JP2005220356A - 半導体用接着フィルム、およびこれを用いた半導体用接着フィルム付きリードフレームならびに半導体装置 - Google Patents

半導体用接着フィルム、およびこれを用いた半導体用接着フィルム付きリードフレームならびに半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体装置においてリードフレームと半導体素子との低温接着が可能であって温度サイクル性も良好な半導体用接着フィルムを提供する。
【解決手段】 支持フィルムと、前記支持フィルムの両面に形成された接着剤層とからなる半導体用接着フィルムにおいて、前記接着剤層がガラス転移温度200℃以下、線膨張係数70ppm以下、貯蔵弾性率3GPa以下の接着剤からなり、かつ、接着フィルム全体の厚さが43〜57μmであるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体用接着フィルム、および、これを用いた半導体用接着フィルム付きリードフレームならびに半導体装置に関する。
近年、半導体チップは高機能大容量化によって大型化する一方、それを収納するパッケージの大きさに関しては、プリント回路設計上の制約、電子機器小型化の要求などから、小さな外形が要求されている。この傾向に対応して、半導体チップの高密度化と高密度実装に対応した新しい実装方式がいくつか提案されている。なかでも、メモリー素子に提案されている、チップの上にリードを接着するリード・オン・チップ(LOC)構造によると、チップ内配線やワイヤーボンディングの合理化、配線短縮による信号高速化、および、パッケージサイズの小型化を図ることができる。
この新しい実装形態では、半導体チップとリードフレームのような異種材料との接着界面が存在し、その接着信頼性が半導体パッケージの信頼性に非常に大きな影響を与える。パッケージ組立作業時の工程温度に耐える信頼性、接着作業性は勿論のこと、半導体パッケージ信頼性の指標のひとつである温度サイクル性試験において、半導体チップとリードフレームとを接続するワイヤーの断線が起きないということも、重要な項目である。
従来、これらの接着には、ペースト状の接着剤や、耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてきた。その方法の一つとして、ポリイミド樹脂を用いたホットメルト型の接着剤フィルムが挙げられる(特許文献1〜3参照)。
特開平5−105850号公報 特開平5−112760号公報 特開平5−112761号公報
しかしながら、ホットメルト型の接着剤は、接着剤樹脂のガラス転移温度が高いために接着に要する温度が非常に高くなり、近年さらに高密度化した半導体チップや銅製リードフレームのような被着材に熱損傷を与える恐れが大きい。
一方、半導体パッケージの温度サイクル性を満足するために求められる接着フィルムの特性としては、半導体チップやリードフレームの線膨張係数に近づくように線膨張係数が低く、温度サイクルによって発生する応力を緩和するために低貯蔵弾性率であることが必要である。しかし、貯蔵弾性率が低すぎると半導体パッケージ製造工程のワイヤーボンド時に半導体チップとリードフレームの接合ができなくなるといった問題がある。
半導体の集積度が増すにつれ、信号処理の高速化のため、リードフレームの材質が42アロイから銅へ変わってきている。テープ貼付およびチップ貼付時の熱による銅の酸化、また、銅とチップの熱膨張係数の差による熱ストレスを改善するため、低温接着性および温度サイクル性が求められている。
そこで、本発明は、半導体装置においてリードフレームと半導体素子との低温接着が可能であって温度サイクル性も良好な半導体用接着フィルム、および、半導体素子との低温接着が可能で、信頼性の高い半導体装置を提供できる接着フィルム付きリードフレーム、ならびに、低温接着が可能で温度サイクル性も良好な接着フィルムにより接着されてなる、信頼性に優れた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、低温接着性と半導体装置の温度サイクル性を両立できる半導体用接着フィルムの開発を進めた結果、特定の特性を持った接着剤を用い、その接着剤を支持フィルムの両面に有する接着フィルムの全体の厚みを特定の範囲に規定することで前記問題を解決できることを見出した。
そこで、本発明の第一の側面によれば、支持フィルムと、前記支持フィルムの両面に形成された接着剤層とからなる半導体用接着フィルムであって、前記接着剤層がガラス転移温度200℃以下、線膨張係数70ppm以下、貯蔵弾性率3GPa以下の接着剤からなり、かつ、接着フィルム全体の厚さが43〜57μmである半導体用接着フィルムが提供される。
本発明の第二の側面によれば、リードフレームと、前記リードフレームに接着された上記本発明に係る半導体用接着フィルムとを含む半導体用接着フィルム付きリードフレームが提供される。
本発明の第三の側面によれば、リードフレームと半導体素子とを含む半導体装置であって、前記リードフレームと前記半導体素子とが上記本発明に係る半導体用接着フィルムを介して互いに接着されている半導体装置が提供される。
本発明の半導体用接着フィルムは低温接着が可能で、特に銅製リードフレームを用いた接着フィルム付きリードフレームの製造に有用である。また、この接着フィルム付きリードフレームを用いて製造された半導体装置は、温度サイクル性に優れ、高い信頼性を有する。
本発明に係る半導体用接着フィルム(以下、単に「接着フィルム」と記す。)は、支持フィルムと、この支持フィルムの両面に形成された接着剤層とからなる三層構造の両面接着フィルムであり、接着フィルム全体の厚さは43〜57μmである。この接着フィルムの接着剤層は、ガラス転移温度(以下、「Tg」と記す。)200℃以下、線膨張係数70ppm以下、貯蔵弾性率3GPa以下という特性を有する接着剤からなる。
接着剤のTgは、低温接着性の観点から200℃以下であり、190℃以下であることが好ましく、一方、耐リフロークラック性等のパッケージ信頼性の観点から、120℃以上であることが好ましく、160〜185℃であることが一層好ましい。接着剤の線膨張係数は、温度サイクル性(熱サイクル性)の観点から70ppm以下であり、低温接着性の観点から30ppm以上であることが好ましく、50〜68ppmであることが一層好ましい。接着剤の貯蔵弾性率は、温度サイクル性の観点から3GPa以下であり、1〜2.8GPaであることが好ましく、1.5〜2.5GPaであることが一層好ましい。貯蔵弾性率が低すぎると、接着剤が柔らかくなってワイヤーボンド性に悪影響を及ぼし、線膨張係数も大きくなって温度サイクル性に影響する恐れがある。
さらに、得られる半導体装置の耐リフロークラック性の観点から、接着剤のはみ出し長さは2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが一層好ましい。ここで、はみ出し長さとは、厚さ25μmの支持フィルムの両面に厚さ12.5μmの接着剤層が形成されてなる全体の厚さ50μm、面積19×50mmの三層構造の接着フィルムサンプルを350℃、3MPa、1分の条件で加熱圧着した際に前記接着フィルムサンプルの長辺から直角方向にはみ出た接着剤の長さを長辺方向の中央部で測定した値である。接着剤のはみ出し長さを上記のものとすることにより、Tgが低い場合でも、パッケージの重要な特性である耐リフロークラック性を良好に保つことができる。
上記のような特性を有する接着剤としては、ポリイミド樹脂またはポリアミド樹脂等に代表される、耐熱性の熱可塑性樹脂の1種以上を主成分として含む接着剤(接着剤組成物)を用いることが好ましい。ここで、ポリイミド樹脂とは、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のイミド基を有する樹脂を意味し、ポリアミド酸の熱または化学閉環によって得られるものである。接着力の観点からは、アミド基を含む樹脂を用いることが好ましい。ここで、アミド基とは、イミド閉環後も残存しているアミド基であり、イミド前駆体であるアミド酸中のアミド基は含まない。このアミド基は、イミド基およびアミド基(イミド閉環後も残存しているアミド基)の合計量に対し、接着力の観点から10モル%以上であることが好ましく、吸水率の観点から90モル%以下であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、30〜50モル%であることが一層好ましい。
好ましい実施形態において、接着剤に含まれる樹脂は、基本的に、ジアミン(A)および/またはジイソシアネート(A’)と酸無水物(B)および/またはジカルボン酸またはそのアミド形成性誘導体(C)から合成され、上記所定の各種特性、すなわち、Tg、線膨張係数および貯蔵弾性率が所定の値となるように、さらには、好ましくは上記した接着剤のはみ出し長さが所定の値となるよう、これらの反応成分の組合せ、その反応比、反応条件、分子量、接着剤への添加剤の有無とその種類、エポキシ樹脂等の添加樹脂などの調整を行う。
上記ジアミン(A)としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メタトルイレンジアミン等のアリーレンジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等のジアミノジフェニル誘導体;1,4−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン(BAP)、1,3−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(m−APPS)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、および、下記一般式(1)で表されるジアミン、下記一般式(2)で表されるシロキサンジアミン等が挙げられる。これらのジアミンは単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。
一般式(1):
Figure 2005220356
(式中、YおよびY’はアミノ基を示し、R、R、R、Rはそれぞれ独立に水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基またはアルコキシ基であって、これらのうち少なくとも2個以上はアルキル基またはアルコキシ基であり、Xは−CH−、−C(CH−、−O−、−SO−、−CO−または−NHCO−で表される基である。)
一般式(2):
Figure 2005220356
(式中、RおよびRはそれぞれ独立に2価の有機基であり、RおよびRはそれぞれ独立に1価の有機基であり、nは1〜100の整数である。)
上記一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ−n−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジイソプロピル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジn−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリ−n−プロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−エチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−イソプロピル−3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ−n−プロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルベンズアニリド等が挙げられる。
上記一般式(2)中のRおよびRとしては、それぞれ独立にトリメチレン基、テトラメチレン基、フェニレン基、トルイレン基等が好ましく用いられ、RおよびRとしてはそれぞれ独立にメチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく用いられ、複数個のRと複数個のRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(2)のシロキサンジアミンにおいて、RおよびRがどちらもトリメチレン基であり、RおよびRがどちらもメチル基である場合に、mが1のもの、平均10前後のもの、平均20前後のもの、平均30前後のもの、平均50前後のもの、および平均100前後のものが、それぞれ順に、LP−7100、X−22−161AS,X−22−161A、X−22−161B、X−22−161CおよびX−22−161E(いずれも信越化学工業(株)商品名)として市販されている。
上記ジイソシアネート(A’)としては、上記に例示したジアミンにおいて、アミノ基をイソシアネート基に換えたものを好ましく用いることができ、これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。
上記酸無水物(B)としては、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、3, 3’, 4, 4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3, 3’, 4, 4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2, 2−ビスフタル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン二無水物、ビス(3, 4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3, 4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(EBTA)、デカメチレングリコールビストリメリテート二無水物(DBTA)、ビスフェノールAビストリメリテート二無水物(BABT)、2,2−ビス[4−(3、4−ジカルボキシフェニルベンゾイルオキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェニルビストリメリテート二無水物、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水ナジック酸、無水アリルナジック酸、無水メチルナジック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。
上記ジカルボン酸またはそのアミド形成性誘導体(C)としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルカルボン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸等が挙げられ、これらのジカルボン酸のアミド形成性誘導体としては、これらのジカルボン酸のジクロリド、ジアルキルエステル等が挙げられる。また、ジアミン(A)、ジカルボン酸(C)の一部をアミノ安息香酸等のアミノカルボン酸で置き換えてもよい。これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。
ジアミン(A)として、より好ましくは、アルキレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メタトルイレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノクミル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(m−APPS)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2ービス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピルジフェニルメタン、さらに、LP−7100、X−22−161AS,X−22−161Aの商品名で市販されている上記一般式(2)のシロキサンジアミンが使用される。
酸無水物(B)として、より好ましくは、無水トリメリット酸、3, 3’, 4, 4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2, 2−ビスフタル酸ヘキサフルオロイソプロピリデン二無水物、ビス(3, 4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3, 4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(EBTA)、デカメチレングリコールビストリメリテート二無水物(DBTA)、ビスフェノールAビストリメリテート二無水物(BABT),4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェニルビストリメリテート二無水物、無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水アリルナジック酸が用いられる。
接着フィルムに用いられる接着剤は、支持フィルムとの密着性を向上させるために、カップリング剤を含んでいてもよい。カップリング剤としては、たとえば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラン等のシランカップリング剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等のチタネート系カップリング剤;およびアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤等を好ましく使用することができる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いられる。カップリング剤の添加量は、接着剤中の耐熱熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部であることが好ましく、2〜10重量部であることがより好ましい。添加量が20重量部を超えると、耐熱性およびリードフレームや半導体素子との接着性が低下する傾向がみられる。
さらに接着剤は、エポキシ樹脂およびその硬化剤、硬化促進剤、ならびに、セラミック粉、ガラス粉、銀粉、銅粉などのフィラーを含んでいてもよい。このエポキシ樹脂としては、1分子当たり平均で2個以上のエポキシ基を有していればよく、特に制限はないが、たとえば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリグリシジルエステル、多塩基酸のポリグリシジルエステル、脂環式エポキシ樹脂、ヒダントイン系エポキシ樹脂等を挙げることができる。
図1にその一実施形態を示すように、本発明の接着フィルム3は、支持フィルム1の両面に接着剤層2,2を有する三層構造である。その総厚み(接着フィルム3全体の厚さ)は、リードフレームや半導体素子との接着性の観点から43μm以上であり、温度サイクル性の観点から57μm以下であり、より好ましくは45〜55μm、さらに好ましくは47〜53μmである。接着剤層の厚さは、接着性、生産性の観点から1μm以上であることが好ましく、温度サイクル性の観点から30μm以下であることが好ましく、10〜15μmであることがさらに好ましい。
支持フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート等の絶縁性耐熱性樹脂フィルムが好ましく用いられる。支持フィルムの厚さは、特に限定するものではないが、通常は5〜50μmであることが好ましく、20〜30μmであることがさらに好ましい。支持フィルムのTgは、本発明で用いられる接着剤のTgより高いものが使用されることが好ましく、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることが一層好ましい。支持フィルムの吸水率は、3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましい。
好ましい実施形態において用いられる支持フィルムは、Tgが250℃以上、吸水率が2重量%以下、熱膨張係数が3×10−5/℃以下という物性を備えた絶縁性耐熱性樹脂フィルムであり、以上の点から、ポリイミドフィルムであることが特に好ましい。
支持フィルムは、表面を処理して用いることが望ましい。これは、支持フィルムと接着剤層の接着力を高め、支持フィルムと接着剤層間のはく離を防ぐためである。支持フィルムの表面処理方法としては、アルカリ処理、シランカップリング処理等の化学処理、サンドマット処理等の物理的処理、プラズマ処理、コロナ処理等のいずれの処理も使用可能である。接着剤の種類に応じて最も適した処理を用いればよいが、本発明においては、化学処理またはプラズマ処理が特に適している。
支持フィルム上に接着剤層を形成する方法としては、特に制限はないが、接着剤を有機溶媒に溶解し接着剤ワニスとし、これを支持フィルムの両面に塗布することにより、好ましく行うことができる。ここで用いられる有機溶媒は、上記接着剤成分を均一に溶解または混練できるものであれば特に制限はなく、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらは複数種を混合して用いてもよい。塗工方法は、特に制限はないが、たとえば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、バーコート、コンマコート等が挙げられる。また、接着剤ワニス中に支持フィルムを通して塗工してもよいが、厚みの制御が困難となる場合がある。
接着剤ワニスを支持フィルム上に塗工した後、加熱処理して溶剤の除去およびイミド化を行うことで、三層構造の接着フィルムが製造できる。加熱処理する場合の処理温度は、溶剤が除去できる温度であればよい。塗布と乾燥は、片面ずつ行ってもよいし、両面を同時に行ってもよい。
次に、本発明に係る半導体用接着フィルム付きリードフレームは、リードフレームと、このリードフレームに接着された上記本発明に係る接着フィルムとを含むものである。本発明の接着フィルムを用いることにより、半導体素子との低温接着が可能で、信頼性に優れた接着フィルム付きのリードフレームを、作業性、歩留まりよく簡便に製造することができる。本発明の接着フィルムは、低温での接着が可能であるため、特に、酸化されやすい銅製リードフレームを用いた接着フィルム付きリードフレームの製造に有用である。
接着フィルム付きリードフレームは、たとえば、本発明の接着フィルムを所定の大きさに切断し、得られたフィルム片をリードフレームに接着する方法により製造できる。接着フィルムの切断方法は、フィルムを所定の形状に正確に切断できる方法であればいずれの方法でもよいが、作業性を考えると、打ち抜き金型を用いて接着フィルムを切断し、打ち抜かれたフィルム片をそのままリードフレームの所定位置に接着することが好ましい。この時の接着温度は、通常、接着力の観点から150℃以上であることが好ましく、接着剤層の熱劣化やリードフレームの酸化の観点から300℃以下であることが好ましく、より好ましくは200〜250℃とする。接着圧力は、通常、0.1〜20MPaであることが好ましく、0.3〜10MPaであることがより好ましい。接着圧力が0.1MPa未満では、十分な接着力を得ることができないことがあり、20MPaを超えると、接着剤が所定の位置を越えてはみ出し、寸法精度が悪くなることがある。加圧時間は、前記接着温度、接着圧力で接着できる時間であればよいが、作業性を考えると0.3〜60秒であることが好ましく、0.5〜10秒であることがさらに好ましい。
本発明に係る半導体装置は、リードフレームと半導体素子とを含み、リードフレームと半導体素子とが上記本発明に係る接着フィルムを介して互いに接着されたものである。本発明の接着フィルムを用いることにより、信頼性に優れた半導体装置を作業性、歩留まりよく簡便に製造することができる。
たとえば、上記のようにして作製した接着フィルム付きリードフレームを用いて、図2に示すような半導体装置を、以下のようにして製造することができる。まず、接着フィルム3が貼り付けられたリードフレーム5(接着フィルム3付きリードフレーム5)の、リードフレーム5が接着されていないもう片面の接着剤層に半導体素子4を接着した後、必要に応じ接着フィルム3の硬化処理を行う。次に、金線等からなるボンディングワイヤ7を用いて、リードフレーム5と半導体素子4を接合する。最後に、エポキシ樹脂等の封止材6でトランスファ成形して封止することにより、LOC構造の半導体パッケージを製造することができる。図には示していないが、バスバーリードを備えたリードフレームを用いるようにしてもよい。
半導体チップ4の接着温度としては、接着力の観点から150℃以上であることが好ましく、接着剤層の熱劣化およびリードフレームの酸化の観点から300℃以下であることが好ましく、200〜250℃であることがより好ましい。接着圧力は、通常、0.1〜20MPaとすることが好ましく、0.3〜10MPaとすることがより好ましい。接着圧力が0.1MPa未満では、十分な接着力が得られない場合があり、20MPaを超えると、接着剤が所定の位置を越えてはみ出し、寸法精度が悪くなることがあり、また、半導体チップが破壊する恐れが生じる場合もある。加圧時間は、前記接着温度、接着圧力で接着できる時間であればよいが、作業性を考えると0.3〜60秒であることが好ましく、0.5〜10秒であることがさらに好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
1.接着剤ワニスの製造
(1)ポリアミドイミドAの接着剤ワニスA
温度計、撹拌機、窒素導入管および分留塔をとりつけた5リットルの4つ口フラスコに、窒素下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン205.0g(0.5モル)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と記す。)1200gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この温度で、トリメリット酸モノクロライド105.3g(0.5モル)を、温度が−5℃を越えないようにして添加した。トリメリット酸モノクロライドが溶解したら、トリエチルアミン76gを、温度が5℃を越えないようにして添加した。室温で1時間撹拌を続けた後、180℃で9時間反応させて、イミド化を完結させた。得られた反応液をメタノール中に投入して、重合体を単離させた。これを乾燥した後、ジメチルホルムアミドに溶解し、メタノール中に投入して再度重合体を単離した。その後、減圧乾燥して精製されたポリアミドイミドAの粉末を得た。得られたポリアミドイミドAの粉末60gをNMP200gに溶解して、接着剤ワニスAを得た。
(2)ポリアミドイミドBの接着剤ワニスB
温度計、撹拌機、窒素導入管および分留塔をとりつけた5リットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン143.5g(0.35モル)、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン37.2g(0.15モル)を入れ、NMP1200gに溶解した。この溶液を用いて、上記(1)のポリアミドイミドAの製造と同様に反応させて、ポリアミドイミドBの粉末を得、この粉末60gをNMP200gに溶解して接着剤ワニスBを得た。
(3)ポリアミドイミドCの接着剤ワニスC
温度計、撹拌機、窒素導入管および分留塔をとりつけた5リットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン123.0g(0.3モル)、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン49.6g(0.2モル)を入れ、NMP1200gに溶解した。この溶液を用いて、上記(1)のポリアミドイミドAの製造と同様に反応させて、ポリアミドイミドCの粉末を得、この粉末60gをNMP200gに溶解して接着剤ワニスCを得た。
(4)ポリアミドイミドDの接着剤ワニスD
温度計、撹拌機、窒素導入管および分留塔をとりつけた5リットルの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン61.5g(0.15モル)、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン86.8g(0.35モル)を入れ、NMP1200gに溶解した。この溶液を用いて、上記(1)のポリアミドイミドAの製造と同様に反応させて、ポリアミドイミドDの粉末を得、この粉末60gをNMP200gに溶解して接着剤ワニスDを得た。
(5)接着剤ワニスE
上記ポリアミドイミドAの接着剤ワニスA85重量部にシリコーンゴムフィラー(東レ・ダウコーニング社製トレフィルE−601)15重量部を添加して、接着剤ワニスEを作製した。
(6)接着剤ワニスF
上記ポリアミドイミドBの接着剤ワニスB80重量部にシリカフィラー(龍森社製アドマファインSO−25R)20重量部を添加して、接着剤ワニスFを作製した。
上記得られた接着剤ワニスA〜Fのそれぞれを、ガラス板上に90μmの厚さに流延し、100℃で10分間乾燥後、ガラス板から引き剥がし、鉄枠に固定し、200℃で10分、300℃で10分乾燥して、厚さ25μmの接着剤フィルム(接着剤層)を得た。得られた各フィルムのTg、線膨張係数、貯蔵弾性率を、それぞれ、以下のようにして測定した。得られた結果を、表1に示す。
[Tg]
セイコー電子工業(株)製TMA120を用い、ペネトレーション法により、昇温速度10℃/分、引張加重10gの条件で測定した。
[線膨張係数]
セイコー電子工業(株)製TMA120を用い、昇温速度10℃/分、引張加重10g、温度範囲80〜120℃の条件で測定した。
[貯蔵弾性率]
(株)レオロジ製DVEレオスペクトラーを用い、周波数10Hz、振幅10μm、引張加重は自動制御の条件で測定した。
Figure 2005220356
2.接着フィルムの製造
上記により製造した接着剤ワニスA〜Fを用いて、以下のようにして接着フィルムを作製した。
[実施例1]
支持フィルムとして、カップリング剤による化学処理によって表面処理を施した厚さ25μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製 商品名:ユーピレックスSGA、吸水率1.3%、熱膨張係数1×10−5/℃)を用い、この支持フィルム上に、ポリアミドイミドBの接着剤ワニスBを塗布し、100℃で10分間、300℃で10分間乾燥して、厚さ12.5μmの接着剤層を両面に有する図1の構成の接着フィルムを得た。
[実施例2]
支持フィルムとして、プラズマ処理によって表面処理を施した厚さ25μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製 商品名:ユーピレックスSPA、吸水率1.3%、熱膨張係数1×10−5/℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを作製した。
[実施例3]
ポリアミドイミドCの接着剤ワニスCを使用する以外は、実施例1と同様にして、接着フィルムを作製した。
[実施例4]
ポリアミドイミドCの接着剤ワニスCを使用する以外は、実施例2と同様にして、接着フィルムを作製した。
[比較例1]
ポリアミドイミドBの接着剤ワニスBを用いて乾燥後の厚さが20μmの接着剤層を形成するように塗布する以外は、実施例2と同様にして、厚さ20μmの接着剤層を両面に有する接着フィルムを得た。
[比較例2]
ポリアミドイミドBの接着剤ワニスBを用いて乾燥後の厚さが5μmの接着剤層を形成するように塗布する以外は、実施例2と同様にして、厚さ5μmの接着剤層を両面に有する接着フィルムを得た。
[比較例3]
ポリアミドイミドAの接着剤ワニスAを使用する以外は、実施例2と同様にして、接着フィルムを作製した。
[比較例4]
ポリアミドイミドDの接着剤ワニスDを使用する以外は、実施例2と同様にして、接着フィルムを作製した。
[比較例5]
接着剤ワニスEを使用する以外は、実施例2と同様にして、接着フィルムを作製した。
[比較例6]
接着剤ワニスFを使用する以外は、実施例2と同様にして、接着フィルムを作製した。
各実施例・比較例の接着フィルムの総厚みと接着剤のはみ出し長さ、ならびに、低温接着性と温度サイクル性の評価結果を表2にまとめて示す。各特性の測定方法と評価方法は、以下のとおりである。
[接着剤のはみ出し長さ]
実施例1〜4および比較例3〜6の各接着フィルムについて、各フィルムを面積19×50mmに切断して測定サンプルとし、これを350℃、3MPa、1分の条件で加熱圧着してサンプルの長辺から直角方向にはみ出た接着剤の長さを長辺方向の中央部で測定し、はみ出し長さとした。
[低温接着性]
得られた接着フィルムを打ち抜き金型を用いて短冊状に打ち抜き、厚さ0.15mmの銅合金製リードフレームの上に、0.2mm間隔、0.2mm幅のインナーリードが当たるように乗せて、280℃、3MPaで3秒間加圧して圧着し、接着フィルム付きリードフレームを作製した。この接着フィルム付きリードフレームを2mの高さから地面に落下させた時の接着フィルム片の脱落の有無により、低温接着性を評価した。脱落の無いものを良好、有るものを不良とした。
[温度サイクル性]
上記低温接着性評価で作製したと同じ接着フィルム付きリードフレームを用い、その接着剤層面に半導体素子を280℃、3MPaで3秒間加圧して圧着した。その後、リードフレームと半導体素子を金線でワイヤボンドし、ビフェニル系エポキシ樹脂成形材料(日立化成工業(株)製 商品名:CEL−9200)でトランスファ成形により封止し、175℃で6時間硬化させ、図2に示すような半導体装置を作製した。
得られた半導体装置を、−65℃にて30分間放置後175℃にて30分間放置する工程を1サイクルとして1000サイクル処理した後に、半導体素子とリードフレームを接合している金線の断線の有無を観察した。断線の無いものを良好、有るものを不良とした。
Figure 2005220356
表1および表2に示されているように、実施例1〜4の接着フィルムはいずれも、本発明で規定した諸特性を満たしており、これらは低温接着性、温度サイクル性が共に良好であった。これに対し、比較例1の接着フィルムは、その総厚みが本発明で規定した値よりも厚く、温度サイクル性に劣っていた。比較例2の接着フィルムは、その総厚みが本発明で規定した値よりも薄く、低温接着性および温度サイクル性に劣っていた。比較例3の接着フィルムでは、接着剤のTgが本発明で規定した値よりも高く、かつ、貯蔵弾性率が本発明で規定した値よりも高いため、低温接着性に劣ると共に、温度サイクル性に劣っていた。比較例4の接着フィルムでは、接着剤の線膨張係数が本発明で規定した値よりも高く、温度サイクル性に劣っていた。比較例5の接着フィルムでは、接着剤のTgが本発明で規定した値よりも高く、低温接着性に劣っていた。比較例6の接着フィルムでは、接着剤の貯蔵弾性率が本発明で規定した値よりも高く、温度サイクル性に劣っていた。
本発明に係る半導体用接着フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明に係る半導体装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 支持フィルム
2 接着剤層
3 接着フィルム

Claims (9)

  1. 支持フィルムと、前記支持フィルムの両面に形成された接着剤層とからなる半導体用接着フィルムであって、前記接着剤層がガラス転移温度200℃以下、線膨張係数70ppm以下、貯蔵弾性率3GPa以下の接着剤からなり、かつ、接着フィルム全体の厚さが43〜57μmである半導体用接着フィルム。
  2. 前記接着剤のはみ出し長さが2mm以下である請求項1記載の半導体用接着フィルム(ここで、前記はみ出し長さは、厚さ25μmの支持フィルムの両面に厚さ12.5μmの接着剤層が形成されてなる全体の厚さ50μm、面積19×50mmの接着フィルムサンプルを350℃、3MPa、1分の条件で加熱圧着した際に前記接着フィルムサンプルの長辺から直角方向にはみ出た接着剤の長さを長辺方向の中央部で測定した値である。)。
  3. 前記ガラス転移温度が120℃以上である請求項1または2記載の半導体用接着フィルム。
  4. 前記線膨張係数が30ppm以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体用接着フィルム。
  5. 前記貯蔵弾性率が1GPa以上である請求項1〜4のいずれか1項記載の半導体用接着フィルム。
  6. 前記接着剤層の厚みが1〜30μmである請求項1〜5のいずれか1項記載の半導体用接着フィルム。
  7. 前記支持フィルムの厚みが5〜50μmである請求項1〜6のいずれか1項記載の半導体用接着フィルム。
  8. リードフレームと、前記リードフレームに接着された請求項1〜7のいずれか1項記載の半導体用接着フィルムとを含む半導体用接着フィルム付きリードフレーム。
  9. リードフレームと半導体素子とを含む半導体装置であって、前記リードフレームと前記半導体素子とが請求項1〜7のいずれか1項記載の半導体用接着フィルムを介して互いに接着されている半導体装置。
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