JP2005212311A - 熱可塑性樹脂シートの接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2枚の熱可塑性樹脂シートの端縁部を重ね合わせて熱融着して接合する際、原シートが透明である場合、シートを融着接合して得られる重ね合わ部分が透明性を有するシートの接合方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 2枚の熱可塑性樹脂シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体の往動走行部の両面から加熱しながら押圧して熱可塑性樹脂シートの重ね合わせ部を熱融着する方法において、熱可塑性樹脂シートに接する無端帯状体の表面を耐熱性樹脂で被覆して平滑化し、その被覆層の表面粗さRaが0.7μm以下であるものを使用することを特徴とする熱可塑性シートの接合方法、である。
【選択図】 図1
【解決手段】 2枚の熱可塑性樹脂シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体の往動走行部の両面から加熱しながら押圧して熱可塑性樹脂シートの重ね合わせ部を熱融着する方法において、熱可塑性樹脂シートに接する無端帯状体の表面を耐熱性樹脂で被覆して平滑化し、その被覆層の表面粗さRaが0.7μm以下であるものを使用することを特徴とする熱可塑性シートの接合方法、である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂を素材とした熱可塑性シートの接合方法に関するものである。
従来、建築用防水シート、貯水池用防水シート、埋め立て用防水シート、廃棄物処理池用防水シート、廃棄物処分場の遮水シート、農業用ハウスシートなどのように大面積の表面を覆うカバーシート等は、施工現場での接合作業を少なくするために、予め一定幅の熱可塑性シートを工場で融着接合してより幅広の大面積のシートに加工することが行われている。
上記の熱可塑性樹脂シートの接合には、複数枚の熱可塑性樹脂シートの側面の重ね合わせ部を溶着装置を用いて熱融着することにより貼り合わせて接合すること知られている。熱可塑性樹脂シートの接合に用いられる溶着装置としては、例えば、複数枚のシートを挾んでそれらのシートに送り力を付与する上下一対の無端帯状体などの送り力付与機構と、上記シート送り経路に対向して設置され複数枚の合成樹脂シートの重なり箇所を加熱するための加熱帯域と、この加熱帯域の配置箇所よりもシート送り方向側の所定箇所に配置され加熱された上記重なり箇所を押圧するための押圧機構とを備えている。
そして、このような溶着装置を用いて熱可塑性樹脂シートを熱融着により接合する場合、熱可塑性樹脂シートの端部同士を重ね合わせてシート送り経路に送られている間に、加熱帯域によって重ね合わせ部が熱融着可能温度に加熱され、押圧機構によってシートの加熱された箇所が押圧されて熱融着される(特許文献1〜3)。
しかしながら、上記したシートの接合方法では、複数枚の熱可塑性樹脂シートを挾んでそれらの熱可塑性樹脂シートに送り力を付与する上下一対の無端帯状体は、通常ガラス繊維またはポリエステル等の樹脂繊維の織布からなり、その表面を粗面化したベルトが使用されているが、原シートが透明なものであっても、シートの重ね合わ部分を融着接合した場合には、得られたシートの接合部分が不透明なものしか得られないという問題があった。また、金属製ベルトを用いた場合には、加熱帯域において金属同士の摩耗により、金属性ベルトが破損し易く、寿命が短いという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、2枚の熱可塑性樹脂シートの端縁部を重ね合わせて熱融着して接合する際、原シートが透明である場合、シートを融着接合して得られる重ね合わ部分が透明性を有するシートの接合方法を提供することを目的とする。
本発明は、従来の上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、2枚の熱可塑性シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体を耐熱性樹脂で被覆し、その表面を平滑化処理したものを使用するにより、シートの接合部分が透明なものが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の発明要旨は、2枚の熱可塑性樹脂シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体の往動走行部の両面から加熱しながら押圧して熱可塑性樹脂シートの重ね合わせ部を熱融着する方法において、熱可塑性樹脂シートに接する無端帯状体の表面を耐熱性樹脂で被覆して平滑化し、その被覆層の表面粗さとして算術平均粗さRaが0.7μm以下であるものを使用することを特徴とする熱可塑性シートの接合方法、に存する。
すなわち、本発明の発明要旨は、2枚の熱可塑性樹脂シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体の往動走行部の両面から加熱しながら押圧して熱可塑性樹脂シートの重ね合わせ部を熱融着する方法において、熱可塑性樹脂シートに接する無端帯状体の表面を耐熱性樹脂で被覆して平滑化し、その被覆層の表面粗さとして算術平均粗さRaが0.7μm以下であるものを使用することを特徴とする熱可塑性シートの接合方法、に存する。
本発明は、2枚の熱可塑性シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体を耐熱性樹脂で被覆し、その表面を平滑化処理したものを使用するにより、シートの接合部分が透明なものが得られる。
本発明で用いる無端帯状体としては、熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維等を織編成された帯状体の芯材の表面を耐熱樹脂を被覆して、その表面を平滑化したもの両端を接着剤で接着したり、加熱により溶融させて接着(融着接続)したりしてエンドレスとしたものである。
熱可塑性樹脂繊維の原料としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの中で、特に、フッ素樹脂またはポリイミド樹脂が耐熱性、耐久性等の点から好ましい。
フッ素樹脂としては、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP樹脂と略す)、四フッ化エチレンーパーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA樹脂と略す)三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレンーエチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂などがあるが、特にFEP樹脂、PFA樹脂がエンドレスベルトの耐熱性や離型性に対して好適である。
熱可塑性樹脂繊維の原料としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの中で、特に、フッ素樹脂またはポリイミド樹脂が耐熱性、耐久性等の点から好ましい。
フッ素樹脂としては、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP樹脂と略す)、四フッ化エチレンーパーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA樹脂と略す)三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレンーエチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂などがあるが、特にFEP樹脂、PFA樹脂がエンドレスベルトの耐熱性や離型性に対して好適である。
上記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維等を織編成した帯状体の芯材の表面を耐熱性樹脂を被覆するに際し、耐熱性樹脂しては、熱可塑性樹脂繊維の原料と同一の樹脂またはプライマー層を介して異なった樹脂を用いることができる。
耐熱性樹脂による表面の平滑化方法としては、上記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維等を織編成した帯状体の芯材の表面に耐熱性樹脂の塗布液を塗工、焼成して表面を平滑化する方法や耐熱性樹脂テープを貼り合わせて、表面を平滑化する方法等が挙げられる。例えば、耐熱性樹脂としてフッ素樹脂を用いる場合には、上記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面に水や溶剤にフッ素樹脂を分散溶解させたディスパージョンや溶液状のものを塗工、焼成する方法によりフッ素樹脂で平滑化した層を形成することができる。また、フッ素樹脂テープを貼り合わせて表面を平滑化してもよい。
さらに、上記記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面に水や溶剤にフッ素樹脂を分散溶解させたディスパージョンや溶液状のものを塗工、焼成する方法によりフッ素樹脂で被覆して平滑化した層を形成し、次いで、その表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせて表面をさらに平滑化することにより、耐熱性及び長期耐久性に優れたものが得られるので好ましい。
耐熱性樹脂の被覆層の厚みとしては、平滑化処理の程度により異なるが、20〜800μm、好ましくは、50〜500μmの範囲である。
上記耐熱樹脂を被覆して得られるベルトの表面粗さは、JIS B601ー1994(触針式表面粗さ測定器)に準拠し、カットオフ値0.8μm、評価長4mm、触針の先端曲率半径2μmRを用いて測定した値で、算術平均粗さRaが0.7μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは、0.05〜0.5μmの範囲内である。
また、その表面粗さの最大高さRyが3μm以下、好ましくは、2以下、さらに好ましくは、0.3〜2μmの範囲内である。
上記算術平均粗さRaが0.7μmより大きいと、シートの接合部分の透明性が低下するので、好ましくない。
耐熱性樹脂による表面の平滑化方法としては、上記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維等を織編成した帯状体の芯材の表面に耐熱性樹脂の塗布液を塗工、焼成して表面を平滑化する方法や耐熱性樹脂テープを貼り合わせて、表面を平滑化する方法等が挙げられる。例えば、耐熱性樹脂としてフッ素樹脂を用いる場合には、上記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面に水や溶剤にフッ素樹脂を分散溶解させたディスパージョンや溶液状のものを塗工、焼成する方法によりフッ素樹脂で平滑化した層を形成することができる。また、フッ素樹脂テープを貼り合わせて表面を平滑化してもよい。
さらに、上記記熱可塑性樹脂繊維またはガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面に水や溶剤にフッ素樹脂を分散溶解させたディスパージョンや溶液状のものを塗工、焼成する方法によりフッ素樹脂で被覆して平滑化した層を形成し、次いで、その表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせて表面をさらに平滑化することにより、耐熱性及び長期耐久性に優れたものが得られるので好ましい。
耐熱性樹脂の被覆層の厚みとしては、平滑化処理の程度により異なるが、20〜800μm、好ましくは、50〜500μmの範囲である。
上記耐熱樹脂を被覆して得られるベルトの表面粗さは、JIS B601ー1994(触針式表面粗さ測定器)に準拠し、カットオフ値0.8μm、評価長4mm、触針の先端曲率半径2μmRを用いて測定した値で、算術平均粗さRaが0.7μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは、0.05〜0.5μmの範囲内である。
また、その表面粗さの最大高さRyが3μm以下、好ましくは、2以下、さらに好ましくは、0.3〜2μmの範囲内である。
上記算術平均粗さRaが0.7μmより大きいと、シートの接合部分の透明性が低下するので、好ましくない。
以下に、上記無端帯状体を用いて、熱可塑性シートの接合方法について、図面により具体的に説明する。
図1は、本発明を実施するためのシートの熱板式連続溶着装置の概略側面部である。
図中において、機台1に無端帯状体2Aが複数のロール3Aを介して取り付けられており、無端帯状体2Aには矢符D方向に水平走行する往動走行部21Aと矢符D方向とは反対方向に走行する復動走行部22Aとが形成されるようになっている。また、機台1の取付枠4に無端帯状体2Bが複数のロール3Bを介して取り付けられており、無端帯状体2Bには矢符D方向に水平走行する往動走行部21Bと矢符D方向とは反対方向に走行する復動走行部22Bとが形成されるようになっている。
下側に配設された無端帯状体2Aの往動走行部21Aとこれに相対向する上側に配設された無端帯状体2Bの往動走行部21Bとの相互間に熱可塑性樹脂シートS1,S2の連続送り経路5が形成される。従って、下側の無端帯状体2Aとそれに付設されたロール3Aとによって下側無端送り機構が構成されており、上側の無端帯状体2Bとそれに付設されたロール3Bとによって上側無端送り機構が構成されており、これらの無端送り機構により、2枚の熱可塑性樹脂シートS1,S2の相対向された幅方向端縁部同士が上下方向から挾んで矢印D方向に送られる。
図1は、本発明を実施するためのシートの熱板式連続溶着装置の概略側面部である。
図中において、機台1に無端帯状体2Aが複数のロール3Aを介して取り付けられており、無端帯状体2Aには矢符D方向に水平走行する往動走行部21Aと矢符D方向とは反対方向に走行する復動走行部22Aとが形成されるようになっている。また、機台1の取付枠4に無端帯状体2Bが複数のロール3Bを介して取り付けられており、無端帯状体2Bには矢符D方向に水平走行する往動走行部21Bと矢符D方向とは反対方向に走行する復動走行部22Bとが形成されるようになっている。
下側に配設された無端帯状体2Aの往動走行部21Aとこれに相対向する上側に配設された無端帯状体2Bの往動走行部21Bとの相互間に熱可塑性樹脂シートS1,S2の連続送り経路5が形成される。従って、下側の無端帯状体2Aとそれに付設されたロール3Aとによって下側無端送り機構が構成されており、上側の無端帯状体2Bとそれに付設されたロール3Bとによって上側無端送り機構が構成されており、これらの無端送り機構により、2枚の熱可塑性樹脂シートS1,S2の相対向された幅方向端縁部同士が上下方向から挾んで矢印D方向に送られる。
前後2段の下加熱ユニット61A,62Aと前後2段の上加熱ユニット61B,62Bとは同一段のもの同士が相対向していると共に、下冷却ユニット63Aと上冷却ユニット63Bとも相対向しており、さらに、後段側の上下の加熱ユニット72B,72Aと上下の冷却ユニット63B、63Aとの間の上記連続送り経路5を挾む上下に一対の転圧ローラ7B,7Aが設けられている。
なお、図中において、8は熱可塑性樹脂シートS1,S2の送込み用ガイド板、9,10は熱可塑性樹脂シートS1,S2の繰出し用ガイドローラである。
熱可塑性樹脂シートS1とS2を接合する際の、それぞれの重ね合わせ幅としては、通常5〜50mm、好ましくは、10〜40mmの範囲の大きさである。
熱可塑性シートとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が用いられる。ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等が好適に用いられる。また、熱可塑性樹脂シートの厚みとしては10μm〜500μm、好ましくは、20〜200μmの範囲内である。
熱可塑性樹脂シートS1とS2を接合する際の、それぞれの重ね合わせ幅としては、通常5〜50mm、好ましくは、10〜40mmの範囲の大きさである。
熱可塑性シートとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂等が用いられる。ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体等が好適に用いられる。また、熱可塑性樹脂シートの厚みとしては10μm〜500μm、好ましくは、20〜200μmの範囲内である。
次に作用を説明する。たとえば、前段の下加熱ユニット61Aと上加熱ユニット61Bとの設定温度が同一とされ、後段の下加熱ユニット62Aと上加熱ユニット62Bとの設定温度が同一され、しかも後段の下加熱ユニット62Aと上加熱ユニット62Bの温度は前段の下加熱ユニット61Aと上加熱ユニット61Bの設定温度よりもやゝ高く設定される。
各段上下の加熱ユニット61A,61B,62A,62Bの温度を設定した上で、ガイド板8を経て連続送り経路5に熱可塑性樹脂シートS1,S2が、端縁部を重ね合わされた状態で連続送り経路5の始部に給送される。これにより、上下の無端帯状体2A,2Bの走行によりそれと同一速度で熱可塑性樹脂シートS1,S2が連続送り経路5を矢符D方向に連続して送られ、熱可塑性樹脂シートS1,S2に対して前段上下の加熱ユニット61A,61Bによる加熱が行われ、それに続いて後段上下の加熱ユニット62A,62Bによる、より高い温度での加熱が行われる。この場合の加熱は、上下の無端帯状体2A,2Bの往動走行部21A,21Bを経ておこなわれる。そして、このように前段上下の加熱ユニット61A,61Bによって熱可塑性樹脂シートS1,S2が予備加熱され、そのように予備加熱された上記シートS1,S2に対してそれより高温での加熱が後段上下の加熱ユニット62A,62Bによってなされると、上記シートS1,S2の表裏の温度差が小さい状態で重ね合わせ部の接合面での熱溶着が行われる。該接合部を各シートS1,S2が溶融し、且つ、熱分解に至らない範囲の温度、好ましくは、シートの融点からシートの融点より20℃低い温度範囲内に保って加熱した後に上下より加圧、好ましくは0.1〜5MPaの範囲内にして接合部を熱溶着させる
加熱域を通過した熱可塑性樹脂シートS1,S2に対して上下の冷却ユニット63B,63Aによる冷却が行われる。また、無端帯状体2A,2Bの往動走行部21A,21Bは各加熱ユニット61A,61B,62A,62Bによる加熱域を通過した後に上下の冷却ユニット63A,63Bによって冷却される。このため、無端帯状体2A,2Bが長時間に亘って何サイクルしても上記往動走行部21A,21Bの温度上昇が一定以下に強制的に抑制されることになり、そのことにより、上述した非溶着面に皺や溶融跡のない良好な仕上がり状態が得られるという作用がいっそう顕著に発揮される。
実施例1
第1図のシートの熱板式連続溶着装置において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmのものの表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせた表面粗さの算術平均粗さRaが0.24μmで、且つ、最大高さRyが1.3μmのものを用いて、シート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とシート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS2とをそれぞれ幅方向にその端部の接合部をそれぞれ25mm幅で重ね合わせ、矢印D方向に送られ、シートを260℃に加熱しながら上下より加圧して熱融着させ、四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とS2を接合させた。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、88であり、透明性は良好であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の99%であり、熱融着部での引張強度の低下は見られなかった。
なお、ベルトの表面粗さを表す算術平均粗さRa、最大高さRyは、JIS B 0601ー1994(触針式表面粗さ測定器)に準拠し、カットオフ値0.8μm、評価長4mm、触針の先端曲率半径2μmRを用いて測定して求めた値である。
シートの接合部の鏡面光沢度は、JIS Z 8741ー1997に準拠して、光束を入射角60度で試料面に入射させ、その鏡面反射光束を測定して求めた値で、標準面として黒色ガラスの鏡面反射光束を100として、鏡面光沢度を求めたものである。
この鏡面光沢度は、上記接合部の透明性の指標となるもので、この値が大きいほどシートの接合部の表面の乱反射を少なく、表面の平滑性が良好であり、該シートの接合部の透明性が良好であることを表すものである。
第1図のシートの熱板式連続溶着装置において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmのものの表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせた表面粗さの算術平均粗さRaが0.24μmで、且つ、最大高さRyが1.3μmのものを用いて、シート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とシート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS2とをそれぞれ幅方向にその端部の接合部をそれぞれ25mm幅で重ね合わせ、矢印D方向に送られ、シートを260℃に加熱しながら上下より加圧して熱融着させ、四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とS2を接合させた。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、88であり、透明性は良好であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の99%であり、熱融着部での引張強度の低下は見られなかった。
なお、ベルトの表面粗さを表す算術平均粗さRa、最大高さRyは、JIS B 0601ー1994(触針式表面粗さ測定器)に準拠し、カットオフ値0.8μm、評価長4mm、触針の先端曲率半径2μmRを用いて測定して求めた値である。
シートの接合部の鏡面光沢度は、JIS Z 8741ー1997に準拠して、光束を入射角60度で試料面に入射させ、その鏡面反射光束を測定して求めた値で、標準面として黒色ガラスの鏡面反射光束を100として、鏡面光沢度を求めたものである。
この鏡面光沢度は、上記接合部の透明性の指標となるもので、この値が大きいほどシートの接合部の表面の乱反射を少なく、表面の平滑性が良好であり、該シートの接合部の透明性が良好であることを表すものである。
実施例2
第1図のシートの熱板式連続溶着装置において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmのものの表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせた表面粗さの算術平均粗さRaが0.10μmで、且つ、最大高さRyが0.8μmのものを用いて、シート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とシート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS2とをそれぞれ幅方向にその端部の接合部をそれぞれ25mm幅で重ね合わせ、矢印X方向に送られ、シートを260℃に加熱しながら上下より加圧して熱融着させ、四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とS2を接合させた。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、93であり、透明性は極めて良好であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の99.5%であり、熱融着部での引張強度の低下は見られなかった。
第1図のシートの熱板式連続溶着装置において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmのものの表面にフッ素樹脂テープを貼り合わせた表面粗さの算術平均粗さRaが0.10μmで、且つ、最大高さRyが0.8μmのものを用いて、シート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とシート厚さ100μmの四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS2とをそれぞれ幅方向にその端部の接合部をそれぞれ25mm幅で重ね合わせ、矢印X方向に送られ、シートを260℃に加熱しながら上下より加圧して熱融着させ、四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートS1とS2を接合させた。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、93であり、透明性は極めて良好であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の99.5%であり、熱融着部での引張強度の低下は見られなかった。
比較例1
実施例1において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmで、且つ、最大高さRyが13.9μmのものを用いて行ったこと以外は同様にして行った。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、15であり、透明性は不良で不透明であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の85%であり、熱融着部での引張強度の低下が明らかに見られた。
実施例1において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆した表面粗さの算術平均粗さRaが2.5μmで、且つ、最大高さRyが13.9μmのものを用いて行ったこと以外は同様にして行った。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、15であり、透明性は不良で不透明であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の85%であり、熱融着部での引張強度の低下が明らかに見られた。
比較例2
実施例1において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆して粗面化したものの表面粗さの算術平均粗さRaで1.0μmで、且つ、最大高さRyが4.2μmのものを用いて行ったこと以外は同様にして行った。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、59であり、透明性は不良で不透明であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の90%であり、熱融着部での引張強度の低下が明らかに見られた。
実施例1において、無端帯状体としてガラス繊維を織編成した帯状体の芯材の表面にフッ素樹脂を被覆して粗面化したものの表面粗さの算術平均粗さRaで1.0μmで、且つ、最大高さRyが4.2μmのものを用いて行ったこと以外は同様にして行った。得られた四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの接合部の鏡面光沢度は、59であり、透明性は不良で不透明であった。さらに、上記接合部の引張強度は、原の四フッ化エチレンーエチレン共重合体シートの引張強度の90%であり、熱融着部での引張強度の低下が明らかに見られた。
S1,S2 シート
D シートの送り方向を示す矢符
5 送り経路
2A,2B 無端帯状体
21A,21B 往動走行部
61A,62A,61B,62B 加熱ユニット
63A,63B 冷却ユニット
D シートの送り方向を示す矢符
5 送り経路
2A,2B 無端帯状体
21A,21B 往動走行部
61A,62A,61B,62B 加熱ユニット
63A,63B 冷却ユニット
Claims (5)
- 2枚の熱可塑性樹脂シートの幅方向の端縁部をそれぞれ重ね合わせた状態で上下方向から挟んで送行する一対の無端帯状体の往動走行部の両面から加熱しながら押圧して熱可塑性樹脂シートの重ね合わせ部を熱融着する方法において、熱可塑性樹脂シートに接する無端帯状体の表面を耐熱性樹脂で被覆して平滑化し、その被覆層の表面粗さの算術平均粗さRaが0.7μm以下であるものを使用することを特徴とする熱可塑性シートの接合方法。
- 無端帯状体が熱可塑性樹脂繊維を織編成した帯状体である請求項1に記載の熱可塑性シートの接合方法。
- 無端帯状体がガラス繊維を織編成した帯状体である請求項1に記載の熱可塑性シートの接合方法。
- 耐熱性樹脂がフッ素樹脂である請求項1に記載の熱可塑性シートの接合方法。
- 被覆層の表面粗さの算術平均粗さRaが0.05〜0.5μmの範囲である請求項1〜4にいずれかに記載の熱可塑性シートの接合方法。
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2004
- 2004-01-30 JP JP2004022615A patent/JP2005212311A/ja active Pending
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