JP2005204194A - ループアンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2次元領域P10を囲むワイヤーp10は開曲線を構成しており、その2つの端点は給電部O10の所で互いに接近している。p10の部分pp10は、2次元領域Q10,R10の各周を形成するワイヤーq10、ワイヤーr10とをつないでいる。ワイヤーp10とワイヤーq10とは、互いに一部分s10を共有している。共有部s10の一部分ss10と共有部t10の一部分tt10とは、略平行に対峙部している。ワイヤーp10は給電部O10を備えたフォールデッドダイポールを形成している。また、上記のワイヤーp10、ワイヤーq10、ワイヤーr10から、上記の共有部s10,共有部t10を除いた残りの部位は、目的のループアンテナにおけるループを構成している。
【選択図】図1
Description
このアンテナは、電波を受信或いは送信するための、略平面状の小形アンテナを構成する場合に大いに有用なものである。
また、図10のループアンテナ120は、この様な多線化構成と略同様の効果を得るために、配線パターン(金属配線L121 )の配線幅を広く確保したものである。
(問題点1)例えばガラスや樹脂などの透光性の絶縁体に、目的のループアンテナを固定する場合に、その絶縁体の透光性が阻害される。
(問題点2)特に、上記の絶縁体が車両の窓ガラスなどである場合には、乗員の視界の確保や、車両の美観などの点で不利になる。
即ち、本発明の第1の手段は、略平面上に展開された金属配線から構成されるループアンテナにおいて、2点1組の給電点からなる1つの給電部Oと、この給電部Oを備えた最外周ループZと、略平行形状の金属配線を有して成るフォールデッドダイポールとを備え、このフォールデッドダイポールと最外周ループZとに、互いに一部分の金属配線を共有させ、最外周ループZに共有されないフォールデッドダイポールの他の金属配線を、最外周ループZの内側に配置された、互いの交点や接点を持たない2本の線路s,tから構成し、フォールデッドダイポールの共振周波数f2 と最外周ループZの共振周波数f1 とを包括する一連の周波数帯域で整合させることである。
以上の本発明の手段により、前記の課題を効果的、或いは合理的に解決することができる。
即ち、本発明の第1の手段によれば、従来よりも短い金属配線で、広帯域で整合する略平面形状の小形アンテナを構成することが可能となる。
ループアンテナとダイポールアンテナとでは共振モードが異なるため、本発明の構成に従えば、上記の共振周波数f1 とf2 とを独立に制御することができる。即ち、上記の各共振周波数f1 、f2 に関連するアンテナの各部の形状や長さなどの設計パラメータを独立に設けることができる。したがって、本発明の構成に従えば、広帯域にわたって整合するループアンテナを構成することができる。
更に、上記の構成に従えば、ループアンテナを構成する上記の1本のループに対して、上記の線路s,tを付加しただけの構成でアンテナ全体を形成することができる。
したがって、本発明によれば、従来よりも少ないループ数又はより短い配線長で、広帯域で整合する略平面形状の小形アンテナを構成することができるので、前述の問題点1や問題点2の何れをも解決することができる。
(1)透光性の絶縁体に、目的のループアンテナを固定する場合には、その絶縁体の透光性が阻害されにくい。
(2)特に、上記の絶縁体が車両の窓ガラスなどである場合には、乗員の視界の確保や、車両の美観などの点で有利となる。
また、本発明の構成に従えば、ループアンテナの固定形態の如何に係わらず、金属線の材料コストを効果的に抑制することができる。
ただし、ここで言う開曲線や単純閉曲線は、金属配線の中心線などと解釈すれば良い。この金属配線は、実際には金属ワイヤー等の周知の金属導体で形成するものであるので、勿論、厳密に言及すれば太さや体積を有する。
この第2の手段は、上記の第1の手段を、周知の開曲線や単純閉曲線等の既成概念(イメージ)を利用して、より具体的に分かり易く説明(再定義)するものである。
この時の距離D1 の適正範囲は、0.005λ2 ≦D1 ≦0.05λ2 である(本発明の第4の手段)。
ただし、ループアンテナの配線パターンは、最終的には、設置場所の形状や面積や、更には視覚的な効果などをも総合的に考慮して決定することがより望ましい。
共振周波数の差(f2 −f1 >0)を受信帯域(又は送信帯域)が2つに分離されない範囲内においてできるだけ大きく設定すれば、目的の受信帯域(又は送信帯域)の帯域幅を効果的に広く確保することができる。この差は、受信帯域(又は送信帯域)が2つに分離されない範囲内においてできるだけ大き方が望ましい。
ただし、本発明の実施形態は、以下に示す個々の実施例に限定されるものではない。また、以下の各実施例では、受信用のアンテナを中心に具体的な実施例を開示するが、本発明のループアンテナが送信用のアンテナとしても利用できることは言うまでもない。
そして、この2次元領域P10を囲む開曲線を形成する金属配線(:ワイヤーp10)と、2次元領域Q10の周(:単純閉曲線)を成す金属配線(:ワイヤーq10)とは、一部の金属配線(:線路s10)を共有している。同様に、2次元領域P10を囲む金属配線(:ワイヤーp10)と、2次元領域R10の周(:単純閉曲線)を成す金属配線(:ワイヤーr10)とは、一部の金属配線(:線路t10)を共有している。
符号D2 は、このフォールデッドダイポールの略平行形状の2線の間隔を表している。即ち、このフォールデッドダイポールは、横手方向(:x軸方向)に長手方向を有しており、縦軸方向(:y軸方向)よりも3〜4倍程度横手方向に長い。T字の左側の端部は、点cよりも先の部分がy軸方向の負の向きに直角に折り曲げられており、T字の右側の端部は、点bよりも先の部分がy軸方向の負の向きに直角に折り曲げられている。また、給電部O10はこのT字の足(:最下部)の略中央に設けられている。
これらの部分を以下、対峙部ss10、tt10、或いは根元部ss10、tt10などと呼ぶことがある。また、この対峙部ss10と対峙部tt10とを合わせて、以下、スタブ(ss10,tt10)と呼ぶことがある。距離D1 は、ss10とtt10との間隔を表しており、この距離D1 を以下、スタブ(ss10,tt10)の幅などと言う。このスタブ(根元部ss10,tt10)は、給電に寄与する。
また、上記のフォールデッドダイポールの2線の間隔D2 の適正範囲は、0.01λ2 ≦D2 ≦0.2λ2 であり、間隔D2 はこの適正範囲で、共振周波数f2 における電圧定在波比(VSWR)が最小化される様に、或いは電圧定在波比(VSWR)が2以下となる受信帯域(又は送信帯域)の幅が最大化される様に、最適化されている。
ただし、図2では、周波数f1 ,f2 は、両者の間にある適当な周波数f0 を用いて規格化して表現してある。本図2の周波数f0 は、電圧定在波比(VSWR)が2以下となる周波数帯域(受信帯域又は送信帯域)における中心周波数に略一致している。
このため、本実施例1のループアンテナ10は、特に、車両等の窓ガラスに配設する場合などに、乗員の視界の確保や車両の美観の点などで非常に有利である。また、この優位性は、車両などにおける移動体通信をアダプティブ受信、或いはダイバーシチ受信により実施する場合に、アンテナを複数用意しなければならないことなどから、特に顕著となる。
しかしながら、2次元領域Q20の周を形成しているワイヤーq20の一部分であるワイヤーqq20は、その2次元領域Q20の周を内側に凹ますことにより最外周ループZを迂回させる迂回路を形成している。同様に、2次元領域R20の周を形成しているワイヤーr20の一部分であるワイヤーrr20は、その2次元領域R20の周を内側に凹ますことにより最外周ループZを迂回させる迂回路を形成している。そして、これらの2つの迂回路(qq20,rr20)の設置は、ループアンテナ20の小型化に寄与している。即ち、この様な迂回路を設けることにより、ループアンテナ20は、実施例1のループアンテナ10の整合/放射特性を概ね維持したまま、更にその設置面積を縮小させている。
この様に、ループを内側に凹ませて迂回路を形成すれば、ループアンテナの設置面積を効果的に縮小させることができる。
そして、図5にその形状を具体的に例示する様に、本発明のループアンテナの配線パターン(ワイヤーp30,q30,r30)の任意の部分は、曲線で構成することも可能である。図形の角張った部位は、視覚的に人の注意を引き易く、目立ち易いが、アンテナの配線形状に極力曲線を取り入れることにより、角張った部分の箇所数を削減することができるので、これにより、視覚的により無視し易い形状のループアンテナを形成することが可能となる。したがって、この様なループアンテナを例えば車両の窓ガラス等に配設すれば、乗員の視界をより良好に確保し易くしたり、車両の美観が損なわれ難くしたりすることができる。
本発明の実施形態は、上記の形態に限定されるものではなく、その他にも以下に例示される様な変形を行っても良い。この様な変形や応用によっても、本発明の作用に基づいて本発明の効果を得ることができる。
例えば、上記の実施例1〜3では、給電部O10の位置を、フォールデッドダイポールの共振部分(:略平行で距離D2 だけ離れた2線)から最も離れた所(下部)に選んだが、給電部O10の位置は、アンテナの下部、中央、上部の何れにも選ぶことができる。
また、上記のループアンテナ41〜43には何れも、ループアンテナのループ上に、給電部を通過する迂回路が形成されている。
図7−A,B,Cのループアンテナ51〜53は、ループ長を増大させる迂回路を2つ以上有し、かつ、給電部近傍のワイヤー(pp51/pp52/pp53)の形状が左右非対称に変形されている例である。また、ループ長を増大させる各迂回路の位置又は形状も、ループアンテナ51〜53では、左右非対称に形成されている。
図8−A,B,Cのループアンテナ61〜63は、ループ長を増大させる迂回路をループの側方から設けたものである。各迂回路(qq61,rr61/qq62,rr62/qq63,rr63)は、何れも左右対称に形成されている。
例えば以上の様な任意の変形を実施した場合においても、本発明の構成に基づいて、本発明の作用・効果を得ることができる。
30 : ループアンテナ
O : 給電部
p : ワイヤー(開曲線を形成する)
q : ワイヤー(単純閉曲線を形成する)
r : ワイヤー(単純閉曲線を形成する)
s : pとqとの共有部
t : pとrとの共有部
pp : pの部分(給電部Oの近傍)
ss : sの一部分(ttとの対峙部)
tt : tの一部分(ssとの対峙部)
D1 : ssとttとの距離
D2 : 略平行形状のフォールデッドダイポールの2線の間隔
Claims (9)
- 略平面上に展開された金属配線から構成されるループアンテナであって、
2点1組の給電点からなる1つの給電部Oと、
前記給電部Oを備えた最外周ループZと、
略平行形状の金属配線を有して成るフォールデッドダイポールと
を有し、
前記フォールデッドダイポールと前記最外周ループZとは、
互いに一部分の金属配線を共有し、
前記最外周ループZに共有されない前記フォールデッドダイポールの他の金属配線は、
前記最外周ループZの内側に配置された、互いの交点や接点を持たない2本の線路s,tから成り、
前記フォールデッドダイポールの共振周波数f2 と前記最外周ループZの共振周波数f1 とを包括する一連の周波数帯域で整合する
ことを特徴とするループアンテナ。 - 互いに接近した2つの端点を有する1本の開曲線を形成する金属配線pと、
1本の単純閉曲線を形成する金属配線qと、
1本の単純閉曲線を形成する金属配線rと
から成り、
前記金属配線pと前記金属配線qは、互いに前記線路sを共有し、
前記金属配線pと前記金属配線rは、互いに前記線路tを共有し、
前記金属配線qと前記金属配線rは、互いに離れて配置され、
2つの前記端点は、前記給電部Oを構成し、
前記金属配線qと前記金属配線rの間に位置する前記金属配線pの部分ppは、
前記給電部Oを備え、かつ、
前記給電部Oを介して、前記金属配線qと前記金属配線rとをつなぎ、
前記金属配線pは、
前記フォールデッドダイポールを形成し、
前記金属配線p,q,rから前記線路sと前記線路tとを除いた残りの部分は、
前記最外周ループZを形成している
ことを特徴とする請求項1に記載のループアンテナ。 - 前記給電部O寄りに位置する前記線路sの一部分ssと、
前記給電部O寄りに位置する前記線路tの一部分ttは、
距離D1 だけ離れて互いに対峙させて配置されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のループアンテナ。 - 前記距離D1 は、
前記共振周波数f2 に対応する波長λ2 に対して、
0.005λ2 ≦D1 ≦0.05λ2
を満たす様に設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載のループアンテナ。 - 前記ループアンテナを構成する金属配線は何れも、
前記給電部Oを通る1本の中心線に対して略線対称形に形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のループアンテナ。 - 前記共振周波数f2 は、
前記共振周波数f1 よりも大きい
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のループアンテナ。 - 前記最外周ループZは、
内側に凹んだ迂回路を有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のループアンテナ。 - 前記フォールデッドダイポールを形成する略平行形状の金属配線の間隔D2 は、
前記共振周波数f2 に対応する波長λ2 に対して、
0.01λ2 ≦D2 ≦0.2λ2
を満たす様に設定されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のループアンテナ。 - 車両の窓ガラスに対して、埋め込み、嵌め込み、貼り付け、溶着、または塗布によって固定されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のループアンテナ。
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