JP2005205461A - アーク溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用するワイヤに応じて溶接電圧を最適な値に調整することができるアーク溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接トーチ4に供給されるワイヤLの通電抵抗値を測定し、予め設定されている基準抵抗値を用いて溶接電圧を補正するための電圧補正値を算出する。そして、その電圧補正値を用いて溶接電圧の設定値を補正し、その補正した溶接電圧によってアーク溶接を行う。これにより、ワイヤLの種類に応じて最適な溶接電圧を溶接トーチ4と被溶接物Wとの間に供給し、被溶接物Wに適切な溶接ビードを形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】溶接トーチ4に供給されるワイヤLの通電抵抗値を測定し、予め設定されている基準抵抗値を用いて溶接電圧を補正するための電圧補正値を算出する。そして、その電圧補正値を用いて溶接電圧の設定値を補正し、その補正した溶接電圧によってアーク溶接を行う。これにより、ワイヤLの種類に応じて最適な溶接電圧を溶接トーチ4と被溶接物Wとの間に供給し、被溶接物Wに適切な溶接ビードを形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ワイヤ収容部から溶接トーチにワイヤを供給し、溶接トーチと被溶接部との間に溶接電圧を供給することによって被溶接物にアーク溶接を行うアーク溶接装置に関する。
図9は、従来のアーク溶接装置100の構成を概略的に示す説明図である。アーク溶接装置100は、ワイヤ送給装置103によりワイヤリール105から溶接トーチ104に金属製のワイヤを定速度で送給し、溶接電源装置102により溶接トーチ104と被溶接物Wとの間に溶接電源を供給することによってアーク溶接を行う消耗電極式のアーク溶接装置であり、溶接トーチ104にガスボンベ106から不活性ガスを供給し、ワイヤと被溶接物Wとの間の不活性ガス雰囲気中でアークを発生させて、そのアーク熱によってワイヤを送給速度と同期した速度で溶融させて被溶接物Wを溶接するガスシールドアーク溶接装置100である。
溶接トーチ104は、溶接ロボット105の手首部105aに取り付けられており、ロボット制御盤106からの制御指令に応じて溶接ロボット105を動作させることによりその位置を自在に移動させ、被溶接物Wを溶接するように構成されている。
ロボット制御盤106には、溶接ロボット105を動作させるための動作プログラムが格納されており、通信ケーブルG1を介して溶接電源装置102から受け取った溶接電圧等の情報に基づいて溶接ロボット105の動作速度などを調整できるように構成されている。
アーク溶接装置100に使用するワイヤには、メッキワイヤとノーメッキワイヤの2種類が存在する。ノーメッキワイヤを使用する場合には、安定した溶接状態を得るために、メッキワイヤの場合と比較して溶接電圧を約10%増大させる必要がある。したがって、従来はワイヤを交換するごとに目視でワイヤの特性を判別し、その判別結果に応じて溶接電源装置102の設定を変更して、溶接電圧の設定値を最適な値に調整する作業を行っていた。
尚、関連する先行技術として、溶接電源装置102と溶接トーチ104とを接続するケーブルG2が工場出荷時よりも長いケーブルに変更された場合に、長くなったケーブルG2の抵抗値によって電圧降下が発生し、適切な電圧よりも低い電圧が溶接トーチ104と被溶接物Wとの間に供給され適切な溶接を行うことが困難となるのを防ぐために、延長されたケーブルG2の抵抗値を計測して適切な電圧に補正し、補正後の溶接電圧を供給してアーク溶接を行うアーク溶接装置がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、目視ではメッキワイヤとノーメッキワイヤの判断を誤るおそれがあった。また、例えば国産のノーメッキワイヤと外国産のメッキワイヤとでは通電抵抗が近似するものが存在し、最適な溶接電圧を選択することが困難であった。更に、ワイヤの特性に応じて溶接電源装置102の設定条件を変更する作業は煩雑であり、工数が多くかかり、製品価格の低廉化の妨げとなっていた。
本発明は、これらの問題に鑑み、従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、使用するワイヤに応じて溶接電圧を最適な値に調整することができるアーク溶接装置を提供することにある。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明によるアーク溶接装置は、ワイヤ収容部から溶接トーチにワイヤを送給し、溶接トーチと被溶接物との間に予め設定されている溶接電圧を供給することによってアーク溶接を行うアーク溶接装置において、ワイヤの通電抵抗値を測定するワイヤ通電抵抗値測定手段と、ワイヤ通電抵抗値測定手段により測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とを用いて電圧補正値を算出する電圧補正値算出手段と、電圧補正値算出手段により算出した電圧補正値を用いて溶接電圧の設定値を補正する溶接電圧補正手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によるアーク溶接装置は、ワイヤ収容部から溶接トーチにワイヤを送給し、溶接トーチと被溶接物との間に予め設定されている溶接電圧を供給することによってアーク溶接を行うアーク溶接装置において、ワイヤの通電抵抗値を測定するワイヤ通電抵抗値測定手段と、ワイヤ通電抵抗値測定手段により測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とを比較して通電抵抗値が基準抵抗値よりも大きい値であるか否かを判断する抵抗値比較判断手段と、抵抗値比較判断手段により通電抵抗値が前記基準抵抗値よりも大きい値であると判断された場合に、溶接電圧の設定値を予め設定されている補正電圧分だけ増大させる溶接電圧設定値変更手段とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアーク溶接装置において、ワイヤ通電抵抗値測定手段は、ワイヤの長手方向に互いに所定距離だけ離間して対をなし、ワイヤに接離自在に設けられ、ワイヤに押接することによってワイヤと電気的に接続される上流側測定端子及び下流側測定端子と、上流側測定端子及び下流側測定端子をワイヤに接離させるアクチュエータと、アクチュエータにより上流側測定端子と下流側測定端子をワイヤに押接させて電気的に接続させた状態で、上流側測定端子と下流側測定端子との間に予め設定された抵抗値測定電流を通電して出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、検出した出力電圧と抵抗値測定電流とを用いてワイヤの上流側測定端子と下流側測定端子との間における通電抵抗値を算出する通電抵抗値算出手段とを有することを特徴とする。
請求項1の発明によると、溶接トーチに送給されるワイヤの通電抵抗値を測定し、その測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とに基づいて電圧補正値を算出し、電圧補正値を用いて溶接電圧の設定値を補正する。これにより、ワイヤの通電抵抗に応じた最適な溶接条件を得ることができる。
請求項2の発明によると、ワイヤ収容部と溶接トーチとの間でワイヤの通電抵抗値を測定し、その測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とを比較して、通電抵抗値が基準抵抗値よりも大きい値であるか否かを判断する。そして、通電抵抗値が基準抵抗値よりも大きい値であると判断した場合には、溶接電圧の設定値を基準電圧から予め設定されている補正電圧分だけ増大させる。これにより、例えばメッキワイヤとノーメッキワイヤとで互いに通電抵抗値が近似している場合や、同一種類であるが通電抵抗値が異なる場合であっても、ワイヤの特性を正確に判断し、最適な溶接条件を得ることができる。
請求項3の発明は、ワイヤ通電抵抗値測定手段の具体的な構成の一例を示したものであり、これによれば、アクチュエータにより上流側測定端子と下流側測定端子をワイヤに押圧して電気的に接続し、上流側測定端子と下流側測定端子との間に抵抗値測定電流を通電してその出力電圧を検出する。そして、その検出した出力電圧と抵抗値測定電流とを用いてワイヤの通電抵抗値を求めることができる。したがって、ワイヤの通電抵抗を正確かつ容易に測定することができる。
(第1の実施の形態)
次に、第1の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるアーク溶接装置1の構成を概略的に示す説明図、図2は、抵抗値測定部10の測定端子部11の構成を示す説明図、図3及び図4は、図2の要部を拡大して示す説明図、図5は、図3のI方向矢視図である。
次に、第1の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるアーク溶接装置1の構成を概略的に示す説明図、図2は、抵抗値測定部10の測定端子部11の構成を示す説明図、図3及び図4は、図2の要部を拡大して示す説明図、図5は、図3のI方向矢視図である。
アーク溶接装置1は、全自動式のガスシールドアーク溶接装置であり、図1に示すように、溶接電源装置2、ワイヤ送給装置3、溶接トーチ4、溶接ロボット5、ワイヤ通電抵抗値測定装置7、電圧補正量算出装置8を有している。
溶接電源装置2は、溶接ケーブルK1によって溶接トーチ4と被溶接物Wに接続されており、溶接トーチ4と被溶接物Wとの間に所定の溶接電圧を供給する構成を有している。また、溶接電源装置2は、通信ケーブルK2を介して電圧補正量算出装置8に接続されており、電圧補正量算出装置8から電圧補正量の情報を受け取ると、その電圧補正量に基づいて溶接電圧の設定値を変更する溶接電圧補正手段2aを備えている。
ワイヤ送給装置3は、溶接ロボット5のアーム部5aに取り付けられており、電動モータ等により回転駆動されてワイヤリール(ワイヤ収容部)9からワイヤLを引き出して溶接トーチ4に定速度で送り出す機構を有している。
溶接トーチ4は、ガスボンベBから不活性ガスの供給を受けてワイヤLと被溶接物Wとの間の不活性ガス雰囲気中でアークを発生させ、そのアーク熱によってワイヤLを送給速度と同期した速度で溶融させて被溶接物Wを溶接するように構成されている。溶接トーチ4は、溶接ロボット5の手首部5bに取り付けられており、自在に移動させることができる。
溶接ロボット5は、アーム部5aと手首部5bを有し、ロボット制御盤6からの制御信号に応じて種々の動作を行う多軸型のロボットである。ロボット制御盤6は、溶接ロボット5の動作を制御する動作プログラムと種々のロボット溶接条件データを格納し、これらに基づいて溶接ロボット5を動作させる制御信号を溶接ロボット5に出力する。また、ロボット制御盤6は、通信ケーブルK3を介して電圧補正量算出装置8と接続されており、電圧補正量算出装置8から電圧補正量の情報を受け取ると、その電圧補正量に基づき、ロボット溶接条件データを補正し、補正後のデータに基づいて溶接ロボット5を動作させるように構成されている。
ワイヤ通電抵抗値測定装置7は、ワイヤリール9から繰り出されるワイヤLの通電抵抗値を測定するものであり、入力側には抵抗値測定部10と測定開始ボタン(図示せず)が接続され、出力側には、アクチュエータ16に駆動用圧縮エアを供給するための電磁弁(図示せず)が接続されている。そして、その内部機能により、測定時に抵抗値測定部10を介してワイヤLに抵抗値測定電流を通電し、出力電圧を検出する出力電圧検出手段7aと、その検出した出力電圧(E)と抵抗値測定電流(I)とを用いてワイヤLの通電抵抗値R(=E/I)を算出する通電抵抗値算出手段7bを構成している。
抵抗値測定部10は、図2に示すように、ワイヤLの長手方向に沿って互いに所定距離だけ離間して配置され、ワイヤLと電気的に接続可能な一対の測定端子部11を有している。測定端子部11は、それぞれが測定ケーブルK5を介してワイヤ通電抵抗値測定装置7に接続されている。
測定端子部11は、図3〜図5に示すように、ワイヤLに沿って延在するベースプレート12と、ベースプレート12に取り付けられてワイヤLとの当接によりワイヤLと電気的に接続状態となる端子13(図5を参照)と、ベースプレート12に回動自在に支持されて正転方向に回動することによってカム面14aが端子13に接近し反転方向に回動することによって端子13から離間する偏心カム14と、偏心カム14から径方向に突出してその先端を一方方向に揺動させることによって偏心カム14を正転方向(図3及び図4で反時計回り)に回動させ、他方方向に揺動させることによって偏心カム14を反転方向(図3及び図4で時計回り)に回動させる揺動アーム15と、揺動アーム15を一方方向及び他方方向に揺動させるアクチュエータ16とを有している。
偏心カム14は、正転方向に回動した際にカム面14aと端子13との間にワイヤLを挟持してワイヤLを端子13に押圧可能な間隙t1を形成し(図4参照)、反転方向に回動した際にカム面14aと端子13との間にワイヤLの直径dよりも広い間隙t2を形成(図3参照)する形状を有している。
アクチュエータ16は、駆動用圧縮エアの供給制御により伸長及び収縮するシリンダ機構によって構成されており、ベースプレート12に沿って延在し、シリンダ本体16aの基端がベースプレート12の一端に回動自在に支持され、シリンダロッド16bが揺動アーム15の先端にピン結合されている。
そして、偏心カム14のカム面14aと端子13との間にワイヤLを介在させた状態で、シリンダロッド16bをシリンダ本体16aから突出させることによって、偏心カム14を反転方向に回動させて偏心カム14と端子13との間でワイヤLを挟持し、ワイヤLを端子13に押圧すると共に、シリンダロッド16bをシリンダ本体16a内に退避させることによって、偏心カム14を正転方向に回動させて偏心カム14と端子13との間をワイヤLの直径dよりも広い間隔t2とし、ワイヤLを軸方向に自由に移動させることができる状態とすることができるように構成されている。
電圧補正量算出装置8は、入力側が通信ケーブルK4を介してワイヤ通電抵抗値測定装置7に接続され、出力側が通信ケーブルK2及びK3を介して溶接電源装置2及びロボット制御盤6にそれぞれ接続されている。そして、ワイヤ通電抵抗値測定装置7から通電抵抗値の情報を受け取ると、その通電抵抗値を用いて溶接電圧をワイヤLの通電抵抗値に応じた適切な溶接電圧に補正するための電圧補正量を算出し、溶接電源装置2及びロボット制御盤6に出力する処理を行うように構成されている。以下の式(1)は、電圧補正量算出装置8内で実行される電圧補正量を求める演算式である。
電圧補正量=(通電抵抗値/基準抵抗値)×溶接電圧…(1)
上記の式(1)によれば、電圧補正量は、通電抵抗値を基準抵抗値で除算したものに溶接電圧を乗算することによって求められる。尚、基準抵抗値は、予め設定された抵抗値であり、電圧補正量算出装置8内に記憶されている。
上記の式(1)によれば、電圧補正量は、通電抵抗値を基準抵抗値で除算したものに溶接電圧を乗算することによって求められる。尚、基準抵抗値は、予め設定された抵抗値であり、電圧補正量算出装置8内に記憶されている。
次に、ワイヤLの通電抵抗値に応じて溶接電圧を補正する方法について図6のフローチャートを用いて以下に説明する。先ず、準備作業として、アーク溶接装置1に新たにワイヤLを装着する作業が行われる。作業者は、ワイヤリール9からワイヤLを引き出し、上流側の測定端子部11Aまで延出させ、ワイヤLの先端を端子13と偏心カム14の間の間隙に挿通して、下流側の測定端子部11Bまで引き出し、更にその先端を測定端子部11Bの端子13と偏心カム14の間の間隙に挿通し、更にワイヤ送給装置3まで引き出す。そして、ワイヤ送給装置3に装着すると共に、更に溶接トーチ4まで延出して先端が溶接トーチ4の先端から所定量だけ突出する位置に配置する。ワイヤLの装着作業が終了すると、作業者により測定ボタンのON操作が行われる。
ワイヤ通電抵抗値測定装置7は、測定ボタンのON操作の信号を検知すると(ステップS11でYES)、電磁弁(図示せず)に励磁信号を出力する(ステップS12)。これにより、アクチュエータ16のシリンダ本体16aに駆動用圧縮エアが供給され、シリンダロッド16bが突出して偏心カム14が正転方向に回動する方向に揺動アーム15を揺動させる。揺動アーム15の揺動により偏心カム14が正転方向に回動すると、偏心カム14のカム面14aが端子13に接近し、カム面14aと端子13との間隔が狭められる。したがって、ワイヤLは、カム面14aと端子13との間に挟持され、端子13に押圧されて電気的に接続した状態となる。
ワイヤ通電抵抗値測定装置7は、測定端子部11A、11Bのカム面14aと端子13との間にワイヤLを挟持すると、ワイヤLの通電抵抗値を測定する処理を開始する(ステップS13)。ここでは、まず、測定ケーブルK5を介して予め設定されている抵抗値測定電流(I)を通電し、測定端子部11A、11Bの間の出力電圧(E)を検出する。そして、その検出した出力電圧(E)と抵抗値測定電流(I)とを用いてワイヤの通電抵抗値(R=E/I)を算出する。この演算処理により求められたワイヤの通電抵抗値は、記憶手段に記憶される。
そして、記憶手段に記憶された通電抵抗値の情報を電圧補正量算出装置8にデータ転送する処理(ステップS14)を行うと共に、電磁弁に対する励磁信号の出力を停止する(ステップS15)。電磁弁に対する励磁信号の出力が停止されると、シリンダ本体16aへの駆動用圧縮エアの供給切換が行われ、アクチュエータ16のシリンダロッド16bを退避させて偏心カム14が反転方向に回動する方向に揺動アーム15を揺動させる。揺動アーム15の揺動により偏心カム14が反転方向に回動すると、偏心カム14のカム面14aが端子から離間し、カム面14aと端子13との間隔は拡大される。したがって、ワイヤLは、挟持状態から開放され、軸方向に移動自在とされる。
電圧補正量算出装置8は、ワイヤ通電抵抗値測定装置7から通電抵抗値の情報を入力すると電圧補正量を算出する処理を行い(ステップS16)、その算出した電圧補正量の情報を溶接電源装置2とロボット制御盤6に出力する処理を行う。
溶接電源装置2は、電圧補正量の情報を受け取ると、溶接電圧補正手段2aがその電圧補正量を用いて溶接電圧の設定値を補正する処理を行う(ステップS17)。ロボット制御盤6は、電圧補正量の情報を電圧補正量算出装置8から受け取ると、その電圧補正量に基づいてロボット溶接条件データを補正する処理を行う(ステップS18)。
ステップS17とステップS18の処理により、溶接電圧の設定値の補正と、ロボット溶接条件データの補正が終了すると、溶接準備完了と判断され、溶接開始信号を待つ待機状態となる。その後は、通常の動作プログラムにしたがって全自動でアーク溶接作業が実行され、補正後の溶接電圧によってアーク溶接が行われる。
上記アーク溶接装置1によれば、実際に使用するワイヤLに応じて溶接電圧を調整することができ、ワイヤの通電抵抗値に応じた最適な溶接条件を得ることができる。また、通電抵抗測定時にアクチュエータ16によりワイヤLを端子13に電気的に接続することができるので、通電抵抗値の測定を正確かつ容易に行うことができ、測定作業を容易ならしめ、作業工数を減らすことができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。
次に、本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。
図7は、本実施の形態におけるアーク溶接装置20の構成を概略的に示す説明図、図8は、ワイヤLの通電抵抗値に応じて溶接電圧を補正する方法を説明するフローチャートである。尚、第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
抵抗値比較判断装置21は、図7に示すように、第1の実施の形態における電圧補正量算出装置8の代わりにワイヤ通電抵抗値測定装置7と溶接電源装置2及びロボット制御盤6との間に設けられており、メッキワイヤの通電抵抗値を基準抵抗値として記憶している。そして、ワイヤ通電抵抗値測定装置7から通電抵抗値の情報を受け取ると、その通電抵抗値と基準抵抗値とを比較し、通電抵抗値の方が大きい場合には、その情報を溶接電源装置2及びロボット制御盤6に出力するように構成されている。
溶接電源装置2は、溶接電圧設定値変更手段2bを備えており、この溶接電圧設定値変更手段2bは、ワイヤLの通電抵抗値が基準抵抗値以下との情報を受け取った場合は溶接電圧の設定値をメッキワイヤ用のものとし、ワイヤLの通電抵抗値の方が大きいとの情報を受け取った場合はメッキワイヤ用の溶接電圧に対して所定量だけ増大させたノーメッキワイヤ用のものに変更する構成を有している。
次に、ワイヤLの通電抵抗値に応じて溶接電圧を変更する方法について図8のフローチャートを用いて以下に説明する。尚、ステップS21〜ステップS25までの処理は、第1の実施の形態で説明したステップS11〜ステップS15までの処理と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
抵抗値比較判断装置21は、ワイヤ通電抵抗値測定装置7から通電抵抗値の情報を受け取ると、基準抵抗値と比較し(ステップS26)、基準抵抗値よりも大きいか否かの比較判断を行う(ステップS27)。そして、その比較判断結果の情報をロボット制御盤6と溶接電源装置2に出力する処理を行う。
溶接電源装置2の溶接電圧設定値変更手段2bは、抵抗値比較判断装置21から受け取った比較判断結果の情報が基準抵抗値よりも大きいとの情報である場合は、メッキワイヤ用の溶接電圧からノーメッキワイヤ用の溶接電圧を出力する設定に変更し、溶接電圧の設定値を予め設定されている補正電圧分だけ増大させた値、例えば、メッキワイヤ用として予め設定されている基準溶接電圧から20%上昇させた値に変更する処理を行う。一方、受け取った比較判断結果の情報が基準抵抗値以下との情報である場合は、メッキワイヤ用の基準溶接電圧を出力する設定にする処理を行う(ステップS28)。
ロボット制御盤6は、抵抗値比較判断装置21から受け取った比較判断結果の情報が、基準抵抗値よりも大きいとの情報である場合は、ロボット溶接条件データをメッキワイヤ用のデータからノーメッキワイヤ用のデータに変更し、基準抵抗値以下であるとの情報である場合は、ロボット溶接条件データをメッキワイヤ用のものとする処理を行う(ステップS29)。
ステップS28とステップS29により、溶接電圧の設定値の変更と、ロボット溶接条件データの変更が終了すると、ロボット制御盤6は溶接準備完了と判断し、溶接開始信号を待つ待機状態となる。その後は、通常の動作プログラムにしたがって全自動でアーク溶接作業が実行され、その補正電圧分だけ増大させた溶接電圧によってアーク溶接が行われる。
上記アーク溶接装置20によれば、例えばメッキワイヤとノーメッキワイヤとで互いに通電抵抗値が近似している場合や、同一種類のワイヤで通電抵抗値が異なる場合であっても、ワイヤの特性を正確に判断することができる。したがって、溶接電圧をワイヤの特性に応じた適切な値に設定することができ、最適な溶接条件を得ることができる。
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、アクチュエータ16により揺動アーム15を揺動させる構成としたが、作業者が手動により行う構成としてもよく、手動にすることによって駆動用圧縮エアの配管や電磁弁等を省略することができ、構造の簡素化を図ることができる。
1、20 アーク溶接装置
2 溶接電源装置
2a 溶接電圧補正手段
2b 溶接電圧設定値変更手段
3 ワイヤ送給手段
4 溶接トーチ
5 溶接ロボット
6 ロボット制御盤
7 ワイヤ通電抵抗値測定装置(ワイヤ通電抵抗値測定手段)
8 電圧補正量算出装置(電圧補正量算出手段)
10 抵抗値測定部
11 測定端子部
13 端子
14 偏心カム
15 揺動アーム
16 アクチュエータ
21 抵抗値比較判断装置(抵抗値比較判断手段)
2 溶接電源装置
2a 溶接電圧補正手段
2b 溶接電圧設定値変更手段
3 ワイヤ送給手段
4 溶接トーチ
5 溶接ロボット
6 ロボット制御盤
7 ワイヤ通電抵抗値測定装置(ワイヤ通電抵抗値測定手段)
8 電圧補正量算出装置(電圧補正量算出手段)
10 抵抗値測定部
11 測定端子部
13 端子
14 偏心カム
15 揺動アーム
16 アクチュエータ
21 抵抗値比較判断装置(抵抗値比較判断手段)
Claims (3)
- ワイヤ収容部から溶接トーチにワイヤを送給し、前記溶接トーチと被溶接物との間に予め設定されている溶接電圧を供給することによってアーク溶接を行うアーク溶接装置において、
前記ワイヤの通電抵抗値を測定するワイヤ通電抵抗値測定手段と、
該ワイヤ通電抵抗値測定手段により測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とを用いて電圧補正値を算出する電圧補正値算出手段と、
該電圧補正値算出手段により算出した電圧補正値を用いて前記溶接電圧の設定値を補正する溶接電圧補正手段とを備えることを特徴とするアーク溶接装置。 - ワイヤ収容部から溶接トーチにワイヤを送給し、前記溶接トーチと被溶接物との間に予め設定されている溶接電圧を供給することによってアーク溶接を行うアーク溶接装置において、
前記ワイヤの通電抵抗値を測定するワイヤ通電抵抗値測定手段と、
該ワイヤ通電抵抗値測定手段により測定した通電抵抗値と予め設定されている基準抵抗値とを比較して前記通電抵抗値が前記基準抵抗値よりも大きい値であるか否かを判断する抵抗値比較判断手段と、
該抵抗値比較判断手段により前記通電抵抗値が前記基準抵抗値よりも大きい値であると判断された場合に、前記溶接電圧の設定値を予め設定されている補正電圧分だけ増大させる溶接電圧設定値変更手段とを備えることを特徴とするアーク溶接装置。 - 前記ワイヤ通電抵抗値測定手段は、
前記ワイヤの長手方向に互いに所定距離だけ離間して対をなし、前記ワイヤに接離自在に設けられ、前記ワイヤに押接することによって前記ワイヤと電気的に接続される上流側測定端子及び下流側測定端子と、
該上流側測定端子及び下流側測定端子を前記ワイヤに接離させるアクチュエータと、
該アクチュエータにより前記上流側測定端子と下流側測定端子を前記ワイヤに押接させて電気的に接続させた状態で、前記上流側測定端子と前記下流側測定端子との間に予め設定された抵抗値測定電流を通電して出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、
該検出した出力電圧と前記抵抗値測定電流とを用いて前記ワイヤの上流側測定端子と下流側測定端子との間における通電抵抗値を算出する通電抵抗値算出手段とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接装置。
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ID=34900848
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JP (1) | JP2005205461A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016028822A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-03 | 株式会社ダイヘン | 電源装置、当該電源装置を備えた加工装置、溶接装置、および、加工システム |
-
2004
- 2004-01-23 JP JP2004015357A patent/JP2005205461A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016028822A (ja) * | 2014-07-25 | 2016-03-03 | 株式会社ダイヘン | 電源装置、当該電源装置を備えた加工装置、溶接装置、および、加工システム |
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