JP2005215605A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐久性および定着性に優れるトナーを提供すること。
【解決手段】 樹脂粒子塊を有する集合体粒子を含有するトナーを提供する。この集合体粒子は、樹脂粒子塊同士が表面でのみ結合するようなネットワーク構造を有している。このトナーを構成する集合体粒子を構成する樹脂の質量平均分子量が該樹脂粒子塊を構成する樹脂の質量平均分子量よりも大きいが、トナーのガラス転移点およびフロー軟化点に大きな影響を与えることがなく、定着性と耐久性に優れたトナーとなる。このようなトナーは、カルボキシル基、エポキシ基などの官能基を有する単量体を用いて樹脂粒子を調製し、この樹脂粒子中の官能基同士を、架橋剤、反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、重合開始剤などのネットワーク形成剤で結合させることにより調製される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電潜像を現像し、熱定着により画像を形成するために用いられるトナーに関する。
一般に、静電画像形成用のトナーは、ポリエステル樹脂、スチレン/アクリル系共重合体樹脂などのトナー用樹脂(結着樹脂)に着色剤などを溶融混練し、粉砕、分級することにより、得られている。しかし、この粉砕法で得られるトナーは、球形度が低いため、球形度が高い(真球により近い)トナーに比べて流動性(円滑性)が悪く、転写性に劣る。さらに、近年、プリンターの高画質化が要求され、これに伴ってトナーを小粒子化する動きもあるが、粉砕法では、粉砕の問題、分級の問題などで、目的とする小粒子径のトナーが得られにくい。
このような問題を解決するために、重合法によるトナー(重合トナー)製造の試みがなされている。一般に重合トナーは、乳化重合、懸濁重合などの方法で樹脂の原料となる単量体をエマルジョン化し、エマルジョンの状態で重合させ、これを加熱凝集し、乾燥させて得られる。この加熱・乾燥過程において、重合粒子は熱融着し、一部溶融するあるいは樹脂粒子どうしが熱融着するなど、樹脂粒子が結合された状態となる。しかし、この結合は弱いため、トナーは崩壊しやすく、そのため使用時の耐久性に劣り、保存時の安定性に欠けるという問題がある。
例えば、特許文献1には、酸性極性基または塩基性極性基を有する重合体の一次粒子を乳化重合により調製し、この一次粒子に着色剤粒子並びに帯電制御剤を添加して加熱することにより、着色された二次粒子を得、そして、この二次粒子の会合粒子を得ることが記載されている。この会合粒子は、二次粒子間の接触部分の少なくとも一部が造膜融合しており、貯蔵、輸送、現像剤製造時に崩壊することがないことが記載されている。しかし、この熱融着している二次粒子からなるトナーは、粒子間の結合が充分な強度を有していないため崩壊しやすく、使用時の耐久性に欠ける。
特許文献2は、定着性に優れた小粒子径の重合トナーを開示している。この重合トナーは、重合性単量体と定着性向上剤とを含む単量体組成物をエマルジョン化して重合させることにより得られる粒子をそのまま重合トナーとし、小粒径のトナーを得ている。そして、この小粒径の重合トナーの製造に際し、重合粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加してもよいことが記載されている。しかし、この重合トナーの製造においては、粒子間に架橋による結合が起る可能性もあるが、重合性単量体と架橋剤とが混合されてエマルジョン化されているため、架橋剤は専らこの単量体の重合による重合体粒子の形成のときに使用されると考えられる。従って、形成した架橋構造を含む重合粒子を他の重合粒子と会合させてトナーとしても、架橋構造を含む重合粒子自体の強度が高いため、定着時に樹脂が溶融しにくくなり低温定着性が悪くなる。
特許文献3は、反応性界面活性剤の存在下、水性乳化重合によって得られた重合体および着色剤を含有してなるトナーを開示している。この反応性界面活性剤は、この重合体の帯電量調整のために、重合性単量体とともに重合反応に供されている。そのため、反応性界面活性剤は重合体中に取り込まれ、粒子間の結合にはほとんど使用されていない。従って、エマルジョンを脱水乾燥あるいは噴霧乾燥して得られるトナーは、重合体粒子間の結合が弱く、保存中に崩壊するなど耐久性に欠ける。そのため、特許文献3では、実施例において、一旦合成した重合体粒子を溶融混錬し粉砕してトナーを製造するという複雑な方法を開示している。
さらに、特許文献4は低温定着性の改良を目的としてカプセル構造(コア−シェル構造)を有するトナーを開示している。この方法では、まず、重合性単量体、着色剤などを含有する重合性組成物を懸濁重合あるいは乳化重合し、これを凝集させてコア粒子を得、ついで、このコア粒子の周囲に別の粒子を凝集させ、必要に応じて乾燥させて、カプセル構造を有するトナー粒子を得ている。このトナーは、低温定着性に優れているものの、凝集工程を2度行わなければならないという複雑さと、単なる凝集力により粒子が結合しているため、使用時の耐久性に劣る、保存安定性に欠けるという問題がある。
特開昭63−186253号公報
特開平5−66611号公報
特開昭63−281172号公報
特開平11−7156号公報
上記のように、従来の重合トナーは、低温定着性に優れている場合は耐久性に劣るという問題があり、他方、耐久性を向上させると低温定着性が低下するという問題がある。そこで、耐久性に優れ、かつ、低温定着性にも優れたトナーが求められている。本発明は、低温定着性に優れ、かつ、耐久性をも備えたトナーを提供することを目的とする。
本発明は、樹脂粒子塊を有する集合体粒子を含有するトナーであって、該樹脂粒子塊は、樹脂粒子が相互に溶融するか境界面を有して接触した形状であり、該集合体粒子がネットワーク構造を有し、そして、該集合体粒子を構成する樹脂の質量平均分子量が該樹脂粒子塊を構成する樹脂の質量平均分子量よりも大きいトナーを提供する。
好ましい実施態様においてはネットワーク構造がネットワーク形成剤によって形成されている。
好ましい実施態様においては、前記境界面がネットワーク形成剤を介して結合している。
好ましい実施態様においては、ネットワーク形成剤が架橋剤である。
より好ましい実施態様においては、架橋が脱水によって形成される。
さらに好ましい実施態様においては、架橋剤がカルボキシル基と反応し得る官能基を有している。
また、好ましい実施態様においては、ネットワーク形成剤が反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、および重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つである。
本発明のトナーは、樹脂粒子塊を有する集合体粒子を含有する。樹脂粒子塊は、トナーを構成する樹脂粒子が境界面を有して接触しているか、樹脂粒子が相互に溶融しており、この樹脂粒子塊がそれぞれ、架橋剤などのネットワーク形成剤を介してネットワークを形成している(すなわち、集合体粒子がネットワーク構造を有している)。そして、この集合体粒子を構成する樹脂の質量平均分子量が樹脂粒子塊を構成する樹脂の質量平均分子量よりも大きい。しかし、このような架橋や結合による分子量の増加も所望の範囲に留まり、樹脂の架橋や結合によるガラス転移温度あるいはフロー軟化点に大きな影響を与えることもない。そのため、従来の単なる凝集粒子と比べて、耐久性および保存性に優れている。さらに、樹脂粒子塊同士が表面でのみ結合しているために樹脂の溶融特性を阻害せず、定着性が損なわれることがない。従って低温定着性に優れ、耐久性にも優れたトナーが提供される。
本発明のトナーは、「樹脂粒子塊を有する集合体粒子を含有するトナー」であり、この集合体粒子に、負帯電性シリカ微粒子、二酸化チタンなどの外添剤が外添されて得られる。「樹脂粒子塊を有する集合体粒子」は、以下に説明する樹脂粒子が境界面を有しつつ接触(好ましくは結合)した樹脂粒子塊、樹脂粒子が相互に溶融して形成された樹脂粒子塊などを含んでいる。そして、本発明のトナーは、集合体粒子中に含まれる樹脂粒子塊がそれぞれ、ネットワークで結ばれている(すなわち、樹脂粒子塊を有する集合体粒子がネットワーク構造を有している)。
図1に本発明のトナーの部分構造を示す。図1において、トナー1は、単独の樹脂粒子11、3個の樹脂粒子が相互に溶融して一つの塊となった樹脂粒子塊12、2個の樹脂粒子が接触し境界面17を有したまま結合している樹脂粒子塊13、4個の樹脂粒子が相互に溶融して一つの塊となった樹脂粒子塊14、3個の樹脂粒子が接触し境界面17を有したまま塊となった樹脂粒子塊15などが相互に架橋あるいは結合され、樹脂粒子塊が境界面17を有しつつネットワーク16を形成している。このような架橋あるいは結合により、さらにはネットワーク形成により、集合体粒子を構成する樹脂の質量平均分子量がネットワーク構造を有しない樹脂粒子塊を構成する樹脂の質量平均分子量よりも大きい。
上記集合体粒子12〜15は、いずれも本発明の単独の樹脂粒子11から生じるものであるので、以下、まず、本発明に用いられる材料である(i)樹脂粒子、(ii)この樹脂粒子を製造するための単量体、および(iii)ネットワーク形成剤について説明し、ついで、(iv)本発明のトナーの製造方法について説明する。
(i)樹脂粒子
本発明のトナーは、樹脂粒子塊間、樹脂粒子間並びに樹脂粒子と樹脂粒子塊間(以下、これらを総称して、単に「粒子間」ということがある)が境界面で接しつつ相互間でネットワーク構造を形成し、この粒子間のネットワーク形成は、樹脂粒子および樹脂粒子塊に存在する官能基を用いて行われる。従って、樹脂粒子は官能基を有するように調製される。
本発明のトナーは、樹脂粒子塊間、樹脂粒子間並びに樹脂粒子と樹脂粒子塊間(以下、これらを総称して、単に「粒子間」ということがある)が境界面で接しつつ相互間でネットワーク構造を形成し、この粒子間のネットワーク形成は、樹脂粒子および樹脂粒子塊に存在する官能基を用いて行われる。従って、樹脂粒子は官能基を有するように調製される。
樹脂粒子中に存在し得る官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、スルホン酸基、窒素を含有する官能基(例えば、アンモニウム基、アミノ基、アミド基など)、酸無水物基、N−アルコキシメチル基、N−メチロール基などが挙げられるが、これらに制限されない。好ましくは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、スルホン酸基、窒素を含有する官能基、および酸無水物基であり、さらに好ましくは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基である。樹脂粒子中の官能基の種類は1種でもよく、2種以上であってもよい。上記官能基を有する樹脂として、以下の樹脂が例示されるがこれらに限定されない。
カルボキシル基を有する樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体などの(メタ)アクリル酸系重合体;メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体;スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などのスチレン系重合体などが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する樹脂としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリアルキレンオキサイド;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系重合体;エーテル基などを有するポリオキシアルキレン−酢酸ビニル共重合体などのビニルエステル系重合体;ヒドロキシ含有(メタ)アクリレートを含む共重合体;(メタ)アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体;エチレン−無水マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。なお、以下の説明において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸およびメタクリル酸を総称し、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタアクリレートを総称する。
エポキシ基を含有する樹脂としては、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
スルホン酸基を有する樹脂としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸などのスチレン系重合体が挙げられる。
窒素を含有する官能基を有する樹脂としては、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリジアセトン(メタ)アクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
酸無水物基を含有する樹脂としては、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などのアルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体;エチレン−無水マレイン酸共重合体:酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体;(メタ)アクリルレート−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
N−アルコキシメチル基またはN−メチロール基を有する樹脂としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
さらに、上記官能基を有するポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などを用いてもよい。
ところで、低温定着性を目的とする場合、トナーに用いる樹脂のフロー軟化点(Tf1/2)は低いことが好ましく、保存性の観点からは、ガラス転移温度(Tg)は高いことが好ましい。樹脂のフロー軟化点およびガラス転移温度を容易に調整できるという観点から、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリレート系の樹脂を主成分とすることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−官能基を有する(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体などが好ましく用いられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
(ii)樹脂粒子を製造するための単量体
(ii-1)単量体の種類
上記の官能基を有する樹脂を製造には、官能基を有する単量体および官能基を有していない単量体のいずれもが用いられる。本発明に用いる樹脂粒子を調製するためには、官能基を有する単量体の少なくとも一種が含まれるようにようにする。
(ii-1)単量体の種類
上記の官能基を有する樹脂を製造には、官能基を有する単量体および官能基を有していない単量体のいずれもが用いられる。本発明に用いる樹脂粒子を調製するためには、官能基を有する単量体の少なくとも一種が含まれるようにようにする。
例えば以下の単量体が例示される:(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、フマル酸、フマル酸ハーフエステルなどのカルボキシル基含有単量体;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ビニルアルコール系単量体、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体(反応によりヒドロキシル基を有するようになる単量体を含む);グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有単量体;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体;ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドンなどの窒素含有官能基を含有する単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などの酸無水物含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−メチロール基含有単量体;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルコキシメチル基含有単量体;スチレン系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロロスチレンなど)、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体;エチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのオレフィン;(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;(メタ)アクリロニトリル;メチルビニルケトンなどのビニルケトン;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;クロトンアルデヒド;アリルアルコール;酢酸アリルなどのアリルエステル:など。
これらの単量体およびその他の公知の単量体の中から、官能基を有する単量体を選択し、官能基を有する単量体の重合体(ホモポリマー)、官能基を有する単量体の共重合体、あるいは官能基を有する単量体と官能基を有しない単量体との共重合体を調製することができる。なお、単量体について官能基というときには、α,β−エチレン性不飽和基のような、樹脂の形成に使用される重合性反応基は含まない。
なお、官能基を有する単量体は、官能基を有しない単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部が、適切な重合粒子間の結合力を与える点で好ましい。
上記の通り、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリレート系の樹脂を主成分とするスチレン含有樹脂が好適であることから、以下、このような樹脂粒子を製造する際に用いる単量体((メタ)アクリレート系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、およびスチレン系単量体)についてさらに詳しく説明する。なお、アクリル酸というときには、その無機塩(例えば、アンモニウム塩、あるいはナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩)も含むものとする。その他の酸(例えばマレイン酸など)についても、同様にこれらの無機塩を含むものとする。
(ii-2)(メタ)アクリレート系単量体
(メタ)アクリレート系単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;アミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル基を有する(メタ)アクリレート;多官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリレート系単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;アミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル基を有する(メタ)アクリレート;多官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アミノ基を有する(メタ)アクリレートとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
グリシジル基を有する(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど挙げられる。
その他、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアリール(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートなども使用できる。
(ii-3)(メタ)アクリル酸系単量体
(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、イソプロピル(メタ)アクリル酸、n−ブチル(メタ)アクリル酸、イソブチル(メタ)アクリル酸、t−ブチル(メタ)アクリル酸、ペンチル(メタ)アクリル酸、ヘキシル(メタ)アクリル酸、オクチル(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸、デシル(メタ)アクリル酸、ドデシル(メタ)アクリル酸、ステアリル(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、イソプロピル(メタ)アクリル酸、n−ブチル(メタ)アクリル酸、イソブチル(メタ)アクリル酸、t−ブチル(メタ)アクリル酸、ペンチル(メタ)アクリル酸、ヘキシル(メタ)アクリル酸、オクチル(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸、デシル(メタ)アクリル酸、ドデシル(メタ)アクリル酸、ステアリル(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
また、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリル酸、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリル酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸などの、カルボン酸に加えてカルボン酸と異なる官能基(例えばヒドロキシル基)を樹脂粒子中に提供し得る単量体が用いられる。
(ii-4)スチレン系単量体
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが含まれる。スチレンが好ましく用いられる。スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸を用いてもよい。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが含まれる。スチレンが好ましく用いられる。スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸を用いてもよい。
樹脂粒子の調製に際しては、少なくとも官能基を有する単量体を含むように、1または2以上の単量体が選択される。例えば、スチレン−アクリレート系の共重合体を得たい場合、スチレン−アルキルアクリレート共重合体は樹脂粒子中に官能基を有していないため、スチレンの代わりにスチレンスルホン酸を使用する、あるいはアルキルアクリレートの代わりにグリシジルアクリレートを使用するなどの方法により、樹脂粒子中に官能基を導入する。あるいは、スチレン、アルキルアクリレートに加えて、上記(ii-3)の(メタ)アクリル酸系単量体または上記(ii-1)に例示された官能基を有する単量体を組合せて、樹脂粒子を製造する。
(iii)ネットワーク形成剤
本発明において、ネットワーク形成剤は粒子間の結合を生じさせる物質をいう。ネットワーク形成剤には、それぞれの樹脂粒子に存在する官能基間を架橋する架橋剤、あるいはそれぞれの樹脂粒子中の官能基同士を結合させる反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、重合開始剤などが含まれる。
本発明において、ネットワーク形成剤は粒子間の結合を生じさせる物質をいう。ネットワーク形成剤には、それぞれの樹脂粒子に存在する官能基間を架橋する架橋剤、あるいはそれぞれの樹脂粒子中の官能基同士を結合させる反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、重合開始剤などが含まれる。
本発明に用いるネットワーク形成剤は、エマルジョン状態で粒子間の架橋あるいは粒子表面同士の結合を行う観点から、水溶性であるか、水に易分散であるか、微量の水溶性溶媒に可溶か、界面活性剤で可溶化する性質を有することが好ましい。
(iii-1)架橋剤
架橋剤は、樹脂粒子あるいは集合体粒子に存在する官能基と反応し、粒子間に架橋を形成することができる化合物であれば、特に、制限はない。架橋剤は、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
架橋剤は、樹脂粒子あるいは集合体粒子に存在する官能基と反応し、粒子間に架橋を形成することができる化合物であれば、特に、制限はない。架橋剤は、単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
(iii-1-1)官能基がカルボキシル基である場合、架橋剤としては、エポキシ基あるいはイソシアネート基を有する化合物、金属化合物などが好ましく使用される。
エポキシ基を有する化合物としては、2以上のエポキシ基を有する化合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、1,2−3,4−ジエポキシブタンなどが使用される。
イソシアネート基を有する化合物としては、ポリイソシアネート化合物、例えば、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアネート基を有するプレポリマー(含水酸基ポリエステル、含水酸基ポリエーテルなどのポリオールに上記ポリイソシアネートを過剰量反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するポリマー)などが使用される。
金属化合物としては、2価以上の原子価を有する水溶性の金属化合物が好ましく、ホウ素、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの金属のハロゲン化物、塩類(炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩など)、酸化物、又は水酸化物などが例示できる。特に、ホウ酸、硼砂、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、塩化ジルコニウム、鉄ミョウバンなどが好ましい。
(iii-1-2)官能基がヒドロキシル基である場合、架橋剤としては、カルボキシル基または酸無水物基を有する化合物、アルデヒド基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、窒素含有化合物、アクリルアミド部分を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物、金属化合物などが挙げられる。なかでも、カルボキシル基または酸無水物基を有する化合物(特に、多価カルボン酸又はその酸無水物)、および金属化合物が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸、脂環族ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸、オキシポリカルボン酸、複素環式多価カルボン酸などが挙げられる。
脂肪族ポリカルボン酸としては、C2〜10の脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、あるいは、C4〜6の脂肪族不飽和ポリカルボン酸(フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸など)などが挙げられる。
脂環族ポリカルボン酸としては、C8〜10の脂環族ポリカルボン酸(例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸など)が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸としては、C8〜12の芳香族ポリカルボン酸又はその酸無水物(例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など)が挙げられる。
オキシポリカルボン酸としては、C3〜6のオキシ多価カルボン酸(例えば、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)が挙げられる。
複素環式多価カルボン酸は、窒素、酸素および硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原子を有する多価カルボン酸(例えば、ピリジンジカルボン酸、ピリジントリカルボン酸、ピリジンテトラカルボン酸、トロピン酸など)などが挙げられる。この複素環式多価カルボン酸中の多価カルボン酸としては、脂肪族、脂環族又は芳香族ポリカルボン酸(特にC3〜10のポリカルボン酸)が好ましく用いられる。
多価カルボン酸の塩あるいは部分塩もまた、好ましく用いられる。多価カルボン酸塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)などの無機塩、第3級アミンなどの有機塩などの塩が含まれる。多価カルボン酸としては、マレイン酸又はその酸無水物(無水マレイン酸)が特に好ましい。
アルデヒド基を有する化合物としては、複数のアルデヒド基を有する化合物、例えば、グリオキザール、マロンアルデヒド、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプン、アクロレイン共重合アクリル樹脂などが用いられる。
窒素含有化合物としては、例えば、メトキシメチルメラミンなどのC1-4 アルコキシメラミン、N−メチロールメラミン、N−メチロール尿素などのメチロール基含有化合物、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン類、メラミン−ホルマリン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂などが用いられる。
アクリルアミド基を有する化合物としては、メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジメチロール−メチレン−ビスアクリルアミド、1,1−ビスアクリルアミド−エタンなどが例示できる。
エポキシ基あるいはイソシアネート基を有する化合物、金属化合物については、(iii-1-1)「官能基がカルボキシル基である場合」で説明した通りである。
(iii-1-3)官能基が、カルボキシル基およびヒドロキシル基以外の官能基の場合は、上記説明を考慮して、その官能基と反応し得る官能基を有する架橋剤を選択すればよい。例えば、官能基がアミド基の場合はジヒドロキシ化合物を用いればよい。
(iii-2)架橋剤以外のネットワーク形成剤
架橋剤以外のネットワーク形成剤としては、上述のように反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、重合開始剤などが挙げられる。反応性単量体および反応性重合体は、樹脂粒子中の官能基と反応して、各樹脂粒子間にネットワークを形成する。
架橋剤以外のネットワーク形成剤としては、上述のように反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、重合開始剤などが挙げられる。反応性単量体および反応性重合体は、樹脂粒子中の官能基と反応して、各樹脂粒子間にネットワークを形成する。
(iii-2-1)反応性単量体
ネットワーク形成剤である反応性単量体は、重合可能な単量体をいう。反応性単量体としては、樹脂粒子中に存在する官能基と反応し得る基を分子内に有する単量体(官能基含有反応性単量体)および樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない単量体(官能基非含有反応性単量体)のいずれもが用いられる。本発明のトナーを調製するためには、官能基含有反応性単量体の少なくとも一種が用いられる。官能基非含有反応性単量体は、官能基含有反応性単量体と組合わせて使用される。官能基含有反応性単量体としては、上記「(ii)樹脂粒子を製造するための単量体」で説明した各種の単量体を使用し得る。例えば、樹脂粒子の官能基がカルボキシル基である場合、エポキシ基を有する単量体(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)が用いられる。また、樹脂粒子の官能基がエポキシ基である場合はカルボキシル基を有する単量体(例えば、メタクリル酸など)が用いられる。官能基非含有反応性単量体には、(a)官能基を有しない単量体(例えば、スチレン、(メタ)アクリレート、オレフィンなど)、および(b)樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない官能基を有する単量体が含まれる。この(b)に相当する単量体は、官能基含有反応性単量体の官能基を基準に、上記(iii-1-1)、(iii-1-2)の記載などを参考にして、当業者が容易に選択し得る。
ネットワーク形成剤である反応性単量体は、重合可能な単量体をいう。反応性単量体としては、樹脂粒子中に存在する官能基と反応し得る基を分子内に有する単量体(官能基含有反応性単量体)および樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない単量体(官能基非含有反応性単量体)のいずれもが用いられる。本発明のトナーを調製するためには、官能基含有反応性単量体の少なくとも一種が用いられる。官能基非含有反応性単量体は、官能基含有反応性単量体と組合わせて使用される。官能基含有反応性単量体としては、上記「(ii)樹脂粒子を製造するための単量体」で説明した各種の単量体を使用し得る。例えば、樹脂粒子の官能基がカルボキシル基である場合、エポキシ基を有する単量体(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)が用いられる。また、樹脂粒子の官能基がエポキシ基である場合はカルボキシル基を有する単量体(例えば、メタクリル酸など)が用いられる。官能基非含有反応性単量体には、(a)官能基を有しない単量体(例えば、スチレン、(メタ)アクリレート、オレフィンなど)、および(b)樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない官能基を有する単量体が含まれる。この(b)に相当する単量体は、官能基含有反応性単量体の官能基を基準に、上記(iii-1-1)、(iii-1-2)の記載などを参考にして、当業者が容易に選択し得る。
(iii-2-2)反応性重合体
反応性重合体は、それ自体が重合可能な重合体であり、樹脂粒子中に存在する官能基と反応し得る基を分子内に有する重合体(官能基含有反応性重合体)と樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない重合体(官能基非含有反応性重合体)のいずれもが用いられる。ここで、反応性重合体について官能基というときには、α,β−エチレン性不飽和基のような、重合性反応基は含まない。本発明のトナーを調製するためには、官能基含有反応性重合体の少なくとも一種が使用される。官能基非含有反応性重合体は、官能基含有反応性重合体と組合わせて使用される。官能基含有反応性重合体は、少なくとも官能基を有する反応性単量体を用いて得られる単独重合体あるいは共重合体をいう。官能基非含有反応性重合体には、(a)官能基を有しない単量体(例えば、スチレン、(メタ)アクリレート、オレフィンなど)、および(b)樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない官能基を有する単量体のそれぞれの単独重合体、および(a)の単量体と(b)の単量体との共重合体が含まれる。この(b)に相当する単量体は、官能基含有反応性重合体の官能基を基準に、上記(iii-1-1)、(iii-1-2)の記載などを参考にして、当業者が容易に選択し得る。
反応性重合体は、それ自体が重合可能な重合体であり、樹脂粒子中に存在する官能基と反応し得る基を分子内に有する重合体(官能基含有反応性重合体)と樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない重合体(官能基非含有反応性重合体)のいずれもが用いられる。ここで、反応性重合体について官能基というときには、α,β−エチレン性不飽和基のような、重合性反応基は含まない。本発明のトナーを調製するためには、官能基含有反応性重合体の少なくとも一種が使用される。官能基非含有反応性重合体は、官能基含有反応性重合体と組合わせて使用される。官能基含有反応性重合体は、少なくとも官能基を有する反応性単量体を用いて得られる単独重合体あるいは共重合体をいう。官能基非含有反応性重合体には、(a)官能基を有しない単量体(例えば、スチレン、(メタ)アクリレート、オレフィンなど)、および(b)樹脂粒子中に存在する官能基と反応しない官能基を有する単量体のそれぞれの単独重合体、および(a)の単量体と(b)の単量体との共重合体が含まれる。この(b)に相当する単量体は、官能基含有反応性重合体の官能基を基準に、上記(iii-1-1)、(iii-1-2)の記載などを参考にして、当業者が容易に選択し得る。
反応性重合体には、2量体〜オリゴマーおよびポリマーが含まれる。ネットワーク形成という点からは低分子量であることが好ましい。そのため、2〜100量体程度が好ましく、2〜50量体程度がさらに好ましい。
上記反応性単量体および反応性重合体は、それぞれ、単独で用いてもよく、組合わせて用いてもよい。例えば、官能基含有反応性単量体−官能基非含有反応性単量体、官能基含有反応性単量体−官能基非含有反応性重合体、官能基含有反応性重合体−官能基非含有反応性重合体、官能基含有反応性重合体−官能基非含有反応性単量体などの組合わせも可能である。さらに、これらの反応性単量体、反応性重合体の重合に適した重合剤、重合開始剤および重合助剤を用いることが好ましい。
(iii-2-3)重合剤、重合開始剤および重合助剤
本明細書において、重合剤は重合に用いる触媒をいい、重合助剤は重合を促進する物質をいい、重合開始剤は、重合反応における連鎖反応開始剤をいう。これらの重合剤、重合開始剤および重合促進剤としては特に制限はなく、重合すべき単量体に応じて、当業者が通常用いる化合物が用いられる。重合剤、重合開始剤および重合助剤は、これらを単独であるいは組合わせて使用することができるが、一般には組合わせて使用することが好ましい。
本明細書において、重合剤は重合に用いる触媒をいい、重合助剤は重合を促進する物質をいい、重合開始剤は、重合反応における連鎖反応開始剤をいう。これらの重合剤、重合開始剤および重合促進剤としては特に制限はなく、重合すべき単量体に応じて、当業者が通常用いる化合物が用いられる。重合剤、重合開始剤および重合助剤は、これらを単独であるいは組合わせて使用することができるが、一般には組合わせて使用することが好ましい。
これらの重合剤、重合開始剤および重合助剤は、反応性単量体あるいは反応性重合体が存在しなくても、樹脂粒子あるいは集合体粒子中の官能基同士を直接結合させることにより、粒子間を表面でのみ結合させることができる場合がある。例えば、樹脂粒子の表面にエポキシ基とカルボキシル基とが存在する場合、重合開始剤として過硫酸カリウムを使用し、加熱すると、樹脂粒子Aのエポキシ基と別の樹脂粒子Bのカルボキシル基との間の脱水反応により、この樹脂粒子Aと樹脂粒子Bとが表面で結合する。このようにして、樹脂粒子同士を表面でのみ結合することができる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤;クメンハイドロパーオキシド、t-ブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物:等が用いられる。必要に応じて、過硫酸塩又は過酸化物と、鉄イオン等の金属イオン、ナトリウムスルホキシレート、ピロ亜硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸等の還元剤とを組合せて、レドックス開始剤として用いてもよい。
上記過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を重合開始剤とする場合、重合助剤としては、例えばスルホン酸イオン(−SO3 −)または硫酸エステルイオン(−SO3 −)が好ましく用いられる。この場合、スルホン酸イオン又は硫酸エステルイオンを分子中に有する界面活性剤は、重合助剤として機能する。
スルホン酸イオンまたは硫酸エステルイオンを分子中に有する界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
(iv)トナーの製造方法
本発明のトナーは、いったん樹脂粒子および/または集合体粒子を形成し、これらの各粒子間でネットワークを形成する。従って、まず、樹脂粒子のエマルジョンを製造する。樹脂粒子エマルジョンの調製は、官能基を有する単量体と必要に応じてその他の単量体を用いて、懸濁重合、乳化重合など、当業者が一般に用いる方法を用いて行う。
本発明のトナーは、いったん樹脂粒子および/または集合体粒子を形成し、これらの各粒子間でネットワークを形成する。従って、まず、樹脂粒子のエマルジョンを製造する。樹脂粒子エマルジョンの調製は、官能基を有する単量体と必要に応じてその他の単量体を用いて、懸濁重合、乳化重合など、当業者が一般に用いる方法を用いて行う。
得られた樹脂粒子のネットワークの形成方法は、樹脂粒子中の官能基に応じて決定すればよい。樹脂粒子エマルジョンの分散媒(一般的には水)にネットワーク形成剤を添加して反応させる、あるいは予め樹脂粒子エマルジョンを形成するための分散媒に分散させておいてもよい。
樹脂粒子が1種類の官能基のみを有する場合、架橋剤、反応性単量体あるいは反応性重合体を、例えば樹脂粒子エマルジョンの分散媒に添加し、反応させる。樹脂粒子が2種類の官能基を有する場合は、この2種類の官能基と反応し得る2つの反応性基を有する架橋剤、反応性単量体あるいは反応性重合体を樹脂粒子エマルジョンの分散媒に添加し、反応させてもよい。しかし、樹脂粒子中の2種類の官能基を、相互に反応し得る組合わせ(例えばカルボキシル基とグリシジル基)に設定し、樹脂粒子エマルジョンの分散媒に重合剤、重合開始剤、重合助剤を添加して、加熱・脱水してもよい。カルボキシル基のみを有する樹脂粒子エマルジョンとエポキシ基のみを有する樹脂粒子エマルジョンとを混合して、この分散媒に重合剤、重合開始剤、重合助剤を添加して、加熱・脱水してもよい。このような反応により、樹脂粒子間にネットワークが形成される。
以下、具体的なトナーの製造方法について、スチレン−メタクリレート−アクリル酸共重合体樹脂の場合を挙げて概略を説明するが、本発明はこれに限定されることはなく、他の樹脂の製造においても、同様に用いられる。
(iv-1)樹脂粒子の調製
(樹脂粒子の調製−1)
界面活性剤、乳化剤などの水溶液に重合開始剤、スチレン、メタクリレート、アクリル酸、および着色剤を含有するモノマー混合物を攪拌下、滴下し、ポリマー粒子を含むエマルジョンを調製する。必要に応じて、このエマルジョンにさらにメタクリレートおよびアクリル酸のモノマー混合物を攪拌下、滴下してもよい。得られる着色エマルジョンA中の樹脂粒子は、カルボキシル基を有している。
(樹脂粒子の調製−1)
界面活性剤、乳化剤などの水溶液に重合開始剤、スチレン、メタクリレート、アクリル酸、および着色剤を含有するモノマー混合物を攪拌下、滴下し、ポリマー粒子を含むエマルジョンを調製する。必要に応じて、このエマルジョンにさらにメタクリレートおよびアクリル酸のモノマー混合物を攪拌下、滴下してもよい。得られる着色エマルジョンA中の樹脂粒子は、カルボキシル基を有している。
(樹脂粒子の調製−2)
界面活性剤、乳化剤などの水溶液に重合開始剤、スチレン、メタクリレート、グリシジルメタクリレートおよび着色剤を含有するモノマー混合物を攪拌下、滴下し、ポリマー粒子を含むエマルジョンを調製する。必要に応じて、このエマルジョンにさらにメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートのモノマー混合物を攪拌下、滴下してもよい。得られる着色エマルジョンB中の樹脂粒子は、エポキシ基を有している。
界面活性剤、乳化剤などの水溶液に重合開始剤、スチレン、メタクリレート、グリシジルメタクリレートおよび着色剤を含有するモノマー混合物を攪拌下、滴下し、ポリマー粒子を含むエマルジョンを調製する。必要に応じて、このエマルジョンにさらにメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートのモノマー混合物を攪拌下、滴下してもよい。得られる着色エマルジョンB中の樹脂粒子は、エポキシ基を有している。
(iv-2)ネットワーク形成
(ネットワークの形成−1)
樹脂粒子の調製−1で得られた着色エマルジョンA(カルボキシル基含有)に、架橋剤(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル)を添加し、乾燥すると、架橋剤中のエポキシ基と樹脂粒子中のカルボキシル基との間で脱水反応が起こり、樹脂粒子間が架橋される。これによって、樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子が得られる。なお、加熱により、図1に示すような粒子12、14が形成されると考えられる。以下の例においても同様である。
(ネットワークの形成−1)
樹脂粒子の調製−1で得られた着色エマルジョンA(カルボキシル基含有)に、架橋剤(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル)を添加し、乾燥すると、架橋剤中のエポキシ基と樹脂粒子中のカルボキシル基との間で脱水反応が起こり、樹脂粒子間が架橋される。これによって、樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子が得られる。なお、加熱により、図1に示すような粒子12、14が形成されると考えられる。以下の例においても同様である。
(ネットワークの形成−2)
樹脂粒子の調製−1で得られた着色エマルジョンA(カルボキシル基含有)および樹脂粒子の調製−2で得られた着色エマルジョンB(エポキシ基含有)を分散媒に投入し、混合する。このとき分散媒に、重合開始剤として過硫酸カリウムを、重合助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解しておく。混合して得られた樹脂粒子エマルジョンを加熱することにより、カルボキシル基とエポキシ基とが脱水反応を起こして、樹脂粒子同士が表面で結合し、ネットワークを形成して、樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子が得られる。上記工程において、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBを分散させる代わりに、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBのそれぞれを調製時に予め重合開始剤および重合助剤を溶解した分散媒を使用すると、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBをそのまま混合し、加熱することにより、ネットワークを形成してもよい。
樹脂粒子の調製−1で得られた着色エマルジョンA(カルボキシル基含有)および樹脂粒子の調製−2で得られた着色エマルジョンB(エポキシ基含有)を分散媒に投入し、混合する。このとき分散媒に、重合開始剤として過硫酸カリウムを、重合助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解しておく。混合して得られた樹脂粒子エマルジョンを加熱することにより、カルボキシル基とエポキシ基とが脱水反応を起こして、樹脂粒子同士が表面で結合し、ネットワークを形成して、樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子が得られる。上記工程において、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBを分散させる代わりに、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBのそれぞれを調製時に予め重合開始剤および重合助剤を溶解した分散媒を使用すると、着色エマルジョンAおよび着色エマルジョンBをそのまま混合し、加熱することにより、ネットワークを形成してもよい。
(iv-3)トナーの調製
ネットワーク形成工程によって得られた樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子は乾燥されて、トナー用粒子とされる。乾燥方法としては、オーブン乾燥、流動乾燥、気流式乾燥、噴霧乾燥などの方法が用いられる。噴霧乾燥方法としては、スプレードライ方式、ピエゾ式吐出方式、バブルジェット(登録商標)式吐出方式などの方法用いられる。得られたトナー用粒子に外添剤を添加して、トナーが調製される。
ネットワーク形成工程によって得られた樹脂粒子の集合体でなる集合体粒子は乾燥されて、トナー用粒子とされる。乾燥方法としては、オーブン乾燥、流動乾燥、気流式乾燥、噴霧乾燥などの方法が用いられる。噴霧乾燥方法としては、スプレードライ方式、ピエゾ式吐出方式、バブルジェット(登録商標)式吐出方式などの方法用いられる。得られたトナー用粒子に外添剤を添加して、トナーが調製される。
(iv-3-1)トナー用粒子
本発明に用いられるトナー用粒子の質量平均分子量は特に制限はない。分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。具体的には、トナー用樹脂5mgを5gのTHFに溶解し、THF不溶分および不純物を除去するため、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターを通して、GPC用サンプルを調製する。このようにして調製したサンプル(THF可溶分)を、GPCを用いて、下記条件にて測定する。
カラム:昭和電工(株)製「Shodex(GPC)KF806M+KF802.5」
カラム温度:30℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/min.
検出器:UV検出器(検出波長254nm)
標準試料:単分散ポリスチレン標準試料(質量平均分子量580から390万)。
本発明に用いられるトナー用粒子の質量平均分子量は特に制限はない。分子量は、例えば、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。具体的には、トナー用樹脂5mgを5gのTHFに溶解し、THF不溶分および不純物を除去するため、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターを通して、GPC用サンプルを調製する。このようにして調製したサンプル(THF可溶分)を、GPCを用いて、下記条件にて測定する。
カラム:昭和電工(株)製「Shodex(GPC)KF806M+KF802.5」
カラム温度:30℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/min.
検出器:UV検出器(検出波長254nm)
標準試料:単分散ポリスチレン標準試料(質量平均分子量580から390万)。
画像形成におけるトナーの定着を熱定着法により行う場合、トナー用粒子のフロー軟化点(Tf1/2)は低いことが好ましい。Tf1/2は、例えば、85〜150℃であることが好ましく、90〜130℃がより好ましく、100〜120℃であることがさらに好ましい。トナー用粒子のガラス転移温度(Tg)は、40〜150℃であることが好ましく、50〜90℃であることがさらに好ましい。
なお、樹脂のフロー軟化点(Tf1/2)の測定方法は以下の通りである。樹脂1.0gをペレット状に圧縮成形して測定機器のシリンダーの内径に合わせた円柱状試料を調製する。この試料を(株)島津製作所製「フローテスターCFT−500D」を用いて、下記条件にて測定する。昇温速度 5℃/分;シリンダー圧力195N;ダイ穴径1.0mm;ダイ長さ1.0mm;Tf1/2測定法:1/2法。
樹脂のガラス転移温度(Tg:℃)の測定方法は、以下の通りである。樹脂10mgをアルミニウム製セルにパッキングし、セイコーインスツルメント(株)製「DSC220C/EXTRA6000 PCステーション」を用いて下記の条件で測定する。測定開始温度20℃、測定終了温度200℃;昇温速度10℃/分で昇温した後、降温速度10℃/分で20℃まで降温:その後昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、この際のガラス転移点に相当する吸熱が生じた位置(吸熱カーブのショルダー位置)の温度をガラス転移点とする。
(iv-3-2)内添剤
トナー用粒子には、予め、着色剤、帯電制御剤、離型剤などの内添剤が含まれていることが好ましい。従って、トナー用粒子の調製時に着色剤などの内添剤を添加しておくことが好ましい。着色剤に制限はないが、以下に示すような、有機顔料、無機顔料、および染料が使用できる。有機および無機顔料のうち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などが用いられる。
トナー用粒子には、予め、着色剤、帯電制御剤、離型剤などの内添剤が含まれていることが好ましい。従って、トナー用粒子の調製時に着色剤などの内添剤を添加しておくことが好ましい。着色剤に制限はないが、以下に示すような、有機顔料、無機顔料、および染料が使用できる。有機および無機顔料のうち、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などが用いられる。
本発明に用いられるイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などに代表される化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191などが好適に用いられる。
本発明に用いられるマゼンダ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などに代表される化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、269などを用いることが特に好ましい。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などに代表される化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが特に好適である。
これらの着色剤は、単独であるいは複数組合せて用いることができるが、トナー用粒子100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜10質量部使用することが望ましい。20質量部より多いとトナーの定着性および透明性が低下し、一方、1質量部より少ないと所望の画像濃度が得られない虞れがある。
(iv-3-3)外添剤
上記内添剤を含有するトナー用粒子には、トナーの帯電性、流動性などを改善する目的で、外添剤が添加される。外添剤としては、負帯電性シリカ微粒子、酸化チタン、金属石鹸、正帯電性シリカ微粒子などが挙げられる。
上記内添剤を含有するトナー用粒子には、トナーの帯電性、流動性などを改善する目的で、外添剤が添加される。外添剤としては、負帯電性シリカ微粒子、酸化チタン、金属石鹸、正帯電性シリカ微粒子などが挙げられる。
負帯電性シリカ微粒子としては、一般に、平均粒子径が4〜120nm、好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは平均粒子径が6〜40nmの負帯電性シリカ微粒子が用いられる。負帯電性シリカ微粒子は、トナーの流動性および帯電性向上の観点から、疎水化処理されていることが好ましい。疎水性負帯電性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のRX200(平均粒径12nm)、同RX50(平均粒径40nm)、キャボット(株)製のTG811F、同TG810G、同TG308Fなどが用いられる。平均粒子径の異なる負帯電性シリカ微粒子を組合せて用いてもよい。
負帯電性シリカ微粒子の添加量は、一般にトナー用粒子100質量部に対して0.5〜2.0質量部、好ましくは0.7〜1.5質量部である。なお、本明細書で、微粒子について平均粒子径というときは、特に断らない限り、体積平均粒子径を意味する。
酸化チタン微粒子はトナーの電荷調整などのために、必要に応じて用いられる。酸化チタン微粒子の大きさに特に制限はないが、粒径あるいは長軸の大きさが10〜30nmの大きさであることが好ましい。酸化チタン微粒子は、トナー用粒子100質量部に対して0.2〜2.0質量部、好ましくは0.3〜1.5質量部添加される。なお、酸化チタン微粒子と正帯電性シリカ微粒子とは、質量比で1:3〜3:1の範囲で添加されることが、トナーの電気抵抗の極端な低下を引き起こすことなく電荷の調整が行える点で、好ましい。
酸化チタン微粒子の表面が疎水性であることが、トナーの外部環境の変化に対する帯電性の変化を小さくし(すなわち、安定な帯電性を維持し)、かつトナーの流動性を良好にするために、好ましい。疎水性酸化チタン微粒子としては、チタン工業(株)製のSTT−30Sなどが用いられる。
金属石鹸は、トナーの流動性改善、外添剤の結着性の向上、トナー凝集防止などを目的として、必要に応じて添加される。例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。金属石鹸は、体積平均粒子径もしくは長軸の径が0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。金属石鹸は、トナー用粒子100質量部に対して0.1〜1.0質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部添加される。
正帯電性シリカ微粒子は、トナーの電荷調整などのために、必要に応じて用いられる。本発明で用いられる正帯電性シリカ微粒子には、特に制限がない。正帯電性シリカ微粒子の体積平均粒子径は、流動性などを考慮して、10〜50nmであることが好ましく、15〜40nmであることがさらに好ましい。正帯電性シリカ微粒子は、帯電性の維持、流動性の向上などの観点から、疎水化処理されていることが好ましい。疎水性正帯電性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のNA50H、キャボット(株)製のTG820Fなどが用いられる。正帯電性シリカ微粒子は、必要に応じて、トナー用粒子100質量部に対して0.1〜1.0質量部、好ましくは0.2〜0.8質量部添加される。
その他、例えば、帯電性の制御、流動性の向上などを目的として添加する無機微粒子などの、上記以外の当業者が通常用いる外添剤も用いられる。
外添処理は、トナー用粒子に上記外添剤を所定量添加し、例えば、ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌・混合処理を行うことにより、行われる。
本発明のトナーは、どのようなタイプの画像形成装置にも用いられる。1成分系のトナーを用いる画像形成装置でもよく、2成分系のトナーを用いる画像形成装置でもよい。また、接触現像方式の画像形成装置であってもよく、非接触式方式の画像形成装置であってもよい。本発明のトナーを用いることができる一成分系の接触式画像形成装置は、例えば、特開2002−202622号公報に詳細に説明されている。本発明の画像形成装置は、感光体で代表される静電潜像が形成される潜像担持体;この潜像担持体上の静電潜像を現像するためにトナーを潜像担持体に搬送する、現像ロールで代表されるトナー担持体;およびこのトナー担持体により潜像担持体へ搬送されるトナー量を規制するトナー規制部材を有する現像器を少なくとも備えている。本発明のトナーはトナー収容部に収容されており、トナー収容部から現像ロール(トナー担持体)に搬送され、現像ロール(トナー担持体)を介して感光体(潜像担持体)に供給され、転写されて画像を形成する。トナー規制部材は、現像ロール(トナー担持体)から感光体(潜像担持体)に過剰な供給がされないように、トナー供給量を調整する。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例に制限されることはない。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの実施例に制限されることはない。
(実施例1)トナー1の調製
(a)着色エマルジョン1の調製
反応容器(容量3リットル;撹拌機、還流コンデンサ、滴下装置、および、温度計付き)に、蒸溜水1000質量部、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(HLB=14)10質量部およびラウリル硫酸ナトリウム10質量部を仕込み、窒素雰囲気中、温度30〜40℃、40〜60rpmで攪拌し、内容物を溶解させ、85℃に昇温した。
(a)着色エマルジョン1の調製
反応容器(容量3リットル;撹拌機、還流コンデンサ、滴下装置、および、温度計付き)に、蒸溜水1000質量部、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(HLB=14)10質量部およびラウリル硫酸ナトリウム10質量部を仕込み、窒素雰囲気中、温度30〜40℃、40〜60rpmで攪拌し、内容物を溶解させ、85℃に昇温した。
内容物の温度を85℃に維持しながら、過硫酸カリウム3質量部を添加し、スチレン260質量部、n-ブチルアクリレート270質量部およびアクリル酸ナトリウム5質量部、C.I.ピグメントブルー15:3 34質量部からなるソフトモノマー混合物を2時間にわたって滴下した後、85℃で1時間保持して重合させ、軟質ポリマー粒子を含むエマルジョンを調製した。
次に、エマルジョンに、メチルメタクリレート290質量部およびアクリル酸ナトリウム5質量部からなるハードモノマー混合物を2時間にわたって滴下した後、85℃で1時間保持し、エマルジョンを調製した。その後、常温まで冷却し、中和剤として25%アンモニア水を添加し、pHを8〜9に調整し、着色エマルジョン1を得た。なお、ソフトモノマー混合物とハードモノマー混合物との割合は64:36(質量%)であった。
着色エマルジョン1の固形分濃度は46質量%、平均粒子径130nmであった。
(b)ネットワーク形成
得られた着色エマルジョン1の100質量部にエチレングリコールジグリシジルエーテル8質量部を添加し、100℃で噴霧乾燥を行うことにより、トナー用粒子1を得た。
得られた着色エマルジョン1の100質量部にエチレングリコールジグリシジルエーテル8質量部を添加し、100℃で噴霧乾燥を行うことにより、トナー用粒子1を得た。
(c)トナー1の調製およびトナー1の性質
トナー用粒子1への外添剤の付与は、20L型のヘンシェルミキサーを用いて、外添剤を混合することにより行った。外添剤としては、疎水性負帯電性小粒径シリカRX200(日本アエロジル社製 平均粒径:12nm):1質量部と、疎水性負帯電性大粒径シリカRX50(日本アエロジル社製 平均粒径:40nm):0.5質量部と、酸化チタンSTT−30S(平均粒径:20nm):0.5質量部とを用いた。なお、負帯電性シリカ(負帯電性小粒径シリカ、負帯電性大粒径シリカ)は、ヘキサメチルジシラザンでの疎水化処理されている。これによりトナー1を得た。
トナー用粒子1への外添剤の付与は、20L型のヘンシェルミキサーを用いて、外添剤を混合することにより行った。外添剤としては、疎水性負帯電性小粒径シリカRX200(日本アエロジル社製 平均粒径:12nm):1質量部と、疎水性負帯電性大粒径シリカRX50(日本アエロジル社製 平均粒径:40nm):0.5質量部と、酸化チタンSTT−30S(平均粒径:20nm):0.5質量部とを用いた。なお、負帯電性シリカ(負帯電性小粒径シリカ、負帯電性大粒径シリカ)は、ヘキサメチルジシラザンでの疎水化処理されている。これによりトナー1を得た。
得られたトナー1の粒子径はマルチサイザーIII(コールター社製)で測定したところD50が5.2μmであった。水分量はカールフィッシャー法(平沼産業製)で0.2%であった。分子量(トナーを構成する樹脂の質量平均分子量、以下、同じ)は2.3×105、Tgは2℃、120℃の2点、Tf1/2は120℃であった。
(実施例2)トナー2の調製
(a)着色樹脂分散液1−1の調製
ポリエステル樹脂(Tg:50℃、Tf1/2:85℃、酸価:8、Mw:5000)50質量部およびC.I.ピグメントブルー15:3 50質量部を酢酸エチル100質量部に分散させた。この分散液を、ガラスビーズを入れたサンドミル分散機に導入した。その分散容器の周囲を25℃に冷却し、攪拌しながら3時間分散させ、最後に酢酸エチルを蒸発分も追加して、顔料濃度が10質量%の着色樹脂分散液1−1を調製した。
(a)着色樹脂分散液1−1の調製
ポリエステル樹脂(Tg:50℃、Tf1/2:85℃、酸価:8、Mw:5000)50質量部およびC.I.ピグメントブルー15:3 50質量部を酢酸エチル100質量部に分散させた。この分散液を、ガラスビーズを入れたサンドミル分散機に導入した。その分散容器の周囲を25℃に冷却し、攪拌しながら3時間分散させ、最後に酢酸エチルを蒸発分も追加して、顔料濃度が10質量%の着色樹脂分散液1−1を調製した。
(b)着色樹脂分散液1−2の調製
ポリエステル樹脂(Tg:50℃、Tf1/2:85℃、酸価:8、Mw:5000)87質量部、上記(a)で調製した着色樹脂分散液1−1(顔料濃度10質量%)50質量部、および酢酸エチルを32質量部混合して、ポリエステル樹脂が十分に溶解した混合溶液を得た。この混合溶液をホモミキサーに投入し、毎分15000回転の速度で2分間攪拌して、均一な油相を調整した。この油相にトリエチルアミン2.7質量部を添加し、次にイオン交換水1000質量部を加えた後、攪拌し、30℃、20〜30mmHgの減圧下に酢酸エチルを留去した。その後、遠心沈降を3回繰り返して上澄み液を交換し、固形物量30質量%のポリエステル樹脂の着色樹脂分散液1−2を得た。得られた微分散物の平均粒度は0.5μmであった。
ポリエステル樹脂(Tg:50℃、Tf1/2:85℃、酸価:8、Mw:5000)87質量部、上記(a)で調製した着色樹脂分散液1−1(顔料濃度10質量%)50質量部、および酢酸エチルを32質量部混合して、ポリエステル樹脂が十分に溶解した混合溶液を得た。この混合溶液をホモミキサーに投入し、毎分15000回転の速度で2分間攪拌して、均一な油相を調整した。この油相にトリエチルアミン2.7質量部を添加し、次にイオン交換水1000質量部を加えた後、攪拌し、30℃、20〜30mmHgの減圧下に酢酸エチルを留去した。その後、遠心沈降を3回繰り返して上澄み液を交換し、固形物量30質量%のポリエステル樹脂の着色樹脂分散液1−2を得た。得られた微分散物の平均粒度は0.5μmであった。
(c)着色樹脂分散液2−1の調製
ポリエステル樹脂(Tg:65℃、Tf1/2:102℃、酸価:25、Mw:9000)50質量部およびC.I.ピグメントブルー15:3 50質量部を酢酸エチル100質量部に分散させた。この分散液を、ガラスビーズを入れたサンドミル分散機に導入した。その分散容器の周囲を25℃に冷却し、攪拌しながら3時間分散させ、最後に酢酸エチルを加えして顔料濃度が10質量%の着色樹脂分散液2−1を調製した。
ポリエステル樹脂(Tg:65℃、Tf1/2:102℃、酸価:25、Mw:9000)50質量部およびC.I.ピグメントブルー15:3 50質量部を酢酸エチル100質量部に分散させた。この分散液を、ガラスビーズを入れたサンドミル分散機に導入した。その分散容器の周囲を25℃に冷却し、攪拌しながら3時間分散させ、最後に酢酸エチルを加えして顔料濃度が10質量%の着色樹脂分散液2−1を調製した。
(d)着色樹脂分散液2−2の調製
ポリエステル樹脂(Tg:65℃、Tf1/2:102℃、酸価:25、Mw:9000)87質量部、上記(c)で調製した着色樹脂分散液2−1(顔料濃度10質量%)50質量部、および酢酸エチル32質量部混合して、ポリエステル樹脂が十分に溶解した混合溶液を得た。この混合溶液をホモミキサーに投入し、毎分15000回転の速度で2分間攪拌して、均一な油相を調製した。この油相にトリエチルアミン2.7質量部を添加し、次にイオン交換水1000質量部を加えた後、攪拌し、30℃、20〜30mmHgの減圧下に酢酸エチルを留去した。その後、遠心沈降を3回繰り返して上澄み液を交換し、固形物量30質量%のポリエステル樹脂の着色樹脂分散液2−2を得た。得られた微分散物の平均粒度は0.48μmであった。
ポリエステル樹脂(Tg:65℃、Tf1/2:102℃、酸価:25、Mw:9000)87質量部、上記(c)で調製した着色樹脂分散液2−1(顔料濃度10質量%)50質量部、および酢酸エチル32質量部混合して、ポリエステル樹脂が十分に溶解した混合溶液を得た。この混合溶液をホモミキサーに投入し、毎分15000回転の速度で2分間攪拌して、均一な油相を調製した。この油相にトリエチルアミン2.7質量部を添加し、次にイオン交換水1000質量部を加えた後、攪拌し、30℃、20〜30mmHgの減圧下に酢酸エチルを留去した。その後、遠心沈降を3回繰り返して上澄み液を交換し、固形物量30質量%のポリエステル樹脂の着色樹脂分散液2−2を得た。得られた微分散物の平均粒度は0.48μmであった。
(e)ネットワークの形成
温度計、コンデンサおよび撹拌機を備えた5リットルフラスコに、上記(b)で調製した着色樹脂分散液1−2 1000質量部およびジメチルアミノエチルプロピオネート55質量部を投入し、pH10.2の溶液を得た。この溶液の温度を70℃に昇温して、240分間攪拌を続け、微分散物粒子を成長させた。この粒子成長後の溶液のpHは、7.5まで低下していた。得られた粒子をマルチサイザーIII(コールター社製)を用いて測定したところ、成長した粒子のD50は4.5μmであった。次に、この粒子100gに、上記(d)で調製した着色樹脂分散液2−2 150g、およびネットワーク形成剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル10gを加えて、60℃で120分間攪拌することにより、トナー用粒子2を得た。
温度計、コンデンサおよび撹拌機を備えた5リットルフラスコに、上記(b)で調製した着色樹脂分散液1−2 1000質量部およびジメチルアミノエチルプロピオネート55質量部を投入し、pH10.2の溶液を得た。この溶液の温度を70℃に昇温して、240分間攪拌を続け、微分散物粒子を成長させた。この粒子成長後の溶液のpHは、7.5まで低下していた。得られた粒子をマルチサイザーIII(コールター社製)を用いて測定したところ、成長した粒子のD50は4.5μmであった。次に、この粒子100gに、上記(d)で調製した着色樹脂分散液2−2 150g、およびネットワーク形成剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル10gを加えて、60℃で120分間攪拌することにより、トナー用粒子2を得た。
(f)トナー2の調製およびトナー2の性質
得られた着色樹脂分散液2−2を、吸引ロートで脱水濾過した後、凍結乾燥により粉体化させることによりトナー用粒子2を得た。トナー用粒子2への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー2を得た。得られたトナー2の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところ、D50は4.8μmであった。水分量はカールフィッシャー法で2.3%、分子量は7.0×103、Tgは64℃、Tf1/2は102℃であった。
得られた着色樹脂分散液2−2を、吸引ロートで脱水濾過した後、凍結乾燥により粉体化させることによりトナー用粒子2を得た。トナー用粒子2への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー2を得た。得られたトナー2の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところ、D50は4.8μmであった。水分量はカールフィッシャー法で2.3%、分子量は7.0×103、Tgは64℃、Tf1/2は102℃であった。
(比較例1)トナー3の調製
(a)トナー用粒子3の調製
実施例1で得られた着色エマルジョン1の100質量部を丸型ステンレス製フラスコ中に入れ、加熱用オイルバスで攪拌しながら50℃まで加熱した。エタノール20質量部を追加し50℃で1時間保持した後、100℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、ろ別し、イオン交換水洗浄を2回行い、真空乾燥して、トナー用粒子3を得た。このトナー用粒子3は、樹脂粒子が単に凝集したものである。
(a)トナー用粒子3の調製
実施例1で得られた着色エマルジョン1の100質量部を丸型ステンレス製フラスコ中に入れ、加熱用オイルバスで攪拌しながら50℃まで加熱した。エタノール20質量部を追加し50℃で1時間保持した後、100℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、ろ別し、イオン交換水洗浄を2回行い、真空乾燥して、トナー用粒子3を得た。このトナー用粒子3は、樹脂粒子が単に凝集したものである。
(b)トナー3の調製およびトナー3の性質
トナー用粒子3への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー3を得た。得られたトナー3の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところD50が5.0μmであった。水分量はカールフィッシャー法で0.2%、分子量は1.5×105、Tgは2℃、120℃の2点、Tf1/2は105℃であった。
トナー用粒子3への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー3を得た。得られたトナー3の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところD50が5.0μmであった。水分量はカールフィッシャー法で0.2%、分子量は1.5×105、Tgは2℃、120℃の2点、Tf1/2は105℃であった。
(比較例2)トナー4の調製
(a)トナー用粒子4の調製
実施例2の(e)において、ネットワーク形成剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、トナー用粒子4を調製した。このトナー用粒子4は、(b)の着色樹脂分散液中1−2中の樹脂粒子をコアとして、このコア粒子に着色樹脂分散液2−2中の樹脂粒子が凝集したものである。
(a)トナー用粒子4の調製
実施例2の(e)において、ネットワーク形成剤であるエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加しなかったこと以外は実施例2と同様にして、トナー用粒子4を調製した。このトナー用粒子4は、(b)の着色樹脂分散液中1−2中の樹脂粒子をコアとして、このコア粒子に着色樹脂分散液2−2中の樹脂粒子が凝集したものである。
(b)トナー4の調製およびトナー4の性質
トナー用粒子4への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー4を得た。得られたトナー4の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところ、D50は5.0μmであった。水分量はカールフィッシャー法で0.3%、分子量は6.0×103、Tgは62℃、Tf1/2は98℃であった。
トナー用粒子4への外添剤の外添は、実施例1と同様に行い、トナー4を得た。得られたトナー4の粒子径をマルチサイザーIIIで測定したところ、D50は5.0μmであった。水分量はカールフィッシャー法で0.3%、分子量は6.0×103、Tgは62℃、Tf1/2は98℃であった。
(トナーの評価)
上記調製した各トナーを用いて、定着性および耐久性の試験を行い、それぞれのトナーを評価した。
上記調製した各トナーを用いて、定着性および耐久性の試験を行い、それぞれのトナーを評価した。
(定着性試験)
コニカ株式会社製 カラーレーザープリンタKL−2010を改造して使用し、画像の定着を行った。定着器(定着ユニット)は加熱ローラおよび加圧ローラからなる熱ローラ定着器である。ただし、この定着器(定着ユニット)は取り外し、外部駆動装置により独立して駆動可能とし、定着ニップ通過時間を調整できるように改造した。また、紙上のトナー画像に接する側のローラ(定着ローラ)の温度は100℃から200℃まで制御できるように改造した。この定着器を用いて、定着性評価用画像を、加熱ローラ側が未定着トナー付着面となるように通過させ、ニップ通過時間50msecの条件にて定着した。なお、定着性評価用画像は、セイコーエプソン(株)製カラーレーザープリンタLP−3000Cを使用し、以下のように調製した。まず、富士ゼロックスオフィスサプライ社製J紙を評価用紙とし、紙上に上記調製したトナーを均一に付着させたいわゆるベタ画像を形成し、そのベタ画像におけるトナー付着量が0.4mg/cm2 となるように画像形成条件を調整し、次に、紙先端から10mmの位置に20mm四方の領域にべた画像を形成し、この画像を定着性評価用画像とした。
コニカ株式会社製 カラーレーザープリンタKL−2010を改造して使用し、画像の定着を行った。定着器(定着ユニット)は加熱ローラおよび加圧ローラからなる熱ローラ定着器である。ただし、この定着器(定着ユニット)は取り外し、外部駆動装置により独立して駆動可能とし、定着ニップ通過時間を調整できるように改造した。また、紙上のトナー画像に接する側のローラ(定着ローラ)の温度は100℃から200℃まで制御できるように改造した。この定着器を用いて、定着性評価用画像を、加熱ローラ側が未定着トナー付着面となるように通過させ、ニップ通過時間50msecの条件にて定着した。なお、定着性評価用画像は、セイコーエプソン(株)製カラーレーザープリンタLP−3000Cを使用し、以下のように調製した。まず、富士ゼロックスオフィスサプライ社製J紙を評価用紙とし、紙上に上記調製したトナーを均一に付着させたいわゆるベタ画像を形成し、そのベタ画像におけるトナー付着量が0.4mg/cm2 となるように画像形成条件を調整し、次に、紙先端から10mmの位置に20mm四方の領域にべた画像を形成し、この画像を定着性評価用画像とした。
定着ローラの表面温度を段階的に変化させながら、未定着の画像サンプルを通紙し、画像(の一部)が通紙時に定着ローラに転移した後、再度紙に移行しているか否かを目視で判定した。紙への移行があるものをオフセット有、ないものをオフセットなしとした。そして、各温度におけるオフセットの有無を調べ、オフセットなしの温度領域をオフセットなしの領域とし、オフセットなしの領域の温度幅が60℃以上である場合を合格、オフセットなしの領域の温度幅が60℃未満である場合を不合格とし、表1にそれぞれ、○および×で表した。
(耐久性試験)
それぞれのトナーを、セイコーエプソン(株)製カラーレーザープリンタLP−3000Cを使用し、5%画像による印字耐久性を測定した。印字可能枚数を測定し、6000枚以上通紙可能な場合を合格、6000枚未満を不合格として、表1にそれぞれ○および×で表した。結果を表1に示す。
それぞれのトナーを、セイコーエプソン(株)製カラーレーザープリンタLP−3000Cを使用し、5%画像による印字耐久性を測定した。印字可能枚数を測定し、6000枚以上通紙可能な場合を合格、6000枚未満を不合格として、表1にそれぞれ○および×で表した。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1、実施例2および比較例1を比較すると、一次粒子を調製し、これを架橋によって樹脂粒子同士を表面でのみ結合させた(表面でネットワークを形成させた)実施例1(トナー1)の質量平均分子量は、単に一次粒子を凝集させた比較例1のトナーと比べて、約1.5倍の大きさになっていた。また、ネットワークにより表層でのみ結合させた実施例2(トナー2)の質量平均分子量は、ネットワーク形成していない凝集粒子(トナー4)よりも大きかった。このことは、集合体粒子(すなわちトナーを構成する樹脂)の分子量がネットワーク構造を有しない樹脂粒子の集合体を構成する樹脂の分子量よりも大きいことを示している。そして、このような架橋や結合による分子量の増加も所望の範囲に留まり、樹脂の架橋や結合によるガラス転移温度あるいはフロー軟化点に大きな影響を与えることもない。
定着性試験は200℃までしか行わなかったが、表1の結果が示すように、本発明のトナー1およびトナー2は、オフセットは、140℃〜200℃で見出せず、少なくとも60℃以上のオフセット良好域を有するため、定着性が良好であり、印字可能枚数も6000枚以上であることがわかる。これに対して、比較例3および4のトナー(それぞれ、トナー3およびトナー4)は、オフセット良好域がそれぞれ40℃および50℃であり定着性が劣り、また、耐久性試験では、それぞれ2000枚および5000枚であり、本発明のトナーに比べて、大きく劣ることがわかる。この差異は、本発明のトナーは一種の凝集粒子でありながらトナーを構成する樹脂粒子がその表面で相互に結合されているため、従来の単なる凝集粒子と比べて、使用時の耐久性に優れ、そして樹脂粒子の溶融特性を損なわないことに由来すると思われる。
(粒子間結合の確認)
上記調製した実施例1および2のトナー(それぞれトナー1およびトナー2)並びに比較例1および2のトナー(それぞれトナー3およびトナー4)を、包埋樹脂を使用してウルトラミクロトームで0.5mmにカットし、分子間力プローブ顕微鏡で観察を行った。実施例のトナー1およびトナー2では、樹脂粒子と樹脂粒子との接触部で一番大きな弾性が観測された。これに対して、比較例のトナー3およびトナー4においては、樹脂粒子内の外側に近い部分で一番大きな弾性が観測された。本発明のトナーにおいては、粒子間で一番大きな弾性が観測されたことから、樹脂粒子が表面で結合していることがわかる。これに対して、比較例のトナーは、樹脂粒子が単に凝集しているにすぎないことがわかる。なお、図2は、トナー1のSEM写真である。この結果と、上記粒子間での大きな弾性が得られたことを考慮すると樹脂粒子が粒子面で接触して樹脂粒子塊を形成していることが理解される。
上記調製した実施例1および2のトナー(それぞれトナー1およびトナー2)並びに比較例1および2のトナー(それぞれトナー3およびトナー4)を、包埋樹脂を使用してウルトラミクロトームで0.5mmにカットし、分子間力プローブ顕微鏡で観察を行った。実施例のトナー1およびトナー2では、樹脂粒子と樹脂粒子との接触部で一番大きな弾性が観測された。これに対して、比較例のトナー3およびトナー4においては、樹脂粒子内の外側に近い部分で一番大きな弾性が観測された。本発明のトナーにおいては、粒子間で一番大きな弾性が観測されたことから、樹脂粒子が表面で結合していることがわかる。これに対して、比較例のトナーは、樹脂粒子が単に凝集しているにすぎないことがわかる。なお、図2は、トナー1のSEM写真である。この結果と、上記粒子間での大きな弾性が得られたことを考慮すると樹脂粒子が粒子面で接触して樹脂粒子塊を形成していることが理解される。
以上の結果から、本発明のトナーは、各樹脂粒子が樹脂粒子の表面同士で結合した、球形度の高いトナーであり、流動性に優れている。そして、従来の単なる凝集粒子と比べても耐久性、定着性に優れており、製造方法も簡単であることが理解される。
本発明のトナーは、製造が容易であり、トナー粒子の球形度が高いため流動性が高く、耐久性および定着性にも優れているため、静電写真用のトナーとして汎用される。
11 樹脂粒子
12、13、14、15 樹脂粒子塊
16 ネットワーク
17 境界面
12、13、14、15 樹脂粒子塊
16 ネットワーク
17 境界面
Claims (7)
- 樹脂粒子塊を有する集合体粒子を含有するトナーであって、該樹脂粒子塊は、樹脂粒子が相互に溶融するか境界面を有して接触した形状であり、該集合体粒子がネットワーク構造を有し、そして、該集合体粒子を構成する樹脂の質量平均分子量が該樹脂粒子塊を構成する樹脂の質量平均分子量よりも大きい、トナー。
- ネットワーク構造がネットワーク形成剤によって形成される、請求項1に記載のトナー。
- 前記境界面がネットワーク形成剤を介して結合している、請求項1に記載のトナー。
- ネットワーク形成剤が架橋剤である、請求項2または3に記載のトナー。
- 架橋が脱水によって形成される、請求項4に記載のトナー。
- 架橋剤がカルボキシル基と反応し得る官能基を有する、請求項3または4に記載のトナー。
- ネットワーク形成剤が、反応性単量体、反応性重合体、重合剤、重合助剤、および重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項2または3に記載のトナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004025403A JP2005215605A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 電子写真用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004025403A JP2005215605A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 電子写真用トナー |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005215605A true JP2005215605A (ja) | 2005-08-11 |
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ID=34907799
Family Applications (1)
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JP2004025403A Withdrawn JP2005215605A (ja) | 2004-02-02 | 2004-02-02 | 電子写真用トナー |
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JP (1) | JP2005215605A (ja) |
-
2004
- 2004-02-02 JP JP2004025403A patent/JP2005215605A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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