JP2005205085A - キャビネット本体とキャビネット - Google Patents

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俊夫 丸山
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Abstract

【課題】 特殊な連結具を必要とせず、加工作業を減らして、側板および背板を底板に簡便に取り付けて組み立てることができる新しいキャビネット本体とこれを用いたキャビネットを提供する。
【解決手段】 底板(1)、側板(2)および背板(3)を備えたキャビネット本体であって、底板(1)は、ベース板(11)の周縁部に側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)が設けられているとともに、側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)の底部それぞれに少なくとも1つの突起部(14)(15)が突設された樹脂製一体成形品よりなり、側板(2)および背板(3)が側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)に嵌合されるとともに、側板(2)および背板(3)の下端部(22)(32)に形成された突起部挿入穴(21)(31)に前記突起部(14)(15)が挿入されて、組み立てられるものとする。
【選択図】図1

Description

この出願の発明は、キャビネット本体とキャビネットに関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、特殊な連結具を必要とせず、加工作業を減らして、側板および背板を底板に簡便に取り付けて組み立てることができる、新しいキャビネット本体とこれを用いたキャビネットに関するものである。
従来は、たとえば、側板および地板(底板)それぞれに設けられた縦溝および横溝に背板を嵌合させ、ネジ留めで側板、地板および背板それぞれが連結されて組み立てられてなるキャビネット本体が提案されている(特許文献1)。
他方、底板に立ち上げ片を有する金具が埋設され、この立ち上げ片を側板に埋設されている取付金具に挿入させ、係止ピンで係合固定させて組み立てられてなるキャビネット本体も提案されている(特許文献2)。
さらに、図4に例示したように、側板(ア)、背板(イ)、底板(ウ)および蹴込板(エ)等の各板部材にダボ穴(オ)を設けて、このダボ穴(オ)にダボ部材(カ)を嵌合させるダボ結合によって、これら各板部材が連結固定されて組み立てられてなるキャビネット本体も知られている。
上記キャビネット本体は、たとえば、その上面部に天板を取り付けてキャビネットを形成することはもちろんである。
特開2003−265241号公報 特開2003−52463号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたキャビネット本体の場合は、側板、背板および地板それぞれにおける連結強度を向上させるために上部材や固定具等の種々の連結具を必要とし、その組み立て作業に手間がかかるという問題があった。
また、上記特許文献2に記載されたキャビネット本体の場合は、側板と底板とを連結固定するために、側板および底板内に特殊な取付金具、立ち上げ片を有する金具等の連結具を埋設する必要があるという問題があった。
さらに、図4に例示したキャビネット本体の場合には、側板(ア)、背板(イ)、底板(ウ)および蹴込板(エ)等の各板部材を連結固定するために、多数のダボ穴(オ)を各板部材に設ける必要があり、その加工作業が面倒であるという問題があった。また、このダボ穴(オ)の数にあわせて、多数のダボ部材(カ)(連結具)も用意する必要があるという問題もあった。
そこで、以上のとおりの背景から、この出願の発明は、従来の問題点を解消して、特殊な連結具を必要とせず、加工作業を減らして、側板および背板を底板に簡便に取り付けて組み立てることができる、新しいキャビネット本体、そしてキャビネットを提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、底板、側板および背板を備えたキャビネット本体であって、底板は、ベース板の周縁部に側板嵌合溝および背板嵌合溝が設けられているとともに、側板嵌合溝および背板嵌合溝の底部それぞれに少なくとも1つの突起部が突設された樹脂製一体成形品よりなり、側板および背板が側板嵌合溝および背板嵌合溝に嵌合されるとともに、側板および背板の下端部に形成された突起部挿入穴に前記突起部が挿入されて、組み立てられてなることを特徴とするキャビネット本体を提供する。
また、この出願の発明は、第2には、上記のキャビネット本体をもってその構成の一部としていることを特徴とするキャビネットを提供する。
上記のとおりのこの出願の発明の第1の発明によれば、特殊な連結具を必要とせず、加工作業を減らして、側板および背板を底板に簡便に取り付けて組み立てることのできる、キャビネット本体が提供されることになる。
また、この出願の発明の第2の発明によれば、上記の優れた効果を発現することのできる、扉、天板、カウンター等の取り付けをもっての各性の目的、用途のためのキャビネットが提供されることになる。
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、添付した図面に沿って、この出願の発明の実施形態について詳細かつ具体的に説明する。
図1は、この出願の発明の一実施形態を模式的に例示した分解斜視図である。図2は、側板および背板を底板に取り付けた状態を例示した要部正面図である。
図1および図2に例示したとおり、この出願の発明のキャビネット本体は、底板(1)、側板(2)および背板(3)を備えたキャビネット本体である。この底板(1)は、ベース板(11)の周縁部に上方に開口された側板嵌合溝(12)、また、同じく上方に開口された背板嵌合溝(13)がそれぞれ設けられているとともに、側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)の底部それぞれには、少なくとも1つ(実施例においては、2つ)のダボ形状の突起部(14)(15)が突設された、プラスチック成形品、強化プラスチック成形品等の樹脂製一体成形品よりなっている。なお、樹脂は、キャビネット本体としての強度を有する各種の合成樹脂を使用することができる。
このような構成を有するこの出願の発明のキャビネット本体は、図1および図2に示したとおり、底板(1)に設けられた側板嵌合溝(12)に側板(2)の下端部(22)が嵌合されるとともに、側板嵌合溝(12)の底部に設けられた突起部(14)が側板(2)の下端部(22)に形成された突起部挿入穴(21)に挿入されて組み立てられている。また、底板(1)への背板(3)の取り付け固定についても、上記側板(2)の場合と同様に、底板(1)の背板嵌合溝(13)内に背板(3)の下端部(32)が嵌合される。そして、この嵌合とともに、背板嵌合溝(13)の底部に形成された突起部(15)が背板(3)の下端部(32)に形成された突起部挿入穴(31)に挿入されて、キャビネット本体が組み立てられる。これにより、底板(1)の側板嵌合溝(12)、背板嵌合溝(13)および突起部(14)(15)をガイドにして、側板(2)および背板(3)を位置決めしつつ取り付け固定することができ、取り付け固定の精度が向上し、組み立て作業も簡便に行なうことができる。
また、側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)、ならびにこれら側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)内の突起部(14)(15)が一体成形された底板(1)を用いることにより、たとえば、従来のキャビネットの組み立ての際によく利用されるダボ結合のように、側板(2)や背板(3)等の各板部材へのダボ穴等を設けるための加工作業やダボ部材(連結具)を削減することができる。
また、この出願の発明のキャビネット本体は、必要に応じて、各種の扉や天板等を取り付けることもできる。たとえば、図3に示したように、左右の側板(2)および背板(3)を底板(1)に取り付け固定して組み立て後、観音開き式の扉(4)を蝶番(41)を介してキャビネット本体の前面部に取り付け、また、キャビネット本体の上面部に天板(5)を取り付けることができる。
なお、図には示していないが、側板と背板とのより確実な固定を実現するためには、必要に応じて、ネジや釘等によるビス固定やダボ穴にダボ部材を嵌合させるダボ結合等の汎用の固定手段を併用し、さらに取り付け固定してもよい。
また、この出願の発明のキャビネット本体の上面部に天板を取り付ける際には、この出願の発明のキャビネット本体の構成部材である底板を逆さにして、天板として使用し、底板と同様の方法で取り付けてもよい。もちろん、ネジや釘等によるビス固定やダボ結合による固定等の汎用の固定手段を採用して天板を取り付けてキャビネットを形成してもよい。
たとえば、以上に示されるこの出願の発明のキャビネット本体において、底板(1)は樹脂にて形成されているため、キャビネット本体の下部が防水されることにもなる。また、側板(2)や背板(3)等の板部材は、一般に木製であることが多いが、これら板部材は、上記のとおり樹脂製である底板(1)内、つまり、側板嵌合溝(12)および背板嵌合溝(13)内に嵌入されて取り付け固定されているために防水効果が向上し、水の浸み込みによる木部の膨張が抑制される。このような防水効果も得ることができるため、この出願の発明のキャビネット本体は、洗面化粧台、台所用キャビネット等の水回り用キャビネットとして最適である。
この出願の発明のキャビネット本体、そしてこれを用いたキャビネットにおいては、以上の例示によって限定されるものではない。たとえば、底板の側板嵌合溝および背板嵌合溝の形状や構造、突起部の形状や構造、側板および背板に設けられた突起部挿入穴の形状や構造、底板、側板、背板等の各部材の大きさや形状等、その細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
この出願の発明の一実施形態を模式的に例示した分解斜視図である。 側板および背板を底板に取り付けた状態を例示した要部拡大正面図である。 この出願の発明のキャビネット本体を扉および天板とともに組み立てた状態を例示した一部分解斜視図である。 従来のキャビネット本体の組み立て作業の状態を例示した分解斜視図である。
符号の説明
1 底板
11 ベース板
12 側板嵌合溝
13 背板嵌合溝
14、15 突起部
2 側板
21 突起部挿入穴
22 下端部
3 背板
31 突起部挿入穴
32 下端部
4 扉
41 蝶番
5 天板
ア 側板
イ 背板
ウ 底板
エ 蹴込板
オ ダボ穴
カ ダボ部材

Claims (2)

  1. 底板、側板および背板を備えたキャビネット本体であって、底板は、ベース板の周縁部に側板嵌合溝および背板嵌合溝が設けられているとともに、側板嵌合溝および背板嵌合溝の底部それぞれに少なくとも1つの突起部が突設された樹脂製一体成形品よりなり、側板および背板が側板嵌合溝および背板嵌合溝に嵌合されるとともに、側板および背板の下端部に形成された突起部挿入穴に前記突起部が挿入されて、組み立てられてなることを特徴とするキャビネット本体。
  2. 請求項1のキャビネット本体をもってその構成の一部としていることを特徴とするキャビネット。
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