JP2005210767A - 過電流保護システム - Google Patents

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Abstract

【課題】連系系統において連系用リレーの不要な動作を防止し、かつ、時間協調に要する遅延時間を短縮する。
【解決手段】連系系統における構内事故検出用保護リレーRy2は、事故発生前後の電流位相が同位相であるか逆位相であるかを検出して需要家構内の内部事故と外部事故とを判定する位相判定機能21と、事故発生前後の電流位相が同位相であって過電流検出時に瞬時に動作出力を得るリレー機能22と、事故発生前後の電流位相が逆位相であって過電流が所定期間にわたり継続した時に動作出力を得るリレー機能23と、事故発生前後の電流位相が同位相であることを示す同位相検出信号を出力する手段26とを備え、リレーRy4は、前記同位相検出信号の受信時に動作出力を所定期間にわたりロックする機能を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に連系系統に適用される過電流保護システムに関し、詳しくは、系統電流の位相判定に基づいて連系用保護リレーの動作出力をロックする機能を備えた過電流保護システムに関する。
図3は、一般的な配電系統の構成図を示している。図3において、100は配電用変電所、101は電源(図示されていない上位系統に接続される電力用変圧器を示す)、102は母線、Ry1は保護リレー、CB1は遮断器、200は配電線(フィーダ)、201は需要家300の受電点近くの母線、Ry2は過電流保護リレー、CB2は遮断器、300は需要家、301は需要家300内の自家用発電設備である。
配電用変電所100では、上位系統(66[kV]〜110[kV])から受電し、変電所100内の電源101としての電力用変圧器により降圧して配電線200に供給している。電力用変圧器は複数台あり、母線102を介して変圧器1台当たり4〜12の配電線200に配電しているが、図3ではこれらをまとめて一つのインピーダンスとして表してある。
典型的な例では、配電用変電所100内の電力用変圧器の1次側の電圧は66[kV](77[kV]のこともあり、地域によって異なる)であり、2次側は6.6[kV]系統となっている。なお、通常、6.6[kV]以下の系統を、配電系統と呼んでいる。
この配電系統は非接地系統であり、地絡を検出するためだけに図示されていない接地トランス(GPT)の2次側に零相抵抗を挿入し、地絡時に発生する零相電圧及び零相電流を検出して地絡保護リレーにより保護動作を行うようになっている。
このような配電系統は、需要家300に配電するのが目的であり、通常、需要家側には大きな電源(短絡電源)は設けられていない。仮に電源を備えていたとしても、図3に示す如く自家用発電設備301があるだけであり、需要家300から配電系統側に電流が供給されることはなく、また、形態としては放射状系統であって末端で配電線に連系されることはない。すなわち、需要家300内の自家用発電設備301は、配電線200に連系可能な系統構成になっているが、この種の発電設備301は保守や異常事態の時に使用するべく設けられている。
配電系統の保護や制御システムはこのような系統条件を考慮した上で設計されており、需要家300の構内の電気設備も含めて以下のような保護システムになっている。
(1)短絡事故時の保護
3相の配電線において、3相のうち2線または3線が接触した場合を短絡事故という。通常、このような短絡事故には、反限時特性の過電流保護リレーが使用される。周知のように、反限時特性の過電流保護リレーは、配電線に定格電流以上の大きさの電流が流れた時に、その電流値と動作するまでの時間とが反比例するような特性を持った保護リレーである。
いま、図3において、需要家300の構内の地点F3で短絡事故が発生した場合、配電用変電所100から短絡電流が流れる。図示例では、途中で分岐等がないため、リレーRy1,Ry2には同じ値の短絡電流が流れる。配電用変電所100と需要家300との間には、通常、別の需要家も接続されているので、この事故のように特定の需要家300内での事故では当該需要家300近傍の遮断器CB2のみを遮断することが望ましく、そうすれば他の需要家は停電することがないため影響は少なくなる。
このため、配電用変電所100内のリレーRy1と需要家300側のリレーRy2との間には、その動作時間に意図的に差が設けられており、リレーRy1はRy2に比べて0.2〜0.5秒程度遅れて動作するように設定されている。この時間は、地点F3における短絡事故が発生した時に、これをリレーRy2が検出して遮断器CB2を動作させ、短絡電流が流れなくなるまでの時間に多少余裕を見た数値となっている(なお、リレーが動作して遮断器が開放されるまでには、少なくとも150[ms]程度必要とする)。
このようにリレーRy1,Ry2の動作時間にある程度の差を設けておけば、変電所100側の遮断器CB1よりも需要家300側の遮断器CB2が必ず先に動作して短絡事故が解消するため、遮断器CB1が動作するには至らない。このことは、配電線200や母線201に接続されているどの需要家内で短絡事故が発生した場合も同様である。
ここで、図4は、反限時特性の過電流保護リレーの動作時間特性及び動作時間精度の一例を示す図である。動作時間と入力電流値(一般には定格電流との比)との関係は相似形であるが、動作時間の絶対値は標準値を1として10まで0.1ステップ(程度)で設定できるようになっており、これをレバーと称している。
図3に示したリレーRy1,Ry2は同じ特性のリレーであり、上記レバーの設定を変えることで動作時間を調整している。すなわち、図3の配電系統において完全短絡時(短絡点での抵抗が零の時)の入力電流を500%とすると、この電流値でリレーRy1,Ry2の動作時間差が0.5秒程度になるようにレバーの設定を変えている。
なお、図4の動作時間特性における右側の縦軸nは、動作時間の整定値を示している。
(2)電圧制御
近年、電力自由化の動向、環境問題への意識の高まりから再生可能エネルギーによる分散電源が普及している。現状の配電系統で大きな容量の分散電源が連系された場合、その発電電力量によって配電線に流れる電流(以下、潮流という)が大きく変化した場合は、特定の地点の電圧を規定値内に入れることは可能であるが、配電系統全般にわたって電圧値を規定の101±6[V]に維持することは困難になりつつある。
亘長の長い配電線では、負荷だけが接続されている時でも配電線のインピーダンスによる電圧降下で末端の電圧を規定の101±6[V]に維持することは困難なため、配電線の途中にSVRと称する自動電圧調整器が設置されており、変圧器のタップ制御により負荷側の電圧を上昇させて電圧値を規定範囲内に維持している。この電圧調整器は、電源側(配電用変電所側)の電圧を検出して負荷側の電圧を制御するものであり、逆側すなわち電源側の電圧を制御する機能はない。
例えば、電圧が目標値よりも高くなった場合、変圧器のタップを制御して電圧値を変えようとするが、電圧はほとんど変化しないため下限値になったままになる。逆に電圧が目標電圧より低くなると電圧を上昇させる方に制御して上限値になったままとなる。
このような電圧制御システムのもとで、上記のような分散電源が負荷側に接続されると、配電系統全般にわたって適正な電圧値を維持するのは困難になってきている。
上記の経緯により配電系統における電圧値の維持が困難になっているが、その対応策として、配電線の容量を増加させて分散電源の影響を低減するべく、2つの配電線を末端で連系する運用が検討されている。
図5は、この種の連系系統(ループ系統)の例を示しており、需要家の受電点にある母線を経由して2つの配電線を連系させる構成となっている。
図5において、図3と異なる部分を中心に説明すると、120は配電用変電所、121は電源(電力用変圧器)、122は母線、Ry3は過電流保護リレー、CB3は遮断器、220は配電線、221は母線、Ry4は連系用の過電流保護リレー(連系用保護リレー)、CB4は遮断器であり、配電線200側の母線201と配電線220側の母線221とは前記遮断器CB4を介して連系されている。なお、501は連系線を示す。
このような連系系統では、配電線1本当たりの電流が減るため、線路の電圧降下が小さくなり、配電線における電圧の維持が容易になる。
しかし、上記連系系統では、保護システム上、以下に示すような問題がある。
まず、この種の系統を従来の保護システムによって保護する場合、リレーRy2の動作時間は通常0.2秒程度である(需要家300構内の系統構成に応じた時間協調のため、動作時間は概ね0.5〜0.2秒程度であるが、以下では0.2秒と仮定する)。
これに対して、配電用変電所100,120内のリレーRy1,Ry3の動作時間は0.5〜1秒程度(以下では0.5秒と仮定する)に設定されていると共に、リレーRy4は負荷側にあるためリレーRy2と同様に0.2秒に設定されているとする。
いま、需要家300構内の地点F3における短絡事故時には、近傍の遮断器CB2が動作して他の遮断器は不動作であることが要求される。この時、リレーRy2は0.2秒程度で動作し、遮断器CB2がOFFした時点で事故は消滅する。また、リレーRy1,Ry3は前述のように動作時間が長いため(0.5秒)、遮断器CB1,CB3が動作することはない。
更に、連系用保護リレーRy4の動作時間は0.2秒であるため、リレーRy2と時間的には余り差がなく動作する(リレーRy2を流れる電流値はRy4よりも大きいため、反限時特性のリレーであれば、リレーRy4はRy2より遅れて動作する可能性が高い)。
このリレーRy4を確実に動作させないようにするには、事故電流値などを考慮して、リレーRy2に対して確実に0.2秒程度の時間差を確保できるようにしなければならない。また、このリレーRy4と他のリレーRy1,Ry3との間でも時間協調をとる必要があり、結果的にリレーRy1,Ry3の動作時間は現状より長くなる。
一方、配電線220上の地点F2で短絡事故が発生した場合には、リレーRy3,Ry4及び遮断器CB3,CB4が動作し、その他のリレーは不動作であるべきである。しかし、現状の時間設定では、まずリレーRy4,Ry2の動作後、約0.2秒で遮断器CB4,2が動作(OFF)し、その後(約0.5秒後)にリレーRy3及び遮断器CB3が動作(OFF)する。従って、遮断器CB2は不要に動作することになる。
これを避けるためには、遮断器CB4をCB2よりも早く動作させる必要があるが、前述したように需要家300構内の地点F3における事故では、遮断器CB2をCB4よりも優先的に動作させることとしているため、何れの事故点F2,F3に対しても最適となるような動作時間の整定は困難である。
ここで、従来の反限時特性の過電流保護リレーは電磁型であり、コイルに通流される電流値が大きい時は可動子が早く回転し、電流値が小さい時はゆっくり回転する原理に基づいており、可動子の回転時間を機構的に調整して様々な特性を実現している。
これに対し、最近の保護リレー技術では、電流入力をA/D(アナログ/ディジタル)変換して得たディジタルデータをマイクロコンピュータ等のデータ処理装置により加工し、所望の機能を実現するためのプログラムを組んで所定の性能を得るようしたディジタルリレーがかなり普及してきており、量産化によって次第に安価に供給されつつある。
図5において、事故点によっては適切な保護協調が図れないという課題は、保護リレーの動作時間を変えられないことにあり、これを解決するには、事故の発生地点に応じて動作時間の整定値を柔軟に変更できる機能があれば良く、この機能をディジタルリレーによって実現すればよい。
このため、例えば、需要家300近傍のリレーRy2については、電流の大きさが設定値を超えて事故が発生したと判断された場合、事故発生前の電流に対して事故発生後の電流が同位相の時は需要家300構内の事故(事故点F3)と判断して0.2秒程度の短時限で瞬時に動作させ、逆位相の時(事故点F2)は外部の事故と判断して0.7秒程度の長時限で動作させるようにすると共に、配電線200と他方の配電線220との間に設けられた連系用保護リレーRy4(遮断器CB4)の動作時間は、上記短時限と長時限との中間(0.4〜0.5秒程度)に設定することが考えられる。
しかしながら、これにより、リレーRy2と、リレーRy4と、配電用変電所100,120構内のリレーRy1,Ry3という3段階で時限協調が必要になるため、リレーRy1,Ry3の動作時間はやや長くなり、0.5秒から0.7秒程度にまで遅延する。また、系統定数や構成によっては動作時間を遅らせただけでは対処できない場合もあり、動作を遅延させるにも限度がある。
このような場合には、現状のように2段階で時間協調をとることで、協調に要する遅れ時間を短くする手段が必要になる。
なお、不要な保護動作を防止して多段の過電流保護協調をとることを目的として、自己より下位の系統における過電流検出に基づく信号を受信した場合に、判定手段の動作によって自己の保護動作指令の出力動作をロックするようにした過電流保護装置が、下記の特許文献1に記載されている。
また、上位継電器、下位継電器との間で動作特性データを送受信可能とし、それぞれの動作特性を自由に設定可能とした保護継電システムが下記の特許文献2に記載されている。
特開平11−206008号公報(請求項1〜3、図2等) 特開平7−87658号公報(請求項1〜3、図1等)
前述した如く、時間協調のためにリレーの動作時間を遅延させるにも限界があり、事故発生地点に応じて整定値を調整する方法では適切な保護協調が図れないという問題がある。
また、特許文献1,2に記載された保護システムは、電源のない負荷側の下位系統と電源のある上位系統との間での送受信により上位系統のリレー動作をロックしたり、上位または下位系統のリレーの動作特性を変更可能としたものであるが、この場合、下位系統の1箇所でリレーが動作すると事故点は必ず当該リレーの下位側にあるため、ロックするべき上位系統のリレーは自ずと決まってくる。
しかし、下位系統にも電源(分散電源)がある場合には、その分散電源の運転状態によってロックするべき上位のリレーも変わる可能性があると共に、図5に示したような連系系統では、下位のリレーRy2に対して上位系統に2台のリレーRy1,Ry3があり、事故点によってどちらのリレーをロックすべきかを下位のリレーRy2では判断できない。何れにしても、下位のリレーが動作したという情報だけでロックするべき上位のリレーを特定するのは困難である。
更に、特許文献1の従来技術では、遠く離れた上位リレーと下位リレーとの間でロック信号を受け渡すことから、信号の伝送距離が長く、大掛かりな伝送装置が必要になってコストも上昇する。
そこで本発明は、需要家300の構内事故では需要家300近傍のリレーRy2を流れる電流が事故発生前の電流と同位相である点に着目し、これを利用して、通常は需要家300の受電設備の中にある連系用保護リレーRy4の動作をロックすることによりリレーRy4の不要な動作を防止し、また、リレーRy2(及びリレーRy4)と、配電用変電所100,120構内のリレーRy1,Ry3という2段階での時間協調をとるようにしたものである。
図5の連系系統において、需要家300の構内事故以外では、配電線200,220の何れで事故が発生してもリレーRy4は動作する。このため、需要家300近傍のリレーRy2を流れる電流の位相が事故発生前後で同位相か逆位相かを判断することで需要家300の構内事故か否かを判断できることになり、同位相の場合(すなわち需要家構内の事故の場合)にはリレーRy4の動作をロックすることでリレーRy4の不要動作防止が可能である。
リレーRy4は配電用変電所100,120の構内事故でも動作するが、この構内の短絡事故ではリレーRy1またはRy3の瞬時要素により遮断器CB1またはCB3が開路(OFF)するので、0.2秒程度の時間があればリレーRy4が誤判定により不要動作するおそれはない。
なお、このようなシステムではリレーRy2の電流を検出してリレーRy4の動作をロックするために信号を伝送する必要があるが、リレーRy2,Ry4とも通常、需要家300の受電設備の中にあり、一般に配電盤は一箇所に集中して設置されるため、ワイヤリングによる伝送が可能である。仮に、両リレーの場所が離れていても、通信手段は比較的安価に構成可能であるから問題はない。
よって、請求項1に記載した発明は、二つの配電線が連系用保護リレーを備えた遮断器を介して連系されている連系系統であって、需要家の構内事故発生時に動作する構内事故検出用保護リレー及び遮断器を備えた連系系統において、前記構内事故検出用保護リレーは、
事故発生前後の電流位相が同位相であるか逆位相であるかを検出して需要家構内の内部事故と外部事故とを判定する位相判定機能と、事故発生前後の電流位相が同位相であって過電流検出時に瞬時に動作出力を得るリレー機能と、事故発生前後の電流位相が逆位相であって過電流が所定期間にわたり継続した時に動作出力を得るリレー機能と、事故発生前後の電流位相が同位相であることを示す同位相検出信号を出力する手段と、を備え、
前記連系用保護リレーは、前記同位相検出信号の受信時に、動作出力を所定期間にわたりロックする機能を備えたものである。
本発明によれば、需要家の構内事故発生時に連系用保護リレーの動作出力をロックすることにより、このリレーの不要な動作を防止することができると共に、ロック信号の伝送距離を短くして伝送装置等の簡略化、低コスト化を図ることができる。また、配電線上の事故に対しても、需要家近傍のリレー及び連系用保護リレーと、配電用変電所構内のリレーとの2段階の動作時間整定により、連系用保護リレーを最先に動作させ、その後に需要家近傍のリレーを動作させるような時間協調をとることができ、これによって協調に要する時間遅れを最小限にすることが可能である。更に、事故前後の電流の位相を比較することで、下位系統の電源の有無(正確には、下位の電源が保護判定に影響するか否か)も判定できる効果がある。
総じて、分散電源が連系された配電系統において、需要家側のリレーを含めた過電流保護システムの適切な保護協調を図ることができ、その適用範囲を大幅に拡大することができる。特に、最近の電子化技術の進歩により、このような判断機能を備えた保護システムは比較的安価に実現可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1はこの実施形態が適用される配電系統の構成図であり、系統構成自体は実質的に図5と同一である。
但し、配電線200,220の長さとしては、標準的な日本の配電系統を想定し、その平均値である3[km]程度とした。配電用変電所100,120の電源インピーダンスはほとんどωL(ω=2πf,f:電源周波数、L:インダクタンス)とし、0.33[Ω]とした。また、配電線200,220のインピーダンスはωLのみの値であって1.2[Ω]とし、実際に存在する抵抗分は無視してある。
なお、配電線の短絡事故において完全短絡はまれであり、アーク抵抗を伴うことが多い。また、事故の様相や電流値、気象条件などでインピーダンスは様々な値となり、かつ時間的にも変化する。従って通常の故障計算はωLのみで行い、抵抗の最大値を考慮して設定値を決めている。
更に、需要家300内に設けられて配電線200に連系される自家用発電設備301のインピーダンスXd’は、過渡インピーダンス事故時の数10[ms]から1秒未満における値であり、約7.5[Ω]程度となる。この値は時間と共に大きくなり、定常状態まで時間が経過すると、Xd(80[Ω])程度になる。従って、短絡電流の試算には、Xd’(約7.5[Ω])を使用した。
需要家300構内の系統インピーダンスは、0.1[Ω]とした。
このような前提で故障電流を計算すると、以下のようになる。なお、配電線200,220の定格電流は400[A]、需要家300の引込線は定格電流100[A]で電圧階級は6.6[kV]とする。
(1)需要家構内事故
需要家300の構内における3線短絡事故(事故点F3)では、配電線200,220から短絡電流が流入し、1相分ではおおよそ数式1のような電流が事故点F3に流入する。
[数式1]
(6,600[V]/√3)/{(電源インピーダンス+配電線インピーダンス)/2+(構内系統インピーダンス)}≒4.4[kA]
このため、保護リレーRy1,Ry3,Ry4の設置地点での電流はいずれも約2.2[kA]であり、定格電流に対する比率では550%となる。また、保護リレーRy2の設置地点での電流は4.4[kA](定格電流の4400%)となる。
通常、定格の20倍を越える領域ではリレーの瞬時要素が数10[ms]で動作する(構内機器の短絡電流に対する過電流強度との関係で決める)。従ってこの場合は、リレーRy2が最先に動作し、他のリレーRy1,Ry3,Ry4については0.5秒程度の動作時間を確保すれば良い。
上記の場合、事故電流値が大きいためリレーRy2は瞬時に動作するが、事故点F3に2[Ω]程度の事故点抵抗(アーク抵抗)rが入ると、電流は数式2のようになる。なお、数式2における左辺分母の合成インピーダンスは、約2.18[Ω]である。
[数式2]
(6,600[V]/√3)/{(電源インピーダンス+配電線インピーダンス)/2+(構内系統インピーダンス+r)}≒1.75kA
このとき、リレーRy1,Ry3,Ry4の設置地点における電流はいずれも約0.82[kA]であり、定格電流に対する比率では205%になると共に、リレーRy2の設置点の電流は1750%となり、その瞬時要素は動作しない。
ここで、図4に示した反限時特性のディジタル形過電流保護リレーにおいて整定値n=1の時は、リレーRy1,Ry3,Ry4は約1秒程度で動作し、需要家300側のリレーRy2は0.25秒程度で動作するので、時間協調をとることができる。
(2)上記の需要家構内事故を考慮した保護リレーの整定において、配電線220上の地点F2での短絡事故について検討する。この場合の電流値は下記のようになる。
・配電線200,220の電流:(6,600[V]/√3)/(電源インピーダンス+配電線インピーダンス)≒2.49[kA]
・需要家300の自家用発電設備301からの電流:
(6,600V/√3)/(構内系統インピーダンス+電源インピーダンス(自家用発電設備301のインピーダンスXd’))≒0.50[kA]
すなわち、事故点F2(事故点抵抗はなし)では、配電線200,220から流れる短絡電流が何れも約2.49[kA]であり、需要家300の自家用発電機301による短絡電流は約0.5[kA]であるため、これらの合計は約5.48[kA]となる。つまり、リレーRy1,Ry3には何れも約2.49[kA](623%)が流れ、リレーRy4には約2.99(=2.49+0.5)[kA](748%)、リレーRy2には0.5[kA](500%)の電流が流れることになる。
このような事故では、リレーRy1,Ry3よりRy4の方が早く動作する必要があり、この動作時間差も最低で0.2秒は必要となる。また、需要家300近傍のリレーRy2については、その動作時間をリレーRy1,Ry3とRy4との間に設定する必要がある。
その対策として、リレーRy1,Ry3の整定値nを例えばn=2、リレーRy4の整定値nをn=1、リレーRy2の整定値nをn=1.5とすることが考えられるが、かかる3段階の設定では協調に要する時間遅れが大きくなる。
そこで本実施形態では、リレーRy1,Ry3の整定値を同一にし(例えばn=2)、かつ、リレーRy2,Ry4の整定値を同一にする(例えばn=1)ことによって2段階の時間協調を可能にすると共に、需要家300の構内事故に対しては、需要家300近傍のリレーRy2から連系用保護リレーRy4に信号を送ってその動作をロックすることにより、リレーRy4の不要動作を防止するようにした。
図2は、需要家300近傍のリレー(需要家構内事故検出用保護リレー)Ry2及び連系用保護リレーRy4の概略的な構成を示す機能ブロック図である。
図2において、需要家300近傍のリレーRy2は、位相判定機能21と、リレー機能22,23と、これらの出力が加えられるAND機能24,25と、パルス発生手段26とを有している。
位相判定機能21は、変流器から入力される現在の電流波形と数サイクル前の電流波形とを比較して両者の位相が同位相か逆位相かを判定する機能であり、同位相の場合には需要家300の構内事故(内部事故)判定信号を出力し、逆位相の場合には外部事故(例えば図1における配電線120上の地点F2の事故)判定信号を出力する。
また、リレー機能22は、例えば過電流検出時に瞬時に動作出力を発生する過電流保護機能、リレー機能23は、例えば過電流を所定時間継続して検出した時に動作出力を発生する過電流保護機能であり、これらの出力は前記各判定信号と共にAND機能24,25に入力されている。
これにより、内部事故の判定時には瞬時にAND機能24から事故検出信号が出力され、外部事故の判定時には、事故発生から所定時間経過した後に(連系用保護リレーRy4の動作後に)AND機能25から事故検出信号が出力される。なお、これらの事故検出信号によって図1における遮断器CB2をトリップ動作させるための出力回路については図示を省略してある。
位相判定機能21の出力信号はパルス発生手段26に入力されており、このパルス発生手段26では、パルス幅が100[ms]程度の1個の内部事故検出パルスを出力する。ここで、パルス幅を100[ms]程度としているのは、受信側で、補助リレーのような接点信号を受信する回路では最低限この程度の時間がないとラッチ動作を行えないためであり、一方、この程度に短い幅のパルスにするのは、進展事故や多重事故のように事故点が複数ある場合や状況変化に対して即座に対応するためである。
連系用の保護リレーRy4では、前記パルス発生手段26の出力信号がパルス幅拡大手段43に加えられており、この拡大手段43は、内部事故検出パルスのパルス幅を一定時間まで拡大する機能を有している。このパルス幅拡大手段43は、リレーRy2側に設けても良い。
また、変流器から入力される連系線501の電流は過電流検出を行うリレー機能41,42に加えられ、これらの出力はAND機能45,46に入力されている。ここで、リレー機能41は、過電流を所定時間継続して検出した時に動作出力を発生する過電流保護機能を有し、リレー機能42は、過電流検出時に瞬時に動作出力を発生する過電流保護機能を有している。
更に、前記パルス幅拡大手段43の出力はそのままAND機能45に入力されていると共に、NOT機能44により反転されてAND機能46に入力されている。そして、AND機能45,46の出力はOR機能47を介して図1の遮断器CB4をトリップ動作させるように構成されている。
なお、前述の如く、リレーRy2,Ry4の動作時間の整定値は何れもn=1に設定されており、配電用変電所100,120内のリレーRy1,Ry3の整定値は何れもn=2に設定されているものとする。
このような構成において、需要家300の構内で短絡事故が発生した場合、リレーRy2内のパルス発生手段26から内部事故検出パルスが出力されると共に、AND機能24の出力により遮断器CB2が瞬時に(0.25秒程度で)開路される。上記内部事故検出パルスはパルス幅拡大手段43によりパルス幅が拡大されてNOT機能44を介しAND機能46に入力される。従って、リレー機能42の出力にかかわらずAND機能46の出力はLowレベルとなり、リレーRy4の動作出力がロックされる。
また、パルス幅拡大手段43の出力がHighレベルの間、リレー機能41の出力によってAND機能45を介して動作出力が生じる可能性があるが、前述したように内部事故において事故点抵抗がある場合のリレーRy4の電流は定格電流に対して205%、リレーRy2の電流は定格電流に対して1750%であり、図4の特性図によれば整定値n=1の時にリレーRy2はリレーRy4よりも早く動作して事故が除去されるため、問題はない。
従って、需要家300の構内事故の場合に連系用保護リレーRy4が不要に動作するのを防止することができる。
また、配電線120上の地点F2における短絡事故(事故点抵抗はなし)では、前述のようにリレーRy1,Ry3には定格電流の623%が流れ、リレーRy4には748%、リレーRy2には500%の電流が流れる。この場合、図4の特性によりリレーRy4がリレーRy1,Ry2,Ry3よりも先に動作することになり、この場合にも2段階の整定によって時間協調を図ることができる。
なお、連系用保護リレーRy4には、リレーRy2以外にも、他の需要家近傍のリレーから電流位相の判定信号(内部事故検出信号)を受信してこれらのOR機能により動作出力をロックする機能を持たせても良い。
本発明の実施形態が適用される配電系統の構成図である。 本発明の実施形態に係る需要家構内事故検出用リレー及び連系用保護リレーの概略的な構成を示す機能ブロック図である。 一般的な配電系統の構成図である。 反限時特性の過電流保護リレーの動作時間特性及び動作時間精度を示す図である。 2つの配電線の連系系統の構成図である。
符号の説明
21:位相判定機能
22,23:リレー機能
24,25:AND機能
26:パルス発生手段
41,42:リレー機能
43:パルス幅拡大手段
44:NOT機能
45,46:AND機能
47:OR機能
100,120:配電用変電所
101,121:電源
102,122:母線
200,220:配電線
201,221:母線
300:需要家
301:自家用発電設備
501:連系線
Ry1,Ry2,Ry3,Ry4:保護リレー
CB1,CB2,CB3,CB4:遮断器
F1,F2,F3:事故点

Claims (1)

  1. 二つの配電線が連系用保護リレーを備えた遮断器を介して連系されている連系系統であって、需要家の構内事故発生時に動作する構内事故検出用保護リレー及び遮断器を備えた連系系統において、
    前記構内事故検出用保護リレーは、
    事故発生前後の電流位相が同位相であるか逆位相であるかを検出して需要家構内の内部事故と外部事故とを判定する位相判定機能と、
    事故発生前後の電流位相が同位相であって過電流検出時に瞬時に動作出力を得るリレー機能と、
    事故発生前後の電流位相が逆位相であって過電流が所定期間にわたり継続した時に動作出力を得るリレー機能と、
    事故発生前後の電流位相が同位相であることを示す同位相検出信号を出力する手段と、を備え、
    前記連系用保護リレーは、前記同位相検出信号の受信時に、動作出力を所定期間にわたりロックする機能を備えたことを特徴とする過電流保護システム。
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