JP2005217783A - 高セキュリティ無線通信システム及び高セキュリティ無線通信方法 - Google Patents

高セキュリティ無線通信システム及び高セキュリティ無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 正常な通信状態を維持しながら秘匿性を向上することができるセキュリティ無線通信方法及び高セキュリティ無線通信装置を得る。
【解決手段】 第1及び第2の無線通信装置は、両者間で通信リンクが確立している状態で、データ送信時にデータ受信側に対して前記高感度受信モードへの遷移要求を行う高感度受信モード遷移要求手段(ステップS3)と、データ受信時にデータ送信側の前記高感度受信モード遷移要求手段からの高感度受信モードへの遷移要求を受けたときに高感度受信モードに遷移する高感度受信モード遷移手段(ステップS26)と、データ送信時にデータ受信側の前記高感度受信モード遷移手段から高感度受信モードへの遷移通知を受けたときに低送信電力モードに遷移して送信データを送信する低送信電力モード遷移手段(ステップS5)とを備えている。
【選択図】 図5

Description

この発明は秘匿性を向上させた高セキュリティ無線通信装置及び高セキュリティ無線通信方法に関するものである。
近年、市場拡大が著しい近距離ワイヤレス無線通信では盗聴を防ぐために暗号化を用いている。しかしながら、その暗号強度は十分なものとは言えない。また、暗号化開始に当たって暗号化ストリームを発生するための種となる暗号化キーの交換を行わなくてはならないが、ここを狙うクラッキングの恐れがあることが指摘されている。
従来、例えば個人情報交換のネゴシエーションの際に、個人情報の送受信される期間に限り送信出力を段階的に制御し、できるだけ狭い範囲で電磁波を放射する様に工夫することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の例として、自分の周辺にいる通信装置を探索するときに、あまりに多くの通信装置が発見されると煩わしいことから、自分の近くにいる通信装置のみを発見して通信を開始するための工夫として、故意に探索用パケットの送信出力を落としたり、探索応答パケットの受信感度を下げたり、同エラー訂正強度を下げたりして、探索応答が数多く受信されない様な工夫が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−197567号公報(第4〜6頁、第2,3図) 特開2001−196704号公報(第7〜8頁、第9,10図)
しかしながら、上述特許文献1の無線通信端末においては、自端末から遠いところに設置された相手端末と通信する場合には、送信出力を下げることができないため、結果的に秘匿性が悪化すると言う未解決の課題を有している。
また、上述特許文献2の携帯電話においては、特に通信の秘匿性を向上させることを目的としたものでは無く、また、単純に送信出力を下げているため、相手と自通信装置との間に、例えば人体の一部や移動物体が横切る等して遮蔽物が存在するとき、或いは、相手のアンテナの向きが変わったとき等に、受信電力が足りなくなって正常な通信が維持できなくなると言う未解決の課題を有している。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、正常な通信状態を維持しながら秘匿性を向上することができるセキュリティ無線通信装置及び高セキュリティ無線通信方法を得ることを目的とする。
第1の発明の高セキュリティ無線通信装置システムは、少なくとも通常感度受信モード、該通常感度受信モードより高い受信感度の高感度受信モード、通常送信電力モード及び該通常送信電力モードより低い送信電力の低送信電力モードの4つのモードを有し、相互に無線通信を行う第1及び第2の無線通信装置を備え、前記第1及び第2の無線通信装置は、両者間で通信リンクが確立している状態で、データ送信時にデータ受信側に対して前記高感度受信モードへの遷移要求を行う高感度受信モード遷移要求手段と、データ受信時にデータ送信側の前記高感度受信モード遷移要求手段からの高感度受信モードへの遷移要求を受けたときに高感度受信モードに遷移する高感度受信モード遷移手段と、データ送信時にデータ受信側の前記高感度受信モード遷移手段から高感度受信モードへの遷移通知を受けたときに低送信電力モードに遷移して送信データを送信する低送信電力モード遷移手段とを備えている。そのため、正常な通信状態を維持しながら秘匿性を向上することができる。
第2の発明の高セキュリティ無線通信装置システムにおいては、前記第1及び第2の無線通信装置は、暗号化キーをデータ受信側に送信するデータ送信時に、前記高感度受信モード遷移要求手段で前記高感度受信モードへの遷移要求を行う。そのため、秘匿性を向上させた状態で暗号化キー送信することができる。
第3の発明の高セキュリティ無線通信装置システムにおいては、前記高感度受信モードへの遷移は、暗号化キーをデータ受信側に送信するデータ送信に先立ち自動的に行われる。そのため、使い勝手が良くなる。
第4の発明の高セキュリティ無線通信装置システムにおいては、前記低送信電力モード遷移手段は、データ送信時に、送信電力を所定電力分下げた状態で、受信確認データをデータ受信側に送信することを繰り返し、データ受信側からの送達確認データの受信が可能な最小送信電力まで送信電力を低下させるように構成されている。そのため、電力制御を詳細に行うことができ、送信出力を相手端末の受信感度の下限まで下げることができるので、最も秘匿性を向上させることができる。
第5の発明の高セキュリティ無線通信装置システムにおいては、前記低送信電力モード遷移手段は、低送信電力モードを選択したときに、送信データを通常の符号化方式に対して誤り訂正能力が高い符号化方式で符号化して送信するように構成されている。受信エラーの発生を低減することができる。
第6の発明の高セキュリティ無線通信方法は、少なくとも通常感度受信モード、該通常感度受信モードより高い受信感度の高感度受信モード、通常送信電力モード及び該通常送信電力モードより低い送信電力の低送信電力モードの4つのモードを有する第1及び第2の無線通信装置間で、高セキュリティで相互に無線通信を行い、前記第1及び第2の無線通信装置間で通信リンクが確立している状態で、データ送信側の無線通信装置が秘匿データを送信する際に、データ受信側の無線通信装置を高感度受信モードに遷移させてから低電力送信モードに遷移し、該低電力送信モードで前記秘匿データを送信するようにした。そのため、正常な通信状態を維持しながら秘匿性を向上する無線通信装置とすることができる。
図1はこの発明の高セキュリティ無線通信装置システムの無線通信装置のブロック図である。無線通信装置100は、トランシーバ1、ベースバンドチップ2、メモリ3及びホストコントロールインターフェース4とから構成されている。ベースバンドチップ2は、さらに、コア2aとホストCPU2bとを有している。メモリ3は、さらに、リンク管理用ソフトウェア3aとHCI(Host Control Interface)ソフトウェア3bとを有している。この機構は、例えばBluetoothと呼ばれる無線規格向けのユニット構成としてポピュラーである。
トランシーバ1は、アンテナ41を介して、無線信号を規定の通信周波数に合わせて受信し、さらにベースバンド信号に復調する処理、及び、ベースバンド信号を変調して、規定の通信周波数に合わせて、無線信号としてアンテナ41から送信する処理を行う。
ベースバンドチップ2は、ホストコントロールインターフェース4を介して、主に上位層プロトコルからのデータをパケットのペイロード部分に入れ、ベースバンド信号に要求されるさまざまなデータ信号処理を行い、また、トランシーバ1から受け取った信号から、上位層プロトコルに必要なパケットのペイロード部分のデータを抽出する処理を行う。また、ベースバンドレベルの通信プロトコル制御をつかさどる。
図2は図1のトランシーバ1のブロック図である。トランシーバ1は、アンテナ41からの無線信号をそのままの形で増幅する無線周波数増幅器11と、無線周波数増幅器11で増幅された無線信号をフィルタリングする中間周波濾波器12と、中間周波濾波器12によって抽出された入力信号をベースバンド信号に復調する復調器13とを有している。またさらに、ベースバンド信号を規定のパルスに形成するパルス形成器14と、パルス形成された出力信号を規定の周波数に変換するミキサー15と、規定の周波数に変換された出力信号を増幅してアンテナ41から送信する電力増幅部16と、ベースバンドチップ2のコア2aから制御信号バスを介して伝達される指令により無線通信装置100の通信状態の遷移の管理をする制御レジスタ状態管理部17とを有している。
図3は無線通信装置100の状態遷移の変化の様子を示す遷移図である。無線通信装置100は、待ち受け状態、問い合わせ状態、呼び出し状態、データ転送状態及び接続状態の各状態の間で遷移する。この遷移は、外部からのコマンド及び上位層プロトコルからのコマンドに基づいてコア2a及び制御レジスタ状態管理部17により管理されている。接続状態では、データパケットの送受信は行われず、接続状態で送受信されるのは、通信リンクを設定するための制御パケット、セキュリティ関連の制御パケット、および送信電力制御パケットなどに限定される。データパケットの送受信は、データ転送状態にて行われる。
図4は図3のデータ転送状態の詳細を示す遷移図である。データ受信状態においては、さらに受信感度に係るモードとして、高感度受信モードと通常高感度受信モードとが有り、また、データ送信状態においては、送信電力に係るモードとして、低送信電力モードと通常送信電力モードとがある。
高感度受信モードとは、通信規格で定義された受信感度よりも高い受信感度での受信が行えるようにしたモードであり、ここでは、電力増幅器16のゲインを予め決められた所定のレベルまで上げた状態である。この高感度受信モードは、受信感度は高くなるが、消費電流の増加、及び受信エラーの増加を伴うので通常状態及び長い時間での使用は好ましくない。
また、低送信電力モードとは、理想的には、高感度受信モードを使用中の相手端末で受信可能な最小送信電力まで下げた状態である。しかしながら、第1の実施形態においては、単純に現在の送信電力から所定のレベルだけ下げた送信電力の状態である。
図5は秘匿通信を要求する側の無線通信装置と秘匿通信を受諾する側の無線通信装置との間で往復するメッセージの様子を示すメッセージシーケンスチャートである。図6は秘匿通信を要求する側の無線通信装置の動作を示すフローチャートである。図7は秘匿通信を受諾する側の無線通信装置の動作を示すフローチャートである。図5,6,7に沿って両無線通信装置の秘匿通信を含むコネクション動作の説明をする。
図6及び図7の動作は、夫々秘匿通信要求側及び秘匿通信受諾側のリンク管理用ソフトウェア3aの一部がホストCPU2bによって処理されて動作する。リンク管理用ソフトウェア3aは、近距離ワイヤレス通信プロトコルを使って通信を行う。
まず、秘匿通信要求側の無線通信装置は、相手端末に対して、“通信開始要求(Page)”を送信する(ステップS1)。秘匿通信受諾側の無線通信装置は、このメッセージを受信し(ステップS21)、メッセージ別ジャンプ判断(ステップS22)により、通信開始要求処理にジャンプする(ステップS23)、通信可能なときには、“応答(Page Response)”を送信する(ステップS24)。この動作で秘匿通信要求側の無線通信装置と秘匿通信受諾側の無線通信装置とが、近距離ワイヤレス通信プロトコルによる接続が完了された状態となる。
次に、“応答(Page Response)”を受信した(ステップS2)秘匿通信を要求する秘匿通信要求側の無線通信装置は、相手端末に対して、“(1)受信感度増加要求LMPメッセージ”を送信する(ステップS3)。このステップS3は、高感度受信モード遷移要求手段を構成している。
秘匿通信受諾側の無線通信装置は、この“(1)受信感度増加要求LMPメッセージ”を受信し、受信感度増加要求処理にジャンプし(ステップS25)、これを受諾してもよい場合、(2)“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を送信し(ステップS26)、次いで高感度受信モードに遷移する(ステップS27)。ステップS26は、高感度受信モード遷移手段を構成している。
(2)“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を受信した(ステップS4)秘匿通信要求側は、低送信電力モードに遷移する(ステップS5)。ステップS5は、低送信電力モード遷移手段を構成している。
次いで、秘匿通信要求側は、(3)“暗号化用キー交換開始メッセージ(LMP_start_encryption_req)”を送信する(ステップS6)。そしてさらに、高感度受信モードへ遷移する(ステップS7)。ステップS6は、暗号化キー送信手段を構成している。
秘匿通信受諾側の無線通信装置は、(3)“暗号化用キー交換開始メッセージ(LMP_start_encryption_req)”を受信し、暗号化用キー交換開始要求処理へジャンプし(ステップS28)、低送信電力モードに遷移し(ステップS29)、“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を送信し(ステップS30)、通常感度受信モードに遷移する(ステップS31)。
“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を受信した(ステップS8)秘匿通信要求側は、通常感度受信モードに遷移し(ステップS9)、次いで通常送信電力モードに遷移する(ステップS10)。そして、暗号化済みデータの送信を開始する(ステップS11)。
秘匿通信受諾側は、暗号化済みデータを受信すると(ステップS32)、通常送信電力モードに遷移し(ステップS33)暗号化済みデータを読み込む(ステップS34)。
なお、例えば上述の(3)“暗号化用キー交換開始メッセージ(LMP_start_encryption_req)”及びこのコマンドの応答(4)“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を送信する場合、相手端末は高感度受信モードであり、受信エラーが発生しやすい状態にある。このように、受信エラーが発生しやすい状態である高感度受信モードの相手端末にコマンドを送る際には、より強い誤り訂正符号を付けて送信する。具体的には、通常のコマンドを送る場合に、符号化率2/3レートの誤り訂正符号として例えばハミング符号を使うのに対して、相手端末は高感度受信モードの場合には、これを符号化率1/3レートの誤り訂正符号として3回同じ情報を送信する単純繰り返し法に変える。これにより、受信エラーが発生しやすい高感度受信モードにあっても受信エラーの発生を低減することができる。この誤り訂正符号の切り替えにより、必要であれば、復調器13とパルス形成器14を2台設けて切り替えて使用する。
以上のように、本実施形態においては、相手端末に対して高感度受信モードに遷移するように要求するコマンドを送信し、相手端末がこのコマンドを受け入れて高感度受信モードとなった後、自端末を低送信電力モードとする。そして、この状態のときに相手端末に暗号化用キーを送信する。そして、次に互いの状態を逆にして、つまり、相手端末を低送信電力モードとし、且つ、自端末を高感度受信モードとして、了解のメッセージを受け取る。そのため、正常な通信状態を維持しながら秘匿性を向上することができる。そして、この秘匿性を向上した状態で、暗号化用キーの送信及び受け取りの応答のネゴシエーションを行うので暗号化通信の安全性を高めることができる。
さらにまた、秘匿通信受諾側の無線通信装置の図6のステップS3に示す“受信感度増加要求LMPメッセージ”を送信するタイミングは、本実施形態のように、暗号化通信の暗号化用キー送受信の際に行われてもよいし、また、単に通信開始の最初に行うようにしてもよいし、さらには、使用者の操作入力をトリガーとして行われてもよい。また、使用するアプリケーション等によって必要に応じて行われてもよい。また、上述の秘匿通信要求側の無線通信装置の高感度受信モードへの遷移は、暗号化キーをデータ受信側に送信するデータ送信に先立ち自動的に行われるようにしても良い。
さらに、本実施形態の高感度受信モードは、電力増幅器16のゲインを上げることによって受信感度を上げているが、これに限られるものではなく、例えばアンテナの指向性を変化させる等して受信感度を上げてもよく、一時的に所定の大きさだけ受信感度を上げるものであれば、どのような方法であってもよい。特に、送信側にてアンテナの指向性を変化させることが有効である。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態においては、送信電力制御コマンドを使って、高感度受信モードになった側の端末が、低送信電力モードとなった相手端末に向けて、相手の送信電力を自己の受信感度の下限となるまで下げる動作をする。
具体的には、以下のように相手の送信出力を上下させる送信電力制御コマンドを用意する。
送信電力を1ステップ分増加させる旨の要求(LMP_incr_power_req)
送信電力を1ステップ分減少させる旨の要求(LMP_decr_power_req)
すでに最大送信電力で送信している旨の応答(LMP_max_power)
すでに最小送信電力で送信している旨の応答(LMP_min_power)
図8に送信電力制御機能の制御シーケンスを示す。相手端末に送信電力の増加を促す場合には“LMP_incr_power_req”のコマンドを送信する。このコマンドを受け取った相手端末は、速やかに送信電力を1ステップ分増加させなければならない。一方、すでに最大電力に達している場合には、その旨の応答として“LMP_max_power”を返す必要がある。同様にして、相手端末に送信電力の減少を促す場合には“LMP_decr_power_req”のコマンドを送信する。このコマンドを受け取った相手端末は、速やかに送信電力を1ステップ分減少させなければならない。一方、すでに最小電力に達している場合には、その旨の応答“LMP_min_power”を返す必要がある。
上述の第1の実施の形態においては、秘匿通信要求側の無線通信装置は、(1)“受信感度増加要求LMPメッセージ”を送信するとともに、その了解メッセージを受け取ると低送信電力モードに遷移する。この動作に関して、本実施の形態は、高感度受信モードとなった秘匿通信受諾側の無線通信装置は、以下の方法によって、秘匿通信要求側の無線通信装置の送信出力を自らの受信感度の下限まで下げる。
秘匿通信受諾側の無線通信装置である高感度受信モードの端末が、秘匿通信要求側の無線通信装置である低送信電力モードの相手端末を自己の受信感度の下限となるまで下げる動作を図9のフローチャートに沿って説明する。なお、フローチャートは、高感度受信モードの端末のもののみを示す。
まず、高感度受信モードとなった端末が、低送信電力モードの相手端末に、電力減少要求“LMP_decr_power_req”のコマンドを送信して送信電力の減少を促す(ステップS41)。
低送信電力モードの相手端末は、“LMP_decr_power_req”のコマンドを受信し、送信電力を1ステップ分減少できるのであれば、送信電力を1ステップ分減少させた後、了解メッセージを送信する。了解メッセージを受け取った(ステップS44)高感度受信モードの端末は、さらに、電力減少要求“LMP_decr_power_req”のコマンドを送信して低送信電力モードの端末に送信電力の減少を促す(ステップS41)。そして、このループが1回以上繰り返される。
そして、このループの中で、最小送信電力“LMP_min_power”の応答を受信すると(ステップS45)、高感度受信モードの端末は、これ以上の電力減少要求“LMPo_decr_power_req”のコマンドを送信しない。
また、所定の時間、了解メッセージが戻ってこない場合(ステップS46)、或いは了解メッセージが正しい形で帰ってこない場合(ステップS47)には、高感度受信モードの端末は、低送信電力モードの相手端末が送信電力を減少しすぎたと判断し、電力減少要求“LMP_incr_power_req”のコマンドを1回送信する(ステップS48)。
このように、図5の(1)“受信感度増加要求LMPメッセージ”を受信し、高感度受信モードとなった秘匿通信受諾側の無線通信装置は、上述の送信電力制御コマンドを使って、相手端末である秘匿通信要求側の無線通信装置を適正なレベルの低送信電力状態まで下げた後に“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を送信するようにしてもよい。その後に行われる秘匿通信要求側の無線通信装置から“暗号化用キー交換開始メッセージ(LMP_start_encryptiono_req)”が送信されて、これに応じて、相手端末である秘匿通信受諾側の無線通信装置が低送信電力モードに遷移する場合も同様である。
このように、相手端末が低送信電力モードに遷移するときに、送信電力制御コマンドを使って相手端末とネゴシエーションを行うことで相手の送信電力を下げることにより、自端末は、高感度受信モードとなった相手端末の受信感度の下限まで送信出力を下げることができる。これにより、最も秘匿性を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態においては、低送信電力モードになった側の端末が、高感度電力モードとなった相手端末に対して、相手の送信電力を自己の受信感度の下限となるまで下げる動作をする。
上述の第1の実施の形態においては、秘匿通信要求側の無線通信装置は、(1)“受信感度増加要求LMPメッセージ”を送信するとともに、その了解メッセージを受け取ると低送信電力モードに遷移する。この動作に関して、本実施の形態は、低送信電力モードとなった秘匿通信要求側の無線通信装置は自らの送信出力を、以下の方法によって、秘匿通信要求側の無線通信装置の受信感度の下限まで下げる。この動作を図10のフローチャートに沿って説明する。なお、フローチャートは、低送信電力モードの端末のもののみを示す。まず、低送信電力モードとなった端末が、自己の送信電力を1ステップ分減少させ(ステップS51)、その後、確認メッセージを送信する(ステップS51)。
これに対して、了解メッセージを受け取った(ステップS52)低送信電力モードの端末は、さらに、自己の送信電力を1ステップ分減少させ(ステップS51)、その後、確認メッセージを送信する(ステップS51)。そして、このループを1回以上繰り返す。
そして、このループの中で、所定の時間、了解メッセージが戻ってこない場合(ステップS53)、低送信電力モードの端末は、自己の送信電力を1ステップ分増加させ(ステップS54)処理を終了する。
このように、図5の(2)“了解LMPメッセージ(LMP_accepted)”を受信した秘匿通信要求側は、低送信電力モードに遷移する際に、本実施形態の動作を行って、高感度電力モードとなった相手端末に対して、相手の送信電力を自己の受信感度の下限となるまで下げてもよい。
このように、低送信電力モードに遷移するときに、相手端末とネゴシエーションを行うことで自己の送信電力を下げることにより、自端末は、高感度受信モードとなった相手端末の受信感度の下限まで送信出力を下げることができる。これにより、最も秘匿性を向上させることができる。
この発明の高セキュリティ無線通信装置システムの無線通信装置のブロック図である。 図1のトランシーバ1のブロック図である。 無線通信装置100の状態遷移の変化の様子を示す遷移図である。 図3のデータ転送状態の詳細を示す遷移図である。 秘匿通信要求側と秘匿通信受諾側の両無線通信装置の間で往復するメッセージの様子を示すメッセージシーケンスチャートである。 秘匿通信要求側無線通信装置の動作を示すフローチャートである。 秘匿通信受諾側無線通信装置の動作を示すフローチャートである。 送信電力制御機能の制御シーケンスである。 高感度受信モードの端末が低送信電力モードの相手端末を自己の受信感度の下限となるまで下げる動作を示すフローチャートである。 低送信電力モードの端末が自己の受信感度を高感度受信モードの相手端末の受信感度の下限となるまで下げる動作を示すフローチャートである。
符号の説明
100 無線通信装置100、1 トランシーバ、2 ベースバンドチップ、3 メモリ、 4 ホストコントロールインターフェース。

Claims (6)

  1. 少なくとも通常感度受信モード、該通常感度受信モードより高い受信感度の高感度受信モード、通常送信電力モード及び該通常送信電力モードより低い送信電力の低送信電力モードの4つのモードを有し、相互に無線通信を行う第1及び第2の無線通信装置を備え、
    前記第1及び第2の無線通信装置は、両者間で通信リンクが確立している状態で、データ送信時にデータ受信側に対して前記高感度受信モードへの遷移要求を行う高感度受信モード遷移要求手段と、データ受信時にデータ送信側の前記高感度受信モード遷移要求手段からの高感度受信モードへの遷移要求を受けたときに高感度受信モードに遷移する高感度受信モード遷移手段と、データ送信時にデータ受信側の前記高感度受信モード遷移手段から高感度受信モードへの遷移通知を受けたときに低送信電力モードに遷移して送信データを送信する低送信電力モード遷移手段とを備えている高セキュリティ無線通信システム。
  2. 前記第1及び第2の無線通信装置は、暗号化キーをデータ受信側に送信するデータ送信時に、前記高感度受信モード遷移要求手段で前記高感度受信モードへの遷移要求を行う請求項1に記載の高セキュリティ無線通信システム。
  3. 前記高感度受信モードへの遷移は、暗号化キーをデータ受信側に送信するデータ送信に先立ち自動的に行われる請求項1に記載の高セキュリティ無線通信システム。
  4. 前記低送信電力モード遷移手段は、データ送信時に、送信電力を所定電力分下げた状態で、受信確認データをデータ受信側に送信することを繰り返し、データ受信側からの送達確認データの受信が可能な最小送信電力まで送信電力を低下させるように構成されている請求項1又は2に記載の高セキュリティ無線通信システム。
  5. 前記低送信電力モード遷移手段は、低送信電力モードを選択したときに、送信データを通常の符号化方式に対して誤り訂正能力が高い符号化方式で符号化して送信するように構成されている請求項1乃至3の何れか1つに記載の高セキュリティ無線通信システム。
  6. 少なくとも通常感度受信モード、該通常感度受信モードより高い受信感度の高感度受信モード、通常送信電力モード及び該通常送信電力モードより低い送信電力の低送信電力モードの4つのモードを有する第1及び第2の無線通信装置間で、高セキュリティで相互に無線通信を行い、前記第1及び第2の無線通信装置間で通信リンクが確立している状態で、データ送信側の無線通信装置が秘匿データを送信する際に、データ受信側の無線通信装置を高感度受信モードに遷移させてから低電力送信モードに遷移し、該低電力送信モードで前記秘匿データを送信するようにしたことを特徴とする高セキュリティ無線通信方法。
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