JP2005220565A - 暖房床構造およびその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒーター配設の施工が容易で耐久性の優れた電熱式暖房床構造とその施工方法を提供する。
【解決手段】断熱性と遮音性と所定の圧縮剛性を有する材料からなり、矩形の底板上にその長手方向の略全長に亘って延びる小根太が2〜3列所定の間隔で平行に形成された畳の規格サイズの断熱パネルを、室内下地床面の全部又は暖房部上に隙間無く敷設し、暖房部の該断熱パネルの前記小根太間に、高さ調節用の断熱ボードと面状ヒーターと蓄熱材パネルを順次積層して配設し、前記小根太上面に均熱板を介して仕上床板を敷設してなる暖房床構造。また、この断熱パネルの材料として発泡倍率20倍以下の硬質発泡樹脂を用い、底板と小根太とを一体に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の床暖房に関し、とくに施工が容易で耐久性の優れた暖房床構造とその施工方法に関する。
近年、マンションや戸建て住宅に床暖房が採用されることが多くなってきた。床暖房の加熱方法としては、電熱式と温水加熱式が一般に用いられている。電熱式は、温度制御を正確に行なうことができ、耐久性に富むという利点を有するが、我が国においては電気代が高いことが問題となる。そのため、近年では潜熱蓄熱材を用い、電力単価の低い夜間のみ通電して、昼間は蓄熱材からの放出熱を利用する暖房方法が普及して、電力費を大幅に低減することが可能になってきた。
一方、温水加熱式はエネルギー代は安いが、ボイラー等の給湯設備や床下に張り巡らせた温水配管が必要で設備負担が大きい。また、温水パイプが水垢で閉塞するため寿命が短く、かつ温水パイプの上流と下流で温度ムラが発生し易いという問題がある。現状では電熱式と温水加熱式は一長一短で、当分は需要者の選択により、両者が並行して利用されるという状態が続くものと考えられる。
かかる床暖房の施工方法は、まず温水加熱式の場合、床の土台、根太、コンクリートスラブ等の上に、コンパネ、パーティクルボード等からなる下地床材を敷設し、その上に配管用の溝が形成された断熱ボード、合板等を敷いてこの溝内に温水配管を配設し、その上に必要に応じて断熱板や均熱板を介して、仕上床材を敷設するという方法が一般的である。
電熱式の場合は、ヒーターが発熱線である場合と面状発熱体である場合でやや相違するが、ヒーターが発熱線の場合は、上述の温水式の配管溝の代わりに配線溝を設けて、この溝内にヒーターを配設すること以外は、ほぼ温水式と同様な施工方法になる。また、面状ヒーターの場合も、上記の溝に代えて、小根太等を用いてヒーターの幅に対応する凹所を形成し、この凹所内にヒーターを配設すること以外は、ほぼ上記と同様な施工方法になる。
このような床暖房の施工には、多種の事業者による工事が必要になる。まず、下地床面を形成するには、下地床材を敷設する大工作業が必要で、コンクリート床のレベリング等の左官作業が必要になる場合もある。ヒーターの配設には、断熱ボード等に溝を形成してこれを床面に敷く内装作業又は大工作業と、温水配管や発熱線等を溝内に配設して、給湯本管又は給電線に接続する配管作業又は配線作業が必要になる。さらにその後に、均熱板と仕上床材を敷設する内装作業又は大工作業が必要である。
かかる多種の作業は、業者間の日程の調整が難しい場合が少なくなく、全体の工事完了に多くの日数を必要とする結果になる。また、ヒーターの配設に係る内装作業や配管作業又は配線作業の工数が相当に多くなり、これが床暖房の施工コストを押し上げる結果になって、これらが床暖房の普及を阻害する要因になりかねない。
かかる床暖房の施工を簡便化するため、ヒーターユニットや床暖房パネルが用いられることも多い。例えば、金属製の函体内に断熱材を充填して予め温水配管や発熱線等を埋め込んだヒーターユニットや、木質材等の枠体の内部に断熱材を充填して温水配管や発熱線等を埋め込み、その上面に床板材、均熱板等を張り、下面に断熱板等を張って予め一体に形成した床暖房パネルが広く用いられるようになってきた。近年、かかるヒーターユニットや床暖房パネルの構造や施工方法に関して、さまざまな提案がなされている状況である。
本発明者も、長年に亘って電熱式面状ヒーターと蓄熱材を用いた床暖房の普及に取り組んでおり、この方式の要素技術と施工方法の開発、改善に関して多くの提案を行なってきた。床暖房の施工を容易にするプレハブ型のパネルに関しても、いくつかの提案を行なっている。例えば、「合成樹脂のハニカム板を下層に、最上層に金属板からなる表面層を積層し、中間位置に面状発熱ヒーターを含み、全体として一体構造の平板状に形成した床暖房用パネル板」(下記特許文献1)を提案している。また「長方形の天板部とその長手方向両縁のL型係合部によって袋状嵌合部を形成した薄板からなる外郭体を準備し、この外郭体内部に上部断熱板、絶縁シート、面状ヒーター、下部断熱板等を嵌入させて組み立てる暖房用パネルとその製造方法」(特許文献2)を提案している。
特開2002−228174号公報 特開2003−176923号公報
床暖房に上述のようなヒーターユニットやパネルを用いる場合には、種々の要件が要請される。例えば、ユニットやパネル自体を安価に製造しうること、断熱性や遮音性を十分確保しうること、施工の手間が軽減されること、既設の床にも適用しうるように、ユニットやパネルの厚みが薄いこと、床暖房設備の耐久性を損なわないこと等が考えられる。前述したように、従来からヒーターユニットや床暖房パネルについて多数の提案があるが、上記のような要件の一部は満足していても、不十分な点が多いものが大部分であると考えられる。
本発明者は長年の施工の経験から、上記のような要件の中でも、とくに以下の点が重要であるとの認識を持っている。(1)ユニットやパネル自体の構造が簡単で安価に製作でき、その中へのヒーターの取り付けが容易であること、(2)床暖房に伴う工事の増加分ができるだけ少ないこと、(3)床暖房設備やその上のフローリングの耐久性に十分配慮した構成であることの3点である。
上記の(1)及び(2)の観点からは、仕上床面を支える小根太とヒーターを収容する断熱板とが一体に形成されたパネルを用いることが好ましいが、かかるパネルは、断熱性や遮音性とともにある程度の強度を必要とするため、如何なる材料を用いるかがキーポイントになる。
また(3)の耐久性は、床暖房の場合とくに重要な問題である。床暖房設備を点検・補修するためには、フローリングを剥がす必要があるから、故障の発生は絶対に避けなければならない。また、床面の温度変化が大きくなるから、フローリングの変形や浮き上がりを防止するための十分な配慮が必要である。電熱式の場合は蓄熱材が用いられることが多いが、耐久性という観点からは、蓄熱材とヒーターの配置の問題、パネルや床面を構成する材料の熱膨張や吸湿性の問題等が重要である。
そこで本発明の課題は、できるだけ簡単な構造でかつ安価なパネルを用いて、ヒーター配設の手間を大幅に軽減しうる暖房床構造を提供することである。また、かかる暖房床構造において、構成材料の選択やヒーターの配置を適正に行なって、床暖房設備やフローリングの耐久性を確保しうる手段を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の暖房床構造は、
断熱性と遮音性に富みかつ所定の圧縮剛性を有する材料からなり、矩形の底板上にその長手方向の略全長に亘って延びる小根太が複数列、面状ヒーターを収容し得るような所定の間隔で平行に形成された断熱パネルを、室内下地床面の全部又は暖房部上に隙間無く敷設し、暖房部の該断熱パネルの前記小根太間の凹所の底板上に、必要に応じて高さ調節用の断熱ボードを介して、面状ヒーター又は該面状ヒーターと蓄熱材パネルを配設し、前記小根太上面に均熱板を介して仕上床板を敷設してなることを特徴とする。
このように構成することにより、断熱パネルを室内床面の全面又は暖房部上に敷き詰め、断熱パネルの小根太間に面状ヒーターと断熱ボードや蓄熱材パネルを載置するだけで、ヒーター配設に係る作業を終えることができ、施工の手間を大幅に軽減することができる。また、ヒーターの下側に高さ調節用の断熱ボードを用いることにより、ヒーター又は蓄熱材パネルとその上側の均熱板とを密着させることができ、均熱板への熱の移動を円滑にさせることができる。なお、「所定の圧縮剛性を有する」とは、小根太が人の移動等により繰返し荷重を受けても、変形しない程度の圧縮剛性を有することを言う。
上記の暖房床構造においては、前記断熱パネルが畳の規格サイズであり、一枚の該パネルに同幅の前記面状ヒーターを2列又は3列に配設しうるように前記小根太が形成され、かつ前記底板の厚みが5〜20mm、前記小根太の高さが5〜15mm、幅が30〜50mmであることが好ましい
断熱パネルを畳の規格サイズにすることにより、室内全体に断熱パネルを敷き詰める場合の作業がきわめて容易になり、かつ断熱パネルの大きさと重量がハンドリングに好適になる。
また、上記の暖房床構造においては、前記面状ヒーターが面状発熱層を有する電熱式ヒーターであり、前記蓄熱材パネルが厚み10mm以下の平板状の袋体内部に潜熱蓄熱材を充填してなるものであり、前記小根太間の凹所の底板上に高さ調節用の断熱ボードを配し、その上に前記面状ヒーターを配し、さらにその上に前記蓄熱材パネルを配設してなることが好ましい。
このように構成することにより、上側の均熱板は蓄熱材パネルを介して面状ヒーターの熱を受け、下側の断熱パネルは断熱ボードを介して熱を受けるから、両者ともに温度変化が小さくなる。これにより熱サイクルの変動幅が大幅に小さくなり、均熱板や床暖房パネルの変形と、仕上床板の反りや浮上りを防止することができる。
また、上記の暖房床構造において、前記断熱パネルが発泡倍率20倍以下の硬質発泡樹脂からなり、前記底板と前記小根太が一体に形成されていることが好ましい。
発泡樹脂の断熱性や遮音性は、発泡倍率が5〜10倍程度から急激に大きくなり、20倍程度を超えてもそれ以上は余り増加しない。また、その圧縮剛性は発泡倍率20倍程度以下で急激に大きくなる。したがって、発泡倍率20倍以下の硬質発泡樹脂で断熱パネルを形成することにより、断熱性や遮音性とともに、仕上床板を支える強度を確保することができる。かかる材料を用いれば、小根太部分と底板部分を一体に、押出成形やプレス成形等で形成することができ、断熱パネルの製作コストをきわめて安価なものにすることができる。
また、硬質発泡樹脂は、独立気泡からなるものが多いので吸湿しにくいという特色と、発泡倍率が低いため線膨張率が比較的小さいという特色を有している。したがって、これを断熱パネルの材料として用いた場合に、変質や変形を起こしにくく、耐久性に富むという利点が得られる。さらに、この材料は軽量で、断熱パネルにした時のハンドリングも容易である。なお、発泡倍率の下限は、5倍程度にすることが好ましい。
硬質発泡樹脂の中でも、断熱パネルの材料としてとくに好ましいのは、ポリプロピレン樹脂、10〜20重量%のポリエチレン樹脂を含むポリプロピレン樹脂又はポリウレタン樹脂からなり、その発泡倍率が5〜15倍のものである。この発泡樹脂は、ラグビーボール状に扁平した独立気泡が整列し、気泡の長手方向が表面に対して直角な方向に並ぶため、表面からの垂直な力に対する抗力が大きい、すなわち圧縮剛性が高いという特長を有している。また、シートの厚み方向に気泡が延びているため、断熱性や遮音性に非常に優れるという特長を有している。
また、上記の発泡樹脂は、樹脂に対する重量比で1〜10%の木粉が混合・分散されてなるものであってもよい。これにより、発泡体の温度が上がったときの耐変形性が増し、圧縮剛性の増加や熱膨張率の低下等の効果が得られる。また、木質調の外観が得られるため、建材として好ましい。
また、前記の断熱パネルは、木粉又はこれと合成樹脂粉末との混合物を加熱・加圧して、前記底板と前記小根太を一体に成形した成形体からものであってもよい。この場合は、断熱パネルの重量が大き過ぎて持ち運びに不便になるので、該断熱パネルの幅がおおよそ610mm、長さがおおよそ1,820mmであることが好ましい。
また、本発明においては、前記仕上床板として木粉と合成樹脂粉末との混合物を加熱・加圧して形成した成形体からなるものを用いることが好ましい。床暖房時の仕上床材の耐久性という観点から、とくに重要なのは材料の吸湿性の問題である。一般に、仕上床材には木質系の材料が多用されるが、木質系材料は吸湿性の高いものが多いため問題となり易い。木粉に合成樹脂粉末を添加して成形することにより、木粉間の気孔が可塑性樹脂により充填されるため、吸湿性を通常の木材の数十分の一にすることができ、仕上床面の反りや浮き上がりを防止するのに好適である。
さらに、本発明においては、前記均熱板としてアルミニウム板又はその下面又は両面に厚み15〜150μmのアルミニウム被膜が形成された合板を用い、少なくともその下面にアルミナ及び/又はチタニアを主体とする酸化物のコーティング層を設けることが好ましい。床暖房程度の温度域においても、遠赤外線の放射によるエネルギー伝達の効果は重要である。このような波長域での放射率を高める物質として、アルミナ及び/又はチタニアを主体とする酸化物が好適であり、そのコーティング層を均熱板の下面に形成することにより、ヒーターからの遠赤外線の吸収能を大幅に高めることができる。
また、上記の断熱パネルは、その長片側の側面に係合部が形成され、該係合部が隣接する断熱パネルの対応する係合部と係合して、隣接する断熱パネル相互の長片間の離間を防止するように構成されていることが好ましい。該断熱パネルの短片側の側面の一方又は双方に、熱膨張を吸収するためのクッション層が形成されていることも同様に好ましい。
本発明の暖房床の施工方法は、上述した暖房床構造のいずれかを形成するための施工方法であって、床の土台又は根太上に下地床材を敷設する下地床面形成工程と、
断熱性と遮音性に富みかつ所定の圧縮剛性を有する材料からなり、矩形の底板上にその長手方向の略全長に亘って延びる小根太が複数本所定の間隔で平行に形成された畳の規格サイズの断熱パネルを前記下地床面上の全部又は暖房部に隙間無く敷設する断熱パネル敷設工程と、暖房部の該断熱パネルの前記小根太間の凹所の底板上に、必要に応じて高さ調節用の断熱ボードを配し、その上に電熱式面状ヒーター又は該面状ヒーターと蓄熱材パネルを配設するヒーター配設工程と、
前記面状ヒーターの端子を電源に接続するヒーター配線工程と、
前記小根太上面に均熱板を配し、さらにその上に仕上床板を敷設する仕上床板敷設工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明の暖房床構造は、まず第一に、これに用いる断熱パネルの形状と材質に特徴を有する。これは畳サイズの断熱性の底板の上に、均熱板及び仕上床板を支える小根太が一体に形成されたもので、その構造は簡単であり、きわめて安価に製作し得るという特長を有する。このパネルを室内暖房部に隙間無く配設して、小根太間の凹所に面状ヒーター等を載置すれば、ヒーターの配設が完了するので、施工の手間が大幅に軽減される。
この断熱パネルの材料としては、発泡倍率20倍以下の硬質発泡樹脂が好適である。かかる材料を用いることにより、小根太と底板を一体に形成して、仕上床板を支える小根太に必要な圧縮剛性と、底板に必要な断熱性及び遮音性を兼備させることができる。
本発明の暖房床構造の第二の特長は、ヒーターの配置と使用材料の選択により、床暖房設備や仕上床板の耐久性に十分配慮していることである。面状ヒーターの熱を上側の蓄熱材パネルを介して均熱板に伝え、下側の断熱ボードを介して断熱パネルに伝えるので、熱サイクルの変動幅が大幅に縮小されて、均熱板や断熱パネルの変形を防止することができる。また、仕上床板として、木質細片と合成樹脂粉末からなる成形材を主に用い、断熱パネルとして硬質発泡樹脂を主に用いている。これらは吸湿性が非常に低く、線膨張率も小さいため、長期間使用しても変質、変形しにくく耐久性に富むという特長を有している。
以下、実施例の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の実施例である暖房床の構造を示す斜視図、図2はその断面の模式図である。この暖房床は、床基台1上に形成された下地床2の上面に、複数の断熱パネル3が敷設され、断熱パネル3の小根太4間の凹所に、少なくとも面状ヒーターが配設され、小根太4の上面に均熱板5が、さらにその上に仕上床板6が敷設されてなるものである。
断熱パネル3は、矩形の底板7上に、その長手方向の略全長に亘って延びる小根太4が複数列所定の間隔で平行に形成されてなるものである。本実施例では、小根太4間の底板7上に、高さ調節用の断熱ボード8、面状ヒーター9、蓄熱材パネル10が順次積層されており、蓄熱材パネル10の上面は、小根太4の同じ高さになるように形成されている。断熱パネル3は、同形のパネルが複数枚、隙間が殆ど生じないように互に密接して敷設されている。敷設する範囲は、室内全面でも、暖房を要する部分のみでもよい。なお、通常下地床2は、コンパネ、パーティクルボード等の木質材や各種の断熱ボード等を単層で又は複数層積層して形成されるが、本発明においては下地床材について限定することを要しない。
図3及び4は、断熱パネルの形状の例を示す図である。図3の例では、1枚のパネルに3列のヒーターを配設しうるように3列の小根太が、図4の例では、2列のヒーターを配設しうるように2列の小根太が形成されている。いずれの場合も、断熱パネル3の一方の端面に沿って第一列目の小根太4aが形成されている。図3の場合は、幅方向各1/3の位置に中間列の小根太4b,4cが形成され、小根太4c側は隣接する断熱パネルの小根太4aとの間で、ヒーター等を配設する凹所を形成するようになっている。同様に図4では、幅方向1/2の位置に中間列の小根太が4bが形成され、4bと隣接するパネルの小根太4aとの間で凹所を形成する。なお、小根太4aの位置を断熱パネルの端面付近に限定する必要は無く、端面からやや離れた位置に設け、それに対応して小根太4b,4cの位置をずらしてもよい。
図3、図4のいずれの場合も、断熱パネル3の幅W及び長さLは、畳の規格サイズであることが好ましい。畳の規格を定めるJIS A 5902では、常備サイズとして1,910(L)×955(W),1,820×910,1,760×880の3種類を定めている。これらは、いわゆる本間、中京間、江戸間に対応するものである。本発明においては、これらのサイズのいずれであってもよいが、通常日本家屋は、上記のいずれかのサイズを1畳の単位として間取りされるから、この間取りの基準に対応するサイズを選べばよい。
このように断熱パネル3を畳の規格サイズにすることの利点の第一は、室内全体に断熱パネルを敷き詰める場合、作業がきわめて容易になることである。また、第二は、断熱パネルのハンドリングの面から、この大きさと重さが最も手頃なためである。また、1枚の断熱パネル3に面状ヒーターを3列又は2列配設しうるように小根太4を設ける理由は、これより列数が多いと、面状ヒーターの幅が過小になり相対的にヒーターのない部分の面積が増えて好ましくないためであり、これより列数が少ないと、均熱板や仕上床材を支持する小根太の間隔が大きくなり過ぎるためである。なお、暖房部分には重量のある家具等を置かないのが原則であるから、小根太の間隔が45cm程度あっても、十分な支持強度を確保することができる。
断熱パネル3の底板7の厚みtは、5〜20mmであることが好ましい。5mm未満では断熱性や遮音性が不十分になり、20mmを超えると断熱パネル全体の厚みが過大になって好ましくないためである。小根太の幅wは30〜50mmであることが好ましい。30mm未満では均熱板等を支持する面の面積が過少であり、50mmを超えるとヒーターの無い部分の面積が過大になるためである。また、小根太の高さ(底板7の上面から小根太上面までの高さ)dは5〜15mmであることが好ましい。5mm未満ではヒーター等を収容するに十分な高さを確保できず、15mmを超えると断熱パネル全体の厚みが過大になって好ましくないためである。
図5は、本実施例におけるヒーター配設部分の構成を分解して示す斜視図、図6は、蓄熱材パネルの形状寸法を示す平面図及び断面図、図7は面状ヒーターの構造を示す斜視図である。
図5に見られるように、断熱パネル3の小根太4間の凹所の底板7上に、まず小根太4の間隔と同程度の幅の断熱ボード8が敷かれ、その上に面状ヒーター9が配設され、さらにその上に小根太4の間隔と同程度の幅の蓄熱材パネル10が載置されている。断熱ボード8は、断熱とともに高さの調節を目的とするものである。すなわち断熱ボード8は、(小根太の高さd−面状ヒーターの厚み−蓄熱材パネルの厚み)に相当する厚みのものを用いる。これにより、蓄熱材パネル10の上面は小根太4の上面と同じ高さになる。そのため、蓄熱材パネル10とその上の均熱板の下面を密着させることができ、蓄熱材パネルから均熱板への熱の伝達を良くすることができる。
なお、図5の例では、長さが断熱パネル3の長辺Lと同程度の面状ヒーター9を用いている。しかし、配線の手間と加熱のデッドスペースをより少なくするためには、なるべく長尺の面状ヒーターを用いることが好ましい。この場合は、小根太の位置が一致するように、2枚の断熱パネルの短辺をつき合わせて直列に敷設し、連通する凹所に面状ヒーターを配設すればよい。2枚の断熱パネルで2倍尺までのヒーターを用いることができ、3枚以上のパネルならさらに長尺のヒーターを用いることができる。このように、長尺のヒーターを容易に使用しうることが、本発明の断熱パネルの構造上の特長の一つである。
本実施例で用いた蓄熱材パネル10は、図6に示すように、硬質樹脂の薄板を加工して作られた厚みが一定の平板状の袋体11の内部に、液状物の又はスポンジ体に液状物を吸収させた潜熱蓄熱材12を充填してなるものである。床暖房用の潜熱蓄熱材としては、硫酸ナトリウム10水和塩を主体とするものが一般に用いられるが、本発明においても、かかる潜熱蓄熱材を用いれば良い。
パネルの厚みは10mm以下であることが好ましいが、これより薄いパネルを製作することに何ら困難さはなく、本実施例では厚さ4.7mmの蓄熱材パネルを用いている。パネルの幅は、丁度小根太の間に隙間無く入るような幅にし、その長さは断熱パネル3の長さの半分にして、一列の小根太間の凹所に2枚の蓄熱材パネル10をはめ込むようにしている。このように、蓄熱材パネルの長さを1間の半分にした理由は、ハンドリングの便及び製作のし易さを考慮したためである。
本実施例で用いた面状ヒーター9は、図7に示すように、長手方向の両側縁に沿って帯状の2本の電極線13が配置され、これら電極線間に面状発熱層14が形成され、この発熱層14と電極線13を覆うように絶縁被覆15が形成されてなるものである。発熱層14は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の熱可塑性樹脂にカーボン微粉末とくにハーネスブラック等の導電性物質を均一に分散させてなるもので、正の温度係数を有する発熱体である。絶縁被覆15の材質はとくに限定を要しないが、例えばポリエチレンやポリエステル樹脂のシートを用いればよい。本実施例においては、ミサト(株)製のプラヒート(商標)を用いた。かかる面状ヒーターは厚みが一様で、2mm以下のものを容易に入手することができ、本実施例では厚み1.3mmのもの用いている。
本発明において、面状ヒーターを上記のように配設する利点は、ヒーター等を配設する作業がきわめて簡便になることである。すなわち、床面に断熱パネルを敷き詰めた後、小根太間の凹所に、断熱ボード8、面状ヒーター9及び蓄熱材パネル10を順次置いていくだけで、ヒーターの配設が完了する。ヒーターに配線した後、小根太間の上面に均熱板を載置すれば、蓄熱材パネルの上面と均熱板の下面は自ずから密着する。均熱板を小根太に固定する方法はとくに限定を要しないが、例えば釘、ネジ釘、接着剤等により固定すればよい。
従来の床暖房パネルは、発熱体を床材や均熱板の裏面に密着させて、予め取り付けておくという方式のものが多い。これはパネルの溝又は凹所に発熱体をはめ込んでから、上側に天井の床材や均熱板を張ったのでは、ヒーターと天井板の間に間隙ができて伝熱が悪くなるためである。この方式では、パネル内にヒーターを組み込む作業やヒーターの配線、配管の作業が必ずしも簡易にならない。
これに対し本発明では、高さ調節用の断熱ボードを用い、かつ厚さが一様な薄板状の面状ヒーターや蓄熱材パネルを用いることによって、蓄熱材パネルと上側の均熱板との密着性を確保することができ、上述のようにヒーター配設の作業をきわめて簡単にしうることが第一の特長である。
また、第二の特長は、図5のように配置することにより、均熱板や断熱パネルの温度変化が小さくなることである。すなわち、上側の均熱板は、蓄熱材パネル10を介して面状ヒーター9の熱を受け、下側の断熱パネル3は断熱ボード8を介して熱を受けるから、両者ともに温度変化が小さい。本発明者らの実測結果では、朝夕のヒーターのオンオフで、面状ヒーター9の表面温度は25〜30℃変化するのに対して、蓄熱材パネル10の上面や断熱ボード8の下面の温度変化は、10〜15℃程度である。床暖房の大きな課題は、熱サイクルの繰り返しにより、均熱板や床暖房パネルが変形して、仕上床板の反りや浮上りの原因になることであるから、上記のように温度変化を小さくし得ることは、床暖房設備の耐久性を高める上できわめて重要である。
本発明において、断熱パネル3は断熱性と遮音性に富むものでなければならない。また、小根太部分で均熱板5と仕上床板6を支える必要があるから、ある程度の荷重が有っても変形しないように、所定の強度とくに圧縮剛性を有するものでなければならない。さらに、安価に製作するという観点から、小根太部分と底板部分を一体に、プレス成形や押出成形等で作製し得るものであることが好ましい。
本発明者らは種々検討の結果、かかる材料として、発泡倍率が20倍程度以下の硬質発泡樹脂が好ましいことを知見した。一般に発泡樹脂の断熱性は、発泡倍率が5〜10倍程度から急激に大きくなるが、20倍程度を超えてもそれ以上は余り変化しない。これに対して、強度とくに圧縮剛性は、発泡倍率20倍程度以下で急激に大きくなる。また、プレス成形や押出成形で、発泡樹脂を断熱パネルの形状に容易に成形し得ること言うまでもない。したがって、本発明においては、断熱パネル3の材料として、発泡倍率が20倍程度以下の硬質発泡樹脂、とくに発泡倍率5〜20倍のものを用いることが好ましい。
中でも断熱パネル3の材料として好ましいのは、ポリプロピレン樹脂、10〜20重量%のポリエチレン樹脂を含むポリプロピレン樹脂又はポリウレタン樹脂からなり、その発泡倍率が5〜15倍の硬質発泡樹脂である。この発泡樹脂は、ラグビーボール状に扁平した独立気泡が整列し、気泡の長手方向が表面に対して直角な方向に並ぶため、表面からの垂直な力に対する抗力が大きい、すなわち圧縮剛性が高いという特長を有している。なお、発泡ポリスチレン樹脂は、長期間の昇降温の繰返しにより、樹脂成分の一部の分解・揮散が起こって経時劣化するので好ましくない。
また、シートの厚み方向に気泡が延びているため、断熱性や遮音性に非常に優れるという特長を有し、断熱パネル3の材料としてとくに好適である。さらにこの材料は、線膨張係数が10-5〜10-4と発泡樹脂としては小さな値であり、アルミニウムの線膨張係数よりは大きいがかなりこれに近い値である。したがって、均熱板と断熱パネルの熱膨張の差が小さく、熱サイクルを受けても、熱応力により均熱板が反ったり、変形したりすることがない。かかる材料の具体例として、例えば積水化学工業(株)の商品名ゼットロンを挙げることができる。
さらに、上記の発泡樹脂中には、樹脂に対する重量比で1〜10%の木粉が混合・分散されていることが好ましい。このように発泡樹脂中に木粉を分散させることにより、発泡体の温度が上がったときの耐変形性が増し、圧縮剛性の増加や熱膨張率の低下等の効果が得られる。また、木質調の外観が得られるため、建材として好ましい。発泡樹脂中に木粉を分散させる方法は、すでに多くの提案があるので、このような技術を利用すればよい。また、木粉添加量(樹脂に対する重量比)の下限を1%とする理由は、これ未満では木粉添加の効果が殆ど得られないためであり、上限を10%とする理由は、これを超えると発泡樹脂の成形性が悪くなり、寸法精度の良好な成形体を作るのが難しくなるためである。
床暖房設備やその上の仕上床材の耐久性という観点から、とくに重要なのは、材料の吸湿性の問題である。一般に、仕上床材には木質系の材料が多用されるが、木質系材料は吸湿性の高いものが多いため、問題となり易い。仕上床材は常時湿度の高い室内雰囲気に曝されるため、吸湿性の高い材料を用いたのでは耐久性を確保することが難しくなる。とくに、床暖房は熱サイクルの影響を受けるので、床暖房の無い場合よりも材料の吸湿性を抑える必要性が大きい。本発明者らは、吸湿性の少ない木質系の仕上床材として、木粉と合成樹脂粉末との混合物を加熱・加圧して成形した板材が好適なことを知見した。
このような材料の例として、例えば数百μmに粉砕した木材と熱可塑性樹脂との混合粉末(木材:樹脂が6:4程度)を混練し、必要に応じて顔料や添加剤を加えて加熱成型したものが挙げられる。この材料は、強度や耐候性に優れるとともに、吸水量が天然杉材の数十分の一程度で、吸湿性がほとんど無い。また、線膨張率がアルミニウムのそれに近いため、均熱板上に敷設する仕上床材として非常に好適である。この材料は、原料として廃木材や廃プラスチックを用いることができ、資源のリサイクルという観点からも意義が大きい。
また、本発明の暖房床構造においては、小根太の部分にはヒーターが無いため、均熱板により水平方向への熱の伝達を促進することが重要である。均熱板の材料としては、熱伝導度が大きく、軽量で耐食性に優れるアルミニウム板が多用されているが、輻射熱の吸収という点では、放射率の低い金属アルミニウムは不利である。また、アルミニウム板に代えて、その下面又は両面に厚み15〜150μm程度のアルミニウム被膜が形成された木質合板を均熱板として用いることもできるが、この場合も輻射熱の吸収率が低い。したがって、アルミニウムからなる均熱板又はその被膜の下面にアルミナ及び/又はチタニアを主体とする酸化物のコーティング層が形成して、輻射熱の吸収能を高めることが好ましい。
本発明者らの知見によれば、床暖房程度の温度域においても、波長5〜20μm程度の遠赤外線によるエネルギー伝達の効果は決して無視できない。このような波長域での放射率を高める物質として、アルミナ及び/又はチタニアを主体とする酸化物が好適であり、そのコーティング層を均熱板の下面に形成することにより、ヒーターからの遠赤外線の吸収能を大幅に高めることができる。とくにアルミナは、波長10μm前後の領域の遠赤外線の吸収能を高めるため、有用である。
アルミニウム板表面のコーティング層の厚みは、数〜数十μmであればよく、コーティングの方法は、溶射、蒸着、塗装等のいずれによってもよいが、コーティング層の密着性や耐久性の観点からは、溶射法によるのが好ましい。また、ヒーターからの遠赤外線の吸収のためには、均熱板の下面のみコーティングされていればよいが、均熱板から仕上床材への遠赤外域の放射伝熱を促進するためには、均熱板の上面にも上記のような酸化物のコーティング層が形成されていてもよい。なお、均熱板によりヒーターの無い小根太上面への伝熱を促進するという趣旨からは、均熱板の継目が小根太の上にくるのを避け、均熱板が小根太を跨いで配置されるようにした方がよい。
図8は、本実施例において、隣接する断熱パネルの長片間を係合する係合部の構造を示す図で、図8(a)は係合部を分解して示す斜視図、図8(b)は係合した状態の断面図である。この例では、断熱パネル3の長片側の一方の端部(小根太4aがある方の端部)下部全長に亘って張出し部16が設けられ、他方の端部の底板の下面全長に亘って切欠き部17が設けられている。張出し部16には、凹部18aと凸部19aが形成され、切欠き部17にも凹部18bと凸部19bが形成されている。凸部18aは凹部19bにほぼ隙間無く嵌合し、凸部18bは凹部19aにほぼ隙間無く嵌合するようになっている。
したがって、一の断熱パネルの張出し部16の上に、隣接する断熱パネルの切欠き部17が嵌合するように載置すれば、両パネル相互の長片間の離間を防止することができる。かかる構成をとることにより、断熱パネルを隙間無く敷き詰める作業が容易になるとともに、熱膨張と収縮の繰り返しによって、断熱パネル間に隙間が生じるのを防止することができる。なお、この例では、張出し部16と切欠き部17は、断熱パネル3の長片の全長に亘って形成されているが、部分的に形成されていても差し支えない。
図9は、本発明で用いる断熱パネルの短片側端部の構造の例を示す斜視図である。この例では、図に見られるように、断熱パネル3の短片側の一方の端面全面に軟質発泡樹脂シートを貼付して形成されたクッション層20が形成されている。このクッション層は、断熱パネルの長片側への熱膨張を吸収するためのものであるから、断熱パネルの短片同士が突き合わされている箇所では、いずれか一方の短片にのみ形成されていればよい。また、このクッション層20の厚みは、1〜5mmあれば十分である。
本発明の暖房床の施工方法は、上述した暖房床構造のいずれかを形成するための施工方法であって、下地床面形成工程、断熱パネル敷設工程、ヒーター配設工程、ヒーター配線工程及び仕上床板敷設工程を具備することを特徴とする。上記の各工程は、上述した暖房床構造を実現できるものであればよく、それ以上格別に限定することを要しないが、以下各工程について若干の説明を付加する。
本発明においては、下地床面の構造、床材の種類やその施工方法等を限定する必要はなく、断熱パネルを敷設しうる平坦かつ水平な下地床面が形成されればよい。通常は、コンクリートスラブ上に土台柱を立て、又は根太を配置し、その上に木質板や断熱ボードを複数層張り渡して、下地床面が形成される。したがって、下地床面の下側にはある程度の空間が設けられて、これが断熱と遮音に寄与する。
断熱パネルの敷設は、室内床面全面になされる場合と壁付近を除いた中央部のみなされる場合がある。中央部のみ敷設する場合は、断熱パネルのない部分はこれと厚さ(断熱パネルの底板の厚み+小根太の高さ)の同じ木質材や断熱ボード等を敷設すればよい。室内床面全面に敷設する場合は、非暖房部の小根太間の凹所には、小根太の高さと同じ厚みの木質材や断熱ボード等を敷設すればよい。なお、断熱パネルの構造、寸法、材質等については既に述べたとおりで、断熱パネルを下地床面上に配列し、必要に応じて釘、ネジ釘、接着剤等により下地床面に固定すればよい。
ヒーターの配設工程は、断熱パネルの小根太間の凹所に少なくとも面状ヒーターを配設するものであるが、好ましくは面状ヒーターの上側に蓄熱材パネルを、下側に高さ調節用の断熱ボートを配設する。蓄熱材パネルを面状ヒーターの下側にも配置しても差し支えない。蓄熱材パネルや断熱ボードの幅を小根太間の凹所の幅と同じにし、この間にピッタリと収まるようにすることが好ましい。また、面状ヒーターの幅も、なるべく小根太間の凹所の幅に近いことが好ましい。
面状ヒーター、蓄熱材パネル、断熱ボート等の配設は、断熱パネルを室内の所定の位置に敷設した後に行なえばよいが、敷設現地以外の場所でこれらを予め取り付けた断熱パネルを搬入すれば、ヒーターの配設に要する時間はさらに短くなる。また、これらの配設は、単に断熱パネルの小根太間に載置するだけでも十分であるが、必要に応じて、接着剤や両面テープ等を用いて部分的に固定してもよい。
配線工程は、通常は室内にコントローラを設置し、これから各ヒーターに配線される。必要に応じて、仕上床面の下に配線溝や配線カバー等を設けて配線すればよく、配線方法等についてとくに限定を要しない。
2倍尺のヒーターを用い、敷設現地以外の場所で予めヒーター等の配設を行う場合は、以下のような方法によればよい。すなわち、2枚の断熱パネルを直列につき合わせて、面状ヒーター等を予め配設し、これらを仮止めした後、つき合わせた短辺面を中心に2枚のパネルを折り返して重ね合わせることができる。本実施例で用いたような面状ヒーターは自在に折り曲げが可能なためである。このようにして、予めヒーター等を配設し、小根太上面が接するように重ね合わせた2枚のパネルを現地に搬入して、所定の場所に置き、上側のパネルを開くように反転させれば、長尺のヒーターを取り付けたまま、2枚のパネルを直列に敷設することができる。
仕上床板敷設工程は、まず均熱板を敷設し、ついで仕上床板を敷設する。均熱板の敷設は、先に述べたように、均熱板の継目が小根太の上にくるのを避け、均熱板が小根太を跨いで配置されるようにすることが好ましい。均熱板を小根太上面に固定する方法は、釘、ネジ釘、接着剤等のいずれでもよいが、ネジ釘止めする方法が一般的である。この場合、予め均熱板の所定の位置に釘孔を設け、小根太上面の所定の位置にも下孔を設けておけばよい。また、均熱板の上面に仕上床板を敷設する工程は、従来の方法に従えばよく、とくに言及すべき事項はない。
なお、本発明の暖房床構造は、すでに下地床面が形成されていることを前提として、断熱パネルを用いてヒーターの配設を行なうものである。しかし、新たに下地床面を形成するような場合には、上述のような断熱パネルの下面に同じ大きさの下地床材(例えばパーティクルボード等)を予め接着した断熱パネル、又は下地床材を含む厚みに断熱パネルの底面を厚くした断熱パネルを用いて、これを土台柱や根太の上に直接敷設することもできる。かかる方法によれば、下地床面形成工程を省略することができ、床暖房の施工工程をさらに簡略にすることができる。
本発明の実施例である暖房床の構造を示す斜視図である。 本発明の実施例である暖房床の構造を示す断面模式図である。 本発明で用いられる断熱パネルの形状の一例を示す図である。 本発明で用いられる断熱パネルの形状の他の例を示す図である。 本実施例におけるヒーター配設部分の構成を分解して示す斜視図である。 本実施例で用いた蓄熱材パネルの形状寸法を示す平面図及び断面図である。 本実施例で用いた面状ヒーターの構造を示す斜視図である。 本実施例における断熱パネルの長片間を係合する係合部の構造を示す図である。 本発明で用いる断熱パネルの短片側端部の構造の例を示す斜視図である。
符号の説明
1:床基台
2:下地床
3:断熱パネル
4,4a,4b,4c:小根太
5:均熱板
6:仕上床材
7:底板
8:断熱ボード
9:面状ヒーター
10:蓄熱材パネル
11:袋体
12:潜熱蓄熱材
13:電極線
14:面状発熱層
15:絶縁被覆
16:張出し部
17:切欠き部
18a,18b:凸部
19a,19b:凹部
20:クッション層

Claims (13)

  1. 断熱性と遮音性に富みかつ所定の圧縮剛性を有する材料からなり、矩形の底板上にその長手方向の略全長に亘って延びる小根太が複数列所定の間隔で平行に形成された断熱パネルを、室内下地床面の全部又は暖房部上に隙間無く敷設し、暖房部の該断熱パネルの前記小根太間の凹所の底板上に、必要に応じて高さ調節用の断熱ボードを介して、面状ヒーター又は該面状ヒーターと蓄熱材パネルを配設し、前記小根太上面に均熱板を介して仕上床板を敷設してなる暖房床構造。
  2. 前記断熱パネルが畳の規格サイズであり、一枚の該パネルに同幅の前記面状ヒーターを2列又は3列に配設しうるように前記小根太が形成され、かつ前記底板の厚みが5〜20mm、前記小根太の高さが5〜15mm、幅が30〜50mmである請求項1記載の暖房床構造。
  3. 前記面状ヒーターが面状発熱層を有する電熱式ヒーターであり、前記蓄熱材パネルが厚み10mm以下の平板状の袋体内部に潜熱蓄熱材を充填してなるものであり、前記小根太間の凹所の底板上に高さ調節用の断熱ボードを配し、その上に前記面状ヒーターを配し、さらにその上に前記蓄熱材パネルを配設してなることを特徴とする請求項1又は2記載の暖房床構造。
  4. 前記断熱パネルが発泡倍率20倍以下の硬質発泡樹脂からなり、前記底板と前記小根太が一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の暖房床構造。
  5. 前記硬質発泡樹脂が、ポリプロピレン樹脂、10〜20重量%のポリエチレン樹脂を含むポリプロピレン樹脂又はポリウレタン樹脂からなり、その発泡倍率が5〜15倍である請求項4記載の暖房床構造。
  6. 前記発泡樹脂中に、樹脂に対する重量比で1〜10%の木粉が混合・分散されてなることを特徴とする請求項4又は5記載の暖房床構造。
  7. 前記断熱パネルが、木粉又はこれと合成樹脂粉末との混合物を加熱・加圧して、前記底板と前記小根太を一体に成形した成形体からなり、かつ該断熱パネルの幅がおおよそ610mm、長さがおおよそ1,820mmであることを特徴とする請求項1記載の暖房床構造。
  8. 前記仕上床板が、木粉と合成樹脂粉末との混合物を加熱・加圧して形成した成形体からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の暖房床構造。
  9. 前記均熱板がアルミニウム板又はその下面又は両面に厚み15〜150μmのアルミニウム被膜が形成された合板からなり、少なくともその下面にアルミナ及び/又はチタニアを主体とする酸化物のコーティング層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の暖房床構造。
  10. 前記断熱パネルの長片側の側面に係合部が形成され、該係合部が隣接する断熱パネルの対応する係合部と係合して、隣接する断熱パネル相互の長片間の離間を防止するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の暖房床構造。
  11. 前記断熱パネルの短片側の側面の一方又は双方に、熱膨張を吸収するためのクッション層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の暖房床構造。
  12. 前記クッション層が、厚み1〜5mmの軟質発泡樹脂シートを貼付して形成されたものである請求項11記載の暖房床構造。
  13. 床の土台又は根太上に下地床材を敷設する下地床面形成工程と、
    断熱性と遮音性に富みかつ所定の圧縮剛性を有する材料からなり、矩形の底板上にその長手方向の略全長に亘って延びる小根太が複数本所定の間隔で平行に形成された畳の規格サイズの断熱パネルを前記下地床面上の全部又は暖房部に隙間無く敷設する断熱パネル敷設工程と、暖房部の該断熱パネルの前記小根太間の凹所の底板上に、必要に応じて高さ調節用の断熱ボードを配し、その上に電熱式面状ヒーター又は該面状ヒーターと蓄熱材パネルを配設するヒーター配設工程と、
    前記面状ヒーターの端子を電源に接続するヒーター配線工程と、
    前記小根太上面に均熱板を配し、さらにその上に仕上床板を敷設する仕上床板敷設工程とを具備することを特徴とする暖房床の施工方法。
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