JP2004113474A - バルーン及びカテ−テル - Google Patents

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Motoyoshi Tsujimoto
辻本 素芳
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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、気体、液体貯蔵性に優れるバルーン及びカテーテルを提供すること。
【解決手段】カテーテルに用いられるバルーンであって、天然ゴム、及びイソプレンゴムから選ばれた1つ以上の原料ゴムを加硫した組成物を成形した後、更に塩素化処理工程を施し、塩素元素が蛍光X線分析によるK系列X線に由来する塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)が0.15〜1の範囲にあり、かつ肉厚が0.2〜0.5mmであることを特徴とするバルーン。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消化器系、泌尿器系、循環器系器官などの診断、治療等に用いられるカテーテルに設けられるバルーン及びカテーテルに関するものである。さらに詳しくは、耐熱性に優れ、留置期間中に必要な膨張径を維持しつつ、生体適合性が優れたバルーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バルーンカテーテルは、医療用チューブであるカテーテルを経皮的、或いは内視鏡的に血管、消化管、尿道あるいは気管などへ挿入し、血液を遮断したり、目的の部位にて医学上必要とする期間(通常1日〜29日)留置したりするために、カテーテルに設けられたバルーンを膨張させるように設計されたものである。バルーンカテーテルに関する先行技術は特開昭49−50784号公報、特開昭52−2087号公報、特開昭63−318955号公報等に開示されている。
バルーンカテーテルのような医療用具では滅菌工程は必須である。通常はエチレンオキサイドガスを用いた滅菌(EOG滅菌)がなされる。EOG滅菌では、EOGがある特定濃度以下になるまで、蒸散工程が必要である。室温では2週間から4週間の蒸散期間が必要であるが、近年は蒸散期間を短縮するために40〜60℃の雰囲気下で蒸散を行う方法(加熱蒸散)が広く採用されている。加えて、医療用具の生産拠点が海外にシフトし、遠く消費地まで輸送する必要が生じており、輸送時に高温下に暴露される可能性があり、各部材にこれまで以上の耐熱性が要求されている。
【0003】
ここで、バルーンカテーテルに用いられるチューブ本体及びバルーンの材質は、NRラテックス、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ウレタン等種々の合成樹脂が用いられている。特にバルーンにはその使用目的によって異なるが、非使用時にはチューブ本体の外径と同じか若干径が大きい状態にあり、空気等の気体もしくは滅菌された生理的食塩水等の液体を入れた使用時に充分伸張するような比較的小容量のバルーン、及びあらかじめ伸張時に近い形状又は更に大きい膨張状態を想定して形状を付与させたタイプの2種がある。大きい伸張率を得るには、ゴム弾性の優れたNRラテックス、シリコーンゴムのようなエラストマーが一般的に用いられている。NRラテックスの場合は条件によっては、加熱蒸散により、変色あるいは劣化する可能性がある。
一方、シリコーンゴム製のバルーンは、耐熱性は非常に良好であるが、気体透過性及び液体透過性が大きいために、新たに充填物を補充しなければ留置期間中にバルーンの充填物がバルーン外へ抜けてしまい、結果バルーンが縮んでしまいカテーテルが目的部位から脱落してしまうという問題を抱えている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭49−50784号公報
【特許文献2】
特開昭52−2087号公報
【特許文献3】
特開昭63−318955号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性に優れ、気体、液体貯蔵性に優れるバルーン及びカテーテルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は比較的気体、液体貯蔵性に優れる天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)を塩素化処理することにより、耐熱性が向上することを見出し、鋭意研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1) カテーテルに用いられるバルーンであって、天然ゴム、及びイソプレンゴムから選ばれた1つ以上の原料ゴムを加硫した組成物を成形した後、更に塩素化処理工程を施し、塩素元素が蛍光X線分析によるK系列X線に由来する塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)が0.15〜1の範囲にあり、かつ肉厚が0.2〜0.5mmであることを特徴とするバルーン、
(2)圧縮成形あるいはトランスファー成形してなる(1)記載のバルーン、
(3)(1)又は(2)記載のバルーンを設けたカテーテル、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)は、特に限定されない。ゴム成分以外の不純物を含まないという観点から、合成化学的に製造されたIRゴム、不純物であるタンパク質を除去処理した脱蛋白NRゴムが好適に用いられる。また、成形方法は原料ゴムの供給形態に応じて、エマルジョンであればディッピング成形、固形ゴムであれば圧縮成形、トランスファー成形、射出成形を選択することができる。生産性、歩留まりの観点から圧縮成形、トランスファー成形が好適に用いられる。
なお、2種類以上の天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)を併用することは何ら問題はない。
【0008】
これらの原料ゴムに所定量の加硫剤(硫黄)、加硫助剤及び加硫助剤あるいは必要に応じて酸化亜鉛のような補強剤、硫酸バリウムのような造影剤、顔料等を公知の方法で配合、添加した後に、成形し、加熱することによって加硫する。ここで、成形品の厚みはバルーン機能を発現するために、0.2〜0.5mmの範囲であることが必要であり、0.25〜0.4mmの範囲であることがより好ましい。
【0009】
次に塩素化処理工程についての説明をする。塩素化処理工程はこれまでもゴム成形品の表面改質(べたつき性改良、添加剤のブルーミング改良等)のために良く用いられる手法であるが、ゴムの耐熱性向上に用いられた例はない。
塩素化の方法はPeterson,C.H.:J.Appl.Poly.Sci.,6,176(1962)等に記載がある公知の方法で実施できる。即ち、一定濃度の次亜塩素酸ナトリウムに塩酸を加えた際に発生する塩素ガスで塩素化処理する。塩素化の程度は、用いる試薬(次亜塩素酸ナトリウム、塩酸)の濃度によって処理時間は異なる。なお、塩素化後に試薬を除去するために、純水で洗浄する必要がある。水道水を用いてもよいが、蛍光X線分析に影響を与える水道水中の塩素元素を取り除くために最後は純水で洗浄する。
【0010】
こうして得られた成形品について、蛍光X線分析方法通則(JIS  K0119)に従い、空気雰囲気下で、蛍光X線分析を実施する。即ち、5〜100KVのX線管を用いて、波長分散方式等により、大気圧下での操作で測定を実施する。ここで、塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)が0.15〜1と規定したのは、0.15未満の場合は塩素化不充分であり、十分な耐熱性が発現されず、一方、1を超えてしまうと塩素化が進みすぎ、ゴム弾性が発現されないためである。より好ましくはCl/Sが0.3〜0.8、最も好ましくは0.4〜0.7の範囲である。なお、塩素化が不充分な場合には再塩素化をすることで、塩素化を適正な範囲に調整できることは言及するまでもない。
上記バルーンをカテーテルチューブに設ける方法は公知の方法が採用できる。即ち、カテーテルチューブはシリコーンゴム、軟質塩化ビニル、熱可塑性ウレタン樹脂等から構成されているので、材料に応じた接着方法が採用できる。また、接着前にプライマー、プラズマ処理等の前処理を施すことが有効な手法であることはいうまでもない。
【0011】
【実施例】
以下に実施例を用いて説明する。
(実施例1)
IRゴム(固形)                  100重量部
粉末イオウ                       1重量部
加硫促進剤(ジチオカルバーメート系)        0.5重量部
老化防止剤(ビスフェノール)            0.5重量部
を2本ロールを用いて、100℃で混練し、配合ゴムを作成した。
上記配合ゴムを常温下で1日静置した後、圧縮成形機を用いて、150℃×7分の成形、加硫処理をすることにより、肉厚0.3mm、内径2.1mm、外径2.7mm、全長10mmの円筒状のバルーン成形物を得た。
このバルーン成形品を5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液5mlに純水95mlを加えた溶液中に浸漬させて、これに37%塩酸を0.5ml加えて、発生する塩素ガスで5分塩素化した。その後に、残留物を除去するために成形物を約6時間水洗いした。
このバルーン成形品について、波長分散方式の蛍光X線装置を用い、空気雰囲気下でコリメータΦ1.8mm、管電圧15KVの条件で60秒間測定したところ、硫黄(S)元素のKαピーク強度、塩素(Cl)元素のKαピーク強度はそれぞれ、122と68であった。即ち、塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)は、0.56であった。
【0012】
(比較例1)
実施例1記載の同じ処方、成形、加硫条件により、バルーン成形品を得た。ただし、塩素化処理は実施しなかった。
このバルーン成形品について、波長分散方式の蛍光X線装置を用い、空気雰囲気下でコリメータΦ1.8mm、管電圧15KVの条件で60秒間測定したところ、硫黄(S)元素のKαピーク強度、塩素(Cl)元素のKαピーク強度はそれぞれ、98と8であった。即ち、塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)は、0.08であった。
【0013】
(比較例2)
φ2.1mmの成形型を付加重合型液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製KE−1920)の20wt%トルエン溶液に成形型を浸漬して室温で約60秒後にゆっくりと引き上げ、シリコーンゴムを付着させ真空処理にてトルエンを揮発させ乾燥した。この操作を数回繰り返して、厚み0.3mm程度付着させた。
しかる後に、100℃×60分にて硬化処理を行い、比較例2のバルーン成形を回収した 。(形状:内径2.1mm×t0.3m×L10mm)
【0014】
[耐加熱蒸散性及び耐熱性]
実施例、比較例で得られたバルーンを滅菌袋に入れて、50℃×12HのEOG滅菌を した後に、50℃の雰囲気下で7日で加熱蒸散処理をする。加熱蒸散処理終了後に、さら に60℃×7日で熱処理する。結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
Figure 2004113474
【0016】
この時、実施例1と比較例2では顕著な変色が認められなかったが、比較例1では顕著 な変色が認められた。
【0017】
[実施例、比較例における膨張径維持能力評価]
実施例、比較例で得られたバルーン成形品を、軟質塩化ビニル樹脂(住友ベークライト(株)製スミコンVM1170−M40)からなる外径2.7mm、肉厚0.3mmのチューブに、実施例、比較例に従って得られたバルーンをそれぞれ取りつける。バルーン両端から2mmの地点を絹糸にて固定し、さらに接着剤によって接着固定する。実施例1、比較例1ではウレタン接着剤を用い、比較例2ではシリコーン系接着剤により固定した。
このバルーンに純水を注射機で正確に1ml注入し、37℃に維持した生理食塩水100ml中にバルーンカテーテルを約1ヶ月(29日)放置した。
このときに、14日経過後及び29日経過後にバルーンに残存している滅菌蒸留水の量を測定することで評価した。結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
Figure 2004113474
【0019】
比較例2においては、14日後に注入した水がすべて抜けており、測定を中止した。一方、実施例1においては29日経過後にバルーン内の純水体積を測定したところ、0.76mlが残存していた。
【0020】
【発明の効果】
本発明のバルーンは、耐熱性が良好なので、優れた耐加熱蒸散性、耐輸送性(たとえ輸送時に高温下に暴露されても変色が少ない)を有しており、医学上必要とされる留置期間中、その充填物(空気、純水等)の残存量を管理する煩雑さが解消される。

Claims (3)

  1. カテーテルに用いられるバルーンであって、天然ゴム、及びイソプレンゴムから選ばれた1つ以上の原料ゴムを加硫した組成物を成形した後、更に塩素化処理工程を施し、塩素元素(が蛍光X線分析によるK系列X線に由来する塩素元素ピーク強度とイオウ元素ピーク強度の比率(Cl/S)が0.15〜1の範囲にあり、かつ肉厚が0.2〜0.5mmであることを特徴とするバルーン。
  2. 圧縮成形あるいはトランスファー成形してなる請求項1記載のバルーン。
  3. 請求項1又は2記載のバルーンを設けたことを特徴とするカテーテル。
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US8795573B2 (en) 2008-06-30 2014-08-05 C.R. Bard, Inc. Polyurethane/polyisoprene blend catheter

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