JP2005217227A - 希土類金属磁石焼結体の加工方法及び希土類金属磁石素体 - Google Patents

希土類金属磁石焼結体の加工方法及び希土類金属磁石素体 Download PDF

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Abstract

【課題】 希土類金属磁石焼結体を加工するにあたり、エンドミル、フルバック、総型カッター等のフライス切削工具を用いた切削処理とすることで、短時間で希土類金属磁石焼結体の輪郭加工等を可能にし、加工精度及び生産性の向上を図る。
【解決手段】 希土類金属磁石焼結体である弓形形状等の磁石素体1をフライス切削工具としてのエンドミル5の回転によって切削して輪郭加工を行う。エンドミル5は、例えば、母材表面に高硬度材料を被覆した又は高硬度粒子を固着した複数の切刃7a〜7dを持つものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンドミル、フルバック、総型カッター等のフライス切削工具を用いて希土類金属石焼結体を切削する加工方法及び該加工方法により得られる希土類金属磁石素体に関する。
近年、希土類金属磁石はモーター、プランジャーを始めとしたアクチュエーター類等に広く用いられてきている。このようなアクチュエーター類等に使用される希土類金属磁石には、エネルギー積で代表される磁気特性が良好なことに加えて、精密な寸法精度を備えることが、不可欠な要素として求められつつある。
上述の希土類金属磁石は希土類金属粉末を所定の形状の金型を用いて成形プレスした圧粉体(成形体)とした後、焼結炉によって焼結体とし、着磁装置により磁化するという基本工程を経ることによって形成される。
ところで、前述のような粉末冶金法によって作製される希土類金属磁石焼結体は前記焼結工程を経る過程において収縮を起こし、圧粉体に比べて形状寸法が小さくなってしまう。したがって、希土類金属磁石素体の所定寸法(最終的な磁石製品の寸法)よりも大きい寸法の圧粉体に成形プレスし、焼成することになる。焼結工程を経て形成された希土類金属石焼結体は所定の寸法にするために所要の加工が施される。
焼結された希土類金属磁石焼結体を切断加工する方法としては、ワイヤーソー或いはブレードソー等により切断加工する方法が知られている。
磁石製品形状が単純な板状の形状であれば、ブロック形状に圧粉体を成形し、焼結後にワイヤーソー或いはブレードソー等により切断加工をすればよい。
また、アール面(R面)を有するような複雑な形状の場合は、アール面を研削加工した後に、上記と同様な切断加工をすることとなる。例えば、下記特許文献1に開示されているように、コンベヤーのチャックに取り付けた加工対象物としての焼結体のアール面を総型砥石により連続的に研削加工する方法がある。
特開平8−66858号公報
この特許文献1の方法で用いる総型砥石は、例えば、研削面にダイヤモンドのような砥粒を有したものが用いられることが多い。また、研削は擦り取る加工法のため、砥石の粒度、加工物の形状にもよるが、粒度#60〜#170の場合、研磨速度20〜200mm/min程度と加工に多くの時間を要していた。特に、希土類金属磁石焼結体は硬度が高いため、砥石が摩耗しやすい。摩耗が進むにつれて、所望の製品寸法に加工することが困難となり、砥石の再加工あるいは再電着が必要となる。また、多くの形状を処理する場合には、形状毎に砥石が必要となる。
モータ等の磁石を用いた出力機器において、磁石特性の向上もさることながら、機器の精密化に伴い、寸法精度が非常に重要となってきている。希土類焼結磁石の加工において、総型砥石で研削加工を行うと、上記の通り加工速度が低速であるため、多くの時間を有し製造コストの高騰につながる。また、砥石にダイヤモンド等の砥粒を電着する場合には、砥粒粒径のばらつきがあるため、形状精度に影響を及ぼす。さらには、加工する磁石体が変形している場合やバリがある場合では研削抵抗が上昇し、発熱も生じやすくなる。したがって、割れや欠けが発生しやすくなり、当然寸法精度も低下する。
そこで、本発明は、希土類金属磁石焼結体を加工するにあたり、エンドミル、フルバック、総型カッター等のフライス切削工具を用いた切削処理とすることで、短時間で希土類金属磁石焼結体の輪郭加工等が可能で、加工精度が高く生産性の良い希土類金属磁石焼結体の加工方法及び該方法による希土類金属磁石素体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、種々の磁石製品形状、寸法に合わせて希土類金属磁石焼結体を精密加工可能な希土類金属磁石焼結体の加工方法及び該方法による希土類金属磁石素体を提供することをもう1つの目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、希土類金属磁石焼結体を切削工具の回転によって切削することを特徴としている。
本願請求項2の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、請求項1において、前記切削工具が、エンドミル、フルバック、総型カッターであることを特徴としている。
本願請求項3の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、請求項1又は2において、前記切削工具の回転により希土類金属磁石焼結体の輪郭加工を行うことを特徴としている。
本願請求項4の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、請求項1,2又は3において、前記切削工具が、母材表面に高硬度材料を被覆した又は高硬度粒子を固着した複数の切刃を持つものであることを特徴としている。
本願請求項5の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、請求項1,2,3又は4において、希土類金属磁石焼結体の表面を冷却液で冷却しながら切削することを特徴としている。
本願請求項6の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、請求項1,2,3,4又は5において、前記切削工具の位置の検出手段を設け、希土類金属磁石焼結体と前記切削工具とを相対的に移動させながら切削することを特徴としている。
本願請求項7の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、希土類金属磁石焼結体を予め2個以上に切断、分割処理した後、切断、分割した希土類金属磁石焼結体を請求項1,2,3,4,5又は6の方法で加工することを特徴としている。
本願請求項8の発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法は、希土類金属磁石焼結体を予め請求項1,2,3,4,5又は6の方法で加工した後、希土類金属磁石焼結体を2個以上に切断、分割処理することを特徴としている。
本願請求項9の発明に係る希土類金属磁石素体は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の加工方法により形成したことを特徴としている。
本発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法によれば、希土類金属磁石焼結体をエンドミル、フルバック、総型カッター等のフライス切削工具の回転によって切削するため、砥石による研削加工に比べて希土類金属磁石焼結体の輪郭加工等を短時間で処理でき、生産性の向上、ひいてはコスト低減が可能であり、しかも高精度の加工が可能である。また、多様な磁石製品形状に簡単に対応可能である。すなわち、様々な形状の磁石製品が要求されているが、砥石による研削の場合は要求される磁石形状(R面形状、弓形、C型等)毎に様々な砥石を取り揃える必要があるが、本発明に係る加工方法、すなわちエンドミル等のフライス切削工具による切削では、要求される磁石製品の形状、寸法データをコンピュータ制御のNC工作機械(NCフライス盤)のNC制御部に入力するだけでよく、そのような多様な工具の準備は不要となり、工具代費用の削減、製造コストの低減に寄与できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、希土類金属磁石焼結体の加工方法及び希土類金属磁石素体の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明に係る希土類金属磁石焼結体の加工方法の実施の形態であって、図1(A)は被切削対象であるアークセグメント状(弓形又はC形ともいう)の希土類金属磁石焼結体を示し、点線部分が磁石製品(切削後の希土類金属磁石素体)として残す輪郭である。また、図1(B)はワークテーブルに設けたチャックにより希土類金属磁石焼結体を固定した状態、同図(C)はアークセグメント状(弓形又はC形ともいう)の希土類金属磁石焼結体をフライス切削工具であるエンドミルを用いて外曲面を切削する場合を模式的に示している。
図1(A)に示すように、被切削対象であるアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体1は、希土類金属磁石素体2として残す輪郭部分(点線で示す)と、内曲面の削り代としての切削対象部位3a、外曲面の削り代としての切削対象部位3b、図1の紙面に向かって左側側面の削り代としての切削対象部位4a、右側側面の削り代としての切削対象部位4bから成っている。磁石のエレメントとして必要な希土類金属磁石素体2はアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体1から内、外曲面及び左右側面の切削部位3a,3b,4a,4bを各々切削除去することにより形成される。
アークセグメント状の希土類金属磁石焼結体1について、その内、外曲面及び左右側面の切削部位3a,3b,4a,4bの切削加工は、図1(B),(C)に示すように、ワークテーブル8の上に設けられるチャック9に固定されるアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体1の内、外曲面及び左右側面の切削部位3a,3b,4a,4bに沿って複数枚の切刃7a,7b,7c,7d,…を備えたエンドミル5のシャフト部6を回転、移動させることにより成し遂げられる。但し、切削部位に応じてチャックで保持する希土類金属磁石焼結体1の姿勢を変えている。
高硬度の希土類金属磁石焼結体を切削する前記エンドミルの母材として高硬度の金属材料が望ましく、例えばK10級の加工用超硬度材が適している。エンドミルは通常2〜8枚程度の切刃を備えており、この刃数が多い程、エンドミルの軸の一回転当りの切削回数が多くなり、切削速度が上がる。この場合、被切削対象物が一回の切削により、削り取られる量が少なくなるため被切削対象物に加わる力が減り、切削加工に伴う割れ、欠け等の発生率を低減化出来る。但し、エンドミルの径によるエンドミル自体の剛性にも依存するため、上記刃数に限定されるものではない。
上記エンドミルの切刃には、TiNの高強度材料を被覆したり、ダイヤモンド,WC,TiN等の高硬度粒子を固着(電着等)させたりして、切刃の硬度を高めることができ、切刃の対摩耗特性を改善することが出来る。
切削加工に際し、ダイヤモンド砥粒やWC砥粒を固着させた切刃を用いる場合、切刃と被切削対象物の接触箇所の発熱温度に注意する必要がある。発熱温度が700℃を超えると、ダイヤモンド砥粒の場合炭化現象が生じ、WC砥粒の場合酸化現象が生じてしまい、切削能力が低下するとともに、割れ、欠け等を誘発させる可能性がある。このような状態で切削加工を継続すると、被切削対象物に対する加工負荷が増大し、被切削対象物に加工変質をもたらし、希土類金属磁石のような永久磁石の場合には、エネルギー積等の磁気特性の劣化を引起す可能性がある。このため、希土類金属磁石焼結体の表面を冷却液で冷却しながら切削することが望ましい。
上述のエンドミルによる切削加工の場合、コンピュータ制御によるNC工作機械(NCフライス盤)を併用し加工制御を行わせることにより切削加工効率を高めることが出来る。NC工作機械は切削工具の位置の検出及び被切削対象物の位置の検出手段を具備しており、希土類金属磁石焼結体と切削工具としてのエンドミルを相対的に移動させながら切削することができ、被切削対象物の形状、寸法、エンドミルの径、刃数等の数値データをNC工作機械のNC制御部に記憶させ、精密な切削加工を行わせるとともに、切削個数当りの切刃の摩耗量数値データを利用し、繰り返し切削加工する場合の切刃の位置の補正をも行わせ得る。
上記のようなエンドミル5を用いて、図1(A)のアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体1から内、外曲面及び左右側面の切削部位3a,3b,4a,4bの切削加工を、切削速度1×10〜200×10mm/min、刃当たり送り0.001〜0.1mm/刃、軸方向切り込み量1〜20mm、径方向切り込み量0.001〜5.0mmのように条件を変化させて行った。切削加工はチッピングを起こすことなく、寸法精度は0.01〜0.1mmで輪郭加工が行えた。更に、割れ、欠け、傷の発生は皆無であった。
エンドミル5の逃げ面平均摩耗量は0.02mm程度であり、継続して切削加工する上で寸法精度の維持に支障を来たす数値データではなかった。
このエンドミル5の逃げ面平均摩耗量の数値データをNC制御部に入力した後、継続して切削加工を行った結果、希土類金属磁石素体2の輪郭加工における寸法精度に誤差を生じる程ではなかった。
図1では外曲面、内曲面ともに円周面の希土類金属磁石素体2を示したが、図2のように外曲面、内曲面の一方又は両方が円周面ではない複雑なアール形状の希土類金属磁石素体2でも加工が可能である。
焼結工程を経た希土類金属磁石焼結体を複数個の希土類金属磁石素体に分割する方法が生産性の面から採用される場合が少なからず生じる。この場合、ブロック形状に成形し、焼結工程を経て得られた希土類金属磁石焼結体の切削対象部位を前述のエンドミル等の切削加工により削り落として輪郭加工を行った後、所定厚み寸法の複数枚の希土類金属磁石素体を得るべくスライサーを用いて切断加工する。このように、予め、エンドミルによって切削による輪郭加工を行なうことで、精度のよいブロック形状焼結体が形成可能となり、次に行うスライス切断における位置決め精度が向上するため、磁石製品となる希土類金属磁石素体の寸法精度を高め得ることとなる。
一方、初めに、希土類金属磁石焼結体をスライサーによって複数枚に切断加工した後、前述のエンドミルを用いて切削対象部位を切削して輪郭加工し、希土類金属磁石素体を得ることも可能である。被切削対象物である希土類金属磁石焼結体が焼結工程において変形を来たしている場合、ここで述べた加工工程を採用することは特に有用である。また、切断加工に先んじて切削による輪郭加工を行なう場合、切り代が増加する場合があるために、ここで述べた加工工程を採用することにより、材料歩留まりが向上する。
この実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
(1) アークセグメント状の希土類金属磁石焼結体の切削部位を#60〜#120程度の総型砥石で研削加工した場合の加工速度は20〜200mm/minであったが、本実施の形態によるエンドミルで切削加工した場合の加工速度は1×10〜200×10mm/minであり、大幅に生産性を向上させることができる。また、本実施の形態によって切削加工した希土類金属磁石素体を投影機を用い目視検査した結果、割れ或いは欠け等の不具合の発生がなく、製品歩留まりの向上に寄与させ得ることが確かめられた。
(2) アークセグメント状の希土類金属磁石焼結体の切削部位を#60〜#120の総型砥石で研削加工した場合の輪郭加工の寸法誤差は0.1〜0.3mmであったが、本実施の形態のようにエンドミルで切削加工した場合の輪郭加工の寸法誤差は0.05mm以下であり、寸法精度の向上が可能である。従来のように総型砥石で研削加工したときの寸法誤差0.1〜0.3mmの発生は、砥粒サイズの影響であり不可避である。砥粒サイズを小さくすると精度は向上するが、研削速度は非常に遅くなり、希土類金属磁石焼結体の輪郭加工には用いられていない。また、研削面が砥石回転面と平行になればなるほど誤差が生じやすく、砥粒サイズを小さくし切削速度を落としても精度改善には至らない。
(3) 被切削対象物の形状、寸法が異なってくる場合、総型砥石では被切削対象物の形状、寸法に合わせた砥石を取り揃える必要があるが、本実施の形態では形状、寸法データを工作機械のNC制御部に入力するのみで、多様な磁石製品形状に対応でき、工具交換等の段取りが少なくなり、作業性を改善でき、また工具代費用の削減、製造コストの低減か可能である。
(4) 砥石と同様にエンドミルは繰り返し使用すると消耗するが、その場合、母材を汎用される方法にて削り直しが可能である。また、砥粒を用いる場合は、再電着すればよく、磁石体形状に合わせた正確な切刃の加工は不要である。これはメンテナンスの簡略化に効果がある。
なお、本発明の実施の形態では、アークセグメント状に希土類金属磁石焼結体を切削する加工方法について述べたが、希土類金属磁石焼結体の形状は限定されず、希土類金属として、NdFeB系やSmCo等の材質にも適用出来る。
また、フライス切削工具は、特に限定されず、エンドミルの他、フルバック、総型カッター等も使用出来る。
更に、エンドミルは、金属材料(母材)に、超微粒子超硬、TiAlN等の超硬材料皮膜等を形成したものや、砥粒にWC、ダイヤモンド等を使用したもの等でよく、エンドミル砥粒付着には電着、蒸着等の方法が適用出来、エンドミル刃数は2枚、4枚、8枚等の任意の刃数とすることが出来る。
図3(A)は総型カッター10、同図(B)はフルバック20をフライス切削工具として使用して希土類金属磁石焼結体1を切削加工する例であり、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。但し、総型カッター10の場合には、希土類金属磁石焼結体の形状に合わせたものを用意する必要がでてくる。
本発明に係る希土類金属石焼結体の加工方法の実施例を以下に詳述する。
初めに、NdFeB系希土類磁石粉末を磁場中でアークセグメント状(弓形状又はC形状)に加圧成形した後、焼結して希土類金属磁石焼結体を作製した。エンドミルにより切削加工する際の数値データとなるビッカース硬度をこの希土類金属磁石焼結体について測定した結果、Hv550であった。
立形マシニングセンタに、硬度がK10程度の超硬金属材料を母材とし、WC砥粒を電着させてなる4枚刃エンドミルを取り付けた。エンドミルの刃先径は6mmとした。
前記立形マシニングセンタを備えた工作機械(NCフライス盤)にアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体を取り付けた後、NC制御部に希土類金属磁石焼結体の取り付け位置、希土類金属磁石焼結体の形状、寸法、エンドミルのサイズ、切削条件等の数値データを入力した。
切削加工は切削速度100×10mm/min、刃当たり送り0.01mm/刃、軸方向切り込み量7.0mm、径方向切り込み量1.0mmの条件のもとに行った。
切削加工を終えた希土類金属磁石素体の形状、寸法、割れ、欠け、傷を投影機により、目視にて検査した。
希土類金属磁石素体2の輪郭精度は、最大0.05mmの誤差で切削加工ができており、更に、チッピング、割れ、欠け、傷の発生は皆無であった。
エンドミルの逃げ面平均摩耗量を求めたところ、0.018mmであった。
この切削加工を10回繰り返し行った後、希土類金属磁石素体の輪郭寸法を測定した結果、磁石寸法誤差に増加は認められず、更に、外観異常(割れ、欠け、傷)の発生も認められなかった。また、エンドミルの逃げ面平均摩耗量は0.021mmと僅かに増加していたが、希土類金属磁石素体2の輪郭寸法精度に誤差をもたらす程ではなかった。希土類金属磁石素体の外観の異常がなかったことから、エンドミルの4枚の切刃に電着させたWC砥粒の欠落はなく、切削加工効率の低下はないと判断できた。
[比較例]
次に、上述のエンドミルによる切削加工による結果と比較するために、砥石を用いた研削加工を試みた結果を以下に比較例として記す。
初めに、アークセグメント状の希土類金属磁石素体の外曲面(磁石上部形状)及び内曲面(磁石下部形状)に合わせた砥粒サイズが#80の2種類の砥石を作製した。
次に、アークセグメント状の希土類金属磁石焼結体を砥石の通過する台板に位置合わせし、設置固定した。
アークセグメント状の希土類金属磁石焼結体から外曲面側及び内曲面側の研削加工を、研削速度45mm/minにて行った。
研削加工後、エンドミルによる切削加工後と同様に、希土類金属磁石素体の投影機による目視検査を行った結果、最大0.08mmの寸法精度の誤差を生じていた。更に、割れ、欠け、傷の発生は認められなかった。
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
本発明に係る希土類金属磁石焼結体を切削する加工方法及び該加工方法により形成する希土類金属磁石素体は、エネルギー積が大きく、寸法精度が高い希土類金属磁石を用いるモーター、プランジャーを始めとしたアクチュエーター類の実現に不可欠な存在となるものである。
本発明に係る希土類金属磁石焼結体の切削加工方法の実施の形態であって、(A)は被切削対象であるアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体の斜視図、(B)は希土類金属磁石焼結体をチャックで支持した状態の正面図、(C)はフライス切削工具としてのエンドミルを用いてアークセグメント状の希土類金属磁石焼結体の外曲面を切削加工する模式的斜視図である。 本発明に係る切削加工済みのアークセグメント状の希土類金属磁石素体の1例を示す正面図である。 本発明に係る希土類金属磁石焼結体の切削加工方法の他の実施の形態であって、(A)は総型カッター、(B)はフルバックを用いた切削加工を示す模式的斜視図である。
符号の説明
1 希土類金属磁石焼結体
2 希土類金属磁石素体
3a 内曲面の切削対象部位
3b 外曲面の切削対象部位
4a 左側側面の切削対象部位
4b 右側側面の切削対象部位
5 エンドミル
6 シャフト
7a,7b,7c,7d 切刃
8 ワークテーブル
9 チャック
10 総型カッター
20 フルバック

Claims (9)

  1. 希土類金属磁石焼結体を切削工具の回転によって切削することを特徴とする希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  2. 前記切削工具が、エンドミル、フルバック、総型カッターである請求項1記載の希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  3. 前記切削工具の回転により希土類金属磁石焼結体の輪郭加工を行う請求項1又は2記載の希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  4. 前記切削工具が、母材表面に高硬度材料を被覆した又は高硬度粒子を固着した複数の切刃を持つものである請求項1,2又は3記載の希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  5. 希土類金属磁石焼結体の表面を冷却液で冷却しながら切削する請求項1,2,3又は4記載の希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  6. 前記切削工具の位置の検出手段を設け、希土類金属磁石焼結体と前記切削工具とを相対的に移動させながら切削する請求項1,2,3,4又は5記載の希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  7. 希土類金属磁石焼結体を予め2個以上に切断、分割処理した後、切断、分割した希土類金属磁石焼結体を請求項1,2,3,4,5又は6の方法で加工することを特徴とする希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  8. 希土類金属磁石焼結体を予め請求項1,2,3,4,5又は6の方法で加工した後、希土類金属磁石焼結体を2個以上に切断、分割処理することを特徴とする希土類金属磁石焼結体の加工方法。
  9. 請求項1,2,3,4,5,6,7又は8に記載の加工方法により形成してなる希土類金属磁石素体。
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CN107225274A (zh) * 2016-03-24 2017-10-03 株式会社牧野铣床制作所 切削加工方法及机床

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