JP2005219469A - 潤滑性に優れた高分子成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑性が長期間保持され、低コストかつ容易に製造可能で、安全性の高い高分子成形品及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の高分子成形品は、少なくとも表面が、疎水性高分子及び親水性高分子を含む混合材料により形成されていることを特徴とする。本発明の高分子成形品の製造方法は、疎水性高分子からなる基材を、疎水性高分子及び親水性高分子を有機溶媒に溶解させてなる混合材料溶液によってコーティングした後、乾燥させることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子成形品及びその製造方法に属する。本発明の高分子成形品は、例えば、カテーテル、血液ポンプチューブ等の医療分野における成形品として、好適に適用され得る。
手術中の体切開時に気管、気道、尿道及び栄養管等に挿入されるカテーテル、あるいは血管に挿入されるカテーテルとしては、望ましい加工性及び弾性を有することから、ポリウレタン(PU)からなる成形品が多く使用されている。
だが、ポリウレタンは、疎水性で摩擦係数が大きい。よって、カテーテルの挿入時及び回収時に周辺組織の損傷をもたらして、手術に長時間掛かることがある。また患者に痛みや苦痛を与え、さらにカテーテルの表面にタンパク質や血小板が吸着する。そのため、弾性を有しつつ潤滑性も有するカテーテルの開発が求められる。
カテーテル等の疎水性高分子成形品に潤滑性を付与する方法としては、グリセリン、オリーブオイル及びシリコーンオイルなどのゼリータイプの潤滑剤を高分子成形品の表面にコーティングする方法が最も広く使用されている。しかし、この方法では、潤滑剤を一時的にコーティングしているに過ぎず、時間の経過とともに潤滑剤が徐々に脱落して潤滑性が失われる。
また、疎水性の高分子成形品の表面に親水性高分子を化学的に結合させ、永久的に潤滑性を付与する方法も多く試みられている。この種の方法としては、成形品表面に放射線、コロナ放電、電子線及び紫外線等の高エネルギーを照射し、その照射部位から親水性高分子をグラフトさせる方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法では、表面の親水化がされ潤滑性が付与されるものの、コストが高いために経済的でなく、さらにグラフト鎖長をコントロールするのが容易でない。
さらに、反応性イソシアネートのような化学薬品を用い疎水性表面に親水性高分子を化学的に結合させる方法も多く報告されている。しかしながら、イソシアネートは高い毒性を有し、また残存未反応化学薬品の除去が困難なために、医療分野においてはこれらの方法により得られた試料を使用することは好ましくない。
M.Suzuki et al,Macromolecules,19,1804,(1986)
それ故、本発明の課題は、潤滑性が長期間保持され、低コストかつ容易に製造可能で、安全性の高い高分子成形品及びその製造方法を提供することにある。
本発明の高分子成形品は、少なくとも表面が、疎水性高分子及び親水性高分子を含む混合材料により形成されていることを特徴とする。
本発明の高分子成形品では、その表面が高い水濡れ性を示すため潤滑性をもち、しかもその潤滑性は長期間に亘って保持される。また、容易にかつ短時間で製造可能であり、製造コストが低く済む。さらに、製造時に反応性イソシアネートのような毒性の高い化学薬品を用いないので、安全である。
本発明の高分子成形品では、その全体が前記混合材料によって形成されていても良い。また、疎水性高分子からなる基材が前記混合材料によってコーティングされていても良い。この場合、基材の疎水性高分子としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、又はこれらのブレンドなどの弾性又は柔軟性を示すものが好ましい。
前記混合材料の疎水性高分子としては、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、又はこれらのブレンドなどがある。ポリウレタンは、エステル型及びエーテル型のいずれでも良い。また前記混合材料の親水性高分子としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリル酸(PAA)及びポリアクリルアミドのうちの少なくとも一種以上の化合物などがある。
前記混合材料の疎水性高分子と親水性高分子との重量比については、(疎水性高分子):(親水性高分子)=0.1:99.9〜90:10(重量%)の範囲にあることが望ましい。より望ましいのは、(疎水性高分子):(親水性高分子)=30:70〜90:10(重量%)の範囲にあることである。
本発明の高分子成形品の用途は、特に限定されない。例えば、医療分野においては、カテーテル、血液ポンプチューブ、ペースメーカーのリード線被覆材、人工血管、あるいはコンドーム等の避妊具などに適用されうる。また工業分野においては、包装容器、断熱材、吸音材、マットレス、ゴムなどに適用されうる。
本発明の高分子成形品の形状は、特に限定されず、用途に応じて定めれば良い。例えば、チューブ状、フィルム状、袋状、シート状などの形状がある。
本発明の高分子成形品の製造方法は、疎水性高分子からなる基材を、疎水性高分子及び親水性高分子を有機溶媒に溶解させてなる混合材料溶液によってコーティングした後、乾燥させることを特徴とする。
本発明の製造方法によると、表面が潤滑性を示す高分子成形品を容易にかつ短時間で製造可能であり、しかも製造コストが低く済む。
前記有機溶媒としては、前記混合材料溶液の疎水性高分子及び親水性高分子を均一に溶解させうる溶媒が好ましい。例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、塩化メチレンなどが好ましい。
前記基材を前記混合材料溶液によってコーティングする方法としては、例えば、混合材料溶液中に基材を浸漬すれば良い。また、混合材料溶液を循環させることによって、コーティングしても良い。この方法によると、基材の所定箇所にのみコーティングすることも容易である。例えば、基材の形状がチューブ状である場合には、混合材料溶液をチューブ内に循環させることによって、チューブ内面にのみコーティングすることが可能である。
本発明によると、弾性を示しつつも潤滑性に優れた高分子成形品を低コストかつ容易に得ることができる。しかも、本発明の高分子成形品では、潤滑性が長期間保持され、安全性が高い。
分子量が25000のポリビニルピロリドンとエーテル型ポリウレタンを、種々の重量比でテトラヒドロフランに溶解させて、10wt%の溶液を作製した。得られた溶液をキャストし、複合体フィルムを作製した後,真空乾燥器にて乾燥した。その後、蒸留水に浸漬し、複合体フィルムの接触角をセサイルドロップ法により測定した。測定は、動的接触角測定器(島津製作所製)を用いて行った。また、コントロールとして、キャスト法によりポリウレタンフィルムを作製し、接触角を同様に測定した。
Figure 2005219469
表1に示すように、実施例の複合体フィルムでは、コントロールよりも接触角が小さく、高い水濡れ性を示した。
分子量が40000のポリビニルピロリドンとエーテル型ポリウレタンを、種々の重量比でテトラヒドロフランに溶解させて、8wt%の溶液を作製した。得られた溶液をキャストし、複合体フィルムを作製した後,真空乾燥器にて乾燥した。その後、蒸留水に浸漬し、複合体フィルムの接触角をセサイルドロップ法により測定した。測定は、動的接触角測定器(島津製作所製)を用いて行った。また、コントロールとして、キャスト法によりポリウレタンフィルムを作製し、接触角を同様に測定した。
Figure 2005219469
表2に示すように、実施例の複合体フィルムでは、コントロールよりも接触角が小さく、高い水濡れ性を示した。
分子量が360000のポリビニルピロリドンとエーテル型ポリウレタンを、種々の重量比でテトラヒドロフランに溶解させて、5wt%の溶液を作製した。得られた溶液をキャストし、複合体フィルムを作製した後,真空乾燥器にて乾燥した。その後、蒸留水に浸漬し、複合体フィルムの接触角をセサイルドロップ法により測定した。測定は、動的接触角測定器(島津製作所製)を用いて行った。また、コントロールとして、キャスト法によりポリウレタンフィルムを作製し、接触角を同様に測定した。
Figure 2005219469
表3に示すように、実施例の複合体フィルムでは、コントロールよりも接触角が小さく、高い水濡れ性を示した。またポリビニルピロリドンの分子量を高くすることによって、水濡れ性がより高くなることが判った。
分子量が360000のポリビニルピロリドンとエーテル型ポリウレタンを、1/1の重量比でテトラヒドロフランに溶解させて、5wt%の溶液を作製した。この溶液にポリウレタンフィルムを浸漬することにより、フィルム表面を溶液にてコーティングした後,真空乾燥器にて完全に乾燥した。乾燥後、得られたフィルムを蒸留水に浸漬し、複合体フィルムの接触角をセサイルドロップ法により測定した。測定は、動的接触角測定器(島津製作所製)を用いて行った。また、コントロールとして、コーティングしていないポリウレタンフィルムの接触角を同様に測定した。
Figure 2005219469
表4に示すように、実施例のコーティングされたフィルムでは、未コーティングのフィルムよりも接触角が小さく、高い水濡れ性を示した。またコーティングされたフィルムでは、表面の相分離が起こらず、透明であった。
実施例4と同じ溶液にポリウレタン/ポリ塩化ビニル=2/8(重量比)の複合体フィルムを浸漬することにより、フィルム表面を溶液にてコーティングした後,真空乾燥器にて完全に乾燥した。乾燥後、得られたフィルムを蒸留水に浸漬し、複合体フィルムの接触角をセサイルドロップ法により測定した。測定は、動的接触角測定器(島津製作所製)を用いて行った。また、コントロールとして、コーティングしていないポリウレタン/ポリ塩化ビニル=2/8(重量比)の複合体フィルムの接触角を同様に測定した。
Figure 2005219469
表5に示すように、実施例のコーティングされたフィルムでは、未コーティングのフィルムよりも接触角が小さく、高い水濡れ性を示した。またコーティングされたフィルムでは、表面の相分離が起こらず、透明であった。
本発明の高分子成形品は、所望の形状に成形されることによって、カテーテル、血液ポンプチューブ、ペースメーカーのリード線被覆材、人工血管、避妊具、包装容器、断熱材、吸音材、マットレス、ゴムなどの様々な成形品に適用されうる。
例えば、カテーテルに適用した場合には、望ましい加工性及び弾性を有しつつ潤滑性も有するカテーテルを得ることが可能である。そして、そのカテーテルによると、体内への挿入時及び回収時に周辺組織の損傷を防ぐとともに手術時間の短縮を可能とする。また患者の苦痛を最小限に抑えることができ、カテーテル表面へのタンパク質や血小板の吸着を防ぐことが出来る。
しかも、カテーテル表面の潤滑性は長期間に亘って保持され、製造時に反応性イソシアネートのような毒性の高い化学薬品を用いないので、安全である。さらに、短時間で容易な上に低コストで製造されうる。

Claims (9)

  1. 少なくとも表面が、疎水性高分子及び親水性高分子を含む混合材料により形成されていることを特徴とする高分子成形品。
  2. 全体が前記混合材料により形成されている請求項1に記載の高分子成形品。
  3. 疎水性高分子からなる基材が前記混合材料によってコーティングされている請求項1に記載の高分子成形品。
  4. 前記混合材料の疎水性高分子が、ポリウレタン及び/又はポリ塩化ビニルである請求項1〜3のいずれかに記載の高分子成形品。
  5. 前記混合材料の親水性高分子が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸及びポリアクリルアミドのうちの少なくとも一種以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の高分子成形品。
  6. 前記混合材料の疎水性高分子と親水性高分子との重量比が、0.1:99.9〜90:10(重量%)の範囲にある請求項1〜5のいずれかに記載の高分子成形品。
  7. 疎水性高分子からなる基材を、疎水性高分子及び親水性高分子を有機溶媒に溶解させてなる混合材料溶液によってコーティングした後、乾燥させることを特徴とする高分子成形品の製造方法。
  8. 前記有機溶媒が、前記混合材料溶液の疎水性高分子及び親水性高分子を均一に溶解させうる溶媒である請求項7に記載の高分子成形品の製造方法。
  9. 前記有機溶媒が、テトラヒドロフラン、アセトン又は塩化メチレンである請求項8に記載の高分子成形品の製造方法。
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