JP2005218008A - 映像信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛び越し走査信号を順次走査信号に変換するとき、フィールド単位の遅延が発生することなく、フリッカが発生せずボケのない画像を得る。
【解決手段】2つのフィールド遅延部を直列に設け、隣接する3フィールドの映像信号を得る。隣接する3フィールドの画素値を比較した結果、(N−2)フィールドまたはNフィールドの画素値が中間となった場合には、中間値補間回路でNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドの垂直方向に隣接する画素より生成した垂直高域成分を加算することで、出力される映像信号がフィールド単位で遅延することがなく、大きな映像破綻なく静止画像の解像度劣化を来たさない良好な画質を得ることが可能となり、さらに完全な静止画の場合には、静止部検出回路でNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドのNフィールドの補間画素位置の画素値をそのまま補間する。
【選択図】図1

Description

本発明は飛び越し走査の映像信号を順次走査の映像信号に変換する映像信号処理装置に関するものである。
従来のインターレース信号をプログレッシブ信号に変換する映像信号処理装置としては、例えば特開平9−224223号公報(特許文献1)に示されたものがある。ところが、変換後の映像信号は音声信号に対しても1フィールド遅延されるため、放送局等での編集で支障を来たすという課題を有しており、その課題を解決する方法としては、図8に示す構成が知られている。
図8は、飛び越し走査の映像信号が入力される入力端子と、入力端子801に入力された映像信号を1フィールド遅延させる第1のフィールドメモリ802と、フィールドメモリ802で遅延された映像信号をさらに1フィールド遅延させる第2のフィールドメモリ803と、フィールドメモリ802に入力(入力端子801の入力)される映像信号を用いて、同一フィールド内の2つの画素より補間走査線を生成する第1の補間回路804と、第2のフィールドメモリ803から出力される映像信号を用いて、同一フィールド内の2つの画素より補間走査線を生成する第2の補間回路805と、補間回路804の出力する映像信号の画素値と、第1のフィールドメモリ802から出力される映像信号の画素値と、補間回路805の出力する映像信号の画素値を比較し、3つの画素値より中間の画素値となるフィールドを判別する中間値比較回路806と、第1のフィールドメモリ802から出力される同一フィールド内の3つの画素より垂直高域成分を抽出するフィルター回路807と、第1の補間回路804の出力とフィルター回路807の出力を加算値を出力する加算値回路808と、中間値比較回路806の制御信号により、第1の補間回路804の出力または加算回路808の出力のどちらかを選択し出力する補間値選択回路809と、入力された映像信号を記憶し、読み出し時に映像信号の水平走査期間を1/2に圧縮して倍レートで記憶内容を出力する倍速変換部810、811と、倍速変換部810、811の出力を1ライン周期毎に切り替えて出力する選択回路812と、順次走査の映像信号を出力する出力端子813とから構成されている。
このように構成された従来の映像信号処理装置の動作を説明する。図8において、入力端子801に飛び越し走査の映像信号が入力されると、フィールドメモリ802、803によって夫々1フィールド期間映像が遅延される。そしてフィールドメモリ803から2フィールド即ち1フレーム期間遅延された映像信号が出力される。入力端子801から入力される映像信号およびフィールドメモリ803のから出力される映像信号は補間回路804および補間回路805に入力され、ここでそれぞれの同一フィールド内の画素より補間処理が行われ、補間走査線が生成される。
この補間回路804、805の出力およびフィールドメモリ802から出力される映像信号が中間値比較回路806に入力され、この3つの画素値より中間値となる画素フィールドを判別する。そして判別の結果、補間回路804の出力または補間回路805の出力が中央値となった場合は、静止信号として中間値比較回路806から「High」の制御信号を出力し、フィールドメモリ802から出力される映像信号が中間値となった場合は、中間値比較回路806から「Low」の制御信号を出力する。補間値選択回路809は、中間値比較回路806の制御信号によって、制御信号が「Low」の時は補間回路804の出力を選択し、制御信号が「High」の時は補間回路804とフィルター回路808の出力より加算値を出力する加算回路808の出力を選択し、倍速変換回路812に出力する。
このようにして補間値選択回路809で得られた補間走査線と、実走査線となる入力端子801から入力される現フィールドの映像信号は夫々倍速変換部810と811に入力される。倍速変換部810、811では通常の速度で書き込まれた走査線の画素データが2倍の速度で読み出される。選択回路812は倍速変換部810と811の出力を1ライン周期で交互に切り換え、順次走査化した映像信号を出力端子813より出力する。
中間値選択回路806では、図9に示すように現フィールドであるNフィールドの画素値A,Bより補間回路804から出力される平均値aと、フィールドメモリ802から出力される(N−1)フィールドの画素値C、フィールドメモリ803から出力される(N−2)フィールドの画素値D、Eより補間回路805から出力される平均値bの3画素値の大小関係が比較(図9点線部)され、補間回路805の出力または補間回路806の出力が中間値となった場合には、静止部分と判断し、中間値選択回路から「High」の制御信号を出力する。
フィルター回路808はフィールドメモリ802から出力される(N−1)フィールドの映像信号の垂直方向3画素より垂直高域成分を抽出する回路である。図10(a)、(b)は垂直高域フィルターによる解像度向上を示した図であり、図10(a)は1フィールド前の垂直高域成分を加算しない場合、図10(b)は1フィールド前の垂直高域成分を加算した場合である。図において、白○は輝度レベル255の値を持った画素、黒○は輝度レベル0の値を持った画素であり、×部分が補間される画素部分である。
図10(a)のように補間画素×に同一フィールド内の2画素平均値を補間した場合、本来静止画であるため、現フィールドNに対し1フィールド前の(N−1)フィールド画素A(黒○:レベル0)を補間画素×に補間すべきであるが、現フィールドの平均値を補間画素とするため、補間画素×はレベル128の画素値が補間されることとなり垂直方向にボケた映像となってしまう。
これに対し、中間値選択回路806により補間回路804、805の出力およびフィールドメモリ802の出力の3画素を比較し、中間となる画素フィールドを判別すれば、図10(b)のように(N−2),Nフィールドで補間回路804,805それぞれで補間した補間画素値が等しくなるため、(N−1)フィールドの垂直高域成分を加算された加算回路の出力が補間値選択回路810から出力されることとなるため、図10(b)に示すように補間画素×には
(A+B)/2+{D/2−(C+E)/4}
で計算される値が補間され、結局(N−1)フィールドの画素(黒○:レベル0)と値の等しいレベル0の補間値が補間画素×に補間されるため、図10(a)の場合のような垂直方向にボケることなく補間が行なわれる。このように垂直方向にエッジを持つような部分では、(N−1)フィールドの垂直高域成分をNフィールドの画素に加算することとなり垂直解像度の劣化を防ぐことができる。
このように(N−2)フィールドの同一フィールド内の垂直方向に隣接する2画素平均値、Nフィールドの同一フィールド内の垂直方向に隣接する2画素平均値および(N−1)フィールドの画素値を比較し、(N−2)フィールドの2画素平均値またはNフィールドの2画素平均値が中間値となる場合には、現フィールドであるNフィールド2画素平均値に(N−1)フィールドの垂直高域成分を加算することで、出力される映像信号がフィールド単位で遅延することがなく、さらに大きな映像破綻なく静止画像の解像度劣化を来たさない良好な画質を得ている。
特開平9−224223号公報
しかしながら前記のような構成では、現画素および補間画素値を生成するフィールドを現フィールドである(N+1)フィールドを用いて行なっているため、フィールド単位での遅延が無く音声信号に対する遅延等も発生しないが、完全な静止画であっても現フィールドおよび1フィールド前の数ラインの信号を用いて補間画素を作成しているため、フリッカが発生する部分が残り、かつボケた映像となってしまうという課題を有していた。
本発明はかかる点に鑑み、フィールド単位の遅延が無く動画/静止画に関わらず良好な画質の走査線補間処理を行うとともに完全な静止画映像の場合は、フリッカの発生しないボケのない映像信号処理装置を提供することを目的とする。
また、請求項2記載の発明は、前記目的に加え、動画検出回路で選択・出力される補間画素値が垂直方向に隣接する上下の現画素値に対し、相関がなく破綻が目立つ映像であることを検出・補正することで、映像が大きく破綻することなく走査線補間を行うことができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、連続する(N−2)、(N−1)、Nフィールドの飛び越し走査の映像信号が入力されたとき、(N−2)、(N−1)フィールドの映像信号を夫々記憶する第1、第2のフィールドメモリと、Nフィールドの映像信号から、順次走査におけるNフィールドの補間走査線を生成する第1の補間手段と、前記第2のフィールドメモリの出力として得られる(N−2)フィールドの映像信号から、順次走査の補間画素値を生成する第2の補間手段と、前記第1の補間手段の出力、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2の補間出力のうち、画素ごとに中間の画素値を有するものを判定し、切り替え制御信号を出力する中間値比較手段と、前記第1のフィールドメモリから出力される映像信号の垂直高域成分を抽出するフィルター手段と、前記第1の補間手段の出力または、前記第1の補間手段と前記フィルター手段との加算値のいずれかを、前記中間値比較手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する補間値選択手段と、Nフィールドの映像、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2のフィールドメモリの出力より、Nフィールドの補間画素部分に隣接する上下画素部分が静止であることを検出し、切り替え制御信号を出力する静止判別手段と、前記(N−1)フィールドの映像信号または、前記補間値選択手段のいずれかを前記静止判別手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、第2の本発明は、連続する(N−2)、(N−1)、Nフィールドの飛び越し走査の映像信号が入力されたとき、(N−2)、(N−1)フィールドの映像信号を夫々記憶する第1、第2のフィールドメモリと、Nフィールドの映像信号から、順次走査におけるNフィールドの補間走査線を生成する第1の補間手段と、前記第2のフィールドメモリの出力として得られる(Nー2)フィールドの映像信号から、順次走査の補間画素値を生成する第2の補間手段と、前記第1の補間手段の出力、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2の補間出力のうち、画素ごとに中間の画素値を有するものを判定し、切り替え制御信号を出力する中間値比較手段と、前記第1のフィールドメモリから出力される映像信号の垂直高域成分を抽出するフィルター手段と、前記第1の補間手段の出力または、前記第1の補間手段と前記フィルター手段との加算値のいずれかを、前記中間値比較手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する補間値選択手段と、Nフィールドの映像、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2のフィールドメモリの出力より、Nフィールドの補間画素部分に隣接する上下画素部分が静止であることを検出し、切り替え制御信号を出力する静止判別手段と、前記(N−1)フィールドの映像信号または、前記補間値選択手段のいずれかを前記静止判別手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する第1の選択手段と、Nフィールドおよび(N−2)フィールドの所定数の画素平均値より動きを検出する動き検出し、切り替え制御信号を出力する動き検出手段と、前記第1値の選択手段の出力または、前記補間値選択手段のいずれかを前記動き検出手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する第2の選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、第3の本発明は、前記静止判別手段は、Nフィールドの映像信号の補間画素値の垂直方向上下に位置する2つの画素値よりフィールド内のエッジを検出するフィールド内エッジ検出手段と、Nフィールドの補間画素部と同一位置にある(N−1)フィールドの映像とNフィールドの補間画素部の上または下の画素よりフィールド間のエッジを検出するフィールド間エッジ検出手段と、(N−2)フィールドの映像とNフィールドの映像の補間画素の上または下の画素よりフレーム間で動きを検出するフレーム間差分検出手段とを少なくとも備えたことを特徴とするものである。
また、第4の本発明は、前記静止判別手段は、Nフィールドの映像の補間される画素の上下画素の差分値が所定値以上でかつNフィールドおよび(N−2)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素の上下画素差分値が所定値以下の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の上画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の上画素と(N−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の下画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の下画素と(N−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合、に静止と判定することを特徴とするものである。
また、第5の本発明は、前記動き検出手段は、Nフィールドの補間画素部分の上下に隣接する所定数の画素平均値と(N−2)フィールドのNフィールドの補間画素部分の上下に隣接する所定数の画素平均値の差分絶対値が所定値以上の場合に動きと判断することを特徴とするものである。
本発明は、隣接する3フィールドの画素値を比較した結果、(N−2)フィールドまたはNフィールドの画素値が中間となった場合にはNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドの垂直方向に隣接する画素より生成した垂直高域成分を加算することで、出力される映像信号がフィールド単位で遅延することがなく、大きな映像破綻なく静止画像の解像度劣化を来たさない良好な画質を得ることが可能となり、さらに完全な静止画の場合には、Nフィールドの補間画素に(N−1)フィールドのNフィールドの補間画素位置の画素値をそのまま補間することで、フリッカが発生せずボケのない画像を実現できる。また、さらに動画検出回路を設けることで動画部分において(N−1)フィールドの画素そのものを補間した場合に破綻が目立つとき、それを検出しNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドの垂直方向に隣接する画素より生成した垂直高域成分を加算するためフィールド単位の遅延が無く、さらに動画部分での破綻を防いだ画素補間を実現でき、その実用的効果は大きい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における映像信号処理装置について図1〜4を用い説明する。図1は本発明の実施の形態1の映像信号処理装置のブロック図を示す。
図1に示す映像信号処理装置は、飛び越し走査の映像信号が入力される入力端子101と、入力端子101に入力された映像信号を1フィールド遅延させる第1のフィールドメモリ102と、フィールドメモリ102で遅延された映像信号をさらに1フィールド遅延させる第2のフィールドメモリ103と、フィールドメモリ102に入力(入力端子101の入力)される映像信号を用いて、同一フィールド内の2つの画素より補間走査線を生成する第1の補間回路104と、第2のフィールドメモリ103から出力される映像信号を用いて同一フィールド内の2つの画素より補間走査線を生成する第2の補間回路105と、補間回路104の出力する映像信号の画素値と、第1のフィールドメモリ102から出力される映像信号の画素値と、補間回路105の出力する映像信号の画素値を比較し、3つの画素値より中間の画素値となるフィールドを判別する中間値比較回路106と、第1のフィールドメモリ102から出力される同一フィールド内の3つの画素より垂直高域成分を抽出するフィルター回路107と、第1の補間回路104の出力とフィルター回路107の出力を加算値を出力する加算値回路108と、中間値比較回路106の制御信号により、第1の補間回路104の出力または加算回路108の出力のどちらかを選択し出力する補間値選択回路109と、入力端子101から入力された映像信号より補間画素部分の上下画素値から同一フィールド内のエッジを検出するフィールド内エッジ検出回路111と、入力端子101から入力された映像信号の補間画素部分の上または下画素値と、第1のフィールドメモリ102から出力される映像信号の補間画素部分と同じ位置に相当する画素値よりフィールド間のエッジを検出するフィールド間エッジ検出回路(上)112およびフィールド間エッジ検出回路(下)114と、入力端子101から入力された映像信号の補間画素部分の上または下画素値と、第2のフィールドメモリから出力される映像信号よりフレーム間の差分を検出するフレーム間差分検出回路(上)113およびフレーム間差分検出回路(下)115と、それぞれからの差分検出結果を演算するAND回路116〜119と、OR回路120,121と、OR回路121からの制御信号によって、第1のフィールドメモリ102から出力された映像信号または補間値選択回路109のどちらかを選択し出力する選択回路122と、入力された映像信号を記憶し、読み出し時に映像信号の水平走査期間を1/2に圧縮して倍レートで記憶内容を出力する倍速変換部124、125と、倍速変換部124、125の出力を1ライン周期毎に切り替えて出力する選択回路126と、順次走査の映像信号を出力する出力端子127とから構成されている。
次に、以上のように構成された、実施の形態1の映像信号処理装置の動作を説明する。
図1において、入力端子101に飛び越し走査の映像信号が入力されると、フィールドメモリ102、103によって夫々1フィールド期間映像が遅延される。そしてフィールドメモリ103から2フィールド即ち1フレーム期間遅延された映像信号が出力される。入力端子101から入力される映像信号およびフィールドメモリ103のから出力される映像信号は補間回路104および補間回路105に入力され、ここでそれぞれの同一フィールド内の画素より補間処理が行われ、補間走査線が生成される。
この補間回路104、105の出力およびフィールドメモリ102から出力される映像信号が中間値比較回路106に入力され、この3つの画素値より中間値となる画素フィールドを判別する。
そして判別の結果、補間回路104の出力または補間回路105の出力が中央値となった場合は、静止信号として中間値比較回路106から「High」の制御信号を出力し、フィールドメモリ102から出力される映像信号が中間値となった場合は、中間値比較回路106から「Low」の制御信号を出力する。補間値選択回路109は、中間値比較回路106の制御信号によって、制御信号が「Low」の時は補間回路104の出力を選択し、制御信号が「High」の時は補間回路104とフィルター回路108の出力より加算値を出力する加算回路108の出力を選択し、選択回路122に出力する。この補間値選択回路109から出力される映像信号は、静止画映像であっても、補間画素部の上下画素平均値にフィルター回路108で作成された(N−1)フィールドの映像信号の垂直方向3画素より垂直高域成分を加算したものであるため、完全な静止映像とはならない。そこで、さらに補間値選択回路109から出力された補間画素値を選択回路122に入力し、静止画であった場合は、Nフィールドの補間画素部分と同一位置にある(N−1)フィールドの映像信号が選択回路122から倍速変換回路125に出力される。
このようにして選択回路122で得られた補間走査線と、実走査線となる入力端子101から入力される現フィールドの映像信号は夫々倍速変換部124と125に入力される。倍速変換部124、125では通常の速度で書き込まれた走査線の画素データが2倍の速度で読み出される。選択回路126は倍速変換部124と125の出力を1ライン周期で交互に切り換え、順次走査化した映像信号を出力端子127より出力する。
これにより、完全な静止画映像時は、フィールド間のはめ込みが行なわれるためフリッカが発生せず、かつ解像度ボケのない映像が得られる。
静止画の判別は静止部検出回路122で行なわれ、具体的にはNフィールドの映像の補間される画素の上下の画素の差分値が所定値以上でかつNフィールドおよび(N−2)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素の上下画素の差分値が所定値以下の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の上画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の上画素とN−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の下画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の下画素と(N−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合に静止画像と判断し、選択回路122から(N−1)フィールドの映像信号が選択されて出力するよう制御信号を出力する。
それぞれの検出回路で検出する場所を図2に示す。図2において、×印の場所が補間画素部分、画素AおよびBが現フィールドであるNフィールドの映像を、画素Cが(N−1)フィールドの映像を、画素Dおよび画素Eが(N−2)フィールドの映像を示している。
まずフィールド内のエッジ検出について説明する。フィールド内エッジ検出回路111では、図2の画素Aと画素Bの差分値(エッジC)が所定値より大きい場合にエッジと判断し、Highの制御信号を出力する。さらにこのままでは動画時でもエッジと判断されてしまうため、図2の画素Aと画素Dの差分値(差分A)が所定値より小さくかつ画素Bと画素Eの差分値(差分B)が所定値より小さい場合、補間画素×上下部分のフレーム間で同じ映像であると判断させる。このため、フレーム間差分検出(上)113およびフレーム間差分検出(下)115では、NフィールドとN−2フィールドの画素の差分値が所定の値以下の場合にHighの制御信号を出力するように構成している。これら検出回路からの制御信号をAND回路116および117でANDし、フィールド内のエッジ検出結果としている。
フィールド間エッジ検出は、補間画素×に対し上側と下側についての差分値が所定値より大きい場合にエッジと判断し、Highの制御信号を出力する。上側については図2の画素Aと画素Cの差分値(エッジA)を、下側については図2の画素Bと画素Cの差分値(エッジB)をそれぞれ所定値より大きいか判断している。フィールド内エッジ検出と同様、フィールド間の差分値だけでは動画時でもエッジと判断されてしまうため、上側については図2の画素Aと画素Dの差分値(差分A)が所定値より小さい場合を、下側については図2の画素Bと画素Eの差分値(差分B)が所定値より小さい場合を条件とするため、AND回路118,119でそれぞれのフィールド間エッジ検出結果をANDしている。
これらフィールド内エッジ検出結果およびフィールド間エッジ検出結果をOR回路120、121でORし、このORされた検出結果がHighであれば静止と判断される。
フィールド内エッジ検出回路111、フィールド間エッジ検出回路112および114、フレーム間差分検出回路113、115は例えば図3に示すような構成となっており、2つの画素値を減算回路300にて減算することで差分値を求め、それを絶対値回路301で正数に変換し、その正数を比較回路302で所定係数と比較し、制御信号を出力する構成となっている。なお、比較回路302はフレーム間差分検出回路113、115の場合は、絶対値回路301からの出力が所定係数値以下の場合にHighを出力し、フィールド内エッジ検出回路111、フィールド間エッジ検出回路112および114は絶対値回路301からの出力が所定系数値以上の場合にHIghを出力するよう構成される。
図4は、静止画時のフィールド内エッジ検出およびフィールド間エッジ検出の動作を示すための図であり、フレーム差分値(図2の画素Aと画素Dの差分および画素Bと画素Eの差分)は所定値以下とし図を省略している。また、図4の例の場合、差分値が30以上の場合をエッジと判断するものとする。
図4(a)の場合、画素Aと画素Bは、画素値が200、画素Cは画素値が0となっている。この場合、フィールド内の差分は0、フィールド間の差分は上・下側とも200となるため、エッジと判断される。図4(b)の場合は、画素Aと画素Cの画素値が200、画素Bは画素値0となっている。この場合、フィールド内の差分とフィールド間の下側差分がともに200となるため、エッジと判断される。図4(c)の場合も、画素Aと画素Bの値が逆になっているだけのため、フィールド内の差分とフィールド間の下側差分がともに200となるため、エッジと判断される。図4(d)の場合は、画素Aの画素値が200、画素Bの画素値が180、画素Cは画素値が220となっており、フィールド内差分は20、フィールド間の差分は上側が20、下側が40となるため、所定係数が30の場合、フィールド内エッジおよびフィールド間の上側エッジは、エッジなしと判断されるが、フィールド間の下側エッジは所定係数30より大きな値であるためエッジと検出される。図4(e)の場合も、図4(d)と同様にフィールド間の上側エッジが所定係数30よりも大きな値であるためエッジと検出される。
このように、フィールド内差分とフィールド間差分の上側および下側でエッジ検出を行なうことで、補間画素部分のエッジを検出することができ、このエッジが検出された場合に補間画素部分×に画素Cを補間することで、正確に映像が再現でき、フリッカが発生せずかつ解像度ボケのない補間が実現できる。
以上のように、実施の形態1によれば、Nフィールドの映像信号の補間画素値の垂直方向上下に位置する2つの画素値よりフィールド内のエッジを検出し、かつNフィールドの補間画素部と同一位置にある(N−1)フィールドの映像とNフィールドの補間画素部の上または下の画素よりフィールド間のエッジを検出することで、出力される映像信号がフィールド単位で遅延することがなく、さらに静止画像の解像度劣化およびフリッカ発生を来たさない良好な画質を得ることが可能となる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2における映像信号処理装置について、図5〜7を用い説明する。図5は実施の形態2の映像信号処理装置のブロック図を示したもので、図1に示した実施の形態1の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5において、501はNフィールドの映像信号より補間画素の垂直方向に隣接する所定画素からその平均レベルを出力する平均値出力回路、502は、(N−2)フィールドの映像信号より垂直方向に隣接する所定画素からその平均レベルを出力する平均値出力回路、503は平均値出力回路501および502を減算し、その絶対値を出力する絶対値出力回路、504は絶対値回路503から出力と所定値を比較し、切り替え制御信号を出力する比較回路、505は比較回路504の制御信号により静止部の検出結果に基づいて選択回路122から出力される補間信号と、中間値補間回路110から出力される補間信号を切り替える選択回路である。
以上のような構成を有する、本発明の実施の形態2による映像信号処理装置について、以下その動作を説明する。
平均値出力回路501には、入力端子101から入力されたNフィールドの映像信号が入力される。平均値出力回路501では、補間画素部分の垂直方向に隣接するラインの所定画素からその平均画素値を計算し、絶対値出力回路503に出力する。平均値出力回路502では、平均値出力回路501と同様(N−2)フィールドの垂直方向に隣接するラインの所定画素からその平均値を計算し、絶対値出力回路503に出力する。絶対値出力回路503では、平均値出力回路501および502から出力されたNフィールドおよび(N−2)フィールドの画素平均値を減算し、その絶対値を比較回路504に出力する。比較回路504では、所定の比較値と絶対値回路504の出力を比較し、所定の比較値より絶対値回路504の出力が大きい場合にHighの制御信号を選択回路505に出力する。選択回路505では、比較回路505からの制御信号がHighの場合には、中間値補間回路110から出力される補間信号を選択し、Lowの場合には静止部検出回路122の制御信号によって補間信号を選択する選択回路123からの補間信号を選択し、倍速変換回路125に出力する。
図6、7は、本構成の効果を説明するための1例を示した図である。図6の点線で示した場所が動き部分であった場合、静止部検出回路122では、実施の形態1で説明したように図2の各部分のフィールド内エッジ、フィールド間エッジおよびフレーム間差分を計算する。図6の場合、フィールド内エッジ検出およびフィールド間エッジ検出の下側は、画素Bと画素Dの差分が発生するため、動き部分と判断されるが、点線で囲まれた部分以外は静止画の為、フィールド間エッジ検出の上側は画素Aと画素Dの差分値は0となり、かつ画素Aと画素Cでは差分が発生し、エッジと判断される。そのため、静止部検出回路122では、補間画素部分は静止部分と判断し、静止であるHighの制御信号を選択回路505に出力する。このため、本来補間画素部分は動画であるにも関わらず、補間画素部分に画素Cが補間されてしまい映像が破綻してしまうことになる。
しかし、図7の点線部分で示すように平均値出力回路501および502で例えば補間画素部分に隣接する6画素の平均画素値を計算し、その差分絶対値を比較回路504で所定の比較値と比較することで、比較回路504からは動き部分であるHighの制御信号が出力されるため、選択回路123から静止である補間信号が出力されても選択回路505からは、中間値補間回路110で作成された補間信号を選択して出力するため、大きな映像破綻を起こすことは無くなる。
以上のように、本実施の形態によれば、補間画素部分の垂直方向に隣接するラインの所定画素の平均値を比較することで、本来補間画素部分を動画処理する必要があるときに、静止部検出回路で静止と判断し、静止用の補間画素を選択した場合でも、動き検出部で動きと検出され、中間値補間回路からの補間信号を選択するため、フィールド単位の遅延が無く、さらに動画部分での破綻を防いだ画素補間を実現でき、さらに良好な映像を得ることが可能となる。
本発明にかかる映像信号処理装置は、隣接する3フィールドの画素値を比較した結果、(N−2)フィールドまたはNフィールドの画素値が中間となった場合にはNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドの垂直方向に隣接する画素より生成した垂直高域成分を加算することで、出力される映像信号がフィールド単位で遅延することがなく、大きな映像破綻なく静止画像の解像度劣化を来たさない良好な画質を得ることが可能となり、さらに完全な静止画の場合には、Nフィールドの補間画素に(N−1)フィールドのNフィールドの補間画素位置の画素値をそのまま補間することで、フリッカが発生せずボケのない画像を実現できる。また、さらに動画検出回路を設けることで動画部分において(N−1)フィールドの画素そのものを補間した場合に破綻が目立つとき、それを検出しNフィールドの補間画素に(N−1)フィールドの垂直方向に隣接する画素より生成した垂直高域成分を加算するためフィールド単位の遅延が無く、さらに動画部分での破綻を防いだ画素補間を実現できる効果を有し、映像と音声を管理・編集する業務用途使用など映像のフィールド単位遅延が問題となる用途への使用として有用である。
本発明の実施の形態1における映像信号処理装置のブロック図 本発明の実施の形態1における映像信号処理装置の静止判断を行なう部分を示した画素配置図 本発明の実施の形態1における映像信号処理装置の差分およびエッジ検出部の1構成例を示した図 本発明の実施の形態1における映像信号処理装置のエッジ検出の動作を示した画素配置図 本発明の実施の形態2における映像信号処理装置のブロック図 本発明の実施の形態2における映像信号処理装置の画素配置図 本発明の実施の形態2における映像信号処理装置の平均値を求める部分を示した画素配置図 従来の映像信号処理装置の構成例を示すブロック図 従来の映像信号処理装置の中間値比較回路で比較される部分を示した画素配置図 従来の映像信号処理装置の補間値選択回路の動作を説明した画素配置図
符号の説明
101,801 入力端子
102,103,802,803 フィールドメモリ
104,105、804、805 補間回路
106、806 中間値比較回路
107、807 フィルター回路
108、808 加算回路
109,809 補間値選択回路
124,125,810,811 倍速変換部
123、126,505、812 選択回路
127,813 出力端子
501、502 平均値出力回路
503 絶対値出力回路
504 比較回路

Claims (5)

  1. 連続する(N−2)、(N−1)、Nフィールドの飛び越し走査の映像信号が入力されたとき、(N−2)、(N−1)フィールドの映像信号を夫々記憶する第1、第2のフィールドメモリと、Nフィールドの映像信号から、順次走査におけるNフィールドの補間走査線を生成する第1の補間手段と、前記第2のフィールドメモリの出力として得られる(N−2)フィールドの映像信号から、順次走査の補間画素値を生成する第2の補間手段と、前記第1の補間手段の出力、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2の補間出力のうち、画素ごとに中間の画素値を有するものを判定し、切り替え制御信号を出力する中間値比較手段と、前記第1のフィールドメモリから出力される映像信号の垂直高域成分を抽出するフィルター手段と、前記第1の補間手段の出力または、前記第1の補間手段と前記フィルター手段との加算値のいずれかを、前記中間値比較手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する補間値選択手段と、Nフィールドの映像、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2のフィールドメモリの出力より、Nフィールドの補間画素部分に隣接する上下画素部分が静止であることを検出し、切り替え制御信号を出力する静止判別手段と、前記(N−1)フィールドの映像信号または、前記補間値選択手段のいずれかを前記静止判別手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する選択手段と、を備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 連続する(N−2)、(N−1)、Nフィールドの飛び越し走査の映像信号が入力されたとき、(N−2)、(N−1)フィールドの映像信号を夫々記憶する第1、第2のフィールドメモリと、Nフィールドの映像信号から、順次走査におけるNフィールドの補間走査線を生成する第1の補間手段と、前記第2のフィールドメモリの出力として得られる(Nー2)フィールドの映像信号から、順次走査の補間画素値を生成する第2の補間手段と、前記第1の補間手段の出力、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2の補間出力のうち、画素ごとに中間の画素値を有するものを判定し、切り替え制御信号を出力する中間値比較手段と、前記第1のフィールドメモリから出力される映像信号の垂直高域成分を抽出するフィルター手段と、前記第1の補間手段の出力または、前記第1の補間手段と前記フィルター手段との加算値のいずれかを、前記中間値比較手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する補間値選択手段と、Nフィールドの映像、前記第1のフィールドメモリの出力、前記第2のフィールドメモリの出力より、Nフィールドの補間画素部分に隣接する上下画素部分が静止であることを検出し、切り替え制御信号を出力する静止判別手段と、前記(N−1)フィールドの映像信号または、前記補間値選択手段のいずれかを前記静止判別手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する第1の選択手段と、Nフィールドおよび(N−2)フィールドの所定数の画素平均値より動きを検出する動き検出し、切り替え制御信号を出力する動き検出手段と、前記第1値の選択手段の出力または、前記補間値選択手段のいずれかを前記動き検出手段の判定結果に応じて選択して順次走査の補間走査線を生成する第2の選択手段と、を備えたことを特徴とする映像信号処理装置。
  3. 前記静止判別手段は、Nフィールドの映像信号の補間画素値の垂直方向上下に位置する2つの画素値よりフィールド内のエッジを検出するフィールド内エッジ検出手段と、Nフィールドの補間画素部と同一位置にある(N−1)フィールドの映像とNフィールドの補間画素部の上または下の画素よりフィールド間のエッジを検出するフィールド間エッジ検出手段と、(N−2)フィールドの映像とNフィールドの映像の補間画素の上または下の画素よりフレーム間で動きを検出するフレーム間差分検出手段とを少なくとも備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記静止判別手段は、Nフィールドの映像の補間される画素の上下画素の差分値が所定値以上でかつNフィールドおよび(N−2)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素の上下画素差分値が所定値以下の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の上画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の上画素と(N−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合、またはNフィールドの映像の補間される画素の下画素のNフィールドおよび(N−2)フィールドの差分値が所定値以下でかつNフィールドの映像の補間される画素の下画素と(N−1)フィールドのNフィールドの映像の補間される画素と同一位置にある画素の差分値が所定値以上の場合、に静止と判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の映像信号処理装置。
  5. 前記動き検出手段は、Nフィールドの補間画素部分の上下に隣接する所定数の画素平均値と(N−2)フィールドのNフィールドの補間画素部分の上下に隣接する所定数の画素平均値の差分絶対値が所定値以上の場合に動きと判断することを特徴とする請求項4に記載の映像信号処理装置。
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