JP2005205960A - 車両のロールオーバ判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の傾きに影響されることなく、車両のロールオーバを迅速に、且つ正確に判定でき、簡易で汎用性のある車両のロールオーバ判定装置を得る。
【解決手段】 少なくとも角速度を検知する角速度センサ1、車両の横方向への加速度を検知する横加速度センサ3、車両の前後方向への加速度を検知する前後加速度センサ4、車両の上下方向への加速度を検知する上下加速度センサ2と、ロールオーバ形態に応じて1つ以上の物理量を物理量を演算処理する演算処理手段5a、ロールオーバ形態に応じて抽出された物理量に関してロールオーバ領域の閾値を規定し、演算結果がロールオーバ領域内にあるかどうかの閾値比較判定を行い、閾値とのコンパレータ出力信号の1つ、もしくは複数のコンパレータ出力信号の論理和によりロールオーバするか否かを適切なタイミングで判定するロールオーバ発生度決定手段5bと備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両がロールオーバ(転倒)するか否かを判定する車両のロールオーバ判定装置に関する。
一般に、ロールオーバの発生要因にはさまざまなものがあるため、1通りのアルゴリズムでは全てを判定できない。ロールオーバを形態別に分類し、これまでに多くのアルゴリズムが考え出されてきた。ロールオーバ発生の要因となる力はさまざまなものがあり、それに応じた物理量を用いた判定がなされている。これまでに考え出されている代表的なアルゴリズムは、車両のロール角度、ロール角速度に基づいてロールオーバの発生を判定するものの他に、横方向からの加速度とロール角速度に基づいて判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−200951号公報
前記特許文献1に記載されているアルゴリズムでは、車両が横滑りし、道路の縁石に衝突してロールオーバするような場合を想定している。このようなモードでは、ロール角速度の立ち上がりが急激で、車両のロール角度に基づいてロールオーバ判定を行っていたのではエアバッグの適切な展開タイミングに間に合わないため、加速度の大きさに基づいてロールオーバを判定することになる。この検出手段において想定している横方向からの加速度は車両の他物体との衝突によるもので、通常走行とは発生する加速度のレベルが大きく違う。
そのため、悪路や傾斜地での急ブレーキ中の急旋回のような、通常走行で発生するかもしくはそれより若干大きい程度の加速度が要因となってロールオーバが発生する場合、上記のようなアルゴリズムでは適切な判定ができないという課題があった。
また、低い加速度レンジのセンサをロールオーバ判定に用いる方法としては、重力加速度成分を計測し、ロールオーバ判定を行うアルゴリズムも考案されているが、実質的に、車両の走行中に静的に働く加速度のみを抽出することは困難であるとともに、車両のロール角度に基づいたロールオーバ判定となるため、判定が適切な時間までにできない場合も多い等の課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ロールオーバ発生の判定に、特に、車両の前後方向の加速度を用いて行うことで、車両のロールオーバを迅速に、且つ正確に判定できる簡易で汎用性のある車両のロールオーバ判定装置を得ることを目的とする。
この発明に係る車両のロールオーバ判定装置は、角速度センサ、横加速度センサ、前後加速度センサ、上下加速度センサからなる検知手段と、この検知手段の出力信号である角速度センサ信号には高周波帯域と低周波帯域を遮断する機能を有する第1のフィルタ手段と、加速度センサ信号には高周波帯域を遮断する機能を有する第2のフィルタ手段と、ロールオーバ形態に応じて1つ以上の物理量を抽出し、前記フィルタ処理されたセンサ出力信号より該当する物理量を演算処理する演算処理手段と、ロールオーバ形態に応じて抽出された物理量に関してロールオーバ領域の閾値を規定し、演算処理手段の演算結果がロールオーバ領域内にあるかどうかの閾値比較判定を行い、閾値とのコンパレータ出力信号の1つ、もしくは複数のコンパレータ出力信号の論理和によりロールオーバするか否かを判定するロールオーバ発生度判定手段とを備えたものである。
この発明は、検知手段の1つとして、特に、車両の前後方向への加速度を検知する前後加速度センサを用いて車両のロールオーバの発生を判定するので、悪路や傾斜地での急ブレーキ中の急旋回のような、通常走行で発生するかもしくはそれより若干大きい程度の加速度が要因となってロールオーバが発生する場合でも、低い加速度レンジのセンサをロールオーバ判定に用いることで確実に、適切な時間内にロールオーバの判定をでき、車両の傾きに影響されることなく、車両のロールオーバを迅速に、且つ正確に判定できる簡易で汎用性のある車両のロールオーバ判定装置が得られるという効果がある。
まず、この発明におけるロールオーバの判定機能について、その概略を説明する。この発明では、ロールオーバの形態をその回転力の発生要因別に3つに分類する。
その第1は、路面形状によるロールオーバモードであって、これは路面形状によって回転力が引き起こされるモード(ロールオーバのコークスクリュー(Corkscrew))である。このモードの場合、路面形状と車両速度が要因となり車両重心付近を中心軸に回転するもので、大きな加速度が検出されず、現象が比較的緩やかである。このモードでは、車両の傾斜角度、ロール角速度を用いてロールオーバを判定することができる。
その第2は、車両の衝突によるロールオーバモードであって、これは車両に対して主に横方向からの衝突が発生し、それが回転要因となり、衝突部分を中心にして回転力が発生するモード(ロールオーバのカーブトリップ(Curbtrip))で、その現象が急激で大きな加速度が検出される。このモードの場合、ロールを伴うため、横加速度が上下加速度としても検出され、この上下加速度の方向は、車両に対して下向きにかかり、下方向加速度の反動でロールオーバに至る。
その第3は、タイヤの摩擦力によるロールオーバモードであって、これは急旋回や急ブレーキ、路面状態(砂地、悪路等)によって車両のタイヤの摩擦力、抵抗力が要因となり、タイヤの接地部分を中心に回転力が発生するモード(ロールオーバのソイルトリップ(Soiltrip)またはエンバンクメント(Embankment))で、要求判定時間は上述の第1のロールオーバモードより早めで、通常走行よりわずかに大きめの加速度しか検出されない。このモードでは、旋回、ブレ−キング、路面状態の変化等によって車両が不安定となり、要因となる加速度の大きさはおおよそ1G以下で、同一方向の加速度およびロール角度を持続する状態であり、この状態で、路面が傾斜している等の要因で車両の傾きが大きい場合、ロールオーバに至る。このモードでは、ロール角速度が速い場合は、横加速度Gyとロール角速度Rrを用いてロールオーバの判定を行い(ソイルトリップモード)、ロール角速度が遅い場合は、横加速度Gyと前後加速度Gxとロール角度Raを用いてロールオーバの判定を行う(エンバンクメントモード)ことができる。
なお、上記第2および第3のロールオーバモードは、上述の記載からもわかるように、いずれも実質的に外部からの力によって回転力が引き起こされるモードであって、ここではさらにその加速度のレンジの違いで2つのモードに分類したもので、加速度のレンジの大きい場合が第2のロールオーバモード、小さい場合が第3のロールオーバモードに相当するものである。
従来までの手段では、特に、第3のロールオーバモードによるロールオーバは判定できなかったり、適切な判定時間で判定できない(このモードを想定したものではない判定ロジックで判定してしまう)という問題があったが、この発明では、第1および第のロールオーバモードに対応しながら、第3のロールオーバモードのロールオーバに対しても適切なタイミングで判定を行うことができるようにするものである。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による車両のロールオーバ判定装置の全体を示す機能ブロック図である。
図1において、車両の前後の方向軸周りに作用する回転角速度(ロールレート)をロール角速度として検出するロール角速度検出手段としてのロール角速度センサ1と、車両の上下方向に作用する加速度を上下加速度として検出する上下加速度検出手段としての上下加速度センサ2と、車両の横方向に作用する加速度を横加速度として検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ3と、車両の前後方向に作用する加速度を前後加速度として検出する前後加速度検出手段としての前後加速度センサ4が判定装置5の入力側に設けられる。
判定装置5は、ロール角速度センサ1からのロール角速度、上下加速度センサ2からの上下加速度、横加速度センサ3からの横加速度および前後加速度センサ4からの前後加速度に対して演算処理を行い、判定閾値を生成する演算処理手段5aと、この演算処理手段5aからの演算結果から判定項目を選択して判定値の評価処理を行い、ロールオーバの形態に応じて車両のロールオーバ判定閾値マップを決定し、このロールオーバ判定閾値マップを用いてロールオーバ発生を判定するロールオーバ発生度決定手段5bと、横加速度センサ3及び外部の側面衝突用横加速度センサ6からの横加速度に基づいて車体の傾斜角度や加速度量を判別するセーフィング判定手段5cとを備える。
ロールオーバ発生度決定手段5bは、ロールオーバ判定閾値マップを予め記憶手段(図示せず)に各ロールオーバの形態毎に記憶しており、その際に用いるロールオーバ発生の判定を行う判定式として、積算判定式と、加算判定式と、この両者を含む積算・加算判定式と、またセンサで検出された信号を演算処理せず評価するものとがある。
ロールオーバ発生度決定手段5bからのロールオーバ発生の判定出力が起動信号として外部に設けられたサイドエアバッグ装置等を含む保護装置7に供給され、これにより、ロールオーバ時に保護装置7はサイドエアバッグとカーテンエアバッグのいずれか一方または両方を展開して運転席および助手席の各乗員を保護する。
図2は、判定装置5の内部構成の一例を示すもので、ここでは判定式として積算判定式を用いた場合を示す機能ブロック図である。
判定装置5の入力側に、ロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと後述のロール角度算出部(図3)からのロール角度Raを乗算する乗算部11と、ロール角速度Rrと上下加速度センサ2からの上下加速度−Gz(上向きの加速度を正方向とする)とを乗算する乗算部12とを設ける。
乗算部11からの乗算値はコンパレータ20で閾値S1と比較され、乗算部12からの乗算値はコンパレータ21で閾値S2と比較される。
また、横加速度センサ3からの横加速度の大きさを判定して、その判定結果をAND回路31,32および33に対してトリガ信号として出力する横加速度判定部13が設けられる。この横加速度判定部13は、横加速度センサ3からの横加速度Gyが入力され、この横加速度Gyの大きさが車両の衝突によるロールオーバモード時に所定の閾値S3より大きい(|Gy|>S3:S3としては例えば3G)場合にコンパレータ21の出力側に設けられたAND回路31の他方の入力端子に“1”のトリガ信号を出力し、横加速度Gyの大きさがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが速い場合)に所定の閾値S4より大きい(|Gy|>S4:S4としては例えば1.45G)場合にAND回路32の第1の入力端子に“1”のトリガ信号を出力し、同じく横加速度Gyの大きさがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが速い場合)に所定の閾値S5より小さい(|Gy|<S5:S5としては例えば3G)場合にAND回路32の第2の入力端子に“1”のトリガ信号を出力し、また、横加速度Gyの大きさがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが遅い場合)に所定の閾値S6より大きい(|Gy|>S6:S6としては例えば1G)場合にAND回路33の第1の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。
また、ロール角速度センサ1からの角速度の大きさを判定して、その判定結果をAND回路32の第3の入力端子に対してトリガ信号として出力するロール角速度判定部14と、ロール角度算出部19からのロール角度Raの大きさを判定して、その判定結果をAND回路33の第2の入力端子に対してトリガ信号として出力するロール角度判定部15と、同じく前後加速度センサ4からの前後加速度の大きさを判定して、その判定結果をAND回路33の第3の入力端子に対してトリガ信号として出力する前後加速度判定部16とが設けられる。
ロール角速度判定部14は、ロール角速度センサ1からの角速度Rrが入力され、この角速度Rrの大きさがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが速い場合)に所定の閾値S7より大きい(|Rr|>S7:S7としては例えば90°/s)場合にAND回路32の第3の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。また、ロール角度判定部15は、ロール角度算出部19からのロール角度Raが入力され、このロール角度Raの大きさがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが遅い場合)に所定の閾値S8より大きい(|Ra|>S8:S8としては例えば25°)場合にAND回路33の第2の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。
また、前後加速度判定部16は、前後加速度センサからの前後加速度Gxが入力され、この前後加速度Gxがタイヤの摩擦力によるロールオーバモード時(ロール角速度Rrが遅い場合)に所定の閾値S9より小さい(Gx<S9:S9としては例えば−0.6G)場合にAND回路33の第3の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。
また、コンパレータ20の出力端子はAND回路34の第1の入力端子に接続され、コンパレータ21の出力端子はAND回路31の一方の入力端子に接続され、このAND回路31の出力端子がAND回路35の第1の入力端子に接続される。
これらAND回路34,35の第2の入力端子はセーフィング判定手段5cの出力側に接続される。このセーフィング判定手段5cは、ロール角速度Rrと上下加速度Gzの積の判定時には側面衝突用加速度信号(高Gy)を用いるセーフィング機能1と、ロール角速度Rrとロール角度Raの積の判定時には傾斜角検出用加速度信号(低Gy)を用いるセーフィング機能2とを有する。そこで、セーフィング判定手段5cにおいては、側面衝突用横加速度センサ6からの横加速度Gsyの大きさが所定の値S11を越える(|Gsy|>S11:S11としては例えば5G)場合はAND回路35の第2の入力端子に“1”のトリガ信号を供給し、側面衝突用横加速度センサ6からの横加速度Gsyの大きさが所定の値S10を越える(|Gsy|>S10:S10としては例えば0.3G)場合はAND回路34の第2の入力端子に“1”のトリガ信号を供給する。
ロール極性判定部23は、ロール角速度センサからのロール角速度Rrと、横加速度センサからの横加速度Gyが入力され、それぞれについて信号の極性を判定し(0より大きいか否か)、RrとGyの極性の組合せがロールオーバーに至る方向にある場合に、AND回路34の第3の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。
また、ロール極性判定部24は、ロール角速度センサからのロール角速度Rrと、側面衝突用横加速度センサからの横加速度Gsyが入力され、それぞれについて信号の極性を判定し(0より大きいか否か)、RrとGsyの極性の組合せがロールオーバーに至る方向にある場合に、AND回路35の第3の入力端子に“1”のトリガ信号を出力する。
AND回路34,35の出力側には、これらAND回路34,35の出力の論理和を求めるOR回路36が設けられ、その出力が保護装置7(図1)に供給されるようになされている。
ここで、乗算部11,12、横加速度判定部13、ロール角速度判定部14、ロール角度判定部15、前後加速度判定部16およびコンパレータ20,21及びロール極性判定部23,24は、実質的に演算処理手段5aを構成し、AND回路31,32,33,34,35およびOR回路36はロールオーバ発生度決定手段5bを構成する。
図3は、図2に示した判定装置の内部構成の具体的な一例を示す回路構成図である。図3において、図2と対応する部分には同一符号を付して示している。
図3において、ロール角速度センサ1の出力側がバンドパスフィルタ(BPF)51を介して乗算部17の一方の入力端子に接続され、上下加速度センサ2の出力側がローパスフィルタ(LPF)52を介して乗算部17の他方の入力端子に接続される。乗算部17の出力側はコンパレータ21の一方の入力端子(+端子)に接続され、コンパレータ21の他方の入力端子(−端子)には閾値S2が与えられ、コンパレータ21の出力側にロール角速度センサ1からのロール角速度Rrの大きさと上下加速度センサ2からの上下加速度(−Gz)の積である|Rr×(−Gz)の閾値S2による判定結果が得られるようになされている。
また、バンドパスフィルタ(BPF)51の出力側が乗算部18の一方の入力端子に接続されると共に、後述されるようにロール角速度Rrからロール角度Raを算出するロール角度算出部19を介して乗算部18の他方の入力端子に接続される。乗算部18の出力側はコンパレータ20の一方の入力端子(+端子)に接続され、このコンパレータ20の他方の入力端子(−端子)には閾値S1が印加され、コンパレータ20の出力側にロール角速度Rrとロール角度Raの積であるRr×Raの閾値S1による判定結果が得られるようになされている。
さらに、横加速度センサ3の出力側がローパスフィルタ(LPF)53を介して横加速度判定部13の入力側に接続される。横加速度判定部13の出力側は、図2で説明したように、ロールオーバの要因に応じてロールオーバ発生度決定手段5b内の各AND回路31,32および33の入力側にそれぞれ接続されるようになされている。また、横加速度センサ3の出力側にローパスフィルタ(LPF)54が設けられ、その出力が車両の傾斜角度(ロール角度Ra)を算出するためにロール角度算出部19に供給されるようになされている。
また、バンドパスフィルタ51の出力側がロール角速度判定部14を介してAND回路32の第3の入力端子に接続され、ロール角度算出部19の出力側がロール角度判定部15を介してAND回路33の第2の入力端子に接続される。
また、前後加速度センサ4の出力側がローパスフィルタ(LPF)55を介して前後加速度判定部16の入力側に接続され、前後加速度判定部16の出力側がAND回路33の第3の入力端子に接続される。
さらに、バンドパスフィルタ51の出力側がロール極性判定部23,24の入力側にそれぞれ接続され、ローパスフィルタ53の出力側がロール極性判定部23の入力側に接続され、側面衝突用横加速度センサ6の出力側がロール極性判定部24の入力側に接続される。ロール極性判定部23の出力側はAND回路32,33,34の入力側にそれぞれ接続され、ロール極性判定部24の出力側はAND回路35の入力側に接続される。
なお、判定閾値|Rr|×(−Gz)、Rr×Ra等は、実質的にロールオーバ判定閾値マップを構成する要素として予め記憶手段(図示せず)に各ロールオーバの形態毎に記憶されている。また、バンドパスフィルタ(BPF)51は、ロール角速度センサ1からの信号に対しては高周波帯域と低周波帯域を遮断するバンドパスフィルタの機能を有する第1のフィルタ手段を構成し、ローパスフィルタ52〜55は、それぞれ加速度センサ2〜4の信号に対しては高周波帯域を遮断するローパスフィルタの機能を有する第2のフィルタ手段を構成する。
次に、動作について、図4を参照して説明する。
ステップST1において、ロール角速度センサ1で検出された車両の前後方向軸周りに作用する回転角速度がロール角速度Rrとして、上下加速度センサ2で検出された車両の上下方向に作用する加速度が上下加速度Gzとして、横加速度センサ3で検出された車両の横方向に作用する加速度が横加速度Gyとして、前後加速度センサ4で検出された車両の前後方向に作用する加速度が前後加速度Gxとして判定装置5の演算処理手段5aに入力され、また、横加速度センサ3で検出された加速度と側面衝突用横加速度センサ6で検出された加速度が横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力される。
まず、ステップST2〜ST4のルートにおいては、実質的にロール角速度Rrとロール角度Raを用いて、ロールオーバのコークスクリュー(Corkscrew)の判定を行う。そこで、ステップST2において、演算処理手段5aのロール角度算出部19で、バンドパスフィルタ51を通して入力されたロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと横加速度センサ3からの横加速度Gyからロール角度Raを算出する。次いで、ステップST3において、乗算部18でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと上述のロール角度Raを乗算し、コンパレータ20によりロール角速度Rrとロール角度Raの積算値と閾値S1とを比較する。そして、その積算値が閾値S1より大きい場合には、コンパレータ20は判定結果として“1”の信号を出力し、ロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路34に供給する。
そして、ステップST4において、横加速度センサ3で検出された加速度を横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力し、横加速度Gsyの大きさが所定の値S10より大きいか否かを判別し、大きい場合には、ステップST14において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力によりAND回路34のゲートを開いて判定式Rr×Raに関連した駆動信号を、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST3で積算値が閾値S1より小さい場合、また、ステップST4で横加速度Gsyの大きさが所定の値S10より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST5〜ST7のルートにおいては、ロール角速度Rrと上下加速度Gzと横加速度Gyを用いて、ロールオーバのカーブトリップ(Curbtrip)の判定を行う。そこで、ステップST5において、乗算部17でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrの大きさと上下加速度センサ2からの上下加速度(−Gz)を乗算し、コンパレータ21によりロール角速度|Rr|と上下加速度(−Gz)の積算値と閾値S2とを比較する。そして、その積算値が閾値S2より大きい場合には、コンパレータ21は判定結果として“1”の信号を出力し、ロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路31に供給する。次いで、ステップST6において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S3とを比較して、その値が閾値S3より大きい場合には、AND回路31のゲートを開いてその出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路35に供給する。
ステップST7において、側面衝突用横加速度センサ6で検出された加速度を横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力し、横加速度Gsyの大きさが所定の値S11より大きいか否かを判別し、大きい場合には、ステップST15において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力によりAND回路35のゲートを開いて判定式|Rr|×(−Gz)に関連した駆動信号を、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST5で積算値が閾値S2より小さい場合、また、ステップST6で横加速度Gyの大きさが所定の値S3より小さい場合、あるいは、ステップST7で横加速度Gsyの大きさが所定の値S11より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST8〜ST10のルートにおいては、横加速度Gyとロール角速度Rrとを用いて、ロールオーバのソイルトリップ(Soiltrip)の判定を行う。そこで、ステップST8において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S4とを比較して、その値が閾値S4より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給する。次いで、ステップST9において、ロール角速度判定部14でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrの大きさと閾値S7とを比較して、その値が閾値S7より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給する。
また、ステップST10において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S5とを比較して、その値が閾値S5より小さい場合には、ステップST16において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給してゲートを開き、その出力を判定式Gy,Rrに関連した駆動信号として、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST8で横加速度Gyの大きさが閾値S4より小さい場合、また、ステップST9でロール角速度Rrの大きさが所定の値S7より小さい場合、あるいは、ステップST10で横加速度Gyの大きさが閾値S5より大きい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST11〜ST13のルートにおいては、ロール角度Raと前後加速度Gxと横加速度Gyとを用いて、ロールオーバのエンバンクメント(Embankment)の判定を行う。そこで、ステップST2と同様にステップST11において、ロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと横加速度センサ3からの横加速度Gyからロール角度Raを算出する。次いで、ステップST12において、ロール角度判定部15により、ステップST11で算出したロール角度Raの大きさと閾値S8とを比較して、その値が閾値S8より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路33に供給する。
次いで、ステップST13において、前後加速度判定部16で前後加速度センサ4からの前後角速度Gxと閾値S9とを比較して、その値が閾値S9より小さく、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S6とを比較して、その値が閾値S6より大きい場合には、ステップST17において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路33に供給してゲートを開き、その出力を判定式Ra,Gx,Gyに関連した駆動信号として、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST12でロール角度Raの大きさが閾値S8より小さい場合、また、ステップST13で前後加速度Gxの値が閾値S9より大きい場合、あるいは、ステップST13で横加速度Gyの大きさが閾値S6より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
このようにして、セーフィング判定手段5cは、ロール角速度Rrとロール角度Raによるロールオーバ発生判定がなされたときには、その時点での横加速度Gsyの信号レベルが閾値S10より大きく、ロール角速度Rrと横加速度Gsyの極性がロールオーバに至る方向に一致した場合に保護装置7を作動させ、ロール角速度Rrと上下加速度Gzによるロールオーバ発生判定がなされたときには、その時点での衝突用横加速度Gsyの信号レベルが閾値S11より大きく、ロール角速度Rrと横加速度Gsyの極性がロールオーバに至る方向に一致した場合に保護装置7を作動させるセーフィング機能を有する。なお、横加速度Gyを検出する横加速度センサ3と、衝突用加速度Gsyを検出する加速度センサ6とは、実質的に同等の性能を有するセンサであり、判定閾値にGyを選択しない場合は、セーフィング判定手段5cにおいて、衝突用加速度Gsyの代わりに、横加速度センサ3からの横加速度Gyを用いてもよい。
なお、上述では、積算判定式Rr×Ra、|Rr|×(−Gz)等の全てを用いる場合であるが、これに限定されることなく、任意の積算判定式を選択して構成してもよい。
ロールオーバ発生度決定手段5bは、上記の判定手段によって、ロールオーバが発生すると判断された場合には、保護装置7に対して、保護装置をさせる駆動信号を供給する。この場合、ロールオーバが予測される方向(Rr,RaまたはGyの極性)に応じて異なる種類の駆動信号を供給するようにすることもできる。
以上のように、この実施の形態1によれば、ロールオーバをロールの発生要因別に分類し、各発生要因について、単純で巨視的な物理法則に基づいた汎用性の高いロールオーバ判定アルゴリズムを用いて車両のロールオーバ判定を行うので、構成の簡略化、低廉化が可能になると共に、信頼性の高い判定を行うことができる。また、ロールオーバ判定閾値マップの閾値ラインの形状を自由に決めることができ、実測データに合わせて閾値ラインを引くことができるので、汎用性があり、また、計測精度の高い車両のロールオーバ判定装置が得られる。
なお、ロールオーバ極性判定部23,24は、ロール角速度Rrと横加速度Gy(またはGsy)の極性がロールオーバに至る方向に一致すると判定する部分であって、その判定方法は、本実施の形態で示したような、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gy(またはGsy)が0より大きいまたは、ロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gy(またはGsy)が0より小さいという条件に限定しない。
例えば、ロール角速度Rrと横加速度Gy(またはGsy)の積算値が0より大きいという条件に判定してもよい。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による車両のロールオーバ判定装置の全体を示す機能ブロック図である。図5において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
本実施の形態では、図4のステップST5で上下加速度Gzを用いるカーブトリップ判定において、上下加速度GyをdRr/dt(ロール角速度Rrの微分処理値)に置き換え、このdRr/dtの大きさ単独でこのステップにおける判定を行うものである。従って、図5においては、図1で用いた上下加速度センサ2は、不要であり、その他の構成は、後述するように、判定装置5内の演算処理手段5aにおける演算処理構成が一部異なる以外は、図1の場合と同様である。
図6は、判定装置5の内部構成の一例を示すもので、ここでは判定式として積算判定式を用いた場合を示す機能ブロック図である。
図6では、図2で用いられた乗算部12の代わりに、ロール角速度Rrを微分する微分演算部22を設けたもので、その他の構成は、図2の場合と同様であり、従って、その説明を省略する。
微分演算部22からの微分値はコンパレータ21で閾値S2と比較され、その比較結果がAND回路31の一方の入力端子に供給され、以後図2の場合と同様にロールオーバ発生の判定に用いられる。
図7は、図6に示した判定装置の内部構成の具体的な一例を示す回路構成図である。図7において、図6と対応する部分には同一符号を付して示している。
本実施の形態では、実施の形態1で用いた上下加速度センサ2が不要であるので、その出力を処理する図3におけるローパスフィルタ52と乗算部17が削除され、その代わりにバンドパスフィルタ51の出力即ちロール角速度Rrを微分する微分演算部22がバンドパスフィルタ51とコンパレータ21の間に設けられている以外、その他の構成は図3の場合と同様である。
なお、この場合も判定閾値Rr×Ra等は、実質的にロールオーバ判定閾値マップを構成する要素として予め記憶手段(図示せず)に各ロールオーバの形態毎に記憶されている。
次に、動作について、図8を参照して説明する。
ステップST1において、ロール角速度センサ1で検出された車両の前後方向軸周りに作用する回転角速度がロール角速度Rrとして、横加速度センサ3で検出された車両の横方向に作用する加速度が横加速度Gyとして、前後加速度センサ4で検出された車両の前後方向に作用する加速度が前後加速度Gxとして判定装置5の演算処理手段5aに入力され、また、横加速度センサ3で検出された加速度と側面衝突用横加速度センサ6で検出された側面衝突時の加速度が横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力される。
まず、ステップST2〜ST4のルートにおいては、実質的にロール角速度Rrとロール角度Raを用いて、ロールオーバのコークスクリュー(Corkscrew)の判定を行う。そこで、ステップST2において、演算処理手段5aのロール角度算出部19で、バンドパスフィルタ51を通して入力されたロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと横加速度センサ3からの横加速度Gyからロール角度Raを算出する。次いで、ステップST3において、乗算部18でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと上述のロール角度Raを乗算し、コンパレータ20によりロール角速度Rrとロール角度Raの積算値と閾値S1とを比較する。そして、その積算値が閾値S1より大きい場合には、コンパレータ20は判定結果として“1”の信号を出力し、ロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路34に供給する。
そして、ステップST4において、側面衝突用横加速度センサ6で検出された加速度を横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力し、横加速度Gsyの大きさが所定の値S10より大きいか否かを判別し、大きい場合には、ステップST14において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力によりAND回路34のゲートを開いて判定式Rr×Raに関連した駆動信号を、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST3で積算値が閾値S1より小さい場合、また、ステップST4で横加速度Gsyの大きさが所定の値S10より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST14、ST6およびST7のルートにおいては、ロール角速度Rrとその微分値と横加速度Gyを用いて、ロールオーバのカーブトリップ(Curbtrip)の判定を行う。そこで、ステップST14において、微分演算部22でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrを微分し、コンパレータ21によりその微分値の大きさと閾値S2とを比較する。そして、その微分値が閾値S2より大きい場合には、コンパレータ21は判定結果として“1”の信号を出力し、ロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路31に供給する。次いで、ステップST6において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S3とを比較して、その値が閾値S3より大きい場合には、AND回路31のゲートを開いてその出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路35に供給する。
ステップST7において、側面衝突用横加速度センサ6で検出された加速度を横加速度Gsyとして判定装置5のセーフィング判定手段5cに入力し、横加速度Gsyの大きさが所定の値S11より大きいか否かを判別し、大きい場合には、ステップST15において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力によりAND回路35のゲートを開いて判定式Rr×Gyに関連した駆動信号を、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST14で微分値の大きさが閾値S2より小さい場合、また、ステップST6で横加速度Gyの大きさが所定の値S3より小さい場合、あるいは、ステップST7で横加速度Gsyの大きさが所定の値S11より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST8〜ST10のルートにおいては、横加速度Gyとロール角速度Rrとを用いて、ロールオーバのソイルトリップ(Soiltrip)の判定を行う。そこで、ステップST8において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S4とを比較して、その値が閾値S4より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給する。次いで、ステップST9において、ロール角速度判定部14でロール角速度センサ1からのロール角速度Rrの大きさと閾値S7とを比較して、その値が閾値S7より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給する。
また、ステップST10において、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S5とを比較して、その値が閾値S5より小さい場合には、ステップST16において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路32に供給してゲートを開き、その出力を判定式Gy,Rrに関連した駆動信号として、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST8で横加速度Gyの大きさが閾値S4より小さい場合、また、ステップST9でロール角速度Rrの大きさが所定の値S7より小さい場合、あるいは、ステップST10で横加速度Gyの大きさが閾値S5より大きい場合はいずれもステップST1に戻る。
次に、ステップST11〜ST13のルートにおいては、ロール角度Raと前後加速度Gxと横加速度Gyとを用いて、ロールオーバのエンバンクメント(Embankment)の判定を行う。そこで、ステップST2と同様にステップST11において、ロール角速度センサ1からのロール角速度Rrと横加速度センサ3からの横加速度Gyからロール角度Raを算出する。次いで、ステップST12において、ロール角度判定部15により、ステップST11で算出したロール角度Raの大きさと閾値S8とを比較して、その値が閾値S8より大きい場合には、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路33に供給する。
次いで、ステップST13において、前後加速度判定部16で前後加速度センサ4からの前後角速度Gxと閾値S9とを比較して、その値が閾値S9より小さく、且つ、横加速度判定部13で横加速度センサ3からの横加速度Gyの大きさと閾値S6とを比較して、その値が閾値S6より大きい場合には、ステップST17において、ロール角速度Rrが0より大きく、且つ横加速度Gsyが0より大きいまたはロール角速度Rrが0より小さく、且つ横加速度Gsyが0より小さい場合に、その出力をロールオーバ発生度決定手段5bのAND回路33に供給してゲートを開き、その出力を判定閾値Ra,Gx,Gyに関連した駆動信号として、OR回路36を通して保護装置7に出力する。なお、ステップST12でロール角度Raの大きさが閾値S8より小さい場合、また、ステップST13で前後加速度Gxの値が閾値S9より大きい場合、あるいは、ステップST13で横加速度Gyの大きさが閾値S6より小さい場合はいずれもステップST1に戻る。
このようにして、セーフィング判定手段5cは、ロール角速度Rrとロール角度Raによるロールオーバ発生判定がなされたときには、その時点での横加速度Gsyの信号レベルが閾値S10より大きい場合に保護装置7を作動させ、ロール角速度Rrとその微分値によるロールオーバ発生判定がなされたときには、その時点での衝突用横加速度Gsyの信号レベルが閾値S11より大きい場合に保護装置7を作動させるセーフィング機能を有する。
なお、上述では、積算判定式Rr×Ra等を用いる場合であるが、これに限定されることなく、任意の積算判定式を選択して構成してもよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、上下加速度Gzの代わりに、ロール角速度Rrを微分した値を用いるので、上下加速度センサおよびその処理を行うローパスフィルタや乗算部が不要になり、それだけ構成の簡略化、コストの低廉化が図れる。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3による車両のロールオーバ判定装置を示す構成図である。図9において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明を省略する。
本実施の形態では、ロール加速度センサ1、上下加速度センサ2、横加速度センサ3および前後加速度センサ4の内、いずれか2つの情報を用いて衝突判定アルゴリズムを実行する。判定装置5のMCU(演算処理手段5a、ロールオーバ発生度決定手段5b)において、2種類のセンサ情報のAND判定を行うことにより、センサ故障による誤判定、誤点火を防止するようにする。
また、セーフィング機能を有する例えば加速度センサ6の出力側にアナログ回路またはディジタル回路からなる衝突判定回路8を設け、その出力と判定装置5からの出力の論理処理を行うAND回路9を設けて、判定装置5の故障による誤判定、誤点火を防止するようにする。
このセーフィング判定方法は、勿論上記実施の形態2の図5に示す構成にも適用可能である。
以上のように、この実施の形態3によれば、実施の形態1または2と同様の効果が得られると共に、積極的にセーフィング判定方法を行う構成とすることで、車両のロールオーバ判定装置におけるロールオーバ判定の信頼性を向上できる。
この発明の実施の形態1による車両のロールオーバ判定装置の全体を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1による車両のロールオーバ判定装置の一部を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1による車両のロールオーバ判定装置の一部の具体例を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態1による車両のロールオーバ判定装置の動作説明に供するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車両のロールオーバ判定装置の全体を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2による車両のロールオーバ判定装置の一部を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2による車両のロールオーバ判定装置の一部の具体例を示す回路構成図である。 この発明の実施の形態2による車両のロールオーバ判定装置の動作説明に供するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態3による車両のロールオーバ判定装置の全体を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 ロール角速度センサ、2 上下加速度センサ、3 横加速度センサ、4 前後加速度センサ、5 判定装置、5a 演算処理手段、5b ロールオーバ発生度決定手段、5c セーフィング判定手段、6 加速度センサ、7 保護装置、8 衝突判定回路、9 AND回路、11,12,17,18 乗算部、13 横加速度判定部、14 ロール角速度判定部、15 ロール角度判定部、16 前後加速度判定部、19 ロール角度算出部、20,21 コンパレータ、22 微分演算部、31,32,33,34,35 AND回路、36 OR回路。

Claims (8)

  1. 車両の重心近傍に設けられ、少なくとも角速度を検知する角速度センサ、車両の横方向への加速度を検知する横加速度センサ、車両の前後方向への加速度を検知する前後加速度センサ、及び車両の上下方向への加速度を検知する上下加速度センサからなる検知手段と、
    該検知手段からの出力信号である角速度センサ信号に対しては高周波帯域と低周波帯域を遮断するバンドパスフィルタの機能を有する第1のフィルタ手段と、
    加速度センサ信号に対しては高周波帯域を遮断するローパスフィルタの機能を有する第2のフィルタ手段と、
    ロールオーバ形態に応じて1つ以上の物理量を抽出し、前記フィルタ処理されたセンサ出力信号より該当する物理量を演算処理する演算処理手段と、
    ロールオーバ形態に応じて抽出された物理量に関してロールオーバ領域の閾値を規定し、前記演算処理手段によって得られた演算結果がロールオーバ領域内にあるかどうかの閾値比較判定を行い、閾値とのコンパレータ出力信号の1つ、もしくは複数のコンパレータ出力信号の論理和によりロールオーバするか否かを適切なタイミングで判定するロールオーバ発生度判定手段とを備えた車両のロールオーバ判定装置。
  2. 車両の重心近傍に設けられ、少なくとも角速度を検知する角速度センサ、車両の横方向への加速度を検知する横加速度センサ、および車両の前後方向への加速度を検知する前後加速度センサからなる検知手段と、
    該検知手段からの出力信号である角速度センサ信号には高周波帯域と低周波帯域を遮断するバンドパスフィルタの機能を有する第1のフィルタ手段と、
    加速度センサ信号には高周波帯域を遮断するローパ スフィルタの機能を有する第2のフィルタ手段と、
    ロールオーバ形態に応じて1つ以上の物理量を抽出し、前記フィルタ処理されたセンサ出力信号より該当する物理量を演算処理する演算処理手段と、
    前記ロールオーバ形態に応じて抽出された物理量に関してロールオーバ領域の閾値を規定し、前記演算処理手段によって得られた演算結果がロールオーバ領域内にあるかどうかの閾値比較判定を行い、閾値とのコンパレータ出力信号の1つ、もしくは複数のコンパレータ出力信号の論理和によりロールオーバするか否かを適切なタイミングで判定するロールオーバ発生度判定手段とを備えた車両のロールオーバ判定装置。
  3. 演算処理手段は、少なくともロール角度を求める角速度の積分処理、および前記角速度とロール角度の積算処理を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両のロールオーバ判定装置。
  4. 演算処理手段は、少なくとも上記角速度と上下加速度の積算処理を含むことを特徴とする請求項1記載の車両のロールオーバ判定装置。
  5. 演算処理手段は、少なくとも角加速度を求める角速度の微分処理を含むことを特徴とする請求項2記載の車両のロールオーバ判定装置。
  6. ロールオーバ発生度判定手段は、ロール角速度と横加速度の各コンパレータ出力信号の論理和処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両のロールオーバ判定装置。
  7. ロールオーバ発生度判定手段は、ロール角度、横加速度、及び前後加速度の各コンパレータ出力信号の論理和処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両のロールオーバ判定装置。
  8. セーフィング機能を有する加速度センサを備え、該加速度センサの出力側に衝突判定回路を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の車両のロールオーバ判定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2208965A3 (en) * 2009-01-15 2010-07-28 Delta Systems, Inc Tilt and/or acceleration sensing apparatus and method
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