JP2005216676A - 電池用添加剤およびこれを用いた電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電池用添加剤およびそれを用いた電池に関する。
ニッケル水素電池、ニッケル−カドミウム(ニッカド)電池などの二次電池は、従来から電気・電子機器に汎用され、最近では、電気自動車の駆動用電源電池としての使用が検討されている。このような電池に使用される電池用セパレータは、電極の短絡を防止し、かつイオンを透過させるという機能が要求されるものであり、その性質から、親水性、耐薬品性、機械的強度等の特性が要求される。このような観点から、電池用セパレータとして、ポリアミド繊維不繊布およびポリオレフィン繊維不繊布が、従来から使用されている。ポリアミド繊維不繊布は、分子内にアミド結合を有するため親水性であり、耐薬品性や機械的強度についても問題ないが、前記アミド結合に起因して自己放電特性に劣るという問題がある。一方、ポリオレフィン繊維不繊布も耐薬品性および機械的強度については問題ないが、疎水性であるため、このままでは電池用セパレータとして使用できない。このため、ポリオレフィン繊維不繊布に対し、界面活性剤処理、プラズマによる親水性基の導入処理、グラフト重合による親水性基の導入処理、硫酸によるスルホン基の導入処理等のさまざまな親水性処理が施されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかし、前記界面活性剤処理、前記プラズマ処理もしくは前記グラフト重合処理を施したポリオレフィン繊維不繊布では、ポリアミド繊維不繊布に比べ、自己放電抑制効果が優れてはいるものの、その性能は十分とはいえない。一方、スルホン化処理したポリオレフィン繊維不繊布は、自己放電抑制効果に優れるが、スルホン化処理後に洗浄工程が必要となるため、工程数が増えて製造効率が悪くなるという問題がある。このように、自己放電は、電池の寿命に大きな影響を及ぼすためその抑制が求められているが、従来の電池用セパレータによる自己放電抑制には限界があった。
特開平4−167355号公報
特開平11−238496号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、電池の自己放電を、効果的かつ簡単に抑制できる電池用添加剤の提供を、その目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の電池用添加剤は、下記式(1)で表されるカルボジイミド単位を分子内に有するポリマー粒子であって、その平均粒径は10μm以下という構成である。
本発明者等は、前記目的を達成するために、電池用セパレータ以外の方法で電池の自己放電を抑制する技術について、自己放電のメカニズムと併せて検討を行った。その過程で、電池の自己放電には、アンモニアガスが深く関与しているという情報を得て、これに基づき、電池内で効果的かつ簡単にアンモニアガスをトラップする方法について、さらに検討を重ねた。その結果、前記のカルボジイミド単位を分子内に有するポリマーを平均粒径10μm以下で粒子化すれば、これを電池内部に簡単に配置することができ、しかもアンモニアガスをトラップすることにより自己放電を効果的に抑制できることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、従来の電池用セパレータを用いた方法での問題を一挙に解決でき、例えば、スルホン化処理の後洗浄の問題も生じない。なお、カルボジイミド基がアンモニアガスをトラップすることは既に知られているが(WeithW., Ber.,7,10(1874))、そのままではカルボジイミド化合物を電池に適用することは難しい。しかし、本発明のように、カルボジイミド単位を分子内に有するポリマーを、10μm以下の粒子とすれば、電池内部に簡単に配置することができ、しかも効果的に自己放電抑制機能を発揮させることができる。なお、前記ポリマー粒子の平均粒径は、例えば、後述のレーザー回折式粒度分布測定法により測定できる。
つぎに、本発明の電池用添加剤およびそれを用いた電池並びに電池用セパレータについて、さらに詳しく説明する。
本発明の電池用添加剤において、前記ポリマー粒子の平均粒径の下限値について、特に制限はないが(但し、平均粒径は0を越える)、取扱い作業の観点から1μm以上が好ましい。
前記式(1)の有機基としては、例えば、芳香族系有機基、脂肪族系有機基、脂環式系有機基、複素環式有機基が挙げられる。
前記芳香族系有機基としては、例えば、下記式(2)で表される基が挙げられる。
前記脂環式系有機基しては、例えば、シクロパラフィン基、シクロオレフィン基、テルペン基、ショウノウ基、ステロイド基などが挙げられる。
前記複素環式系有機基しては、例えば、その環状有機化合物構造の環状構造の中に、窒素、酸素、イオウおよびリンからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む構造の有機基が挙げられる。
また、前記式(1)のカルボジイミド単位の繰り返し数nは、例えば、1〜10000である。nが10000以下であれば、室温でのゲル化時間が長く、作業性が向上する。好ましくは、nは5〜5000の整数である。
さらに、本発明の電池用添加剤は、分散媒を含み、前記ポリマー粒子が前記分散媒に分散した分散液であってもよい。分散液にすることによって、電池用セパレータ等の浸漬、塗布等の処理が容易になり、本発明の電池用添加剤の電池内部への配置が簡単に実現される。
つぎに、本発明の電池用添加剤にかかるカルボジイミド単位を分子内に有するポリマーは、例えば、有機溶媒中にて有機ジイソシアネートをカルボジイミド化触媒の存在下で反応させることによって得られる(例えば、T.W.Campbell et a1. , J.0rg. Chem., 28,2069(l963)、L.M.A1berino et al., J.App1.Po1ym.Sci.,21,1999(l977)、特開平2−292316号公報、特開平4−275359号公報)。
前記有機ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2−ビス[4−(4−イソシアナトフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−イソシアナトフェノキシ)メチル]プロパン、2,2−ジメチル−1,3−ビス(4−イソシアナトフェノキシ)プロパンなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、二種以上を併用(共重合体が得られる)してもよい。また、疎水性を与える目的で、一部フッ素基と置換した有機ジイソシアネートを用いてもよい。
また、前記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
そして、前記カルボジイミド化触媒としては、例えば、3−メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。
さらに、重合反応の末期、中期、初期のいずれか、または、全般にわたり、モノイソシアネートを加えて末端封鎖処理をしてもよい。こうして得られたポリカルボジイミドの溶液は、溶液の保存安定性に優れているからである。このようなモノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、ρ−ニトロフェニルイソシアネート、ρ−およびm−トリルイソシアネート、ρ−ホルミルフェニルイソシアネート、ρ−イソプロピルフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
なお、所望によりポリカルボジイミドを架橋してもよい。架橋の方法は、特に限定されないが、加熱や加圧による処理を適用することができる。乾燥炉などでの加熱や、オートクレーブなどを用いた加圧処理によるが、その温度、時間圧力などの条件は、カルボジイミドの種類によりさまざまであるが、特に限定されない。
本発明の電池用添加剤の分散液は、例えば、前記のようにして合成したポリカルボジイミドの粒子を、例えば、貧溶剤等の分散媒中に分散したものである。用いる貧溶剤は特に限定されず、例えば、前記のポリカルボジイミド合成に使用した有機溶媒以外の溶剤が用いられるが、好ましくは水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、N−メチルピロリドン、ジメチルスルフォキシド、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの汎用溶剤などを単独あるいは混合して用いることができる。
また、分散液としての安定性を高めるために、分散剤を併用することもできる。このような分散剤としては、例えば、有機スルホン酸塩類、分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する重合体などが挙げられる。前記有機スルホン酸塩としては、例えば、アルカンスルホン酸類、アルカンジスルホン酸類、アルカントリスルホン酸類などの脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸類、アルキルベンゼンジスルホン酸類、アルキルベンゼントリスルホン酸類、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキルジナフタレンスルホン酸類、アルキルトリナフタレンスルホン酸類などの芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、ポリビニルスルホン酸またはその共重合体、ポリスチレンスルホン酸またはその共重合体などのポリマースルホン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。また、前記の分子内にエーテル結合またはカルボニル基を有する重合体としては、例えば、ポリエーテル類やその共重合体またはポリビニルピロリドンもしくはその共重合体が挙げられる。
本発明の電池用添加剤の分散液の作製方法としては、例えば、下記の(1)から(5)の方法が挙げられる。
(1)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、前記貧溶剤に添加して粉末を析出させて得る。
(2)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液に、前記貧溶剤を添加して粉末を析出させて得る。
(3)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、急冷して粉末を析出させ、これを貧溶剤に分散させて得る。
(4)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、気中に噴霧して粒子として析出させ、これを前記貧溶剤に添加して得る。
(5)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、加熱または真空酸乾燥などして前記有機溶媒を除去し、これを前記貧溶剤に添加して得る。
(1)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、前記貧溶剤に添加して粉末を析出させて得る。
(2)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液に、前記貧溶剤を添加して粉末を析出させて得る。
(3)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、急冷して粉末を析出させ、これを貧溶剤に分散させて得る。
(4)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、気中に噴霧して粒子として析出させ、これを前記貧溶剤に添加して得る。
(5)前記のように合成されたポリカルボジイミドの溶液を、加熱または真空酸乾燥などして前記有機溶媒を除去し、これを前記貧溶剤に添加して得る。
本発明においては、前述のように、所望により分散剤を併用することができる。この分散剤を併用する場合は、例えば、合成されたポリカルボジイミドの溶液に予め添加してもよいし、用いる貧溶剤に予め添加してもよいし、または貧溶剤に分散させた後この分散液に添加してもよい。
本発明の電池用添加剤の分散液中、前記ポリマー粒子の濃度は、特に制限されず、用いる貧溶剤の種類などの条件により適宜決定されるが、例えば、1重量%〜70重量%の範囲である。1重量%以上であれば、分散液としての安定性が向上し、70重量%以下であれば、流動性が向上する。前記ポリマー粒子の濃度は、好ましくは、5重量%〜60重量%の範囲である。
また、本発明の電池用添加剤の分散液中、分散剤の濃度は、特に限定されず、用いる貧溶剤の種類などにより適宜決定されるが、好ましくは、0.01重量%〜10重量%の範囲である。0.01重量%以上であれば分散液の安定性が向上し、10重量%以下であれば、分散剤が電池内に必要以上に拡散して自己放電などの電池特性に影響を及ぼすこともない。
そして、本発明の電池用添加剤のポリマー粒子の平均粒径は、10μm以下である。通常、ポリカルボジイミド合成において、例えば、貧溶剤中に粒子として析出させれば、平均粒径10μm以下になるが、その他に、例えば、得られたポリマー粒子を、所定孔径のフィルター、メッシュ等によりろ過する方法または粉砕機等を用いた粉砕処理により、巨大粒子を微小化する方法等を適用することができる。また、前記二つの方法は、組み合わせて使用してもよい。さらに粒径分布を小さくする必要がある場合は、フィルター、メッシュなどや遠心分離などの方法により分級することが可能である。また、過度の温度変化により粒子が凝集することを防ぐため、所定の温度で保管することが好ましく、その温度は、−20℃〜80℃が好ましい。
つぎに、本発明の電池は、その内部に本発明の電池用添加剤を用いたものである。例えば、本発明の電池の一例として、前記本発明の電池用添加剤を適用した電池用セパレータを用いた電池が挙げられる。その他の例として、例えば、電極と電池用セパレータの間に本発明の電池用添加剤が介在する(例えば、電解液中に本発明の電池用添加剤が分散している)電池が挙げられる。本発明の電池の用途は、例えば、アルカリ二次電池が挙げられる。
つぎに、本発明の電池の一例(ボタン型電池)を、図1の断面図に示す。図示のように、この電池では、内ケース(電池缶)1内に、Ni網2およびNi集電板3が設けられ、さらに負極4、セパレータ5および正極6が、この順序で積層され、パッキン7を介して外蓋8が被せられている。また、この他に、本発明の電池の形態としては、例えば、電極とセパレータを重ね合わせ捲回する円筒状電池または電極とセパレータを重ね合わせケースに収納した角型電池などが挙げられる。なお、本発明の電池は、本発明の電池用添加剤を使用する以外は、特に制限されず、電極、セパレータ、電解液、電池容器等は、従来公知のものを使用でき、また製造方法も特に制限されず、一般的手法を適用できる。
つぎに、本発明の電池用セパレータは、多孔性シートを有する電池用セパレータであって,その多孔性シートの表面および孔内部の少なくとも一方に、前記本発明の電池用添加剤が存在するものである。このように、本発明の電池用添加剤を電池用セパレータに適用させることにより、その電池の自己放電を、効果的かつ簡単に抑制できる。また、多孔性シートの孔内部に本発明の電池用添加剤の前記ポリマー粒子が存在すれば、シート表面積が増加し、孔径も小さくなって保液性が向上するという利点も生じる。
前記本発明の電池用セパレータに、前記本発明の電池用添加剤を適用する方法としては、例えば、前記多孔性シートを有する電池用セパレータに、前記本発明の電池用添加剤の分散液を塗装すればよい。そのような塗装工程は、例えば、前記多孔性シートを有する電池用セパレータを本発明の電池用添加剤の分散液に浸漬すること、前記多孔性シートを有する電池用セパレータに本発明の電池用添加剤の分散液を、ロールコータ、はけ塗り、スプレー等で塗布することが挙げられる。ただし、本発明の電池用セパレータは、この方法以外で製造してもよい。
前記多孔性シートの材質は、特に制限されない。ただし、強い酸化還元雰囲気下で用いるような、例えばアルカリ二次電池用セパレータのような用途では、特定の官能基を有しないポリオレフィン等が好ましい。前記ポリオレフィンのモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンが挙げられる。前記ポリオレフィンは、例えば、前記モノマーの単独重合体や共重合体であってもよく、これらのブレンド物であってもよい。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。なお、これらのポリオレフィン系の電池用セパレータを使用する場合は、前記の方法で、親水性処理することが好ましい。
また、前記本発明の電池用セパレータとして用いる多孔性シートの形態は、多孔質膜、または不織布が好適に用いられ、その孔径や空孔率等は、特に限定されない。
つぎに、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート100gをカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド)0.06gとイソプロピルフェニルイソシアネート10gと共にトルエン500g中に投入し、100℃で6時間反応し、ポリカルボジイミドの溶液を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により分子量を測定し、繰り返し数nを求めたところ408であった。その溶液を500gの水中に攪拌下滴下し、ポリカルボジイミド粒子を析出させた。その後、分液ロートを用いてトルエン成分を除去して、ポリカルボジイミド粒子の分散液である電池用添加剤(添加剤A)を得た。この添加剤について、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名SALD−2000A、島津製作所社製)を用いて粒度分布測定を行ったところ、ポリマー粒子の平均粒径は7.6μmであった。
ポリプロピレンとポリエチレン繊維からなる不繊布(目付け60g/m2)を、前記添加剤Aに浸漬し、引き上げた後熱風循環式乾燥機で80℃5分間の乾燥を行い、これを電池用セパレータとした。
他方、水酸化ニッケル粉末100重量部、コバルト粉末10重量部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末10重量部および水20重量部を混合して正極形成用分散液とした。この液を発泡ニッケル(Ni)板に圧入し、得られたNi板を乾燥後プレスしてシート化し、これを正極とした。また、水素吸蔵合金(ミッシュメタル系)100重量部、PTFE粉末10重量部および水20重量部を混合して負極形成用分散液とし、これを発泡Ni板に圧入し、得られたNi板を乾燥後プレスしてシート化し、これを負極とした。
ボタン型ニッケル水素電池(2032サイズ:直径20mm、高さ3.2mm)を以下のようにして作製した。まず、前記電池用セパレータを、予め7.2kmol/m3水酸化カリウム電解液中に浸漬して真空含浸を行った。そして、電池缶内に、集電のためNi網およびNi集電板を置き、その上に、前記負極、前記電池用セパレータおよび前記正極をこの順序で積層し、電解液を注入した後、パッキンを介して外蓋を被せ、目的とするボタン型ニッケル水素電池を作製した(図1参照)。
このようにして得られた電池の放電容量を測定した。すなわち、まず、満充電後45℃で2週間保管して自己放電させた後、放電容量を測定し、再度満充電後に放電容量を測定した。放電レートは0.2C5Aとし、容量保持率を以下の式で求めた。この結果を、下記の表1に示す。
容量保持率〔%〕=[Aa/(Ab+Aac)/2]×100
Aa:自己放電後の放電容量〔Ah〕
Ab:自己放電前の放電容量〔Ah〕
Aac:自己放電後再満充電後の放電容量〔Ah〕
Aa:自己放電後の放電容量〔Ah〕
Ab:自己放電前の放電容量〔Ah〕
Aac:自己放電後再満充電後の放電容量〔Ah〕
2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネート混合物100g(重量混合比4:1、商品名タケネート80、武田薬品工業(株)製)をカルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニルホスホレン−1−オキシド)0.06gとイソプロピルフェニルイソシアネート10gと共にテトラヒドロフラン500g中に投入し、100℃で6時間反応し、ポリカルボジイミドの溶液を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により分子量を測定し、繰り返し数nを求めたところ28であった。その溶液を500gの酢酸エチル中に攪拌下滴下し、ポリカルボジイミド粒子を析出させた。その後、40℃で20時間還流し、テトラヒドロフラン成分を除去して、ポリカルボジイミド粒子の分散液である電池用添加剤(添加剤B:含まれるポリマー粒子の平均粒径8.1μm)を得た。この電池用添加剤(添加剤B)を用いて、実施例1と同様にボタン型ニッケル水素電池を製造し、その放電容量を評価した。その結果を、下記の表1に示す。
[比較例]
電池用添加剤を用いなかった以外は実施例1と同様に、ボタン型ニッケル水素電池を製造し、その放電容量を評価した。その結果を、下記の表1に示す。
電池用添加剤を用いなかった以外は実施例1と同様に、ボタン型ニッケル水素電池を製造し、その放電容量を評価した。その結果を、下記の表1に示す。
(表1)
電池用添加剤 電池用添加剤の被着体 容量保持率(%)
実施例1 A セパレータ 70
実施例2 B セパレータ 69
比較例 − − 21
上記表1からわかるように、本発明の電池用添加剤を使用した実施例の電池は、70%前後の高い容量保持率を示した。これに対し、本発明の電池用添加剤を使用しなかった比較例の電池は、容量保持率が21%であり、極めて低かった。
電池用添加剤 電池用添加剤の被着体 容量保持率(%)
実施例1 A セパレータ 70
実施例2 B セパレータ 69
比較例 − − 21
上記表1からわかるように、本発明の電池用添加剤を使用した実施例の電池は、70%前後の高い容量保持率を示した。これに対し、本発明の電池用添加剤を使用しなかった比較例の電池は、容量保持率が21%であり、極めて低かった。
以上のように、本発明の電池用添加剤は、電池に対し、簡単に、自己放電抑制機能を付与できる。したがって、本発明の電池用添加剤を用いれば、電池を長寿命化でき、特に、大きな出力が要求される電気自動車の駆動用電源電池に適用すれば、電気自動車の性能向上に寄与することが可能となる。
1 内ケース
2 Ni網
3 Ni集電板
4 負極
5 セパレータ
6 正極
7 パッキン
8 外蓋
2 Ni網
3 Ni集電板
4 負極
5 セパレータ
6 正極
7 パッキン
8 外蓋
Claims (11)
- 有機基が、芳香族系有機基、脂肪族系有機基、脂環式系有機基および複素環式系有機基からなる群から選択された少なくとも1つの基である請求項1記載の電池用添加剤。
- 芳香族系有機基が、下記式(2)で表される基であり、脂肪族系有機基が、下記式(3)で表される基であり、脂環式系有機基が、シクロパラフィン基、シクロオレフィン基、テルペン基、ショウノウ基およびステロイド基からなる群から選択された少なくとも1つの基であり、複素環式系有機基が、その環状有機化合物構造の環状構造の中に、窒素、酸素、イオウおよびリンからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む構造の有機基である、請求項2記載の電池用添加剤。
- 前記式(1)のカルボジイミド単位の繰り返し数nが、1〜10000の整数である、請求項1から3のいずれかに記載の電池用添加剤。
- さらに分散媒を含み、前記ポリマー粒子が、前記分散媒に分散している請求項1から4のいずれかに記載の電池用添加剤。
- 多孔性シートを有する電池用セパレータであって、前記多孔性シートの表面および孔内部の少なくとも一方に請求項1から5のいずれかに記載の電池用添加剤が存在する電池用セパレータ。
- 請求項6記載の電池用セパレータの製造方法であって、前記多孔性シートに請求項5記載の電池用添加剤を塗装する工程を含む、電池用セパレータの製造方法。
- 請求項6記載の電池用セパレータを使用した電池。
- 請求項1から5のいずれかに記載の電池用添加剤を、電池の内部に含有する電池。
- 電池用添加剤が、電極と電池用セパレータの間に介在する請求項9記載の電池。
- アルカリ二次電池である、請求項8から10のいずれかに記載の電池。
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