JP2005209593A - 金属めっき層付き樹脂成形体、金属めっき層付き樹脂キートップ、金属めっき層付き樹脂成形体の製造方法及び金属めっき層付き樹脂キートップの製造方法 - Google Patents

金属めっき層付き樹脂成形体、金属めっき層付き樹脂キートップ、金属めっき層付き樹脂成形体の製造方法及び金属めっき層付き樹脂キートップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂キートップに形成した金属めっき層が、ランナーとの切断縁から大きく剥離することを抑制できるようにする。
【解決手段】 キートップ本体11のフランジ11aには、ランナーから切り離した切断部11bが形成されている。金属めっき層14は、フランジ11aに形成された凹凸面部11dを被覆し、切断部11bの上下の切断縁11cに至るように、形成される。このため、切断縁11cの周辺における金属めっき層14と凹凸面部11dとの境界面積が大きく、凹凸面部11dに対する金属めっき層14の密着力が高くなり、切断縁11cにおける金属めっき層14の剥離の拡大を抑制できる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、めっき処理による金属めっき層を形成した樹脂成形体及びその製法に関し、特に、該金属めっき層を形成した押釦スイッチ用の樹脂キートップ及びその製法に関する。
携帯情報端末などの各種機器の入力操作に用いる押釦スイッチについては、めっき処理によって金属めっき層を設けるデザインの樹脂キートップが要望されている(特許文献1,特許文献2)。これは、金属調の加飾によって、高級感を演出できること、またパール調や金属調の外装とされた各種機器の筐体とのデザイン上の統一性をもたせることができることによる。
このように、金属めっき層を形成した樹脂キートップは、例えば図9,10で示すように製造される。まず、無電解めっき処理による金属層を形成可能な合成樹脂の射出成形によって、図9で示すように樹脂成形体本体すなわちキートップ本体1と、ランナー2とが一体の樹脂成形体3を得る。キートップ本体1には、側面の下端に外向きに突出するフランジ1aが形成されており、ランナー2はそこと繋がっている。次に、この樹脂成形体3について、無電解めっき処理を行い、図10(a)で示すように表面に無電解めっき層4を形成する。そして、更に、これに電解めっき処理を行い、図10(b)で示すように電解めっき層5を形成する。こうして、無電解めっき層4と電解めっき層5とでなる金属めっき層6を形成した後は、図10(c)で示すように切断用の刃Cによって、キートップ本体1とランナー2との切断加工を行う。これによって、図11(a)で示すような、キートップ本体1に金属めっき層6を形成した金属めっき層付き樹脂キートップ7が得られる。
特開2003−229036号公報 特開2002−184259号公報
ところで、以上のようにして製造される金属めっき層付き樹脂キートップ7については、キートップ本体1とランナー2との切断によって、図11(b)で拡大して示すように切断縁における金属めっき層6がキートップ本体1から剥離することがある、という問題がある。そして、このように金属めっき層6が剥離すると、金属めっき層付き樹脂キートップ7の押圧操作時の振動や、筐体など他の部材との接触によってさらに大きくなり、場合によっては、金属めっき層付き樹脂キートップ7の押圧操作面となる天面にまで剥離してしまうことがある。こうなると、金属めっき層付き樹脂キートップ7の外観を損ねてしまい、著しくその製品価値が低下することになる。こうした問題は、金属めっき層付き樹脂キートップ7にとって切実な問題となるが、樹脂成形体本体にランナーから切り離した切断縁を有し、金属めっき層がデザイン要素とされるその他の樹脂成形体においても、同様に起こりうる共通の問題といえる。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、金属めっき層がその切断縁から大きく剥離することを抑制できるような金属めっき層付きの樹脂成形体及び樹脂キートップ、並びに、金属めっき層付きの樹脂成形体及び樹脂キートップの各製造方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は、樹脂成形体本体にランナーから切り離した切断縁を有し、少なくとも該切断縁とその周辺を含むように、樹脂成形体本体を部分的に又は全体的に被覆した金属めっき層を有する金属めっき層付き樹脂成形体について、該樹脂成形体本体の表面に該切断縁に至る凹凸面部が形成され、該金属めっき層が該凹凸面部を被覆するように形成してあることを特徴とする。
この金属めっき層付き樹脂成形体では、金属めっき層が、少なくとも切断縁に形成した凹凸面部を含むように、樹脂成形体本体を被覆する。このため、切断縁周辺における金属めっき層と凹凸面部との境界面積が大きく、金属めっき層の凹凸面部に対する密着力が高い。したがって、切断縁における金属めっき層の剥離の拡大を抑えることができる。
また、上記目的を達成すべく本発明は、キートップ本体の側面に外向きの突出部が形成され、該突出部にランナーから切り離した切断縁を有し、少なくとも該切断縁とその周辺を含むように、キートップ本体を部分的に又は全体的に被覆した金属めっき層を有する金属めっき層付き樹脂キートップについて、該突出部の表面に該切断縁に至る凹凸面部が形成されており、該金属めっき層が少なくとも該凹凸面部を被覆するように形成してあることを特徴とする。
この金属めっき層付き樹脂キートップでは、金属めっき層が、少なくともキートップ本体の突出部に形成した凹凸面部を含むように、キートップ本体を部分的又は全体的に被覆する。このため、切断縁周辺における金属めっき層と凹凸面部との境界面積が大きく、凹凸面部に対する金属めっき層の密着力が高い。したがって、切断縁における金属めっき層の剥離の拡大を抑えることができる。
前記各本発明における凹凸面部は、成形金型のキャビティ面に、該凹凸面部に対応する凹凸面を設けておき、型成形によって形成したものとして構成できる。あるいは、型成形によって樹脂成形体本体やキートップ本体を得た後に、表面加工によって形成したものとして構成できる。
さらに、上記目的を達成すべく本発明は、樹脂成形体本体とランナーとの連続部分に凹凸面部を有する樹脂成形体を成形する成形工程と、少なくとも該凹凸面部を含む樹脂成形体本体に、金属めっき層を、部分的に又は全体的に形成するめっき処理工程と、該連続部分を切断し、樹脂成形体本体をランナーと分離する切断工程と、を含む金属めっき層付き樹脂成形体の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、樹脂成形体本体とランナーとの連続部分に形成した凹凸面部を含むように金属めっき層を形成し、そして、連続部分で樹脂成形体本体とランナーとを切断する。このため、金属めっき層と凹凸面部との境界面積がおおきく、凹凸面部に対する金属めっき層の密着力が高いので、切断工程で切断された樹脂成形体本体の切断縁周辺における金属めっき層の剥離の発生と拡大を抑制することができる。
さらにまた、上記目的を達成すべく本発明は、キートップ本体の側面に外向きに形成した突出部とランナーとの連続部分に、凹凸面部を有する樹脂キートップを成形する成形工程と、少なくとも該凹凸面部を含むキートップ本体に、金属めっき層を、部分的に又は全体的に形成するめっき処理工程と、該連続部分を切断し、樹脂キートップをランナーと分離する切断工程と、を含む金属めっき層付き樹脂キートップの製造方法を提供する。
この製造方法によれば、キートップ本体の突出部とランナーとの連続部分に形成した凹凸面部を含むように金属めっき層を形成し、そして、連続部分でキートップ本体とランナーとを切断する。このため、金属めっき層と凹凸面部との境界面積がおおきく、凹凸面部に対する金属めっき層の密着力が高いので、切断工程で切断されたキートップ本体の切断縁周辺における金属めっき層の剥離の発生と拡大を抑制することができる。
前記各製造方法における凹凸面部は、成形金型のキャビティ面に、該凹凸面部に対応する凹凸面を設けておき、型成形によって形成したものとして構成できる。これによれば、成形工程のみで効率的に凹凸面部を形成することができる。
以上の各本発明、すなわち金属めっき層付きの樹脂成形体及び樹脂キートップ、並びに金属めっき層付きの樹脂成形体及び樹脂キートップの各製造方法における金属めっき層は、具体的には、無電解めっき層、電解めっき層、又は無電解めっき層と電解めっき層とを積層した複合層のうちの何れかとして構成される。このうち、電解めっき層を表層として構成した場合、電解めっき層は硬質であり耐久性が高いため、さらにその剥離の発生と拡大の抑制を確実なものとすることができる。そしてこの場合、上記本発明の各製造方法におけるめっき処理工程は、ランナーを介して通電する電解めっき処理によって金属めっき層を形成するものとして構成される。
また、以上の各本発明における樹脂成形体本体とキートップ本体は、金属めっき層を形成可能な樹脂によって形成することができる。また、金属めっき層を形成可能な樹脂と金属めっき層を形成不可能な樹脂との複合成形体として形成することもできる。この場合には、そのうちの一方の樹脂による成形体を得た後に、該成形体を他方の樹脂の成形金型に移載してから成形を行うことで、形成することができる。また、いわゆる生産効率の高い二色成形によって形成することもできる。
さらに、以上の各本発明における樹脂成形体と樹脂キートップは、金属めっき層の上に文字や記号等の表示部を、印刷や金属めっき層の切削により形成したものとして構成することができる。また、金属めっき層や表示部の上に、無色透明又は有色透明の硬質樹脂でなる保護層を形成したものとして構成することもできる。
本発明の金属めっき層付き樹脂成形体及び金属めっき層付き樹脂キートップによれば、金属めっき層の剥離の拡大を抑制できるので、それらを使用状態においても、金属めっき層による金属調の加飾が損なわれることなく、製品価値を高めることができる。特に、金属めっき層付き樹脂キートップは、各種機器の筐体に貫通形成された孔に配置すると、孔の壁面との離間距離が僅かであるため、繰り返しの押圧操作により、金属めっき層が壁面と接触して剥離の拡大が生じやすいが、該樹脂キートップによれば、そのような剥離の拡大も抑制することができる。
本発明の金属めっき層付き樹脂成形体の製造方法及び金属めっき層付き樹脂キートップの製造方法によれば、金属めっき層の剥離の発生と拡大を抑制できるので、歩留まり良く金属めっき層による金属調の加飾を有する金属めっき層付きの樹脂成形体及び樹脂キートップを製造することができる。また、その樹脂成形体及び樹脂キートップは、これらを使用状態においても、金属めっき層による金属調の加飾が損なわれることなく、製品価値を高めることができるものとなる。
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態〔図1〜図4〕: 図1で示す「金属めっき層付き樹脂成形体」としての金属めっき層付き樹脂キートップ10は、図2で示すように、「樹脂成形体本体」としてのキートップ本体11に、無電解めっき層12と電解めっき層13とを積層形成した金属めっき層14を有するものとして構成される。
キートップ本体11は、無電解めっき可能な樹脂を素材としている。無電解めっき可能な樹脂としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリフェニレンオキサイド(PPO)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂等の樹脂、これら樹脂のアロイ樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のアロイ樹脂、さらにはそれらの変性樹脂等である。
また、キートップ本体11には、側面の下端に、全周にわたって外向きに突出する「突出部」としてのフランジ11aが形成されている。そして、フランジ11aには、切断部11bが形成されており、その上下の切断縁11cとその周辺には凹凸面部11dが形成されている。前述の金属めっき層14は、この凹凸面部11dを被覆するように積層形成されている。
以上のような構成の金属めっき層付きキートップ10は、具体的にはシリコーンゴムなどの熱硬化性エラストマーや熱可塑性エラストマーなどのゴム状弾性体でなるベースシートに接着されて、押釦スイッチ用のキーシートを構成する。このキーシートは、携帯電話機、PDA、各種リモートコントローラなどの各種機器の筐体に内蔵されて使用される。
次に、金属めっき層付き樹脂キートップ10の製造方法を説明する。まず、無電解めっき処理により金属めっき層(無電解めっき層12)を形成可能な樹脂(例えばABS樹脂)を型成形(例えば射出成形)して、図3で示すようにキートップ本体11と、ランナー15とが一体の樹脂成形体16を得る。
この樹脂成形体16には、キートップ本体11のフランジ11aとランナー15との連続部分に、凹凸面17が形成される。すなわち、成形金型のキャビティ面には、凹凸面17に対応する部分がサンドブラストによって凹凸形状に加工されており、凹凸面17は、そのキャビティ面の凹凸形状によって形成されることとなる。
次に、樹脂成形体16について、めっき処理に付随する前処理として、金属がめっきする部分の表面にエッチング処理を行う。そして、無電解めっき処理を行い、図4(a)で示すように表面に無電解めっき層12を形成してから、さらに電解めっき処理を行い、図4(b)で示すように電解めっき層13を形成する。こうして金属めっき層14を形成した後は、図4(c)で示すように切断用の刃Cによって、キートップ本体11のフランジ11aとランナー15とを切り離す切断加工を行う。これによって、図1,図2で示すような、キートップ本体11に金属めっき層14を形成した金属めっき層付き樹脂キートップ10が得られる。
次に、第1実施形態の作用・効果を説明する。
金属めっき層付き樹脂キートップ10は、金属めっき層16が、切断縁11cの周辺に形成した凹凸面部11dを含めてキートップ本体11を被覆する。このため、切断縁11cの周辺における金属めっき層16と凹凸面部11dとの境界面積が大きく、金属めっき層14の凹凸面部11dに対する密着力が高い。したがって、切断縁11cにおける金属めっき層16の剥離の拡大を抑えることができる。
本形態では、図2(b)で示すように、凹凸面部11dに積層する無電解めっき層12が凹凸面部12aとして形成され、さらに電解めっき層13も凹凸面部13aとして形成される。したがって、凹凸面部11dと無電解めっき層12の凹凸面部12aとの間だけでなく、凹凸面部12aと凹凸面部13aとの間でも、境界面積の増大による密着力の強化がなされており、金属めっき層14全体として剥がれにくくなっている。
本形態では、最表層に硬質で耐久性の高い電解めっき層23が形成されるので、金属めっき層付き樹脂キートップ20を、電解めっき層23が外部に露出するようにして使用されても、容易に損傷することを回避することができる。
金属めっき層付き樹脂キートップ10は、これを例えば携帯電話機の筐体に貫通形成された孔に配置すると、孔の壁面との離間距離が僅かであるため、繰り返しの押圧操作により、金属めっき層14が壁面と接触して剥離の拡大が生じやすいが、該樹脂キートップ10によれば、そのような剥離の拡大も抑制することができる。
前記製法によれば、樹脂成形体16に、キートップ本体11のフランジ11aとランナー15との切断箇所となる凹凸面部11dが形成され、そこを被覆するように金属めっき層14が形成されるため、前述のような金属めっき層14の強い密着力によって、切断刃Cを押し引きしても金属めっき層14の剥離の発生が抑制される。そして、前述のように剥離の拡大も抑制される。
第2実施形態〔図5〜図8〕: 第2実施形態の金属めっき層付き樹脂キートップ20は、図5,図6で示すように、樹脂成形体本体としてのキートップ本体21に、無電解めっき層22と電解めっき層23とを積層した金属めっき層24を有するものとして構成される。
本形態のキートップ本体21は、第1実施形態で例示した無電解めっき可能な樹脂と、無電解めっきではめっき層を形成することのできない樹脂とを二色成形して得られるものである。具体的には、図6で示すように、無電解めっきではめっき層を形成不可能な樹脂にて内側部21aが形成され、無電解めっき可能な樹脂にて外側部21bが形成される。
内側部21aは、無電解めっきではめっき層を形成することのできない樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレン(PE)系樹脂、結晶性ポリオレフィン系樹脂、多環ノルボネン系メタクリレート樹脂等にて形成される。さらに本形態では、透光性の前記樹脂にて形成される。また、内側部21aは、立方体形状であり、その上面には数字“1”が立体的に突出する表示突起21cが凸形成されている。
外側部21bは、前述のごとく無電解めっき可能な樹脂にて形成されており、内側部21aのすべての側面と、表示突起21cの上面を除く内側部21aの上面とを被覆する。外側部21bには、対向する側面の下端に「突出部」としての突起21dが各々突出している。この突起21dには、切断部21eが形成され、その上下の切断縁21fとその周辺には凹凸面部21gが形成される。金属めっき層24は、この凹凸面部21gを被覆して形成される。
以上のような構成の金属めっき層付きキートップ20は、第1実施形態と同様にゴム状弾性体でなるベースシートに接着されて、押釦スイッチ用のキーシートを構成し、携帯電話機などの各種機器の筐体に内蔵されて使用される。
次に、金属めっき層付き樹脂キートップ20の製造方法を説明する。まず、二色成形によって、前述の内側部21aを射出成形し、次いで外側部21bを射出成形して、図7で示すようなキートップ本体21と、ランナー25とが一体の樹脂成形体26を得る。
このとき、成形金型のキャビティ面には、キートップ本体21の突起21dとランナー25との連続部分と対応する部分がサンドブラストによって凹凸形状に加工されている。したがって、樹脂成形体26の該連続部分には、凹凸面27が形成されている。
次に、樹脂成形体26について、めっき処理に付随する前処理として、金属がめっきする部分の表面にエッチングを行う。そして、無電解めっき処理を行い、図8(a)で示すように表面に無電解めっき層22を形成する。このとき、無電解めっき層22は、外部に露出する内側部21aの底面と、表示突起21cの上面には形成されない。そしてさらに電解めっき処理を行い、図8(b)で示すように電解めっき層23を形成する。こうして金属めっき層24を形成した後は、図8(c)で示すように切断用の刃Cによって、キートップ本体21の突起21dとランナー25とを切り離す切断加工を行う。これによって、図5,図6で示すような、キートップ本体21に金属めっき層24を形成した金属めっき層付き樹脂キートップ20が得られる。
次に、第2実施形態の作用・効果を説明する。
金属めっき層付き樹脂キートップ20は、金属めっき層26が、切断縁21fの周辺に形成した凹凸面部21gを含めてキートップ本体21を被覆する。このため、切断縁21fの周辺における金属めっき層26と凹凸面部21gとの境界面積が大きく、金属めっき層26の凹凸面部21gに対する密着力が高い。よって、切断縁21fからの金属めっき層26の剥離の拡大を抑えることができる。
本形態では、凹凸面部21gに積層する無電解めっき層22が凹凸面部22aとして形成され、さらに電解めっき層23も凹凸面部23aとして形成される。したがって、凹凸面部21gと無電解めっき層22の凹凸面部22aとの間だけでなく、無電解めっき層22と電解めっき層23との間でも、凹凸面部22aと凹凸面部23aとの境界面積の増大による密着力の強化がなされており、金属めっき層24全体として剥がれにくくなっている。
本形態では、最表層に硬質で耐久性の高い電解めっき層23が形成されるので、金属めっき層付き樹脂キートップ20を、電解めっき層23が外部に露出するようにして使用されても、容易に損傷することを回避することができる。
金属めっき層付き樹脂キートップ20は、これを例えば携帯電話機の筐体に貫通形成された孔に配置すると、孔の壁面との離間距離が僅かであるため、繰り返しの押圧操作により、金属めっき層24が壁面と接触して剥離の拡大が生じやすいが、該樹脂キートップ20によれば、そのような剥離の拡大も抑制することができる。
本形態では、内側部21aが透光性の前記樹脂にて形成されており、照光式の金属めっき層付き樹脂キートップ20として構成される。したがって、機器の内部に設けた照光用の光源からの光は、透光性の内側部21aを通過して、数字“1”を象る表示突起21cが明るく光り、暗所でも表示突起21cに表示される数字“1”を明瞭に視認することができる。
前記製法によれば、樹脂成形体26に、キートップ本体21の突起21dとランナー25との切断箇所となる凹凸面部21gが形成され、そこを被覆するように金属めっき層24が形成されるため、金属めっき層24の強い密着力によって、切断刃Cを押し引きしても金属めっき層24の剥離の発生が抑制される。そして、前述のように剥離の拡大も抑制される。
次に、第1実施形態及び第2実施形態の変形例を説明する。
第1実施形態と第2実施形態ではともに、無電解めっき層12,22と電解めっき層13,23に凹凸面部12a,22a,13a,23aが形成されるものを例示したが、キートップ本体11,21の凹凸面部11d,21gの深さやめっき条件等に応じて、それが形成されないものでもよい。
第1実施形態については、金属めっき層14の表面に、文字や数字等を表す印刷層や、金属めっき層14や該印刷層を損傷から守る透光性樹脂又は半透明樹脂でなる保護層を形成することができる。また、第2実施形態の場合も、金属めっき層24の透明樹脂又は半透明樹脂でなる保護層を形成することができる。
第2実施形態の外側部21bの素材樹脂については、透光性であるか非透光性であるかを明示していないが、切断部21eからの光漏れを無くす場合には非透光性の樹脂を使用する。また、光漏れを生じても良い場合には透光性の樹脂を使用してもよい。
第2実施形態の内側部21aの表示突起21cは、数字“1”の立体形状としたが、その他の数字や文字であってもよい。また、第1実施形態、第2実施形態ともに、金属めっき層付き樹脂キートップ10,20の形状は一例であり、他の形状であってもよい。
第1実施形態による金属めっき層付き樹脂キートップの外観斜視図。 図1のSC−SC線に沿う断面図で、分図(a)は断面図、分図(b)は分図(a)のSD部拡大断面図。 キートップ本体とランナーとを含む樹脂成形体の外観斜視図。 図3のSE−SE線断面で示す金属めっき層付き樹脂キートップの製造工程図であり、分図(a)は無電解めっき工程を示す断面図、分図(b)は電解めっき工程を示す断面図、分図(c)はキートップ本体とランナーとの切断工程を示す断面図。 第2実施形態による金属めっき層付き樹脂キートップの外観斜視図。 図5の金属めっき層付き樹脂キートップの構造を示す説明図であり、分図(a)は平面図、分図(b)は分図(a)のSF−SF線断面図、分図(c)は分図(b)のSG部拡大断面図。 キートップ本体とランナーとを含む樹脂成形体の外観斜視図。 図7のSH−SH線断面で示す金属めっき層付き樹脂キートップの製造工程図であり、分図(a)は無電解めっき工程を示す断面図、分図(b)は電解めっき工程を示す断面図、分図(c)はキートップ本体とランナーとの切断工程を示す断面図。 一従来例によるキートップ本体とランナーとを含む樹脂成形体の外観斜視図。 図9のSA−SA線断面で示す金属めっき層付き樹脂キートップの製造工程図であり、分図(a)は無電解めっき工程を示す断面図、分図(b)は電解めっき工程を示す断面図、分図(c)はキートップ本体とランナーとの切断工程を示す断面図。 図10の製造工程を経て得られる金属めっき層付き樹脂キートップの拡大断面図であり、分図(a)は図9のSA−SA線断面に相当する断面図、分図(b)は分図(a)のSB部拡大断面図。
符号の説明
1 キートップ本体
1a フランジ
2 ランナー
3 樹脂成形体
4 無電解めっき層
5 電解めっき層
6 金属めっき層
7 金属めっき層付き樹脂キートップ
10 金属めっき層付き樹脂キートップ(第1実施形態)
11 キートップ本体
11a フランジ(突出部)
11b 切断部
11c 切断縁
11d 凹凸面部
12 無電解めっき層
13 電解めっき層
13a 凹凸面部
14 金属めっき層
14a 凹凸面部
15 ランナー
16 樹脂成形体
17 凹凸面
20 金属めっき層付き樹脂キートップ(第2実施形態)
21 キートップ本体
21a 内側部
21b 外側部
21c 表示突起
21d 突起
21e 切断部
21f 切断縁
21g 凹凸面部
22 無電解めっき層
23 電解めっき層
24 金属めっき層
25 ランナー
26 樹脂成形体

Claims (6)

  1. 樹脂成形体本体にランナーから切り離した切断縁を有し、少なくとも該切断縁とその周辺を含むように、樹脂成形体本体を部分的に又は全体的に被覆した金属めっき層を有する金属めっき層付き樹脂成形体において、
    該樹脂成形体本体の表面に該切断縁に至る凹凸面部が形成され、該金属めっき層が該凹凸面部を被覆するように形成してあることを特徴とする金属めっき層付き樹脂成形体。
  2. キートップ本体の側面に外向きの突出部が形成され、該突出部にランナーから切り離した切断縁を有し、少なくとも該切断縁とその周辺を含むように、キートップ本体を部分的に又は全体的に被覆した金属めっき層を有する金属めっき層付き樹脂キートップにおいて、
    該突出部の表面に該切断縁に至る凹凸面部が形成されており、該金属めっき層が少なくとも該凹凸面部を被覆するように形成してある金属めっき層付き樹脂キートップ。
  3. 樹脂成形体本体とランナーとの連続部分に凹凸面部を有する樹脂成形体を成形する成形工程と、
    少なくとも該凹凸面部を含む樹脂成形体本体に、金属めっき層を、部分的に又は全体的に形成するめっき処理工程と、
    該連続部分を切断し、樹脂成形体本体をランナーと分離する切断工程と、を含む金属めっき層付き樹脂成形体の製造方法。
  4. めっき処理工程で、ランナーを介して通電する電解めっき処理によって金属めっき層を形成する請求項3記載の樹脂成形体の製造方法。
  5. キートップ本体の側面に外向きに形成した突出部とランナーとの連続部分に、凹凸面部を有する樹脂キートップを成形する成形工程と、
    少なくとも該凹凸面部を含むキートップ本体に、金属めっき層を、部分的に又は全体的に形成するめっき処理工程と、
    該連続部分を切断し、樹脂キートップをランナーと分離する切断工程と、を含む金属めっき層付き樹脂キートップの製造方法。
  6. めっき処理工程で、ランナーを介して通電する電解めっき処理によって金属めっき層を形成する請求項5記載の樹脂成形体の製造方法。
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