解除して該被加工材に対し適した他の加工内容を選択して指令する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レールに沿って配置された被加工材のキャンバー量を測定して、測定されたキャンバー量が、該被加工材に割り当てられた目的の加工内容を実施するのに許容し得るキャンバー量を越えているか否かを判定し、測定されたキャンバー量が許容し得るキャンバー量を越えた場合、被加工材を優先させて該被加工材に適した加工を行わせるか、或いは目的の加工を優先させて被加工材を交換するように制御ことで、無人運転に対応し得るようにした加工機に関するものである。
ガス切断トーチやプラズマ切断トーチ或いはレーザ切断トーチ等の切断トーチを用いて、鋼板,ステンレス鋼板等の鉄系金属板や銅板,アルミニウム板等の非鉄系金属板、或いは合成樹脂板等の非金属板からなる被加工材から二次曲線を含む図形を切断し、或いはマーキングトーチを用いて被加工材の表面に前記図形と同様の切断線や文字,記号をマーキングするような加工が行われている。
例えば鋼板から図形を切断する場合、引き当てられた鋼板に切断しようとする図形を割り当て(ネスティング)し、その後、前記割り当てに基づいた切断を実施することが行われる。また船殻材や橋梁材或いは建築部材のような大型の図形を切断するような場合、或いは予め切断すべき図形が決まっているような場合、これらの図形を切断するのに適した寸法を持った鋼板を引き当てておき、この鋼板から目的の図形を切断することが行われている。特に、大型の図形を切断するための鋼板は、切断すべき図形に耳寸法を加えた幅寸法と長さ寸法を指定して発注するのが一般的である。
上記の如き被加工材に対する切断を含む加工を行う加工機は、一方向に敷設された走行レール上を走行する走行台車と、この台車に設けられた横行レール上を横行する横行キャリッジと、横行キャリッジに搭載された切断トーチ或いはマーキングトーチ等の加工トーチと、加工情報を記憶すると共に記憶した加工情報に応じて走行台車や横行キャリッジ及び加工トーチ等の制御を行う数値制御装置(NC装置)等の制御装置と、を有して構成されているのが一般的である。そして走行レールの敷設方向と横行レールの配置方向を直交座標系に於ける座標軸と一致させ、走行台車の走行と、横行キャリッジの横行と、加工トーチの作動と、を同時に制御することで、レールに沿って配置された被加工材に対して目的の加工を行うことが出来る。
目的の加工を行うに際し、加工機の座標軸に対する被加工材の設置姿勢との間にズレが生じていると、被加工材に対する正確な加工をすることが出来ないため、被加工材を定盤に載置した後、該被加工材に於ける一定距離離隔した端面の位置を検出してレールに対する被加工材の平行度を測定し、この測定結果に応じて加工情報の座標を被加工材の姿勢に対応させる座標変換を行い、或いはパルス分配をリアルタイムに行うことによって、被加工材対して目的の加工を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
被加工材から図形を切断する際に設定する耳取り寸法は、歩留りに対して密接な関係を有する要素であり、加工機に於ける加工精度の向上に伴って耳取り寸法を小さくする傾向がある。また被加工材が鋼板である場合、この鋼板が必ずしも正確な長方形であるとは限らず、端面が湾曲(キャンバー)していることがある。この場合、加工機の座標軸と被加工材の座標軸とが一致しており、且つ切断すべき図形に対して引き当てられている被加工材であっても、キャンバーの量によっては、目的の図形を切断し得ないことがある。
このため、現状は加工機のオペレータが被加工材を目視してキャンバーが生じていると判断した場合には、メジャー等の測定器を利用してキャンバー量を測定し、この測定結果をその都度NC装置に手入力して、加工プログラムの修正を行うようにしている。
しかし、キャンバーが生じている被加工材を目視で判断するには経験が必要であり誰にでも出来るものではない。またキャンバー量を測定する場合、被加工材の大きさによっては作業が容易ではなく時間が掛かるという問題が生じる。更に、測定結果にもオペレータの個性が反映するという問題が生じており、加工機を複数のオペレータが操作する場合、常に同じ結果を期待し得ないという問題がある。何れにしても加工を行う際に人力が介入することとなり、作業上好ましいことではない。特に、前記各問題が生じるため、夜間の無人運転を実現し得ないという問題がある。
また特許文献1の技術はレールに沿って配置された被加工材のレールに対する平行度を検出するものであり、キャンバー量を測定して予め被加工材に予定されている目的の加工内容を実行し得るか否かを判断し、その結果、目的の加工内容を実行し得ない場合に、被加工材、加工内容の何れかを優先させて作業を継続するという思想を示唆するものではない。
本発明の目的は、人力を介入させることなく被加工材に生じているキャンバー量を測定し、測定結果が許容値を越えたとき、被加工材をそのままにしてこの被加工材に対する加工内容を変更するか、加工内容をそのままにしてこの可能内容を実現し得る被加工材を変更することで、無人運転を実行する場合でも合理的な加工を実現し得るようにした加工機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る加工機は、レール上を走行可能に構成された台車と、前記台車に配置され前記レールに対し直交する方向に横行可能に構成された横行キャリッジと、前記横行キャリッジに配置され前記レールに沿って配置された被加工材の端部を検出する端部検出手段と、前記端部検出手段によって被加工材に於ける複数の端部を検出し、この検出値から被加工材のキャンバー量を測定する測定手段と、予め被加工材に対して加工すべき複数の加工内容を記憶する加工記憶部と,予め設定されたキャンバー量の許容値を記憶する許容値記憶部と,前記測定手段によって測定したキャンバー量と前記記憶部に記憶したキャンバー量の許容値とを比較する比較部と,測定したキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたときこの旨を表示する表示手段と,前記比較部で比較した結果測定されたキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたとき被加工材に割り当てられている加工内容を解除して該被加工材に対し適した他の加工内容を加工記憶部に記憶された加工内容から選択して指令する指令部と,を有する制御手段とを有して構成されるものである。
また他の加工機は、レール上を走行可能に構成された台車と、前記台車に配置され前記レールに対し直交する方向に横行可能に構成された横行キャリッジと、前記横行キャリッジに配置され前記レールに沿って配置された被加工材の端部を検出する端部検出手段と、前記端部検出手段によって被加工材に於ける複数の端部を検出し、この検出値から被加工材のキャンバー量を測定する測定手段と、予め被加工材に対して加工すべき複数の加工内容を記憶する加工記憶部と,予め設定されたキャンバー量の許容値を記憶する許容値記憶部と,前記測定手段によって測定したキャンバー量と前記記憶部に記憶したキャンバー量の許容値とを比較する比較部と,測定したキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたときこの旨を表示する表示手段と,前記比較部で比較した結果測定されたキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたとき被加工材を解除して該被加工材に対して実行しようとした加工内容に適した被加工材を選択する旨の指令する指令部と,を有する制御手段とを有して構成されるものである。
上記本発明に係る加工機では、レールに沿って被加工材を配置しておき、台車をレールに沿って走行させると共に横行キャリッジを横行レールに沿って横行させ、この過程で端部検出手段を作動させることで被加工材の端部を検出し、且つ検出した端部の位置座標を検出することが出来る。従って、被加工材の一辺に沿って少なくとも3点(好ましくは長手方向の両端部分と略中央部分)の端部を検出しておき、測定手段に於いて、検出した両端部の座標からこれらの点を結ぶ直線を演算すると共に略中央の座標の前記直線からの離隔距離を演算することで、キャンバー量を測定することが出来る。
一方、制御手段の加工記憶部に被加工材に対して加工すべき複数の加工内容を記憶させると共に、許容値記憶部にキャンバー量の許容値を記憶させておき、レールに沿って配置された被加工材のキャンバー量を測定するに当たり、比較部で被加工材に割り当てられた加工内容に対応させたキャンバー量の許容値を読み出すと共に、該キャンバー量の許容値と測定されたキャンバー量とを比較して測定されたキャンバー量が許容値を越えたか否かを判定することが出来る。
そして測定されたキャンバー量が予め設定されたキャンバー量の許容値を越えたとき、レールに沿って配置されている被加工材を優先させて、想定されている加工内容を解除し、且つ加工記憶部に記憶されている複数の加工内容から該被加工材に対して適した他の加工内容を選択し、この加工内容を指令部から指令することで、既に配置されている被加工材に対する加工を実行することが出来る。
また測定されたキャンバー量が予め設定されたキャンバー量の許容値を越えたとき、レールに沿って配置されている被加工材に対して想定されている加工内容を優先させて、被加工材を解除し、該加工内容に適した他の被加工材を選択する旨を指令部から指令することで、予定されていた加工内容を実行することが出来る。
本発明の加工機では、予め加工すべき図形が割り当てられた被加工材がレールに沿って配置されたとき、この被加工材に生じているキャンバー量を測定して、キャンバー量の許容値と比較することで、この被加工材に対して予め想定されている加工をそのまま実行して良いか否かの判定を行うことが出来る。そして、既に配置されている被加工材に対して予め想定されている加工をそのまま実行することが不都合な場合、既に配置されている被加工材を優先させることで該被加工材に対して適した他の加工内容を選択して割り当て、或いは予め設定された加工内容を優先させることで該加工内容を実行し得る他の被加工材を選択して加工することが出来る。
このように、被加工材のキャンバー量を測定するのに人力が介入することがない。このため、個性が反映されることのない正確なキャンバー量を測定することが出来る。特に、目的の加工を実行するに際し、人が介在しないため、加工機に対し夜間の連続運転を実行させることが出来る。
以下、本発明に係る加工機の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る加工機は、レールに沿って配置された被加工材のキャンバー量を測定すると共に、測定したキャンバー量を予め設定されて許容値記憶部に記憶されているキャンバー量の許容値と比較し、測定したキャンバー量が許容値を越えていない場合、そのまま予め設定されている加工内容を実行し、測定したキャンバー量が許容値を越えている場合、レールに沿って配置された被加工材と、予め設定されている加工内容と、の何れかを優先させて加工を進行させるようにしたものである。
例えば、被加工材を優先させた場合には、該被加工材に割り当てられていた加工内容を解除し、現実の被加工材に対して適した加工内容を加工記憶部に記憶されている加工内容から選択し、また加工内容を優先させた場合には、被加工材を解除し、該加工内容を実行し得る被加工材を加工機の加工領域から選択して加工し得るようにしたものである。
上記の如き加工機では、人手の介入を必要としないため、夜間の連続無人運転を行う場合に有利である。
本発明に於いて被加工材に対する加工とは、切断、マーキング、溶接或いは溶射等を含み、これらの加工に応じて最も適した工具を選択して横行キャリッジに搭載し、搭載した工具を被加工材に対して直線的に、或いは直線的及び曲線的に移動させることで、目的の加工を行うように構成されている。
例えば、加工が切断である場合、横行キャリッジにはガス切断トーチ,プラズマ切断トーチ,レーザ切断トーチの中から選択された切断トーチが搭載される。また加工がマーキングである場合、横行キャリッジには線や文字或いは記号を含むマーキングを形成するためのトーチ或いはノズルが搭載される。マーキングトーチ或いはマーキングノズルの構造は特に限定するものではなく、例えば、金属粉末を燃焼或いは溶融させて噴射してマーキングを形成する形式のもの、ペイントを噴射して線状のマーキングを形成する形式、或いは点状のマーキングを形成する形式のもの等を用いることが可能である。また加工が溶接の場合横行キャリッジには溶接トーチが、更に、加工が溶射の場合横行キャリッジにはガス,プラズマ或いはレーザを加熱源とする溶射トーチが搭載される。
またキャンバー量の許容値とは、予め所定の幅寸法と長さ寸法を持った被加工材を想定すると共に該被加工材に対する目的の加工内容を想定し、想定された加工内容を支障なく実行し得るキャンバー量の限界値に応じた値であり、限界値そのものを許容値としても良く、限界値に更に安全率を考慮して設定することも良い。
例えば、目的の加工が被加工材に対する切断であるような場合、予め切断すべき1又は複数の図形を設定すると共に、耳取りを考慮しつつこれらの図形を合理的に配置し得る被加工材の寸法を設定するのが一般的である。また予め被加工材の寸法が設定され、この被加工材から切断し得る図形を合理的に配置することもある。
何れにしても、被加工材と、この被加工材の面内に切断すべき図形を配置した加工図が形成される。この加工図では、個々の図形には所定の耳取り幅が加えられており、図形を切断する際に欠くことのできない部分とロス部分が明確になる。従って、前記加工図に於ける被加工材の辺に沿ったロス部分の範囲内でキャンバーを許容することが可能となる。また被加工材の辺に接近した位置に図形が配置されている場合、該図形に設定された耳取り幅の限界値を設定することで、該限界値の範囲も許容値に含めることが可能となることもある。
上記の如く、キャンバー量の許容値とは一義的に設定されるものではなく、被加工材と目的の加工内容との関係を考慮して設定される。
加工機は、一方向に敷設されたレール上を走行する台車と、台車にレールに対して直交方向に設けられた横行レール上を横行する横行キャリッジと、横行キャリッジに搭載された端部検出手段と、キャンバー量を測定する測定手段と、加工記憶部、許容値記憶部、比較部、表示手段、指令部を含む制御手段と、を有して構成されている。
台車は、一方向に敷設されたレール上を走行し得るように構成されており、該レールに対し直交方向に配置した横行レールを有している。台車の形式は特に限定するものではなく、被加工材の幅寸法に応じて門型或いは片持ち型等に設定される。例えば、被加工材の幅が大きい場合、一対のレールを被加工材を挟むように平行に敷設すると共に、台車をレールに跨がる門型に形成することが好ましく、また被加工材の幅が小さい場合、門型或いは横行レールを被加工材の上方に跳ね出した片持ち型であっても良い。しかし、台車自体の走行や横行キャリッジの横行レール上の横行に伴う振動や加工精度の保証等を考慮したとき、台車は門型に構成することが好ましい。
台車を門型に構成した場合、レールに対応させてサドルが配置され、サドルを連結するようにガーターが配置される。従って、ガーターはレールに対して交差する方向に配置されることとなり、該ガーターに、前記レールに対して正確に直交方向に配置した横行レールを設けることが可能となる。横行キャリッジは、横行レールによって横行方向が走行レールに対し直交する方向となるように案内される。
従って、台車のサドルに走行モーターを設けると共に横行キャリッジに横行モーターを設け、これらの走行モーターと横行モーターの回転方向と回転数を同期して制御することで、横行キャリッジを被加工材の表面と対応する平面上で所望の方向に、所望の速度で移動させることが可能である。
横行キャリッジには、被加工材に対して加工する内容に対応させたトーチと、被加工材の端部を検出する端部検出手段を構成するセンサー、が搭載される。前述したように、トーチとしては限定するものではなく、目的の加工に対して最も適した機能を有するものが選択されて搭載される。また横行キャリッジに搭載されるトーチは必ずしも一種類である必要はなく、複数のトーチを搭載しても良い。特に、加工機が切断機であるような場合、横行キャリッジには切断トーチとマーキングトーチが搭載されるのが一般的である。
被加工材の端部を検出するセンサーとして、特に構造を限定するものではなく、被加工材の端部を確実に検出することが可能であれば利用することが可能である。このようなセンサーとしては、被加工材に向けて照射した光の反射の有無を検知して電気信号を発生し得るように構成されたもの(例えばレーザセンサー等)、被加工材に向けて圧力エアを噴射すると共に中心に設けたノズルに対する該圧力エアの作用による圧力状態を検知して電気信号を発生し得るように構成されたもの(例えばエアセンサー等)、被加工材との間の静電容量の変化に応じた電気信号を発生し得るように構成されたもの(静電容量型センサー)等の非接触型センサーを用いることが可能であり、加工機の加工目的に応じて最適なセンサーを選択して用いることが好ましい。
上記センサーから発生した電気信号は端部検出手段の制御部に伝達され、該制御部に於いて予め端部を検出するのに適した比較信号と比較され、現在の信号が被加工材の表面を検知しているか、被加工材の表面から外れた位置を検出しているかを判定し、被加工材の表面と、表面から外れた位置と、の境界を検出して被加工材の端部を検出したとして認識することが可能である。
また被加工材の端部を検出するセンサーとしては、必ずしも非接触型センサーである必要はなく、被加工材の表面に棒状の接触子を押し当てておき、この棒状の接触子が被加工材の表面から落下したときに電気信号を発生し得るように構成されたもの、何れの方向にも折り曲がれるように構成した棒状の接触子を先端が被加工材の表面よりも低くなるように配置しておき、この接触子が折り曲がっている状態では被加工材の表面にあるとし、接触子が直状になった状態では被加工材の表面から離脱しているとしての電気信号を発生し得るように構成されたもの、等の接触型センサーを用いても良い。
被加工材に於ける検出すべき端部としては、特に限定するものではないが、少なくとも一辺の両端部分(好ましくは被加工材の長手方向の両端部分)と略中央部分の3点を検出することが好ましい。そして、測定手段によって、一辺の両端部分を結ぶ直線を演算すると共に略中央の点の直線からの距離を演算することで、キャンバー量を測定することが可能である。
このため、測定手段としては、オペレータが被加工材の長さ寸法,幅寸法の情報及びキャンバー量を測定するのに必要な他の情報を入力すると共に検出手段から端部の位置情報が入力される入力部と、入力された各種情報を記憶する情報記憶部と、少なくとも3つの位置情報から被加工材に於ける一辺の端部を結ぶ直線を演算すると共に略中央の点の位置情報からキャンバー量を測定する測定プログラムを記憶したプログラム記憶部と、演算部を有して構成されることが好ましい。
上記の如く構成された測定手段では、端部検出手段で検出した被加工材の端部の位置情報から、該被加工材に生じているキャンバー量を測定し、且つキャンバーの方向(被加工材の一辺の湾曲形状)を認識することが可能である。
制御手段は、複数の被加工材に対し、予め設定された順序で且つ予め設定された内容の加工を順次行えるように、加工機の稼働を制御するものであり、加工記憶部と、許容値記憶部と、比較部と、表示手段と、指令部とを有して構成されている。
加工記憶部は、予め長さ寸法,幅寸法,厚さ寸法が設定されている被加工材に対して行う、目的の加工内容を記憶する機能を有するものであり、加工すべき図形線や形成すべき文字や記号の情報、及びこれらの情報や被加工材の平面寸法に対応させたレイアウト情報が記憶される。
許容値記憶部は、被加工材に許容されたキャンバー量を記憶する機能を有するものであり、被加工材と、この被加工材に対して目的の加工を確実に実行するのに許容し得るキャンバー量の情報(許容値)が記憶される。
比較部は、測定手段で測定されたキャンバー量(測定値)と、許容値記憶部に記憶されたキャンバー量の許容値とを比較して、測定値が許容値の範囲内にある場合にはその旨の信号を、測定値が許容値を越えた場合にはその旨の信号を、夫々発生する機能を有する。
表示手段は、被加工材に生じているキャンバー量を測定した測定値と、この被加工材に対して予め設定されているキャンバー量の許容値と、を比較部で比較した結果、測定値が許容値を越えたとき、越えたことを表示する機能を有するものである。このため、表示手段は、作業過程に於ける記録的な機能と、周囲に対して警報を発する機能とを有することが好ましい。従って、表示手段としては、制御手段を構成するコンピュータのディスプレイやプリンタ、或いは外部に対して警報を発する表示灯やブザー等を単独で、或いは複数用いることが好ましい。
指令部は、被加工材のキャンバー量の測定値と、予め設定されている許容値とを比較した結果に応じて次工程への指令を行う機能を有するものである。即ち、被加工材のキャンバー量の測定値が許容値の範囲内である場合には、そのまま、被加工材に対する加工内容を実行するような指令を発し、測定値が許容値を越えた場合には、被加工材又は加工内容の何れかを優先させて作業を進行させるような指令を発するものである。
即ち、被加工材を優先させる場合には、該被加工材の寸法とキャンバー量を持った平面を満足する加工内容を加工記憶部から選択し、選択した加工内容を指令して加工機を駆動することで、現在の被加工材に、予め設定されていた加工内容とは異なる加工内容を実行することが可能である。また加工内容を優先させる場合には、予め設定されている作業内容を加工し得る被加工材を選択して、加工機を移動させ或いは被加工材を移動させ、その後、この被加工材に対して予め設定された加工内容を実行することが可能である。
上記の如く、被加工材のキャンバー量が許容値を越えている場合、被加工材或いは加工内容の何れかを優先させて作業を進行させることで、例えば、夜間の連続無人運転時であっても、円滑に作業を進行させることが可能であり、作業時間の空費を可及的に軽減することが可能となる。
次に、上記加工機の好ましい実施例について図を用いて説明する。図1は本実施例に係る加工機の概略的な構造を説明する平面図である。図2は加工機の制御系を説明するブロック図である。図3は被加工材に生じたキャンバーを説明する図である。図4は加工機の加工手順を示すフローチャートである。
先ず、図1により加工機Aの概略構成について説明する。図に於いて、加工機Aは被加工材Bに対する切断とマーキングを行う装置として構成されている。このため、加工機Aは、平行に敷設された一対のレール1(X軸方向)に載置された台車2を有している。台車2はレール1に載置されたサドル2aと、レール1の敷設方向に対し直交方向に配置され且つサドル2aと連結されたガーター2bとを有し、全体が門型のフレームとして構成されている。またサドル2aには後述する制御装置によって回転方向と回転数を制御される走行モーター3が配置されており、該走行モーター3を駆動することで、台車2をレール1に沿って所望の方向に所望の速度で走行させるように構成されている。
ガーター2bにはレール1に対して直交方向に配置された横行レール4(Y軸方向)が設置されており、この横行レール4に横行キャリッジ5が設けられている。横行キャリッジ5には後述する制御装置20によって回転方向と回転数を制御される横行モーター6が配置されており、該横行モーター6を駆動することで、横行キャリッジ5を横行レール4に沿って所望の方向に所望の速度で横行させるように構成されている。
横行キャリッジ5には被加工材Bに対する加工内容である切断とマーキングを実行するための、被加工材Bを切断する切断トーチ7と、被加工材Bに線や文字或いは記号を形成するマーキングノズル8が搭載されており、更に、被加工材Bの端部検出手段を構成するレーザセンサー9が搭載されている。
切断トーチ7は、被加工材Bの材質や厚さ、或いは所望の切断仕様を満足させるのに最適なガス切断トーチ,プラズマ切断トーチ,レーザ切断トーチが選択される。そして選択された切断トーチに従って、図示しないガスの供給設備、プラズマ電源及びプラズマガスの供給設備、レーザ発振器が選択され、夫々所定の位置(台車2の上に、レール1に沿って)に配置される。同様にマーキングノズル8も被加工材Bに形成すべきマーキングの性質や被加工材Bの表面の色を含む性質に従って最適なものが選択され、且つ該マーキングノズル8の性能を発揮させるのに必要な付帯設備(図示せず)が設けられる。
また台車2の所定位置、例えばサドル2a或いはガーター2bに制御盤10が配置されており、この制御盤10に被加工材Bのキャンバー量を測定する測定手段や、被加工材Bに対して目的の加工を行わせる加工内容の情報を記憶すると共にこの加工内容に従った動作を制御する制御装置20が収容されている。
制御装置20は制御手段となるものであり、図2に示すように、数値制御装置(NC装置)によって構成されている。即ち、制御装置20は、加工記憶部と許容値記憶部及び情報記憶部を兼ねた記憶部21と、比較部22と、指令部となる制御部23と、表示部24と、駆動制御部25を有し、更に、レーザセンサー9と接続され測定手段26を構成するデータ変換部26aと、検出された被加工材Bの端面の座標データ(P1〜P3)からP1,P3を結ぶ直線の式を演算し更にこの直線とP3との距離を演算するプログラムが記憶された位置制御部26b、測定データ記憶部26cを有して構成されている。また27は、キーボード等からなる入力部である。
ここで被加工材Bに生じたキャンバーについて図3により説明する。通常、被加工材Bに対して加工領域Cを設定する場合、この被加工材Bは同図に一点鎖線で示す、予め設定した寸法と形状を持つものとし、この被加工材Bに対して二点鎖線で示す所定の加工領域Cを設定する。このとき、被加工材Bの外形寸法と加工領域Cとの差が耳取り寸法Dとして設定される。これらの情報を制御装置20に入力して記憶させる。
耳取り寸法Dは、加工領域Cの大きさに応じて適宜設定されるものであり、一義的に設定されるものではない。即ち、加工領域Cの寸法が大きい場合、被加工材Bは加工領域Cの外周に耳取り寸法Dを加えた寸法に設定される。加工領域Cの寸法が小さく被加工材Bが規格サイズのもので充分な場合、耳取り寸法Dは、規格サイズの被加工材Bから加工領域Dを引いた寸法に設定される。
しかし、被加工材Bに全体的な曲がりが生じることがある。この曲がりの方向は一義的に設定されるものではなく、同図(a),(b)に示すように、右側に向けて凸或いは凹となる。即ち、レール1の間に設けた定盤に被加工材Bを載置する際の方向に応じて凸或いは凹の方向が決まる。
本実施例では、被加工材Bに生じた曲がりをキャンバーといい、被加工材Bの長手方向の略中央に於ける凸或いは凹の寸法をキャンバー量Qという。
被加工材Bに於けるキャンバー量Qの測定は、被加工材Bの長手方向の両端部分の位置P1,P3と、略中央部分の位置P2の座標を計測し、位置P1,P3を結ぶ直線を演算すると共に、P2の直線からの距離を演算することで行われる。即ち、走行モーター3,横行モーター6を駆動してレーザセンサー9を被加工材Bの長手方向の両端部分、及び中央部分に到達させ、夫々の部分で被加工材Bの端面を検出して座標データに変換することで、位置P1〜P3に対応した座標を検出し、検出した座標からP1,P3を結ぶ直線、及びP2と前記直線からキャンバー量Qを測定することが可能となる。
キャンバー量Qが予め設定されている耳取り寸法Dよりも小さい場合には、加工領域Dに対し特別な影響を与えることがない。しかし、キャンバー量Qが耳取り寸法Dよりも大きくなった場合、被加工材Bの端面が加工領域Cに入り込んでしまうこととなり、加工領域Cに対する目的の加工を行うことが不可能になることがある。
このような場合、現在設置されている被加工材Bに対する加工を断念し、目的の加工を行うことが可能な寸法を持った新たな被加工材Bを移動させて予め設定されている加工を行うか、或いは現在設置されている被加工材Bをそのままにして、該被加工材Bのキャンバー量Qを見込んだ上で加工し得る加工を行うことが好ましい場合がある。
次に、本実施例に係る加工機Aによる被加工材Bのキャンバー量Qの測定と、測定結果から加工を進行させる手順について図4のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS1では予め設定されている被加工材Bの板厚や寸法等のデータ、この被加工材Bに対する加工内容のデータ等の加工データ、加工機Aを駆動するために必要な制御データ等を含むプログラムデータを設定し、制御装置20に入力して所定の記憶部21に記憶させる。次いで、ステップS2では、夫々の被加工材Bに設定された加工内容に応じてキャンバー許容値を設定し、制御装置20に入力して記憶部21に記憶させる。
次に、ステップS3では、レール1の間に被加工材Bを搬入して設置し、ステップS4で搬入された被加工材Bに於けるキャンバーを測定する。被加工材Bに於けるキャンバー量Qの測定は、予め記憶部21に記憶させたキャンバー測定プログラムに従って走行モーター3と横行モーター6が駆動され、レーザセンサー9を被加工材Bの長手方向の両端部分と中央部分に到達させる。レーザセンサー9は夫々の部分に於いて端面を検出し、検出信号を制御装置20のデータ変換部26aに伝達する。
データ変換部26aでは、レーザセンサー9から発生した瞬間の信号を位置制御部26bに伝達し、この位置制御部26bに於いて被加工材Bの各座標データからP1〜P3の座標データ、P1,P3を結ぶ直線の式、この直線からP2までの距離であるキャンバー量Qを演算する。これらの演算データは測定データ記憶部26cに伝達されて夫々の測定データとして記憶される。
ステップS5では、比較部22に於いて、測定データ記憶部26cに記憶されたキャンバー量Qを読み出すと共に記憶部21に記憶されているキャンバーの許容値を読み出し、これらの値を比較する。前記比較の結果、演算された被加工材Bのキャンバー量Qが許容値以下である場合、ステップS6に進行して、現在設置されている被加工材Bに対して予め設定されている加工を実行する。
また比較部22で比較した結果、演算された被加工材Bのキャンバー量Qが許容値以上である場合、ステップS7に進行して加工データを変更するか否かの検討を行う。この場合、現在設置されている被加工材Bの寸法と、この被加工材Bに生じているキャンバー量Qを考慮した加工領域を認識し、予め記憶部21に記憶されている加工データの中から前記加工領域に対し無駄なく加工し得る加工データを検索し、合理的な加工データが検索されたとき、ステップS8に進行して加工データを変更し、更に、ステップS9に進行して変更した加工データに基づいて被加工材Bに対する加工を実行する。
ステップS7で現在設置されている被加工材Bに対する合理的な加工データが存在しない場合、ステップS10に進行して現在設置されている被加工材Bを、現在倉庫やストックヤードに収納されている他の被加工材Bに変更するか否かを検討する。この場合、予め記憶部21或いは加工機Aの上位のコンピュータに記憶されている材料を検索し、合理的に加工し得る被加工材Bが検索されたとき、ステップS11に進行して現在設置されている被加工材Bを撤去すると共に、検索された被加工材Bを搬入してレール1の間に配置して設置し、ステップS3に戻って新たに設置された被加工材Bのデータを設定すると共に該被加工材Bに対するキャンバー量Qの測定を行う。
ステップS10に於いて他の被加工材Bが検索されなかったとき、現在設置されている被加工材Bに対する目的の加工の進行が不可能であると判断し、ステップS12に進行して表示手段24によって警報を発し、同時に加工機Aを停止させる。
上記の如くして被加工材Bに対して予め設定された目的の加工を進行させることが可能である。
本発明に係る加工機は、記憶部21に複数の加工データを記憶させておくと共に、自動クレーンやコンベアを介して複数の被加工材Bのストックヤードと連続させることによって、夜間の連続無人運転を実現することが可能であり、例えば、鋼板に代表される被切断材に対する切断やマーキング、溶接や溶射等の加工を行うことが可能である。
A 加工機
B 被加工材
C 加工領域
D 耳取り寸法
P1〜P3 位置
Q キャンバー量
1 レール
2 台車
2a サドル
2b ガーター
3 走行モーター
4 横行レール
5 横行キャリッジ
6 横行モーター
7 切断トーチ
8 マーキングノズル
9 レーザセンサー
10 制御盤
20 制御装置
21 記憶部
22 比較部
23 制御部
24 表示部
25 駆動制御部
26 測定手段
26a データ変換部
26b 位置制御部
26c 測定データ記憶部
27 入力部
B 被加工材
C 加工領域
D 耳取り寸法
P1〜P3 位置
Q キャンバー量
1 レール
2 台車
2a サドル
2b ガーター
3 走行モーター
4 横行レール
5 横行キャリッジ
6 横行モーター
7 切断トーチ
8 マーキングノズル
9 レーザセンサー
10 制御盤
20 制御装置
21 記憶部
22 比較部
23 制御部
24 表示部
25 駆動制御部
26 測定手段
26a データ変換部
26b 位置制御部
26c 測定データ記憶部
27 入力部
Claims (2)
- レール上を走行可能に構成された台車と、
前記台車に配置され前記レールに対し直交する方向に横行可能に構成された横行キャリッジと、
前記横行キャリッジに配置され前記レールに沿って配置された被加工材の端部を検出する端部検出手段と、
前記端部検出手段によって被加工材に於ける複数の端部を検出し、この検出値から被加工材のキャンバー量を測定する測定手段と、
予め被加工材に対して加工すべき複数の加工内容を記憶する加工記憶部と,予め設定されたキャンバー量の許容値を記憶する許容値記憶部と,前記測定手段によって測定したキャンバー量と前記記憶部に記憶したキャンバー量の許容値とを比較する比較部と,測定したキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたときこの旨を表示する表示手段と,前記比較部で比較した結果測定されたキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたとき被加工材に割り当てられている加工内容を解除して該被加工材に対し適した他の加工内容を加工記憶部に記憶された加工内容から選択して指令する指令部と,を有する制御手段と、
を有することを特徴とする加工機。 - レール上を走行可能に構成された台車と、
前記台車に配置され前記レールに対し直交する方向に横行可能に構成された横行キャリッジと、
前記横行キャリッジに配置され前記レールに沿って配置された被加工材の端部を検出する端部検出手段と、
前記端部検出手段によって被加工材に於ける複数の端部を検出し、この検出値から被加工材のキャンバー量を測定する測定手段と、
予め被加工材に対して加工すべき複数の加工内容を記憶する加工記憶部と,予め設定されたキャンバー量の許容値を記憶する許容値記憶部と,前記測定手段によって測定したキャンバー量と前記記憶部に記憶したキャンバー量の許容値とを比較する比較部と,測定したキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたときこの旨を表示する表示手段と,前記比較部で比較した結果測定されたキャンバー量が許容値としてのキャンバー量を越えたとき被加工材を解除して該被加工材に対して実行しようとした加工内容に適した被加工材を選択する旨の指令する指令部と,を有する制御手段と、
を有する加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004031622A JP2005222438A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004031622A JP2005222438A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 加工機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005222438A true JP2005222438A (ja) | 2005-08-18 |
Family
ID=34997996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004031622A Pending JP2005222438A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005222438A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7338767B1 (ja) | 2022-09-22 | 2023-09-05 | フジテック株式会社 | エレベーターの上下レールの加工装置 |
-
2004
- 2004-02-09 JP JP2004031622A patent/JP2005222438A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7338767B1 (ja) | 2022-09-22 | 2023-09-05 | フジテック株式会社 | エレベーターの上下レールの加工装置 |
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