JP2005211099A - 人工臓器構成材および人工臓器構成体の製造方法および人工臓器 - Google Patents

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Abstract


【課題】 細胞が生着するのに適した生体内の環境を構築して、生着性を向上し、人工臓器を構築した場合に、耐久的に人工臓器としての機能を保持させる人工臓器構成材および人工臓器構成体を製造する。
【解決手段】 人工臓器を構成する人工臓器構成材1の製造方法であって、細胞外基質3を産生する細胞Aを基材2の表面に播種して培養するステップと、基材2表面に接着して細胞外基質3を産生した細胞Aを死滅させるステップを含む人工臓器構成材1の製造方法を提供する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、人工臓器、特に人工肝臓等の人工臓器を構成する人工臓器構成材および人工臓器構成体の製造方法および人工臓器に関するものである。
従来、生理活性物質、例えば、ウロキナーゼや組織プラスミノーゲンアクチベーター、β型インターフェロン等は、それらを産生する細胞、例えば、ヒト腎細胞や血管内皮細胞、メラノーマ細胞、ヒト二倍体繊維芽細胞等の付着依存性細胞をマイクロキャリア培養法を用いて大量培養することにより生産される(非特許文献1,2参照)。マイクロキャリアとは、付着性動物細胞を付着・増殖させるための微小粒子をいい、通常、直径約100〜300μm、表面積約3000〜6000cm/gの球状粒子であり、デキストラン、ゼラチンあるいはポリスチレン等の素材により構成されている。マイクロキャリアの表面には細胞が付着しやすいように、コラーゲン、ゼラチンまたはジメチルアミノエチル等の荷電基が付与されている。
また、人工臓器としては、例えば、非特許文献3,4に示されるような、人工肝臓が提案されている。これらの文献には、血液を流通可能な容器内に、表面に肝細胞を接着させたマイクロキャリアまたは中空糸膜を封入した構造の人工肝臓、あるいは、肝細胞を付着させた不織布によって中空糸を巻いた構造の人工肝臓が開示されている。
松谷、「生物化学実験法29 動物細胞培養入門」、株式会社学会出版センター、1993年、p.218−223 大石、「動物細胞培養技術と物質生産」、株式会社シーエムシー出版、1986年、p.187−190 石原他2名、「バイオハイブリッド型人工肝臓:肝組織の再構築化とバイオハイブリッド型人工肝臓」、最新医学、最新医学社、第58巻、2003年6月増刊号、p.147−157
しかしながら、上記各非特許文献1〜4に開示されている技術では、付着させる細胞にとって、生体内での環境が構築されているとは言い難い。すなわち、接着性の細胞を単にマイクロキャリアの表面や不織布の表面に付着させるだけでは、細胞が長期にわたって生着状態に維持されることが困難であり、人工臓器のように生体内の機能を模倣する必要がある用途に応用する場合には、その耐久的な使用に問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、細胞が生着するのに適した生体内の環境を構築して、生着性を向上し、人工臓器を構築した場合に、耐久的に人工臓器としての機能を保持させることが可能な人工臓器構成材および人工臓器構成体の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、人工臓器を構成する人工臓器構成材の製造方法であって、細胞外基質を産生する細胞を基材に播種して培養するステップと、前記基材表面に接着して細胞外基質を産生した細胞を死滅させるステップとを含む人工臓器構成材の製造方法を提供する。
本発明によれば、細胞外基質を産生する細胞を基材に播種して培養するステップにより、細胞が基材の表面に付着して成長する際に細胞外基質を基材表面に産生する。この状態で、細胞を死滅させるステップにより、基材表面に付着して細胞外基質を産生した細胞が死滅させられる。これにより、死滅した細胞が産生していた細胞外基質が基材表面に付着状態に残された状態の人工臓器構成材が製造されることになる。
このようにして製造された人工臓器構成材によれば、その表面に細胞外基質、その他の産生物質が付着状態に残されているので、臓器構成細胞を播種すると、それらの産生物質の作用によって臓器構成細胞に対して生体内と同様の環境を構築することが可能となり、臓器構成細胞の成長が促進されるとともに、生着性を向上させて、耐久的な使用にも耐え得る人工臓器を構成することが可能となる。
また、生きた細胞は、HLA(ヒト白血球抗原)が一致しない場合には免疫拒絶反応を生じさせるが、細胞を死滅させた後に残る細胞外基質等の産生物質は免疫拒絶反応を生じさせないので、ドナーとは異なる患者にも容易に移植することができる人工臓器を構成することができる。
上記発明においては、基材として、マイクロキャリア、ホローファイバーまたは不織布のいずれかにより構成することが好ましい。
基材としてマイクロキャリアを用いると、マイクロキャリアは、比重が1.03〜1.04と水よりわずかに重いだけであるために、少し攪拌しただけで培養液内において自然浮遊状態とすることができるので、浮遊しながら細胞を表面に付着させ、迅速に細胞を増殖させることが可能となる。
また、基材としてホローファイバーを用いると、内部に酸素や二酸化炭素を流通させ、外部に血漿を通過させるような人工臓器構成材を製造することができる。
さらに、基材として不織布を用いると、広い比表面積を有し、かつ、形態を簡便に調節できる人工臓器構成材を製造することができる。
上記発明においては、前記細胞外基質を産生する細胞が、血管内皮細胞、繊維芽細胞または幹細胞のいずれかであることが好ましい。
これらの細胞は、ヒトの体内のあらゆる場所に多く存在する細胞であり、入手性が高いので、人工臓器構成材の製造を容易にすることができる。
また、本発明は、上記製造方法により製造された人工臓器構成材に、臓器構成細胞を播種して培養する人工臓器構成体の製造方法を提供する。
本発明によれば、人工臓器構成材の表面に播種された臓器構成細胞は、細胞外基質を含む産生物質の作用によってその成長を促進されるので、迅速に人工臓器構成体を製造することができる。
また、本発明は上記製造方法により製造された人工臓器構成材を備える人工臓器を提供する。
本発明によれば、人工臓器構成材に生着する臓器構成細胞が、細胞外基質を含む産生物質の作用によって長期にわたり生着状態に維持されるので、耐久性を向上することができるという効果を奏する。
本発明に係る人工臓器構成材および人工臓器構成体の製造方法によれば、臓器構成細胞の生着性を高め、臓器構成細胞が耐久的に生着状態に維持される人工臓器を構築可能な人工臓器構成材および人工臓器構成体を製造することができるという効果を奏する。また、この人工臓器構成材を用いた人工臓器によれば、長期にわたり耐久的に使用可能であり、患者にかかる負担を低減することができるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態に係る人工臓器構成材の製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る人工臓器構成材1の製造方法は、図1に示されるように、マイクロキャリア(基材)2の表面に細胞外基質3をコーティングした状態の人工臓器構成材1を製造する方法である。マイクロキャリア2は、付着性動物細胞を付着・増殖させるための微小粒子であって、直径約100〜300μm、表面積約3000〜6000cm/gの球状粒子であり、デキストラン、ゼラチンあるいはポリスチレン等の素材により構成されている。
本実施形態に係る製造方法は、図2に示されるように、培養ステップS1と、処理ステップS2と、除去ステップS3とを含んでいる。
培養ステップS1は、例えば、図3(a)に示されるように、任意の培養容器4内に貯留した所定の培地5内に、複数のマイクロキャリア2を投入するとともに、繊維芽細胞または血管内皮細胞等の細胞A(以下繊維芽細胞Aとして説明する。)を投入して、所定の培養条件下に配することにより行われる。
所定の培地5は、例えば、MEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)、抗生剤を84:15:1の配合比率で混合したものである。なお、この配合比率は任意であり、また、ウシ胎児血清に代えてヒト血清を用いてもよい。また、FBSがなくてもよい。さらに、所定の培養条件は、例えば、温度37℃±0.5℃、湿度100%、CO濃度5%である。
繊維芽細胞Aは、培地5内をマイクロキャリア2とともに浮遊する間に、マイクロキャリア2と接触してその表面に付着することにより成長を開始する。マイクロキャリア2の表面に接着して成長する繊維芽細胞Aは、成長しながら、細胞外基質3その他の産生物質、例えば、MBP(Maltose Binding
Protein)等を産生する。これらの産生物質は、マイクロキャリア2の表面全面を被覆して接着状態に配される。
処理ステップS2は、図3(b)に示されるように、培養ステップS1により、マイクロキャリア2の表面に付着して成長した繊維芽細胞Aに対して、例えば、15〜50Gyのγ線を照射するステップである。γ線を照射することにより、繊維芽細胞Aがγ線のエネルギによって死滅する。したがって、マイクロキャリア2の表面には免疫拒絶反応を生じさせる生きた繊維芽細胞Aが存在しなくなり、そのまま、繊維芽細胞Aを採取したドナーとは異なる患者に供給することが可能となる。
なお、上記実施形態においては、処理ステップS2として、γ線を照射する方法を採用したが、これに代えて、γ線以外の他の電子線等の放射線を照射することにしてもよい。
また、放射線を照射する方法に代えて、繊維芽細胞Aを−20℃程度に冷却して凍結させる方法を採用してもよい。これによれば、凍結により繊維芽細胞Aの細胞膜内部の組織液を膨張させて細胞膜を破壊し、同様に繊維芽細胞Aを死滅させることができる。また、氷塊が生成されることによって細胞膜が損傷しても、繊維芽細胞Aによって産生された細胞外基質3などの産生物質は変質することがない。そして、凍結後、室温にて徐々に解凍し、あるいは電子レンジにより解凍することにより、人工臓器構成材1が製造されることになる。
また、上記方法に代えて、繊維芽細胞Aに超音波(例えば、47kHz)を間欠的に照射することにしてもよい。このとき、超音波照射による発熱で、繊維芽細胞A内のタンパク質等が変質することを防止するために、繊維芽細胞Aを冷却してもよい。これにより、上記と同様に、繊維芽細胞Aを死滅させることができる。
また、上記方法に代えて、繊維芽細胞Aを減圧処理することにしてもよい。繊維芽細胞Aが付着したマイクロキャリア2を真空乾燥装置に収容して、約120Pa程度の圧力に減圧する。これにより繊維芽細胞A内への浸透圧が高まり、細胞膜が破壊されて繊維芽細胞Aが死滅することになる。
また、上記方法に代えて、繊維芽細胞Aを高温槽に挿入して1分間に1℃程度の温度上昇で63℃まで昇温した後に、30分間の保持を行う低温長時間殺菌法(LTLT)処理を行うことにしてもよい。これにより、繊維芽細胞A等を死滅させることができる。なお、72℃まで昇温した後に、15秒間保持する高温短時間殺菌法(HTST)によってもよい。
また、上記方法に代えて、繊維芽細胞Aに界面活性剤を供給する方法を採用することができる。界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテルの内の少なくとも1つあるいはこれらの混合物が適している。具体的には、0.5%濃度のTween80(和光純薬工業製)を含有するPBSを供給する。これにより繊維芽細胞Aの細胞膜等が、界面活性剤によって破壊されて繊維芽細胞Aが死滅する。界面活性剤を非イオン性とすることにより細胞外基質3等の変質を抑制することができる。
なお、界面活性剤として、トリトンX−100(和光純薬工業製)、Tween20(和光純薬工業製)を用いてもよい。
また、上記方法に代えて、繊維芽細胞Aを酸溶液、例えば、pH4〜6程度の酢酸溶液に浸漬することにしてもよい。これにより、酢酸溶液内の非解離型分子が繊維芽細胞Aの細胞膜を通過して繊維芽細胞A内に侵入するため、繊維芽細胞Aの代謝によって水素イオンが増加して繊維芽細胞Aが自ら変質して死滅する。その後、炭酸カルシウム水溶液等のアルカリ溶液によって中和し、あるいは洗浄ステップによって洗浄することにより、酸溶液を含まない人工臓器構成材1を製造することができる。
除去ステップS3は、処理ステップS2後に、死滅した繊維芽細胞Aや、マイクロキャリア2の周囲に付着している栄養分の失われた培地5等の不要な成分をPBS等によって洗浄するステップである。上述したように、繊維芽細胞Aは死滅しているので、ドナー以外の患者に移植しても免疫拒絶反応を生じさせることがない。したがって、除去ステップS3は必須のステップではなく、上記処理ステップS2が、界面活性剤あるいは酢酸溶液等を使用する場合には、これを洗い流すために行うことが好ましい場合がある。
これにより、図1および図3(c)に示されるように、マイクロキャリア2の外周面に臓器構成細胞が生着しやすい状態に細胞外基質3をコーティングした人工臓器構成材が製造されることになる。
このように本実施形態に係る人工臓器構成材1の製造方法によれば、マイクロキャリア2の表面に細胞外基質3の膜を構成した人工臓器構成材1を簡易に製造することができる。特に、繊維芽細胞A等の細胞外基質3を産生する細胞を利用することにより、人為的に細胞外基質3をマイクロキャリア2の表面にコーティングする方法よりも、その後に生着させる細胞が生着しやすい状態に細胞外基質3を付着させることができる。
また、生きた繊維芽細胞Aが存在しないので、比較的長期にわたり保存でき、かつ、患者の体内に移植された状態で免疫拒絶反応を発生させることがない。したがって、繊維芽細胞等の細胞外基質3を産生する細胞Aを、最終的に人工臓器を移植する患者とは異なるドナーから入手することができ、患者に与える身体的な負担を低減することができる。
なお、本実施形態に係る人工臓器構成材1の製造方法によれば、繊維芽細胞A等を付着させる基材としてマイクロキャリア2を用いたが、これに代えて、多孔質マイクロキャリアや、後述する中空糸のようなホローファイバーや不織布を基材として用いることもできる。
次に、本実施形態に係る人工臓器構成体10の製造方法について説明する。本実施形態に係る人工臓器構成体10の製造方法は、図4に示されるように、上記実施形態に係る人工臓器構成材1の製造方法により製造された人工臓器構成材1と、臓器構成細胞B、例えば、肝細胞Bとを所定の培地11内に投入して、所定の培養条件下に配することにより、臓器構成細胞Bを人工臓器構成材1の表面において成長させる。
本実施形態に係る製造方法によれば、人工臓器構成材1の表面にコーティングされた細胞外基質3等の産生物質の作用により、臓器構成細胞Bの成長を促進することができる。
その結果、基材として用いたマイクロキャリア2、中空糸あるいは不織布の表面に臓器構成細胞Bを効率よく接着させ、かつ接着した臓器構成細胞Bを迅速に成長させることができる。
すなわち、臓器構成細胞Bの増殖を促進するので、人工臓器の製造に要する時間を短縮することができる。また、臓器構成細胞Bの機能発現を向上することができ、大量の生理活性物質を産生させることができる。また、臓器構成細胞Bを長期にわたり生着させた状態に維持することができるので、耐久的に生体に近い機能発現が可能な人工臓器を製造することが可能となる。
次に、上記のようにして製造される人工臓器構成体10を用いて人工臓器を製造する場合について、人工肝臓12を例に挙げ、図5を参照して説明する。
この人工肝臓12は、図5および図6に示されるように、円筒状の容器本体15内に肝細胞を付着させた第1、第2の人工臓器構成体10a,10bを収容することにより構成されている。
この人工肝臓12を製造するには、まず、上記製造方法により、複数のポリプロピレン製のガス交換用中空糸13の外面にコーティングされた細胞外基質3の作用により中空糸13の外面に生着させた肝細胞Bを有する第1の人工臓器構成体10aと、ポリエステル製の不織布14の表面に同様に生着させた肝細胞Bを有する第2の人工臓器構成体10bとを製造する。
次いで、複数の第1の人工臓器構成体10aを第2の人工臓器構成体10b上に並列に並べて、図6に示されるように、第1の人工臓器構成体10aを第2の人工臓器構成体10bによって巻き込んだものを円筒状の容器本体15内に挿入する。第1の人工臓器構成体10aの基材となった中空糸13の両端を束ねて、図5に示されるように、容器本体15の両端を閉塞するフランジ15aから容器本体15外部に引き出して、ガス入口16およびガス出口17を設けることにより、中空糸13の内部に酸素および二酸化炭素を流通させることを可能とする。また、容器本体15の側面15bには、長手方向の一端に血漿入口18を、他端に血漿出口19を設ける。
このようにして構成された人工肝臓12の作用について以下に説明する。
第1の人工臓器構成体10aの一端に設けたガス入口16から他端に設けたガス出口17に向けて、酸素および二酸化炭素を第1の人工臓器構成体10aの内部に流通させた状態で、血漿入口18から容器本体15内部に血漿を導入する。血漿は、容器本体15内部を満たすとともに第2の人工臓器構成体10bを構成する不織布14の隙間を通過して浸透する。
第1の人工臓器構成体10aの外面および第2の人工臓器構成体10bの表面には肝細胞Bが生着させられているので、血漿は容器本体15内部を流通させられる間に、肝細胞Bの作用によって血漿内に含まれる毒素を除去されて清浄化された状態で血漿出口19から放出される。第1の人工臓器構成体10aの内部には、肝細胞Bの生存に必要な酸素および二酸化炭素が流通し、第1の人工臓器構成体10aの基材である中空糸13を透過して肝細胞Bに供給されるので、肝細胞Bが健全な生着状態に維持される。また、肝細胞Bは、中空糸13および不織布14の表面をコーティングしている細胞外基質3の作用によって、生理活性物質を大量に産生し、活発な増殖状態を維持している。その結果、肝細胞Bを、長期間にわたり、健全な生着状態に維持して機能発現を向上することにより、耐久的に人工肝臓12として機能させることができる。
また、第1の人工臓器構成体10aの基材である中空糸13、および第2の人工臓器構成体10bの基材である不織布14は、その表面を細胞外基質3でコーティングされ、かつ肝細胞Bが健全な生着状態に維持されているので、基材13,14の表面が直接血漿に接触することが防止され、血栓の発生を未然に防止することができる。
なお、上記説明においては、人工臓器として人工肝臓12を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、人工膵臓や人工血管等、他の任意の人工臓器にも応用することができる。
例えば、人工血管20に応用する場合には、ホローファイバー21の内面に繊維芽細胞Aを付着させた状態で培養することにより、図7(a)に示されるように、細胞外基質3等の産生物質を産生させた後に、一旦繊維芽細胞Aを死滅させて、図7(b)に示されるような人工血管構成材22を製造する。そして、この後に、再度、血管内皮細胞Bを播種して培養することにより、図7(c)に示されるように人工血管20が製造される。このようにすることで、ホローファイバー21の内面に、血管内皮細胞Bを全面にわたって長期に接着状態に生着させることが可能となり、内部に血液を流通させても血栓の発生を効果的に防止し得る人工血管20を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造される人工臓器構成材の一例を示す模式図である。 図1に示された本発明の一実施形態に係る人工臓器構成材の製造方法を示すフローチャートである。 図2のフローチャートを説明する工程図である。 本発明の一実施形態に係る人工臓器構成体の製造方法を説明する工程図である。 図4の製造方法により製造された人工臓器構成体を用いて製造された人工肝臓の一例を示す斜視図である。 図5の人工肝臓を示す横断面図である。 本発明の製造方法により製造される人工臓器構成材を用いて人工血管を製造する方法を説明する工程図である。
符号の説明
A 細胞(血管内皮細胞、繊維芽細胞、幹細胞)
B 肝細胞(臓器構成細胞)
S1 培養ステップ(培養するステップ)
S2 処理ステップ(死滅させるステップ)
1,22 人工臓器構成材
2 マイクロキャリア(基材)
3 細胞外基質
10,10a,10b 人工臓器構成体
21 ホローファイバー(基材)

Claims (5)

  1. 人工臓器を構成する人工臓器構成材の製造方法であって、
    細胞外基質を産生する細胞を基材の表面に播種して培養するステップと、
    前記基材表面に接着して細胞外基質を産生した細胞を死滅させるステップを含む人工臓器構成材の製造方法。
  2. 前記基材が、マイクロキャリア、ホローファイバーまたは不織布のいずれかにより構成されている請求項1に記載の人工臓器構成材の製造方法。
  3. 前記細胞外基質を産生する細胞が、血管内皮細胞、繊維芽細胞または幹細胞のいずれかである請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の人工臓器構成材の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された製造方法により製造された人工臓器構成材に、臓器構成細胞を播種して培養する人工臓器構成体の製造方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された製造方法により製造された人工臓器構成材を備える人工臓器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JPH11507558A (ja) * 1995-06-06 1999-07-06 アドバンスト ティシュー サイエンシズ,インコーポレーテッド 自然分泌細胞外マトリックスのための組成物及び方法

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