JP2005210206A - エコーキャンセラ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 双方でハンズフリー通話を行った場合でも、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うようにすること。
【解決手段】 推定演算部108は、自装置のエコーパスのインパルス応答を推定する。HJレジスタ102は、推定演算部108による推定値を保持する。HMレジスタ103は、HJレジスタ102から出力された推定値を保持する。第1減算部106は、入力信号から、HMレジスタの推定値を用いて畳込演算を行う畳込演算部104の減算結果を減算する。第1減衰部112は、第1減算部106の減算結果をハウリングが生じる状況において1未満のゲインgsを用いて減衰する。第2演算部107は、第1減衰部112の減衰結果から畳込演算部105での演算結果を原算する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、据置型電話、携帯電話等におけるハンズフリー通話で発生するハウリングを抑圧するエコーキャンセラ装置に関する。
従来、移動体通信システムの無線電話回線に接続される携帯電話機や有線電話回線に接続される据置型電話機、又は無線/有線電話機能及びコンピュータ機能を備えた情報通信端末機等の通信端末装置においては、エコーキャンセラ装置を用いて、マイクを口に近づけて通話する通常使用状態、又は口から離れた位置で通話するハンズフリー通話で発生するエコーをキャンセルすることによりハウリングを抑制する。
このようなエコーキャンセラ装置として、本発明者は、特許文献1に示す発明を出願している。
図2は、従来のエコーキャンセラ装置の構成を示すブロック図である。
図2に示すエコーキャンセラ装置10は、Xレジスタ11と、HJレジスタ12と、HMレジスタ13と、畳込演算部14,15と、減算器16,17と、推定演算部18と、スタティック推定部19と、バックアップ制御部20と、接続スイッチ21と、Rin端子と、Rout端子と、Sin端子と、Sout端子とを有し、背景雑音が大きいような状況でも安定して動作するように、2つのHレジスタ(HJレジスタ12、HMレジスタ13)を用いてエコーの消去演算を行うものである。なお、この図において、エコーキャンセラ装置10は、マイク24aおよびスピーカ25aとともに他の通信端末装置に備えられたエコーキャンセラ装置10aに接続されている。このエコーキャンセラ装置10aはエコーキャンセラ装置10と同様の構成であるので説明は省略する。
Rin端子は、他の通信端末装置のエコーキャンセラ装置10aから送信されてきた信号が入力され、Rout端子は、本エコーキャンセラ装置10が搭載された通信端末装置のスピーカ24に接続されるものである。また、Sin端子は、本エコーキャンセラ装置10搭載の通信端末装置のマイク25が接続され、Sout端子は、他の通信端末装置のエコーキャンセラ装置10aへ信号が送信される端子である。
ここでは、エコーキャンセラ装置10が相手側通信端末装置に搭載され、この相手側通信端末装置に無線又は有線回線を介して自通信端末装置が接続されている状態を想定する。よって、自分の音声が、エコーキャンセラ装置10のRin端子に入力され、Rout端子から相手に伝えられる。また、相手の音声は、Sin端子から入力されるが、Rout端子からの出力の一部がエコーとなり、このエコー信号もSin端子に入力される。また、Sin端子には背景雑音も入力されている。このようなエコーキャンセラ装置10は、エコーを含むSin端子の信号からエコーを消去してSout端子へ出力するようになっている。そのSout端子から送信される信号が自分に伝えられることになる。
Xレジスタ11は、Rin端子から入力された過去の信号Xjの値を保持するレジスタである。この値をベクトルXで表す。
X=[ X,X,...,XTap−1
XはTap数個分の要素を持つベクトルであり、Tapはタップ長である。また、Xnはnサンプル前のXjの値でありXが最新の値を表す。
HJレジスタ12とHMレジスタ13はエコー経路のインパルス応答の推定値を保持するレジスタである。これらのレジスタの値をベクトルHJとベクトルHMで表す。
HJ=[hj,hj,..,hjTap−1
HM=[hm,hm,..,hmTap−1
HJとHMはどちらもTap数個分の要素を持つベクトルである。これらHJとHMとを加算してエコー経路のインパルス応答の推定値(HJ+HM)は構成される。
このエコーキャンセラ装置10は、まずHMレジスタ13、畳込演算部14および減算器16を用いて下記の(式1)で示すエコーの消去演算を行う。
Fj=Sj−<HM・X> …(式1)
ここで、SjはSinから入力される信号、Fjは減算器16から出力される信号、<・>は内積演算を表す。
次に、HJレジスタ12、畳込演算部15および減算器17を用いて下記の(式2)で示すエコーの消去演算を行う。
Ej=Fj−<HJ・X> …(式2)
ここで、Ejは、減算器17から出力される信号を表す。
推定演算部18は、学習同定法(NLMSアルゴリズム:Normalized Least Mean Squar Algorithm、以下「NLMS」という)により下記の(式3)で示すエコー経路のインパルス応答の推定演算を行う。
HJ’=HJ+(μ×Ej/<X・X>)×X …(式3)
ここで、HJ’は、推定演算後のHJレジスタの更新値であり、μは推定演算の適用ゲインを示す定数である。
バックアップ制御部20は、エコー経路の推定が良好に行われている場合を検出し、推定が良好に行われている場合、ある間隔をおいて接続スイッチ21を接続し、下記の(式4)、(式5)を用いて演算する。この処理をバックアップ動作という。
HM’=αm×HM+αj×HJ …(式4)
HJ’=HJ−αj×HJ …(式5)
ここで、HM’、HJ’はバックアップ後のHMレジスタ、HJレジスタの値である。αmは1または0.99のような1より若干小さい定数であり、αjは例えば0.5のような定数で平滑化の度合いを決定する定数である。
αm=1の場合では、バックアップ動作により、HJ+HMの値を変化させないようにしながら、HMレジスタにはHJレジスタの値を平滑化した値が入力され、HMレジスタにはより確かな推定値が入力される。エコーの消去はHMレジスタ13を用いて行い、HJレジスタ12によりエコー経路のインパルス応答とHMレジスタの推定値の誤差成分の推定を行なっている。
このようにエコーキャンセラ装置10は、HJレジスタ12およびHMレジスタ13といったHレジスタを2段構成にすることにより、推定演算が良好に行えない場合にも安定してエコーキャンセル動作を行うようにしている。
特開2002−135172号公報
本発明者は、この従来のエコーキャンセラ装置10を用いて、双方でハンズフリー通話を行った際に、十分なエコー減衰量が得られない場合、例えば、(1)背景雑音が大きく、推定演算(学習)が精度良く行われない場合、(2)ダブルトーク状態で推定演算が精度良く行えない場合、(3)初期状態でまだ上述の推定演算が行われていない場合などでは、信号経路のループゲインが1を越えてハウリングが発生してしまう可能性がある点に着目し、この点の改良を試みた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、双方でハンズフリー通話を行った場合でも、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うことができるエコーキャンセラ装置を提供することを目的とする。
本発明のエコーキャンセラ装置は、相手側装置から伝送されてきた信号を保持する第1保持手段と、自装置のエコーパスのインパルス応答を推定する推定手段と、前記推定手段による推定値を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段から出力された推定値を保持する第3保持手段と、前記第2及び第3保持手段の推定値の加算値が一定となるように前記第2保持手段の推定値を平滑化し、平滑化した値を前記第3保持手段へ出力する平滑化手段と、前記第1及び第3保持手段の保持値を畳み込み演算する第1畳込演算手段と、自装置の入力信号から前記第1畳込演算手段からの出力値を減算する第1減算手段と、前記第1及び第2保持手段の保持値を畳み込み演算する第2畳込演算手段と、前記第1減算手段の出力値から前記第2畳込演算手段での出力値を減算する第2減算手段とを備えるエコーキャンセラ装置において、前記第1減算手段の出力値を減衰する第1減衰手段を有し、前記第2減算手段は、前記第1減衰手段の出力値から前記第2畳込演算手段での出力値を減算する構成を採る。
この構成によれば、第1および第3保持手段の推定値を用いて第1減算手段によりエコーのキャンセルと、第1および第2保持手段の推定値を用いて第2減算手段によりエコーのキャンセルとが明確に分離して行われ、さらに、第1減算手段の減算結果が減衰される構成となるため、第1減算手段と第2減算手段により行われるエコーのキャンセル動作が精度良く安定して行われるとともに、第1減算手段の減算結果が減衰され、十分にエコーを減衰させることにより、信号経路のループゲインを減少させ、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うことができる。
本発明のエコーキャンセラ装置は、上記構成において、前記第2畳込演算手段の演算結果を、前記第1減衰手段のゲインと同じゲインにより減衰して、第2減算手段に出力する第2減衰手段と、前記第2減算手段からの減算結果を、前記第1減衰手段のゲインの逆数により増幅して、前記推定演算手段に出力する増幅手段とを有し、前記第2減算手段は前記第1減衰手段の減衰結果から前記第2減衰手段での演算結果を減算する構成を採る。
この構成によれば、第1減衰手段により1以下のゲインで減衰された第1減算手段の結果から、第2減衰手段により1以下のゲインで減衰された第2畳込演算手段の結果を減算することにより推定演算手段に入力される第2減算手段の減算結果が、増幅手段によりゲインの逆数で増幅されているため、推定演算手段への入力信号は、第1減衰手段、第2減衰手段および増幅手段を設けることで影響を受けることがない。よって、推定演算手段は、第1減衰手段、第2減衰手段および増幅手段の影響を受けることなく、エコーパスのインパルス応答を推定することができる。
本発明のエコーキャンセラ装置は、上記構成において、前記ゲインを制御するゲイン制御部を有し、前記ゲイン制御部は、前記第2保持手段から出力される推定値のパワーに基づいて推定されたエコーパスのゲインの推定値により前記ゲインを制御する構成を採る。
この構成によれば、ゲイン制御部は、第1減衰手段で用いられるゲインを、第2保持手段から出力される推定値のパワーに基づいて推定されたエコーパスのゲインの推定値により制御するため、エコーパスのゲインを十分に減少させることができる。
本発明のエコーキャンセル方法は、伝送されてきた信号を保持する第1保持手段と、
、エコーパスのインパルス応答の推定値を保持する第2保持手段と、前記第2保持手段に保持された推定値を保持する第3保持手段とを有し、前記第2及び第3保持手段で保持された推定値の加算値が一定となるように前記第2保持手段での推定値を平滑化して前記第3手段に出力する平滑化ステップと、前記第1及び第3保持手段により保持された値を畳み込み演算する畳込演算ステップと、前記畳込演算ステップの演算結果を、入力信号から減算する第1減算ステップと、この第1減算ステップによる減算後の信号を減衰する減衰ステップと、前記第1及び第2保持手段により保持された値を畳み込み演算する第2畳込演算ステップと、前記減衰ステップの滅衰結果から前記第2畳込演算ステップの演算結果を減算する第2減算ステップとを有するようにした。
この方法によれば、第1および第3保持手段の推定値を用いて第1減算により行うエコーのキャンセルと、第1および第2保持手段の推定値を用いて第2減算により行うエコーのキャンセルとが明確に分離して行われ、さらに、第1減算の減算結果が減衰される構成となるため、第1減算と第2減算により行われるエコーのキャンセル動作が精度良く安定して行われるとともに、第1減算の減算結果が減衰され、十分にエコーを減衰させることにより、信号経路のループゲインを減少させ、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、双方でハンズフリー通話を行った場合でも、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うことができる。
また、第2保持手段の出力(例えば、パワー)を用いることで、エコー経路とエコーキャンセラのトータルのゲインを推定することができ、この推定値を用いてハウリング抑圧のための制御を行うことができる。
本発明の骨子は、自装置のエコーパスのインパルス応答を推定する推定演算手段による推定値を保持する保持手段と、この保持手段から出力された推定値を保持する別の保持手段とを有し、それぞれの保持手段の推定値を用いて、エコーのキャンセルを行う構成において、別の保持手段の推定値を用いたエコーキャンセル後の信号を、前者のレジスタの出力値のパワーに基づくゲインにより減衰させて、ループゲインを1以下に抑制することである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るエコーキャンセラ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すエコーキャンセラ装置100は、Xレジスタ101と、HJレジスタ102と、HMレジスタ103と、畳込演算部104,105と、第1減算部106と、第2減算部107と、推定演算部108と、スタティック推定部109と、バックアップ制御部110と、接続スイッチ111と、第1減衰器112と、第2減衰器113と、増幅器114と、パワー計算部115と、ゲイン制御部116と、Rin端子と、Rout端子と、Sin端子と、Sout端子とを有する。なお、この図において、エコーキャンセラ装置100は、他の通信端末装置に備えられたエコーキャンセラ装置100aに接続されている。このエコーキャンセラ装置100aは、エコーキャンセラ装置100と同様の構成であり、他の通信端末装置に備えられたマイク119aおよびスピーカ118aに接続されている。
Rin端子は、他の通信端末装置が備えるエコーキャンセラ装置100aから送信されてきた信号が入力され、Rout端子は、本エコーキャンセラ装置100が搭載された図示せぬ通信端末装置のスピーカ118に接続されるものである。
Sin端子は、本エコーキャンセラ装置100搭載の通信端末装置のマイク119が接続され、Sout端子は、他の通信端末装置のエコーキャンセラ装置100aへ信号が送信される端子である。
ここでは、エコーキャンセラ装置100が相手側通信端末装置に搭載され、この相手側通信端末装置に無線又は有線回線を介して自通信端末装置が接続されている状態を想定する。
従って、自分の音声が、エコーキャンセラ装置100のRin端子に入力され、Rout端子から相手に伝えられる。また、相手の音声は、Sin端子から入力されるが、Rout端子からの出力の一部がエコーとなり、このエコー信号もSin端子に入力される。また、Sin端子には背景雑音も入力されている。
このようなエコーキャンセラ装置100は、エコーを含むSin端子の信号からエコーを消去してSout端子へ出力するようになっている。そのSout端子から送信される信号が自分に伝えられることになる。
Xレジスタ101は、Rin端子から入力された過去の信号Xjを保持し、X信号を畳込演算部104、105に出力する。
推定演算部108は、増幅器114の出力信号を用いて、学習同定法(NLMS)などの適応同定アルゴリズムによりエコーパスのインパルス応答の推定を行う。
HJレジスタ102は、推定演算部108でのエコーパスのインパルス応答の推定値を保持し、スタティック推定部109に推定値HJとして出力する。
スタティック推定部109は、HMレジスタ103の推定値HMとHJレジスタ102の推定値HJとの加算値が一定となるようにしながら、推定値HJを平滑化処理した値を、接続スイッチ111を介してHMレジスタ103へ出力する。言い換えれば、HMレジスタ103に保持する精度の高い推定値を計算(スタティック推定処理)する。
バックアップ制御部110は、Sin端子の入力信号とSout端子の出力信号とのパワーの比であるエコー減衰量(ERLE)の推定値等を用い、推定が良好に行われており、HJレジスタ102の推定値の精度が高いと推定できる時を判定する。この判定時に、接続スイッチ111をオンとすることによって、スタティック推定部109で平滑化処理されたHJレジスタ102の推定値がHMレジスタ103にコピーされるように制御を行う。即ち、バックアップを行う。
HMレジスタ103は、スタティック推定処理されたエコーパスのインパルス応答の推定値を保持する。
畳込演算部104は、HMレジスタ103の推定値とXレジスタ101の推定値との畳み込み演算を行って、第1擬似エコー信号を生成して、第1減算部106に出力する。
第1減算部106は、Sin端子に入力された信号Sjから畳込演算部104で生成された第1擬似エコー信号を減算することによってエコーを消去するように動作し、信号Sjから第1疑似エコー信号を減算した信号を第1減衰器112に出力する。
第1減衰器112は、第1減算部106から出力された信号をエコーキャンセラ装置100自体の動作状態により制御される値であるゲインgsを用いて減衰して、第2減算部107およびSout端子に出力する。
畳込演算部105は、HJレジスタ102の推定値とXレジスタ101の推定値との畳み込み演算を行って、第2擬似エコー信号を生成し、第2減衰器113に出力する。
第2減算部107は、第1減衰器112により減衰された信号から第2減衰器113により減衰された信号を減算することによってエコーを消去するように動作し、エコーが消去された信号を増幅器114に出力する。
増幅器114は、第1減衰器112のゲインの逆数、ここでは、1/gsを用いて増幅した信号を推定演算部108に出力する。なお、減衰器112、113および増幅器114について、減衰器112、113のゲインの逆数を増幅器114のゲイン値としているので、推定演算部108へのエコーパス推定の対象となる入力信号は変化せず、推定演算部108における推定演算は影響を受けない。
パワー計算部115は、HJレジスタ102からの推定値HJの信号のパワーを下記の(式6)を用いて計算した値ghをゲイン制御部116に出力する。
gh=√<HJ・HJ> …(式6)
ゲイン制御部116は、パワー計算部115からの入力値に基づいて、第1減衰器112、第2減衰器113および増幅器114で用いられるゲインgsを制御する。
このゲイン制御部116では、ハウリングが発生しないような状況ではgs=1と制御し、この場合は、従来のエコーキャンセラ装置と同様の動作を行う。また、ゲイン制御部116では、ハウリングが発生する状況においてはgs<1と制御され、第1減衰器112によりループゲインを減少させハウリングの抑圧を行う。
このゲイン制御部116では、図1に示す経路Aから経路Bまでの利得、つまり、エコーキャンセラ処理されたエコー経路のゲイン推定値gを用いてゲインgsを制御する。この推定値gが所定の値より大きいときにハウリングが生じる。
この推定値gを用いたゲインgsの制御は、Xレジスタ101、HJレジスタ102、畳込演算部105によってFIR(Finite Impulse Response)フィルタを構成しているこことにより可能となる。すなわち、エコーキャンセラ装置100において、Rin端子に入力される信号が白色雑音の場合は、入力信号Xjと出力信号Yj(畳込演算部105の出力)のパワーは下記の(式7)により表せる。
Figure 2005210206
この式によりHJレジスタ102による推定演算がある程度進んでいる場合、第1減算器106の出力の信号パワーとYjの信号パワーがほぼ等しくなるとすることで、下記の(式8)により推定値gを推定する。
g=gs×√<HJ・HJ> …(式8)
(式7)および(式8)に基づいて、ゲイン制御部116は、ハウリングが発生するg=gs×ghの基準値をRとし、gs×gh>Rの場合に、ハウリングの抑圧を行う。gs×ghと基準値Rの誤差をeとすると、eは下記の(式9)により求められる。
e=gs×gh−R …(式9)
また、ゲイン制御部116では、次のサンプルにおけるgsをgs’とし、ghは次のサンプルにおいてもほとんど変化しないものとして、次のサンプルの誤差e’を下記の(式10)により算出する。
e’=gs’×gh−R …(式10)
次のサンプルの誤差e’を現サンプルの誤差eのα倍(α<1)となる下記の(式11)を変形して下記の(式12)を算出する。
α×(gs×gh−R)=gs’×gh−R …(式11)
gs’=α×gs+(1−α)R/gh …(式12)
(式12)からゲイン制御部116は、gs’を次サンプルのgsとし、このgsを用いて減衰器112、113、増幅器114を制御する。このように、ゲイン制御部116は、原サンプルのgsを用いて、次のサンプルのgs値であるgs′を計算し、次のサンプルではgs′をgsとして、さらに次のgs′を計算することにより、gsを逐次的(巡回的)に求める。
本実施の形態では、第1減算部106において、HMレジスタ103の推定値を用いて生成した第1擬似エコー信号を入力信号Sjから減算することによってエコーを消去して信号を求める。この信号は第1減衰器112に入力され、第1減衰器112は、ゲインgsを用いて減衰される。なお、このゲインgsは、パワー計算部115において算出されたHJレジスタ102の出力値のパワーから推定されたエコー経路のゲインgに基づいてゲイン制御部116により設定される。
更に、第2減算部107において、HJレジスタ102の推定値を用いて生成され、第2減衰器113により減衰した第2擬似エコー信号を、第1減衰器112の出力信号から減算することによってエコーを消去し、増幅器114に出力する。この出力された信号は、増幅器114において、ゲインgsの逆数により増幅されて、推定演算部108に出力する。
なお、上記の場合、HMレジスタ103には、常にできる限り正確な推定値を記憶するようにし、この推定値をスタテッィクなキャンセルの目的に使用する。一方、HJレジスタ102の推定値は、HMレジスタ103の推定値とエコーパスの誤差分の推定と、ダイナミックなキャンセルの目的に使用する。
このように、本実施の形態によれば、HMレジスタ103の推定値をスタテッィクなキャンセル用、HJレジスタ102の推定値をダイナミックなキャンセル用と明確に分離できるように構成したので、ダイナミックなキャンセルがスタテッィクなキャンセルに影響することが軽減され、ダイナミック及びスタティック双方のトレードオフによる設計の制約を軽減することができる。
これにより、第1減算部106と第2減算部107により行われるエコーのキャンセル動作が精度良く安定して行なわれるとともに、第1減算部106の減算結果が減衰され、十分にエコーを減衰させることにより、信号経路のループゲインを減少させ、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行うことができる。また、エコーキャンセラの推定演算に影響を与えずに、ハウリング条件の検出とハウリングの抑圧を行うことができる。
また、第1減衰器112、第2減衰器113および増幅器114については、第1減衰器112及び第2減衰器113のゲインの逆数を増幅器114のゲインとしているので、推定演算部108へのエコーパス推定の対象となる入力信号は変化せず、推定演算部108における推定演算に影響を与えることがない。よって、第1減衰器112は、パワー計算部115、ゲイン制御部116、HJレジスタ102を用いて、ハウリング条件の検出とハウリングの抑圧を行うことができる。
本発明に係るエコーキャンセラ装置は、双方でハンズフリー通話を行った際にも、十分にエコーを減衰させることにより、信号経路のループゲインを減少させ、ハウリングが生じにくく、快適な通話を行う効果を有し、移動体通信システムの無線電話回線に接続される携帯電話機や有線電話回線に接続される据置型電話機、又は無線/有線電話機能及びコンピュータ機能を備えた情報通信端末機等の通信端末装置として有用である。
本発明の一実施の形態に係るエコーキャンセラ装置の構成を示すブロック図 従来のエコーキャンセラ装置の構成を示すブロック図
符号の説明
100 エコーキャンセラ装置
101 Xレジスタ
102 HJレジスタ
103 HMレジスタ
104 畳込演算部
105 畳込演算部
106 第1減算部
108 推定演算部
109 スタティック推定部
112 第1減衰器
113 第2減衰器
114 増幅器
115 パワー計算部
116 ゲイン制御部

Claims (4)

  1. 相手側装置から伝送されてきた信号を保持する第1保持手段と、
    自装置のエコーパスのインパルス応答を推定する推定手段と、
    前記推定手段による推定値を保持する第2保持手段と、
    前記第2保持手段から出力された推定値を保持する第3保持手段と、
    前記第2及び第3保持手段の推定値の加算値が一定となるように前記第2保持手段の推定値を平滑化し、平滑化した値を前記第3保持手段へ出力する平滑化手段と、
    前記第1及び第3保持手段の保持値を畳み込み演算する第1畳込演算手段と、
    自装置の入力信号から前記第1畳込演算手段からの出力値を減算する第1減算手段と、 前記第1及び第2保持手段の保持値を畳み込み演算する第2畳込演算手段と、
    前記第1減算手段の出力値から前記第2畳込演算手段での出力値を減算する第2減算手段とを備えるエコーキャンセラ装置において、
    前記第1減算手段の出力値を減衰する第1減衰手段を有し、
    前記第2減算手段は、前記第1減衰手段の出力値から前記第2畳込演算手段での出力値を減算することを特徴とするエコーキャンセラ装置。
  2. 前記第2畳込演算手段の演算結果を、前記第1減衰手段のゲインと同じゲインにより減衰して、第2減算手段に出力する第2減衰手段と、
    前記第2減算手段からの減算結果を、前記第1減衰手段のゲインの逆数により増幅して、前記推定演算手段に出力する増幅手段とを有し、
    前記第2減算手段は前記第1減衰手段の出力値から前記第2減衰手段の出力値を減算することを特徴とする請求項1記載のエコーキャンセラ装置。
  3. 前記ゲインを制御するゲイン制御部を有し、
    前記ゲイン制御部は、前記第2保持手段から出力される推定値のパワーに基づいて推定されたエコーパスのゲインの推定値により前記ゲインを制御することを特徴とする請求項1記載のエコーキャンセラ装置。
  4. 伝送されてきた信号を保持する第1保持手段と、
    エコーパスのインパルス応答の推定値を保持する第2保持手段と、
    前記第2保持手段に保持された推定値を保持する第3保持手段とを有し、
    前記第2及び第3保持手段で保持された推定値の加算値が一定となるように前記第2保持手段での推定値を平滑化して前記第3保持手段に出力する平滑化ステップと、
    前記第1及び第3保持手段により保持された値を畳み込み演算する畳込演算ステップと、
    前記畳込演算ステップの演算結果を、入力信号から減算する第1減算ステップと、
    この第1減算ステップによる減算後の信号を減衰する減衰ステップと、
    前記第1及び第2保持手段により保持された値を畳み込み演算する第2畳込演算ステップと、
    前記減衰ステップの滅衰結果から前記第2畳込演算ステップの演算結果を減算する第2減算ステップとを有することを特徴とするエコーキャンセル方法。
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US8917885B2 (en) 2008-09-24 2014-12-23 Yamaha Corporation Loop gain estimating apparatus and howling preventing apparatus

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