JP2005206631A - 微発泡樹脂成型体及び微発泡樹脂成型体の製造方法 - Google Patents

微発泡樹脂成型体及び微発泡樹脂成型体の製造方法 Download PDF

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俊生 多田
Yohei Nishimura
洋平 西村
Hirobumi Omura
博文 尾村
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Abstract

【課題】 均一に形成されたマイクロメートルオーダーの気泡を有する微発泡樹脂成型体
、及び、耐熱樹脂や高強度樹脂であってもマイクロメートルオーダーの均一な気泡を有す
る成型体を製造することができる微発泡樹脂成型体の製造方法を提供する。
【解決手段】 非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を含有す
る微発泡樹脂成型体であって、一方の樹脂が他方の樹脂中に均一に分散しており、かつ、
前記分散した一方の樹脂と他方の樹脂との界面に空気層がある微発泡樹脂成型体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、均一に形成されたマイクロメートルオーダーの気泡を有する微発泡樹脂成型体
、及び、耐熱樹脂や高強度樹脂であってもマイクロメートルオーダーの均一な気泡を有す
る成型体を製造することができる微発泡樹脂成型体の製造方法に関する。
発泡樹脂成型体は、優れた弾性と断熱性とを有することから、梱包用のクッション材や、
断熱材等の種々の分野に広く用いられている。
発泡樹脂成型体は、通常、樹脂中に発泡剤を混入し、押出成形法等によりシート状に成形
した後、含有する発泡剤を発泡させる方法等により製造されている。しかし、このような
方法では、樹脂成型体中の気泡の径を制御することは困難であり、特に気泡の径をマイク
ロメートルオーダーの小さなものにすることはできなかった。
近年、発泡樹脂成型体は、電子部品の断熱材、クッション材又は低誘電率材としての用途
が拡大しているが、電子部品の小型化に伴い、マイクロメートルオーダーの厚さの発泡樹
脂成型体が求められるようになってきた。このようなマイクロメートルオーダーの厚さの
発泡樹脂成型体では、気泡の径も成型体の厚さ以下、即ち、マイクロメートルオーダーで
なければならず、しかも、そのような小さな径の気泡が成型体の全体に均一に形成されて
いなければ充分な能力を発揮することができない。
これに対して、特許文献1等に、マイクロセルラー発泡法と呼ばれる方法が提案されてい
る。マイクロセルラー発泡法は、樹脂シートに超臨界状態の液状二酸化炭素を含浸させ、
これを常温常圧に戻して二酸化炭素を気化させることにより発泡させる方法である。この
方法によれば、従来の発泡剤を用いる方法と比較して気泡の径を小さく制御して、マイク
ロメートルオーダーとすることが可能であるとされている。しかしながら、実際には、樹
脂成型体の比較的表面に近い部分では、気化した二酸化炭素の大部分が樹脂成型体を発泡
させることなく外部に漏れだしてしまう、いわゆるガス抜けが起こるという問題があった
。即ち、マイクロセルラー発泡法で得られる発泡樹脂成型体は、表面付近の発泡倍率が極
端に低く、実際に気泡が形成されるのは成型体の中心付近の一部分にすぎなかった。従っ
て、電子材料の断熱材等に用いられる厚さが200μm以下の成型体を作製しようとして
も、ほとんどガス抜けしてしまい、全く発泡しないこともあるという問題があった。
更に、近年の発泡樹脂成型体の用途によっては、高い耐熱性や力学的強度が求められるこ
ともあるが、従来の発泡剤を発泡させる方法等では耐熱樹脂や高強度樹脂を発泡させるこ
とは極めて困難であるという問題もあった。
特開平10−024436号公報
本発明は、上記現状に鑑み、均一に形成されたマイクロメートルオーダーの気泡を有する
微発泡樹脂成型体、及び、耐熱樹脂や高強度樹脂であってもマイクロメートルオーダーの
均一な気泡を有する成型体を製造することができる微発泡樹脂成型体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
本発明は、非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を含有する微
発泡樹脂成型体であって、一方の樹脂が他方の樹脂中に均一に分散しており、かつ、前記
分散した一方の樹脂と他方の樹脂との界面に空気層がある微発泡樹脂成型体である。
なお、本明細書において成型体には、シート状成型体等のあらゆる形状のものが含まれる

以下に本発明を詳述する。
本発明の微発泡樹脂成型体は、少なくとも2種の樹脂を含有する。
上記少なくとも2種の樹脂は、非相溶である。本明細書において非相溶とは、上記少なく
とも2種の樹脂を混合したときに分子的に均一な混合物が得られることなく、海島構造等
の相分離構造を形成することを意味する。
上記少なくとも2種の樹脂は、熱収縮特性が異なるものである。本明細書において、熱収
縮特性が異なるとは、一定以上の温度から少なくとも1種の樹脂の融点又はガラス転移温
度以下の適当な温度に急冷したときの熱収縮率が異なることを意味する。上記少なくとも
2種の樹脂の熱収縮特性、即ち熱収縮率の差が大きいほど、高い発泡倍率が得られやすい
ことから好ましい。また、上記少なくとも2種の樹脂は、相分離構造を形成したときに、
その界面の接着力が低いことが好ましい。界面の接着力が強すぎると、収縮時に非相溶な
樹脂間の界面に空気層が発生しない場合がある。
このように大きい熱収縮性の差を得るためには、上記少なくとも2種の樹脂の融点の差が
30℃以上であることが好ましい。30℃未満であると、熱収縮率の差が小さく、高い発
泡倍率が得られないことがある。より好ましくは50℃以上である。上記樹脂がガラス転
移温度と融点の両方を有する場合には、融点の温度差が30℃以上であることが好ましい
が、融点が存在しない樹脂の場合においては、ガラス転移温度の差が30℃以上であるこ
とが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。
また、このように大きい熱収縮特性の差を得るためには、上記少なくとも2種の樹脂のう
ち、少なくとも1種が、結晶性樹脂であることが好ましい。結晶性樹脂のなかには極めて
高い熱収縮率を示すものがあることから、例えば、このような熱収縮率の高い結晶性樹脂
と、結晶性樹脂のなかでも比較的熱収縮率の小さいもの、又は、一般に熱収縮率の小さい
非結晶性樹脂と組み合わせることにより、容易に大きい熱収縮率の差を得ることができる

なお、海島構造が形成されている場合には、少なくともドメイン成分が結晶性高分子であ
ることが好ましい。また、このとき、冷却時の温度において、マトリックス成分の1ra
d/sにおける動的貯蔵剛性率が10Pa以上であることが好ましい。10Pa未満
であると、ドメイン成分の収縮に追従して変形してしまい、微発泡性が悪化することがあ
る。また、連続構造が形成される場合には、発泡部分が連続構造になるため、多孔体を作
製することができる。
上記結晶性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエ
チレン誘導体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、プ
ロピレン共重合体、アイソタクチックポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
フェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリア
リルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビ
ニルアルコール、液晶ポリマー、ポリビニルアルコール、又は、ポリビニルアルコールの
単量体単位が導入された共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、又は、ポリビニルアル
コールの単量体単位が導入された共重合体は、熱収縮率が特に大きいことから好ましい。
これらの結晶性樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記非晶製樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリウレタン、塩化ビニリデン、ポリ
ジシクロペンタジエン、メチルペンテン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタ
ール、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂、アク
リロニトリルスチレン樹脂、変成ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、熱可塑ポリイミド等が挙げられる。これ
らの非晶性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記少なくとも2種の樹脂の配合比としては特に限定されず、任意の配合比とすることが
できるが、一般的に、混練時の樹脂の粘度が等しい場合において、配合量の多い方がマト
リックスを形成し、配合量の少ないほうが島を形成する。
本発明の微発泡樹脂成型体は、上記少なくとも2種の樹脂以外にも、更にその他の樹脂を
含有してもよい。このような樹脂としては、上述の結晶性樹脂や非結晶性樹脂等が挙げら
れる。
また、本発明の微発泡樹脂成型体は、機械的特性を向上させる目的でフィラー等を含有し
てもよいし、また、その他目的に応じて、可塑剤、相溶化剤、結晶核剤、酸化防止剤等の
従来公知の添加物を少なくとも一成分の樹脂に配合してもよい。
本発明の微発泡樹脂成型体においては、一方の樹脂が他方の樹脂中に均一に分散しており
、かつ、前記分散した一方の樹脂と他方の樹脂との界面に空気層がある。
本発明の微発泡樹脂成型体の断面の一態様を表す模式図を図1に示した。
図1に示した本発明の発泡樹脂シートの断面においては、マトリックス樹脂1中に、島状
に相分離した樹脂2が均一に分散しており、マトリックス樹脂1と島状樹脂2との間に、
空気層3が形成されている。
この空気層3が、本発明の微発泡樹脂成型体における気泡となり、これにより、断熱性や
クッション性等の微発泡樹脂成型体に求められる諸性能が発現する。
上記空気層の平均直径の好ましい下限は0.03μm、好ましい上限は50μmである。
0.03μm未満であると、充分な発泡倍率が得られず、断熱性やクッション性等が得ら
れないことがあり、50μmを超えると、厚さ200μm以下のシートとしたときに、シ
ート形状が保てないことがある。より好ましい下限は0.1μm、より好ましい上限は1
0μmであり、更に好ましい下限は0.2μmである。
なお、本明細書において上記空気層の直径とは、島状樹脂を含む1つの空気層全体の直径
を意味する(図2)。
上記空気層は、それぞれが独立していてもよいし、図3に示したように、空気層同士が接
触、結合していてもよい。上記空気層同士が接触、結合している場合には、本発明の微発
泡樹脂成型体中の気泡は連泡状態になっているといえ、より良好な圧縮性や遮音性を発揮
することができる。
本発明の微発泡樹脂成型体は、発泡倍率が1.05倍以上であることが好ましい。1.0
5倍未満であると、充分な断熱性やクッション性、絶縁性等が得られないことがある。よ
り好ましくは1.1倍以上、更に好ましくは。1.2倍以上である。また、本発明の微発
泡樹脂成型体をフィルムとして用いるときには、発泡倍率の好ましい上限は5倍である。
5倍を超えると、フィルムとしての充分な機械的強度を発揮することができないことがあ
る。より好ましい上限は3倍、更に好ましい上限は2倍である。
本発明の微発泡樹脂製形態の発泡倍率は、少なくとも2種の樹脂の種類の他、その配合比
によっても調整することができる。即ち、島を形成することができる範囲内においては、
島を形成する側の樹脂の配合量が多いほど図3に示したような連泡構造を形成しやすく、
高い発泡倍率が得られる。
また、本発明の微発泡樹脂成型体の発泡倍率は、少なくとも2種の樹脂の分散性によって
も調整することができる。即ち、海島構造を有する場合には、島を形成するドメイン成分
の直径が小さいほど、細かな気泡を形成することができる。
更に他の局面では、島の周囲を空隙部により完全に覆うことで島成分の樹脂を気泡中に可
動状態で存在させることもできる
本発明の微発泡樹脂成型体は、平均直径が0.03〜50μmの極めて小さな空気層が均
一に形成されていることから、厚さ200μmとした場合にも断熱性等に極めて優れてお
り、例えば、電子部品の断熱材、クッション材又は低誘電率材として好適である。
本発明の微発泡樹脂成型体は、例えば、非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なく
とも2種の樹脂を超臨界状態又は亜臨界状態の流体中で混練する工程と、混練した樹脂混
合物を急冷する工程とを有する製造法により製造することができる。
このような本発明の微発泡樹脂成型体の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の微発泡樹脂成型体の製造方法は、非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少な
くとも2種の樹脂を超臨界状態又は亜臨界状態の流体中で混練する工程を有する。
超臨界状態又は亜臨界状態にある流体は気体の有する拡散性と液体の有する溶解性とを併
せ持つ。従って、超臨界状態又は亜臨界状態にある流体中で非相溶である少なくとも2種
の樹脂を混練すれば、極めて高い混合状態にすることができ、その配合比によりマトリッ
クスと島状とに相分離した場合には、島状の樹脂は極めて小さく、また、その表面張力に
よって島の形状はほぼ完全な球形となる。
なお、本明細書において、超臨界流体とは、臨界圧力(以下、Pcともいう)以上、かつ
臨界温度(以下、Tcともいう)以上の条件の流体を意味する。また、亜臨界流体とは、
超臨界状態以外の状態であって、反応時の圧力、温度をそれぞれP、Tとしたときに、0
.5<P/Pc<1.0かつ0.5<T/Tc、又は、0.5<P/Pcかつ0.5<T
/Tc<1.0の条件の流体を意味する。上記亜臨界流体の好ましい圧力、温度の範囲は
、0.6<P/Pc<1.0かつ0.6<T/Tc、又は、0.6<P/Pcかつ0.6
<T/Tc<1.0である。ただし、流体が水である場合には、亜臨界流体となる温度、
圧力の範囲は、0.5<P/Pc<1.0かつ0.5<T/Tc、又は、0.5<P/P
cかつ0.5<T/Tc<1.0である。なお、ここで温度は摂氏を表すが、Tc又はT
のいずれかが摂氏ではマイナスである場合には、上記亜臨界状態を表す式はこの限りでは
ない。
上記流体としては、常温常圧では上記樹脂を溶解しないものであれば特に限定されないが
、水やアルコール等の有機媒体等の常温常圧で液体であるものであってもよいし、二酸化
炭素、窒素、酸素、ヘリウム、アルゴン、空気等の常温常圧で気体であるものであっても
よいし、また、これらの混合流体であってもよい。なかでも、二酸化炭素は、超臨界状態
又は亜臨界状態では液体状に近く樹脂の混練に適することに加え、解圧することにより容
易に気化してシート外に排除することができることから、好適である。
また、とりわけ、上記少なくとも2種の樹脂の融点が50℃以上異なる場合には、上記流
体として二酸化炭素を用いることが好ましい。二酸化炭素を混在させない状態で50℃以
上融点が異なる樹脂を混練しようとすると、それぞれの樹脂単体における成型温度が著し
く異なるため、高融点の樹脂に混練条件を合わせれば低融点の樹脂の劣化が促進され、ま
た、低融点の樹脂の混練条件に合わせれば、高融点の樹脂の分散がうまくいかなくなる。
二酸化炭素を用いれば、高融点の樹脂の成型温度を下げることができるので、低融点の樹
脂の劣化を抑制し、かつ、高融点の樹脂の分散性を向上させることができる。
更に、特に微発泡のシートを得たい場合にも、上記流体として二酸化炭素を用いることが
好ましい。二酸化炭素を用いることにより、樹脂の相溶性を高めることができ、ドメイン
成分を微分散させることができることから、特に微発泡のシートを得ることができる。
上記混練の際の温度としては特に限定されないが、後述する混練した樹脂混合物を急冷す
る工程において、充分に樹脂を熱収縮させるためには、少なくとも樹脂の融点よりも15
℃低い温度以上であることが好ましい。より好ましくは樹脂の融点よりも5℃低い温度以
上以上である。
上記非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を超臨界状態又は亜
臨界状態の流体中で混練する工程においては、例えば、超臨界押出機等を用いることが好
ましい。
上記超臨界押出機は、少なくとも、樹脂を混練する手段と、超臨界状態又は亜臨界状態の
流体を供給する手段と、混練した樹脂を一定の形状に押し出す手段とを有するものである
。このような超臨界押出機を用いれば、少なくとも2種の樹脂が充分に混練されたシート
状の成形物が得られる。更に、流体として二酸化炭素等を用いた場合には、シート状成形
体を大気中に押し出すことにより二酸化炭素等は気化して、速やかにシートの外へと排除
される。
本発明の微発泡樹脂成型体の製造方法は、混練した樹脂混合物を急冷する工程とを有する

上記非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を超臨界状態又は亜
臨界状態の流体中で混練する工程により得られた樹脂混合物においては、一方の樹脂から
なるマトリックス中に、他方の樹脂が島状に均一に分散している。この状態で急冷するこ
とにより、それぞれの樹脂が熱収縮する。上記少なくとも2種の樹脂はそれぞれ熱収縮特
性が異なることから熱収縮の度合いが異なり、この差によって相界面において樹脂が剥離
し、空気層を生じる。
上記樹脂混合物は、収縮させたい樹脂成分のガラス転移温度以上のできる限り低い温度に
まで急冷することが好ましい。また、マトリックス樹脂と島状樹脂とのいずれか一方又は
両方にフィラーや結晶核剤等を予め混練しておけば、収縮率を更に上げることができる。
上記急冷の方法としては特に限定されないが、冷却の速度が樹脂の結晶化速度に対して充
分に速い方がより熱収縮の差が顕著となり、空気層が大きくなって発泡倍率が上がる。具
体的には、例えば、上記超臨界押出機を用いた場合には、押し出されたシート状成形体を
そのまま水槽中に吐出する方法等が挙げられる。
また、これ以外の結晶化促進方法として、結晶収縮させたい樹脂のガラス転移温度以上で
一定時間アニールしてから冷却する方法がある。ガラス転移温度以上のアニール工程で結
晶化はより促進されるので、発泡倍率を向上させることができる。
本発明の微発泡樹脂成型体の製造方法は、少なくとも2種の樹脂の熱収縮特性を利用して
気泡を形成するものであることから、従来の発泡剤を発泡させる方法等では困難であった
耐熱樹脂や高強度樹脂であっても容易に発泡させることができる。
本発明によれば、均一に形成されたマイクロメートルオーダーの気泡を有する微発泡樹脂
成型体、及び、耐熱樹脂や高強度樹脂であってもマイクロメートルオーダーの均一な気泡
を有する成型体を製造することができる微発泡樹脂成型体の製造方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン50重量部と、ポリヘキサメチレンアジポアミド(6,6−ナイロン)5
0重量部とを超臨界押出機に仕込み、280℃、8MPaの二酸化炭素を送り込みながら
混練した。これを厚さ100μmのシート状にして大気中に押し出た。次いで、このシー
ト状成型物を温度30℃に保温した水槽中に吐出することにより急冷して、微発泡樹脂成
型体を得た。
得られた発泡樹脂シートの一部をエポキシ包埋し、ミクロトームを用いて薄膜切片標本を
作製した。この薄膜切片標本を反射型電子顕微鏡を用いて撮影した像を図4に示した。図
4より、ポリヘキサメチレンアジポアミドからなるマトリックス中に、均一にポリプロピ
レンからなる島が分散しており、マトリックスと島との間に空気層が形成されていること
が確認できた。
また、得られた微発泡樹脂成型体について発泡倍率を測定したところ、1.1倍であった
本発明によれば、均一に形成されたマイクロメートルオーダーの気泡を有する微発泡樹脂
成型体、及び、耐熱樹脂や高強度樹脂であってもマイクロメートルオーダーの均一な気泡
を有する成型体を製造することができる微発泡樹脂成型体の製造方法を提供できる。
本発明の微発泡樹脂成型体の断面の一態様を表す模式図である。 空気層の直径について説明する模式図である。 連泡構造をとる場合の本発明の微発泡樹脂成型体の断面の一態様を表す模式図である。 実施例1で作製した微発泡樹脂成型体の断面の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 マトリックス樹脂
2 島状に相分離した樹脂
3 空気層

Claims (7)

  1. 非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を含有する微発泡樹脂成
    型体であって、一方の樹脂が他方の樹脂中に均一に分散しており、かつ、前記分散した一
    方の樹脂と他方の樹脂との界面に空気層があることを特徴とする微発泡樹脂成型体。
  2. 2種の樹脂は、ガラス転移温度及び/又は融点の差が30℃以上であることを特徴とする
    請求項1記載の微発泡樹脂成型体。
  3. 2種の樹脂のうち少なくとも1種は、結晶性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の微発泡樹脂成型体。
  4. 空気層は、平均直径が0.03〜50μmであることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の微発泡樹脂成型体。
  5. 発泡倍率が1.05倍以上であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の微発泡
    樹脂成型体。
  6. 非相溶であり、かつ、熱収縮特性の異なる少なくとも2種の樹脂を超臨界状態又は亜臨界
    状態の流体中で混練する工程と、混練した樹脂混合物を急冷する工程とを有することを特
    徴とする微発泡樹脂成型体の製造方法。
  7. 流体は、二酸化炭素であることを特徴とする請求項6記載の微発泡樹脂成型体の製造方法
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