JP2005214935A - 流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法及びそのための装置 - Google Patents

流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法及びそのための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
流動媒体中に含まれる被測定物質、例えば、チラー循環溶液のような流動媒体中に漏洩するアンモニアのような被測定物質を高感度且つ迅速に検出すること。
【解決手段】
流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法であって、前記流動媒体よりそれぞれ所定の時間を置いて複数回にわたって試料を採取する工程、前記採取された試料の物性を測定する工程、前記少なくとも2つの互いに異なる時間に採取された試料に関する少なくとも2つの測定値の差をとる工程、及び前記少なくとも2つの測定値の差と予め定めた所定の値との大小関係を比較して前記被測定物質が存在するか否かを決定する工程、を含むことを特徴とする検出方法を提供する。
【選択図】
なし

Description

本発明は流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法及びそのための装置に関し、より詳しくは、系内を流動する媒体に外部系より混入する被測定物質、例えば、チラー循環溶液とアンモニア冷媒とを用いる冷凍機のチラー循環溶液系内へ漏洩するアンモニア等の検出方法及びそのための装置に関する。
水処理系、例えば、クーリングタワーと熱交換器を有する開放系や閉鎖系の冷却水系の水処理には、腐食、スケール、スライム等の循環水に起因する障害を防ぐために種々の水処理薬品、例えば、防食剤、スラッジ分散剤、スケール防止剤、殺菌剤、スライム防止剤等が使用されている。これらの各種の水処理用薬品の効果を持続させるためには、冷却水系の任意の位置、時間等におけるこれらの水処理用薬品の循環水中における濃度(濃縮速度)を正確に把握し、適切な濃度管理を行うことが必要である。
このような水溶液等に含まれる被測定物質のある処理系における異なる箇所間、あるいは異なる時点間での被測定物質の微妙な濃度変化を測定したいという要求は数多くあり、様々な装置やシステム、例えば、多元電気伝導度測定装置等が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、位置的にあるいは時間的に異なる複数の測定点間の電気伝導度の微妙な変化を高精度で測定するためには、複数の測定セル間で基準点からのドリフトが生ずるため信頼性の点で問題が残る。
一方、冷凍サイクルや、ヒートポンプサイクルとして機能するアンモニア圧縮式冷凍システムにおいては、熱分配媒体中に漏洩するアンモニアを検出して危害の波及を防止する必要がある。冷媒圧縮式冷凍システムは、冷媒圧縮式冷凍機を基本構成に持ち、チラー循環溶液としての水やブラインと熱交換してこれらを冷却するシステムである。チラー循環溶液としては種々の溶液が使用されるが、不凍液であるエチレングリコールを主成分としてリン酸ナトリウム系の防食剤を添加した水溶液(以下「PG」と称する。)が一般的である。従来の冷凍機には、その冷媒としてフロン系の冷媒が用いられていたが、近年の地球温暖化やオゾン層の破壊等の環境問題によりフロン冷媒が使用しにくくなってきた。
アンモニアは初期の冷凍機冷媒としてフロンの現れる以前に利用されていた冷媒であるが、1)熱交換機の材質に熱伝導性の大きな銅を使用できないこと、2)漏洩は冷却ターゲットにアンモニアの混入を起こす可能性があること、3)最大の理由はコンプレッサーのシールから少量でも外気に漏洩すると強い刺激臭にみまわれること、等冷媒としての取扱いが難しいことから次第に使用されなくなってきた。しかし、上述したオゾン層の破壊や地球温暖化等の問題でフロンの使用が制限されるようになると、再度アンモニアが見直されるようになっている。
アンモニアは漏洩すると刺激臭が発生し、さらには可燃性ガスであるため消防法の適用溶媒である等フロンに比べて取り扱いにくいが、凝集潜熱(kcal/kg)がフロンに比較して大きく(HCFC−22と比べて約7倍)、漏洩の問題さえ解決できれば冷媒としてはフロンより効率がよく省エネルギー的な観点からもはるかに有利である。このように、エネルギー的にも環境問題についても優れているにもかかわらず、アンモニア冷媒が敬遠されるのはPGへの漏洩が検知できないこと、及び漏洩後のPG溶液の処理が難しいことが原因となっている。
このような問題を解決するために、pHセンサや導電率センサを備えたアンモニア圧縮式冷凍システムの漏洩アンモニア検出方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。 しかしながら、導電率計では1ppmの微量な検出は不可能であるとされ、これらいずれの方法についても感度や迅速性、簡便性の点で満足できるものはない。そこで、流動媒体中における微量の被測定成分を検出するための優れた方法が強く望まれている。
特開2001−311710号公報 特開2003−329339号公報
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであって、流動媒体中に含まれる被測定物質、例えば、チラー循環溶液のような流動媒体中に漏洩するアンモニアのような被測定物質を高感度且つ迅速に検出することを目的とする。また、本発明は上記方法に用いることができる安価な検出装置を提供することを目的とする。
第一の視点において、本発明は、流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法であって、前記流動媒体よりそれぞれ所定の時間を置いて複数回にわたって試料を採取する工程、前記採取された試料の物性を測定する工程、前記少なくとも2つの互いに異なる時間に採取された試料に関する少なくとも2つの測定値の差をとる工程、及び前記少なくとも2つの測定値の差と予め定めた所定の値との大小関係を比較して前記被測定物質が存在するか否かを決定する工程、を含むことを特徴とする検出方法を提供する。上記「所定の時間」とは一定時間であっても、あるいはそれぞれ異なる時間であっても何れでもよい。また、「少なくとも2つの測定値の差」は種々の方法で測定することができ、例えば、別々の時間に測定したデータを後から計算により差を求めてもよいし、あるいは別々の時間に採取した試料を保存しておき、これらを同時に測定してもよい。
好ましい実施形態において、前記試料の物性値は、電気伝導度、屈折率、吸光度、水素イオン濃度、又は蛍光強度であることを特徴とする。また、前記被測定物質が、前記流動媒体中に外部系から混入する成分であることを特徴とする。
他の視点において、本発明は、流動媒体に外部系より混入する被測定物質の検出方法であって、前記流動媒体よりそれぞれ所定の時間を置いて複数回にわたって試料を採取する工程、前記採取された試料の導電性を測定する工程、前記少なくとも2つの互いに異なる時間に採取された試料に関する少なくとも2つの測定値の差分値を求める工程、及び前記差分値と予め定めた所定の値との大小関係を比較して前記被測定物質が混入したか否かを決定する工程、を含むことを特徴とする検出方法を提供する。
好ましい実施形態において、前記流動媒体の流速又は温度の変化を測定し、前記差分値及び前記所定値の少なくとも一つを補正することを特徴とする。また、前記所定の時間は、5秒〜200秒の何れかの一定時間であることを特徴とする。さらに好ましくは、前記測定値の差分計算を2回繰り返すことを特徴とする。本発明の1つの実施形態として、前記流動媒体がチラー循環溶液であり、前記被測定物質がアンモニアであることを特徴とする。
さらに他の視点において、本発明は、流動媒体に外部系より混入する被測定物質の検出装置であって、当該装置は、流動媒体の流路から試料を導入する入口部と、採取した試料を前記流動媒体の流路に返送するための出口部と、入口部と出口部との間を流れる試料の流路と、前記試料の流路の一部に沿って設けたプレヒーターと、前記試料の流路の一部に設けた電気伝導度測定用の測定セルと、及び前記プレヒーター及び測定セルと電気的に連結され、前記測定データを処理するための制御システムとを備え、前記制御システムは、少なくとも2つの互いに異なる時間に測定された少なくとも2つの測定値の差分値を求めることを特徴とする、検出装置を提供する。
好ましい実施形態において、前記制御システムは、前記差分値と予め定めた所定の値との大小関係を比較して警報を発するか否かを決定することを特徴とする。前記プレヒーターは、前記試料を少なくとも2つの温度に段階的に上昇させることがさらに好ましい。また、本発明の1つの実施形態において、前記流動媒体がチラー循環溶液であり、前記被測定物質がアンモニアであることを特徴とする。
本発明の方法によれば、極めて高感度、例えば、PG中に混入する少なくとも1ppm以下のアンモニアを検出することができ、しかも高速サンプリング後少なくとも30秒以内に検出センサーに試料溶液が到達するから迅速な検出が達成される。また、本発明の検出装置は、単一の電位伝導度測定セルを有するのみであり、冷凍機の付帯設備的な位置において温度変化などが比較的大きな条件下でも運転可能であることから極めて実用的且つ安価に設置することができる。
本発明において、「流動媒体」とは、水溶液若しくは非水系の溶液、又は懸濁液であって、流動性を有するものをいう。好ましくは、熱交換器等に用いられる冷媒や循環水等の水溶性の媒体である。「被測定物質」とは、上記流動媒体中に混入した場合に均一に分散しうる物質であれば低分子物質、高分子物質の何れであってもよいが、好ましくはイオンの形態、又は水に分散したときに水溶液中で解離する物質である。
本発明は、上記流動媒体に外部系より混入する被測定物質を、当該物質の濃度変化の差分をとることにより検出することを特徴とするものであるが、例えば、冷凍機配管内を流動するPGへのアンモニア冷媒の漏洩が挙げられる。このような漏洩パターンは種々の場合が考えられるが、典型的な2つのパターンを説明すると図1のようになる。図1(a)のパターンは熱交換器の脆弱な壁やシールが破壊されて連続的に冷媒のアンモニアが漏洩し続けるパターンで、地震のようなショックが熱交換器に加えられた場合に起こる漏洩パターンである。図1(b)は、非連続的にコンプレッサーの圧力の脈動のような圧力変化で液滴が滴下するように漏洩するパターンである。漏洩のパターンによって、その濃度変化の差分データの形状も異なることが分かるが、本発明の方法はいずれの場合についても検出可能であり、流動媒体中に存在する被測定物質を感度よく検出することができる。
また、本発明は、上記被測定物質を検出するために、上記流動媒体の物性を測定することを特徴とする。この物性値は上記流動媒体の種類によって適したものを選択することができ、例えば、電気伝導度(導電性)、屈折率、吸光度、水素イオン濃度、及び蛍光強度等の中から適宜選択することができる。ここで、電気伝導度とは、とくに水溶液中で移動可能なイオンの濃度の測定のため用いられる尺度であり、電気伝導度測定装置は、多くの水溶液中のイオン濃度の測定に用いられている。一般に、電気伝導度測定装置は検出用電極と電源からの電流供給用電極との間の抵抗値を測定することにより、被測定水溶液中のイオン濃度の増減を測定するようになっている。
以下、本発明の好ましい実施形態としてのアンモニア漏洩検出装置を図面を参照して説明する。図2は、本実施形態のアンモニア漏洩検出装置の基本的構成を示す配管図である。図2に示されたように、本発明のアンモニア漏洩検出装置は、試料の入口部であるボールバルブ10と試料採取用のポンプ20とプレヒーター30と電気伝導度測定用のセル40と試料の出口部としてのボールバルブ50とこれらの部材を連結する試料の流路60とCPU制御システム70とより構成される。上記ポンプ20は、脈動を抑え且つ流量と圧力を確保するために大型のギヤポンプを使用することができる。プレヒーター30は試料の流路の一部に沿って設けられ、流れるPGの温度を一定に保っている。プレヒーター30は好ましくは入口部と測定セル40との間に設けられ、少なくとも2段階、好ましくは3段階の温度に段階的に上昇させるように制御されている。採取された試料の温度が一定でも流量が変化すれば測定される電気伝導度は変化し、誤差の原因となるから、プレヒーター30に流れる電流をモニターすることにより、流路60を流れるPGの流速と温度変化を同時に測定することができ、これらのデータは電気的に連結された制御システム70へ送られる。
制御システム70は、プレヒーター30及び電気伝導度の測定セル40からのデータを入力信号として受け取りこれらをメモリーに蓄積すると共に、所定の時間を置いて入力された測定データの差を計算し、この差分値データを出力信号として装置稼動状態表示装置に出力する。この際、上記プレヒーター30からの入力信号に基づいて、試料の温度調節の状態を考慮して上記電気伝導度の差分値を補正する。例えば、試料の温度が大きく変化しているときは電気伝導度の測定値の誤差が大きくなるから警報を出さないようにしたり、あるいは比較の対象となる予め定めた基準値の方を補正してもよい。さらに制御システム70は、計算された電気伝導度の差分値と予め定めた所定の値との大小関係を比較して、上記差分値の方が大きい場合にはアンモニア漏洩を知らせるための信号を出力する。この信号は、異常を表示する警報ランプを点滅させると共に、熱媒体として循環しているチラー循環溶液の運転を停止させるために装置切断接点へ信号を出力することもできる。
本実施形態の装置には、さらに系内のゴミ除去用のシステムを備えてもよい。PG中には多くのゴミが混入していて、試料の採取に使用している配管を詰まらせてしまう可能性がある。本実施形態においては、試料採取時のゴミ除去機構80を備えることによりPG中に含まれるゴミを除去することができる。ゴミ除去機構80は、図3に示したように試料の流れに沿って平行な面に多数の穴を開けた吸入針を備え、この微小な穴からの取り込み流速と循環流速との比を適切に設定することによりゴミの流入を効率的に抑えることができる。上記取り込み流速と循環流速との比率は、装置の大きさや設備の使用年数等により適宜設定することができるが、好ましくは1:100〜400に設定することによりPG中のゴミはその比で分配される。
次に、上記本発明の装置によるPG中に漏洩するアンモニアの測定例について説明する。本装置においては、アンモニアの漏洩量を電気伝導度によって測定する。一般に、電気伝導度は液体の電気抵抗の逆数であり、基準として1mMの塩化カリウム溶液の1cm離れた電極間の抵抗値の逆数を142μS/cmとして定義されている。
PGは、比較的電気が流れやすく電気抵抗の小さい溶液である。この中にアンモニアが溶け込むとアンモニアはそこに存在する水によって水和されアンモニア水(水酸化アンモニウム)になる。この水酸化アンモニウムによりPG中の電気伝導度が大きくなる。例えば、pHが9〜10のPG中にアンモニアを添加してその電気伝導度を測定すると図4のような結果が得られる。このデータは液体クロマトグラフ測定装置の電気伝導度検出器を用いて一定量の予め評定したアンモニアPG溶液をPGで希釈して一定量インジェクションしてその高さから測定したものである。図4から、PG中にアンモニアを添加するとpHが9〜10位でも電気伝導度が増加し、その増加率はアンモニア濃度に比例していることが分かる。PGの電気伝導度は1000μS/cm程度で、1ppmのアンモニアが添加されるとその1/1000である1μS/cmの電気伝導度の増加が見られる。PG中に漏洩してくる1ppmのアンモニアを検出するためには、少なくとも0.01μS/cmのオーダーレベルの検出限界値が必要となる。
電気伝導度計は高感度なほど温度や圧力等の液体の物性変化に敏感で、特に長時間測定する場合にはこれらのノイズの影響が大きいことが知られている。しかも、上記PG中に漏洩する1ppmのアンモニアを検出するためには、少なくとも10−4以上のS/N比、好ましくは10−6〜10−7のS/N比を有する電気伝導度計が必要となり極めて困難である。
図5及び6は、PGにアンモニア及びNaOHを逐次的に1ppm/分で添加したデータを本発明の装置により取り出して、実際の測定値と時刻を表すチャートとして表示したものである。図5に示したように通常の条件では全く観測されない。図6は図5を約500倍に拡大し、測定レンジを数μS/cmにして表示したものであるが、ベースラインはドリフトのために揺らいでいて基準が決められないことが分かる。図6に示したように、アンモニアの漏洩は急激に起こり、基準点をAの位置に置けばかなり正確に漏洩を検知できるが、一方、そこに置くと何でもないドリフトのピークであるPも漏洩したことになってしまう。このように感度を上げただけではドリフトが起こり、基準点が決められないという問題がある。
そこで、図5及び6に示した結果を、ある時間間隔で過去との差をとり、現在の時刻に沿ってプロットしたものが次の図7〜9である。時間間隔を一定にしてそのときのデータの差を取ることを時間に関して「差分をとる。」又は「差分値を求める。」という。差分値のデータは、測定した値が一定時間前と比較して増加していればプラスで減少していればマイナスになり、基準点として0点を選ぶことができる。測定時点の周辺で、機械的揺らぎや温度の不平衡等により測定値がプラスかマイナスの方向に一定値ずれること、即ちドリフトのように見かけ時間に関して1次の関数として変化するような場合があるが、長時間にわたって積分し平均を取ればほぼ0の付近の値となる。このように通常の測定データでは基準点をとることがドリフトの存在から難しいが、差分データをとることにより、そのデータを、基準点からのずれのデータとして検出することができる。
図7〜9は、それぞれ5秒、100秒、又は200秒間隔で差分をとったものである。これらを比較すると分かるように、差分をとればかなり精度よく変化量の測定が可能であるが、差分時間が短くなると図7,8からも分かるようにデータとしての感度は下がるがベースラインはほとんど揺らぎを検出しない。一方、感度を稼ぐために図9のように差分時間幅を大きく取ると揺らぎやドリフトに基づいてベースラインが0点から一定値はずれたり、揺らぎの信号を検出することになる。
図10は、差分時間間隔とイベントのない領域のデータの揺らぎに基づく標準偏差値をそのとき測定したアンモニア1ppmのピークの高さで除算した、いわゆるS/N比と差分時間の関係を示したものであるが、この場合は100秒前後が最も良好なS/N比を示し、約1/200ppm程度の驚異的感度である。このようにイベントの緩和時間のような時間が分かれば、その最も長いと思われる緩和時間間隔の差分をとればそれ以内の漏洩速度では十分高感度に検出することができることとなる。例えば、このデータのようにアンモニアが1ppm/分で漏洩したような場合、配管内で分析物が薄められてしまうから積分最高点までの緩和時間が約2分であり、従って、2分くらいの時間幅で差分をとることにより最高の感度を得ることができる。
図11は、最初は1ppm/分、1ppm/10分、及び1ppm/3分のそれぞれの速度でアンモニアが漏洩した場合の複合的濃度変化を示したものである。アンモニアの漏洩速度に従って、検出されたピークの大きさに差があり、漏洩速度が遅い場合(1ppm/10分)アンモニア濃度が薄まって正確に検出することが難しい。そこで、上で得られた差分値データをもう一度同じ時間で差分をとることにより、ドリフトとして検出され0点からはずれていたベースラインが0点に限りなく近づきピークとして検出することが可能となる(図12)。図12において丸で囲んだ領域は2回目の差分をとることにより明瞭に変化が起こっていることが分かる。
上述の通り、理解の容易化のために図表及び実施例を用いて本発明を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲においてなしうる変更・修正等は本発明の教示の範囲に含まれることは当業者には明白であろう。本書において引用した特許文献はすべて参照をもって繰り込みその内容は本書に記載されたものとみなす。
本発明の検出方法及び装置は、上記冷凍システムにおけるアンモニアの検出のみならず、広く流動媒体中に混入する微量の被測定物質の測定に利用することができ、水処理系システムや地球規模での環境問題等、極めて広範囲の産業に利用可能である。
本発明の方法の検出対象となる漏洩のパターンの典型例を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態としてのアンモニア漏洩検出装置の配管図を示したものである。 試料採取時のゴミ除去機構を模式的に示したものである。 電気伝導度の増加分と添加したアンモニア濃度との関係を表したグラフである。 通常の電気伝導度計指示においてPGにアンモニアとNaOHを添加したときのチャートである。 PGにアンモニアとNaOHを添加したときのチャート(図5)を約500倍拡大したときの電気伝導度計指示を表す。 PGにアンモニアとNaOHを添加したときの電気伝導度の変化を差分間隔5秒で計算した差分値を表示したグラフである。 PGにアンモニアとNaOHを添加したときの電気伝導度の変化を差分間隔100秒で計算した差分値を表示したグラフである。 PGにアンモニアとNaOHを添加したときの電気伝導度の変化を差分間隔200秒で計算した差分値を表示したグラフである。 ノイズ信号強度比と差分間隔(秒)を表したグラフである。 初期1ppm/分、中期1ppm/10分、後期1ppm/3分でアンモニアを添加したときの電気伝導度変化の差分値を表示したグラフである。 初期1ppm/分、中期1ppm/10分、後期1ppm/3分でアンモニアを添加したときの電気伝導度変化の2回差分値を表示したグラフである。
符号の説明
10 試料入口部のボールバルブ
20 ポンプ
30 プレヒーター
40 電気伝導度測定用セル
50 試料出口部のボールバルブ
60 試料の流路
70 制御システム
80 ゴミ除去機構

Claims (12)

  1. 流動媒体に含まれる被測定物質の検出方法であって、
    前記流動媒体よりそれぞれ所定の時間を置いて複数回にわたって試料を採取する工程、
    前記採取された試料の物性を測定する工程、
    前記少なくとも2つの互いに異なる時間に採取された試料に関する少なくとも2つの測定値の差をとる工程、及び
    前記少なくとも2つの測定値の差と予め定めた所定の値との大小関係を比較して前記被測定物質が存在するか否かを決定する工程、
    を含むことを特徴とする検出方法。
  2. 前記試料の物性値が電気伝導度、屈折率、吸光度、水素イオン濃度、又は蛍光強度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記被測定物質が、前記流動媒体に外部系から混入する成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 流動媒体に外部系から混入する被測定物質の検出方法であって、
    前記流動媒体よりそれぞれ所定の時間を置いて複数回にわたって試料を採取する工程、
    前記採取された試料の導電性を測定する工程、
    前記少なくとも2つの互いに異なる時間に採取された試料に関する少なくとも2つの測定値の差分値を求める工程、及び
    前記差分値と予め定めた所定の値との大小関係を比較して前記被測定物質が混入したか否かを決定する工程、
    を含むことを特徴とする検出方法。
  5. 前記流動媒体の流速又は温度の変化を測定し、前記差分値及び前記所定値の少なくとも一つを補正することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記所定の時間は、5秒〜200秒の何れかの一定時間であることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記測定値の差分計算を2回繰り返すことを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記流動媒体がチラー循環溶液であり、前記被測定物質がアンモニアであることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の方法。
  9. 流動媒体に外部系より混入する被測定物質の検出装置であって、当該装置は、
    流動媒体の流路から試料を導入する入口部と、
    採取した試料を前記流動媒体の流路に返送するための出口部と、
    入口部と出口部との間を流れる試料の流路と、
    前記試料の流路の一部に沿って設けたプレヒーターと、
    前記試料の流路の一部に設けた電気伝導度測定用の測定セルと、及び
    前記プレヒーター及び測定セルと電気的に連結され、前記測定データを処理するための制御システムとを備え、
    前記制御システムは、少なくとも2つの互いに異なる時間に測定された少なくとも2つの測定値の差分値を求めることを特徴とする、検出装置。
  10. 前記制御システムは、前記差分値と予め定めた所定の値との大小関係を比較して警報を発するか否かを決定することを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 前記プレヒーターは、前記試料を少なくとも2つの温度に段階的に上昇させることを特徴とする請求項9又は10に記載の装置。
  12. 前記流動媒体がチラー循環溶液であり、前記被測定物質がアンモニアであることを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の装置。
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