JP2005217459A - 画像処理装置及び固体撮像装置の検査装置 - Google Patents

画像処理装置及び固体撮像装置の検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】CCDセンサから出力される画像データを常に適切なタイミングでサンプリングできるようにする。
【解決手段】通常動作モードで適用されるサンプリングタイミングを設定するにあたって、CCDセンサ7から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするサンプルホールド回路17A,17Bと、これによりサンプリングされた複数のサンプリングデータを用いて、画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出するとともに、この出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かを判定し、出力安定期間が所定期間以上であると判定した場合、出力安定期間内でサンプリングタイミングを設定するサンプリング制御回路24とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像処理装置及び固体撮像装置の検査装置に係り、特に、固体撮像装置から出力される画像データを適切にサンプリングするための技術に関する。
従来、原稿の画像を、固体撮像装置の1つであるCCD(Charge Coupled Device)センサを用いて光学的に読み取るスキャナ(画像読取装置)などの画像処理装置が広く知られている。この種の画像処理装置では、実際に原稿の画像を読み取ったときにCCDセンサから出力されるアナログの画像データをサンプルホールド回路でサンプリングし、これによって得られるサンプリングデータをA/D(Analog To Digital)変換回路でデジタルデータに変換している。
その際、サンプルホールド回路による画像データのサンプリングタイミングが適切に設定されていないと、温度変化等によるサンプリングパルスのスキュー(時間的なズレ)などに起因して、読み取りレベルの直線性(リニアリティ)が低下したり、サンプリングデータのS/Nが低下したりする。
そこで、例えば、下記特許文献1には、実際に画像データをサンプリングするのに先立って、CCDセンサから出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするとともに、各々のタイミングでサンプリングして得られる複数のサンプリングデータに基づいて、例えば画像データの出力レベルが最大となるタイミングで実際のサンプリングタイミングを設定する技術が記載されている。
特開平11−205685号公報
しかしながら、画像の読取速度を上げるなどの理由でCCDセンサを高速駆動する場合は、CCDセンサから出力される画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる期間、すなわち出力安定期間が短くなる。そのため、上記特許文献1に記載された技術に基づいて画像データのサンプリングタイミングを設定しても、温度変化などによるスキューの影響で、実際に画像データをサンプリングするときのタイミングが不適切なものになる恐れがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、CCDセンサ等の固体撮像装置から出力される画像データを常に適切なタイミングでサンプリングできるようにすることにある。
本発明に係る画像処理装置は、通常動作モードで固体撮像装置から出力される画像データをサンプリングする際に適用されるサンプリングタイミングを設定するにあたって、固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、このサンプリング手段でサンプリングされた複数のサンプリングデータを用いて、画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出する算出手段と、この算出手段で算出した出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段で出力安定期間が所定期間以上であると判定した場合、当該出力安定期間内でサンプリングタイミングを設定する設定手段とを備えるものである。
本発明に係る画像処理装置においては、固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングして得られる複数のサンプリングデータを用いて、画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出し、この出力安定期間が所定期間以上であると判定した場合、出力安定期間内でサンプリングタイミングを設定するため、常に所望の出力安定期間を確保したうえで、サンプリングタイミングの設定を行うことが可能になる。
本発明に係る固体撮像装置の検査装置は、固体撮像装置の出力特性を検査する検査装置であって、固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、このサンプリング手段でサンプリングされた複数のサンプリングデータを用いて、画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出する算出手段と、この算出手段で算出した出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段の判定結果に基づいて固体撮像装置の良否を判断する判断手段とを備えるものである。
本発明に係る固体撮像装置の検査装置においては、固体撮像装置の出力特性を検査するにあたって、固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングして得られる複数のサンプリングデータを用いて、画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出し、この出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かの判定結果に基づいて固体撮像装置の良否を判断するため、例えば、出力安定期間が短すぎてサンプリングタイミングを適切に設定できない固体撮像装置を不良品と判断し、製品への組み付けを回避することが可能となる。
本発明によれば、固体撮像装置の出力特性として出力安定期間が所定期間以上に確保された条件のもとで画像データのサンプリングタイミングを設定することができる。したがって、温度変化などによるスキューが生じても、画像データのサンプリングを適切なタイミングで行うことが可能となる。
以下、本発明に係る画像処理装置を、例えば、イメージスキャナ等の画像読取装置に適用した場合の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明に係る画像処理装置は、以下に記述する画像読取装置に限らず、デジタル複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置にも同様に適用可能である。
図1は本発明の実施形態に係る画像読取装置のハードウェア構成を示す概略図である。図において、装置本体1の最上部には、原稿台となる透明なプラテンガラス2と白基準板3とが設けられている。プラテンガラス2と白基準板3は、原稿の画像を読み取るときの副走査方向となる図の左右方向で互いに隣り合うように並べて配置されている。また、装置本体1の最上部には、図示しない原稿押さえ部材がヒンジ機構等により開閉自在に取り付けられている。原稿押さえ部材は、プラテンガラス2上に原稿4をセット(載置)したり、セットした原稿4を上から押さえたりするときに、オペレータによって開閉操作されるものである。
装置本体1の内部には、光学走査系5、結像レンズ6及びCCDセンサ7が設けられている。光学走査系5は、それぞれ副走査方向(図の左右方向)に移動可能に支持されたフルレートキャリッジ8とハーフレートキャリッジ9を用いて構成されている。フルレートキャリッジ8にはランプ10と第1ミラー11が搭載され、ハーフレートキャリッジ9には第2ミラー12と第3ミラー13が搭載されている。
フルレートキャリッジ8とハーフレートキャリッジ9は、互いに共通のキャリッジ移動用モータを駆動源として副走査方向に移動するものである。その際、ハーフレートキャリッジ9はフルレートキャリッジ8の1/2の移動量(移動速度)をもって移動し、これによって副走査方向のいずれの位置にキャリッジ8,9が移動した状態でも、原稿面からCCDセンサ7までの光路長が常に一定に保持される構成となっている。
ランプ10は、読み取り対象となる原稿面に向けて光を照射するもので、その原稿面からの反射光が、第1ミラー11、第2ミラー12及び第3ミラー13で順に反射される。すなわち、第1ミラー11は原稿面から反射された光を水平方向に反射し、第2ミラー12は第1ミラー11によって反射された光を垂直方向に反射し、第3ミラー13は第2ミラー12によって反射された光を水平方向に反射する。結像レンズ6は、第3ミラー13によって反射された光を所定の縮小倍率でCCDセンサ7の撮像面に結像させるものである。
CCDセンサ7は、原稿の画像を読み取るための読取センサ(固体撮像装置)である。このCCDセンサ7は、フォトダイオード等の読取画素を直線状に配列した1本又は複数本の読取画素列を有するものである。CCDセンサ7はCCD基板14に搭載されている。CCD基板14は、CCDセンサ7で原稿からの反射光を変電変換して生成した画像データ(画像信号)を画素単位で出力するための複数の出力端子を有するものである。これらCCDセンサ7とCCD基板14によってCCD基板ユニットが構成されている。CCD基板ユニットのCCD基板14には配線ケーブル15の一端が接続されている。また、配線ケーブル15の他端は画像処理基板16に接続されている。
上記構成からなる画像読取装置において、オペレータがプラテンガラス2上に原稿4をセットして、読み取りの開始を指示するスタートボタンを押すと、通常動作モードにしたがって光学走査系5がプラテンガラス2の下方でランプ10を点灯しつつ副走査方向の一方(Y矢視方向)に移動し、この移動によって原稿4の画像が光学走査系5及び結像レンズ6を介してCCDセンサ7により読み取り走査される。このとき、CCDセンサ7からは原稿4の画像に対応した画像データが出力され、この画像データがCCD基板14から配線ケーブル15を通して画像処理基板16に送られる。通常動作モードとは、装置の電源が投入されて所定の起動動作が完了した段階で、オペレータが原稿4の画像を読み取るべく、スタートボタンを押下(オン)することにより実行される動作モードをいう。
図2は本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成例を示すブロック図である。図において、CCDセンサ7からは、上記読取画素列の奇数番目の画素と偶数番目の画素で光電変換されたアナログの画像データ(ODD,EVEN)が、それぞれ並列的に出力される。これに対応して、上記画像処理基板16には、一対のサンプルホールド回路17A,17Bと、一対の増幅回路18A,18Bと、一対のA/D変換回路19A,19Bとが搭載されている。また、画像処理基板16には、合成回路20と、シェーディング処理回路21と、画像処理回路22と、サンプリングパルス生成回路23と、サンプリング制御回路24とが搭載されている。
サンプルホールド回路17Aは、CCDセンサ7から出力されるアナログの画像データODDを予め設定されたサンプリングタイミングでサンプリング(サンプルホールド)するもので、サンプルホールド回路17Bは、CCDセンサ7から出力されるアナログの画像データEVENを上記サンプリングタイミングでサンプリング(サンプルホールド)するものである。このうち、サンプルホールド回路17Aでサンプリングされた画像データ(以下、サンプリングデータとも記す)は増幅回路18Aで出力レベルが増幅されてA/D変換回路19Aに送られ、そこでデジタルの画像データに変換される。同様に、サンプルホールド回路17Bでサンプリングされた画像データ(以下、サンプリングデータとも記す)は増幅回路18Bで出力レベルが増幅されてA/D変換回路19Bに送られ、そこでデジタルの画像データに変換される。
合成回路20は、A/D変換回路19Aから送られる画像データと、A/D変換回路19Bから送られる画像データとを合成し、この合成した画像データ(デジタルデータ)をシェーディング補正回路21に与えるものである。シェーディング補正回路21は、合成回路20から入力された画像データをシェーディング補正し、この補正後の画像データを画像処理回路22に与えるものである。画像処理回路22は、シェーディング補正回路21から入力された画像データを用いて種々の画像処理(例えば、エッジ強調処理、階調補正処理など)を行うものである。
サンプリングパルス生成回路23は、サンプリング制御回路24から入力される選択信号SELに基づいてサンプリングパルスφSPを生成し、このサンプリングパルスφSPを一対のサンプルホールド回路17A,17Bに並列的(同時)に供給するものである。サンプリングパルスφSPは、CCDセンサ7から出力される画像データODD,EVENを、各々のサンプルホールド回路17A,17Bでサンプリングするときのタイミングを決める信号、すなわち画像データの読み出し用のパルス信号となる。
図3はサンプリングパルス生成回路23の具体的な構成例を示す図である。図示のように、サンプリングパルス生成回路23は、複数の遅延回路25と1つの選択回路26とを備えて構成されている。かかる回路構成において、図示しないパルス供給部から供給されるパルス信号は、当該パルス信号を複数の遅延回路25で1ステップずつ遅延することにより、互いにタイミング(位相)が異なる複数のタイミング信号St1〜St10として選択回路26に並列に入力される。また、選択回路26には、これに入力される複数のタイミング信号St1〜St10のうち、いずれか1つのタイミング信号を選択するための選択信号SELが入力され、この選択信号SELで選択されたタイミング信号にしたがって、選択回路26からサンプリングパルスφSPが出力される構成となっている。
例えば、選択回路26において、選択信号SELによりタイミング信号St1が選択された場合は、このタイミング信号St1にしたがってサンプリングパルスφSPが出力され、選択信号SELによりタイミング信号St2が選択された場合は、このタイミング信号St2にしたがってサンプリングパルスφSPが出力される。以下同様に、選択信号SELによりタイミング信号St3が選択された場合は、このタイミング信号St3にしたがってサンプリングパルスφSPが出力され、…、選択信号SELによりタイミング信号St9が選択された場合は、このタイミング信号St9にしたがってサンプリングパルスφSPが出力され、選択信号SELによりタイミング信号St10が選択された場合は、このタイミング信号St10にしたがってサンプリングパルスφSPが出力される。
これにより、例えば、選択信号SELによりタイミング信号St1が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングは、選択信号SELによりタイミング信号St2が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングよりも1ステップ(1つの遅延回路25による遅延分)だけ早くなる。また、選択信号SELによりタイミング信号St3が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングは、選択信号SELによりタイミング信号St9が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングよりも6ステップ(6つの遅延回路25による遅延分)だけ早くなる。また、選択信号SELによりタイミング信号St10が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングは、選択信号SELによりタイミング信号St2が選択された場合に出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミングよりも8ステップ(8つの遅延回路25による遅延分)だけ遅くなる。
サンプリング制御回路24は、CCDセンサ7から出力される画像データODD,EVENを、各々のサンプルホールド回路17A,17Bでサンプリングするときのタイミングを制御するものである。このサンプリング制御回路24は、上述した選択信号SELをサンプリングパルス生成回路23に供給(入力)するとともに、この選択信号SELを適宜変更(切り換え)することにより、サンプリングパルス生成回路23から出力されるサンプリングパルスφSPの出力タイミング(位相)を可変制御する。また、サンプリング制御回路24は、通常動作モードで実際にCCDセンサ7を用いて原稿4の画像を読み取る場合に、このCCDセンサ7から出力される画像データODD,EVENを一対のサンプルホールド回路17A,17Bでサンプリングする際に適用されるサンプリングタイミングを設定するための処理を行う。
図4はサンプリング制御回路24によって実行されるサンプリングタイミングの設定処理の手順を示すフローチャートである。この設定処理は、例えば、画像読取装置の電源が投入されたときや、電源投入による起動動作完了後に所定の時間が経過したときなどに行われる。
まず、サンプリングタイミングの設定処理を開始するにあたっては、図示しないキャリッジ移動用モータの駆動により、光学走査系5による画像の読取位置を白基準板3に合わせる。このとき、フルレートキャリッジ8に搭載された第1ミラー11は、ランプ10で点灯させた光が白基準板3に照射して自身のミラー面に向けて垂直に反射するように、白基準板3のほぼ真下に配置される。この状態で実際にランプ10を点灯させて白基準板3の下面(白色面)を光学走査系5及び結像レンズ6を介してCCDセンサ7で読み取ると、CCDセンサ7から白レベルの画像データ(アナログデータ)が出力されるとともに、この画像データがCCD基板14及び配線ケーブル15を通して画像処理基板16に取り込まれる。
そうすると、サンプリング制御回路24では、サンプリングパルス発生回路23内の選択回路26に供給する選択信号SELを順に切り換えることにより、CCDセンサ7から出力される画像データODD,EVENを、一対のサンプルホールド回路17A,17Bにより複数の異なるタイミングでサンプリングするとともに、このサンプリングによって得られた複数のサンプリングデータを取り込んでRAM(Random Access Memory)等のメモリに記憶する(ステップS1)。具体的には、選択回路26に入力される各々のタイミング信号St1〜T10を順に選択するように、当該選択回路26に供給する選択信号SELを適宜切り換えることにより、各々のタイミング信号St1〜St10にしたがって選択回路26から複数(図例では10個)の異なるタイミングでサンプリングパルスφSPを出力させ、このサンプリングパルスφSPにしたがって一対のサンプルホールド回路17A,17Bがサンプリングした画像データを、サンプリングデータとして順に取得し、記憶する。
この場合、白基準板3を読み取ったときにCCDセンサ7から出力されるアナログ画像データの信号波形が例えば図5の実線に示すような波形であって、黒基準となるアナログ画像データの信号波形(例えば、ランプ10を消灯した状態で得られるCCDセンサ7の出力信号波形)が図5の破線で示すような波形であったとすると、実際にサンプルホールド回路17A,17Bでサンプリングされる画像データの出力レベルは、白基準板3を読み取ったときにCCDセンサ7から出力される画像データのレベルと、予め設定された黒基準データのレベルとの差分として検出される。例えば、白基準板3を読み取ったときにCCDセンサ7から出力される画像データの出力レベルが「Lw」で、黒基準データの出力レベルが「Lb」であったとすると、それらの差分データ(Lw−Lb)が、白基準板3を読み取ったときの画像データとしてサンプリングされる。したがって、CCDセンサ7から画像データ(画像信号)が出力される出力期間(信号出力期間)内で、複数の異なるタイミングT1〜T10にしたがってCCDセンサ7からの画像データをサンプルホールド回路17A,17Bでサンプリングした場合は、各々のタイミングT1〜T10に対応した複数(本例では10個)のサンプリングデータが得られる。
なお、上述した複数のタイミングT1〜T10は、選択回路26に入力される複数のタイミング信号ST1〜ST10に対応するものである。すなわち、タイミングT1はタイミング信号ST1に対応し、タイミングT2はタイミング信号ST2に対応し、タイミングT3はタイミング信号ST3に対応し、…、タイミングT9はタイミング信号ST9に対応し、タイミングT10はタイミング信号ST10に対応する。サンプリングパルス生成回路23から出力されるサンプリングパルスφSPの位相調整に基づく各々のタイミングT1〜T10は、信号出力期間の開始点から終了点にわたって一定のステップ刻みで設定される。信号出力期間は、読み取り対象部(原稿、白基準板)からの反射光に対応した画像データがCCDセンサ7から出力される期間をいう。この信号出力期間には、CCDセンサ7から画像データ(画像信号)の出力が開始される出力開始期間、その出力レベルが安定状態となる出力安定期間及び信号リセットのためのリセット期間が含まれる。
次いで、サンプリング制御回路24では、先のサンプリングによって取得した複数のサンプリングデータの中から、出力レベルが最大となるサンプリングデータの値(最大値)を抽出する(ステップS2)。
ここでは、上記選択回路26において、タイミング信号St1にしたがってサンプリングパルスφSPが出力されたときにサンプルホールド回路17A,17BでサンプリングされたサンプリングデータをD1、タイミング信号St2にしたがってサンプリングパルスφSPが出力されたときにサンプルホールド回路17A,17BでサンプリングされたサンプリングデータをD2、…、タイミング信号St9にしたがってサンプリングパルスφSPが出力されたときにサンプルホールド回路17A,17BでサンプリングされたサンプリングデータをD9、タイミング信号St10にしたがってサンプリングパルスφSPが出力されたときにサンプルホールド回路17A,17BでサンプリングされたサンプリングデータをD10とする。
また、各々のサンプルホールド回路17A,17Bでは、それぞれ異なる読取画素のデータをサンプリングすることになるが、本実施形態においては、CCDセンサ7が備える読取画素列の中で予め設定された所定の画素、例えば、主走査方向に沿う読取画素列の中央部に設定された複数(例えば、50〜100個)の画素によって得られる画像データの平均値を、1つのサンプリングパルスφSPに基づくタイミングでサンプリングされるサンプリングデータとして取り扱うものとする。そして、サンプルホールド回路17A,17BでサンプリングするタイミングT1〜T10と、各々のタイミングでサンプリングされたサンプリングデータD1〜D10との関係が、例えば図6に示すような結果となったものと仮定する。そうした場合、上記ステップS2においては、サンプリング制御回路24が、複数のサンプリングデータD1〜D10の中で、出力レベルが最大となるサンプリングデータD6(又はD7)の値を抽出する。
続いて、サンプリング制御回路24では、先のサンプリングによって得られた複数のサンプリングデータD1〜D10を用いて、CCDセンサ7から出力される画像データの出力レベルが最大値(本例ではサンプリングデータD6又はD7の値)付近で安定状態となる出力安定期間を算出する(ステップS3)。
具体的には、例えば、画像データ(サンプリングデータ)の出力レベルの最大値に係数0.9を掛け合わせた値を基準値に設定し、この基準値以上でかつ上記最大値以下の範囲内で、画像データの出力レベルが安定的に推移する期間を出力安定期間として算出する。この出力安定期間は上記基準値以上のサンプリングデータが連続的に得られる期間となる。これを上記図6に示す結果に当てはめて考えると次のようになる。まず、サンプリング順序にしたがってサンプリングデータD1から順に上記基準値(=最大値×0.9)との大小比較を行い、最初に基準値以上となったサンプリングデータD5に対応するタイミングT5を、出力安定期間の開始点として抽出する。以後、同様にサンプリングデータと基準値との大小比較を行って、最初に基準値未満となったサンプリングデータD9の1つ前のタイミングで採取したサンプリングデータD8に対応するタイミングT8を、出力安定期間の終了点として抽出する。次いで、出力安定期間の開始点T5から終了点T8までのサンプリング回数を出力安定期間として求める。ちなみに、上記図6に示す結果では、出力安定期間の開始点T5から終了点T8までのサンプリング回数が「4」として求まる。
次いで、サンプリング制御回路24では、先に算出したサンプリング回数「4」が、予め設定された所定回数(例えば、「3」)以上であるか否かを判定する(ステップS4)。ここで記述する所定回数は、CCDセンサ7の出力安定期間が所望の期間だけ確保されているか否かを判定するための基準となるもので、本発明における「所定期間」に相当する。
所定期間は、事前に行った実験データ等に基づいて、読み取りレベルの直線性が得られるサンプリングの期間に、温度変化等によるサンプリングパルスのスキュー量などを考慮したタイミングのマージンを加味して予め設定されるものである。例えば、読み取り対象となった原稿面の反射率と、実際にこの原稿面を読み取ったときにCCDセンサ7から出力された画像データを複数のタイミングT1〜T10でサンプリングした際の出力レベル(読み取りレベル)との関係が、例えば図7のようにいずれの温度環境においてもタイミングT5〜T8の期間で読み取りレベルの直線性が得られ、それ以外のタイミングT1〜T4,T9,T10では温度環境によって読み取りレベルの直線性が得られない場合があったとすると、この実験結果に基づいてタイミングT5〜T8の期間を所定期間に設定する。
また、出力安定期間を算出する際に適用される基準値についても、上記実験データに基づいて設定する。例えば、各々のタイミングT5〜T8でサンプリングされたサンプリングデータD5〜D8の出力レベルが上記図6に示すレベルであったとすると、これらのサンプリングデータD5〜D8の出力レベルが全て出力安定期間内に得られるように基準値を決める。すなわち、タイミングT5〜T8の期間でサンプリングされたサンプリングデータD5〜D8の出力レベルが全て基準値以上となり、それ以外のタイミングT1〜T4、T9,T10でサンプリングされたサンプリングデータD1〜D4、D9,D10の出力レベルが全て基準値未満となる条件で、基準値を設定する。そして、このように設定された基準値と所定期間とを用いて、サンプリングタイミングの設定処理を行う。
上記ステップS4において、サンプリング回数が所定回数未満(出力安定期間が所定期間未満)であれば、サンプリング制御回路24では、CCDセンサ7の出力安定期間が所望の期間よりも不足していると判断し、その旨を通知するフェイスコードをシステム制御部(不図示)に出力したうえで装置をシャットダウンする(ステップS5)。システム制御部とは、画像読取装置全体の処理動作を統括的に制御する部分をいう。
また、上記ステップS4において、サンプリング回数が所定回数以上(出力安定期間が所定期間以上)であれば、サンプリング制御回路24は、CCDセンサ7の出力安定期間が所望の期間以上に確保されていると判断し、この出力安定期間内で一対のサンプルホールド回路17A,17Bによる画像データのサンプリングタイミングを設定する(ステップS6)。
具体的には、まず、出力安定期間として抽出されたタイミングT5〜T8の中間点を算出し、この中間点を上記サンプリングタイミングとして求める。この場合、タイミングT5〜T8の中間点はタイミングT6又はT7となるため、いずれか一方のタイミング、例えばタイミングT6をサンプリングタイミングとして算出する。次に、こうして求めたサンプリングタイミングT6にしたがって実際に一対のサンプルホールド回路17A,17Bが画像データをサンプリングするように(換言すると、サンプリングパルス生成回路23の選択回路26からタイミング信号T6にしたがってサンプリングパルスφSPが出力されるように)、選択回路26に供給する選択信号SELを切り換える。
このような設定処理にしたがってサンプリングタイミングを設定することにより、実際に通常動作モードで原稿の画像を読み取る場合は、所定期間以上に確保された出力安定期間の中間点で画像データのサンプリングが行われるようになる。そのため、温度変化等でサンプリングパルスφSPのスキューが生じても、出力安定期間内で画像データのサンプリングを行うことができる。したがって、CCDセンサ7から出力される画像データのサンプリングタイミングを最適化し、良好な出力データを安定的に得ることが可能となる。
なお、上記実施形態においては、サンプリングタイミングの設定処理に際して白基準板3を読み取るようにしたが、これに限らず、例えば、プラテンガラス2に原稿4がセットされている状況では原稿4の白色部分を読み取るようにし、プラテンガラス2に原稿4がセットされていない状況では図示しない原稿押さえ部材に設けられるシート状のカバー面(白色面)を読み取るようにしてもよい。
また、上記実施形態において、サンプリング制御回路24によって実行されるサンプリングタイミングの設定処理は、画像読取装置の組み立て(製造)が全て完了し、これを製品として出荷する前あるいは出荷した後に、サンプリングタイミングの最適化を目的に行うものであるが、上記設定処理の一部を応用してCCDセンサ7の出力特性を検査することも可能である。
まず、CCDセンサ7の検査装置として、上記図1に示した画像読取装置とほぼ同様のハードウェア構成を有する検査装置を用意する。ただし、CCDセンサ7とCCD基板14からなるCCD基板ユニットは着脱可能な構成とする。また、画像処理基板16に替えて検査用基板を組み込む。この検査用基板には、図8に示すように、一対のサンプルホールド回路27A,27Bと、サンプリングパルス生成回路28と、テスト回路29とが搭載される。このうち、一対のサンプルホールド回路27A,27Bは、上述した一対のサンプルホールド回路17A,17Bと同様の回路構成を有するもので、検査対象となるCCDセンサ7から出力される画像データをサンプリングする。サンプリングパルス生成回路28は、上述したサンプリングパルス生成回路23と同様の回路構成を有するもので、一対のサンプルホールド回路27A,27Bに対してサンプリングパルスφSPを供給する。テスト回路29は、後述する一連の検査処理を実行するもので、サンプリングパルス生成回路28に選択信号SELを供給したり、この選択信号SELを切り換えたりする機能を有する。
図9はテスト回路29によって実行されるCCDセンサの検査処理の手順を示すフローチャートである。この検査処理は、例えば、CCDセンサ7とCCD基板14からなるCCD基板ユニットの組み立てが終了したときや、このCCD基板ユニットをセットメーカーに出荷する前、あるいはセットメーカーでCCD基板ユニットを製品に組み込む前に行うことができる。
まず、先述したサンプリングタイミングの設定処理と同様に、図示しないキャリッジモータ等の駆動により、光学走査系5による画像の読取位置を白基準板3に合わせ、この状態で実際にランプ10を点灯させて白基準板3の下面(白色面)を光学走査系5及び結像レンズ6を介してCCDセンサ7で読み取る。
そうすると、テスト回路29では、サンプリングパルス発生回路28に供給する選択信号SELを順に切り換えることにより、検査対象となるCCDセンサ7から出力される画像データODD,EVENを、一対のサンプルホールド回路27A,27Bにより複数の異なるタイミングでサンプリングするとともに、このサンプリングによって得られた複数のサンプリングデータを取り込んでRAM(Ramdom Access Memory)等のメモリに記憶する(ステップS21)。
次いで、テスト回路29では、先のサンプリングによって取得した複数のサンプリングデータの中から、出力レベルが最大となるサンプリングデータの値(最大値)を抽出する(ステップS22)。続いて、テスト回路29では、先のサンプリングによって得られた複数のサンプリングデータを用いて、CCDセンサ7から出力される画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出する(ステップS23)。これまでのステップS21〜S23の処理は、上記ステップS1〜S3の処理と同様である。
次いで、テスト回路29では、先に算出したサンプリング回数が、予め設定された所定回数以上であるか否かを判定する(ステップS24)。この場合の所定回数は、上記ステップS4(図4参照)の判定処理で適用される所定回数よりも多い回数で設定しておく。例えば、サンプリングタイミング設定処理で所定回数を「3」に設定する場合、検査処理ではそれよりも長い(条件的に厳しい)「4」を所定回数に設定する。このように検査処理での所定回数を設定処理での処理回数よりも多く設定する理由は、例えば、画像データをサンプリングするタイミング(サンプリングパルスφSPの位相)が検査処理時と設定処理時で若干(例えば、1/2ステップ)ずれていた場合でも、CCD基板ユニットという部品レベルで良品と判定されたものが、セットメーカーに出荷した後で出力安定期間の不足によりサンプリングタイミングの設定不可とならないようにするためである。
上記ステップS24において、サンプリング回数が所定回数未満(出力安定期間が所定期間未満)であれば、テスト回路29では、CCDセンサ7の出力安定期間が所望の期間よりも不足しているとの判断から、このCCDセンサ7を含むCCD基板ユニットを不良品と判断し、その旨の検査結果を出力する(ステップS25)。また、上記ステップS24において、サンプリング回数が所定回数以上(出力安定期間が所定期間以上)であれば、テスト回路29は、CCDセンサ7の出力安定期間が所望の期間以上確保されているとの判断から、このCCDセンサ7を含むCCD基板ユニットを良品と判断し、その旨の検査結果を出力する(ステップS26)。このとき、テスト回路29による良否判断の検査結果はモニタ等に表示出力される。したがって、検査装置を用いてCCD基板ユニットの検査を行う検査員は、テスト回路29による良否判断の検査結果をモニタ画面等で確認することができる。
このような検査処理にしたがってCCDセンサ7の良否を判断することにより、例えば、検査処理でCCDセンサ7から出力されるアナログ画像データの信号波形が上記図5の二点鎖線に示すような波形となり、出力安定期間が所定期間よりも短くなった場合は、検査対象となったCCDセンサ7を不良品と判断して、しかるべき処理(例えば、廃棄処理、リペア処理など)を行うことにより、出力特性に劣るCCDセンサ7が製品に組み付けられることを回避することができる。したがって、実際に製品として組み立てられた画像読取装置でサンプリングタイミングの設定を行う場合に、出力安定期間の不足によってサンプリングタイミングが不適切に設定されたり、サンプリングタイミングの設定が不可となったりすることを未然に防止することができる。その結果、出力特性に優れたCCDセンサ7を備える画像読取装置を効率良く製造することができる。
本発明の実施形態に係る画像読取装置のハードウェア構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置の構成例を示すブロック図である。 サンプリングパルス生成回路の具体的な構成例を示す図である。 サンプリングタイミングの設定処理の手順を示すフローチャートである。 CCDセンサから出力される信号波形の一例を示す図である。 サンプリングデータの一例を示す図である。 読み取りレベルの直線性を比較した図である。 本発明の実施形態に係る検査装置の構成例を示すブロック図である。 CCDセンサの検査処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
4…原稿、5…光学走査系、7…CCDセンサ、16…画像処理基板、17A,17B,27A,27B…サンプルホールド回路、23,28…サンプリングパルス生成回路、24…サンプリング制御回路、25…遅延回路、26…選択回路、29…テスト回路

Claims (5)

  1. 通常動作モードで固体撮像装置から出力される画像データをサンプリングする際に適用されるサンプリングタイミングを設定するにあたって、
    前記固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段でサンプリングされた複数のサンプリングデータを用いて、前記画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した前記出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段で前記出力安定期間が前記所定期間以上であると判定した場合、当該出力安定期間内で前記サンプリングタイミングを設定する設定手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記算出手段は、前記複数のサンプリングデータのなかで、予め最大値の近傍に設定された基準値以上のサンプリングデータが連続的に得られる期間を前記出力安定期間として算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記設定手段は、前記出力安定期間の中間点に前記サンプリングタイミングを設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 固体撮像装置の出力特性を検査する検査装置であって、
    前記固体撮像装置から出力される画像データを複数のタイミングでサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段でサンプリングされた複数のサンプリングデータを用いて、前記画像データの出力レベルが最大値付近で安定状態となる出力安定期間を算出する算出手段と、
    前記算出手段で算出した前記出力安定期間が予め設定された所定期間以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて前記固体撮像装置の良否を判断する判断手段と
    を備えることを特徴とする固体撮像装置の検査装置。
  5. 前記判断手段は、前記判定手段で前記出力安定期間が前記所定期間以上であると判定した場合は前記固体撮像装置を良品と判断し、前記判定手段で前記出力安定期間が前記所定期間未満であると判定した場合は前記固体撮像装置を不良品と判断する
    ことを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置の検査装置。
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