JP2005208294A - レーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】深紫外レーザー光を照射しても透過率が低下することなく、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことを可能にする。
【解決手段】可視レーザー光から波長変換により深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶を略気密状態で内部に保持するレーザー装置における非線形結晶保持箱であって、上記非線形結晶によって発生された深紫外レーザー光を透過する深紫外レーザー光出射窓を有し、上記深紫外レーザー光出射窓は、活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムよりなるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置に関し、さらに詳細には、深紫外レーザー光を発生させる際に用いて好適なレーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置に関する。
近年、深紫外レーザー光を発生する深紫外レーザーが、電子産業分野などにおける微細加工技術に適用されつつあることが知られている。
ここで、深紫外レーザー光を発生するために使用される非線型結晶(例えば、CLBO結晶などのボレート系結晶である。)は潮解性を有するので、当該結晶を略気密構造内に保持する必要がある。従って、非線型結晶により発生した深紫外レーザー光は、略気密構造に配設された光学窓を通して取り出す必要がある。
一般に、光学窓を形成する材料としては、従来より石英ガラスや弗化カルシウムなどが使用されてきたが、照射される深紫外レーザー光によって損傷を受けて透過率が低下し、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことができないという問題点があった。
なお、現在までのところ、この透過率が低下する原因は明らかではないが、石英ガラスについては、多光子吸収によるバンド間遷移に起因した結晶破壊や、あるいは微量不純物が関与した吸収などが透過率低下の原因と考えられている。一方、弗化カルシウムについては、結晶成長時に添加された弗素化合物などの微量残留物が関与して形成された不純物中心によって誘起された吸収などが透過率低下の原因と考えられている。

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
本発明は、上記したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、深紫外レーザー光を照射しても透過率が低下することなく、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことが可能な光学窓を備えたレーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、可視レーザー光から波長変換により深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶を略気密状態で内部に保持するレーザー装置における非線形結晶保持箱であって、上記非線形結晶によって発生された深紫外レーザー光を透過する深紫外レーザー光出射窓を有し、上記深紫外レーザー光出射窓は、活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムよりなるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記深紫外レーザー光出射窓は、波長266nm以下、パルス繰り返し周波数5kHz以上の深紫外レーザー光を透過するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、可視レーザー光を発生するレーザーと、上記レーザーによって発生される可視レーザー光から波長変換により深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶を略気密状態で内部に保持する非線形結晶保持箱とを有し、上記非線形結晶保持箱は、上記非線形結晶によって発生された深紫外レーザー光を透過する深紫外レーザー光出射窓を有し、上記深紫外レーザー光出射窓は、活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムよりなるようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項3に記載の発明において、上記深紫外レーザー光出射窓は、波長266nm以下、パルス繰り返し周波数5kHz以上の深紫外レーザー光を透過するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、本発明のうち請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記レーザーは、上記深紫外レーザー光出射窓における深紫外レーザー光の入力強度密度が3MW/cm以下となるように可視レーザー光を発生するようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、深紫外レーザー光を照射しても透過率が低下することなく、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことが可能な光学窓を備えたレーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるレーザー装置における非線形結晶保持箱およびそれを用いたレーザー装置の実施の形態の一例を詳細に説明する。

図1には、本発明の実施の形態の一例によるレーザー装置における非線形結晶保持箱の概略構成説明図が示されている。
このレーザー装置における非線形結晶保持箱(以下、単に「非線形結晶保持箱」と適宜に称する。)10は、例えば、CLBO結晶などの波長変換により可視レーザー光から深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶12を内部に保持した本体部14と、本体部14に配設されていて本体部14の外部から可視レーザー光を入射して非線形結晶12へ照射可能とする可視レーザー光入射窓16と、本体部14に配設されていて波長変換により非線形結晶12により発生された深紫外レーザー光を本体部14の外部へ出射するための深紫外レーザー光出射窓18とを有して構成されている。
ここで、非線形結晶保持箱10の本体部14は、例えば、アルミニウム、ステンレスなどの金属などにより構成されており、また、可視レーザー光入射窓16は、例えば、可視レーザー光に対して透明な材料、具体的には、石英などにより構成されており、また、深紫外レーザー光出射窓18は、後述するように弗化カルシウムにより構成されていて、非線形結晶保持箱10全体が略気密構造を備えている。
そして、非線形結晶保持箱10には、非線形結晶保持箱10内部との間で気体の出入りを行う湿度除去用高分子膜を備えた湿度制御装置20が配設されている。この湿度制御装置20によって、非線形結晶保持箱10内に保持された非線形結晶12が潮解することのないように、非線形結晶保持箱10内部の湿度が所定の湿度に保持されている。

ここで、上記したように、非線形結晶保持箱10全体は略気密構造を備えているものであるが、本明細書における略気密構造とは、湿度制御装置20の湿度除去用高分子膜を通じてのみ非線形結晶保持箱10に対しての気体の出入りはあるが、この気体の出入りを除いては、可視レーザー光入射窓16、深紫外レーザー光出射窓18ならびに湿度制御装置20が、本体部14の内部を水密状態および気密状態に保持するように取り付けられている構造を意味している。
即ち、非線形結晶保持箱10の内部は、湿度制御装置20の湿度除去用高分子膜を通じての気体の出入りを除いて、水密状態および気密状態に保持されるものである。

次に、深紫外レーザー光出射窓18について説明すると、上記したように、深紫外レーザー光出射窓18は弗化カルシウムにより構成されている。
ここで、本発明による非線形結晶保持箱10の深紫外レーザー光出射窓18に用いられた弗化カルシウムは、以下のようにして製造されたものである。
即ち、本発明による深紫外レーザー光出射窓18に用いられた弗化カルシウムは、結晶成長時にその酸化防止のためにCFやCなどの弗素系ガスを添加した活性ガス処理法により作製されており、また、超平滑研磨法により研磨されていて表面精度も高いものである。
なお、上記した活性ガス処理法とは、次のような手法のことである。即ち、弗化カルシウムの製造時に混入する水によって、弗化カルシウム(CaF)が酸化され、結晶内にCaOが形成される。このCaOを取り除くために、従来はPbFやZnFなどの弗素化合物を添加して高温処理することにより酸素を除去していた。しかしながら、この方法では、微量ではあるがpbやZnが不純物として弗化カルシウム結晶内に残留するという問題があった。活性ガス処理法では、酸素を取り除くための還元反応を用いるものであって、CFやCといった活性ガスを使用するので、pbやZnの混入を回避することができる。このため、活性ガス処理法により作製された弗化カルシウムは、従来の弗素化合物を添加して製造した弗化カルシウムよりも不純物が少ない。
また、超平滑研磨法とは、
(1)研磨剤の粒径ならびに配合
(2)研磨用用材の粘性
(3)研磨用重しの重量
(4)回転数(研磨のスピード)
(5)洗浄条件
などの各条件を複合的に最適化することにより平滑な研磨面を得る加工法である。
一方、従来の弗化カルシウムの製造過程では、上記したように、その酸化防止のために弗素化合物(PbFやZnS)が添加されるために、添加された弗素化合物がPbやZnのかたちで微量不純物として残留し、そのため表面欠陥も多くなるものであった。
しかしながら、本発明による非線形結晶保持箱10の深紫外レーザー光出射窓18に用いられた弗化カルシウムは、弗素化合物(PbFやZnS)が添加されることなく製造されているため、従来の弗化カルシウムと比較すると、PbやZnといった不純物がきわめて少なく、また、表面欠陥も極めて少ないものである。
従って、本発明による非線形結晶保持箱10の深紫外レーザー光出射窓18に用いられた弗化カルシウムによれば、不純物中心などが関与した吸収を抑制することが可能であり、その結果として、紫外耐性に優れていて深紫外レーザー光出力を長期にわたり安定して取り出すことができることになる。
つまり、本発明による深紫外レーザー光出射窓18を備えた非線形結晶保持箱10においては、深紫外レーザー光を照射しても透過率が殆ど低下することなく、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことが可能となる。

次に、図2を参照しながら、本発明による非線形結晶保持箱10を用いたレーザー装置について説明する。なお、図2において、図1に示す構成と同一または相当する構成には、図1において用いた符号と同一の符号を用いて示しており、その構成ならびに作用の詳細な説明は省略する。
このレーザー装置30は、開口部32aを形成されたケーシング32の内部に、可視レーザー光を発生するNd:YAG第2高調波レーザー34と、Nd:YAG第2高調波レーザー34により発生された可視レーザー光を入射して深紫外レーザー光に波長変換して出射する非線形結晶保持箱10と、非線形結晶保持箱10内部の湿度を所定の湿度に制御する湿度制御装置20とを配設している。非線形結晶保持箱10から出射された深紫外レーザー光は、開口部32aを通過してケーシング32の外部へ出射される。
以上の構成において、レーザー装置30においては、Nd:YAG第2高調波レーザー34によって発生された可視レーザー光(Nd:YAG第2高調波)が、可視レーザー光入射窓16を通過して非線形結晶保持箱10内部へ入射され、非線形結晶12に照射される。
非線形結晶12は、可視レーザー光を波長変換して深紫外レーザー光を発生し、非線形結晶12により発生された深紫外レーザー光は、深紫外レーザー光出射窓18を通過して非線形結晶保持箱10外部へ出射される。
そして、非線形結晶保持箱10外部へ出射され深紫外レーザー光は、開口部32aを通過してケーシング32の外部へ出射される。
ここで、非線形結晶保持箱10の深紫外レーザー光出射窓18は、上記したように活性ガス処理法および超平滑研磨法とを用いて製造されているので、PbやZnといった不純物がきわめて少なく、また、表面欠陥も極めて少ないものであり、不純物中心などが関与した吸収を抑制することが可能となり、その結果として、紫外耐性に優れていて深紫外レーザー光出力を長期にわたり安定して取り出すことができる。
つまり、本発明によるレーザー装置30においては、深紫外レーザー光を照射しても透過率が低下することなく、深紫外レーザー光の出力を長時間にわたり安定的に取り出すことが可能となる。

次に、本願発明者が上記した図2に示すレーザー装置30と同様な構成を備えた実験装置を用いて行った実験について、当該実験結果を示す図3乃至図5を参照しながら説明する。
この実験においては、レーザー装置30における非線形結晶12としてはCLBO結晶を用い、深紫外レーザー光として、Nd:YAG第2高調波からNd:YAG第4高調波(波長266nm、パルス繰り返し周波数5kHz)を発生させた。そして、レーザー装置30における開口部32aを通過してケーシング32の外部へ出射される深紫外レーザー光、即ち、レーザー装置30における非線形結晶保持箱10の深紫外レーザー光出射窓18を透過した透過光に関して、その出力の測定を行った。

まず、図3に示すグラフ(非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓を透過した透過光の出力の時間変化を示すグラフである。縦軸に出力(power)をとり、横軸に時間(Time)をとっている。)を参照しながら第1の実験について説明するが、図3には第1の実験の実験結果として、非線形結晶保持箱10における深紫外レーザー光出射窓18として従来の弗素化合物を添加して製造した弗化カルシウムを用いた場合の測定結果(図3に示すグラフにおける「弗化カルシウム」)と、非線形結晶保持箱10における深紫外レーザー光出射窓18として石英ガラスを用いた場合の測定結果(図3に示すグラフにおける「石英」)とが示されている。
この図3に示すグラフから明らかなように、石英ガラスと弗化カルシウムとでは、深紫外レーザー光取り出しのための光学窓材としての耐久性が大きく異なる。深紫外レーザー光の照射時間ともに、石英ガラスの透過率は弗化カルシウムと比較して著しい減少を示す。このため、深紫外レーザー光取り出しのための光学窓材、即ち、深紫外レーザー光出射窓18としては、弗化カルシウムを使用することが好ましいことが理解される。

次に、図4に示すグラフ(非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓を透過した透過光の出力の時間変化を示すグラフである。縦軸に出力をとり、横軸に時間をとっている。)を参照しながら第2の実験について説明するが、図4には第2の実験の実験結果として、非線形結晶保持箱10における深紫外レーザー光出射窓18として本発明による活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムを用いた場合の測定結果(図4に示すグラフにおける「弗化カルシウムA」)と、非線形結晶保持箱10における深紫外レーザー光出射窓18として従来の弗素化合物を添加して製造した弗化カルシウムを用いた場合の測定結果(図3に示すグラフにおける「弗化カルシウムB」)とが示されている。
この第2の実験においては、深紫外レーザー光出射窓に入射される深紫外レーザー光たるNd:YAG第4高調波(波長266nm、パルス繰り返し周波数5kHz)の入力強度密度は、3MW/cm以下とした。
この図4に示すグラフから明らかなように、弗化カルシウムにおいても、作製方法や研磨方法の相違によって深紫外レーザー光の照射による損傷の程度が異なり、耐久性が異なっている。
弗化カルシウムAは本発明による活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムによる測定結果を示すものであり、弗化カルシウムBの場合と比較するとPbやZnなどの不純物が少ない。
即ち、弗化カルシウムAの測定結果に示す弗化カルシウムは、結晶成長時にその酸化防止のためにCFやCなどの弗素系ガスを添加した活性ガス処理法により作製され、また超平滑研磨法により研磨され表面精度も高い。
一方、弗化カルシウムBの測定結果に示す従来の弗化カルシウムは、その製造過程で酸化防止のために弗素化合物(PbFやZnF)が添加されるために、添加された弗素化合物がPbやZnのかたちで微量不純物として残留している。
即ち、弗化カルシウムAの測定結果に示す弗化カルシウムは、弗化カルシウムBの測定結果に示す従来の弗化カルシウムと比較して、PbやZnといった不純物がきわめて少ない。従って、不純物中心などが関与した吸収を抑制することが可能であり、結果として深紫外レーザー光出力を長期にわたり安定して取り出すことができる。

次に、図5に示すグラフ(非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓のある初期位置に対して、深紫外レーザー光を10時間照射した後に、深紫外レーザー光の深紫外レーザー光出射窓への入射位置を変更した際の、深紫外レーザー光出射窓を透過する透過光の出力の変化を示すグラフである。縦軸に出力をとり、横軸に深紫外レーザー光の入射位置をとっている。)を参照しながら第3の実験について説明するが、図5には第3の実験の実験結果として、非線形結晶保持箱10における深紫外レーザー光出射窓18として本発明による活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムを用いた場合の測定結果が示されている。
この第3の実験においては、深紫外レーザー光出射窓に入射される深紫外レーザー光たるNd:YAG第4高調波(波長266nm、パルス繰り返し周波数5kHz)の入力強度密度は、3MW/cm以下とした。
ところで、不純物量がきわめて少ない弗化カルシウムを光学窓材として用いた場合でも、紫外光の照射時間とともに透過率が低下する恐れがある。しかしながら、この透過率低下は、図5から明らかなように、照射される深紫外レーザー光の入力強度密度をある一定の値、例えば、3MW/cm以下に制御することによって避けることが可能であり、長時間にわたって安定した深紫外レーザー光出力を得られることが実験的にわかった。
また、図5に示すように、深紫外レーザー光出射窓における深紫外レーザー光の入射位置を移動しても、深紫外レーザー光出射窓を透過する透過光強度は変化しない。従って、透過率の低下はきわめて小さい。
なお、本願発明者の実験によると、深紫外レーザー光出射窓に対する深紫外レーザー光の入力強度密度が3.6MW/cmの場合には、弗化カルシウムに深紫外レーザー光による損傷が発生して透過率が低下した。このため、結果として深紫外レーザー光出射窓から取り出せる深紫外レーザー光の強度は、低下してしまうこととなっていた。
一方、深紫外レーザー光の入力強度密度を3MW/cm以下に制御した場合には、図5に示すように、透過率の低下を回避することができた。

なお、上記した実施の形態においては、可視レーザー光を発生するレーザーとしてNd:YAG第2高調波レーザーを用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、適宜のレーザーを選択して用いることができる。
また、上記した実施の形態においては、非線形結晶としてCLBO結晶を用いた場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、適宜の非線形結晶を選択して用いることができる。
さらに、上記した実施の形態においては、深紫外レーザー光として、Nd:YAG第4高調波(波長266nm、パルス繰り返し周波数5kHz)を用いた場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、適宜に波長266nm以下、パルス繰り返し周波数5kHz以上の深紫外レーザー光を用いるようにしてもよい。
本発明は、深紫外レーザー光を用いた微細加工、例えば、電子産業分野などにおける微細加工において利用することができる。
本発明の実施の形態の一例によるレーザー装置における非線形結晶保持箱の概略構成説明図である。 本発明による非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置の概略構成説明図である。 非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓を透過した透過光の出力の時間変化を示すグラフであり、縦軸に出力(power)をとり、横軸に時間(Time)をとっている。 非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓を透過した透過光の出力の時間変化を示すグラフであり、縦軸に出力をとり、横軸に時間をとっている。 非線形結晶保持箱の深紫外レーザー光出射窓のある初期位置に対して、深紫外レーザー光を10時間照射した後に、深紫外レーザー光の深紫外レーザー光出射窓への入射位置を変更した際の、深紫外レーザー光出射窓を透過する透過光の出力の変化を示すグラフであり、縦軸に出力をとり、横軸に深紫外レーザー光の入射位置をとっている。
符号の説明
10 非線形結晶保持箱
12 非線形結晶
14 本体部
16 可視レーザー光入射窓
18 深紫外レーザー光出射窓
20 湿度制御装置
30 レーザー装置
32 ケーシング
32a 開口部
34 Nd:YAG第2高調波レーザー

Claims (5)

  1. 可視レーザー光から波長変換により深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶を略気密状態で内部に保持するレーザー装置における非線形結晶保持箱であって、
    前記非線形結晶によって発生された深紫外レーザー光を透過する深紫外レーザー光出射窓を有し、
    前記深紫外レーザー光出射窓は、活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムよりなる
    ことを特徴とするレーザー装置における非線形結晶保持箱。
  2. 請求項1に記載のレーザー装置における非線形結晶保持箱において、
    前記深紫外レーザー光出射窓は、波長266nm以下、パルス繰り返し周波数5kHz以上の深紫外レーザー光を透過する
    ことを特徴とするレーザー装置における非線形結晶保持箱。
  3. 可視レーザー光を発生するレーザーと、
    前記レーザーによって発生される可視レーザー光から波長変換により深紫外レーザー光を発生するための非線形結晶を略気密状態で内部に保持する非線形結晶保持箱と
    を有し、
    前記非線形結晶保持箱は、前記非線形結晶によって発生された深紫外レーザー光を透過する深紫外レーザー光出射窓を有し、
    前記深紫外レーザー光出射窓は、活性ガス処理法により作製されるとともに超平滑研磨法により研磨された弗化カルシウムよりなる
    ことを特徴とするレーザー装置における非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置。
  4. 請求項3に記載のレーザー装置における非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置において、
    前記深紫外レーザー光出射窓は、波長266nm以下、パルス繰り返し周波数5kHz以上の深紫外レーザー光を透過する
    ことを特徴とするレーザー装置における非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置。
  5. 請求項3または請求項4のいずれか1項に記載のレーザー装置における非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置において、
    前記レーザーは、前記深紫外レーザー光出射窓における深紫外レーザー光の入力強度密度が3MW/cm以下となるように可視レーザー光を発生する
    ことを特徴とするレーザー装置における非線形結晶保持箱を用いたレーザー装置。
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