JP2005206343A - エレベータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 巻上機1を駆動する電動機7のリップルを、低速度から高速度まで広範囲に亙って抑制するようにしたエレベータの制御装置を提供する。
【解決手段】 トルク指令値Iq*に基いて電動機7を制御してかご3を昇降させるエレベータの制御装置に係るものであって、トルク指令値Iq*の入力点から電動機7の実速度の出力点までの伝達関数を求め、トルクリップルの補正値Iqr*をトルク指令値Iq*に加入しない状態で電動機7を制御したときの実速度に含まれるリップル値を検出し、このリップル値を逆位相にして伝達関数で除した値を補正値Iqr*としてトルク指令値Iq*に対応させて予め補正値テーブル14に記録しておき、トルク指令値Iq*が発せられると補正値テーブル14から対応する補正値Iqr*を読み取ってトルク指令値Iq*に加算して電動機7を制御するようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 トルク指令値Iq*に基いて電動機7を制御してかご3を昇降させるエレベータの制御装置に係るものであって、トルク指令値Iq*の入力点から電動機7の実速度の出力点までの伝達関数を求め、トルクリップルの補正値Iqr*をトルク指令値Iq*に加入しない状態で電動機7を制御したときの実速度に含まれるリップル値を検出し、このリップル値を逆位相にして伝達関数で除した値を補正値Iqr*としてトルク指令値Iq*に対応させて予め補正値テーブル14に記録しておき、トルク指令値Iq*が発せられると補正値テーブル14から対応する補正値Iqr*を読み取ってトルク指令値Iq*に加算して電動機7を制御するようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
この発明は、エレベータのかごを昇降駆動する電動機の回転脈動を減少させる制御装置に係るものである。
電動機の回転磁界は、電動機鉄心に形成されたスロットによって歪を生じ、この歪みによって電動機のトルクが脈動する。エレベータでは、上記脈動が乗り心地を害する一因となっていた。
そこで、従来のエレベータの制御装置では、電動機のトルクリップルを減少させるために、かごの実速度に基いて演算されたインバータの一次周波数角θeに対してN倍の位相Nf・θeが演算される。例えば、6倍の位相6f・θeが演算されて正弦波の位相Qとなる。更にq軸電流指令値Iqcから振幅Aが求められる。この正弦波AsinQがトルクリップル補償値αとして、q軸電流指令値Iqcに対して加算されて、スロットによるトルクリップルを減少させるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
そこで、従来のエレベータの制御装置では、電動機のトルクリップルを減少させるために、かごの実速度に基いて演算されたインバータの一次周波数角θeに対してN倍の位相Nf・θeが演算される。例えば、6倍の位相6f・θeが演算されて正弦波の位相Qとなる。更にq軸電流指令値Iqcから振幅Aが求められる。この正弦波AsinQがトルクリップル補償値αとして、q軸電流指令値Iqcに対して加算されて、スロットによるトルクリップルを減少させるようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
また、図7は、トルクリップルを減少させるための補正値を演算する従来の方法を示す流れ図である(例えば、特許文献2参照)。
即ち、図7(a)に示したとおり、速度指令値uの入力点から電動機の発生トルクまでの伝達関数G1と、電動機の発生トルクから電動機の回転速度yまでの伝達関数G2で制御系を表す。
手順S11で、速度指令値uに加算される補正値h=0として、速度指令値uで電動機を制御する。手順S12で、そのときの電動機の速度yを検出して記憶させる。手順S13で、速度yに含まれる速度リップルydをフーリェ解析して各周波数ωm成分について振幅Rmと位相φmを記憶させる。ここで、速度指令値uの周波数ωmの成分udとトルクリップルdと速度リップルydの間には、(1)式が成立する。
即ち、図7(a)に示したとおり、速度指令値uの入力点から電動機の発生トルクまでの伝達関数G1と、電動機の発生トルクから電動機の回転速度yまでの伝達関数G2で制御系を表す。
手順S11で、速度指令値uに加算される補正値h=0として、速度指令値uで電動機を制御する。手順S12で、そのときの電動機の速度yを検出して記憶させる。手順S13で、速度yに含まれる速度リップルydをフーリェ解析して各周波数ωm成分について振幅Rmと位相φmを記憶させる。ここで、速度指令値uの周波数ωmの成分udとトルクリップルdと速度リップルydの間には、(1)式が成立する。
次に、手順S14で、速度指令値uに所定の補正値h(≠0)を加算して電動機を制御する。手順S15で、そのときの電動機の速度yhを検出して記憶させる。手順S16で、速度yhに含まれる速度リップルyhdをフーリェ解析して各周波数ωm成分について振幅Rmと位相φmを記憶させる。ここで、速度指令値uの周波数ωmの成分udとトルクリップルdと速度リップルyhdの間には、(2)式が成立する。手順S17で、(3)式によって、速度指令値uの入力点から電動機の回転速度yまでの伝達関数G1・G2を求める。手順S18で、(4)式によって速度指令値uに対する補正値hを各周波数ωmごとに予め演算して補正値テーブルに記憶しておく。稼動運転では、速度指令uに対応する補正値hを補正値テーブルから取り出して速度指令uに加算することにより、速度リップルyhdを減少させることができる。
従来のエレベータの制御装置は上記のとおり構成されており、特許文献1に記載のものは、リップルを構成する各周波数成分の内、一の周波数成分しか抑制することができなかった。このため、対象外のリップルは抑制されない、という問題があった。
また、特許文献2に記載のものは、速度指令値uに対しては、リップルを各周波数成分ごとに分析して軽減させることができる。
しかし、エレベータの電動機は、低速度から高速度まで広範囲に変化させる必要がある。このため、速度指令値uが変化して各リップルの各周波数が変化した場合に、広い速度範囲に亙ってリップルを軽減させることはできない、という問題があった。
また、特許文献2に記載のものは、速度指令値uに対しては、リップルを各周波数成分ごとに分析して軽減させることができる。
しかし、エレベータの電動機は、低速度から高速度まで広範囲に変化させる必要がある。このため、速度指令値uが変化して各リップルの各周波数が変化した場合に、広い速度範囲に亙ってリップルを軽減させることはできない、という問題があった。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、巻上機を駆動する電動機のリップルを、低速度から高速度まで広範囲に亙って抑制するようにしたエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る請求項1に記載のエレベータの制御装置は、速度指令値と実速度の帰還値からトルク指令値を発生させ、このトルク指令値に基いて電動機を制御してかごを昇降させるエレベータの制御装置に係るものであって、トルク指令値の入力点から電動機の実速度の出力点までの伝達関数を求め、電動機を制御したときの実速度に含まれるリップル値を検出し、このリップル値を逆位相にして伝達関数で除した値を補正値としてトルク指令値に対応させて予め補正値テーブルに記録しておき、トルク指令値が発せられると補正値テーブルから対応する補正値を読み取ってトルク指令値に加算して電動機を制御するようにしたものである。
この発明に係る請求項2に記載のエレベータの制御装置は、速度指令値と実速度の帰還値からトルク指令値を発生させ、このトルク指令値に基いて電動機を制御してかごを昇降させるエレベータの制御装置に係るものであって、トルク指令値の入力点から電動機の出力トルクまでの伝達関数を求め、電動機を制御したときの出力トルクに含まれるリップル値をかごの積載荷重を測定する秤装置で検出し、このリップル値を逆位相にして伝達関数で除した値を補正値としてトルク指令値に対応させて予め補正値テーブルに記録しておき、トルク指令値が発せられると補正値テーブルから対応する補正値を読み取ってトルク指令値に加算して電動機を制御するようにしたものである。
この発明に係るエレベータの制御装置によれば、電動機を制御するトルク指令値に補正値を加入しないときの実速度に含まれるリップル値と逆位相の脈動を生じさせる補正値を各トルク指令値に対応させて予め補正値テーブルに記録しておき、トルク指令値が発せられると補正値テーブルから対応する補正値を読み取り、更に、そのときの実速度に見合った位相角でトルク指令値に加算して電動機を制御するようにしたものである。
このため、低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機のリップルを抑制することができる、という効果を奏する。
このため、低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機のリップルを抑制することができる、という効果を奏する。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一符号を付し、説明の重複を省いた。
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置を示す。
図1は、エレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、巻上機1には主索2が巻き掛けられ、この主索2の一端にはかご3が吊持され、他端には釣合錘6が吊持されている。巻上機1は電動機7によって駆動され、この電動機7の回転軸には回転位置を識別することができる絶対値形のエンコーダ8が取り付けられている。エンコーダ8の出力は速度・位置検出器11によってインバータ23の一次周波数角である電気角θeと、電動機7の回転位置である機械角θmと、機械角θmの微分値である実速度ωmに変換される。秤装置4によって計量されたかご3の積載荷重Wcと実速度ωmは、速度制御器12に入力される。ここで、実速度ωmは速度指令値と比較され、その偏差に積載荷重Wcが加味されてトルク指令値であるq軸電流指令値Iq*が出力される。
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1に係るエレベータの制御装置を示す。
図1は、エレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。同図において、巻上機1には主索2が巻き掛けられ、この主索2の一端にはかご3が吊持され、他端には釣合錘6が吊持されている。巻上機1は電動機7によって駆動され、この電動機7の回転軸には回転位置を識別することができる絶対値形のエンコーダ8が取り付けられている。エンコーダ8の出力は速度・位置検出器11によってインバータ23の一次周波数角である電気角θeと、電動機7の回転位置である機械角θmと、機械角θmの微分値である実速度ωmに変換される。秤装置4によって計量されたかご3の積載荷重Wcと実速度ωmは、速度制御器12に入力される。ここで、実速度ωmは速度指令値と比較され、その偏差に積載荷重Wcが加味されてトルク指令値であるq軸電流指令値Iq*が出力される。
トルクリップル測定演算器13は、エレベータの稼動に備えてq軸電流指令値Iq*に対応させて補正値が記録された補正値テーブル14を事前に構築するもので、詳細を図2に示す。トルクリップル抑制器15は、q軸電流指令値Iq*に対応する補正値を補正値テーブル14から読み取り、かつ、実速度ωmに見合った位相角にした補正値Iqr*を演算して出力する。この補正値Iqr*は加算器16でq軸電流指令値Iq*との偏差が演算されてトルクリップルを抑制する新たなトルク指令値であるq軸電流指令値(Iq*−Iqr*)となる。Id*は磁束を発生させるd軸電流指令値である。
変流器9によって検出されたインバータ23の出力電流Iu、Iv、Iwは3相2相変換器17によって電気角θeに基き直交回転座標系のd軸電流信号Id及びq軸電流信号Iqに変換され、それぞれ加算器18でd軸電流指令値Id*とd軸電流信号Idの偏差が演算される。また、加算器19でトルクリップルを抑制する指令値であるq軸電流指令値(Iq*−Iqr*)とq軸電流信号Iqの偏差が演算される。
補償器20は、加算器18、19で演算された偏差信号を2相の直交回転座標系におけるd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を出力する。2相3相変換器21は、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を電気角θeに基き3相の直交静止座標系の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。PWM回路22は、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基きパルス幅変調をしてインバータ23のゲートを制御する。
変流器9によって検出されたインバータ23の出力電流Iu、Iv、Iwは3相2相変換器17によって電気角θeに基き直交回転座標系のd軸電流信号Id及びq軸電流信号Iqに変換され、それぞれ加算器18でd軸電流指令値Id*とd軸電流信号Idの偏差が演算される。また、加算器19でトルクリップルを抑制する指令値であるq軸電流指令値(Iq*−Iqr*)とq軸電流信号Iqの偏差が演算される。
補償器20は、加算器18、19で演算された偏差信号を2相の直交回転座標系におけるd軸電圧指令値Vd*、q軸電圧指令値Vq*を出力する。2相3相変換器21は、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を電気角θeに基き3相の直交静止座標系の電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。PWM回路22は、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基きパルス幅変調をしてインバータ23のゲートを制御する。
図2は、トルクリップル測定演算器13、補正値テーブル14及びトルクリップル抑制器15の詳細を示すブロック図である。
補正値テーブル14への書込みは、図7に示したとおりである。即ち、トルク指令値であるq軸電流指令値Iq*に補正値Iqr*を加算しない状態、即ち、補正値Iqr*=0として、電動機7を制御する。そのときのリップル分を演算するため、機械角θmの2重微分要素の伝達関数13aによってトルクリップル成分を抽出する。加算器13eでトルクリップル成分とq軸電流指令値Iq*との差をとり、更にフィルタ13bでノイズを除去した後、フーリェ解析器13cで解析する。即ち、
トルクリップルIqr(Iqr*=0)=Rm0(1f)・cos{1f・θm+φm0(1f)}+……+Rm0(Nf)・cos{Nf・θm+φm0(Nf)}−−(11)
各周波数成分(kf)・θmごとの振幅値Rm0(kf)及び位相値φm0(kf)、(但し、k=1〜N)を、切替器13dを介して第1記憶手段13fに書き込む。
補正値テーブル14への書込みは、図7に示したとおりである。即ち、トルク指令値であるq軸電流指令値Iq*に補正値Iqr*を加算しない状態、即ち、補正値Iqr*=0として、電動機7を制御する。そのときのリップル分を演算するため、機械角θmの2重微分要素の伝達関数13aによってトルクリップル成分を抽出する。加算器13eでトルクリップル成分とq軸電流指令値Iq*との差をとり、更にフィルタ13bでノイズを除去した後、フーリェ解析器13cで解析する。即ち、
トルクリップルIqr(Iqr*=0)=Rm0(1f)・cos{1f・θm+φm0(1f)}+……+Rm0(Nf)・cos{Nf・θm+φm0(Nf)}−−(11)
各周波数成分(kf)・θmごとの振幅値Rm0(kf)及び位相値φm0(kf)、(但し、k=1〜N)を、切替器13dを介して第1記憶手段13fに書き込む。
次に、q軸電流指令値Iq*に上記で求めた補正値Iqr*を加算した状態、即ち、補正値Iqr*≠0として、電動機7を制御する。同様に、伝達関数13a、フィルタ13bを介してフーリェ解析器13cで解析する。即ち、
トルクリップルIqr(Iqr*≠0)=Rmd(1f)・cos{1f・θm+φmd(1f)}+……+Rmd(Nf)・cos{Nf・θm+φmd(Nf)}−−(12)
各周波数成分(kf)・θmごとの振幅値Rmd(kf)及び位相値φmd(kf)、(但し、k=1〜N)を、切替器13dを介して第2記憶手段13gに書き込む。
トルクリップルIqr(Iqr*≠0)=Rmd(1f)・cos{1f・θm+φmd(1f)}+……+Rmd(Nf)・cos{Nf・θm+φmd(Nf)}−−(12)
各周波数成分(kf)・θmごとの振幅値Rmd(kf)及び位相値φmd(kf)、(但し、k=1〜N)を、切替器13dを介して第2記憶手段13gに書き込む。
伝達関数演算手段13hによって第1記憶手段13f及び第2記憶手段13gに書き込まれたトルクリップルIqr(Iqr*=0)とトルクリップルIqr(Iqr*≠0)から、図7の(3)式により伝達関数を演算する。伝達関数が演算されると、補正値演算手段13iは、第1記憶手段13fに記録されたトルクリップルIqr(Iqr*=0)と伝達関数によって補正値を演算して、その振幅値Rm(1f)〜Rm(Nf)及び位相値φm(1f)〜φm(Nf)を、q軸電流指令値Iq*に対応させて共に補正値テーブル14に書き込む。
以下、同様にしてq軸電流指令値Iq*を変化させて各値のq軸電流指令値Iq*について補正値を演算して補正値テーブル14に書き込む。
以下、同様にしてq軸電流指令値Iq*を変化させて各値のq軸電流指令値Iq*について補正値を演算して補正値テーブル14に書き込む。
補正値テーブル14への書込みが完了すると、エレベータは稼動状態になる。即ち、速度制御器12からq軸電流指令値Iq*が出力されると、検索手段15aは、q軸電流指令値Iq*対応する補正値Iqr*の振幅Rm(1f)〜Rm(Nf)及び位相φm(1f)〜φm(Nf)を、補正値テーブル14から読み取って重畳演算器15cへ出力する。重畳演算器15cは、乗算器15bから出力された各周波数成分1f・θm〜Nf・θmを取り込んで補正値Iqr*を合成して出力し、加算器16でq軸電流指令値Iq*と補正値Iqr*との偏差が算出される。この偏差によって電動機7が制御されることにより、リップルを抑制することができる。
上記実施の形態1によれば、電動機7を制御するq軸電流指令値Iq*に補正値Iqr*を加入しないときの機械角θm、即ち、実速度に含まれるトルクリップルIqr(Iqr*=0)と逆位相の脈動を生じさせる補正値Iqr*を各q軸電流指令値Iq*に対応させて予め補正値テーブル14に記録しておき、エレベータの稼動状態において、q軸電流指令値Iq*が発せられると補正値テーブル14から対応する補正値Iqr*の振幅Rm及び位相φmを読み取り、更に、そのときの実速度に見合った位相角θmで各周波数成分を重畳して補正値Iqr*を演算してq軸電流指令値Iq*に加算し、電動機7を制御するようにしたので、低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機のリップルを抑制することができる。
実施の形態2.
この実施の形態2は、q軸電流指令値Iq*に対応する補正値Iqr*が補正値テーブル14に記録されていない場合に、直近上位と下位の補正値で補完するようにしたものである。
図3は、この発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置のトルクリップル抑制器25の詳細を示すブロック図である。
即ち、検索手段25aによって、q軸電流指令値Iq*の直近下位のq軸電流指令値Iq1*に対する振幅Rm1(1f)〜Rm1(Nf)及び位相φm1(1f)〜φm1(Nf)と、直近上位のq軸電流指令値Iq2*に対する振幅Rm2(1f)〜Rm2(Nf)及び位相φm2(1f)〜φm2(Nf)を読み取る。図4及び図5に示したとおり、q軸電流指令値Iq*はq軸電流指令値Iq1*とq軸電流指令値Iq2*の間にあるから、補完演算器25bで補完演算を行う。
この実施の形態2は、q軸電流指令値Iq*に対応する補正値Iqr*が補正値テーブル14に記録されていない場合に、直近上位と下位の補正値で補完するようにしたものである。
図3は、この発明の実施の形態2に係るエレベータの制御装置のトルクリップル抑制器25の詳細を示すブロック図である。
即ち、検索手段25aによって、q軸電流指令値Iq*の直近下位のq軸電流指令値Iq1*に対する振幅Rm1(1f)〜Rm1(Nf)及び位相φm1(1f)〜φm1(Nf)と、直近上位のq軸電流指令値Iq2*に対する振幅Rm2(1f)〜Rm2(Nf)及び位相φm2(1f)〜φm2(Nf)を読み取る。図4及び図5に示したとおり、q軸電流指令値Iq*はq軸電流指令値Iq1*とq軸電流指令値Iq2*の間にあるから、補完演算器25bで補完演算を行う。
即ち、振幅Rmについて、図4に示したとおり、
Rm(1f)={Rm2(1f)−Rm1(1f)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
中間省略
Rm(Nf)={Rm2(Nf)−Rm1(Nf)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
位相φmについて、図5に示したとおり、
φm(1f)={φm2(1f)−φm1(1f)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
中間省略
φm(Nf)={φm2(Nf)−φm1(Nf)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
重畳演算器15cは、補完演算器25bによる上記補完値と、乗算器15bから出力された各周波数成分1f・θm〜Nf・θmを取り込んで補正値Iqr*を合成して出力し、加算器16でq軸電流指令値Iq*と補正値Iqr*との偏差が算出される。この偏差によって電動機7が制御されることにより、リップルを抑制することができる。
Rm(1f)={Rm2(1f)−Rm1(1f)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
中間省略
Rm(Nf)={Rm2(Nf)−Rm1(Nf)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
位相φmについて、図5に示したとおり、
φm(1f)={φm2(1f)−φm1(1f)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
中間省略
φm(Nf)={φm2(Nf)−φm1(Nf)}(Iq*−Iq1*)/(Iq2*−Iq1*)
重畳演算器15cは、補完演算器25bによる上記補完値と、乗算器15bから出力された各周波数成分1f・θm〜Nf・θmを取り込んで補正値Iqr*を合成して出力し、加算器16でq軸電流指令値Iq*と補正値Iqr*との偏差が算出される。この偏差によって電動機7が制御されることにより、リップルを抑制することができる。
上記実施の形態2によっても、実施の形態1と同様に、q軸電流指令値Iq*が発せられると補正値テーブル14から対応する補正値Iqr*を演算してq軸電流指令値Iq*に加算して電動機7を制御するようにしたので、低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機7のリップルを抑制することができる。
特に、q軸電流指令値Iq*に対応する補正値の振幅及び位相が補正値テーブル14に記録されていない場合でも、q軸電流指令値Iq*に近い上位と下位の2値で補完するようにしたので、同様に電動機7のリップルを抑制することができる。
特に、q軸電流指令値Iq*に対応する補正値の振幅及び位相が補正値テーブル14に記録されていない場合でも、q軸電流指令値Iq*に近い上位と下位の2値で補完するようにしたので、同様に電動機7のリップルを抑制することができる。
実施の形態3.
この実施の形態3は、かご3に取り付けられた秤装置4の積載荷重Wcの脈動からトルクリップルを検出するようにしたものである。
図6は、実施の形態3におけるエレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。即ち、トルクリップル測定演算器33は、秤装置4の積載荷重Wcの脈動からトルクリップルを検出して補正値テーブル14を構築するようにしたものである。
補正値テーブル14が構築されると、q軸電流指令値Iq*に対応した補正値の振幅及び位相を補正値テーブル14から読み取り、トルクリップル抑制器35で積載荷重Wcの脈動から検出された各周波数成分を重畳して補正値Iqr*を演算する。この補正値Iqr*をq軸電流指令値Iq*に加算して電動機7を制御するようにしたものである。
このものにあっても、上記実施の形態1と同様に低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機7のリップルを抑制することができる。
この実施の形態3は、かご3に取り付けられた秤装置4の積載荷重Wcの脈動からトルクリップルを検出するようにしたものである。
図6は、実施の形態3におけるエレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。即ち、トルクリップル測定演算器33は、秤装置4の積載荷重Wcの脈動からトルクリップルを検出して補正値テーブル14を構築するようにしたものである。
補正値テーブル14が構築されると、q軸電流指令値Iq*に対応した補正値の振幅及び位相を補正値テーブル14から読み取り、トルクリップル抑制器35で積載荷重Wcの脈動から検出された各周波数成分を重畳して補正値Iqr*を演算する。この補正値Iqr*をq軸電流指令値Iq*に加算して電動機7を制御するようにしたものである。
このものにあっても、上記実施の形態1と同様に低速度から高速度まで広範囲に亙って電動機7のリップルを抑制することができる。
1 巻上機、 2 主索、 3 かご、 4 秤装置、 5 乗客、 6 釣合錘、 7 電動機、 8 エンコーダ、 9 変流器、 11 速度・位置検出器、 12 速度制御器、 13 トルクリップル測定演算器、 14 補正値テーブル、 15 トルクリップル抑制器、 16 加算器、 17 3相2相変換器、 18 加算器、 19 加算器、 20 補償器、 21 2相3相変換器、 22 PWM回路、 23 インバータ。
Claims (2)
- 速度指令値と実速度の帰還値からトルク指令値を発生させ、このトルク指令値に基いて電動機を制御してかごを昇降させるエレベータの制御装置において、上記トルク指令値の入力点から上記電動機の上記実速度の出力点までの伝達関数を求め、上記電動機を制御したときの上記実速度に含まれるリップル値を検出し、このリップル値を逆位相にして上記伝達関数で除した値を上記補正値として上記トルク指令値に対応させて予め補正値テーブルに記録しておき、上記トルク指令値が発せられると上記補正値テーブルから対応する補正値を読み取り、かつ、上記実速度に見合った位相角にして上記トルク指令値に加算して上記電動機を制御するようにしたエレベータの制御装置。
- 速度指令値と実速度の帰還値からトルク指令値を発生させ、このトルク指令値に基いて電動機を制御してかごを昇降させるエレベータの制御装置において、上記トルク指令値の入力点から上記電動機の出力トルクまでの伝達関数を求め、上記電動機を制御したときの上記出力トルクに含まれるリップル値を上記かごの積載荷重を測定する秤装置で検出し、このリップル値を逆位相にして上記伝達関数で除した値を上記補正値として上記トルク指令値に対応させて予め補正値テーブルに記録しておき、上記トルク指令値が発せられると上記補正値テーブルから対応する補正値を読み取り、かつ、上記実速度に見合った位相角にして上記トルク指令値に加算して上記電動機を制御するようにしたエレベータの制御装置。
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