JP2005218324A - ペディオコッカスペントサセウスerom101とそのミュータントまたはバリアントおよびそれらを含有する免疫増強用組成物と抗癌用組成物、抗菌用組成物、整腸用組成物、生菌剤用組成物、飼料用組成物、食品添加用組成物、発酵製品並びにそれらの培養方法と微生物生長をコントロールする方法 - Google Patents
ペディオコッカスペントサセウスerom101とそのミュータントまたはバリアントおよびそれらを含有する免疫増強用組成物と抗癌用組成物、抗菌用組成物、整腸用組成物、生菌剤用組成物、飼料用組成物、食品添加用組成物、発酵製品並びにそれらの培養方法と微生物生長をコントロールする方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、新規なペディオコッカス属微生物に関するもので、より詳しくはヒトの腸内から由来した、免疫増強、抗癌及び抗菌活性を有するペディオコッカス ペントサセウスEROM101(KCCM−10517)及びこの用途に関するものである。本発明に係るペディオコッカス ペントサセウスEROM101は大食細胞/脾臟細胞活性化及び腸管免疫活性誘導を通じて優れた免疫増強活性を表し、また抗癌及び抗菌活性を表すため、免疫増強剤、抗癌剤及び抗菌剤をはじめとして食品添加剤、整腸剤、生菌剤、飼料添加剤及びその他の発酵製品の製造に多様に利用することができる。
【選択図】 図1
Description
Gabriela perdigon et al.、 j. of food Protection 53:404−410、 1990 Katsumasa sato et al.、 Microbiol. Immunol.、 32(7):689−698、 1988
したがって、本発明はヒトの腸内から由来した、免疫増強、抗癌及び抗菌活性を有するペディオコッカス ペントサセウスEROM101およびその変異体としてのミュータントまたは変異体としてのバリアントを提供する。
また、本発明は前記ペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する発酵製品を提供する。
更に、本発明は前記ペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを微生物と接触させることを含む微生物生長をコントロールする方法を提供する。
本発明は優れた免疫増強、抗癌及び抗菌活性を有する新規なペディオコッカス属微生物を提供する。乳酸菌がヒトに使用され得るためには、腸内に安定的に定着しなければならず、耐胆汁性及び耐酸性がなければならない。したがって、ヒトを対象とした乳酸菌製品を作るためには、ヒトから由来した乳酸菌を利用しなければならない。これに、本発明者らは人糞からヒトの腸内から由来した、優れた免疫増強活性を有するペディオコッカス属微生物を分離した。まず、人糞から乳酸菌選択培地であるLBSアガール培地を用いて多数の乳酸菌を選択的に分離した後、各菌株を培養して得た菌体を大食細胞と共に培養した。以後、最も高い大食細胞増殖率を表す微生物を選別した後、同定した。この時、前記大食細胞には、哺乳動物の腹腔から分離した大食細胞を使用することが望ましく、具体的に本発明ではマウスの腹腔から分離した大食細胞を使用した。また、分離された微生物の同定は形態学的、培養学的及び生理学的特性を基礎にしてバージースマニュアル(Bergey’s manual)の分類基準及び微生物同定用キットを用いた分析プログラムを利用して実施することができる。また、グラム染色、酸素要求性、栄養要求性、資化性、代謝による生成物、酵素反応、抗生物質抵抗性などのような生理的特性などを調査して同定することができ、DNA塩基組成、16S RNA構造分析を利用する分子遺伝学的方法、細胞壁構成成分、電子伝達系のキノン型、菌体脂肪酸組成(MIDI)化学分類法及び免疫学的方法を利用することができる。具体的に、本発明では微生物同定用キットであるAPI 50 CHLキット(BioMereux Co.、 France)を用いて得られた結果をAPI LABプラスデータベースV5.0で分析して本発明の微生物を同定した。その結果、本発明で分離された微生物がペデイオコツカスペントサセウスと99.9%の相同性(identity)を示すことを確認した。したがって、本発明者らは前記微生物を「ペディオコッカス ペントサセウスEROM101」と命名し、韓国微生物保存センターに2003年10月10日付で寄託した(寄託番号:KCCM−10517)。
第一に、細胞濃度に依存して大食細胞の増殖を促進させ、大食細胞による細胞性免疫活性、脾臟細胞による体液性免疫活性及び腸管免疫活性を増進させる(図3〜図5及び図7〜図9を参照)。
第三に、多様な有害微生物に対して抗菌活性を表す(表3〜表5を参照)。
したがって、本発明のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントはヒト及び動物の健康増進のための用途、すなわち免疫増強用、抗癌用、抗菌用、整腸用、生菌剤または飼料用組成物として使用され得る。前記組成物は、本発明のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントの破砕された細胞壁分画、生菌、死菌、乾燥菌または培養物を有効成分として含むことができ、賦形剤または担体を更に含むことができる。前記培養物は液体培地で培養した培養液自体、前記培養液を濾過または遠心分離して菌株を除去した濾液(遠心分離した上澄液)、前記培養液を超音波処理または溶解酵素(lysozyme)処理して得た細胞破砕液などを含む。組成物内のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントの含量は組成物の用途及び剤形に応じて変わり得る。
但し、下記実施例は本発明を例示するもので、本発明の内容がこれに限定されるものではない。
人糞1gを生理食塩水100mlに懸濁した後、適当量を取ってLBSアガール培地(酢酸ナトリウム25g/L、グルコース20g/L、パンクレアチックダイジェストカゼイン10g/L、KH2PO46.0g/L、酵母抽出物5g/L、クエン酸アンモニウム2g/L、ポリソルビン酸801g/L、MgSO4 0.575g/L、FeSO40.034g/L、MnSO4 0.12g/L、酢酸1.32mL/L、アガール15g/L、pH5.5)に塗抹して単一コロニーを分離した。以後、各コロニーをMRS培地(1L当りペプトン10g、酵母抽出物5g、ビーフ抽出物10g、葡萄糖20g、ポリソルビン酸1g、クエン酸アンモニウム2g、酢酸ナトリウム5g、MgSO40.1g、MnSO4 0.05g、Na2HPO4 2g)に接種し、37℃で24時間培養した。以後、遠心分離し、培養液から菌体を回収した後、超音波破砕機で菌体を破砕して試料を製造した。それから、Balb/Cマウス(大韓実験動物センター)の腹腔から分離した大食細胞と前記試料を12時間培養して大食細胞の増殖率が最も高い菌株を選抜した。この時、大食細胞の増殖率はニュートラルレッド(neutral red)アッセイを通じて生存細胞内に蓄積される染料の量を測定して調査した。以後、選抜された菌株をAPI 50 CHLキット(BioMereux Co.、 France)を用いて同定した。前記菌株をAPI CHL培地に懸濁した後、ストリップに分注し、培養して発酵された炭水和物の酸生成有無によるpHによる色の変化に基づいて結果を判読した。各結果を微生物同定プログラムであるAPI LABプラスデータベースV5.0を用いて分析した。その結果、前記選抜された菌株はペデイオコツカスペントサセウスと99.9%の相同性(identity)を示した。したがって、本発明者らは前記菌株を「ペディオコッカス ペントサセウスEROM101」と命名し、2003年10月10日付で韓国微生物保存センターに寄託した(寄託番号:KCCM−10517)。図1は、本発明に係るペディオコッカス ペントサセウスEROM101(以下、EROM101という)を顕微鏡により観察した結果を示したものである。前記菌株の生化学的な特性は次の通りであり、糖利用性は下記表1に記載されている通りである。
<菌株特性>
1.生育温度:30-45℃で生育が良好であるが、15℃では生育不可能(最適温度:37℃)
2.生育pH:6−7(最適pH:6.5)
3.運動性:なし
4.グラム染色:陽性
5.α-グルコシダーゼ活性:陽性、β-ガラクシトダーゼ活性:陰性
6.酸素影響:通性嫌気性
<2-1>大食細胞増殖率及び活性調査
a)大食細胞増殖率測定
前記実施例1で分離したEROM101の免疫増強活性を調査するために、培養時間による生菌数を測定した。前培養された菌株をMRS培地に最終濃度2%になるように接種して37℃で培養し、培養時間による生菌数を測定した。その結果、図2に示されているように、18時間培養した時最も高い生菌数を示すことが確認できた。
b)大食細胞活性調査
殺菌されたチオグリコレート(thioglycollate)(Sigma−Aldrich、USA)1mlを5週齢のBalb/Cマウス(大韓実験動物センター)の腹腔に投与して72時間活性化させた。以後、マウスの頚椎を脱骨させた。RPMI 1640培地(Gibco、 NEW YORK、 USA)5mlを前記マウスの腹腔に注入して洗滌した後、培地を再回収した。この過程を2-3回反復遂行した。回収液を4℃、1,500rpmで10分間遠心分離し、細胞数が1×106cells/mlになるように培地に懸濁した。以後、前記細胞液を最終濃度が1×105cells/mlになるように96-ウェルプレート(96−well plate)にウェル当り100μlづつ分注した。37℃で2時間5% CO2培養器で培養した。大食細胞がプレートに付着されて単一層が形成されているか否かを確認した。プレートの培養液を除去した後、本発明に係るEROM101生菌及びその細胞破砕液(lysate)を濃度別(1μg、10μg、100μg及び1mg)にRPMI 1640培地(+10%FBS)に添加し、前記培地を各ウェルに200μlづつ分注した。前記生菌は1×109の個数で培養した細胞培養液を0.2μmフィルタ(filter)で濾過して使用した。前記細胞破砕液は、次のような方法で製造して使用した;細胞培養液を6,000rpmで15分間遠心分離して上層液を除去し、PBSで2回洗浄した。以後、溶解酵素(lysozyme from hen egg white、 Fluka Co. Switzerland)を0.1g/10mlの濃度で処理し、37℃振盪培養器で1時間放置した後、0.2μmフィルタ(filter)で濾過した。この時、陽性対照群にはLPS(lipopolysaccharide;大腸菌から抽出されたB-細胞誘導物質)20μgが添加されたRPMI 1640培地(+10%FBS)を分注した。また、陰性対照群には培地のみを分注した。以後、5% CO2培養器で24時間培養して大食細胞を活性化させた。大食細胞の活性調査は、大食細胞活性時に分泌される酵素(lysosomal enzyme)活性を測定して行った。培養が完了した後、上層液を除去した。0.1%トリトン-X-100を25μg添加して約20秒間培養器で反応させた。以後、100mM ρ-ニトロフェニルホスフェート(ρ-nitrophenyl phosphate)150μg及び0.1Mクエン酸緩衝溶液(citrate buffer、pH6.0)50μgを添加した後、37℃、5% CO2培養器で45分間反応させた。0.2Mほう酸塩緩衝溶液(borate buffer、pH9.6)50μgを添加して反応を停止させた。以後、ELISAリーダ(reader)(TECAN GENios、Austria)により405nmで吸光度を測定した。
c)公示菌株との大食細胞活性比較調査
本発明に係るEROM101の大食細胞活性を公示菌株であるラクトバチルス アシドフィルス(ATCC 43121)と比較して調査した。活性調査は、前記b)と同様な方法で行った。その結果、図4のBから見られるように、本発明に係るEROM101がラクトバチルス アシドフィルスより高い大食細胞活性を示した。
<2-2>脾臟細胞活性調査
5週齢のBalb/Cマウス(大韓実験動物センター)から脾臟を除去した後、メッシュ(mesh)を用いて脾臟細胞を分離した。4℃、1,700rpmで5分間遠心分離した後、上層液を除去した。RPMI 1640培地で2回洗滌した後、脾臟細胞液に含有されている赤血球を除去するために溶解緩衝溶液(lysis buffer)(155mM NH4Cl、 10mM KHCO3、 0.1mM EDTA)3mlを添加し、37℃の恒温水槽で5分間放置した後、4℃、1,700rpmで5分間遠心分離した。上層液を除去した後、RPMI 1640培地で2回洗浄した。細胞液を最終濃度5×106cells/mlで96-ウェルプレートにウェル当り200μlづつ分注した。以後、本発明に係るEROM101の細胞破砕液とラクトバチルス アシドフィルス(ATCC 43121)の細胞破砕液を濃度別にそれぞれ処理した。前記細胞破砕液は前記<2-1>のb)と同様な方法により製造して使用した。陽性対照群にはLPS 10μg/μgを処理し、陰性対照群には滅菌水を処理した。以後、MTS測定法により脾臟細胞の増殖率を測定して脾臟細胞活性を調査した。72時間37℃、5% CO2培養器で培養した後、MTS(CellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay.Promega、Cat No:G3580)20μg/mlを処理して1-3時間反応させた。ELISAリーダ(TECAN GENios、 Austria)により492nmで吸光度を測定した。
<3-1>試料摂取
3週齢のBalb/C雌性マウス(大韓実験動物センター)を各6匹づつ1)対照群(滅菌水投与群)、2)EROM101の生菌経口投与群(ER)、3)EROM101の細胞破砕液経口投与群(EL)、4)ラクトバチルスの生菌経口投与群(LR)、5)ラクトバチルスの細胞破砕液経口投与群(LL)に分類し、各試料を200μgづつ1日1回4週間経口投与させた。前記生菌及び細胞破砕液はフィルタで濾過したことを除いては前記実施例<2-1>のb)と同様な方法で製造して使用した。大食細胞、脾臟細胞及び腸管免疫活性実験では陽性対照群としてB細胞誘導物質であるLPS及び/または糖蛋白質の一種としてT細胞を誘導する物質であるConA(concanvalinA)をそれぞれ10μg/mlの濃度で処理した。各群のマウスは温度32±2℃、湿度±20%、12時間照明(AM07:00〜PM07:00)の条件下で飼育した。飼料にはマウス用固形飼料を、飲水には上水道水を制限なく摂取させた。
<3-2>体重変化及び臓器重さの測定
各群のマウスの成長有無を調査するために体重変化を調査した。その結果、図6のAから見られるように、実験群と対照群の両方共有意な差は認められなかった。また、各群のマウスの臓器異常有無を確認するために、経口投与4週後マウスの腹部を切開し、臓器(肝及び脾臟)を分離してこれらの重さを測定した。その結果、図6のBから見られるように、全ての群が類似した様相を示した。
<3-3>血液内生化学的指標及び血液学的指標の測定
経口投与4週後に眼窩採血し、それぞれの血清を分離した。生化学分析機(Cobas Mira plus)を用いて血液の生化学的指標-肝機能指標(GOT及びGPT)、腎臓機能指標(BUN及びクレアチン)-を測定し、血球分析機(Medonic Ca 620, Boule、 Sweden)を用いて血液学的指標(赤血球、血小板及び血色素)を測定した。その結果、下記表2から見られるように、全ての群のマウスの血液の生化学的指標と血液学的指標は正常範囲に属した。
bEL:本発明のEROM101の細胞破砕液経口投与群
cLR:ラクトバチルス アシドフィルスの生菌経口投与群
dLL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液経口投与群
<3-4>大食細胞活性の調査
各群のマウスから大食細胞を分離した後、前記実施例<2-1>のb)と同様に大食細胞活性時分泌される酵素活性を測定して大食細胞活性を調査した。その結果、図7から見られるように、EROM101の細胞破砕液経口投与群(EL)>ラクトバチルスの細胞破砕液経口投与群(LL)>EROM101の生菌経口投与群(ER)>ラクトバチルスの生菌経口投与群(LR)の順に高い活性を示した。また、EROM101の細胞破砕液経口投与群の場合、陽性対照群に比べてより高い活性を示した。
<3-5>脾臟細胞活性の調査
前記実施例<2-2>と同様に各群のマウスから脾臟細胞を分離してMTS測定法により脾臟細胞活性を調査した。その結果、図8から見られるように、EROM101の細胞破砕液経口投与群(EL)>EROM101の生菌経口投与群(ER)>ラクトバチルスの細胞破砕液経口投与群(LL)>ラクトバチルスの生菌経口投与群(LR)の順に活性を示した。特に、EROM101の細胞破砕液経口投与群の場合には陽性対照群であるLPS処理群とConA処理群に比べてより高い活性を示した。
<3-6>腸管免疫活性の調査
腸管免疫活性は、消化管粘膜上皮細胞(peyer’s patch)から分泌されるIgAの量を測定して調査した。まず、各群のマウスを頚椎脱骨で犠牲させた後、マウスの腹部を切開して小腸を摘出した。以後、小腸上に存在する消化管粘膜上皮細胞を剥がし、メッシュ(mesh)を用いて細胞を抽出した。抽出された細胞を1×106cells/mlの濃度でRPMI 1640(+10%FBS)培地に懸濁した。以後、懸濁液を24-ウェルプレートにウェル当り1mlづつ分注した。対照群の細胞懸濁液が分注された一部のウェルにはLPS 10μg/mlを追加処理した(陽性対照群)。以後、37℃、5% CO2培養器で5日間培養して消化管粘膜上皮細胞を活性化させた。培養が完了した後、培養上澄液(supernatant)を採取して生成された総IgAの抗体量を測定した。このために、抗-マウスIgA抗体(Phamingen、 USA)を96-ウェルプレートに固定させ、ブロックエース(Block ace)(10% FBSを含有するPBS)を処理して抗体の非特異的結合を阻害した後、IgAを含有する試料を結合させた。以後、パーオキシダーゼ-結合抗-マウスIgA抗体(Phamingen、 USA)と反応させた。ELISAリーダ(TECAN GENios、 Austria)により450nmで吸光度を測定した。
前記結果らから本発明に係るEROM101が免疫増強活性を保有しており、公示菌株であるラクトバチルス アシドフィルスより優れた免疫増強活性を保有していることが確認できた。
<4-1>試験管内テスト
本発明に係るEROM101の抗癌活性を調査するために、ヒト由来癌細胞主を対象として癌細胞増殖抑制効果を試験した。胃癌細胞株AGS(adenocarcinoma、 stomach、 human、 KCLB No.21739)、肺癌細胞株A549(carcinoma、 lung、 human、 KCLB N.10185)及び血液癌細胞株HL60(leukemia、 blood、 human、 KCLB No.10240)を96-ウェルプレートにウェル当り2.0-2.5×104cells/mlになるように分注した。以後、EROM101の細胞破砕液(lysate)と公示菌株であるラクトバチルス アシドフィルス(ATCC 43121)の細胞破砕液を濃度別に処理して24時間または72時間培養した。この時、熱-不活性化FBS、100μg/μgペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを含有するRPMI 1640培地を用いて37℃、5% CO2(95% air)培養器で培養した。前記細胞破砕液は前記実施例<2-1>のb)と同様な方法により製造した。陰性対照群には無血清培地を処理した。培養後、MTS(Cat.No.g3581、 Promega Co.、 USA)20μgを処理して発色させ、1時間後にELISAリーダ(TECAN GENios、 Austria)を用いて492nmで吸光度を測定した。
<4-2>生体内テスト
8週齢のICRマウス(大韓バイオリンク)40匹を4グループに分類した後、3グループにはサルコマ(sarcoma)180細胞株(KCLB 40066)1×106個を腹腔に注入して腹水癌を誘発した。以後、前記3グループ中2グループには本発明に係るEROM101とラクトバチルス アシドフィルス(ATCC 4356)の細胞破砕液をサルコマ180細胞株を注入した日から2日間隔で14日間2日1回それぞれ腹腔投与した。前記細胞破砕液はフィルタで濾過したことを除いては前記実施例<2-1>のb)と同様な方法で製造して使用した。前記4グループは1)腹水癌細胞を注入しないN-グループ、2)腹水癌細胞株を注入したTC-グループ、3)腹水癌細胞株注入後、本発明に係るEROM101の細胞破砕液を腹腔投与したEC-グループ及び4)腹水癌細胞株注入後、ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液を腹腔投与したLC-グループである。各グループのマウスは病原菌がない条件で標準状態で飼育した。以後、2週間腹水癌細胞の増加により現れる体重の増加量を調査し、前記増加量を腹水癌細胞株を注入しないN-グループマウスの体重に対する増加比率で換算して免疫増強を通じた抗癌効果を観察した。
<5-1>グラム陽性及びグラム陰性細菌に対する抗菌活性測定
本発明に係るEROM101を250ml三角フラスコを用いて35℃で48時間培養した。この時、ボリュームは100mlにし、培地にはMRS培地(Difco Lab.、 USA)を使用した。抗菌活性を測定するための被検菌株には下記表3に記載されている菌株を使用し、TSA(Difco Lab.、 USA)培地を使用して培養した。本発明に係るEROM101の抗菌活性はペーパーディスク(paper disk)方法を使用して調査した。TSA培地上に被検菌株を接種した5.5mlのソフトアガール(0.75%)を重畳して抗菌活性測定用プレートを製造した。前記プレート上に直径8mmのペーパーディスク(Adventec Toyo RoshiKaisha、 Ltd.、 Japan)を載せた後、本発明に係るEROM101の培養液(culture broth)、上澄液(supernatant)及び細胞破砕液を80μgづつ分注して37℃で18時間培養した。この時、上澄液は前記培養液を4℃、8,000rpmで遠心分離して得て、細胞破砕液は前記遠心分離により得た沈殿物(pellet)にPBSを添加して懸濁液を製造した後、超音波発生機(sonic Dismenbrator Model 500 Fisher scientific USA)で処理して得た。以後、生成された生育阻止環を確認した。
本発明に係るEROM101の抗菌活性を公示菌株であるペデイオコツカスペンコサセウスKCCM11902とラクトバチルス アシドフィルスATCC 43121を比較して調査した。この時、指示菌にはバチルス セレウスATCC14579とリステリア モノサイトジェニスKFRI 799を使用した。抗菌活性測定は綿棒を利用して前記2つの指示菌を1×106CFU/mlの濃度でTSAアガールプレートに塗抹した。以後、前記<5-1>と同様な方法により遂行して生育阻止環の生成を確認した。抗菌活性単位は生成された生育阻止環の面積からペーパーディスクの面積を除いた面積が1mm2である時を1AU(Arbitrary Unit)とした。
B:細胞濃度による増殖率測定結果
LL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液処理群
ER:EROM101の生菌経口投与群
EL:EROM101の細胞破砕液経口投与群
LR:ラクトバチルス アシドフィルスの生菌経口投与群
LL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液経口投与群
EL:EROM101の細胞破砕液経口投与群
LR:ラクトバチルス アシドフィルスの生菌経口投与群
LL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液経口投与群
B:ConA処理群を陽性対照群として利用した場合
ER:EROM101の生菌経口投与群
EL:EROM101の細胞破砕液経口投与群
LR:ラクトバチルス アシドフィルスの生菌経口投与群
LL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液経口投与群
LL:ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液経口投与群
LC-グループ:腹水癌細胞株注入後、ラクトバチルス アシドフィルスの細胞破砕液を腹腔投与した群
TC-グループ:腹水癌細胞株注入後、生理食塩水(Saline)を投与した群
Claims (11)
- ペディオコッカス ペントサセウスEROM101(寄託番号:KCCM−10517)、または前記菌株と同等な免疫増強、抗癌及び抗菌活性を有する前記菌株のミュータントまたはバリアント。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する免疫増強用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する抗癌用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する抗菌用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する整腸用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する生菌剤組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する飼料用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する食品添加用組成物。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを含有する発酵製品。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを炭素源、窒素源、ビタミン及びミネラルで構成された培地で30-45℃、10-40時間培養することを特徴とするペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントの培養方法。
- 請求項1のペディオコッカス ペントサセウスEROM101、このミュータントまたはバリアントを微生物と接触させることを含む微生物生長(microbial growth)をコントロールする方法。
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JP2004027579A JP3970249B2 (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | ペディオコッカスペントサセウスerom101と、それを含有する免疫増強用組成物と抗癌用組成物、抗菌用組成物、整腸用組成物、生菌剤用組成物、飼料用組成物、食品添加用組成物、発酵製品並びにそれらの培養方法と微生物生長をコントロールする方法 |
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JP2004027579A JP3970249B2 (ja) | 2004-02-04 | 2004-02-04 | ペディオコッカスペントサセウスerom101と、それを含有する免疫増強用組成物と抗癌用組成物、抗菌用組成物、整腸用組成物、生菌剤用組成物、飼料用組成物、食品添加用組成物、発酵製品並びにそれらの培養方法と微生物生長をコントロールする方法 |
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