JP2004324497A - 回転直線変換装置および燃料噴射ポンプ - Google Patents

回転直線変換装置および燃料噴射ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】カムリングとプランジャの摺接面に水が入って摺接面が貧潤滑になると、エキセンカムに伝わるエンジンの強大なトルクがプランジャに伝わり、プランジャが破損してしまう。プランジャが破損すると、その破片がカムリングとハウジングの隙間に押し込まれて。ハウジングが破損する可能性がある。
【解決手段】カムリング21とプランジャ12の摺接面に水が入って摺接面が貧潤滑になった場合、カムリング21に設けた安全装置26が破断する。すると、カムリング21が開いてエキセンカム19が空回りするため、エキセンカム19に伝わるエンジンの強大なトルクはプランジャ12に伝わらなくなる。このため、プランジャ12の破損が防がれ、ハウジング本体6の破損を招かない。この結果、カムリング21とハウジング本体6の隙間を大きくする必要がなく、燃料噴射ポンプの体格を小型化できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転を直線方向の往復動に変換する回転直線変換装置および燃料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転を直線方向の往復動に変換する例を図5を参照して説明する。
図5の回転直線変換装置は、燃料噴射ポンプに用いられるものであり、カムシャフトJ1 の回転軸芯に対して偏心回転するエキセンカムJ2 と、このエキセンカムJ2 の周囲に筒状の滑り軸受J3 (ブッシュ)を介して回転駆動されるカムリングJ4 と、シリンダヘッドJ5 によって回転軸芯と直交する方向へ摺接自在に支持されて、カムリングJ4 に押し当てられた状態でカムリングJ4 と摺接するプランジャJ6 とを具備するものである。そして、カムリングJ4 の半径方向の外面に形成されたカムリング平面J7 に、プランジャJ6 の端部に形成されたプランジャ平面J8 が摺接して、カムリングJ4 の回転が規制される(特許文献1、特許文献2参照:この特許文献1、特許文献2は周知技術ではない)。
【0003】
【特許文献1】
特願2001−355821
【特許文献2】
特願2002−347438
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、カムリングJ4 は、ハウジングによって覆われるものであり、カムリングJ4 とハウジングの間には、燃料が満たされるカム室が形成され、カム室の燃料によってカムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面を潤滑する。
カムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面に水が入った場合、カムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面が貧潤滑になり、カムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面に焼付など、大きなスラスト抵抗が発生する。
【0005】
ここで、エキセンカムJ2 は、カムシャフトJ1 を介してエンジンの出力によって回転駆動されるものであるため、エキセンカムJ2 には強大な回転トルクが加わる。
このため、カムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面に焼付等が発生すると、プランジャJ6 に強大な回転トルクが伝わり、プランジャJ6 が破損してしまう。
【0006】
プランジャJ6 が破損すると、その破片がカムリングJ4 とハウジングの隙間に押し込まれるため、ハウジング(通常、アルミニウムでできている)が破損する可能性がある。ハウジングの破損を防ぐには、カムリングJ4 とハウジングの隙間を大きくしなければならず、小型化が要求される燃料噴射ポンプの体格が大幅に大きくなってしまう。
また、ハウジングが破損しない場合であっても、カムリングJ4 とプランジャJ6 の摺接面に焼付が発生するなど大きなスラスト抵抗が生じた場合は、プランジャJ6 に強大な回転トルクが伝わり、プランジャJ6 、それを支持するシリンダヘッドJ5 、カムリングJ4 等に変形などの不具合が生じてしまい、修理費用が高くなってしまう。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カムリングとプランジャの摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合の損傷を最小限に抑えることのできる回転直線変換装置および燃料噴射ポンプの提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する回転直線変換装置は、回転方向に所定以上の負荷が加えられた時に破断する安全装置をカムリングに設けたものである。
このように設けることにより、カムリングとプランジャの摺接面に焼付が発生するなどして大きなスラスト抵抗が生じた場合、カムリングの安全装置が破断する。すると、カムリングが開いてカムリングの内径が大きくなるため、カムリングの内周でエキセンカムが空回りする。この結果、エキセンカムの回転トルクはカムリングに伝わらなくなり、プランジャに大きな負荷が加わることが防がれる。
即ち、カムリングとプランジャの摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、損傷箇所をカムリングのみに限定することができ、結果的に損傷を最小に抑えることができる。
【0009】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する燃料噴射ポンプは、上記請求項1の手段を採用した回転直線変換装置を、エンジンによって回転駆動されるエキセンカムの回転でプランジャを往復駆動する手段に用いたものである。
【0010】
即ち、カムリングとプランジャの摺接面に水等が入って摺接面が貧潤滑になり、カムリングとプランジャの摺接面に焼付等が発生して摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、エンジンから受ける強大な負荷がカムリングに加わり、カムリングの安全装置が破断する。
すると、カムリングが開いてカムリングの内径が大きくなるため、カムリングの内周でエキセンカムが空回りする。この結果、エキセンカムの回転トルクはカムリングに伝わらなくなり、プランジャに大きな負荷が加わることが防がれる。
即ち、カムリングとプランジャの摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、損傷箇所をカムリングのみに限定することができ、結果的に損傷を最小に抑えることができる。
【0011】
具体的には、プランジャの破損が防がれるため、プランジャが破損して、その破片がカムリングとハウジングの隙間に押し込められて、ハウジングが破損して燃料が外部へ洩れ出ることがない。このため、カムリングとハウジングの隙間を大きくする必要がなく、燃料噴射ポンプの体格を大きくしなくて済む。
また、破断が生じるのはカムリングのみであり、プランジャ、それを支持するシリンダヘッド、カムリングに与えられる負荷が小さいため、修理費用を低く抑えることができる。
【0012】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段は、カムリングとプランジャとの摺接面でない部分で、且つカムリングとプランジャとの摺動抵抗が増大した際に引き延ばし応力が大きく加わる部分に安全装置を設けたものである。
このように設けることにより、カムリングとプランジャの摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、カムリングの回転方向に加わる負荷が比較的小さい状態で安全装置が破断する。
このため、カムリング以外に与えられるダメージを極めて小さくできる。
【0013】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段の安全装置は、カムリングの外周面あるいは内周面の少なくても一方に形成された切欠溝である。
なお、切欠溝は、V字、U字、C字など形状を限定するものではない。また、切欠溝の長さは、カムリングにおける回転軸方向の端から端まで形成されるものであっても良いし、一部のみに形成されるものであっても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例および変形例を用いて説明する。
〔実施例〕
実施例を図1〜図4を参照して説明する。
先ず、燃料噴射ポンプの構成を説明する。なお、図1は燃料噴射ポンプの軸方向から見た断面図、図2は燃料噴射ポンプの軸方向に沿う断面図である。
【0015】
燃料噴射ポンプ1は、燃料噴射装置のコモンレールに高圧に圧縮した燃料を送るものであり、フィードポンプ2(図2中では90°展開した状態で開示される)、レギュレータバルブ3、燃料調量弁4(SCV)、高圧ポンプ5によって構成される。
また、燃料噴射ポンプ1のハウジングは、ハウジング本体6、ハウジングカバー7およびシリンダヘッド8から構成される。なお、ハウジング本体6およびハウジングカバー7はアルミニウムによって形成され、シリンダヘッド8は鉄によって形成される。
【0016】
フィードポンプ2は、カムシャフト11によって回転駆動されるトロコイドポンプであり、このトロコイドポンプが駆動されると燃料入口10から吸引した燃料を燃料調量弁4を介して高圧ポンプ5に供給するものである。
なお、カムシャフト11は、エンジンのクランク軸等によって回転駆動されるものである。
【0017】
レギュレータバルブ3は、フィードポンプ2の吐出側と供給側とを連通する燃料通路に配置されてフィードポンプ2の吐出圧が所定圧に上昇すると開弁して、フィードポンプ2の吐出圧が所定圧を超えないようにするものである。
【0018】
燃料調量弁4は、図示しないECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)によってコイルが通電制御されて高圧ポンプ5への燃料供給量を制御するものである。
この燃料調量弁4が高圧ポンプ5への燃料供給量を制御することにより、コモンレールの燃料圧力が制御される。
【0019】
高圧ポンプ5は、燃料調量弁4から供給された燃料を高圧に圧縮してコモンレールへ供給するものであり、エンジンから伝えられる回転をプランジャ12の直線の往復動に変換する回転直線変換装置13、プランジャ12の往復動によって燃料の吸入と圧縮・吐出を行う1つまたは複数(この実施例では2つ)のプランジャポンプ部14、プランジャポンプ部14の加圧室15に燃料を供給する吸入弁16、加圧室15で圧縮された燃料をコモンレールへ向けて吐出する吐出弁17を備える。
【0020】
回転直線変換装置13は、ハウジングの内部に形成されたカム室18の内部に設けられるものであり、偏心回転するエキセンカム19、このエキセンカム19の周囲に装着されたカムリング21、このカムリング21に押し付けられて往復動するプランジャ12で構成される。
ここで、カム室18は、フィードポンプ2から絞り22aが形成された燃料通路22を介して燃料の供給を受けており、カム室18に燃料が満たされるようになっている。そして、カム室18の余剰の燃料は燃料出口23から排出されて図示しない燃料タンクへ戻される。
エキセンカム19は、エンジンの回転出力によって回転駆動されるカムシャフト11と一体もしくはカムシャフト11と結合して設けられた円柱体であり、カムシャフト11が回転するとカムシャフト11の回転中心に対して偏心回転する。
【0021】
カムリング21は、エキセンカム19の周囲に装着された筒状の滑り軸受24(ブッシュ)を介して摺接自在に支持されるものであり、エキセンカム19および滑り軸受24が挿通配置される貫通穴21aを備える。
カムリング21の外面には、プランジャ12と摺接する部分にカムリング平面21b(摺接面)が設けられている。この実施例では、2つのプランジャ12がカムリング21を挟んで対向配置されている。このため、カムリング21の外面には、一方のプランジャ12と摺接するカムリング平面21bと、他方のプランジャ12と摺接するカムリング平面21bとが対向した位置に形成されている。
【0022】
ここで、プランジャ12の端部(回転中心側の端部)には、傘部12a(タペット部)が一体に形成されており、その傘部12aの内面(回転中心側の面)にはカムリング平面21bに摺接するプランジャ平面12b(摺接面)が形成されている。
傘部12aとシリンダヘッド8の間には、スプリング25が配置されており、プランジャ平面12bがカムリング平面21bに向けて常に押し付けられる。
このスプリング25の付勢力と、加圧室15からプランジャ12が受ける燃料の圧力とによって、カムリング21自身の回転が規制されて偏心回転する。
【0023】
一方、プランジャポンプ部14は、シリンダヘッド8に形成されたシリンダ8a内に摺接自在に支持されるプランジャ12を備えるものであり、シリンダ8a内で往復駆動することにより、プランジャ12の先端面とシリンダ8aで囲まれた加圧室15が拡張と縮小を繰り返す。
プランジャ12が下降(回転中心側へ移動)する際は、加圧室15の容積が拡張して加圧室15の圧力が低下して吐出弁17が閉弁するとともに、吸入弁16が開弁してフィードポンプ2で圧送されて燃料調量弁4で調量された燃料が加圧室15内へ吸引される。
逆に、プランジャ12が上昇(回転中心とは異なった側へ移動)する際は、加圧室15の容積が縮小して加圧室15の燃料が加圧されて吸入弁16が閉弁する。そして、加圧室15で加圧された燃料の圧力が所定圧力に達すると吐出弁17が開弁して加圧室15で加圧された高圧燃料がコモンレールへ向けて吐出される。
【0024】
次に、回転直線変換装置13の作動を図3を参照して説明する。
ここで、プランジャ12が回転中心側へ下降して加圧室15へ燃料を吸入する時を吸入工程とし、逆にプランジャ12が吸入弁方向へ上昇して加圧室15の燃料を加圧する時を加圧工程とする。
なお、図3中において上下2つのプランジャ12は、上述したように、カムリング21を挟んで対向配置されており、180°位相がずれた状態で駆動される。即ち、一方のプランジャ12が吸入工程の時に、他方のプランジャ12が加圧工程となる。
【0025】
図3の左端に示すように、カムシャフト11の回転中心に対して、エキセンカム19の回転中心が真下にある時、上側のプランジャ12が下死点にあり、下側のプランジャ12が上死点にある。この時の回転角度θを0°とする。
カムシャフト11が図3中左回転すると、カムシャフト11の回転に伴いエキセンカム19およびカムリング21が偏心回転する。
すると、カムリング21の上側のカムリング平面21bに当接する上側のプランジャ12が、下死点から上死点へ移動を開始する。カムシャフト11の回転角度θが0°<θ<180°の範囲にある時、上側のプランジャ12は加圧工程となり、シリンダ8a内を下死点から上死点までストロークする。
一方、下側のプランジャ12は、カムシャフト11の回転角度θが0°<θ<180°の範囲にある時、吸入工程となり、シリンダ8a内を上死点から下死点までストロークする。
【0026】
上側のプランジャ12が加圧工程の時、上側のプランジャ12には、スプリング25の付勢力と、加圧室15で加圧される燃料の圧力とにより、カムリング方向へ大きな力が加わる。
一方、下側のプランジャ12が吸入工程の時、下側のプランジャ12には、スプリング25の付勢力により、カムリング方向へ大きな力が加わる。
即ち、加圧工程中のプランジャ12によるカムリング方向の付勢力は、吸入工程中のプランジャ12によるカムリング方向の付勢力より大きい。
【0027】
ここで、カムリング21に形成された2つのカムリング平面21bは非平行に形成され、2つのプランジャ12はストローク方向の中心軸が平行(同芯を含む)になっている。そのため、2つのプランジャ12に加わる力に大小がある時、より大きな力が加わるプランジャ平面12bとカムリング平面21bとが面接触する。
従って、上側のプランジャ12が加圧工程の時は、上側のプランジャ平面12bと上側のカムリング平面21bとが面接触し、下側のプランジャ平面12bと下側のカムリング平面21bとの間には所定の角度が形成され、下側のプランジャ平面12bと下側のカムリング平面21bとの隙間へカム室18に満たされた燃料が流入する。
【0028】
図3に示すように、カムシャフト11の回転角度θがθ=180°となると、上側のプランジャ12は上死点に達し、下側のプランジャ12は下死点に達する。そのため、上側のプランジャ12は加圧工程を終了し、下側のプランジャ12は吸入工程を終了する。
【0029】
カムシャフト11の回転角度θが180°<θとなると、上述した0°<θ<180°とは逆に、上側のプランジャ12が吸入工程へ移行し、下側のプランジャ12が加圧工程へ移行する。
そのため、加圧工程を行う下側のプランジャ平面12bと下側のカムリング平面21bとが面接触し、上側のプランジャ平面12bと上側のカムリング平面21bとの間には所定の角度が形成され、上側のプランジャ平面12bと上側のカムリング平面21bとの隙間へカム室18に満たされた燃料が流入する。
そして、カムシャフト11の回転角度θがθ=360°となると、カムシャフト11は1回転した初期の状態(θ=0°)となり、上記の作動を繰り返す。
【0030】
〔実施例の特徴〕
上述したように、吸入工程中では、プランジャ平面12bとカムリング平面21bとの摺接面には隙間が生じて、カム室18に満たされた燃料が隙間に流入するようになっている。
しかし、「発明が解決しようとする課題」の項でも説明したように、カムリング平面21bとプランジャ平面12bとの摺接面に何らかの理由によって水が入った場合、摺接面が貧潤滑になり、摺接面に焼付が発生する可能性がある。
カムリング21を偏心回転させるエキセンカム19は、エンジンの出力によって駆動されるものであるため、摺接面に焼付が発生すると、その焼付部分を伝わってエンジンの強大な回転トルクがプランジャ12に伝わり、プランジャ12が破損してしまう。プランジャ12が破損すると、その破片がカムリング21と、そのカムリング21の周囲を覆うハウジング本体6との隙間に押し込まれてハウジング本体6が破損する可能性がある。
【0031】
そこで、この実施例のカムリング21には、図1に示すように、回転方向に所定以上の負荷(正常運転時に加わる負荷よりも少量大きな負荷:少なくてもカムリング21の周囲を覆うハウジング本体6の破損強度より小さい負荷)が加えられた時に破断する安全装置26が設けられている。
この安全装置26は、大きな回転負荷が加わった場合に意図的に破断するように設けた強度の弱い構造箇所であり、この実施例に示す安全装置26は、カムリング21の外周面に形成した断面V字形の切欠溝である。この切欠溝は、回転軸方向の端から端まで形成されるものであるが、一部のみに形成しても良い。
【0032】
この実施例の安全装置26は、カムリング21とプランジャ12との摺接面でない部分で、且つカムリング21とプランジャ12との摺動抵抗が増大した際(焼付などが生じた場合)に引き延ばし応力が大きく加わる部分に設けられている。
また、この実施例では、2つのプランジャ12のどちらかが焼き付いても引き延ばし応力によって安全装置26が破断するように、図1に示すようにカムリング21の対向位置に安全装置26を2つ設けている。
【0033】
図4を参照して、カムリング平面21bとプランジャ平面12bとの摺接面に焼付が発生した場合における作動を説明する。
上述したように、プランジャ12の吸入工程時では、カムリング平面21bとプランジャ平面12bとに隙間が生じて燃料が流入する。この隙間に水が何らかの理由で入り、プランジャ12が加圧工程へ移行すると、摺接面が貧潤滑になり、摺接面に焼付が発生する。
エキセンカム19は、エンジンの出力によって駆動されるものであるため、加圧工程中に焼付が発生(図4の左から2つ目の図参照)しても偏心回転する。即ち、図4中矢印Aに示す部分が摺接不能になってもエキセンカム19は回転する。すると、カムリング21の図4中符号Bに示す部分に「正常時よりも大きい引き延ばされる力」が加わり、カムリング21の図4中符号Cに示す部分に「正常時よりも大きい圧縮される力」が加わる。
【0034】
カムリング21の図4中符号Bに示す部分に「正常時よりも大きい引き延ばされる力」が加わることにより、カムリング21に設けられた安全装置26が破断する。すると、カムリング21が開いてカムリング21の内径が大きくなるため、カムリング21の内周でエキセンカム19が空回りする。
この結果、エキセンカム19の回転トルクはカムリング21に伝わらなくなり、プランジャ12に大きな負荷が加わる不具合がない。
【0035】
〔実施例の効果〕
上述したように、カムリング21とプランジャ12の摺接面(具体的には、カムリング平面21bとプランジャ平面12bとの摺接面)に水等が入って摺接面が貧潤滑になり、摺接面に焼付等が発生して摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、エンジンから受ける強大な回転トルクがカムリング21に加わり、カムリング21の安全装置26が破断し、カムリング21が開いてカムリング21の内周でエキセンカム19が空回りする。この結果、エキセンカム19の回転トルクはカムリング21に伝わらなくなり、プランジャ12等に大きな負荷が加わることが防がれる。
このため、燃料噴射ポンプ1に生じる損傷を最小に抑えることができる。
【0036】
具体的には、プランジャ12の破損が防がれる。このため、プランジャ12が破損して、その破片がカムリング21と、カムリング21を覆うハウジング本体6との隙間に押し込められて、ハウジング本体6が破損して燃料が外部へ洩れ出ることがない。このため、カムリング21とハウジング本体6の隙間を大きくする必要がなく、燃料噴射ポンプ1の体格を大きくしなくて済む。
また、破断はカムリング21のみであり、プランジャ12、それを支持するシリンダヘッド8、カムリング21に与えられる負荷が小さいため、修理費用を低く抑えることができる。
【0037】
また、この実施例では、引き延ばし応力が大きく加わる部分に安全装置26を設けたため、カムリング21とプランジャ12の摺接面に大きなスラスト抵抗が生じた場合、カムリング21の回転方向に加わる負荷が比較的小さい状態で安全装置26が破断する。このため、カムリング21以外に与えられるダメージを極めて小さくできる。
【0038】
〔変形例〕
上記の実施例では、安全装置26をV字形の切欠溝として設けた例を示したが、U字形、C字形など他の形状の切欠溝によって安全装置26を設けても良い。また、安全装置26としての切欠溝をカムリング21の外周面に形成した例を示したが、カムリング21の内周面に形成しても良い。また、外周面と内周面の両方に設けても良い。
【0039】
上記の実施例では、安全装置26を切欠溝として設けた例を示したが、カムリング21の外周面と内周面の厚みを薄く設けた薄肉部で構成しても良い。この薄肉部は、カムリング21における回転軸方向の端から端まで形成されるものであっても良いし、一部のみに形成されるものであっても良い。
また、カムリング21の外周面と内周面を貫通した1つあるいは複数の貫通穴によって安全装置26を設けても良い。
【0040】
上記の実施例では、安全装置26を引き延ばし応力が加わる位置に設けたが、圧縮応力が加わる位置に設けて、圧縮応力で破断するようにしても良い。即ち、安全装置26は、カムリング21の回転方向にかかる負荷によって破断するものであれば、どこに設けても良い。
上記の実施例では、燃料噴射ポンプ1の回転直線変換装置13に本発明を適用したが、エキセンカム19とカムリング21を用いてプランジャ12を往復動させる他の回転直線変換装置13に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射ポンプの軸方向から見た断面図である(実施例)。
【図2】燃料噴射ポンプの軸方向に沿う断面図である(実施例)。
【図3】回転直線変換装置の作動説明図である(実施例)。
【図4】カムリングとプランジャに焼付等が生じた場合の作動説明図である(実施例)。
【図5】回転直線変換装置を軸方向から見た断面図である(従来例)。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ
5 高圧ポンプ
6 ハウジング本体(カムリングの周囲でカム室を形成するハウジング)
11 カムシャフト
12 プランジャ
12b プランジャ平面
13 回転直線変換装置
14 プランジャポンプ部
15 加圧室
16 吸入弁
18 カム室
19 エキセンカム
21 カムリング
21b カムリング平面
26 安全装置(切欠溝)

Claims (4)

  1. 回転駆動されて偏心回転するエキセンカムと、
    このエキセンカムの周囲に摺接して回転駆動されるカムリングと、
    回転軸芯と直交する方向へ摺接自在に支持されて、前記カムリングに押し当てられた状態で前記カムリングと摺接するプランジャと、を具備し、
    前記カムリングの半径方向の外面に形成されたカムリング平面に、前記プランジャの端部に形成されたプランジャ平面が摺接して、前記カムリングの回転が規制される回転直線変換装置において、
    前記カムリングには、回転方向に所定以上の負荷が加えられた時に破断する安全装置が設けられたことを特徴とする回転直線変換装置。
  2. エンジンの回転出力によって回転駆動されて偏心回転するエキセンカムと、
    このエキセンカムの周囲に摺接して回転駆動されるカムリングと、
    回転軸芯と直交する方向へ摺接自在に支持されて、前記カムリングに押し当てられた状態で前記カムリングと摺接し、往復動することで燃料加圧室の拡張と縮小を繰り返すプランジャと、
    前記カムリングの周囲にカム室を形成するハウジングと、を具備し、
    前記カム室内に燃料が供給されるとともに、
    前記カムリングの半径方向の外面に形成されたカムリング平面に、前記プランジャの端部に形成されたプランジャ平面が摺接して、前記カムリングの回転が規制される燃料噴射ポンプにおいて、
    前記カムリングには、回転方向に所定以上の負荷が加えられた時に破断する安全装置が設けられたことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転直線変換装置または燃料噴射ポンプにおいて、
    前記安全装置は、前記カムリングと前記プランジャとの摺接面でない部分で、且つ前記カムリングと前記プランジャとの摺動抵抗が増大した際に引き延ばし応力が大きく加わる部分に設けられたことを特徴とする回転直線変換装置または燃料噴射ポンプ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転直線変換装置または燃料噴射ポンプにおいて、
    前記安全装置は、前記カムリングの外周面あるいは内周面の少なくても一方に形成された切欠溝であることを特徴とする回転直線変換装置または燃料噴射ポンプ。
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