JP2005214927A - 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法 - Google Patents

並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005214927A
JP2005214927A JP2004025459A JP2004025459A JP2005214927A JP 2005214927 A JP2005214927 A JP 2005214927A JP 2004025459 A JP2004025459 A JP 2004025459A JP 2004025459 A JP2004025459 A JP 2004025459A JP 2005214927 A JP2005214927 A JP 2005214927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical
interference
measurement method
detection method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004025459A
Other languages
English (en)
Inventor
Kinpui Chan
キンプイ チャン
Masahiro Akiba
正博 秋葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamagata Public Interest Foundation for Development of Industry
Original Assignee
Yamagata Public Interest Foundation for Development of Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamagata Public Interest Foundation for Development of Industry filed Critical Yamagata Public Interest Foundation for Development of Industry
Priority to JP2004025459A priority Critical patent/JP2005214927A/ja
Publication of JP2005214927A publication Critical patent/JP2005214927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】光波の位相の空間分布を有効に検出できる並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法を提供する。
【解決手段】並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法であって、干渉光の位相の直交成分を2台のイメージセンサ32,34を用いてそれぞれ検出することにより、イメージセンサ32,34の記録レートでの干渉光波の位相分布を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体、特に微細表面構造を持つ、透明もしくは光吸収と散乱媒質に光ビームを照射し、その被検体を伝搬(反射もしくは透過)した光を利用して、その被検体の表面もしくは内部の形態情報を画像化する光干渉計測方法に関するものである。
近年、光干渉法を用いた光画像計測技術は、非接触で高い空間分解能を持つことから、微細構造を持つサンプルの内部ないし外部形状の計測に盛んに応用されている。図5に広く用いられているマイケルソン干渉計の基本構成を示す。
図5において、1はレーザ光源、2は半透明ミラー、3は参照ミラー、4は被測定物体、5は光検出器である。
干渉計において重畳される参照光と信号光の強度をそれぞれIr とIs 、また両光波の間の周波数差をfifとすると、光検出器5から次のようなヘテロダイン信号が得られる(例えば、下記非特許文献1参照)。
Figure 2005214927
式(1)の第3項は交流電気信号で、その周波数fifは、二つの光波のうなり(ビート)に等しいことから、ビート周波数と呼ばれる。ヘテロダイン干渉計では、参照光と信号光の少なくとも一方を、例えば音響光学変調器で周波数シフトすることにより、2つの光波に差周波数を与えることができる。
他方、ヘテロダイン検出法で得られる電気信号の位相Δθには両光波間の光路長差Δlの情報が含まれている。光波長をλとすると、Δθ=φ+2πΔl/λの関係がある。ここでは、φは測定の初期位相値である。
従って、参照光側にある被測定物体が光軸上、すなわち深さ(z−)方向上にΔz分の位置を変化すれば、ヘテロダイン信号の位相に4Δzπ/λの変化量が生じる。この位相の変化量を測定することにより、光波長以下の深さ分解能が得られる。また、ヘテロダイン検出法による位相測定を被測定物体の鉛直面(x−y)に対して実施すれば、高精度な表面形状測定を実現することができる(例えば、下記非特許文献2参照)。
また、本発明の基本的な構成を示す2次元光ヘテロダイン検出法を用いた光画像計測装置として、本願発明者らによる下記特許文献1が提案されている。
特開2001−330558号公報 吉沢、瀬田編、‘光ヘテロダイン技術’、新技術コミュニケーションズ社出版(1994) 辻内、河野、鈴木監修、"高精度鏡面形状測定法"、オプトロニクス社出版(1988) K.P.Chan,K.Satori,H.Inaba,Electronics Letters,Vol.34,1101(1998) M.Akiba,K.P.Chan,N.Tanno,Optics Letters,Vol.28,816(2003) J.H.Bruning,D.R.Herriott,J.E.Gllagher,D.White,J.Brangacio,Applied Optics,Vol.13,2693(1974)
ヘテロダイン電気信号の位相を測定するために、ビート周波数と同じ周波数の基準信号を用いた比較方法が広く用いられている。この方法では、検出されたヘテロダイン信号と基準信号を位相比較回路に入力して位相差を求める。このような位相測定方法は構成が比較的簡単であり、単一検出器を用いた光ヘテロダイン干渉計に用いられることが多い。しかし、2次元形状計測では、光ビームの走査によって被測定体の各部位からの反射光波を順次に検出する必要があるので、計測時間の短縮に限界がある。
図6は画像計測の更なる高速化を図った従来のマイケルソン干渉計の基本構成図である。
この図において、11はレーザ光源、12,13はレンズ、14は半透明ミラー、15は参照ミラー、16は被測定物体、17は2次元光センサアレイである。
画像計測の更なる高速化のためには、例えば図6に示すように、レーザ光源11からの信号光のビーム径を広げて被測定物体16に入射し、その反射光波を2次元光センサアレイ17、例えばCCD(charge−coupled device)カメラで並列検出する方法が有効であると思われる。これにより、光軸に垂直なx−y面上の位相分布を求めることができる。しかし、現在市販されているCCDカメラは応答特性が低く、数kHzから数MHz程度のビート周波数に追従できないという問題点がある。
光ヘテロダイン信号の並列検出方法として、2次元光検出器アレイによる方法が報告されている(例えば、上記非特許文献3参照)。この方法では、2次元光検出器アレイからの複数のヘテロダイン信号は並列の信号処理系に入力され、めいめいのヘテロダイン信号振幅と位相を検出することができる。しかし、位相分布測定の空間分解能が高くなるにつれてアレイの素子数が増え、その素子数に対応したチャンネル数をもつ信号処理系が必要となることから、実用上に難点がある。
本発明は、上記状況に鑑み、光波の位相の空間分布を有効に検出できる並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、連続光を出力するコヒーレント光源から出射した光ビームを第1のレンズと第2のレンズによってビーム径を広げ、さらに第1のビームスプリッタにより、信号光と参照光とに二分し、参照光と分かれた信号光は、被測定物体に入射し、該被測定物体からの反射光波の一部は第1のビームスプリッタによって反射され、一対の結像用レンズを介して第2のビームスプリッタへ伝送され、一方、参照光は周波数シフタを通過することで周波数シフトを受けた後、参照ミラーへ伝送され、該参照ミラーからの反射光波は前記周波数シフタを再び通過することで更なる周波数シフトを受け、その参照光波の一部は第1のビームスプリッタを透過して信号光と重畳することにより干渉光を生成し、該干渉光は前記一対の結像用レンズを透過
して第2のビームスプリッタへ伝搬し、干渉光の位相の直交成分を2台のイメージセンサを用いてそれぞれ検出することにより、イメージセンサの記録レートでの干渉光波の位相分布を測定することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記イメージセンサがCCDカメラであることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、干渉光波の位相分布を測定するために、前記第1のビームスプリッタにより光波重畳された干渉光を前記第2のビームスプリッタで2分割し、2分割された干渉光ビームを第1のシャッターと第2のシャッターを用いて周期的遮断(サンプリング)し、それらサンプリング周波数が等しく、ともにΔfである場合、サンプリング周波数とビート周波数間の差(δf=|fD −Δf|)が小さく、蓄積型イメージセンサの応答周波数に比べて十分低い場合、干渉光を受光した第1のイメージセンサからは次式のような
Figure 2005214927
(ただし、K1 は第2のビームスプリッタの透過率及び第1のイメージセンサの光電変換率を含めた光検出効率)
出力i1 を求めることを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1及び第2のシャッターのon−offタイミング間にΔt=1/(4Δf)の時間差を設けることにより、前記第1のシャッターにかけるサンプリング関数の位相を前記第2のシャッターにかけるサンプリング関数の位相に対して相対的にπ/2シフトし、前記第2のイメージセンサからの出力i2 を次式
Figure 2005214927
(ただし、K2 は第2のビームスプリッタの透過率および第2のイメージセンサの光電変換率を含めた光検出効率)
を用いて求めることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
〔5〕上記〔4〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1のシャッターと第2のシャッターをon(開)の状態に保ち、連続的な干渉光を受光し、この干渉光のビート周波数が蓄積型イメージセンサの応答周波数より十分高いことを条件として、前記2台のイメージセンサからの出力i3 とi4 を次式
3 =K1 ・(Is +Ir ) …(4)
4 =K2 ・(Is +Ir ) …(5)
で求め、
これにより、前記第1及び第2のイメージセンサに含まれる干渉信号成分S1 ,S2
Figure 2005214927
で求め、上記両式の比較から、光干渉信号の振幅である
Figure 2005214927
を求めることを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕又は〔2〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記干渉光をそのビート周波数に近い周波数でサンプリングしてさらに前記2台のイメージセンサで受光することで、ヘテロダイン信号成分をゼロないしゼロに近い周波数δfの交流信号として検出することを特徴とする。
〔7〕上記〔6〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記ヘテロダイン信号成分を直流信号として検出することを特徴とする。
〔8〕上記〔1〕又は〔2〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として連続発振のレーザ光源を用いることを特徴とする。
〔9〕上記〔1〕又は〔2〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として可干渉距離100μm以下のスーパールミネセントダイオード(SLD)を用いて、ヘテロダイン干渉計測が低コヒーレンス干渉の性質を有するようにすることを特徴とする。
〔10〕上記〔1〕又は〔2〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として可干渉距離50μm以下の発光ダイオードを用いることを特徴とする。
〔11〕上記〔3〕記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1及び第2のシャッターが液晶素子を用いた高速光シャッターであることを特徴とする。
本発明によれば、光波の位相の空間分布を有効に検出できる並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法を提供することができる。
連続光を出力するコヒーレント光源から出射した光ビームを第1のレンズと第2のレンズによってビーム径を広げ、さらに第1のビームスプリッタ(BS1)により、信号光と参照光とに二分し、参照光と分かれた信号光は、微細な外部形状をもつ被測定物体に入射し、該被測定物体からの反射光波の一部は第1のビームスプリッタ(BS1)によって反射され、一対の結像用レンズを介して第2のビームスプリッタ(BS2)へ伝送され、一方、参照光は周波数シフタを通過することで周波数シフトを受けた後、参照ミラーへ伝送され、該参照ミラーからの反射光波は前記周波数シフタを再び通過することで更なる周波数シフトを受け、その参照光波の一部は第1のビームスプリッタ(BS1)を透過して信号光と重畳することにより干渉光を生成し、該干渉光は前記一対の結像用レンズを透過し
て第2のビームスプリッタ(BS2)へ伝搬し、干渉光の位相の直交成分を2台のイメージセンサを用いてそれぞれ検出することにより、イメージセンサの記録レートでの干渉光波の位相分布を測定する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す2次元光ヘテロダイン画像計測装置の構成図である。
この図において、21はレーザ光源、22,23はビーム径を広げるためのレンズ、24は第1のビームスプリッタ(BS1)、25は周波数シフタ、26は参照ミラー、27は被測定物体、28,29は結像用レンズ、30は第2のビームスプリッタ(BS2)、31は第1のシャッター、32は第1のイメージセンサ(第1のCCD)、33は第2のシャッター、34は第2のイメージセンサ(第2のCCD)、35はパルス信号発生器、36はπ/2位相シフタである。
連続光を出力するコヒーレント光源、例えば、レーザ光源21から出射した光ビームはレンズ22とレンズ23によってビーム径が広げられ、さらに第1のビームスプリッタ(BS1)24により、信号光と参照光とに二分される。参照光と分かれた信号光は、例えば微細な外部形状をもつ被測定物体27に入射する。被測定物体27からの反射光波の一部は第1のビームスプリッタ(BS1)24によって反射され、第2のビームスプリッタ(BS2)30へ伝送される。
一方、参照光は例えば電気光学変調器もしくは音響光学変調器からなる周波数シフタ25を通過することで周波数シフトを受けた後、参照ミラー(全反射鏡)26へ伝送される。参照ミラー26からの反射光波は周波数シフタ25を再び通過することで更なる周波数シフトを受ける。このような参照光波の一部は、第1のビームスプリッタ(BS1)24を透過して信号光と重畳することにより干渉光を生成する。干渉光は、結像用レンズ28と29を透過して第2のビームスプリッタ(BS2)30へ伝搬する。
本発明によれば、イメージセンサ32,34、例えばCCDカメラを用いて光ヘテロダイン検出を行うことにより、信号光の位相の空間分布を測定する。
以下に、本発明による測定原理を説明する。
上記した第1のビームスプリッタ24(BS1)からなる光波重畳の手段で得た干渉光を第2のビームスプリッタ(BS2)30で2分割する。さらに、2分割された干渉光ビームを第1のシャッター31と第2のシャッター33を用いて周期的遮断(サンプリング)する。それらサンプリング周波数が等しく、ともにΔfであるとする。
ここで、サンプリング周波数とビート周波数間の差(δf=|fD −Δf|)が小さく、蓄積型光センサの応答周波数に比べて十分低いのであれば、周波数同期検出の原理により、干渉光を受光した第1のイメージセンサ32からは次のような出力i1 が得られる(例えば、上記非特許文献4参照)。
Figure 2005214927
ここで、K1 は第2のビームスプリッタ(BS2)30の透過率および第1のイメージセンサ32の光電変換率を含めた光検出効率である。第1のイメージセンサ32は多数の受光素子(ピクセル)を持っており、めいめいの出力には、上記式(2)に従って入射してくる参照と信号の両光波の強度と位相差の情報が含まれることが明白である。
本発明によれば、第1,第2のシャッター31,33のon−offタイミング間にΔt=1/(4Δf)の時間差を設けることで、第1のシャッター31にかけるサンプリング関数の位相を第2のシャッター31にかけるサンプリング関数の位相に対して相対的にπ/2シフトすれば、第2のイメージセンサ(第2のCCD)34からの出力i2 は、
Figure 2005214927
で求められる。ここで、K2 は第2のビームスプリッタ(BS2)34の透過率と第2のイメージセンサ(第2のCCD)34の光電変換率を含めた光検出効率である。
式(2)と式(3)から分かるように、イメージセンサの出力には信号光と参照光の強度のほかに、光干渉信号の振幅〔√(Is r )〕及び位相(2πδft+φ)に関する項が含まれている。
本発明によれば、干渉光をそのビート周波数に近い周波数でサンプリングしてさらにイメージセンサで受光することで、ヘテロダイン信号成分をゼロないしゼロに近い周波数δfの交流信号として検出する。この点が従来のヘテロダイン検出法と根本的に異なる点である。それにより、ヘテロダイン信号成分を直流信号として検出することも可能である。
本発明は、信号光のおよその強度を検出することに着眼し、上記2チャンネルのサンプリング方法と、次の検出方法を特徴とする。
例えば、図1に示す第1のシャッター31と第2のシャッター33を“on”、すなわち“開き”の状態に保つことにより、連続的な干渉光を受光することも可能である。その場合、干渉光のビート周波数が蓄積型光センサの応答周波数より十分高いのであれば、第1のイメージセンサ32と第2のイメージセンサ34からの出力i3 とi4 はそれぞれ次のようである。
3 =K1 ・(Is +Ir ) …(4)
4 =K2 ・(Is +Ir ) …(5)
そこで、本発明によれば、以下のような演算処理を施すことにより、光干渉信号の振幅〔√(Is r )〕に関する情報を抽出する。
上記式(2)〜(5)の結果から、第1、第2のイメージセンサの出力に含まれる干渉信号成分は以下のように算出される。
Figure 2005214927
上記式(6)と式(7)の比較から、S2 とS1 はそれぞれ同期検出法における“I”(in−phase)信号と“Q”(quadrature)信号に対応することが分かる。これより、光干渉信号の振幅は
Figure 2005214927
と求まる。ここで、rは第1、第2の両イメージセンサ32,34による検出効率の比であり、上記式(4)と式(5)から次のように与えられる。
Figure 2005214927
本発明は、上記したように、干渉信号の振幅が求まることを十分認識して、次の測定方法で干渉光の位相の空間分布を求めることを特徴とする。
ある測定時間t=t1 において、第1、第2のイメージセンサ32,34から干渉成分S1 (t1 )とS2 (t1 )が検出されるとすると、上記式(6)と式(7)から両干渉成分の比を取ることで次のような結果が得られる。
Figure 2005214927
上記式(10)から、信号S1 (t1 )とS2 (t1 )の強度比は干渉光の振幅に依存せず、干渉光波の位相情報のみを含めていることが分かる。これより、2次元のセンサアレイ例えばCCDカメラを用いて干渉光を2次元(x−y面)検出することにより、各ピクセルで検出される電気信号の位相φ(x,y)を次のように求めることができる。
Figure 2005214927
上記式(11)の第2項はゼロないしゼロに近い周波数をもつ交流信号の測定時間t1 における瞬時位相値で、CCDのピクセルの位置によらず、均一であると考えられる。従って、例えばCCDセンサの中心(x=0,y=0)に位置するピクセルで検出される位相を基準に、各ピクセルで検出される電気信号の位相差を求めることにより、ヘテロダイン信号、すなわち干渉光波の位相差の空間分布を画像化することができる。ここでは、例としてCCDセンサの中心位置で検出される電気信号の位相を基準値としたが、他の位置で検出される位相を基準にしても干渉光波の位相分布の画像化に有効であることが明白である。
図2は、本発明による図1の光画像計測装置に広帯域光源として連続出力のスーパールミネセントダイオード(SLD)を用いた実施例を示す。
この図において、広帯域光源として連続出力のSLD41を用いる点と、参照ミラーとしてZ軸スキャンが可能なピエゾ素子42を有する参照ミラー43を配置する点以外は図1に示す光画像計測装置と同様である。
市販されている近赤外域SLDの場合コヒーレント長lc ≒30μm、また発光ダイオード(LED)の場合lc ≒10μm程度である。このような広帯域光源を用いることにより、図2に示されるヘテロダイン干渉計は低コヒーレンス干渉の性質を備えることを特徴とする。
低コヒーレント光源を用いた図2に示される計測装置によるヘテロダイン干渉計測では、信号光と参照光との光路長差が光源の極めて短いコヒーレント長以内にあるときのみ、光干渉が生成される。そのため、例えば参照ミラー43の位置をスキャンして参照光の光路長を信号光の光路長に等しくなるように調節することが望ましい。他方、図2の実施例では、低コヒーレンス干渉の性質を備えることにより、被測定物体の表面もしくは内部からの干渉光を深さ分解して検出することができる。
また、図2の実施例では、光ヘテロダイン計測におけるビート周波数を発生する機構として、参照ミラー43の背後に振動素子、例えばピエゾ素子42を付着させ、参照ミラー43の振動によって参照光にドップラ周波数シフトを与える。第1のシャッター31と第2のシャッター33としては、例えば液晶素子または電気光学素子を用いた高速シャッターを使用することが望ましい。
図2の実施例を用いた位相分布の測定結果例を図3に示す。ここでは、広帯域光源として連続出力のSLD(中心波長830nm、スペクトル半値幅約20nm)、また、被測定物体としてガラス凸レンズ(焦点距離100mm)を用いた。図3の2次元位相分布を定量的に考察するために、図4に位相値の変化を表す1次元表示を示す。ただし、図4の結果は、図3において矢印で示されている横線A−Aに対応したものである。図3と図4の結果で見られるように、干渉光の位相の空間分布はレンズの表面形状に対応して連続的に変化している。この位相変化分から、被測定物体の表面形状を精密に計測できる。
なお、光源としては、可干渉距離100μm以下のSLDを用いることができる。また、光源としては、可干渉距離50μm以下の発光ダイオードを用いるようにしてもよい。更に、前記第1、第2のシャッターとしては液晶素子を用いた高速光シャッターが望ましい。
高精度形状測定方法として、光干渉計にイメージセンサ、例えばCCDカメラを用い、参照光の位相を順次シフトさせながら、複数の干渉縞を記録する位相シフト方法がよく知られている(例えば、上記非特許文献5参照)。この従来の方法に比べて、本発明は、周波数同期検出方法を光ヘテロダイン検出に応用することにより、干渉光の位相の直交成分を2台のイメージセンサ、例えばCCDカメラを用いてそれぞれ検出することで、複数の干渉縞を記録することなく、イメージセンサの記録レートで干渉光波の位相分布を測定することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法は、被検体の表面もしくは内部の形態情報を画像化するのに適している。
本発明の実施例を示す2次元光ヘテロダイン画像計測装置の構成図である。 図1の光画像計測装置に広帯域光源として連続出力のスーパールミネセントダイオード(SLD)を用いた実施例を示す図である。 図2の実施例を用いた位相分布の測定結果例を示す図である。 図3の位相分布図において矢印で示される横線A−Aに対応した1次位相表示図である。 従来のマイケルソン干渉計の基本構成図である。 画像計測の更なる高速化を図った従来のマイケルソン干渉計の基本構成図である。
符号の説明
21 レーザ光源
22,23 ビーム径を広げるためのレンズ
24 第1のビームスプリッタ(BS1)
25 周波数シフタ
26,43 参照ミラー
27 被測定物体
28,29 結像用レンズ
30 第2のビームスプリッタ(BS2)
31 第1のシャッター
32 第1のイメージセンサ(第1のCCD)
33 第2のシャッター
34 第2のイメージセンサ(第2のCCD)
35 パルス信号発生器
36 π/2位相シフタ
41 連続出力のSLD
42 Z軸スキャンが可能なピエゾ素子

Claims (11)

  1. 連続光を出力するコヒーレント光源から出射した光ビームを第1のレンズと第2のレンズによってビーム径を広げ、さらに第1のビームスプリッタにより、信号光と参照光とに二分し、参照光と分かれた信号光は、被測定物体に入射し、該被測定物体からの反射光波の一部は第1のビームスプリッタによって反射され、一対の結像用レンズを介して第2のビームスプリッタへ伝送され、一方、参照光は周波数シフタを通過することで周波数シフトを受けた後、参照ミラーへ伝送され、該参照ミラーからの反射光波は前記周波数シフタを再び通過することで更なる周波数シフトを受け、その参照光波の一部は第1のビームスプリッタを透過して信号光と重畳することにより干渉光を生成し、該干渉光は前記一対の結像用レンズを透過して第2のビームスプリッタへ伝搬し、干渉光の位相の直交成分を2
    台のイメージセンサを用いてそれぞれ検出することにより、イメージセンサの記録レートでの干渉光波の位相分布を測定することを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  2. 請求項1記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記イメージセンサがCCDカメラであることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  3. 請求項1又は2記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、干渉光波の位相分布を測定するために、前記第1のビームスプリッタにより光波重畳された干渉光を前記第2のビームスプリッタで2分割し、2分割された干渉光ビームを第1のシャッターと第2のシャッターを用いて周期的遮断(サンプリング)し、それらサンプリング周波数が等しく、ともにΔfである場合、サンプリング周波数とビート周波数間の差(δf=|fD −Δf|)が小さく、蓄積型イメージセンサの応答周波数に比べて十分低い場合、干渉光を受光した第1のイメージセンサから次式のような
    Figure 2005214927
    (ただし、K1 は第2のビームスプリッタの透過率及び第1のイメージセンサの光電変換率を含めた光検出効率)
    出力i1 を求めることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  4. 請求項3記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1及び第2のシャッターのon−offタイミング間にΔt=1/(4Δf)の時間差を設けることにより、前記第1のシャッターにかけるサンプリング関数の位相を前記第2のシャッターにかけるサンプリング関数の位相に対して相対的にπ/2シフトし、前記第2のイメージセンサからの出力i2 を次式
    Figure 2005214927
    (ただし、K2 は第2のビームスプリッタの透過率および第2のイメージセンサの光電変換率を含めた光検出効率)
    を用いて求めることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  5. 請求項4記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1のシャッターと第2のシャッターをon(開)の状態に保つことにより、連続的な干渉光を受光し、該干渉光のビート周波数が前記イメージセンサの応答周波数より十分高いことを条件として、前記2台のイメージセンサからの出力i3 とi4 を次式
    3 =K1 ・(Is +Ir
    4 =K2 ・(Is +Ir
    で求め、これにより、前記第1及び第2のイメージセンサに含まれる干渉信号成分S1 ,S2
    Figure 2005214927
    で求め、上記両式の比較から、光干渉信号の振幅である
    Figure 2005214927
    を求めることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  6. 請求項1又は2記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記干渉光をそのビート周波数に近い周波数でサンプリングしてさらに前記2台のイメージセンサで受光することで、ヘテロダイン信号成分をゼロないしゼロに近い周波数δfの交流信号として検出することを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  7. 請求項6記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記ヘテロダイン信号成分を直流信号として検出することを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  8. 請求項1又は2記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として連続発振のレーザ光源を用いることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  9. 請求項1又は2記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として可干渉距離100μm以下のセントダイオード(SLD)を用いて、ヘテロダイン干渉計測が低コヒーレンス干渉の性質を有するようにすることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  10. 請求項1又は2記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記コヒーレント光源として可干渉距離50μm以下の発光ダイオードを用いることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
  11. 請求項3記載の並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法において、前記第1及び第2のシャッターが液晶素子を用いた高速光シャッターであることを特徴とする並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法。
JP2004025459A 2004-02-02 2004-02-02 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法 Pending JP2005214927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004025459A JP2005214927A (ja) 2004-02-02 2004-02-02 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004025459A JP2005214927A (ja) 2004-02-02 2004-02-02 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005214927A true JP2005214927A (ja) 2005-08-11

Family

ID=34907841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004025459A Pending JP2005214927A (ja) 2004-02-02 2004-02-02 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005214927A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007163241A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置及びこれに用いる可変波長光発生装置
JP5265050B1 (ja) * 2012-02-27 2013-08-14 株式会社シンクロン Led光源装置、膜厚測定装置及び薄膜形成装置
JP2018510362A (ja) * 2015-03-10 2018-04-12 レイセオン カンパニー イントラ・ピクセル直交検出を利用するコヒーレントladar

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007163241A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置及びこれに用いる可変波長光発生装置
JP4677636B2 (ja) * 2005-12-13 2011-04-27 日本電信電話株式会社 オプティカル・コヒーレンス・トモグラフィー装置及びこれに用いる可変波長光発生装置
JP5265050B1 (ja) * 2012-02-27 2013-08-14 株式会社シンクロン Led光源装置、膜厚測定装置及び薄膜形成装置
JP2018510362A (ja) * 2015-03-10 2018-04-12 レイセオン カンパニー イントラ・ピクセル直交検出を利用するコヒーレントladar
JP2019215363A (ja) * 2015-03-10 2019-12-19 レイセオン カンパニー Ladarシステム及び方法
US10845468B2 (en) 2015-03-10 2020-11-24 Raytheon Company Coherent LADAR using intra-pixel quadrature detection
JP2021056241A (ja) * 2015-03-10 2021-04-08 レイセオン カンパニー Ladarシステム及び方法
JP7098706B2 (ja) 2015-03-10 2022-07-11 レイセオン カンパニー Ladarシステム及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7307733B2 (en) Optical image measuring apparatus and optical image measuring method
US7372578B2 (en) Optical image measuring apparatus
JP3594875B2 (ja) 2次元光ヘテロダイン検出法を用いた光画像計測装置
US7614744B2 (en) Optical image measuring apparatus
US7312876B2 (en) Optical image measuring apparatus
JP4505807B2 (ja) 多重化スペクトル干渉光コヒーレンストモグラフィー
US7492466B2 (en) Optical image measuring apparatus and optical image measuring method
JP4409331B2 (ja) 光画像計測装置
JP4381847B2 (ja) 光画像計測装置
US7486402B2 (en) Optical image measuring apparatus
JP4344829B2 (ja) 偏光感受光画像計測装置
US20050206906A1 (en) Optical image measuring apparatus
JPWO2017221324A1 (ja) 欠陥検査装置及び方法
JP4602372B2 (ja) 光画像計測装置及び光画像計測方法
Li et al. Sh-tof: Micro resolution time-of-flight imaging with superheterodyne interferometry
Tiziani et al. From speckle pattern photography to digital holographic interferometry
WO2013091584A1 (zh) 一种检测基质内缺陷的方法及装置
JP2001066247A (ja) 光計測装置
JP4852651B2 (ja) 多重化スペクトル干渉光コヒーレンストモグラフィー
JP2013257302A (ja) ヘテロダイン干渉装置
JP2005214927A (ja) 並列光ヘテロダイン検出法を用いた光干渉計測方法
JP5149923B2 (ja) 多重化スペクトル干渉光コヒーレンストモグラフィー
JP6501307B2 (ja) ヘテロダイン干渉装置
JP2006292608A (ja) 表面形状測定方法及び表面形状測定装置
JP2023531853A (ja) 高速検査用の傾斜型光干渉断層撮影イメージング

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070226

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311