JP2005215371A - 液晶表示素子及び投射型液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強い横方向電界が存在する場合でも、ディスクリネーションによる画質劣化を抑制し且つコントラストの低下を回避可能な液晶表示素子を提供する。
【解決手段】一画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、画素を交流駆動する際に、液晶層3に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を画素電極4と液晶層3との間に設け、一画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層3のリバースチルトドメインが抑制されている。電圧調整層は、画素電極4の上に形成された誘電体層23からなる。誘電体層23は、一画素内で複数の領域に分かれてパターニングされている。誘電体層23の誘電率は、周辺領域25が中央領域24より大きい。
【選択図】図2

Description

本発明はアクティブマトリクス型の液晶表示素子に関する。又この液晶表示素子をライトバルブに用いた投射型液晶表示装置(プロジェクタ)に関する。より詳しくは、液晶表示素子の欠陥として知られているリバースチルドドメインを構造的に抑制する技術に関する。
近年の液晶プロジェクタの高性能化から、プロジェクタの光源強度が強くなり、その為耐光性や耐熱性に優れた無機材料の斜方蒸着膜を配向膜に用いた垂直配向型の液晶表示素子をライトバルブとする液晶プロジェクタが提案されている。ライトバルブに用いる液晶表示素子は、例えば以下の特許文献1〜特許文献3に開示されている。
特開平10−161127号公報 特開2001−117083号公報 特開2003−156731号公報
アクティブマトリクス型の液晶表示素子は、能動素子基板側に薄膜トランジスタなどの能動素子や信号線が高精細に形成されている。この為、画素電位印加時、能動素子近傍や隣接画素近傍には基板面と平行な方向(横方向)に電界が発生する。垂直配向型の液晶表示素子の場合、液晶分子にあらかじめプレチルト角を付与しないと、この横方向電界によって信号電圧印加時に液晶分子の傾斜方向が複数の異なった方向に分かれてしまう。これによりいわゆるディスクリネーションが発生し、明暗の顕著なムラが現われ、コントラスト比の低下や残像の発生など、表示特性の悪化を招いてしまうという問題がある。
この対策として、基板法線方向から液晶分子のダイレクタを傾ける、いわゆるプレチルト角を与えておき、配向規制力を大きくする方法が取られる。しかしながら、配向規制力を極力大きくする為にプレチルト角を大きくすると、垂直配向型の液晶表示素子では黒レベルが沈まず、コントラスト比の低下を招くという問題があった。
この様なディスクリネーションの抑制とコントラスト低下の回避を両立させる手段として、横方向電界の影響を受け易い能動素子基板側でのみプレチルト角を大きくし、対向基板側にはわずかなプレチルト角のみを付けるという手法が、例えば特許文献1に紹介されている。
しかしながら、この手法では、透過型のライトバルブに一般的に適用されている1Hライン反転駆動方式の高精細な液晶表示素子においては、隣接画素電極間に強い横方向電界が存在する為、能動素子基板側に一様に大きなプレチルト角を与えても、ディスクリネーションの発生が避けられない。又、プレチルト角を大きくしても発生するディスクリネーションを能動素子基板に設けた遮光帯で隠せたとしても、能動素子基板側に大きなプレチルト角を与えることから、コントラスト比の低下が発生してしまうという問題が残る。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は強い横方向電界が存在する場合でも、ディスクリネーションによる画質劣化を抑制し且つコントラストの低下を回避可能な液晶表示素子を提供することを目的とする。係る目的を達成する為に以下の手段を講じた。即ち、互いに対向して貼り合わされた一対の基板間に液晶層が挟持されてなり、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に電極が配され、画素単位で液晶層に電圧を印加して交流駆動するアクティブマトリクス型の液晶表示素子において、一画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、該画素を交流駆動する際に、液晶層に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を該電極と該液晶層との間に設け、一画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層のリバースチルトドメインが抑制されていることを特徴とする。
好ましくは、前記一対の基板のうちの一方は、その上にマトリクス状に配置された複数の画素電極と、液晶層を配向する配向膜と、複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数のスイッチング素子と、複数のスイッチング素子にそれぞれ接続された複数の信号線および複数の走査線が備えられるとともに、前記一対の基板のうちの他方は、その上に対向電極と液晶層を配向する配向膜が設けられており、前記電圧調整層は、各画素電極の上に形成された誘電体層からなる。又、前記配向膜は該液晶層の液晶分子を基板に対して垂直に配向する垂直配向膜である。又、前記電圧調整層は、液晶層に接する面が平坦化されている。
一態様では、前記誘電体層は、一画素内で複数の領域に分かれてパターニングされている。この場合、前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層は、隣接する領域において誘電率を異にする。更に、前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層の誘電率は、周辺領域が中央領域より大きい。場合により、画素の周辺領域に配置した誘電体層は、その端部が隣接する画素間を遮光する遮光帯から画素の中央に向かって延びている。又、前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層は、走査線方向に帯状をなすようにパターニングされている。
他の態様では、前記誘電体層は、一画素内で一部の領域のみに選択的にパターニングされており、画素電極の一部を被覆している。前記画素電極の一部を被覆している誘電体層は、走査線方向に帯状をなすように画素電極を被覆している。前記画素電極の一部を被覆している誘電体層は、その端部が隣接する画素間を遮光する遮光帯から画素の中央に向かって延びている。
本発明は又、光源と、該光源から放射された光を変調する液晶表示素子と、該液晶表示素子により変調された光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有する投射型液晶表示装置において、前記液晶表示素子は、互いに対向して貼り合わされた一対の基板間に液晶層が挟持されてなり、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に電極が配され、画素単位で液晶層に電圧を印加して交流駆動するアクティブマトリクス型であって、一画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、該画素を交流駆動する際に、液晶層に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を該電極と該液晶層との間に設け、一画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層のリバースチルトドメインが抑制されていることを特徴とする。
一般的に、ディスクリネーションは、配向膜で液晶分子に付与される配向規制力よりも横方向電界強度が打ち勝って、液晶分子があらかじめ設定した方向とは逆の方向に配向することにより生じる(リバースチルトドメイン)。しかしながら、液晶が安定状態になるまでにはある程度の時間がかかる為、無電界状態から電圧印加状態に切り替わった時点から瞬間的にディスクリネーションが発生するというものではない。従って、液晶分子に横方向電界がかかり意図しない配向状態となってディスクリネーションが発生するよりも早く、配向規制力で定まる正規の方向に液晶を配向させることができれば、ディスクリネーションを解消もしくは抑制可能である。この点、液晶分子の立ち上がり時間は基板の法線方向と平行な縦方向電界強度が強くなればなる程短くなることが一般的に知られている。又、垂直配向モードにおいては、横方向電界によるディスクリネーションは画素の中央領域ではなく周辺領域端部に生じることも知られている。そこで本発明は、画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、液晶層に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を電極と液晶層との間に設けている。この電圧調整層により、周辺領域の縦方向電界強度を中央領域の縦方向電界強度よりも相対的に強くし、周辺領域の液晶を中央領域よりも早く配向規制力で規定される正規の配向方向に整列させることにより、ディスクリネーションを解消もしくは抑制するものである。
この電圧調整層は、画素内で領域別にパターニングした誘電体層で形成されている。例えば画素の周辺領域にパターニングされた誘電体層の誘電率を大きくすることで、横方向電界の発生する隣接画素近傍の画素電位を中央領域に比較して大きくすることができ、これによりディスクリネーションを抑制し、コントラストを低下させることなく透過率の悪化を防ぐことができる。又、画素電極の上に配される電圧調整層を誘電体層で構成することにより、液晶界面を平坦化することが可能になる為、画素電極表面の段差による配向不良を解消することが可能である。好ましくは、液晶を垂直配向する為に無機配向膜を用いることで、液晶表示素子の耐光性及び耐熱性を向上することができる。加えて液晶層と画素電極との間に誘電体層(絶縁体)を介在させることで、電極から液晶に向かう不純物イオンの拡散を抑制し、以って液晶表示素子の信頼性を向上させる副次的な効果が得られる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず最初に本発明の背景を明らかにする為、図1を参照してアクティブマトリクス型液晶表示素子の一般的な構成を参考例として説明する。図示する様に、液晶表示素子は、基本的に能動素子基板1と対向基板2と両基板の間に保持された液晶層3とで構成されている。対向基板2の内表面には対向電極5が形成されている。能動素子基板1の内表面には画素電極4が形成されている。対向電極5及び画素電極4の表面はそれぞれ配向処理が施されており、液晶層3はその分子のダイレクタが垂直配向している。
能動素子基板1には、画素電極4に加えトランジスタTr、補助容量Cs、信号線12、走査線15、遮光電極13、平坦化膜14などが形成されている。遮光電極13の上が平坦化膜14で被覆され、その上に画素電極4が形成されている。能動素子基板1の上には走査線15が形成され、これを被覆する様に下地膜6が配されている。下地膜6の上にはアモルファスシリコン又はポリシリコンからなる半導体薄膜7が形成されている。この半導体薄膜7は絶縁膜8で被覆されており、その上にゲート電極Gなどが形成されている。ゲート電極Gは層間絶縁膜9により被覆されており、その上に信号線12が配されている。信号線12は層間絶縁膜10,11により被覆されており、その上に前述した遮光電極13が配されている。
トランジスタTrは画素電極4をスイッチング駆動する為のスイッチング素子であって、半導体薄膜7を素子領域とし、ゲート電極G、ソース電極S及びドレイン電極Dを備えた電界効果型である。ソース電極Sは信号線12に接続し、ドレイン電極Dは遮光電極13を介して画素電極4に電気接続している。一方補助容量Csは、一方の電極がドレイン電極Dと同一層の金属膜で形成され、他方の電極がゲート電極Gと同一層の金属膜で形成され、両電極の間に保持された層間絶縁膜9が誘電体層として機能する。
図1に示した液晶表示素子は、能動素子基板1にスイッチング素子であるトランジスタTrや電荷蓄積用の補助容量Csや信号線12などが積層構造で形成されている。係る液晶表示素子をプロジェクタのライトバルブに用いる場合、高精細な画素配列となる為、画素電極4の間隔が数μmと非常に狭い。この為隣接する画素電極4の間には横方向電界が生じ、配向不良が生じ易くなる。例えば液晶層3が垂直配向している場合、液晶分子のプレチルト角方位とは180°逆の方向に倒れるリバースチルトドメインが横方向電界により発生し、正常な配向状態の領域との境界線に沿っていわゆるディスクリネーションラインが発生し、透過率の低下を招く。
図2は、本発明に係る液晶表示素子の模式的な要部断面図であり、上述したディスクリネーションの抑制を目的とするものである。図示する様に、本液晶表示素子は、互いに対向して貼り合わされた一対の基板1,2間に液晶層3が挟持されてなり、マトリクス状の画素を形成すべく各基板1,2の対向する面に電極4,21が配され、画素単位で液晶層3に電圧を印加して交流駆動する。本発明の特徴事項として、1画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、画素を交流駆動する際に、液晶層3に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を、電極4と液晶層3との間に設け、画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層3のリバースチルトドメインが抑制されている。
一対の基板のうちの一方は能動素子基板1であり、その上にはマトリクス状に配置された複数の画素電極4と、液晶層3を配向する配向膜22と、複数の画素電極4をそれぞれ駆動する複数のスイッチング素子(図示省略)と、複数のスイッチング素子にそれぞれ接続された複数の信号線及び複数の走査線(図示省略)が備えられている。一対の基板のうちの他方は対向基板2であり、その表面には対向電極5と、液晶層3を垂直配向する配向膜21とが設けられている。ここで、画素電極4に印加される交流電圧は、例えば2.5Vと12.5Vの間で変化する。1ライン毎に印加電圧の極性を切り替えるいわゆる1H反転駆動を採用すると、隣接する画素電極間の電位差は最大で10Vに達し、大きな横方向電界が生じることになる。尚、対向電極5は画素電極4に印加される交流電圧の中心電位である7.5Vに固定されている。又、能動素子基板1側に形成された遮光電極13の電位も7.5Vに固定されている。液晶層3に印加される正規の縦方向電界は、各画素電極4と対向電極5との間に現われる。
本発明の特徴要素である電圧調整層は、各画素電極4の上に形成された誘電体層23からなる。この誘電体層23は、1画素内で複数の領域に分かれてパターニングされている。複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層23は、隣接する領域において誘電率を異にする。具体的には、複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層23の誘電率は、周辺領域が中央領域より大きい。そこで本明細書は、周辺領域に選択的に配された誘電体層を特に高誘電体層25と呼び、中央領域に選択的に配された誘電体層を特に低誘電体層24と呼ぶことにする。尚、画素の周辺領域に配置した高誘電体層25は、その端部が隣接する画素間を遮光する遮光電極13(遮光帯)から画素の中央に向かって伸びている。電圧調整層を構成する誘電体層23は、液晶層3に接する面が平坦化されている。
この様に画素端部の誘電率を画素中央部の誘電率よりも大きくすることで、実効的に液晶層3に印加される電圧を画素端部で大きくしている。垂直配向液晶モードの場合、横方向電界によるディスクリネーションが画素端部で生じることが知られている。そこで画素端部での正規の縦方向電界強度を他の部分よりも相対的に強くし、他の部分よりも早く配向規制力で付与される配向方向に整列させることで、ディスクリネーションを解消又は抑制することができる。前述した様に、ディスクリネーションは、配向膜で液晶分子に付与される配向規制力よりも横方向電界が打ち勝って、液晶分子が正規の配列方向とは異なる方向に配向することにより生じる。しかしながら、液晶が安定状態になるまでには一定の時間がかかる為、無電界から電圧印加状態に切り替わった時点で瞬間的にディスクリネーションが発生するものではない。従って、液晶分子に横方向電界がかかり意図しない配向状態となってディスクリネーションが発生するよりも早く、本電圧調整層の作用により正規の配向規制力方向に液晶分子を配向させている。これにより、ディスクリネーションは解消もしくは抑制可能である。
引続き図2を参照して、誘電体層23の作成工程について説明する。一般的な一連の工程を経て得られた能動素子基板1に対し、本実施形態の誘電体層23は、2回のフォトリソグラフィ法により誘電率の異なる低誘電体層24及び高誘電体層25を精度よく画素電極4の中央領域及び周辺領域にパターニングする。誘電体層23の形成、化学研磨処理などの平坦化処理で誘電体層23の最表面の凹凸を取り除く。その上に、配向膜22を形成すれば、極めて一様に液晶層3を垂直配向可能である。各配向膜22,21を施した能動素子基板1と対向基板2は、周縁部にてスペーサを含有したシール材により各電極4,5が互いに対面する様に接着される。両基板1,2が接合した間隙には、液晶層3が封入され、これにより図2に示した液晶表示素子が完成する。本実施形態では、垂直配向膜21,22を用いているが、その材質は有機ポリイミド膜でも無機斜方蒸着膜でもよい。液晶プロジェクタのライトバルブに応用する場合には、ポリイミドの様な有機物質ではなく、二酸化珪素の斜方蒸着膜に代表される無機物質の方が好ましい。
本実施形態では、液晶分子のプレチルトはほぼ垂直である為、液晶のプレチルトに起因したコントラスト低下や視野角の悪化を招くことがなく、理想的なコントラストと透過率の改善が図れる。又本実施形態は、垂直配向型液晶の配向方向規制方式として数多く提案されている、電極スリットによる斜め電界方式や、電極表面の突起による傾斜配向方式の様に、画素中央部にディスクリネーションを生じさせて実質的な開口率を低下させることがない為、プロジェクタのライトバルブに適用される高精細な液晶表示素子に対して有効なディスクリネーション低減手段である。
図3は、図2に示した液晶表示素子の平面図である。図示する様に、遮光電極13からなる遮光帯が格子状に形成されており、互いに隣接する画素電極4の境界を遮光している。行方向(X方向)の遮光帯は走査線(図示せず)と平行に配され、列方向(Y方向)の遮光帯は信号線と平行に配されている。行方向の遮光帯を境にして、上側に前段画素電極4が配され(図では遮光帯13の左側)、下側に当段の画素電極4が配される(図では遮光帯13の右側)。本実施形態では低誘電体層24及び高誘電体層25は走査線方向に沿って帯状に配されている。これは、1H反転駆動の場合、前段画素電極4と当段画素電極4との間に強い横方向電界が生じる為である。この様に誘電体層24,25を走査線方向に帯状にパターニングすることで、これら誘電体層24,25の作成が簡略化できる。この場合、高誘電体層25は、遮光電極13よりも画素電極4の中央部側にはみ出す様に配置している。但しこのはみ出し量は画素電極サイズと遮光帯13の幅及び液晶に付与されるプレチルト角などの各パラメータに合わせて最適に設定できる。
図4は、図3に示したY−Y線に沿って切断した液晶表示素子の断面構造を示している。理解を容易にする為、図1に示した参考例に係る液晶表示素子と対応する部分には対応する参照番号を付してある。図示の実施例では、画素電極4のサイズは18μm角である。走査線15方向の遮光帯幅は4μmである。液晶プレチルトは88°である。高誘電体層25の遮光帯からのはみ出し量は、次段側のΔRが1.3μm、前段側のΔLが2.6μmである。又高誘電体層25の比誘電率はε=12、画素中央部の低誘電体層24の比誘電率はε=2とし、両誘電体層の厚みは500nmとした。又印加している電圧は、対向電極と遮光電極13は7.5V、画素電極4は最小で2.5V、最大で12.5Vとしてある。比誘電率ε12の材料としては、Al、Ta、ZrOなどがある。又比誘電率ε2の材質としては、SiOやZnなどが代表的である。係る構成により、画素端部でのリバースチルトドメインが抑制できる。
図5は、電圧印加後における液晶の状態を示す模式的な断面図である。(A)は図1に示した参考例の場合であり、(B)は図4に示した本発明の場合である。まず(A)の参考例であるが、上側に能動素子基板1及び誘電体層23を配置し、下側に対向基板2が位置する様に、図が配されている。図面上で左右の遮光帯に挟まれて1画素分の液晶が示されている。この液晶の電圧印加後の状態を、等電位線、液晶分子ダイレクタ、透過率曲線で表わしている。液晶分子ダイレクタから明らかな様に、電圧印加後では液晶層の中間に位置する分子が縦方向電界に応答して、垂直配向から水平配向に移行している。これにより、液晶の透過率が変化する。尚、電極4,5の表面に配向膜で規制された液晶分子のダイレクタは引続き垂直方向に維持されている。等電位線の分布から明らかな様に、画素のほぼ中央部では電極4,5間に作用する縦方向電界が支配的である。しかし遮光帯に覆われた画素周辺部は、等電位線が乱れており、横方向電界も作用していることが分かる。ここで透過率曲線を見ると、電圧印加により画素の中央部は透過率が高くなって明状態に変化しているが、左側の遮光帯の近傍部分は透過率曲線が落ち込んでおり、暗いままである。この部分がいわゆるディスクリネーションであり、液晶分子ダイレクタが乱れている。このディスクリネーションは左側の遮光帯から画素の中央に向かってはみ出ており、ディスクリネーションは遮光帯によって隠すことはできない。
これに対し(B)に示した本発明の場合、透過率曲線から明らかな様にディスクリネーションは左側の遮光帯で隠されている。この結果、画素の中央部に残された開口領域は、ほぼ全面に亘って高い透過率を維持している。これは主としてリバースチルトドメインの幅が狭められ且つドメインの発生中心が遮光帯側に移動したからである。
図6は、電圧印加後における画素の明度を表わした模式図である。(A)は参考例の場合であり、図5の(A)と対応している。又(B)は本発明の場合であり、図5の(B)と対応している。まず(A)の参考例であるが、中央の画素が格子状の遮光帯で囲まれている。図では、走査線と平行な太い遮光帯が左右2本示され、信号線に平行な細い遮光帯が上下2本現われている。左側の遮光帯の内側に、ディスクリネーションの暗い影が存在する。この分、画素の透過率が低下する。この画素の平均的な透過率は27%である。
これに対し(B)の本発明の場合、ディスクリネーションによる黒い影は画素の開口部から除かれており、左側の遮光帯の下まで移動し、そこに隠されている。この結果、本発明の画素の平均的な透過率は35%となっている。(A)の参考例と比較すると、およそ3割程透過率が改善している。
図7は、電圧印加時間と透過率変化との関係を示すグラフであり、印加電圧をパラメータに取ってある。印加電圧が低い曲線Lの場合、透過率の変化は緩慢である。これに対し、印加電圧の高い曲線Hでは、時間の経過とともに透過率が速やかに低い値から高い値に変化している。本発明はこの現象を積極的に利用している。画素内でディスクリネーションが発生する周辺領域には比較的高い電圧を印加し、ディスクリネーションの発生しない中央領域は印加電圧を低くしている。これにより、ディスクリネーションの発生を抑制することができる。
図8及び図9は、電圧印加直後から安定配向状態に至るまでの過程を2msの間隔で表わした模式図である。(A)は参考例を表わし(B)は本発明の場合である。いずれの模式図も図5と同様に、等電位線、液晶分子ダイレクタ及び透過率曲線が描かれている。まず(A)の参考例であるが、電圧印加からおよそ30ms後には安定状態に達している。その間、透過率曲線が徐々に立ち上がり、暗状態から明状態に移行している。その間画素電極の両端部にはディスクリネーションが発生しており、透過率曲線が大きく落ち込んでいる。ディスクリネーションの幅は比較的広く、特に左側のディスクリネーションは遮光帯から画素中央部に向かってはみ出ている。
これに対し(B)の本発明では、やはり電圧印加から時間の経過とともに透過率曲線は上方にシフトしていくが、画素の左右両端にはディスクリネーションが残される。しかしながら、本発明の場合画素の周辺領域の縦方向電界を中央領域に比べ高くしたことで、ドメインが発生する近傍の液晶が早く立ち上がるため、ドメインが画素中央方向へ広がるのを抑制でき、ディスクリネーションの幅が狭くなり且つその位置がより画素の中央から外側にシフトしている。この結果、ディスクリネーションはほぼ遮光帯の下に入り、画素開口部から外れる様になる。この様に、画素端部のリバースチルトが画素中央部より相対的に強い縦方向電界によって抑制され、ディスクリネーションラインが画素端部に補足を強いやられている。
図10は、遮光帯の直下に位置する液晶の透過率曲線を拡大して表わした模式図である。図示する様に、2本のディスクリネーションが現われているが、互いに隣接する画素電極の境界の左側に位置するディスクリネーションはほぼ完全に遮光帯で覆われている。一方、右側のディスクリネーションを含むリバースチルトドメインZは、大部分遮光帯の下に位置するものの、一部分が遮光帯から画素電極の中央に向かってはみ出ている。本発明に従って画素の周辺領域の縦方向電界を強めることで、リバースチルトドメインZは幅が狭くなり且つ遮光帯の下方に入り込む様にシフトする。この結果、リバースチルトドメインZの視覚的な影響は大幅に軽減できる。図では、2個の高誘電体層25が表われている。ここで右側の高誘電体層25は、リバースチルトドメインZを遮光帯側に寄せる為に設置したものである。一方、左側の高誘電体層25は、縦方向電界の減衰による透過率の低下を回避する目的で設置したものである。
図11は、本発明に係る液晶表示素子の他の実施形態を示す模式的な部分断面図である。理解を容易にする為、図2に示した先の実施形態と対応する部分には対応する参照番号を付してある。本実施形態では、画素電極4の中央領域を彫り込んだ様に形成し、その凹部27に誘電体層23を形成している。又、互いに隣接する画素電極4の間に位置する凹部27にも誘電体層23を形成している。この様な誘電体層23の表面は化学研磨処理などにより最終的に平坦化し、その上に垂直配向膜22を設ける。誘電体層23は、1画素内で一部の領域のみに選択的にパターニングされており、画素電極4の一部を被覆している。係る構成によっても、画素の中央領域に比べ画素の周辺領域の液晶に対する実効印加電圧を高めることができる。本実施形態の場合、誘電体層23の比誘電率はε=3.9と一般的なガラス素材の値としている。但し本発明は層厚との関係如何でこの限りではなく、層厚と印加電圧の関係から最適に決定できる。又誘電体層23の材質としては、先に述べたAl、Ta、ZrO、SiO、Znの他に、HfO、Nd、TiO、Pr、SiNなど透明材料を用いることができる。又、画素サイズ、遮光帯幅、液晶プレチルトの関係から、誘電体層23が遮光電極13で規定される遮光帯から画素中央部に向かってはみ出さなくても、本発明の効果が実現できる場合には上述した透明な誘電体層の材質に限定する必要はなく、BaTiOやStTiOなどの不透明な誘電材料の適用も可能となる。又本実施形態は透過型であるが、これに代えて反射方式の垂直配向液晶表示素子にとっても有効である。
最後に図12は、本発明の応用例である投射型液晶表示装置を示す模式図である。図示する様に、本投射型液晶表示装置は、光源となるランプ40と、ランプ40から放射された光を変調する3枚の液晶表示素子31,32,33と、これらの液晶表示素子31,32,33により変調された光を投射面に拡大投影する拡大投射光学系(投射レンズ)48とを有する。ここで各液晶表示素子31,32,33は本発明に従って作成されたものであり、画素電極と液晶層との間に電圧調整層が配されており、液晶層のリバースチルトドメインが抑制されている。尚、図中符号34及び35は偏光板である。又41はリフレクタである。42は第1レンズアレイ、43は第2レンズアレイ、44はコンデンサレンズである。45及び46はダイクロイックミラーである。47はクロスプリズムである。49はUV/IRカットフィルタである。50,51,52,53はミラーである。54はPS合成素子である。55はリレーレンズであり、56はフィールドレンズである。
液晶表示素子の参考例を示す模式的な部分断面図である。 本発明に係る液晶表示素子の実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明に係る液晶表示素子の実施形態の模式的な平面図である。 本発明に係る液晶表示素子の実施形態の具体的な構成を示す詳細断面図である。 電圧印加後における液晶の状態を示す模式図である。 電圧印加後における画素の明度分布を示す模式図である。 液晶の透過率変化と電圧印加時間との関係を示すグラフである。 電圧印加に伴う液晶の状態変化を表わす模式図である。 電圧印加に伴う液晶の状態変化を表わす模式図である。 遮光帯下に位置する液晶の透過率曲線を示した模式図である。 本発明に係る液晶表示素子の他の実施形態を示す模式的な部分断面図である。 本発明の応用例である投射型液晶表示装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・能動素子基板、2・・・対向基板、3・・・液晶層、4・・・画素電極、5・・・対向電極、21・・・配向膜、22・・・配向膜、23・・・誘電体層(電圧調整層)、24・・・低誘電体層、25・・・高誘電体層

Claims (13)

  1. 互いに対向して貼り合わされた一対の基板間に液晶層が挟持されてなり、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に電極が配され、画素単位で液晶層に電圧を印加して交流駆動するアクティブマトリクス型の液晶表示素子において、
    一画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、該画素を交流駆動する際に、液晶層に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を該電極と該液晶層との間に設け、一画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層のリバースチルトドメインが抑制されていることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記一対の基板のうちの一方は、その上にマトリクス状に配置された複数の画素電極と、液晶層を配向する配向膜と、複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数のスイッチング素子と、複数のスイッチング素子にそれぞれ接続された複数の信号線および複数の走査線が備えられるとともに、
    前記一対の基板のうちの他方は、その上に対向電極と液晶層を配向する配向膜が設けられており、
    前記電圧調整層は、各画素電極の上に形成された誘電体層からなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記配向膜は該液晶層の液晶分子を基板に対して垂直に配向する垂直配向膜であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記誘電体層は、一画素内で複数の領域に分かれてパターニングされていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
  5. 前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層は、隣接する領域において誘電率を異にすることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
  6. 前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層の誘電率は、周辺領域が中央領域より大きいことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示素子。
  7. 画素の周辺領域に配置した誘電体層は、その端部が隣接する画素間を遮光する遮光帯から画素の中央に向かって延びていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子。
  8. 前記複数の領域に分かれてパターニングされている誘電体層は、走査線方向に帯状をなすようにパターニングされていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子。
  9. 前記誘電体層は、一画素内で一部の領域のみに選択的にパターニングされており、画素電極の一部を被覆していることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示素子。
  10. 前記画素電極の一部を被覆している誘電体層は、走査線方向に帯状をなすように画素電極を被覆していることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
  11. 前記画素電極の一部を被覆している誘電体層は、その端部が隣接する画素間を遮光する遮光帯から画素の中央に向かって延びていることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示素子。
  12. 前記電圧調整層は、液晶層に接する面が平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  13. 光源と、該光源から放射された光を変調する液晶表示素子と、該液晶表示素子により変調された光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有する投射型液晶表示装置において、
    前記液晶表示素子は、互いに対向して貼り合わされた一対の基板間に液晶層が挟持されてなり、マトリクス状の画素を形成すべく各基板の対向する面に電極が配され、画素単位で液晶層に電圧を印加して交流駆動するアクティブマトリクス型であって、
    一画素内を中央領域と周辺領域を含む複数の領域に分け、該画素を交流駆動する際に、液晶層に印加される電圧を領域別に変化させる電圧調整層を該電極と該液晶層との間に設け、一画素内での液晶の応答時間を領域別に変化させることにより、液晶層のリバースチルトドメインが抑制されていることを特徴とする投射型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008083059A1 (en) * 2006-12-28 2008-07-10 Motorola Inc. Electric field reduction display device
JP2010085537A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Seiko Epson Corp 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器

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