JP2005207338A - プランジャポンプのシール材増し締め装置 - Google Patents

プランジャポンプのシール材増し締め装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 プランジャポンプのシール材に対して常時押圧力を利かせることのできる簡便なシール材増し締め装置を提供すること。
【解決手段】 シール材を増し締めするための増し締め部を有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、
エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、前記エアシリンダが、前記係止手段の設置部を斜め下方に有し、前記エアシリンダの下面に装着した自動調心ベアリングによって、シリンダステーションに立てた支持シャフトに傾動自在に枢支され、前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とするシール材増し締め装置。
【選択図】 なし

Description

本発明はプランジャポンプのシール材増し締め装置に関し、詳しくは、長時間運転してもシール部からの液漏れがほとんど起こらないようにすることのできるプランジャポンプのシール材増し締め装置に関する。
プランジャポンプのシール材は、パッキングランド(パッキン押え)から押圧力を受けてプランジャに対して垂直の方向に広がってシリンダ内面とプランジャ面に密接することにより、流体が漏れるのを防止している。しかし、通常、ポンプを長時間運転すると、シール材に磨耗や変形が生じてシールが効かなくなってくる。
そのため、定期または不定期に人が見回って運転中のポンプに液漏れを認めた時などにパッキングランドを押すための増し締めキャップ、増し締めねじ等を増し締めしたり、パッキングランドに常時押圧力を及ぼすための板ばねを付設したりすることが行われている。しかしながら、人による増し締めは往々にしてタイミングが遅くなるばかりか、増し締め力が一定でなく、操作も煩雑である。また、板ばねによる増し締めの場合、シール材が緩むとばねが伸張するが、ばねの伸張で押圧力は低下するので結局液漏れが起こりやすい。
プランジャポンプのシール材への押圧力低下対策として特許文献1は、プランジャの一部に直径の異なる段差部分を設けることによりこの段差部分の往復動作でポンプ動作を行う補助ポンプユニット部を形成すると共に、プランジャのグランドナットにこれに回転力を伝達するモータユニット部を係合し、補助ポンプユニット部からの吐出液によりモータユニット部を駆動してグランドナットを自動的に増し締めする装置を敷設することを提案している。しかしこの装置は実に大掛かりであるので、適用できるのは少数の大容量ポンプの場合や、取り扱う流体が高価な場合などに限られ、現実には一般のプランジャポンプに利用できるものではなかった。
特開平5−340347号公報
本発明の目的は、プランジャポンプのシール材に対して常時押圧力を利かせることのできる簡便なシール材増し締め装置を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、プランジャバレルと、プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、プランジャバレル及びプランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、シール材を増し締めするためのパッキングランド及び増し締めキャップとを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置として、エアシリンダの持つ駆動力を利用することについて鋭意研究した結果、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段でエアシリンダからの駆動力を増し締め部に伝えることによって常時シール材に押圧力をかけることが、次の2つを実施することにより可能となることを見出した。その一は、エアシリンダの下面等に自動調心ベアリングを装着してこれを支持シャフトに枢支させることにより、増し締め部が増し締め回転してもエアシリンダの軸心を常に係止点に向かせ得ることであり、その二は、増し締め部に一方向クラッチ式ベアリングを設置しておくことにより、ピストンロッドの縮小又は伸長によって増し締め部が一定角回転した後に係止点を回転前の角度に再設定する(同時にピストンロッドのストロークも回転前の長さに再設定する)際、シール材にかかる押圧力が弛緩するのを防止し得ることである。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば下記1〜4が提供される。
1. プランジャバレルと、前記プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、前記プランジャバレル及び前記プランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、前記シール材を増し締めするための増し締め部とを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、
エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、
前記エアシリンダが、前記係止手段の設置部を斜め下方に有し、前記エアシリンダの下面に装着した自動調心ベアリングによって、シリンダステーションに立てた支持シャフトに傾動自在に枢支され、
前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とするシール材増し締め装置。
2. プランジャバレルと、前記プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、前記プランジャバレル及び前記プランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、前記シール材を増し締めするための増し締め部とを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、
エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、
前記係止手段の設置部を斜め下方に有する前記エアシリンダの下面に装着した支持シャフトが、シリンダステーションに設置した自動調心ベアリングにより傾動自在に枢支され、
前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とするシール材増し締め装置。
3. 前記係止手段が、前記ピストンロッドに装着したクレビスと、前記クレビスに結合させた係止ピンと、前記係止ピンを前記増し締め部に固定するための嵌挿孔とからなる上記1又は2記載のシール材増し締め装置。
4. 上記1〜3のいずれかに記載のシール材増し締め装置を有するプランジャポンプ。
本発明により、プランジャポンプのシール材に対して常時押圧力を利かせることのできる簡便なシール材増し締め装置が提供される。
本発明のシール材増し締め装置は、プランジャバレルと、前記プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、前記プランジャバレル及び前記プランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、前記シール材を増し締めするための増し締め部とを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、前記エアシリンダが、前記係止手段の設置部を斜め下方に有し、前記エアシリンダの下面に装着した自動調心ベアリングによって、シリンダステーションに立てた支持シャフトに傾動自在に枢支され、前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とする。
また、本発明のシール材増し締め装置のエアシリンダは、その下面に装着した支持シャフトが、シリンダステーションに設置した自動調心ベアリングにより傾動自在に枢支される態様であってもよい。
本発明のシール材増し締め装置を適用できる流体圧送用プランジャポンプは、一般にピストンポンプとも称される。プランジャポンプのポンプ作用は次のようにして行われる。往復運動するプランジャが引く(ポンプ室から遠のく)ことでポンプ室の容積を広げ、このとき移送する流体が非圧縮性流体であれば容積変化分の流体が吸い込み逆止弁から流入し、圧縮性流体であればポンプ室圧が下がって吸い込み側配管圧力より低くなると吸い込み逆止弁を押して流入する。プランジャが押す(ポンプ室に食い込む)ことで流体が非圧縮性流体であればポンプ室の容積変化分の流体が吐き出し逆止弁から吐き出され、圧縮性流体であれば体積変化により圧力が上昇して吐き出し側配管圧力より高くなると吐き出し逆止弁を押し上げて吐き出される。往復運動の動力は、通常、電動機の回転を減速プーリー、クランクを経てプランジャに伝えられる。プランジャ往復のサイクル時間は電動機の回転数、プーリ−径等により固有であるが、移送流体量(移送速度)はプランジャの往復運動のストロークの長さを変えることにより調節される。
プランジャバレルの数は1本、2〜4本等多種あるが限定されない。数が多い方が脈動流を解消するのに有利である。
プランジャバレルの接液部の材質としては、通常、鍛鋼であるが、青銅、モネル鋼、クロム合金鋼も使われる。プランジャの材質としてはシール材の磨耗を低減するため、表面硬化処理されたクロム合金鋼、セラミックコーティングされた鋼などが好ましい。
プランジャポンプのシール材としては、リップパッキン又はグランドパッキンが使用される。
リップパッキンには合成ゴム、皮などからなるV、U、L、J、Yパッキンなどがあり、外径がバレル径よりやや大で、内径がプランジャ径よりやや小のものが用いられる。リップパッキンは、液漏れ防止のため少なくとも3枚は重ねて使用される。増し締めキャップを増し締めしてパッキングランド(パッキン押え)を押し付けることにより、リップパッキンに押圧力がかかり、リップが開いてプランジャバレル面及びプランジャ面への密着度が増し、シール能が向上する。
グランドパッキンには、木綿,麻、石綿、合成樹脂、金属などからなる編組構造パッキン;ゴムと布、石綿布、金属などとの組合せからなる重ね形パッキン;金属箔、金属線などからなる金属パッキンなどがある。グランドパッキンは、断面が正方形、長方形、台形、平行四辺形又は円形の輪形又は紐状につくられたもので、適度の長さに切ってプランジャの周りに巻きつけ、液漏れ防止のため少なくとも4本詰め込んで、リップパッキンと同様に増し締めキャップを増し締めすることにより、パッキングランドを押し付け、グランドパッキンに押圧力がかかって広がり、プランジャバレル面及びプランジャ面への密着度が増し、シール能が向上する。
従来、プランジャポンプの運転時間が長くなると、上記シール材は磨耗、変形等を起こして押圧力が弛緩し、プランジャバレル面及びプランジャ面でのシール能が段々低下して流体の漏れや噴出をきたした。
この問題を改善するため、本発明の増し締め装置では、増し締め部に常時増し締め力を与えてシール材にかかる押圧力が弛緩しないようにする。増し締め部とは、パッキングランド、及び、その外側の増し締めキャップからなる増し締め用部品群であり、パッキングランド又は増し締めキャップに増し締めに寄与する部材を装着する場合は、それも含まれる。本発明では、増し締めに寄与する部材として、後述する一方向クラッチ式ベアリングを使用する。
本発明の増し締め装置において、上記増し締め部に常時増し締め力を与えるための駆動源としてエアシリンダが用いられる。
エアシリンダは、好ましくは0.05〜5N/mm、より好ましくは0.1〜2N/mmの駆動力を有するものが用いられる。上記駆動力は、エアシリンダのピストンロッドの縮小及び伸長のいずれによるものでも利用することができる。エアシリンダは、ピストンロッドの縮小又は伸長による駆動力が、プランジャポンプの増し締め部の軸心に垂直の方向から係止手段により増し締め部に作用するように配置される。
本発明の増し締め装置において、エアシリンダのピストンロッド及び上記増し締め部を係止する係止手段としては、限定されないが、ピストンロッドに装着したクレビスと、該クレビスに直接又は間接に結合させた係止ピンと、該係止ピンを上記増し締め部に固定させるために増し締め部に設けた嵌挿孔とで構成される方式が好ましい。クレビスと係止ピンを間接に結合する場合は、ロッド、くさり、ワイヤ等が用いられる。
係止ピンとしては、棒状、ボルト状、鋲状などの形状のものが使用される。係止ピンは、その先端に輪、フック等の係止の便に供される構造物を有してもよい。
エアシリンダのピストンロッドの縮小又は伸長で生じる駆動力は、前記係止手段によって増し締め部に伝えられて増し締めが行われ、その結果シール材に押圧力がかかり、シール材がプランジャバレル面及びプランジャ面に密着する。ピストンロッドの縮小による駆動力を利用する場合は、縮小による引張り力によって増し締め部が、プランジャの軸心方向で増し締めキャップからポンプ本体に向かって時計回りの方向に回転できる(以下、プランジャの軸心方向で増し締めキャップからポンプ本体に向かって時計回りの向きに回転することを、単に「時計回りする」、同じくその逆向きに回転することを単に「反時計回りする」と記すことがある。)位置にエアシリンダを配置する。また、ピストンロッドの伸長による駆動力を利用する場合は、伸長による押付け力によって増し締め部が時計回りできる位置にエアシリンダを配置する。いずれの場合もエアシリンダからの駆動力が増し締め部に増し締め力となって時計回りするのに有効に働くように、当初、駆動力が増し締め部上の係止点に接線方向から働く位置にエアシリンダを設置することが好ましい。
エアシリンダのピストンロッドのストローク差(伸縮幅)l、係止点のプランジャ軸心からの距離r、及び、増し締め部の回転角(軸心から、回転開始時及び回転終了時の係止点を見込む角度)θとが下記関係式(I)を満たすことが必要である。
l>2r・sin(θ/2) (I)
なお、θは、通常、8〜35度、好ましくは12〜20度である。lは、通常、rの0.2〜5倍、好ましくは0.5〜2倍である。
ピストンロッドの伸縮が直線的に行われるのに対して、増し締め部はプランジャ軸心を中心に部分円軌道を動く。そのため、前者から後者への駆動力の伝達が可能なのは、前者が係止点を有する増し締め部の回転トルクとなるベクトル成分を有する期間だけである。
この期間に両運動が円滑に連携するためには二つの問題が解決されねばならない。第一の問題は、ピストンロッドからの駆動力が有効に伝達されるには係止点が常にエアシリンダの軸心延長上に存在する必要があり、そのためにはエアシリンダが増し締め部の回転に呼応して傾動する必要があることである。第二の問題は、増し締め部が一定角回転して係止点が増し締め部の軸心とエアシリンダとを結ぶ線付近まで来ると、エアシリンダからの駆動力は増し締め部回転トルクとなるベクトル成分を有さなくなるので、係止点を回転前の角度近辺に再設定する(同時にピストンロッドのストロークも回転前の長さの近辺に再設定する)が、その際、シール材のシール能を低下させないためにはシール材にかかる押圧力を維持する必要があることである。
第一の問題を解決するため本発明装置におけるエアシリンダは、ピストンロッド上の係止手段設置部を斜め下方に有し、下面に装着した自動調心ベアリングをシリンダステーションに立てた支持シャフトの天頂から嵌め入れて枢支させて使用される。あるいは、本発明装置における別の形態のエアシリンダは、ピストンロッド上の係止手段設置部を斜め下方に有し、下面に装着した支持シャフトを、シリンダステーションに設置した自動調心ベアリングに入れて枢支させて使用される。シリンダステーションは、支持シャフト及び自動調心ベアリングを介してエアシリンダを保持することができる架台又は基盤であれば限定されない。シリンダステーションは、金属、木材、FRP又はコンクリートで形成される。
自動調心ベアリングは、二つの同心リング(内輪及び外輪)及び保持器(リテーナ)の間隙にローラを2列に配列させたベアリングで、内輪壁に設けた2列のローラ軌道と、円弧形状にした外輪壁断面とによって自動調心能を有する。ローラは、球、ころ(たる型)いずれも使えるが、ころが好ましい。この構造により、ピストンロッドの伸縮で増し締め部が回転して係止点の位置が移動してもピストンロッドの軸心が常に係止点に向くようエアシリンダが傾動できるのである。
支持シャフトの径が小さい場合は、ボスをはめて自動調心ベアリングの内径に見合うよう太さ調整をすればよい。
また、第二の問題を解決するため本発明装置は、係止手段により伝達されたエアシリンダからの駆動力が、増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介してシール材を押圧する仕組みを有する。
一方向クラッチ式ベアリングは、ワンウエイクラッチ、アンチリバース、インフィニットストッパなどとも称されるベアリングで、二つの同心リング(内輪及び外輪)及び保持器(リテーナ)の間隙にローラ(カム)又はランプ、スプリング等を有し、第一のリングが正方向に回転するときはローラに制動がかかって第二のリングも一体となって正方向に回転するが、第一のリングが逆方向に回転するときローラは自由に回転するので第二のリングは静止する。これにより、第一のリングにかかったトルクを第二のリングに伝達したり遮断したりすることができる。例えば、図4に示す形態の一方向クラッチベアリングでは、ローラ(カム)はスプリングにより常にA、B点で外、内輪に接しており、外輪が同心軸を時計回りするときローラはつっかい棒となって制動がかかり、内輪も外輪と共に回転する。一方、外輪が同心軸を反時計回りするときローラが自由に回転するため内輪に回転トルクが伝わらない(外輪だけ空回りする)。そのため、外輪を係止点と、内輪を増し締め部とそれぞれ固定させておけば、係止点が時計回りするとき、一方向クラッチ式ベアリングを介して増し締め部も時計回りしてシール材を押圧することができる。一方、係止点を回転前の角度付近に再設定するために反時計回りさせても、ローラが自由に回転して内輪を静止状態にするので増し締め部にかかっている力が弛緩せず、シール材への押圧力を維持することができる。
本発明において、増し締め部上の係止点の位置は限定されないが、一方向クラッチ式ベアリング又は増し締めキャップの外周部が好ましい。従って、係止点において係止ピンが係止されるためには一方向クラッチ式ベアリング又は増し締めキャップの外周部に嵌挿孔があることが好ましい。
以下、本発明を、図面に基づいて説明する。
図1は従来のプランジャポンプの要部断面図、図2は本発明の一実施形態に係るシール材増し締め装置を増し締めキャップ側から見た正面図で、(a)は増し締め開始時の図、(b)は増し締め終了(中断)時の図であり、図3は図2のシール材増し締め装置のIII−III線に沿った要部断面図である。
図1に示す従来のプランジャポンプ10は、プランジャバレル20を1本有し、その内部を摺動して往復運動するプランジャ30、この両者の摺動部に挿入されるシール材40、シール材40を増し締めするための増し締め部50とを有し、電動機(図示せず)が動力源となって往復運動するプランジャ30が引くことでポンプ室60の容積が広がり、流体が吸い込み逆止弁70から流入する。また、プランジャ30が押すことで流体が吐き出し逆止弁80から吐き出される。
シール材40として、合成ゴム製のV型リップパッキンが5枚重ねて、ランタンリング90(摩擦熱放散用)を挟んで2箇所に挿入されている。シール材40は、増し締め部50により押圧力を受けている。増し締め部50は、パッキングランド(パッキン押え)51及び増し締めキャップ52からなり、増し締めキャップ52はプランジャバレル20の外側端部に螺結されている。増し締めキャップ52の増し締め操作は、増し締めキャップ操作孔53に棒状の治具を一時的に嵌挿して時計回りさせることによって行われる。
図2に示す本発明の一実施形態に係るシール材増し締め装置100は、従来のプランジャポンプ(図1)の増し締め部50を改造したもので、エアシリンダ110と、前記エアシリンダ110のピストンロッド111及びベアリングケース121を係止する係止手段130とを有している。前記ベアリングケース121は、増し締めキャップ52aに装着した一方向クラッチ式ベアリング120のケースである(図3参照)。係止手段130は、クレビス131、クレビス131に直接結合させた係止ピン132、及び、係止ピン132を嵌挿するための嵌挿孔(図3の134参照)からなっている。エアシリンダ110の駆動力は0.2N/mmである。
エアシリンダ110は、クレビス131を斜め下方に有し、下面に装着した自動調心ベアリング140によって、シリンダステーション150に立てた支持シャフト160に傾動自在に枢支されている。支持シャフト160の先端には自動調心ベアリング140の内径に見合うボス161がはめてある。
図2(a)において、エアシリンダ110は、増し締め部の時計回りの回転に有効に働くように、駆動力が係止点133に接線方向から働く位置に設置されている。係止点のプランジャ軸心からの距離rは30mmである。
増し締め部が図2(a)の回転開始時から図2(b)の回転終了(中止)時に至る間の回転角θは15度である。この角度回転する間、エアシリンダ110は、自動調心ベアリング140の調心作用により軸心が常に係止点付近に向くよう傾動している。ピストンロッド111のストローク差lは25mmである。
一方向クラッチ式ベアリング120は、図3に示すように、増し締めキャップ52aの、ポンプ本体から遠い側に切削加工して組み込まれている。一方向クラッチ式ベアリング120の外輪(図示せず)がベアリングケース121に、内輪(図示せず)が増し締めキャップ52aにそれぞれ嵌め合いにより固定され、係止ピン132はベアリングケース121の外周部に設けられた嵌挿孔134に嵌挿されている。本態様では係止ピン132は嵌挿孔134に螺結されている。
ピストンロッド111が縮小することによって生ずる駆動力は、係止ピン132によりベアリングケース121の時計回りとして伝えられ、ベアリングケース121と固定されている一方向クラッチ式ベアリング120の外輪が時計回りし、ローラ(図示せず)に制動がかかって内輪も外輪と一体になって回転し、そのため内輪と固定されている増し締めキャップ52aが時計回りし、まし締めキャップ52aは、その内側のねじがプランジャバレル20の外周端部のねじと噛み合うことにより、図面右手に前進してパッキングランド51を押してシール材40を押圧する。
ベアリングケース121が時計回りして(従って増し締めキャップ52aが時計回りして)図2(a)から(b)の位置、すなわち、係止点133が増し締め部の軸心とエアシリンダ110とを結ぶ線(係止ピン132の長さに起因するズレがある)付近まで来ると、エアシリンダ110からの駆動力は増し締め部回転トルクとなるベクトル成分を有さなくなる。そのため、係止点133を回転前の図2(a)の位置の近辺に再設定する(同時にピストンロッド111のストロークも回転前の長さの近辺に再設定する)必要が生ずる。
再設定の操作として本実施形態では、単に、エアシリンダ110の空気圧調節弁(図示せず)を遮断してピストンロッド111のストロークを回転前の状態に伸長しつつ、係止ピン132を、嵌挿孔134に嵌挿させたまま手で反時計回りの方向にベアリングケース121ごと回して図2(a)の位置まで移動させることで足りる。ベアリングケース121が反時計回りして、ベアリングケース121と固定されている一方向クラッチ式ベアリング120の外輪が反時計回りしても、ローラは自由に回転して内輪に外輪のトルクが伝達しないので、内輪と固定されている増し締めキャップ52aは静止状態を保ち、シール材40にかかっている押圧力は弛緩しないのである。
図1は従来のプランジャポンプの要部断面図である。 図2(a)は本発明の一実施形態に係るシール材増し締め装置を増し締めキャップ側から見た増し締め開始時の正面図、図2(b)は同装置の増し締め終了(中断)時の正面図である。 図3は図2のシール材増し締め装置のIII−III線に沿った断面図である。 図4は一方向クラッチ式ベアリングの一形態を示す説明図である。
符号の説明
10… 従来のプランジャポンプ
20… プランジャバレル
30… プランジャ
40… シール材
50、50a… 増し締め部
51… パッキングランド(パッキン押え)
52、52a… 増し締めキャップ
53… 増し締めキャップ操作孔
60… 吸い込み逆止弁
70… ポンプ室
80… 吐き出し逆止弁
90… ランタンリング
100… シール材増し締め装置
110… エアシリンダ
111… ピストンロッド
120… 一方向クラッチ式ベアリング
121… ベアリングケース
122… ベアリングケースカバー
123… ボルト
130… 係止手段
131… クレビス
132… 係止ピン
133… 係止点
134… 嵌挿孔
140… 自動調心ベアリング
150… シリンダステーション
160… 支持シャフト
161… ボス
210… Oリング
220… スナップリング

Claims (4)

  1. プランジャバレルと、前記プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、前記プランジャバレル及び前記プランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、前記シール材を増し締めするための増し締め部とを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、
    エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、
    前記エアシリンダが、前記係止手段の設置部を斜め下方に有し、前記エアシリンダの下面に装着した自動調心ベアリングによって、シリンダステーションに立てた支持シャフトに傾動自在に枢支され、
    前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とするシール材増し締め装置。
  2. プランジャバレルと、前記プランジャバレルの内部を摺動して往復運動するプランジャと、前記プランジャバレル及び前記プランジャの間の摺動部に挿入されるシール材と、前記シール材を増し締めするための増し締め部とを有する流体圧送用プランジャポンプのシール材増し締め装置であって、
    エアシリンダと、前記エアシリンダのピストンロッド及び前記増し締め部を係止する係止手段とを有し、
    前記係止手段の設置部を斜め下方に有する前記エアシリンダの下面に装着した支持シャフトが、シリンダステーションに設置した自動調心ベアリングにより傾動自在に枢支され、
    前記係止手段により伝達された前記エアシリンダからの駆動力が、前記増し締め部に装着した一方向クラッチ式ベアリングを介して前記シール材を押圧することを特徴とするシール材増し締め装置。
  3. 前記係止手段が、前記ピストンロッドに装着したクレビスと、前記クレビスに結合させた係止ピンと、前記係止ピンを前記増し締め部に固定するための嵌挿孔とからなる請求項1又は2記載のシール材増し締め装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシール材増し締め装置を有するプランジャポンプ。

JP2004015448A 2004-01-23 2004-01-23 プランジャポンプのシール材増し締め装置 Pending JP2005207338A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113719447A (zh) * 2021-09-28 2021-11-30 宝鸡航天动力泵业有限公司 一种用于柱塞泵的快换密封装置以及柱塞泵

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