JP2005204448A - リニアモータの非接触式ブレーキ機構 - Google Patents

リニアモータの非接触式ブレーキ機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 コア付きリニアモータの推進機構を活用した非接触式のブレーキ機構を実現する。
【解決手段】 本コア付きリニアモータは、その推進機構として、永久磁石10が外周面を構成するシャフト状に形成されたマグネット部1と、シャフト状のマグネット部1の周囲に並設されたコア付きコイル20が配置された電機子2とを備える。ブレーキ機構は、上記マグネット部1の各磁極位置には隣接する上記コア付きコイル20のコア間25が同期して配置されるピッチでコア付きコイル20が並設され、モータ駆動時は、全コイル22に電流を流し全コア21が非磁性化され、上記コイル22への通電停止時には、磁性を取戻したコア21によってマグネット部1の磁気回路を閉じさせる構成とする。これにより、コイル22への通電停止時、コア21とマグネット部1との間で大きな磁気吸着作用を発生させてブレーキ力となり、非接触式のブレーキを実現する。
【選択図】 図1


Description

本発明は、リニアモータの非接触式ブレーキ機構に関し、特にコア付きコイルの電機子を用いたリニアモータの推進機構を用いて非接触式のブレーキ機構を実現させる技術に関する。
従来より、リニアモータの停止手段となるブレーキ機構は、摩擦力により可動子を保持させる機械式ブレーキが一般的に用いられる(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。例えば、図5に示すリニアモータは、停電等によりコイルに通電停止されると、ガイドレール510に案内されるリニアガイド507上に支持されたリニアスライダ501は惰走状態に入ると同時に、吸引板保持用電磁石506の吸引板503の吸着機能が失われ、コイルバネ508の伸張力と自重により、摩擦部材505を含むブレーキユニットが下方に駆動される。すると、磁場感応吸引性の吸引板503が固定マグネット504から強い吸引力を受け、摩擦部材505が外部摩擦係合部材511に押し付けられ(図5(b))、走行スライダ501は急減速し停止に至る。そして、走行スライダ501が停止に至った以後も、吸引板503と固定マグネット504の吸引力は維持され、摩擦部材505と外部摩擦係合部材511の間の押し付け状態が保たれるから、ブレーキ有効状態が継続して維持される。従って、このものでは、外部アクチュエータの動作に全く頼ることなく、機械ブレーキが有効化され、且つ、安定的に維持される(特許文献2の段落23番から段落25番)。
特開2000−184686号公報 特開平10−112971号公報 特開平8−251904号公報 特開平5−211798号公報
しかしながら、上記リニアモータのブレーキ機構は、摩擦部材505と外部摩擦係合部材511との間の押し付けによる接触式ブレーキであるから、この摩擦部材505と外部摩擦係合部材511との接触部が破損や摩耗等するため、長期にわたってブレーキ性能を維持することが困難である。
しかも、上記摩擦部材505と上記外部摩擦係合部材511との接触部からは摩耗によるホコリや粉塵等が生じるため、上記リニアモータを精密機械やクリーンルーム内の装置等の駆動源に適用するには、別に防塵機構を設ける必要が生じる等、ブレーキ機構が複雑化する。
また、上記リニアモータでは、リニアモータの推進機構(永久磁石や電機子)とは別に上記機械式ブレーキを構成するための機械要素(503,504,505,506,508,511等)が必要となるから、リニアモータの構造が複雑となり、また、リニアモータ自体の小型化の障害ともなる。
なお、リニアモータにおいて、非接触式に制動力(ブレーキ力)を作用させるものとして、例えば、モータの端子間を抵抗器を介して短絡して、熱エネルギーを熱消費させることにより得られるダイナミックブレーキや、固定子側コイルをショートさせて、回生ブレーキにより減速させる方法が知られている(特許文献4の段落2番)。これは、リニアモータの停止手段ではなく走行中の可動子の減速手段として作用させるものにすぎないから、可動子が停止に至った後もブレーキ力を作用させ続けることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記問題を一挙に解決すべく、コア付きリニアモータの推進機構を活用した非接触式のブレーキ機構を実現することを課題とする。
(1)請求項1に係る発明のリニアモータの非接触式ブレーキ機構は、
N極とS極の磁極が交互に現われるように形成した永久磁石からなるマグネット部と、該マグネット部の長手方向に沿って並設された複数のコア付きコイルからなる電機子とを備え、上記電機子のコイルに励磁電流を流すことにより該電機子と上記マグネット部とを相対移動させるコア付きリニアモータにおいて、
上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成され、
上記電機子は、上記並設されたコア付きコイルが上記シャフト状のマグネット部の周囲に配置され、
上記コア付きコイルは、磁性材料からなるコアに巻回させたコイルを設けた構成を有し、
ブレーキ機構は、上記マグネット部の各磁極位置に隣接する上記コア付きコイルのコア間のうち少なくとも幾つかのコア間が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設され、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、上記コイルへの通電停止時には、磁性を取戻したコアによってマグネット部の磁気回路を閉じさせる構成としたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、ブレーキがOFFされる。すなわち、全コイルに所定量の電流を流すことで、コアに一定の磁束を通し、磁性材料からなるコアの透磁率を“1”に保持させ、これにより、コアを非磁性化させてマグネット部から磁気吸着作用を受けないようにする。このブレーキOFF状態で所定の制御装置によって電機子の励磁電流を制御することで、電機子とマグネット部との間の電磁作用により推進力が発生し、電機子とマグネット部とが相対移動される。
一方、停電や電源遮断等の通電停止により上記コイルのすべてに電流が流れなくなると、全コアが磁性を取戻し、ブレーキがONされる。すなわち、上記マグネット部の各磁極位置に隣接する上記コア付きコイルのコア間のうち少なくとも幾つかのコア間が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設されているので、コアが磁性を取戻すことによってマグネット部からの磁界がコアを通って該マグネット部の磁気回路を閉じさせる。これにより、コアとマグネット部との間で磁気吸着作用が発生し、これがブレーキ力となる。
そして、上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成されるので、このマグネット部の全周囲に磁束が形成され、また、上記電機子は、コア付きコイルを上記マグネット部の周囲に配置する構成としたので、上記コア間と上記マグネット部との磁気吸着作用を大きくすることができる。従って、この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として十分に機能させることができる。
(2)請求項2に係る発明のリニアモータの非接触式ブレーキ機構は、
N極とS極の磁極が交互に現われるように形成した永久磁石からなるマグネット部と、該マグネット部の長手方向に沿って並設された複数のコア付きコイルからなる電機子とを備え、上記電機子のコイルに励磁電流を流すことにより該電機子と上記マグネット部とを相対移動させるコア付きリニアモータにおいて、
上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成され、
上記電機子は、上記並設されたコア付きコイルが上記シャフト状のマグネット部の周囲に配置され、
上記コア付きコイルは、上記マグネット部を貫通させた磁性材料からなる2つの板状コア間に該マグネット部に外装可能な大きさのリング状コイルを配置した構成を有し、
ブレーキ機構は、上記マグネット部の各磁極位置に上記コアのうち少なくとも幾つかのコアが同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設され、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、上記コイルへの通電停止時には、磁性を取戻したコアによってマグネット部の磁気回路を閉じさせる構成としたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、ブレーキがOFFされる。すなわち、全コイルに所定量の電流を流すことで、コアに一定の磁束を通し、磁性材料からなるコアの透磁率を“1”に保持させ、これにより、コアを非磁性化させてマグネット部から磁気吸着作用を受けないようにする。このブレーキOFF状態で所定の制御装置によって電機子の励磁電流を制御することで、電機子とマグネット部との間の電磁作用により推進力が発生し、電機子とマグネット部とが相対移動される。
一方、停電や電源遮断等の通電停止により上記コイルのすべてに電流が流れなくなると、全コアが磁性を取戻し、ブレーキがONされる。すなわち、上記マグネット部の各磁極位置に隣接する上記コアのうち少なくとも幾つかのコアが同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設されているので、コアが磁性を取戻すことによってマグネット部からの磁界がコアを通って該マグネット部の磁気回路を閉じさせる。これにより、コアとマグネット部との間で磁気吸着作用が発生し、これがブレーキ力となる。
そして、上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成されるので、このマグネット部の全周囲に磁束が形成され、また、上記電機子は、コア付きコイルを上記マグネット部の周囲に配置する構成としたので、上記コアと上記マグネット部との磁気吸着作用を大きくすることができる。従って、この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として十分に機能させることができる。
以上のように、本発明に係るリニアモータの非接触式ブレーキ機構によれば、モータ駆動時は全コイルに電流を流し全コアが非磁性化されている電機子は、コイルへの通電停止によって上記電機子のコアが磁性を取戻し上記マグネット部の磁気回路を閉じさせ、コアとマグネット部との間で大きな磁気吸着作用が発揮される。この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として機能するので、可動子の停止手段として非接触式のブレーキを実現することができる。
従って、この非接触式ブレーキの実現によって、接触式ブレーキの如く接触部での破損や摩耗等によるブレーキ性能の低下といったことがなく、長期にわたって安定したブレーキ性能を発揮させることができる。また、非接触式であるから、摩耗によるホコリや粉塵等の問題がないので、防塵機構等を設けることなく、クリーンルーム内の装置等の駆動源にもそのまま適用することができる。さらに、この非接触式ブレーキ機構は、リニアモータの推進機構(永久磁石や電機子)でもあるので、ブレーキ用に特別な機械要素を設ける必要がなく、リニアモータの構造の複雑化や、小型化の障害となることもない。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
なお、本発明によるコア付きリニアモータは、例えば、成形機に敷設された成形品の取出機におけるアーム軸の駆動源として利用することができ、その他には、コピー機・プリンタ・スキャナ等のOA機器、工作機械・XYテーブル・搬送機械等のFA機器、カメラ等の光学機器、リニアモータカー等の駆動源にも適用可能である。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1によるコア付きリニアモータの構成を示す図であり、図1、図2に示すように、このコア付きリニアモータは、永久磁石10を備えたマグネット部1と、コア付きコイル20からなる電機子2とを備える。なお、このコア付きリニアモータは、上記マグネット部1が支持部材(図示せず)に固定された固定子となり、上記電機子2がレール等に取り付けたスライダ(図示せず)に連結された可動子となるものとする。
上記固定子となるマグネット部1は、N極とS極の磁極が交互に現われるように複数の永久磁石10を互いに反対の磁極が対向するように直列に組み合わされたものである。このマグネット部1は、円柱状または円筒状の上記永久磁石10が外周面を構成する円形のシャフト状に形成されており、これにより、マグネット部1の全周囲には磁界が形成される。上記永久磁石10の材料としては、磁束密度の大きい希土類またはフェライト系の金属材料が好ましく用いられるが他の磁石材料を用いてもよく、例えば、Nd−Fe−B系、Fe−Cr−Co系、MnAl系などが挙げられる。
上記可動子となる電機子2は、矩形状のケース3の内側面に保持され、且つ上記マグネット部1の周囲に配置されると共に長手方向に沿って複数並設されたコア付きコイル20からなるものである。なお、ケース3には、上記スライダ(図示せず)が取り付けられ、また、ケース3の両側にはマグネット部1の貫通孔を設けた蓋体31が取り付けられる(図2)。
上記コア付きコイル20は、U字形に形成された磁性体のコア21と、このコア21の二股の脚部211のそれぞれに導線を巻回させた2つのコイル22とを有し、マグネット部1のN極とS極の磁極間に1つ配置される大きさに形成されている。上記コア21の材料としては、ケイ素鋼鈑、純鉄等の強磁性体が適しており、積層構造であれば、ケイ素鋼鈑が好適である。
そして、上記電機子2は、このコア付きコイル20をマグネット部1の長手方向に3つ並設すると共にこの並設した3つのコア付きコイル20をマグネット部1の外周囲の四方にそれぞれ列設されており、コイル22は、各列にマグネット部1の長手方向に沿って6つずつ配置される。これらコイル22には、アナログ式の正弦波状電流そのものを流すものでもよいが、デジタル式の正弦波状電流そのものを流すものでもよく、例えば、PWMやPAM等のパルス制御方式による制御装置を接続してコイル22に正弦波状相当の励磁電流を順次流すようにしてもよい。これにより、コイル22に励磁電流が流されると、コイル22内にその軸線方向の磁束が形成されてU字形のコア21に導かれた電磁界が形成され、可動子の推進力となる。
また、各コア付きコイル20は、マグネット部1と対向する脚部211の下側面213がマグネット部1の円形曲面と相似形の円形曲面に形成され、また、二股の脚部211は、その先端部212の内側部が末広がり状に形成されており、これにより、このコア付きコイル20の電磁界は、コア21の先端部212からマグネット部1の外周面に沿って形成される。そして、コア付きコイル2の各列は、マグネット部1の外周囲の四方に等間隔に配置されており、これにより、この電機子2による電磁界は、マグネット部1の外周囲に均一に形成される。
また、上記電機子2の両端の内側面には、マグネット部1に摺動可能に接触される電機子2とマグネット部1との間隙を一定に保持させる円筒状のスリーブ5が設けられており、これにより、マグネット部1の全周囲にはマグネット部1の磁力と電機子2の電磁力とのバランスを一定に保つことができ、電機子2とマグネット部1とが相対移動しているときでも両者の相互作用(電磁作用)をムラ無く安定して効かせることができる。
ところで、上記マグネット部1および上記電機子2は、リニアモータの推進機構を構成するが、次のようにして同時に非接触のブレーキ機構をも構成する。すなわち、上記マグネット部1のN極やS極の各磁極位置には、隣接する上記コア付きコイル20のコア間25が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイル20がマグネット部1の長手方向に並設され、モータ駆動時は、全コイル22に所定量の電流を流し全コア21が非磁性化され、上記コイル22への通電停止時には、磁性を取戻したコア21によってマグネット部の磁気回路を閉じさせる構成とする。
次に、動作を説明する。上記コア付きリニアモータは、PWM制御方式やPAM制御方式等による所定の制御装置(図示せず)を使用することにより、電機子2の各コイル22に順次に励磁電流を流すことで、電機子2により形成される電磁界とマグネット部1の永久磁石10の磁界との電磁作用により推進力が発生し、可動子となる電機子2が固定子となるマグネット部1の長手方向に移動される。特に、このものは、上述のとおり上記マグネット部1の磁界がその全周囲に形成されると共に上記電機子2による電磁界がこのマグネット部1の外周囲に均一に形成されるので、上記マグネット部1と上記電機子2との相互作用(電磁作用)が大きくなり、より大きな推進力を発生させることができる。
なお、上記可動子(電機子2)の駆動時は、上記ブレーキ機構によるブレーキがOFFされている。すなわち、図示しない制御装置による励磁電流を流していない他のコイル22には、この励磁電流よりも小さい弱電流を常時流してそれらのコイル22を設けたコア21に一定の磁束を通してコア21の透磁率を略“1”となるように保持し、それらのコア21を非磁性化(磁石にくっ付かない)させてマグネット部1から磁気的影響(磁気吸着作用)を受けないようにしている。これによって、ブレーキOFFの作用と同時に、リニアモータ駆動に伴うコギングをも防止することができる。
一方、電源遮断や停電等の通電停止により上記コイル22のすべてに電流が流れなくなると、全コア21が磁性を取戻し、ブレーキがONされる。すなわち、上記マグネット部1の各磁極位置に隣接する上記コア付きコイル20のコア21間が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイル20が並設されているので、コア21が磁性を取戻すことによってマグネット部1からの磁界がコア21を通って該マグネット部1の磁気回路を閉じさせる。これにより、コア21とマグネット部1との間で磁気吸着作用が発生し、これがブレーキ力となる。
すると、可動子は、まず惰走状態になり磁性材料からなる各コア21がマグネット部1からの磁気吸引力を受けて減速される。次いで、可動子が停止すると、上記マグネット部1の各磁極から生じた磁束が上記コア21を通過することにより、マグネット部1の磁気回路が閉じられ、これらのコア21とマグネット部1とが大きな磁気吸着作用を発生させる。
そして、上記マグネット部1は、永久磁石10が外周面を構成するシャフト状に形成されるので、このマグネット部1の全周囲に磁束が形成され、また、上記電機子2は、コア付きコイル20を上記マグネット部1の周囲に配置する構成としたので、上記コア21と上記マグネット部1との磁気吸着作用を一層大きくすることができる。従って、上記磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として十分に機能させることができる。
以上のように、上記のブレーキ機構によれば、コイル22への通電停止によって上記電機子2のコア間25と上記マグネット部1の各磁極との間に同期して発生する磁気吸着作用を大きくすることができ、この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として機能するので、可動子の停止手段として非接触式のブレーキを実現することができる。
従って、この非接触式ブレーキの実現によって、接触式ブレーキの如く接触部での破損や摩耗等によるブレーキ性能の低下といったことがなく、長期にわたって安定したブレーキ性能を発揮させることができる。
また、非接触式であるから、摩耗によるホコリや粉塵等の問題がないので、防塵機構等を設けることなく、クリーンルーム内の装置等の駆動源にもそのまま適用することができる。
また、この非接触式ブレーキ機構は、リニアモータの推進機構(永久磁石10や電機子2)でもあるので、ブレーキ用に特別な機械要素を設ける必要がなく、リニアモータの構造の複雑化や、小型化の障害となることもない。
さらに、上記マグネット部1の磁界がその全周囲に形成されると共に上記電機子2による電磁界がこのマグネット部1の外周囲に均一に形成されるので、コイル22への通電停止時における、上記マグネット部1と上記電機子2との相互作用(磁気吸着作用)が大きく、大きなブレーキ力を発生させることができる。例えば、このリニアモータを垂直に配置させた場合に停電等によりコイル22に通電停止されたとき、可動子には大きなブレーキ力が働くので、可動子となる電機子2は、落下することなく固定子であるマグネット部1の所定位置(電機子2のコア間25とマグネット部1の各磁極とが向き合う位置)で停止状態に保持される。
(実施の形態2)
図3、図4は、本発明の実施の形態2によるコア付きリニアモータの構成を示す図であり、図3、図4に示すように、この実施の形態2によるコア付きリニアモータは、上記実施の形態1とは異なる形態の電機子2aを用いたものである。
すなわち、その電機子2aとしては、中心にマグネット部1を貫通させる円孔を設けた矩形状の板状のコア23と、マグネット部1に外装可能な大きさのリング状に導線を巻回させたコイル24と有し、この2つのコア23の間に1つのコイル24を配置したコア付きコイル20aをマグネット部1に外装させてその長手方向に複数並設させた構成とするものである。
この電機子2aは、マグネット部1のN極とS極の磁極間に3つのコイル24が並ぶ大きさに形成され、その隣りの3つのコイル24とは導線の巻き方向を逆にしている(図4中のまるばつ印やまるてん印は導線の巻き方向を示す。)。なお、導線の巻き方向を異にしたコイル24の配置は、図4に示すものに限らず、適宜に組合せて配置することができる。図3、図4に示すものでは、マグネット部1の長手方向に9つのコイル24を配置させている。
これらの各コイル24には、正弦波状の励磁電流を順次流し、コイル24内にその軸線方向の磁束が形成され、この磁束がコイル24の両側のコア23を通る電磁界が形成されてその両側のコア23がN極とS極に磁極化されて可動子の推進力となる。そして、上記コイル24には、アナログ式の正弦波状電流そのものを流すものでもよいが、デジタル式の正弦波状電流そのものを流すものでもよく、例えば、PWMやPAM等のパルス制御方式による制御装置を接続してコイル24に正弦波状相当の励磁電流を順次流すようにしてもよい。
また、このものは、電機子2aの両端に保護板32が取り付けられている。なお、この実施の形態2のものは、可動子におけるケース3を省略しているが、実施の形態1のように、ケース(図1に示すケース3等)を電機子2aの外側に設けるようにしてもよい。その他この実施の形態2は、上記実施の形態1と同様の構成を有する。
ところで、このものも、上記マグネット部1および上記電機子2aは、リニアモータの推進機構を構成するが、次のようにして同時に非接触のブレーキ機構をも構成する。すなわち、ブレーキ機構として、上記マグネット部1の各磁極位置には、上記コア23のうち少なくとも幾つかのコア23が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイル20aがマグネット部1の長手方向に並設され、モータ駆動時は、全コイル24に電流を流し全コア23が非磁性化され、上記コイル24への通電停止時には、磁性を取戻したコア23によってマグネット部1の磁気回路を閉じさせる構成とする。図4に示すものでは、コア23が2個おきにマグネット部1の各磁極位置に配置される。
次に、動作を説明すると、上記コア付きリニアモータでは、PWM制御方式やPAM制御方式等による所定の制御装置(図示せず)を使用することにより、電機子2の各コイル24に順次に励磁電流を流すことで、電機子2aにより形成される電磁界とマグネット部1の永久磁石10の磁界との電磁作用により推進力が発生し、可動子となる電機子2aが固定子となるマグネット部1の長手方向に移動される。このものも、マグネット部1の全周囲に磁界が形成されて電機子2aの通電により形成される磁界もマグネット部1の全周囲に形成されるので、上記マグネット部1と上記電機子2aとの相互作用(電磁作用)を大きくし、より大きな推進力を発生させることができる。
なお、このものでも、上記可動子(電機子2)の駆動時は、上記ブレーキ機構によるブレーキがOFFされている。すなわち、図示しない制御装置による他のコイル24には、この励磁電流よりも小さい弱電流を常時流してそれらのコイル24の両端のコア23に一定の磁束を通してコア23の透磁率を略“1”となるように保持し、それらのコア23を非磁性化(磁石にくっ付かない)させてマグネット部1から磁気的影響を受けないようにしている。これによって、ブレーキOFFの作用と同時に、リニアモータ駆動に伴うコギングをも防止することができる。
一方、電源遮断や停電等の通電停止により上記コイル24のすべてに電流が流れなくなると、全コア23が磁性を取戻し、ブレーキがONされる。すなわち、上記マグネット部1の各磁極位置に隣接する上記コア付きコイル20aのコア23が3つおきに同期して配置されるピッチで上記コア付きコイル20aが並設されているので、コア23が磁性を取戻すことによってマグネット部1からの磁界がコア23を通って該マグネット部1の磁気回路を閉じさせる。これにより、コア23とマグネット部1との間で磁気吸着作用が発生し、これがブレーキ力となる。
すると、可動子は、まず惰走状態になり磁性材料からなる各コア24がマグネット部1からの磁気吸引力を受けて減速される。次いで、可動子が停止すると、上記マグネット部1の各磁極から生じた磁束が上記コア23を通過することにより、マグネット部1の磁気回路が閉じられ、これらのコア23とマグネット部1とが大きな磁気吸着作用を発生させる。
そして、上記マグネット部1は、永久磁石10が外周面を構成するシャフト状に形成されるので、このマグネット部1の全周囲に磁束が形成され、また、上記電機子2aは、コア付きコイル20aを上記マグネット部1の周囲に配置する構成としたので、上記コア23と上記マグネット部1との磁気吸着作用を一層大きくすることができる。従って、この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として十分に機能させることができる。
従って、上記のブレーキ機構によれば、コイル24への通電停止によって上記電機子2aのコア23と上記マグネット部1の各磁極との間に同期して発生する磁気吸着作用を大きくすることができ、この磁気吸着作用が可動子の保持力(ブレーキ)として機能するので、可動子の停止手段として非接触式のブレーキを実現することができる。
その他この実施の形態2のものは、上記実施の形態1のものと同様の効果を奏する。
(その他)
なお、本発明は、上記各実施の形態のものに限定されず、例えば、次のように適宜設計変更を施すことが可能である。
(1)上記実施の形態1,2では、上記マグネット部1は、円形のシャフト状とするが、多角形のシャフト状としてもよい。この場合、図1に示すU字形のコア21を用いたコア付きコイル20は、多角形シャフト状のマグネット部1の各平面部に沿って並設させるとよく、また、図3に示す筒型のコア付きコイル20aは、コア23の孔形状やコイル24のリング形状をマグネット部1の多角形と相似形にさせるとよい。
(2)上記実施の形態1,2では、マグネット部1を固定子とし、電機子2,2aを可動子とするが、電機子2,2aを固定するようにして固定子と可動子の両者の関係を逆にしてもよい。
(3)図1に示すものでは、コア付きコイル20をマグネット部1の外周囲に4列配置するが、2列以上の複数列に配置させるものでもよい。ただし、各列のコア付きコイル20は、マグネット部1の外周囲に均一な電磁界が形成されるように、好ましくは隣りの列との間隔が等間隔となるように配置される。
(4)図1に示すタイプのコア付きリニアモータでは、マグネット部1のN極とS極の1つの磁極間に1個のコア付きコイル20が配置されたものであるが、複数個のコア付きコイル20が配置され、隣接するコア付きコイル20のコア間25が幾つかおきにマグネット部1の各磁極位置に同期して配置されるピッチで並設されていてもよい。
(5)図3に示すタイプのコア付きリニアモータでは、マグネット部1のN極とS極の1つの磁極間に3つ分のコア付きコイル20aが配置されたものであるが、3つ分以外の複数個分のコア付きコイル20aが配置されていてもよいし、また、1つの磁極間に1つ分のコア付きコイル20aが配置され、すべてのコア23部分がマグネット部1の各磁極位置に同期して配置されるピッチで並設されていてもよい。
実施の形態1によるコア付きリニアモータの構成を示す一部切欠斜視図である。 実施の形態1によるコア付きリニアモータのブレーキが働いている時の構成を示す断面図である。 実施の形態2によるコア付きリニアモータの構成を示す一部切欠斜視図である。 実施の形態2によるコア付きリニアモータの構成を示す断面図である。 従来のコア付きリニアモータの構成を示す断面図であり、同図(a)は走行時の状態を、同図(b)はブレーキ時の状態をそれぞれ示す。
符号の説明
1 マグネット部、
2 電機子、
2a 電機子、
5 スリーブ、
10 永久磁石、
20 コア付きコイル、
20a コア付きコイル、
21 コア、
22 コイル、
23 コア、
24 コイル、
25 コア間、
211 脚部

Claims (2)

  1. N極とS極の磁極が交互に現われるように形成した永久磁石からなるマグネット部と、該マグネット部の長手方向に沿って並設された複数のコア付きコイルからなる電機子とを備え、上記電機子のコイルに励磁電流を流すことにより該電機子と上記マグネット部とを相対移動させるコア付きリニアモータにおいて、
    上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成され、
    上記電機子は、上記並設されたコア付きコイルが上記シャフト状のマグネット部の周囲に配置され、
    上記コア付きコイルは、磁性材料からなるコアに巻回させたコイルを設けた構成を有し、
    ブレーキ機構は、上記マグネット部の各磁極位置に隣接する上記コア付きコイルのコア間のうち少なくとも幾つかのコア間が同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設され、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、上記コイルへの通電停止時には、磁性を取戻したコアによってマグネット部の磁気回路を閉じさせる構成としたことを特徴とするリニアモータの非接触式ブレーキ機構。
  2. N極とS極の磁極が交互に現われるように形成した永久磁石からなるマグネット部と、該マグネット部の長手方向に沿って並設された複数のコア付きコイルからなる電機子とを備え、上記電機子のコイルに励磁電流を流すことにより該電機子と上記マグネット部とを相対移動させるコア付きリニアモータにおいて、
    上記マグネット部は、永久磁石が外周面を構成するシャフト状に形成され、
    上記電機子は、上記並設されたコア付きコイルが上記シャフト状のマグネット部の周囲に配置され、
    上記コア付きコイルは、上記マグネット部を貫通させた磁性材料からなる2つの板状コア間に該マグネット部に外装可能な大きさのリング状コイルを配置した構成を有し、
    ブレーキ機構は、上記マグネット部の各磁極位置に上記コアのうち少なくとも幾つかのコアが同期して配置されるピッチで上記コア付きコイルが並設され、モータ駆動時は、全コイルに電流を流し全コアが非磁性化され、上記コイルへの通電停止時には、磁性を取戻したコアによってマグネット部の磁気回路を閉じさせる構成としたことを特徴とするリニアモータの非接触式ブレーキ機構。
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