JP2005214246A - 補修用被覆体 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設管路1内への施工作業を容易ならしめ、既設管路1内に、より安定的に設置することができる補修用被覆体10を提供する。
【解決手段】補修用被覆体10は、板部材が円筒状に湾曲してその板部材の基端縁と終端縁とが対向する筒状体21と、筒状体21に外嵌されて筒状体21の外周面と既設管路1の管路内周面2との間に被装される環状弾性部材11と、基端縁24と終端縁25との間に介在されて筒状体21の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させることにより基端縁24と終端縁25とを周方向に沿って互いに離間する方向に移動させて筒状体21を拡径する一対の拡径部材31を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、既設管路の管路内周面を被装して補修する補修用被覆体に関する。
一般に、地中に埋設される下水管等の管路には、ヒューム管、陶管、硬質塩化ビニル管等が広く使用されている。これら管路は、長期間の使用により地圧や地盤沈下等によって管路の継目部がずれて隙間ができたり、上載荷重等によって管路の一部にクラックが発生している場合がある。
この対策として管路の内周面を補修用被覆体によって被覆する管路補修方法がある。この管路補修方法に使用される補修用被覆体100は、例えば図14(a)に斜視図を示すように、スリーブ101及びベース110によって構成されている。
スリーブ101は、ゴム等の高弾性材料により円筒状に形成されたスリーブ本体102と、スリーブ本体102の外周面上で母線方向両側部分に各々周方向に連続して延びる環状の止水体103によって構成されている。
ベース110は、例えばステンレス鋼のような耐腐食性に優れる金属材料或いは合成樹脂製であって、一端部が他端部の内側となるように互いに重なる筒状、即ち渦巻状に変形された後、スリーブ101内に挿入される。
ベース110は、図14(b)に展開斜視図を示すように、細長い矩形状のベース部111を有し、ベース部111の両側端に沿ってスリーブ101を収容するように外側に湾曲した縁部112を有し、この縁部112により既設管路131(図15を参照)内を流れる下水や管路内洗浄の際、スリーブ101を保護し、かつベース110の補剛を図ることにより管路1の強度向上を図っている。
また、ベース110の一方端部側には、所定寸法を隔てて複数の係止穴113が列設され、他端部側に所定寸法を隔てて係止穴113に係止可能な係止片114が切起し加工によりベース110の内方へ突出するように形成され、これら係止穴113と係止片114とによりベース110を拡径した状態に維持する係止部115(図14(a)を参照)を構成している。
このように構成された補修用被覆体100を用いて既設管路131を補修する場合、まず、補修用被覆体100を拡径させるための拡開機120に装着する。拡開機120は、図15に示すように、円筒状の本体121と、この本体121の外周に固定され、圧力流体、例えば圧縮空気を供給することにより風船状に膨張する膨張部122とを有しており、この膨張部122を収縮させた状態でベース110の内側に挿入することにより補修用被覆体100が装着される。
次いで、補修用被覆体100及び拡開機120を予め管路内周面132が洗浄され、必要に応じて表面に付着したモルタルや侵入した木根等を取り除くための表面処理が施された既設管路131内の図示していないクラック発生部や継ぎ目等の補修箇所まで移動させる。
そして、地上に配置された流体源からホース123を介して圧縮空気を供給して膨張部122を膨張させる。膨張部122の膨張により補修用被覆体100のベース110が拡開され、いずれか一組の係止穴113に係止片114が係合可能になる程度に拡開される。その結果、ベース110の外周に配置されるスリーブ101は円筒状に拡げられ、管路内周面132に止水体103が圧接して弾性変形することにより管路内周面132とベース110との間を隙間なくシールする。
次に膨張部122に供給された圧縮空気を排出して膨張部122を収縮させる。膨張部122が収縮すると、スリーブ本体102及び止水体103の復元力によってベース110を縮径させる力がベース110に作用し、係止片114がいずれか一組の係止穴113に係合する。これによりベース110は僅かに縮径されるが、この縮径分はスリーブ本体102及び止水体103が僅かに復元することにより吸収される。従って、スリーブ本体102及び止水体103は管路内周面132とベース110とによって圧縮付与された状態に保持され、補修用被覆体100は管路1内に設置される。そして、拡開機120は既設管路131内から撤去される(例えば、特許文献1参照)。
また、本願出願人は、既設管路内で管路内周面に沿って周方向に並べることによって円筒状のスリーブを形成する複数のスリーブ構成部材と、そのスリーブの外周上に被装して既設管路内に配置することによりスリーブと管路内周面との間に介在される環状の弾性シート部材と、スリーブの母線方向両側からスリーブ構成部材の対向端部間に挿入して互いに接近する方向に移動させることによってスリーブを拡径させ、弾性シート部材を管路内周面に押圧して密着させる固定部材とを有した補修用被覆体を提案している(例えば、特許文献2を参照)。
これにより、補修用被覆体を組立式とし、補修用被覆体の既設管路内への施工作業を容易ならしめ、作業効率の向上を図ると共に、組み立て前はパーツごとに分解された状態とすることにより各部材の大きさや重量を小さくし、運搬及び搬入を容易なものとしている。
特開平9−123277号公報 特開2003−130282号公報
上記従来の第1の補修用被覆体100を用いた管路補修方法によると、拡開状態に保持されたベース110によりスリーブ101を管路内周面132に圧接保持することから管路内周面132がスリーブ101によって被覆された充分な補修効果が得られる。
しかしながら、ベース110は最大に拡開された状態から縮径することによって係止片114をいずれか一組の係止穴113に係合させているので、管路内周面132の径に応じて係止穴113と係止片114の位置関係が変化する。例えば、係止部115の断面を拡大して示す図16(a)のように、拡開機120により最大に拡開した際に、係止片114の先端が係止穴113と係止穴113との間の部分に当接しているときは、係止片114は距離X1を移動して係止穴113と係合する一方、図16(b)に示すように、最大拡径時に既に係止片114の先端が係止穴113内に侵入しているときは、係止片114は僅かな距離X2だけ移動するだけで係止穴113と係合する。
したがって、ベース110がスリーブ101を管路内周面132に押圧する力はベース110の縮径量に応じて変化し、縮径量が多い場合(図16(a)を参照)は押圧力は低く、縮径量が少ない場合(図16(b)を参照)は押圧力が高くなる。その結果、補修用被覆体100ごとに押圧力が異なり、止水能力や管路131内への固定能力に差を生ずるおそれがある。
また、管路131の補修部分が十分に表面処理されずに凹凸が残っている場合や、管路131の継ぎ目部分で管路内周面132の径が互いに異なっている場合は、ベース110の左右の拡径が異なることから、円筒状ではなく、テーパ状に拡開され、図17に示すように、ベース110の一方端部と他方端部が周方向に対して傾斜して交差するように重ね合わされる。このような場合、各係止片114は、その全てが一列の係止穴113に係合せず、また、他の列に跨って係合するおそれがある。
そして、係止片114の係止穴113への掛かりが浅い場合には、地上を車両が走行する際の振動や、地盤変動、地震によって係止片114が係止穴113から外れるおそれがある。したがって、十分な係合力を発揮することができず、スリーブ101を管路内周面132に押圧する力が不安定となり、適切な止水能力や既設管路131内への固定能力を確保することが困難となるおそれがある。
上述した従来の第2の補修用被覆体の場合、固定部材をスリーブの母線方向両側からスリーブ構成部材の対向端部間に挿入して互いに接近する方向に移動させることによってスリーブを拡径させている。したがって、常に最大拡径状態に保持することができ、常に最高の止水能力と固定能力を発揮させることができる。
本発明は、従来の第2の補修用被覆体よりも更に既設管路内への施工作業を容易ならしめ、既設管路内に、より安定的に設置することができる補修用被覆体を提供することを目的としてなされたものである。
上記課題を解決する請求項1に記載の補修用被覆体の発明は、既設管路の内周面に被装して既設管路を補修する補修用被覆体において、板部材が円筒状に湾曲してその板部材の基端縁と終端縁とが対向する筒状体と、筒状体に外嵌されて筒状体の外周面と既設管路の管路内周面との間に被装される環状弾性部材と、基端縁と終端縁との間に介在されて筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させることにより基端縁と終端縁とを周方向に沿って互いに離間する方向に移動させて筒状体を拡径する一対の拡径部材と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の補修用被覆体において、筒状体は、基端縁と終端縁の少なくとも一方が、母線方向中央部から母線方向両側端部に向かって移行するにしたがって周方向に沿って突出する一対の傾斜端縁を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の補修用被覆体において、一対の傾斜端縁が、筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かってそれぞれ移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出するようにほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在する一対の第1傾斜端縁と、各第1傾斜端縁の端部にそれぞれ連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出し前記第1傾斜端縁よりも小さな傾斜角度で直線状に延在する一対の第2傾斜端縁とを有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の補修用被覆体において、拡径部材が、筒状体の基端縁と終端縁との間に介在させることによって基端縁と終端縁に対して各々対向して当接する当接面を有した分離部と、分離部の一方端部に連続して形成されて筒状体の内周面の基端縁側と終端縁側に各々対向して平板状に延在する内側プレート部と、その内側プレート部との間に所定の間隙を有して略平行に延在するように分離部の他方端部に連続して形成されて筒状体の基端縁側の外周面と終端縁側の内周面に各々対向して平板状に延在する外側プレート部とを有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の補修用被覆体において、拡径部材の分離部が、拡径部材の移動方向前方側に第1傾斜端縁と所定長さに亘って対向して延在する第1当接面と、その第1当接面に連続して拡径部材の移動方向後方側に第2傾斜端縁と所定長さに亘って対向して延在する第2当接面とを有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の補修用被覆体において、筒状体は、一対の傾斜端縁が基端縁と終端縁に設けられており、拡径部材は、分離部の第1当接面と第2当接面が基端縁に対向する箇所と終端縁に対向する箇所に設けられており、基端縁側の第1当接面と終端縁側の第1当接面との間に形成される挟角が、基端縁の第1傾斜端縁と終端縁の第1傾斜端縁との間に形成される挟角と等しく、基端縁側の第2当接面と終端縁側の第2当接面との間に形成される挟角が、基端縁の第2傾斜端縁と終端縁の第2傾斜端縁との間に形成される挟角と等しい楔形状を有するように構成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の補修用被覆体において、筒状体は、終端縁が基端縁の内周面側に重なり円筒状に巻かれた基本姿勢状態を有し、終端縁の近傍位置でかつ母線方向中央部には径方向中心側に向かって突出する突出部が設けられ、拡径部材の内側プレート部には、拡径部材を終端縁の母線方向中央位置に配置して筒状体を拡径した際に筒状体の突出部に掛合して拡径部材を終端縁と共に周方向に沿って移動させることができる掛合部が外側プレート部に向かって突設されたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の補修用被覆体において、拡径部材は、外側プレート部の基端縁側の端部が内側プレート部の基端縁側の端部よりも延出する構成を有することを特徴とする。
請求項1の発明によると、板部材が円筒状に湾曲してその板部材の基端縁と終端縁とが対向する筒状体に環状弾性部材を外嵌し、一対の拡径部材を基端縁と終端縁との間に介在させて筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させて筒状体の拡径により環状弾性部材を管路内周面に圧接する位置に配置することにより、筒状体の外周面と前記既設管路の内周面との間に環状弾性部材を被装し、筒状体と管路内周面との間をシールする。これにより、管路内周面と弾性部材との間への地下水等の浸入や、既設管路内を流れる流水等のベース部と管路内周面との間への浸入を遮断し、十分な止水効果を確保する。
これによれば、拡径して装着する際に筒状体の縮径方向への戻りがなく、筒状体を最大拡径状態に保持することができる。したがって、筒状体がテーパ状に拡径された場合でも、筒状体の母線方向両側端部を管路内周面に互いに等しい押圧力で押圧することができる。したがって、補修用被覆体を既設管路内に固定する力を最大限に発揮させることができる。
また、一対の拡径部材を筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させるので、筒状体に母線方向に沿って引張力を与えながら拡径することができる。したがって、母線方向両側端部から母線方向中央部に向かって移動させて筒状体に母線方向圧縮力を与えて拡径するよりも、筒状体の母線方向への変形を抑えることができ、筒状体の拡径作業を容易に行うことができる。
請求項2の発明は、筒状体の基端縁と終端縁の形状を具体的に特定したものであり、これによれば、基端縁と終端縁の少なくとも一方が母線方向中央部から母線方向両側端部に向かって移行するにしたがって、周方向に沿って突出する一対の傾斜端縁を有するので、一対の拡径部材を基端縁と終端縁との間に介在させて、筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させることにより、基端縁と終端縁を周方向に沿って互いに離間する方向に移動させて、筒状体を拡径することができる。
よって、筒状体に外嵌している環状弾性部材を管路内周面に圧接して、筒状体の外周面と既設管路の内周面との間に被装した拡径状態に筒状体を保持することができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載した一対の傾斜端縁の形状を具体的に特定したものであり、これによれば、傾斜端縁は、筒状体の母線方向中央部側に第1傾斜端縁を有し、その母線方向両側端部側に連続して第2傾斜端縁を有しており、第1傾斜端縁の傾斜角度の方が第2傾斜端縁よりも大きく設定されている。
したがって、第1傾斜端縁では拡径部材の移動量に対する基端縁と終端縁との離間度合を大きくし、第2傾斜端縁ではその離間度合を小さくすることができる。これにより、拡径部材の移動開始直後は、拡径部材を第1傾斜端縁に沿って移動させることによって、筒状体を迅速に拡径させることができ、筒状体に外嵌されている環状弾性部材を管路内周面に迅速に接近させることができる。
そして、筒状体の母線方向両側端部側では、拡径部材を第2傾斜端縁に沿って移動させることによって、拡径部材を移動させる力よりも基端縁と終端縁とを離間させる方向の力を大きくすることができる。
したがって、第1傾斜端縁よりも拡径する力を大きくすることができ、環状弾性部材を管路内周面に最大限の力で圧接することができる。また、拡径部材を母線方向両側端部側から母線方向中央部側に戻す方向の力を小さくすることができ、拡径部材を基端縁と終端縁とに間に保持することができる。
請求項4の発明は、拡径部材の構成を具体的に特定したものであり、これによれば、拡径部材は、分離部が基端縁と終端縁にそれぞれ当接する当接面を有しており、内側プレート部が筒状体の基端縁側の内周面と終端縁側の内周面に各々対向するように平板状に延在し、外側プレート部が筒状体の基端縁側の外周面と終端縁側の外周面に各々対向するように平板状に延在する構成を有している。
したがって、基端縁と終端縁とを内側プレート部と外側プレート部との間に挿入して分離部の各当接面にそれぞれ当接させることによって、拡径部材を基端縁と終端縁との間に介在させた状態に保持することができる。
請求項5の発明は、請求項4に記載した分離部の当接面の構成を具体的に特定したものであり、これによれば、拡径部材を基端縁と終端縁との間に介在させて母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させることによって、第1当接面部を第1傾斜端縁に所定長さに亘って当接させて滑動させることができ、続いて第2当接面部を第2傾斜端縁に所定長さに亘って当接させて滑動させることができる。
請求項6の発明は、筒状体と拡径部材の構成を具体的に特定したものであり、これによれば、拡径部材の移動開始直後は、筒状体の基端縁の第1傾斜端縁に拡径部材の基端縁側の第1当接面を当接させると共に、筒状体の終端縁の第1傾斜端縁に拡径部材の終端縁側の第1当接面を当接させることができる。
そして、母線方向両側端部側では、筒状体の基端縁の第2傾斜端縁に拡径部材の基端縁側の第2当接面を当接させると共に、筒状体の終端縁の第2傾斜端縁に拡径部材の終端縁側の第2当接面を当接させることができる。したがって、基端縁と終端縁との間で拡径部材を安定して移動させることができる。
請求項7の発明は、筒状体と拡径部材の構成をそれぞれ具体的に特定したものであり、これによれば、筒状体の拡径によって終端縁が基端縁の内周面側に重なり円筒状に巻かれた状態から終端縁が周方向に沿って移動し基端縁から離間して互いに対向する位置に移動するまでの間、拡径部材を終端縁に掛合させた状態で移動させることができる。したがって、筒状体の拡径時に、互いに対向して離間した基端縁と終端縁との間に拡径部材を容易に配置することができる。よって、補修用被覆体の管路内への取り付け作業を自動化することができる。
請求項8の発明は、外側プレートと内側プレートの構成を具体的に特定したものであり、これによれば、外側プレート部の基端縁側の端部が内側プレート部の基端縁側の端部よりも延出しているので、筒状体の拡径により、内側プレート部の基端縁側の端部よりも基端縁が終端縁から離間した際に、基端縁を内側プレート部と外側プレート部との間に配置することができる。
次に、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1は、補修用被覆体10の構成を説明する分解斜視図、図2は、環状弾性部材11の構成を説明する断面図、図3は、筒状体21の展開図、図4は、拡径部材31の構成を説明する図、図5は、拡開機40の構成を説明する概略構成図、図6及び図7は、既設管路1内への取り付け方法を説明する図、図8〜図10は、基端縁24及び終端縁25と拡径部材31との係合状態を説明する図、図11は、図8のIII方向から矢視した図、図12は、図9のIV方向から矢視した図、図13は、拡径部材31による拡径状態を示す説明図である。尚、図1で矢印Hは、水平方向を示し、矢印Uは、上方向を示す。また、図4で矢印Fは拡径部材31の移動方向を示す。
補修用被覆体10は、地中に埋設された下水管等の既設管路1(図6及び図7参照)、特に直径が700mm以下のいわゆる小口径の既設管路1に形成されたひび割れや、継ぎ目部の隙間を補修するためのものであり、図1の分解斜視図に示すように、環状弾性部材11と、筒状体21と、一対の拡径部材31によって構成されている。
環状弾性部材11は、筒状体21の外周上に被装され、筒状体21の外周面によって既設管路1の管路内周面2に押圧されて密着される環状形状を有している。具体的には、図2に示すように、所定の厚み(例えば10mm)を有して筒状体21の外周を被装する筒状のシート部12と、シート部12の両側端部外周上で各々周方向に沿って突出形成されて頂部が管路内周面2に密着する環状の突条部13を有している。
突条部13は、本実施の形態では母線方向両端部にそれぞれ4本ずつ、合計で8本が設けられており、図2(a)の要部(丸枠内)の拡大図である図2(b)に示すように、断面が略台形形状を有している。そして、それぞれ片側4本の中央2本には、水分を吸収することによって膨潤する水膨潤ゴム14が使用されている。
尚、突条部13は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、水膨潤ゴム14を使用せず、突条部13のすべてをシート部12と同一の材料によって構成してもよく、また、突条部13の本数を適宜増減したり、断面形状が半円形状であってもよい。
図2(c)及び図2(d)は、突条部13の他の実施例を例示するものであり、図2(a)の要部に該当する図である。図2(c)に示す突条部15は、シート部12と同一の材料によってシート部12と一体に形成されており、断面が略直角三角形を有している。そして、最も外側に位置する突条部15a、15dは、直角三角形の斜辺が互いに対向しかつ底辺がシート部12側となるように形成されている。また、他の突条部15b、15cは、突条部15a、15dよりも高い位置まで突出し、直角三角形の斜辺が母線方向両端部側に向かって形成されている。上記形状を有する突条部15によれば、管路内周面2と筒状体21の外周面との間に水が浸入するのを確実に防ぎ、その止水効果を飛躍的に向上させることができる。
図2(d)に示す突条部16は、シート部12と同一の材料によってシート部12と一体に形成されており、母線方向に沿って交互に連続する山形形状の斜面16aを有している。そして、突条部16内には、環状の中空部16bが複数設けられており、空気・ガスなどの気体や、水、水溶液、オイルなどの液体、あるいはゲル状・ビスコース状などの粘性体16c等が封入されている。上記形状を有する突条部16によれば、周方向に沿って均一な圧力で突条部16を管路内周面2に押圧することができる。したがって、地震などによる継ぎ目部分のズレを防止し、漏水・土砂の管路1内への流入を防ぐことができる。
筒状体21は、ステンレス鋼、銅、銅合金のような耐腐食性に優れる金属材料或いはポリ塩化ビニル等の合成樹脂、若しくは形状記憶合金又は形状記憶合成樹脂製材料からなり、終端縁25が基端縁24の内周面側に重なる渦巻き状に巻かれて、環状弾性部材11を概観した状態で補修対象である管路1内に容易に挿入可能な一定の直径を保持し弾性変形により拡径可能な円筒形状を有する板部材22によって構成されている。
筒状体21の母線方向両側端部には、環状弾性部材11を両側から収容するように一対の縁部23が径方向外方に向かって折曲形成されており、この一対の縁部23により管路1内を流れる流水等から環状弾性部材11を保護し、かつ筒状体21の補剛を図ることにより管路1の強度向上を図っている。
筒状体21の基端縁24と終端縁25は、筒状体21の展開図である図3に示すように、筒状体21の母線方向に沿って延在し、互いに対称形状を有するように形成されている。
基端縁24は、筒状体21の母線方向中央部で筒状体21の母線方向に沿って延在する中央端縁24Aと、中央端縁24Aの両端に連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって互いに離間する方向に移行するにしたがって周方向に突出する一対の傾斜端縁24Bとを有している。
中央端縁24Aは、筒状体21の母線方向中央から両側端部に向かって移行するにしたがって漸次周方向に沿って突出するように筒状体21の母線方向に対してほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。
一対の傾斜端縁24Bは、母線方向中央部側に第1傾斜端縁24B−1が形成され、母線方向両側端部側に第2傾斜端縁24B−2が形成されている。第1傾斜端縁24B−1は、中央端縁24Aの両端に各々連続して筒状体21の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かってそれぞれ移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出するように、母線方向に対して中央端縁24Aよりも大きなほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。
第2傾斜端縁24B−2は、第1傾斜端縁24B−1に連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出し、母線方向に対して第1傾斜端縁24B−1よりも小さな傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。
終端縁25は、筒状体21の母線方向中央部で筒状体21の母線方向に沿って延在する中央端縁25Aと、中央端縁25Aの両端に連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって互いに離間する方向に移行するにしたがって周方向に突出する一対の傾斜端縁25Bとを有している。
中央端縁25Aは、筒状体21の母線方向中央から両側端部に向かって移行するにしたがって漸次周方向に沿って突出するように筒状体21の母線方向に対してほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。
一対の傾斜端縁25Bは、母線方向中央部側に第1傾斜端縁25B−1が形成され、母線方向両側端部側に第2傾斜端縁25B−2が形成されている。第1傾斜端縁25B−1は、中央端縁25Aの両端に各々連続して筒状体21の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かってそれぞれ移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出するように、母線方向に対して中央端縁25Aよりも大きなほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。
第2傾斜端縁25B−2は、第1傾斜端縁25B−1に連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出し、母線方向に対して第1傾斜端縁25B−1よりも小さな傾斜角度で直線状に延在するように形成されている。そして、母線方向に対する中央端縁25Aの傾斜角度と第2傾斜端縁25B−2の傾斜角度とが同じとなるように形成されている。
そして、図1及び図3に示すように、筒状体21の外周面には、基端縁24から所定長さだけ周方向に突出するように当板部材26が取り付けられている。当板部材26は、筒状体21の基端縁24と終端縁25との連結部分の強度を補強し、かつ最終拡径時に基端縁24と終端縁25との間に形成される隙間から環状弾性部材11が筒状体21の内周面側に突出するのを防ぐものであり、筒状体21よりも厚さが薄い、或いは同等の厚さを有し、拡径部材31によって拡径させた状態においても基端縁24と終端縁25との間を完全に被覆する大きさの板部材によって構成されている。
図3で符号27は、筒状体21の外周面に突設された突出部である。突出部27は、基端縁24の中央端縁24A及び第1傾斜端縁24B−1に沿って所定距離だけ離間した位置に突設されており、筒状体21の内周面と当板部材26との間に拡径部材31の外側プレート部34を挿入可能な間隙を形成している(図12を参照)。
また、図1及び図3で符号28は、筒状体21の内周面に突設された突出部である。突出部28は、終端縁25の母線方向中央部で所定長さに亘って中央端縁25Aに沿うように設けられている。
一対の拡径部材31は、筒状体21と同様に金属材料或いは合成樹脂製材料等によって構成されており、筒状体21の基端縁24と終端縁25との間にそれぞれ介在されて母線方向中央部から母線方向両側端部に向かって移動させることによって、基端縁24と終端縁25とを周方向に沿って互いに離間する方向に移動させて筒状体21を拡径するように構成されている。
具体的には、図4(a)の斜視図に示すように、筒状体21の内周面に沿って接面するように湾曲して形成された内側プレート部32と、内側プレート部32に突設されて拡径部材31の移動方向に沿って延在する分離部33と、分離部33に連続して筒状体の外周面に沿って接面するように湾曲して形成され、内側プレート部32との間に基端縁24及び終端縁25を挿入可能な間隙を有して延在する外側プレート部34を備えている。
内側プレート部32は、図4(a)のI方向矢視図である図4(b)に示すように、基端縁側辺32aと終端縁側辺32bが拡径部材31の移動方向に沿って延在し、前方側辺32cと後方側辺32dが拡径部材31の移動方向に直交する方向に延在する平面視略矩形状を有している。そして、内側プレート部32の略中央位置には、分離部33が拡径部材31の移動方向に沿って延在するよう突設されている。
分離部33は、内側プレート部32と外側プレート部34との間に挿入された基端縁24に対向して所定長さに亘って当接可能な基端縁側当接面33aと、終端縁25に対向して所定長さに亘って当接可能な終端縁側当接面33bとが拡径部材31の移動方向前方から後方に向かって移行するにしたがって漸次互いに離間する楔形状を有している。
そして、分離部33の基端側当接面33aと終端側当接面33bとの間に形成される角度αが、筒状体21を拡径させて基端縁24と終端縁25を対向させた際に基端縁24の第2傾斜端縁24B−2と終端縁25の第2傾斜端縁25B−2との間に形成される狭角と等しい角度となるように形成されている。
また、分離部33の移動方向前方部分は、拡径部材31の移動により基端縁24と終端縁25との間を積極的に離間させるべく、角度αよりも広角に形成されている。尚、分離部33の移動方向前方部分に形成される角度βが、基端縁24の第1傾斜端縁24B−1と終端縁25の第1傾斜端縁25B−1との間に形成される角度と等しい角度となるように形成してもよい。
外側プレート部34は、内側プレート部32よりも厚さが薄く形成されており、基端縁側辺34a、前方側辺34c、後方側辺34dは、それぞれ内側プレート部32の基端縁側辺32a、前方側辺32c、後方側辺32dに沿って延在するように形成されている。そして、外側プレート部34bの基端縁側辺34aは、内側プレート部32の基端縁側辺32aよりも分離部33側に接近した位置で分離部33の基端縁側当接面33aと平行に延在するように形成されている。そして、移動方向前方部分が前方側辺34cに滑らかに連続するように円弧状に面取りされている。
そして、図4(a)のII方向矢示図である図4(c)に示すように、内側プレート部32から分離部34を介して外側平板部33まで貫通する貫通孔35が穿設されている。この貫通孔35は、後述する拡開機40の爪部44を係入するためのものであり、本実施の形態では、一定径で連続する丸穴形状を有している。尚、貫通孔35は、丸穴の他に、長穴、角穴、楕円穴などの穴形状であってもよい。そして更に、貫通孔35内に爪部44を係止する係止部を設けて、より強固に爪部44に係止させる構成としてもよい。
また、内側プレート部32の終端縁側辺32b側には、係合片36が外側プレート部34に向かって突設されている。係合片36は、筒状体21の拡径によって終端縁25が基端縁24の内周面に沿って移動する際に、拡径部材31が終端縁25から外れてしまうのを防止するためのものであり、外側プレート部34との間に筒状体21の厚さよりも若干広い間隔の隙間を形成する高さを有し、拡径部材31を筒状体21の終端縁25の中央端縁25Aにセットしたときに基端縁側当接面33bとの間に突出部28を配置可能な位置に設けられている。
上記構成を有する補修用被覆体10は拡開機40によって管路1内に取り付けられる。拡開機40は、例えば図5に示すように、複数の車輪41を備えて管路1内を移動可能な胴体部42を有しており、胴体部42の両端部には、それぞれ膨張部43が設けられている。膨張部43は、本実施の形態では圧縮エアの供給により風船状に膨張する構造を有するものを採用しているが、他の圧力流体でもよく、また、これに代えて、電動モータとギヤとの組み合わせにより機械的に径方向に膨張する構造を有するものであってもよい。
そして、胴体部42の上部には、一対の爪部44が突出して母線方向に移動自在に設けられている。また、胴体部42の内部には、これら一対の爪部44を油圧の供給により互いに母線方向に離間させる油圧シリンダ45が収容されている。また、胴体部42内には、油圧の供給により爪部44及び油圧シリンダ45を上方に持ち上げて補修用被覆体を管路内周面の上部に配置することができるリフト装置46が設けられている。
次に、上記構成を有する補修用被覆体10を用いた既設管路1の補修方法について以下に説明する。
まず、図8に示すように、一対の拡径部材31を筒状体21の終端縁25の中央端縁25Aにセットし、拡径部材31の終端縁側当接面33bに終端縁25を当接させると共に、当接面33bと係合片36との間に突出部28を配置する。そして、筒状体21に環状弾性部材11を外嵌して補修用被覆体10を形成する。
次に、その補修用被覆体10を拡開機40の胴体部41に被せ、拡径部材31の貫通孔35に拡開機40の爪部44をそれぞれ係入して拡開機40に装着する。それから、流体源からホースを介して供給される圧縮エアにより膨張部43を膨張させて補修用被覆体10が拡開機40に対して変位しない程度に筒状体21に圧接させて補修用被覆体10を拡開機40に固定し、その状態を維持させる。
続いて補修用被覆体10及び拡開機40を、図6に示すように、予め内周面が洗浄され、必要に応じて付着したモルタルや混入した木根等を取り除くための表面処理が施された管路1内の補修箇所(継ぎ目部やクラック等)まで拡開機40に連結されたロープを牽引することにより移動させる。補修用被覆体10及び拡開機40の移動は、補修用被覆体10と共に図示していないテレビカメラを移動させつつ、テレビカメラによる映像をモニタで監視することにより所定位置へ移動させることができる。
そして、補修用被覆体10及び拡開機40を既設管路1内の補修箇所に配置すると、補修箇所において、リフト装置46により爪部44及び油圧シリンダ45を上方に持ち上げて補修用被覆体10の上部を管路内周面2の上部に当接させる。それから、筒状体21を拡径させるべく、膨張部43への圧縮エアの供給を再び開始する。
これにより、筒状体21は拡径されて、図11に矢印Rで示すように、基端縁24と終端縁25が周方向に沿って互いに離間する方向に移動を開始する。拡径部材31は、係合片36が突出部27に係合することによって、外側プレート部34が筒状体21の内周面に摺接しながら終端縁25と共に移動する。
そして、図9及び図12に示すように、中央端縁24Aが外側プレート部34の基端縁側辺34bよりも周方向に離間するまで拡径すると、外側プレート部34の基端縁側辺34aは、突出部28によって当板部材と基端縁24との間に形成された空間内に配置され、基端縁24が分離部33の基端縁側当接面33bに対向配置される。
ここで、油圧の供給により油圧シリンダ45を駆動させて一対の爪部44を互いに離間する方向に移動させる。これにより、拡径部材31は、筒状体21の母線方向中央部から両側端部に向かって移動し、図10に示すように、基端縁24の中央端縁24Aが分離部33の基端縁側当接面33aに当接する。
そして、基端縁側当接面34bが基端縁24の第1傾斜端縁24B−1に当接して滑動し、終端縁側当接面32bが終端縁25の第1傾斜端縁25B−1に当接して滑動する。これにより、基端縁24と終端縁25は、筒状体21の周方向に沿って互いに離間する方向に移動される。
また、膨張部43は、油圧シリンダ45の駆動による爪部44の移動に併せて、更に膨張される。この膨張部43の膨張動作により、拡径部材31による拡径動作を補助することができ、筒状体21の拡径をより円滑に行うことができる。したがって、油圧シリンダ45の負荷を小さくすることができ、小型の油圧シリンダの採用により、装置全体の軽量小型化を図ることが可能となる。
そして、環状弾性部材11の突条部13が管路内周面2に当接する程度まで筒状体21を拡径すると、今度は、図13に示すように、分離部33の基端縁側当接面33aが基端縁24の第2傾斜端縁24B−2に当接して滑動し、分離部33の終端縁側当接面33bが終端縁25の第2傾斜端縁25B−2に当接して滑動する。これにより、基端縁24と終端縁25は、筒状体21の周方向に沿って互いに離間する方向に移動される。そして、筒状体21は環状弾性部材11の突条部13が管路内周面2に当接し、環状弾性部材11の管路内周面2への押圧が開始される。
そして、図7に示すように、環状弾性部材11を管路内周面2に十分な押圧力で押圧して突条部13を圧縮変形させ、筒状体21と管路内周面2との間を水密的に接合する状態である最大拡径状態まで拡径させると、膨張部43内の圧縮エアを排出して膨張部43を収縮させ、膨張部43を管路内周面2から離間させると共に、油圧シリンダ45への油圧の供給を停止して圧力開放し、更にリフト装置46により爪部44と油圧シリンダ45を下降移動させて拡径部材31の貫通孔35と爪部44との係合を解除する。そして、拡開機40をテレビカメラと共に既設管路1内から撤去する。
リフト装置46の下降移動により爪部44の貫通孔35への係止が解除されると、補修用被覆体10の筒状体21には、自己の復元力及び環状弾性部材11の弾性力により基端縁24と終端縁25との間を接近させる方向に収縮しようとする力が作用する。
しかしながら、基端縁24と終端縁25との間には、拡径部材21が介在されているので、補修用被覆体10は、既設管路1内で最大拡径状態に保持され、筒状体21の縮径方向への戻りがない。したがって、管路内周面2と環状弾性部材11との間への地下水等の浸入や、既設管路1内を流れる流水等がシート部12と管路内周面2との間に浸入するのを遮断し、十分な止水効果を確保することができる。
特に、拡径部材31の基端縁側当接面33aと終端縁側当接面33bとの間に形成される角度αが、基端縁24の第2傾斜端縁24B−2と終端縁25の第2傾斜端縁25B−2との間に形成される角度に等しく設定されているので、拡径部材31の基端縁側当接面33a及び終端縁側当接面33bは、図13に示すように、その長手方向に亘って各第2傾斜端縁24B−2、25B−2にそれぞれ当接する。
従って、拡径部材31の基端縁側当接面33a及び終端縁側当接面33bと筒状体21の基端縁24及び終端縁25との摺動抵抗を増大させることができ、拡径部材31が母線方向両側端部から母線方向中央部に向かって移動するのを防ぐことができる。よって、筒状体21の縮径方向への戻りを防止し、既設管路1内で補修用被覆体10を最大拡径状態に強固に保持することができる。
また、筒状体21の縮径方向への戻りがなく、筒状体21を最大拡径状態に保持することができるので、例えば、筒状体21がテーパ状に拡径された場合でも、筒状体21の母線方向両側端部を管路内周面2にそれぞれ等しい押圧力で押圧することができる。
従って、常に最高の固定能力を発揮することができ、また、管路内周面2と環状弾性部材11との間への地下水等の浸入や、既設管路1内を流れる流水等のシート部12と管路内周面2との間への浸入を遮断するなどの十分な止水能力を発揮することができる。
上記構成を有する補修用被覆体1によれば、管路内周面2の内径寸法の誤差によって基端縁24と終端縁25との間に形成される間隙が通常よりも狭く、拡径部材31の移動量が少ない場合であっても、本発明の補修用被覆体10は、一対の拡径部材31を母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させるので、従来の母線方向両側端部側から母線方向中央部側に向かって拡径部材31を移動させるもののように拡径部材31の後部が筒状体21の母線方向両側端部から突出することがなく、拡径部材31全体を筒状体20内に完全に納めることができ、既設管路1内を流通するゴミなどが引っ掛かるのを防ぐことができる。
また、第1傾斜端縁24B−1、24B−1が第2傾斜端縁24B−2、25B−2よりも母線方向に対する傾斜角が大きくなるように設定されているので、拡径部材31の移動を開始した直後は、拡径部材31の移動量に対する基端縁24と終端縁25との離間する度合を大きくすることができる。
したがって、短い移動量で筒状体21を迅速に拡径することができ、傾斜端縁24の母線方向長さを短くすることができる。よって、筒状体21の母線方向両側端部間の長さを短くすることができ、補修用被覆体10の軽量小型化を図ることができる。
また、本発明では、筒状体21を拡径する際に、一対の拡径部材31を筒状体21の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって互いに離間する方向に移動させるので、基端縁24及び終端縁25に対して筒状体21の母線方向に沿って引っ張る方向の力を作用させることができる。
したがって、母線方向両側端部側から母線方向中央部側に向かって移動させるよりも、筒状体21の母線方向への変形を抑えることができ、筒状体21の拡径作業を容易に行うことができるという効果を有する。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、爪部44を拡径部材31の後端部に引っかけて押し移動させる構成としてもよい。これによれば、拡径部材31に貫通孔35を穿設する必要がなく、拡径部材31の製造工程数を少なくすることができ、低コスト化を図ることができる。
補修用被覆体の構成を説明する分解斜視図である。 環状弾性部材の構成を説明する断面図である。 筒状体の展開図である。 拡径部材の構成を説明する図である。 拡開機の構成を説明する概略構成図である。 既設管路内への取り付け方法を説明する図である。 既設管路内への取り付け方法を説明する図である。 拡径前の筒状体と拡径部材との位置関係を説明する要部拡大図である。 拡径途中の筒状体と拡径部材との位置関係を説明する要部拡大図である。 拡径部材による筒状体の拡径方法を説明する要部拡大図である。 図8のIII方向から矢視した図である。 図9のIV方向から矢視した図である。 拡径部材による拡径状態を示す説明図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
10 補修用被覆体
11 環状弾性部材
12 シート部
13 突条部
21 筒状体
24 基端縁
24A 中央端縁
24B 傾斜端縁
24B−1 第1傾斜端縁
24B−2 第2傾斜端縁
25 終端縁
25B 傾斜端縁
25B−1 第1傾斜端縁
25B−2 第2傾斜端縁
31 拡径部材
32 内側プレート部
33 分離部
33a 基端縁側当接面
33b 終端縁側当接面
34 外側プレート部
35 貫通孔

Claims (8)

  1. 既設管路の内周面に被装して前記既設管路を補修する補修用被覆体において、
    板部材が円筒状に湾曲して該板部材の基端縁と終端縁とが対向する筒状体と、
    該筒状体に外嵌されて前記筒状体の外周面と前記既設管路の管路内周面との間に被装される環状弾性部材と、
    前記基端縁と終端縁との間に介在されて前記筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移動させることにより前記基端縁と終端縁とを周方向に沿って互いに離間する方向に移動させて前記筒状体を拡径する一対の拡径部材と、
    を有することを特徴とする補修用被覆体。
  2. 前記筒状体は、前記基端縁と終端縁の少なくとも一方が、母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移行するにしたがって周方向に沿って突出する一対の傾斜端縁を有することを特徴とする請求項1に記載の補修用被覆体。
  3. 前記一対の傾斜端縁は、
    前記筒状体の母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かってそれぞれ移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出するようにほぼ一定の傾斜角度で直線状に延在する一対の第1傾斜端縁と、
    該各第1傾斜端縁の端部にそれぞれ連続して母線方向中央部側から母線方向両側端部側に向かって移行するにしたがって周方向に沿って漸次突出し前記第1傾斜端縁よりも小さな傾斜角度で直線状に延在する一対の第2傾斜端縁とを有することを特徴とする請求項2に記載の補修用被覆体。
  4. 前記拡径部材は、
    前記筒状体の基端縁と終端縁との間に介在させることによって前記基端縁と前記終端縁に各々対向して当接する当接面を有した分離部と、
    該分離部の一方端部に連続して形成されて前記筒状体の基端縁側の内周面と終端縁側の内周面に各々対向して平板状に延在する内側プレート部と、
    該内側プレート部との間に所定の間隙を有して略平行に延在するように前記分離部の他方端部に連続して形成されて前記筒状体の基端縁側の外周面と終端縁側の外周面に各々対向して平板状に延在する外側プレート部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の補修用被覆体。
  5. 前記拡径部材の分離部は、
    前記拡径部材の移動方向前方側に前記第1傾斜端縁と所定長さに亘って対向して延在する第1当接面と、該第1当接面に連続して前記拡径部材の移動方向後方側に前記第2傾斜端縁と所定長さに亘って対向して延在する第2当接面とを有することを特徴とする請求項4に記載の補修用被覆体。
  6. 前記筒状体は、前記一対の傾斜端縁が前記基端縁と前記終端縁に設けられており、
    前記拡径部材は、前記分離部の第1当接面と第2当接面が基端縁に対向する箇所と前記終端縁に対向する箇所に設けられており、基端縁側の第2当接面と終端縁側の第2当接面との間に形成される挟角が、前記基端縁の第2傾斜端縁と前記終端縁の第2傾斜端縁との間に形成される挟角と等しい楔形状を有するように構成されたことを特徴とする請求項5記載の補修用被覆体。
  7. 前記筒状体は、前記終端縁が前記基端縁の内周面側に重なり円筒状に巻かれた基本姿勢状態を有し、前記終端縁の近傍位置でかつ母線方向中央部には径方向中心側に向かって突出する突出部が設けられ、
    前記拡径部材の内側プレート部には、前記拡径部材を前記終端縁の母線方向中央位置に配置して前記筒状体を拡径した際に前記筒状体の前記突出部に掛合して前記拡径部材を前記終端縁と共に周方向に沿って移動させることができる掛合部が前記外側プレート部に向かって突設されたことを特徴とする請求項6に記載の補修用被覆体。
  8. 前記拡径部材は、
    前記外側プレート部の基端縁側の端部が前記内側プレート部の基端縁側の端部よりも延出する構成を有することを特徴とする請求項7に記載の補修用被覆体。
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