JP2005218855A - 経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法 - Google Patents

経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法 Download PDF

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正規 岡田
Yasunori Maekawa
泰範 前川
Kenichi Sawa
賢一 澤
Toshiyuki Sato
利幸 佐藤
Kanako Nagaoka
加奈子 長岡
Kei Ogino
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Abstract

【課題】 被験者への負担が少なく、しかも測定の度に針を使用する必要のない安価な経皮的分析物抽出キット、これに使用するための経皮的分析物抽出装置及び方法、並びに血糖値測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】 挿入装置21を使用して、皮膚の少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない抽出孔を抽出部位22に形成する。抽出部位22に血糖値測定装置31を載置し、グルコースの抽出とグルコース濃度の算出を行う。抽出孔形成直後における抽出の際の平均電流値と初期グルコース濃度とに基づいて初期単位電流当たりグルコース濃度を求めるとともに、測定時点に於ける抽出の際の平均電流値と測定時グルコース濃度とに基づいて測定時単位電流当たりグルコース濃度を求める。そして、採血等に基づいて求めた初期血糖値と、初期単位電流当たりグルコース濃度と、測定時単位電流当たりグルコース濃度とに基づいて、測定時血糖値を求める。
【選択図】 図1


Description

本発明は、経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法に関する。
生体の組織液に含まれるグルコースを皮膚から抽出する経皮的分析物抽出アセンブリとして、グルコースをリバースイオントフォレシス法により経皮的に抽出する装置(例えば、特許文献1)や、中空の針を用いてグルコースを抽出する装置が開発されている。(例えば、特許文献2)。
上記特許文献1に記載されているリバースイオントフォレシス法によれば、皮膚を侵襲することなく、無傷の皮膚からグルコースを抽出することができるが、分析に十分な量のグルコースを短時間に抽出するためには、高電圧(大電流)を印加する必要があり、被験者に通電の痛みを与えてしまう。例えば、上記引用文献1によれば、皮膚を流れる電流の電流密度は、約0.01〜0.5mA/cm2の範囲であり得ると記載されているが、電気抵抗が高い無傷の皮膚に電圧を印加して、このような電流を流すためには、かなり高い電圧を印加する必要がある。
また、上記引用文献1は、リバースイオントフォレシス法の適用とマイクロニードルの穿刺との組み合わせにより、生体サンプルを抽出することも提案している。しかしながら、この方法は、通電の痛みと、マイクロニードルの穿刺による痛みの両方を、被験者に与えてしまう。
また、引用文献2には、中空の針を真皮を貫通しないように刺しながら、陰圧または毛細管現象により液体を抽出することが開示されている。しかしながら、この装置は、グルコースを陰圧または毛細管現象により、針の穴を介して抽出するものであり、抽出の安定性に問題がある。
米国特許第6233471号 国際公開WO/010223号パンフレット(特許第3457964号明細書)
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために為されたものであり、本発明の目的は、被験者への負担が少ない経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点による経皮的分析物抽出キットは、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出キットであって、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成するための複数の針を備えた挿入装置と、前記複数の抽出孔に液体を供給することによって、前記複数の抽出孔に供給された液体に分析物を抽出する抽出装置とを備えたことを特徴とする。
この構成により、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を形成し、形成された複数の抽出孔に液体を供給することによって分析物を抽出することができるので、被験者に大きな負担をかけることなく、生体から分析物を安定して抽出することができる。
本発明の第2の観点による経皮的分析物抽出装置は、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出装置であって、皮膚に形成された抽出孔に抽出された分析物を、前記抽出孔の外部に移動させるための電場を付与する電源と、前記抽出孔の形成状態をチェックするチェック手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の第2の観点による経皮的分析物抽出装置では、チェック手段を設けた構成により、抽出孔が分析に必要な量の分析物を生体から抽出し得る状態か否かを判断することができ、分析物の抽出を確実に行うことができる。
本発明の第3の観点による血糖値測定装置は、生体からグルコースを経皮的に抽出してグルコースの分析を行う血糖値測定装置であって、初期血糖値を入力するための入力部と、皮膚に形成された抽出孔に抽出されたグルコースを、前記抽出孔の外部に移動させるための電圧を印加する電源と、抽出された前記グルコースに基づく信号を検出する検出部と、前記検出部によって検出される前記信号から血糖値を算出する制御部とを備え、前記制御部は、前記検出部によって検出される信号からグルコース濃度を算出するとともに、該グルコース濃度と前記入力部によって入力された前記初期血糖値とに基づいて測定時血糖値を算出することを特徴とする。
この構成により、初期血糖値とグルコース濃度とに基づいて測定時血糖値が算出されるので、簡便かつ正確に血糖値の測定を行うことができる。
本発明の第4の観点による経皮的分析物抽出方法は、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、前記複数の抽出孔に液体を供給することによって、前記抽出孔に供給された液体に分析物を抽出する抽出ステップとを包含していることを特徴とする。
この構成により、皮膚には角質層を貫通し皮下組織には達しない抽出孔を形成するため、使用者に大きな負担をかけることなく、生体から分析物を安定して抽出することができる。
また、本発明の第5の観点による経皮的分析物抽出方法は、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、分析物を抽出するための抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、前記抽出孔の形成状態をチェックするチェックステップと、前記チェックステップにおいて前記抽出孔が十分に形成されていると判定された場合に、前記抽出孔に抽出された分析物を、前記抽出孔の外部に移動させる移動ステップとを包含していることを特徴とする。
チェックステップを含む構成により、抽出孔が分析に必要な量の分析物を生体から抽出し得る状態か否かを判断することができ、分析物の抽出を確実に行うことができる。
本発明の第6の観点による血糖値測定方法は、生体からグルコースを経皮的に抽出してグルコースの分析を行う血糖値測定方法であって、分析物を抽出するための抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、初期血糖値を入力する初期血糖値入力ステップと、前記抽出孔に抽出されたグルコースを、前記抽出孔の外部に移動させるための電場を付与する電場付与ステップと、前記電場付与ステップで抽出される前記グルコースに基づく信号を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出される前記信号から血糖値を算出する算出ステップとを備え、前記算出ステップにおいて、前記検出ステップで検出される前記信号からグルコース濃度が算出されるとともに、該グルコース濃度と前記初期血糖値入力ステップで入力された前記初期血糖値とに基づいて測定時血糖値が算出されることを特徴とする。
この構成により、初期血糖値とグルコース濃度とに基づいて測定時血糖値を算出するので、簡便かつ正確に血糖値の測定を行うことができる。
本発明の第7の観点による経皮的分析物抽出キットは、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出キットであって、 少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成するための複数の針を備えた挿入装置と、前記複数の抽出孔が形成された皮膚に載置され、前記複数の抽出孔を介して前記分析物を抽出する抽出装置とを備えたことを特徴とする。
この構成により、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を形成し、形成された複数の抽出孔を介して分析物を抽出することができるので、被験者に大きな負担をかけることなく、生体から分析物を安定して抽出することができる。
本発明の第8の観点による経皮的分析物抽出方法は、生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、前記複数の抽出孔を介して前記分析物を抽出する抽出ステップとを包含していることを特徴とする。
この構成により、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を形成し、形成された複数の抽出孔を介して分析物を抽出することができるので、被験者に大きな負担をかけることなく、生体から分析物を安定して抽出することができる。
本発明によれば、被験者の負担の少ない、経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法が提供される。
以下、図面に基づき、本発明の最良の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定して解釈されるものではない。
図5は人の皮膚の断面を模式的に示している。同図に示すように、人の皮膚の最外面には、外気に直接接する表皮13が存在している。この表皮13は、電気抵抗値の大きい角質層11と、角質層11の下側に位置する顆粒層12等とによって構成されている。表皮13の下には真皮14が存在し、真皮14の下には皮下組織15が存在している。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る経皮的分析物抽出キット(挿入装置21と血糖値測定装置(抽出装置)31とを含む)の使用方法を示す説明図である。挿入装置21は、被験者の皮膚の少なくとも角質層11を貫通し真皮14の中間付近または下部(皮下組織側)には達するが皮下組織15には達しない抽出孔を抽出部位に形成する。血糖値測定装置31は、腕時計のような外観を有しており、被験者の手首周辺に装着され、バンド52によって固定される。マーカー25は、挿入装置21によって抽出孔が形成された皮膚の部位22を特定するための目印として皮膚に貼付されるシートである。
なお、被験者が感じる痛みを軽減させる観点から、挿入装置21によって形成される抽出孔は、角質層11を貫通し真皮14の上部(皮膚の表面側)には達するが真皮14の中間付近には達しない孔であってもよいし、角質層11を貫通し顆粒層12には達するが真皮14には達しない孔であってもよい。
図2(a)は、挿入装置21の斜視図である。挿入装置21は、多数の針23を外筒(ホルダ)26によって束ねた構造を有し、本実施形態では、30本の針23を使用し、外筒26の外径が10mm、内径が3mm、外筒26の端面26aから突き出している針23の部分の長さが500μmのものを使用している。図2(b)は、一本の針23の端面26aから突き出している部分を示す図である。針23の端面26aから突き出している部分は、円錐形状であり、端面26aに最も近い部分、すなわち円錐の底面の直径が160μmである。抽出孔が形成される皮膚の抽出部位の大きさは、抽出装置の大きさ等に応じて決められ、その大きさが大きい場合には、挿入装置21の皮膚への押圧を複数回位置を移動させながら行うか、より多くの針を束ねた挿入装置を使用することになる。なお、挿入装置21の端面26aから突き出している針23の部分の長さは、角質層11を貫通するが皮下組織15には達しない抽出孔を形成するために、約20μmより長く約1000μmより短いことが好ましい。
図3は、血糖値測定装置31の概略構成を示すブロック図である。血糖値測定装置31は、後述する初期血糖値を入力するための入力部32と、入力値や測定結果を表示するための表示部33と、血糖値測定装置31の動作の制御、グルコース濃度の算出および血糖値の算出等を行う制御部34と、グルコースの検出を行うグルコースセンサ35と、抽出部位22(図1(c))に載置されてグルコースの収集を行う抽出ユニット36と、電流計39と、定電圧電源40と、対極ユニット41と、シリンジ50と、バンド52とを備えている。抽出ユニット36は、液体チャンバ37と陰極電極38とを備えている。液体チャンバ37は、生体から皮膚を介して抽出されるグルコースを収集するための生理食塩水47と、生理食塩水47を収容するチャンバ48とを含んでいる。陰極電極38は、生理食塩水47に浸漬されている。チャンバ48は、生理食塩水47を皮膚の抽出部位22と接触させるための開口48aを有している。生理食塩水47は、血糖値測定装置31が被験者の手首に装着された後に、シリンジ50からチャンバ48に流路51を介して注入される。
陰極電極38は、電流計39を介して定電圧電源40の陰極側に接続され、定電圧電源40の陽極側には、対極ユニット41が接続されている。対極ユニット41は、ゲル42と、ゲル42に浸漬される陽極電極43とを備えている。陽極電極43は、定電圧電源40の陽極側に接続されている。
グルコースセンサ35は、グルコースが酵素と反応することによって生成される物質に基づいて信号を生成するセンサである。グルコースセンサ35としては、例えば、米国特許公開第2003−225322号に記載のセンサを用いることができる。
本実施形態の経皮的分析物抽出キットを、その使用手順に沿って説明する。図6は経皮的分析物抽出キットを使用する被験者が1日に行う操作手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1に於いて、前述の図1(a)に示すように、被験者の手首付近の皮膚に挿入装置21を軽く押圧して抽出孔を形成する。抽出孔が形成された皮膚の表面の領域が抽出部位22である。この段階で、抽出孔を形成した抽出部位22に、図1(c)に示すように、後に測定を繰り返す場合の目印としてマーカー25を貼付してもよい。マーカー25は、所定の大きさの開口を有するシートであり、マーカー25は、その開口の位置と抽出部位22の位置とが一致するように皮膚に貼付される。
ステップS1において抽出部位22に形成された複数の抽出孔22aは、図10に示すように、角質層11および顆粒層12等を貫通し、真皮14の中間付近に達しているが、皮下組織15には達していない。また、抽出孔22aは、皮膚表面における径が最も大きく、皮下組織15に近づくにつれて径が小さくなっている。抽出孔22aの皮膚表面における径は、約160μmであり、抽出孔22aの深さは、約300μmである。ステップS1において抽出孔22aが形成されると、矢印Sで示すように、真皮14に充満している体液が抽出孔22a中に滲み出る。なお、この体液には、グルコースが含まれている。
ステップS1における挿入装置21の皮膚への押圧は、抽出孔の形成を目的とするものであるため、グルコースを抽出している期間、針を皮膚に刺したままにしておく必要はない。従って、挿入装置21を皮膚に挿入している時間は、従来技術に記載されている針の挿入時間に比べて短くてよい。
挿入装置21を皮膚から取り除いた後、ステップS2において、図1(b)に示すように、血糖値測定装置31を被験者の手首に装着し、バンド52によって固定する。これによって、血糖値測定装置31は、図3に示すように、液体チャンバ37が抽出部位22に載置される。そして、生理食塩水47が、シリンジ50から流路51を介してチャンバ48に注入される。続いて、定電圧電源40から陽極電極43、生体、および陰極電極38を流れる電流の供給、すなわち生体への電場の付与を行い、抽出孔の状態を調べる。
図7はステップS2に於ける血糖値測定装置31の動作の詳細を示している。ステップS20では、被験者がシリンジ50を操作することによって、生理食塩水47が、シリンジ50から流路51を介してチャンバ48に注入される。チャンバ48に注入された生理食塩水47は、開口48aを介して皮膚の抽出部位22aと接触する。抽出部位22aと接触した生理食塩水47は、図11に示すように、抽出孔22aの内部に流入する。生理食塩水47が抽出孔22aの内部に流入すると、ステップS1における抽出孔22aの形成によって抽出孔22a中に滲み出ている体液は、図12に示すように、チャンバ48に存在する生理食塩水47の方向(図12のT方向)に移動する。すると、抽出孔22a中の生理食塩水47に対する体液の濃度が低くなるので、矢印Sで示すように、体液が真皮14から抽出孔22a中の生理食塩水47に抽出される。ステップS21に示すように、定電圧電源40から0.8Vの定電圧電流が供給される。そして、ステップS22に於いて電流計39(図3)により電流値のモニタリングを開始する。次に、ステップS23に於いて30秒経過時の電流値が制御部34に於いて記憶される。そして、ステップS24に於いて制御部34は記憶した電流値が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば次のステップS3に移行し、所定値より小さければ再度の前処理(挿入装置21による抽出孔の形成)を促すメッセージを表示部33に表示して(ステップS25)、ステップS3に移行する。ステップS21からステップS25までの動作は、制御部34によって制御される。
ステップS3では、表示部33に再度の前処理を促すメッセージが表示されているか否かを被験者が確認する。上記メッセージが表示部33に表示されていなければ、血糖値測定装置31が自動的にステップS4の処理を実行する。一方、上記メッセージが表示されていれば、被験者は血糖値測定装置31を手首から取り外し、再度ステップS1の処理を実行する。
次のステップS4では、定電圧電源40から生体に0.8Vの定電圧が印加され、約10分間のウォーミングアップが行われる。このウォーミングアップは、液体チャンバ37内の抽出用の液体(生理食塩水)を皮膚に馴染ませると共に、針23による皮膚細胞を破壊したことによる影響を回避して、グルコースの抽出量を安定させるためのものである。なお、このステップS3は、必ずしも必要ではない。
次に、ステップS5に於いて、チャンバ48へのグルコースの収集と、初期グルコース濃度、平均電流値及び初期単位電流当たりグルコース濃度の算出が行われる。図8はステップS5に於ける血糖値測定装置31の動作の詳細を示している。ステップS40では、被験者は、血糖値測定装置31を手首から取り外し、抽出ユニット36を新しいものと交換し、再度、血糖値測定装置31を手首の同じ位置に装着し、シリンジ50を操作することによって、生理食塩水47を、シリンジ50から流路51を介してチャンバ48に注入する。これによって、ステップS20と同様に、抽出孔22a中に滲み出ている体液は、図12に示すように、チャンバ48に存在する生理食塩水47の方向(図12のT方向)に移動(拡散)する。すると、抽出孔22a中の生理食塩水47に対する体液の濃度が低くなるので、矢印Sで示すように、体液が真皮14から抽出孔22a中の生理食塩水47に抽出される。ステップS41で定電圧電源40から0.8Vの定電圧電流を供給する、すなわち生体に電場を付与するとともに、ステップS42で電流計39(図3)により電流値のモニタリングを行う。抽出孔22a中の生理食塩水47に滲み出た体液は電荷を帯びているので、ステップS41における電場の付与によって、図13に示すように、チャンバ48の方向(図13のT方向)への移動が促進される。なお、体液に含まれるグルコースは、電荷を帯びていないが、電荷を帯びている他の成分の移動に伴って移動する。この0.8Vという電圧は、電流が抽出孔にのみ集中して流れ、抽出孔以外の角質層の部分には実質的に流れないように設定されたものである。このように、皮膚の角質層に実質的に電流が流れないように設定する観点から、定電圧電源40が生体に印加する電圧は約10Vより小さいことが好ましい。また、分析に必要な量のグルコースをチャンバ48に収集し、分析の精度を向上させる観点から、上記電圧は0.05V以上であることが好ましい。
3〜5分経過後、ステップS43で電流供給を終了し、ステップS44で電流供給開始から終了までの間の平均電流値、即ち、初期グルコース濃度算出時の平均電流値を算出する。一つの実施形態では、この平均電流は100μAであった。
次に、ステップS45に於いて、制御部34はグルコースセンサ35(図3)からの信号に基づいて初期グルコース濃度を算出する。一つの実施形態では、この初期グルコース濃度は、0.5mg/dlであった。
更に、ステップS46において、初期単位電流当たりグルコース濃度が算出される。初期単位電流当たりグルコース濃度は、ステップS45で得られた初期グルコース濃度を、ステップS44で得られた平均電流値で除算することにより得られる。従って、前述の一つの実施形態では、0.5/100=0.005mg/dl・μAである。ステップS46を終了した後、処理はステップS6に移行する。ステップS41からステップS46までの動作は、制御部34によって制御される。
ステップS6では、被験者は、血糖値測定装置31を用いた血糖値の測定を行う前の血糖値としての初期血糖値を、従来の血糖値測定装置(例えば、フリースタイル(ニプロ製))を使用して指先から採血することにより求める。一つの実施形態では、この初期血糖値は、80mg/dlであった。このようにして求めた初期血糖値は、ステップS7に於いて、入力部32(図3)から入力される。以上により、これ以後、本実施形態の血糖値測定装置31を用いた血糖値の測定が可能となる。
ステップS8は、例えば1日の血糖値の変化を見るために、所定時間経過後、本実施形態の血糖値測定装置31を用いた血糖値の測定が行われる場合を示している。図9は、ステップS8に於ける血糖値測定装置31の動作の詳細を示している。ステップS70では、被験者は、血糖値測定装置31を手首から取り外し、抽出ユニット36を新しいものと交換し、再度、血糖値測定装置31を手首の同じ位置に装着し、シリンジ50を操作することによって、生理食塩水47を、シリンジ50から流路51を介してチャンバ48に注入する。これによって、ステップS20と同様に、抽出孔22a中に滲み出ている体液は、図12に示すように、チャンバ48に存在する生理食塩水47の方向(図12のT方向)に移動(拡散)する。すると、抽出孔22a中の生理食塩水47に対する体液の濃度が低くなるので、矢印Sで示すように、体液が真皮14から抽出孔22a中の生理食塩水47に抽出する。ステップS71で定電圧電源40から0.8Vの定電圧電流を供給する、すなわち生体に電場を付与するとともに、ステップS72で電流計39(図3)により電流値のモニタリングを行う。抽出孔22a中の生理食塩水47に滲み出た体液は、電荷を帯びているので、ステップS71における電場の付与によって、図13に示すように、チャンバ48に存在する生理食塩水47の方向(図13のT方向)への移動が促進される。3〜5分経過後、ステップS73で電流供給を終了し、ステップS74で電流供給開始から終了までの間の平均電流値、即ち、測定時グルコース濃度算出時の平均電流値を算出する。一つの実施形態では、この平均電流は80μAであった。
次に、ステップS75に於いて、制御部34はグルコースセンサ35(図3)からの信号に基づいて測定時グルコース濃度を算出する。一つの実施形態では、この測定時グルコース濃度は、0.2mg/dlであった。
更に、ステップS76において、測定時単位電流当たりグルコース濃度が算出される。測定時単位電流当たりグルコース濃度は、ステップS75で得られた測定時グルコース濃度を、ステップS74で得られた平均電流値で除算することにより得られる。従って、前述の一つの実施形態では、0.2/80=0.0025mg/dl・μAである。
次に、、ステップS77において、測定時血糖値の算出が行われる。測定時血糖値は、ステップS76で得られた測定時単位電流当たりグルコース濃度を、S46で得られた初期単位電流当たりグルコース濃度で除し、更にS6で入力した初期血糖値を乗算することにより算出される。従って、上記の一実施形態では、測定時血糖値=(0.0025/0.005)×80で求められ、40mg/dlとなる。
最後に、ステップS78に於いて、上記ステップS77で求めた測定時血糖値が表示部33(図3)に表示され、一回の血糖値の測定が終了する。
本実施形態の血糖値測定装置31を用いたステップS7の血糖値の測定は、時間を置いて一日に数回行うことができる。
なお、本実施形態では、ステップS44およびステップS74において平均電流値を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定時間経過時の電流値や所定期間中で最大の電流値など、様々な電流値を用いることができる。
本実施形態の経皮的分析物抽出キットを使用すれば、挿入装置21により真皮14まで到達するが皮下組織15までは到達しない抽出孔を形成し、その抽出孔に液体を供給することによって、生体から分析物を抽出するので、被験者は、実質的に痛みを感じることなく分析物を抽出することができる。さらに、本実施形態の抽出装置は、定電圧電源40から抽出孔内の液体に微弱の電流を供給することによって、抽出孔内に抽出されている分析物を、被験者に実質的に痛みを感じさせることなく、効率よく、抽出ユニット36に収集することができる。
また、挿入装置21は痛みを強く感じる神経などが存在する皮下組織には達しないので、被験者は痛みを感じることが殆どなく、被験者の身体的負担および心理的負担が軽減される。更に、挿入装置21を皮膚に挿入している時間が従来の針と比べて短かいため、針23が皮膚内部で折れる等のおそれが軽減され、また、皮膚のダメージも軽減される。更に、挿入装置21を皮膚に挿入している時間が従来の針と比べて短かいため、感染等の危険性も軽減させることができる。
また、定電圧電源40は、抽出孔にのみ電流が集中して流れ、抽出孔以外の角質層の部分には実質的に電流が流れない大きさの電圧を生体に印加するので、挿入装置21により形成された抽出孔の数や状態は電圧の印加によって殆ど変化せず、一度形成された抽出孔から時間を置いて何回も分析物の抽出を同じ様に行うことが可能となる。
また、このような大きさの電圧を生体に印加するのであれば、使用者が感じる痛みは極めて少ない。
また、たとえ抽出孔の数や状態が経時的に変化しても、本実施形態では初期単位電流当たりグルコース濃度と測定時単位電流当たりグルコース濃度を求めて血糖値を補正しているので、抽出孔の数や状態の経時的変化に影響されることなく、精度の高い血糖値の測定を行うことができる。
図4は挿入装置の他の実施形態を示す斜視図である。挿入装置として、図4に示すニードルローラ27を用いることもできる。このニードルローラ27は、アーム28と、このアーム28によって回転可能に保持されたローラ29を有しており、ローラ29上には、ローラ29の回転軸に平行に並んだ多数の針30の列が等間隔で円周に沿って保持されている。このニードルローラ27を用いれば、皮膚上の比較的広い面積に抽出孔を多数形成する場合に使用することができる。なお、ニードルローラ27としては、ダーマローラ(Top−RoL社製)を使用することができる。
なお、上記の実施形態では、抽出孔の経時的な状態変化を考慮して、初期グルコース濃度を平均電流値で除した初期単位電流当たりグルコース濃度と、測定時グルコース濃度を平均電流値で除した測定時単位電流当たりグルコース濃度と、初期血糖値とを用いて測定時血糖値を求める実施形態について説明したが、抽出孔の経時的な状態変化が小さい場合には、電流値を用いず、初期グルコース濃度と、測定時グルコース濃度と、初期血糖値とを用いて測定時血糖値を求めてもよい。この場合には、測定時血糖値=(測定時グルコース濃度/初期グルコース濃度)×初期血糖値、の関係を用いることとなる。この場合に於いても、被験者固有の皮膚の状態等に基づく測定誤差が解消される。
また、上記の実施形態に於いて被験者固有の皮膚の状態等を無視し得る場合、(血糖値/グルコース濃度)の値は、同じ測定条件下では使用する経皮的分析物抽出キットに固有の値となる。従って、この場合には予め求めておいた(血糖値/グルコース濃度)の値をパラメータとして制御部34に入力しておき、算出される測定時グルコース濃度にこのパラメータを乗算することにより、測定時血糖値を求めることができる。
上記実施形態では、初期血糖値の測定は、初期グルコース濃度の測定後に行ったが、時間的に大きく離れてさえいなければ、初期グルコース濃度の測定前に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、上記では、グルコースの抽出時間を3〜5分としたが、測定の精度や状況に応じて適宜変更し得ることは言うまでもない。
更に、上記実施形態では、電源として定電圧電源を用い、電流値をモニタリングすることにより抽出孔の形成状態を判定する構成について説明したが、電源として定電流電源を用い、電圧値をモニタリングすることにより抽出孔の形成状態を判定するように構成することも可能である。
この構成の場合、制御部34は、ステップS21において定電流の供給、すなわち生体への電場の付与を開始し、ステップS22において電圧値のモニタリングを開始し、ステップS23において所定時間(例えば30秒)経過時の電圧値を記憶し、ステップS24において記憶した電圧値が所定値を超えているか否かを判断する。そして、記憶した電圧値が所定値を超えていればステップS25の処理を実行し、電圧値が所定値を超えていなければ、ステップS3の処理を実行する。
加えて、上記実施形態では電源として定電圧電源を用いて分析物の抽出を行い、平均電流値により、初期単位電流当たりグルコース濃度と測定時単位電流当たりグルコース濃度とを求める構成について説明したが、電源として定電流電源を用いて分析物の抽出を行うとともに電源の両端の電圧をモニタリングする電圧計を設け、単位導電率当たりグルコース濃度(=グルコース濃度/平均導電率)を求めるように構成してもよい。なお、導電率=電流値(一定)/電圧値、である。
この構成の場合、ステップS44において電流供給開始から終了までの平均導電率を算出し、ステップS46においてS45で得られた初期グルコース濃度をS44で得られた平均導電率で除算することにより初期単位導電率当たりグルコース濃度を算出する。
また、ステップS74において電流供給開始から終了までの平均導電率を算出し、ステップS76においてS75で得られた測定時グルコース濃度をS74で得られた平均導電率で除算することにより測定時単位導電率当たりグルコース濃度を算出する。そして、ステップS77において、ステップS76で得られた測定時単位導電率当たりグルコース濃度を初期単位導電率当たりグルコース濃度で除算し、ステップS7で入力された初期血糖値を乗算することにより測定時血糖値を算出する。
また、上記実施形態では、定電圧電源40が抽出孔内の液体に微弱の電流を供給することによって、抽出孔内に抽出されている分析物を、抽出ユニット36に収集する経皮的分析物抽出装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、生体に電場を付与することなくグルコースを収集する経皮的分析物抽出装置に本発明を適用してもよい。
この場合、経皮的分析物抽出装置は、抽出孔の形成状態をチェックするためにのみ生体に電場を付与してもよい。
また、上記実施形態では、定電圧電源40が抽出孔内の液体に微弱の電流を供給することによって、抽出孔内に抽出されている分析物を、抽出ユニット36に収集する経皮的分析物抽出装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、超音波を生体に照射することによってグルコースを抽出ユニットに収集する抽出装置や、陰圧を生体に印加してグルコースを抽出ユニットに収集する抽出装置などに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、グルコースを抽出して血糖値を算出する血糖値測定装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、生化学成分や被験者に投与された薬物などのグルコース以外の分析物を抽出する抽出装置に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、抽出孔に供給する液体として生理食塩水を用いたが、本発明はこれに限らず、生理食塩水以外の導電性の液体や、純水などの非導電性の液体を用いてもよい。
また、上記実施形態では、抽出ユニット36が陰極電極38を備え、陽極ユニット41が陽極電極43を備えているが、本発明はこれに限らず、抽出ユニット36が、陰極電極38と陽極電極43の両方を備えていてもよい。この場合、液体として純水を用い、陰極電極38と陽極電極43の両方が純水に接触していることが好ましい。
本発明の経皮的分析物抽出キット、経皮的分析物抽出装置、血糖値測定装置、経皮的分析物抽出方法及び血糖値測定方法によれば、被験者への負担が少ないので、医療機器の分野で非常に有用である。
(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る経皮的分析物抽出キット及び血糖値測定装置の使用方法を示す説明図である。 (a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る経皮的分析物抽出キットを構成する挿入装置の説明図である。 本発明の実施形態に係る血糖値測定装置の概略構成を示すブロック図である。 挿入装置の他の実施形態を示す斜視図である。 人の皮膚の断面を表す模式図である。 本発明の一実施形態の経皮的分析物抽出キット及び血糖値測定装置を使用する被験者が1日に行う操作手順を示すフローチャートである。 図6のフローチャートに於ける抽出孔の状態を調べるステップS2の詳細を示すフローチャートである。 グルコースの抽出と、初期グルコース濃度、平均電流値及び初期単位電流当たりグルコース濃度の算出とを行うステップS5の詳細を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る血糖値測定装置を用いた血糖値の測定を行うステップS8の詳細を示すフローチャートである。 抽出孔が形成された皮膚の抽出部位の断面を表す模式図である。 生理食塩水が抽出孔に流入した状態の皮膚の抽出部位の断面を表す模式図である。 真皮から抽出孔内に滲み出た体液が、生理食塩水内で拡散している状態の皮膚の抽出部位の断面を表す模式図である。 抽出孔内の生理食塩水に抽出された体液が、電場の付与によって抽出ユニットに向かって移動している状態の皮膚の抽出部位の断面を表す模式図である。
符号の説明
11 角質層
12 顆粒層
13 表皮
14 真皮
15 皮下組織
21 挿入装置
22 抽出部位
23 針
25 マーカー
26 ホルダ
27 ニードルローラ
28 アーム
29 ローラ
30 針
31 血糖値測定装置
32 入力部
33 表示部
34 制御部
35 グルコースセンサ
36 抽出ユニット
37 液体チャンバ
38 陰極電極
39 電流計
40 定電圧電源
41 対極ユニット
42 液体チャンバ
43 陽極電極
47 生理食塩水
48 チャンバ
48a 開口
50 シリンジ
51 流路
52 バンド

Claims (29)

  1. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出キットであって、
    少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成するための複数の針を備えた挿入装置と、
    前記複数の抽出孔に液体を供給することによって、前記複数の抽出孔に供給された液体に分析物を抽出する抽出装置と
    を備えた経皮的分析物抽出キット。
  2. 前記抽出装置は、前記複数の抽出孔に供給する液体を保持するための液体保持部と、該液体保持部に保持された液体と接触可能に設けられたセンサと、前記抽出孔に供給された液体に抽出された分析物を前記センサに向けて移動させるための電圧を印加する電源とをさらに含んでいる請求項1記載の経皮的分析物抽出キット。
  3. 前記電源は、前記皮膚の角質層には実質的に電流が流れないような大きさの電圧を生体に印加する請求項2記載の経皮的分析物抽出キット。
  4. 前記電源は、0.05Vより大きく10Vより小さい一定の電圧を出力する定電圧電源である請求項3記載の経皮的分析物抽出キット。
  5. 前記針の前記皮膚に挿入される部分の長さは、20μmより長く1000μmより短い請求項1乃至4の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  6. 前記挿入装置は、複数の前記針と、前記複数の針を保持するホルダとを備えている請求項1乃至5の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  7. 前記抽出装置は、電源と、前記電源に接続される陰極および陽極と、前記陰極および陽極の少なくとも一方に接触して設けられ、抽出された分析物を収集する収集媒体とを備えている請求項1乃至6の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  8. 前記抽出孔が形成された皮膚の位置を特定するためのマーカーを更に備えている請求項1乃至7の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  9. 前記抽出装置は、前記抽出孔の形成状態をチェックするチェック手段を更に備えている請求項1乃至8の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  10. 前記生体に抽出孔の形成状態をチェックするための電場を付与する電源を更に備えている請求項9記載の経皮的分析物抽出キット。
  11. 前記抽出装置は、抽出された分析物を分析する分析手段を更に備えている請求項1乃至10の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  12. 前記針は、角質層を貫通し真皮には達するが皮下組織には達しない抽出孔を皮膚に形成する請求項1乃至11の何れかに記載の経皮的分析物抽出キット。
  13. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出装置であって、
    皮膚に形成された抽出孔に抽出された分析物を、前記抽出孔の外部に移動させるための電場を付与する電源と、
    前記抽出孔の形成状態をチェックするチェック手段と
    を備えた経皮的分析物抽出装置。
  14. 前記チェック手段は、前記電源が前記生体に電場を付与したときの電流値に基づいて前記抽出孔の形成状態のチェックを行う請求項13記載の経皮的分析物抽出装置。
  15. 前記チェック手段は、前記電源が前記生体に電場を付与したときの電流値を監視し、前記電流値が所定値より小さい場合に、前記抽出孔が十分に形成されていないと判定する請求項14記載の経皮的分析物抽出装置。
  16. 前記チェック手段は、前記電源が前記生体に電場を付与したときの電圧値に基づいて前記抽出孔の形成状態のチェックを行う請求項13記載の経皮的分析物抽出装置。
  17. 前記チェック手段は、前記電源が前記生体に電場を付与したときの電圧値を監視し、前記電圧値が所定値を超えた場合に、前記抽出孔が十分に形成されていないと判定する請求項16記載の経皮的分析物抽出装置。
  18. 前記チェック手段によって前記抽出孔が十分に形成されていないと判定された場合に、前記抽出孔の形成を促すメッセージを出力する出力手段を更に備えている請求項13乃至17の何れかに記載の経皮的分析物抽出装置。
  19. 前記抽出孔は、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない請求項13乃至18の何れかに記載の経皮的分析物抽出装置。
  20. 生体からグルコースを経皮的に抽出してグルコースの分析を行う血糖値測定装置であって、
    初期血糖値を入力するための入力部と、
    皮膚に形成された抽出孔に抽出されたグルコースを、前記抽出孔の外部に移動させるための電圧を印加する電源と、
    抽出された前記グルコースに基づく信号を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出される前記信号から血糖値を算出する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記検出部によって検出される信号からグルコース濃度を算出するとともに、該グルコース濃度と前記入力部によって入力された前記初期血糖値とに基づいて測定時血糖値を算出する血糖値測定装置。
  21. 前記制御部は、前記初期血糖値と、前記初期血糖値が入力される際の初期グルコース濃度と、測定時血糖値を算出する際の測定時グルコース濃度とに基づいて、測定時血糖値を算出する請求項20記載の血糖値測定装置。
  22. 前記制御部は、前記初期血糖値が入力される際の初期グルコース濃度と電流値とに基づいて、初期単位電流当たりグルコース濃度を求めるとともに、測定時血糖値を算出する際の測定時グルコース濃度と電流値とに基づいて、測定時単位電流当たりグルコース濃度を求め、前記初期血糖値と、前記初期単位電流当たりグルコース濃度と、前記測定時単位電流当たりグルコース濃度とに基づいて、前記測定時血糖値を算出する請求項20又は21記載の血糖値測定装置。
  23. 前記制御部は、前記初期血糖値が入力される際の初期グルコース濃度と電圧値とに基づいて、初期単位導電率当たりグルコース濃度を求めるとともに、測定時血糖値を算出する際の測定時グルコース濃度と電圧値とに基づいて、測定時単位導電率当たりグルコース濃度を求め、前記初期血糖値と、前記初期単位導電率当たりグルコース濃度と、前記測定時単位導電率当たりグルコース濃度とに基づいて、前記測定時血糖値を算出する請求項20又は21記載の血糖値測定装置。
  24. 前記抽出孔は、少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない請求項20乃至23の何れかに記載の血糖値測定装置。
  25. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、
    少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、
    前記複数の抽出孔に液体を供給することによって、前記抽出孔に供給された液体に分析物を抽出する抽出ステップと
    を包含している経皮的分析物抽出方法。
  26. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、
    分析物を抽出するための抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、
    前記抽出孔の形成状態をチェックするチェックステップと、
    前記チェックステップにおいて前記抽出孔が十分に形成されていると判定された場合に、前記抽出孔に抽出された分析物を、前記抽出孔の外部に移動させる移動ステップと
    を包含している経皮的分析物抽出方法。
  27. 生体からグルコースを経皮的に抽出してグルコースの分析を行う血糖値測定方法であって、
    分析物を抽出するための抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、
    初期血糖値を入力する初期血糖値入力ステップと、
    前記抽出孔に抽出されたグルコースを、前記抽出孔の外部に移動させるための電場を付与する電場付与ステップと、
    前記電場付与ステップで抽出される前記グルコースに基づく信号を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出される前記信号から血糖値を算出する算出ステップと
    を備え、
    前記算出ステップにおいて、前記検出ステップで検出される前記信号からグルコース濃度が算出されるとともに、該グルコース濃度と前記初期血糖値入力ステップで入力された前記初期血糖値とに基づいて測定時血糖値が算出される血糖値測定方法。
  28. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出キットであって、
    少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成するための複数の針を備えた挿入装置と、
    前記複数の抽出孔が形成された皮膚に載置され、前記複数の抽出孔を介して前記分析物を抽出する抽出装置と
    を備えた経皮的分析物抽出キット。
  29. 生体から分析物を経皮的に抽出する経皮的分析物抽出方法であって、
    少なくとも角質層を貫通し皮下組織には達しない複数の抽出孔を皮膚に形成する抽出孔形成ステップと、
    前記複数の抽出孔を介して前記分析物を抽出する抽出ステップと
    を包含している経皮的分析物抽出方法。
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