JP2008046336A - 液晶表示装置及びプロジェクターシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】プレチルト角を持たせて配向する液晶表示装置において、ディスクリネーションによる画質の低下を防止することを目的とする。
【解決手段】一対の基板に挟まれて液晶が封入され、基板に形成される電極によって液晶に電圧を加えることで液晶分子を動かし光の偏光状態を制御する液晶表示装置であって、画素ごとに分割され、画素の形状は多角形であり、電圧を加えないとき、液晶分子は画素の面に対して垂直の方向から所定の角度を有して配置され、液晶分子が傾く方向と画素の境界線とのなす角が45°未満であることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶表示装置及びプロジェクターシステムに関し、特に、液晶素子がプレチルト角を有して配置される液晶表示装置及びプロジェクターシステムに関する。
従来、デジタルカメラなどの電子機器に搭載される表示装置には、液晶パネルを利用して画像を表示する液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)がある。
液晶パネルは、それ自体は発光しないので、液晶ディスプレイには、主に、以下の3種類がある。
まず、液晶パネルを裏面から照らして画像を表示する型で、透過型液晶表示装置と呼ばれるものがある。次に、外光の反射を利用して画像を表示する型で、反射型液晶表示装置と呼ばれるものがある。そして、これらを組み合わせた性質を持つもので、半透過型液晶表示装置と呼ばれるものがある。
反射型液晶表示装置において、垂直配向では電圧印加時の液晶分子の動きを一定の方向に揃えるため、画素電極基板に垂直な方向に対して若干の傾き角(プレチルト角)θを持たせて配向する。
また、一般的に、プレチルト角が傾く方向であるプレチルト方向は、画素電極配列に対して略45度の方向に設定されている。
液晶は、各画素電極と対向電極間の縦方向電界(画素電極面に垂直な電界成分)で駆動される。
しかし、この縦方向電界成分以外に、隣接する画素電極間では両者の画素電極の信号電圧の電位差に基づく横方向電界が生じる。
さらに、一般的なアクティブマトリクス型の液晶表示素子の回路構成では、液晶を交流駆動するために信号の極性を反転させている。
フィールド又はフレームごとに交流駆動する場合、極性による非対称性があるとフリッカ(画像のちらつき)が目立つという問題がある。そのため、各カラム毎又は隣接する画素毎に信号の電圧の極性+、−を反転させるようにした駆動方法が採用されている。これにより、フリッカを抑制することが可能となっている。
特許文献1には、液晶表示装置において、画素の外形が菱形である技術が開示されている。
この技術では、エッジの信号線方向の配列が格子状ではなくジグザグ状になっているため、画面に表示される画像にモアレ縞や画像のエッジの階段状模様又は表示ムラなどを解消することが可能とされている。
しかしながら、プレチルトに関しての記載はなく、またディスクリネーションの抑制に関しても記載はない。
特開2002−221730号公報
画素信号の差異又は極性の反転による横電界による悪影響は、画素電極の周辺部の2辺(プレチルトの方向にある2辺)にディスクリネーションと呼ばれる表示不良箇所が生じることである。
通常、正方形の画素形状であり、かつ、その対角線方向(画素間の境界から見ると45度の方向)にプレチルトを設定している。
この場合、液晶のプレチルト方向からみて45度の向きから電界を受け、その電界の影響により液晶分子が元のプレチルトの向きからずれる。そして、電界印加時に液晶が倒れて白表示する際に、液晶の倒れる方向が元の45度からずれて、黒が画素の2辺に浮き出てしまい、コントラストの低下を引き起こす。
また、この領域を表示領域からはずしてしまうと開口率の低下となり、いずれにしても表示画質を著しく低下させる。
そこで、本発明は、プレチルト角を持たせて配向する液晶表示装置において、ディスクリネーションによる画質の低下を防止することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、一対の基板に挟まれて液晶が封入され、前記基板に形成される電極によって当該液晶に電圧を加えることで液晶分子を動かし光の偏光状態を制御する液晶表示装置であって、画素ごとに分割され、当該画素の形状は多角形であり、前記電圧を加えないとき、前記液晶分子は前記画素の面に対して垂直の方向から所定の角度を有して配置され、前記液晶分子が傾く方向と前記画素の境界線とのなす角が45°未満であることを特徴とする。
本発明によれば、プレチルト角を持たせて配向する液晶表示装置において、ディスクリネーションが抑制されるようになった。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。
まず、本発明の原理について説明する。
ディスクリネーションの生じる領域は決まっているので、その領域にのみ対策を施せばよい。
矩形の画素形状の場合、45度のプレチルトの方向とするとその方向にある2辺の近傍が対象になる。さらに、その2辺近傍においても隣の画素領域には生じないので、該当画素内が対象になる。
図1は、画素形状が正方形でプレチルト方向が45°の場合の液晶表示装置の様子を示す模式平面図である。
図1において、矢印は電界がかかる方向を示す。
図1において、画素形状は正方形で、プレチルト方向は対角線方向である45°に設定されている。この設定で液晶を駆動させるための電界を加えると、画素境界付近において、隣接画素からの横電界を受ける。
そうすると、この電界の影響を受ける箇所のプレチルト方向はずれ、結果としてディスクリネーションが生じることになる。
そのためこれを抑制するのであるが、そのためには、例えば図1に示す画素の左辺に注目すると、プレチルト方向が右廻りに回転しないようにすればよい。
そのためには、図1に示すように、(1)プレチルト方向を強める(図1に示す画素の左辺では、プレチルト方向をより左廻りにする)又は(2)横電界をプレチルト方向に対してより垂直になるようにする(ここでの例の場合、プレチルト方向を左廻りの方へずらす)。(2)の状況を実現するには、1つの例として、菱型の画素形状にすればよい。
図2は、プレチルト角について説明するための図である。
図2では、プレチルトの方向とプレチルト角について示されている。図2では、各液晶は棒状の線と楕円形で模式化されており、棒状の線が楕円形に向いている方向がプレチルト方向を示しており、楕円の形状でプレチルト角の大小を示している。
図2において、右の液晶がプレチルト角が大きく、徐々に小さくなっている。
(実施形態1)
図3は、本発明の一実施形態としての液晶表示装置の構成を示す断面図である。
図3において、1は基板、2はLOCOS酸化膜、3はPWL、4はゲート酸化膜、5はゲート電極、6はNLD、7はソース領域、7’はドレイン領域、8はPSG、9はAl電極、10はプラズマSiN膜、11はPSGである。
また、12はスルーホール、13は画素電極、14は液晶、15は配向膜である。また、20は対向電極、21はカラーフィルタ、22はブラックマトリクス、23は対向電極である。
ゲート電極5、ソース領域7及ドレイン領域7’のトランジスタが画素のスイッチ用のトランジスタとなっていて、ドレイン領域7’の画素電極13に接続されている。また、ドレイン領域7’と基板1の拡散層との間に容量が形成されている。本実施の形態では、基板1は単結晶半導体基板が用いられている。
画素電極13は各画素のスイッチ用のトランジスタを覆うように形成され、遮光するとともに反射する機能も果たしており、高い開口率を実現している。
画素電極13の平面形状は、本実施の形態では菱形であり、この菱形を並べるようにして、ほぼ隙間なく全面に覆うようにしている。このようにすることで開口率を100%に近づけることができる。
菱形の画素電極が繰り返し形成された画素電極基板と、透明電極を形成した透明基板を対向配置し、その間に液晶が封入されている。本実施の形態では、液晶には負の誘電率異方性を有するものが使用されている。
これら2つの基板の各々の表面には液晶を所定の方向に配向するための配向膜が形成されている。
図4は、画素形状が正方形の場合と画素形状が菱形形状の場合を示す模式平面図である。
正方形の画素の場合の配向の方向は45度が一般的に使用されている。菱形の場合、図4に示すように、長対角線の方向を配向のプレチルトの方向とした。
図4で正方形の画素と菱形の画素とを比較して説明する。ここでの菱形は、長対角線が短対角線の2倍の長さとした。
プレチルト方向を合わせて図示すると図4に示すようになり、正方形の画素の1つの辺はX軸に沿っている。これに対して、菱形の場合、長対角線は、Y軸に対して18.4度程度の傾きを持っている。
これによって、この境界に生じる横電界は、画素形状が正方形の場合に比べて、液晶のプレチルトの方向を変化させる力が弱くなる。(図4からわかるように、プレチルト方向を右廻りへ変化させる程度が小さい。)
これによって、隣接画素からの電界の影響を受ける箇所のプレチルト方向はずれは抑制でき、結果としてディスクリネーションを抑制することができた。
また、絶縁性部材として、PSG(Phospho Silicate Glass)11が設けられており、導電性部材13と、絶縁性部材11の表面は、ケミカルメカニカルポリシングにより研磨されている。
図5は、本実施の形態の液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。
なお、説明の都合上、図5は画素部を中心として模式的に示してあるが、画素部形成工程と同時に、画素部のスイッチングトランジスタを駆動するためのシフトレジスタ等周辺駆動回路も同一基板上に形成するものとする。
まず、図5(a)に示すように、不純物濃度が1015cm−3以下であるn型シリコン半導体基板1を部分熱酸化し、LOCOS(Local Oxidation OF Silicon)酸化膜2を形成する。
そして、LOCOS酸化膜2をマスクとしてボロンをドーズ量1012cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1016cm−3程度のp型不純物領域であるPWL3を形成する。
この基板1を再度熱酸化し、酸化膜厚100nm以下のゲート酸化膜4を形成する。
次いで、図5(b)に示すように、リンを1020cm−3程度ドープしたn型ポリシリコンからなるゲート電極5を形成した後、基板1全面にリンをドーズ量1012cm−2程度イオン注入する。
そして、不純物濃度1016cm−3程度のn型不純物領域であるNLD6を形成する。引き続き、パターニングされたフォトレジストをマスクとして、リンをドーズ量1015cm−2程度イオン注入し、不純物濃度1019cm−3程度のソース領域7及びドレイン領域7’を形成する。
次いで、図5(c)に示すように、基板1全面に層間膜であるPSG8を形成する。このPSG8はNSG(Nondope Silicate Glass)/BPSG(Boro−Phospho−Silicate Glass)や、TEOS(Tetraetoxy−Silane)で代替することも可能である。
ソース領域7及びドレイン領域7’の直上のPSG8にコンタクトホールとなる孔を形成し、スパッタリングによりAlを蒸着した後パターニングし、Al電極9を形成する。
このAl電極9とソース領域7及びドレイン領域7’とのオーミックコンタクト特性を向上させるために、Ti/TiNなどのバリアメタルを、Al電極9とソース領域7及びドレイン領域7’との間に形成するのが望ましい。
次いで、図5(d)に示すように、基板1の全面にプラズマSiN膜10を300nm程度、続いてPSG11を1000nm程度成膜する。
次いで、図5(e)に示すように、プラズマSiN膜10をドライエッチングストッパー層として、PSG11を画素間の分離領域のみを残すようにパターニングする。その後、ドレイン領域7’にコンタクトしているAl電極9直上にスルーホール12をドライエッチングによりパターニングする。
次いで、図5(f)に示すように、基板1上にスパッタリング又はEB(Electron Beam、電子線)蒸着により、画素電極13を1000nm以上成膜する。
この画素電極13としては、Al、Ti、Ta、Wなどの金属膜又はこれら金属の化合物膜を用いる。
次いで、図5(g)に示すように、画素電極13の表面をCMPにより研磨する。研磨量はPSG11厚を1000nm、画素電極厚をxnmとした場合、xnm以上、x+1000nm未満である。
具体的なCMPは、CMP装置として荏原製作所製EPO−114、研磨布にRodel社製SUPREME RN−H(D51)、スラリーにFUJIMI社製PLNERLITE102を用いて行なった。
以降は、図3に示すように、配向膜15を形成し、同様に配向膜15が形成される対向基板20と張り合わせ液晶を注入する。
次に、本実施形態の反射型液晶表示装置の駆動方法を説明する。
基板1にオンチップで形成されたシフトレジスタ等の周辺回路により、ソース領域7に信号電位を与える。それと同時にゲート電極5にゲート電位を印加し、画素のスイッチングトランジスタをオン状態にし、ドレイン領域7’に信号電荷を供給する。
信号電荷はドレイン領域7’とPWL3との間に形成されるpn接合の空乏層容量に蓄積され、Al電極9を介して画素電極13に電位を与える。
画素電極13の電位が所望の電位に達した時点で、ゲート電極5の印加電位を切り、画素スイッチングトランジスタをオフ状態にする。
信号電荷は前記のpn接合容量部に蓄積されているため、画素電極13の電位は、次に画素スイッチングトランジスタが駆動されるまで固定される。
この固定された画素電極13の電位が図3に示された基板1と対向基板20との間に封入された液晶14を駆動する。
信号電荷を蓄積するために、ドレイン領域7’を小さくして、ドレイン領域7’にコンタクトしているAl電極9を広くして、Al電極9とPWL3との容量を使用しても良い。
本実施形態のアクティブマトリクス基板は、画素形状が菱形となっており、横電界の影響を弱めることが可能となり、液晶のディスクリネーションを抑制することになり、表示画像の品質が向上する。
図6は、菱形画素の液晶表示装置の表示方法の一例を示す模式平面図である。
元の情報は201a、201bに示すように縦横のマトリクス状にデータが存在している。この情報を元に菱形画素への表示をさせることになる。202aには、201aの2つの情報から合成した情報を表示させる。
202bには、201bのデータをそのまま表示させる。これに限定してはいないが、例えばこのような表示の方式がある。
(実施形態2)
図7は、本発明の一実施形態としての反射型液晶表示装置の製造方法で製造された反射型液晶表示装置を用いたプロジェクターシステムの構成を示すブロック図である。
白色光源201から出射した光をダイクロイックミラーによって分光する。具体的には、ダイクロイックミラー202で赤波長の光を分光し、ダイクロックミラー203で緑波長の光と青波長の光に分光する。
そして、赤の偏光板204、緑の偏光板205及び青の偏光板206でそれぞれの光を直線偏光にした後、各偏光ビームスプリッタ(PBS)207、208及び209で各液晶反射パネル210、211及び212に入射させる。
各液晶パネル210、211及び212で偏光を変調させることで、PBSを透過する割合を制御可能なため、ダイクロイックプリズム213でRGB光を合成した後にはカラー情報となる。
投射レンズ214でスクリーン上に投影すると、フロントプロジェクターとなる。
なお、上記実施形態では、反射型液晶表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものでもない。具体的には、透過型の液晶表示装置などにも適用することが可能である。
本発明は、デジタルカメラなどの電子機器に搭載される液晶表示装置において利用可能である。
画素形状が正方形でプレチルト方向が45°の場合の液晶表示装置の様子を示す模式平面図である。 プレチルト角について説明するための図である。 本発明の一実施形態としての液晶表示装置の構成を示す断面図である。 画素形状が正方形の場合と画素形状が菱形形状の場合を示す模式平面図である。 本発明の一実施の形態としての液晶表示装置の製造工程を示す断面図である。 菱形画素の液晶表示装置の表示方法の一例を示す模式平面図である。 本発明の一実施形態としての反射型液晶表示装置の製造方法で製造された反射型液晶表示装置を用いたプロジェクターシステムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 基板
2 LOCOS酸化膜
3 PWL
4 ゲート酸化膜
5 ゲート電極
6 NLD
7 ソース領域
7’ドレイン領域
8 PSG
9 Al電極
10 プラズマSiN膜
11 PSG
12 スルーホール
13 画素電極
14 液晶
15 配向膜
20 対向電極
21 カラーフィルタ
22 ブラックマトリクス
23 対向電極

Claims (7)

  1. 一対の基板に挟まれて液晶が封入され、前記基板に形成される電極によって当該液晶に電圧を加えることで液晶分子を動かし光の偏光状態を制御する液晶表示装置であって、
    画素ごとに分割され、当該画素の形状は多角形であり、
    前記電圧を加えないとき、前記液晶分子は前記画素の面に対して垂直の方向から所定の角度を有して配置され、
    前記液晶分子が傾く方向と前記画素の境界線とのなす角が45°未満であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記多角形は菱形であり、前記液晶分子が傾く方向は前記菱形の長対角線と略平行であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶は負の誘電率異方性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶の配向を制御するための配向膜は無機物質からなることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記配向膜は、斜方蒸着によって形成されることを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置。
  6. 前記基板の一方は単結晶半導体基板であり、当該単結晶半導体基板に形成される電極は、反射電極であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
  7. 請求項1から6記載の液晶表示装置を備えることを特徴とするプロジェクターシステム。






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