JP2005203328A - 燃料電池システム - Google Patents

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温 荻野
Satoshi Aoyama
智 青山
Hiroyuki Mitsui
宏之 三井
Hiroshi Aoki
博史 青木
Takashi Shimazu
孝 志満津
Satoshi Shiokawa
諭 塩川
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Abstract

【課題】 改質部を備えた燃料電池システムにおいて、改質部への水分供給の応答性を高める。
【解決手段】 炭化水素系燃料と、改質用ガスの供給を受けて、改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質器12と、アノードに前記改質ガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池14と、燃焼用燃料を燃焼させて、改質反応を生じさせるための熱を供給する改質反応熱供給手段と、燃焼用燃料の燃焼により排出された燃焼オフガスを、改質反応の原料として改質器12へ供給する燃焼オフガス流路20と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を生成する改質部を備えた燃料電池システムに適用して好適である。
燃料電池を発電装置として用いる場合、燃料電池のアノードに水素を供給する必要がある。アノードに供給する水素を発生させるため、ガソリン、メタノール、天然ガスなどの炭化水素系燃料から改質反応により水素を取り出す方法が知られている。
改質反応としては、水蒸気改質反応、部分酸化反応など種々の反応がある。一例として、ガソリンの一成分であるイソオクタン(C18)について、その改質反応を以下に示す。
18+8HO → 8CO+17H ・・・(1)
18+4O → 8CO+9H ・・・(2)
上記(1)式で表される反応は水蒸気改質反応であり、上記(2)式で表される反応は部分酸化反応である。水蒸気改質反応は吸熱反応であり、部分酸化反応は発熱反応である。通常、これらの改質反応は改質器と呼ばれる反応器内で行われる。これらの改質反応は、いずれか1つを採用することもできるが、双方を同時に1つの改質器内で起こすことも可能である。
水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、反応を起こすためには外部から熱を供給する必要がある。このため、燃焼用の燃料を改質器の燃焼バーナに供給し、発生した燃焼熱を与えて水蒸気改質反応を発生させる方法が知られている。
燃焼バーナでの燃焼により改質反応を生じさせるシステムにおいて、特開平6−29036号公報には、燃焼により排出された燃焼オフガス中の水分を燃料電池の冷却水系に供給し、燃料電池の発熱で蒸気化した冷却水系の水蒸気を改質器に供給する技術が開示されている。
特開平6−29036号公報
しかしながら、特開平6−29036号公報に開示された方法では、燃料電池の冷却水を介して燃焼オフガス中の水分を間接的に改質器へ供給しており、実際に改質器へ供給される水分は燃料電池の冷却水である。改質反応で必要とされる水分は水蒸気であるため、同公報に記載された方法では、燃料電池が発熱して冷却水が蒸気化されるまでの間は改質器に水蒸気を供給することができない。特にシステムの起動時においては、燃料電池が発熱するまで所定の時間を要するため、冷却水が水蒸気となって改質器へ供給されるまで長時間を要するという問題が生じる。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、改質部を備えた燃料電池システムにおいて、改質部への水分供給の応答性を高めることを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、炭化水素系燃料と、改質用ガスの供給を受けて、改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質部と、アノードに前記改質ガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池と、燃焼用燃料を燃焼させて、前記改質反応を生じさせるための熱を供給する改質反応熱供給手段と、前記燃焼用燃料の燃焼により排出された燃焼オフガスを、前記改質反応の原料として前記改質部へ供給する燃焼オフガス供給手段と、を備えたことを特徴とする。燃焼オフガスは、改質用ガスと同様に炭化水素系燃料と反応して改質ガスを生成する改質原料として利用されるが、改質用ガスの全量を燃焼オフガスで供給することとしても良い。
第2の発明は、第1の発明において、前記改質用ガスを前記改質部へ供給する改質用ガス供給手段と、前記改質用ガス中の水蒸気量を取得する第1の水蒸気量取得手段と、前記燃焼オフガス中の水蒸気量を取得する第2の水蒸気量取得手段と、前記改質反応で必要とされる水蒸気量と、前記第1及び第2の水蒸気量取得手段で取得した水蒸気量とに基づいて、前記改質部への前記燃焼オフガスの供給量を制御する制御手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記制御手段は、前記改質反応で必要とされる水蒸気量に対する前記改質用ガス中の水蒸気量の不足分を、前記燃焼オフガス中の水蒸気で補うように、前記改質部への前記燃焼オフガスの供給量を制御することを特徴とする。
第4の発明は、第2又は第3の発明において、前記改質用ガス供給手段は、水蒸気を生成して前記改質部へ供給する蒸発器、又は前記カソードから排出されたカソードオフガスを前記改質部へ供給するカソードオフガス供給手段であることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、前記改質部へ供給された改質原料のS/C(炭素(C)に対する水蒸気(S)のモル数の比率)を取得する手段を備え、前記S/Cが所定値以下となった場合に、前記燃焼オフガスを前記改質部へ供給することを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記燃焼用燃料として、前記アノードから排出されたアノードオフガスを用いることを特徴とする。
第1の発明によれば、燃焼オフガスを改質反応の原料として改質部へ供給するため、燃焼オフガスに含まれる水蒸気を直接改質部に供給することが可能となり、改質部への水分供給の応答性を高めることが可能となる。また、改質部へ供給する水蒸気を新たに生成する必要がなくなるため、システム全体の効率を高めることが可能となる。
第2の発明によれば、改質反応で必要とされる水蒸気量と、第1及び第2の水蒸気量取得手段で取得した水蒸気量に基づいて、改質部への燃焼オフガスの供給量を最適に制御することが可能となる。
第3の発明によれば、過渡運転時などにおいて、改質反応で必要とされる水蒸気量に対する改質用ガス中の水蒸気量の不足分を、燃焼オフガス中の水蒸気で補うことができる。
第4の発明によれば、蒸発器又はカソードオフガス供給手段から改質用ガスを供給することで、蒸発器で生成した水蒸気、又はカソードオフガス中の水蒸気を改質反応の原料として利用することができる。
第5の発明によれば、改質原料のS/Cが所定値以下となった場合に、燃焼オフガスを改質部へ供給することができるため、改質部へ常に十分な量の水蒸気を供給することが可能となり、改質部でのカーボンの生成を抑止することができる。
第6の発明によれば、アノードから排出されたアノードオフガス燃焼用燃料として用いることで、アノードオフガス中の水素を燃焼させて水蒸気を含む燃焼オフガスを生成することができる。
以下、図面に基づいてこの発明の一実施形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる燃料電池システム10の構成を示す模式図である。燃料電池システム10は、主として、炭化水素系燃料、水、空気を原料として、水素リッチな燃料ガス(改質ガス)を生成する外部加熱可能な熱交換型の改質器12と、改質ガスを燃料とし、空気を酸化ガスとして用いて、電力を発生する燃料電池14とを有している。
燃料電池14は、発電を行う際に水(水蒸気)を生成する種類のものであればよく、具体的には、固体高分子型(PEM)、リン酸型(PAFC)、水素分離膜型等の燃料電池である。例えば固体高分子型を例に挙げると、燃料電池14は、電解質膜、アノード、カソード、およびセパレータとから構成されるセルを複数積層して構成される。アノード、カソードの間には、燃料ガス(改質ガス)および酸化ガスの流路が形成されている。電解質膜は、フッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。アノードおよびカソードは、共に炭素繊維を織成したカーボンクロスにより形成されている。セパレータは、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンなどガス不透過の導電性部材により形成されている。
改質器12は、その機能上から、上記(1)式、(2)式で表される改質反応を生じさせる改質側と、改質反応を行うための熱を供給する燃焼側とに分けることができる。改質側には、燃料としてイソオクタン(C18)を一成分とするガソリンが供給される。また、改質側には、水蒸気、空気(酸素)が供給される。改質側には、改質側へ水蒸気を供給するための蒸発器16が接続されており、蒸発器16に熱を与えることにより改質側へ供給する水蒸気が生成される。
そして、改質側に供給されたこれらのガソリン、水蒸気、空気を原料として、上記(1)式、(2)式で表される改質反応が行われる。なお、改質側へ送る燃料としては、天然ガスなどの他の炭化水素燃料やアルコールなどの含酸素燃料など、種々の炭化水素系燃料を用いることもできる。また、その他、エーテル、アルデヒドなどを燃料として用いることもできる。
改質反応を促進するため、改質側には改質用触媒が備えられている。ガソリンや天然ガスを原料とする場合には、例えばニッケル触媒やロジウム貴金属を改質用触媒として用いることができ、メタノールを原料とする場合には、CuO−ZnO系触媒、Cu−ZnO系触媒などが有効であることが知られている。
改質器12の燃焼側には、燃焼用燃料と燃焼用空気が送られる。そして、燃焼用燃料を燃焼させることにより改質反応を行うための熱が生成される。そして、改質器12の燃焼側から熱を供給することで、改質側に送られたガソリン、水蒸気、空気(酸素)が反応し、上記(1)式、(2)式で示した水蒸気改質反応と部分酸化反応が併せて起こり、改質用触媒がそれらの反応を促進して、水素リッチな改質ガスが生成される。
改質反応により生成された水素リッチな改質ガスは、改質ガス流路18を通って燃料電池14のアノードに供給される。一方、燃料電池14のカソードには、酸化ガスとしての空気(カソードガス)が供給される。燃料電池14のアノードでは、改質ガスが送り込まれると、この改質ガス中の水素から水素イオンを生成し(H→2H+2e)、カソードは、酸化ガスが送り込まれると、この酸化ガス中の酸素から酸素イオンを生成し、燃料電池14内では電力が発生する。また、これと同時にカソードにおいて、上記の水素イオンと酸素イオンとから水が生成される((1/2)O+2H+2e→HO)。この水のほとんどは、燃料電池14内で発生する熱を吸収して水蒸気として生成される。
図1に示すように、燃料電池14のアノードは、アノードオフガス流路16によって改質器12の燃焼側と接続されている。改質ガスに含まれる水素のうち、アノードで反応しなかった水素はアノードオフガス中に残存している。本実施形態では、アノードオフガス流路16からアノードオフガスを燃焼側へ送り、アノードオフガスを上述した燃焼用燃料として用いる。燃焼側には白金(Pt)等の触媒が備えられており、アノードオフガス中に残存する水素と、燃焼用の空気中の酸素とが反応して発熱反応が行われる。これにより、燃焼側において、水蒸気改質反応を行うための熱が発生される。
なお、改質器12の燃焼側は、改質器12とは別に設けた燃焼器を含む構成としても良い。図2は、改質器12と燃焼器13を別体に構成した例を示す模式図である。この場合、燃焼用燃料と燃焼用空気を燃焼器13で燃焼させ、燃焼器13から排出された高温の燃焼ガスを改質器12に送り、改質反応を行うための熱を供給する。
図1、図2に示すように、燃焼側から排出された排気ガス(燃焼オフガス)を改質側へ送るため、燃焼オフガス流路20が設けられている。アノードガスを燃焼用燃料として用いると、アノードオフガス中の水素が燃焼して水(水蒸気)が発生するため、アノードオフガス中には水蒸気が含まれている。従って、燃焼オフガス流路20から燃焼オフガスを改質側に供給することで、改質側で必要とされる水蒸気を供給することが可能となる。また、燃焼側では、窒素酸化物の発生を抑えるために通常リーン燃焼が行われるため、燃焼オフガスには酸素が含まれている。従って、燃焼オフガス中の酸素を改質側へ供給することも可能である。
このように、燃焼オフガス流路20から改質側へ水蒸気を供給することで、蒸発器16から改質器へ供給する水蒸気量を減少させることができる。更に、燃焼オフガス中の水蒸気量が改質側で必要とされる水蒸気量以上の場合は、改質側で必要とされる水蒸気の全てを燃焼オフガスから供給することができ、蒸発器16による水蒸気の供給を停止することも可能となる。従って、燃焼オフガスを改質側に供給することで、蒸発器16で水蒸気を生成するために必要となる熱量を大幅に減少させることができ、燃料電池システム10の全体的な効率を高めることができる。
特に、過渡運転時など燃料電池14に要求される電力量が過渡的に増加する場合は、蒸発器16から供給される水蒸気量が一時的に不足し、電力供給のレスポンスが低下する場合がある。本実施形態では、燃焼オフガス中の水蒸気を改質反応に利用できるため、過渡運転時においても、改質反応に必要となる十分な水蒸気を供給することができる。従って、燃料電池14の要求に応じた十分な量の改質ガスを生成することができ、燃料電池14による電力供給の応答性を大幅に向上させることが可能となる。
燃焼オフガス流路20には三方弁22が設けられている。三方弁22は、改質側へ供給する燃焼オフガスを分配し、適量を排気する機能を有している。従って、三方弁22により燃焼オフガスの分配量を可変することで、改質側に供給する燃焼オフガスの量を制御することができる。
例えば、過渡運転時等において蒸発器16から改質側へ供給される水蒸気量が不足した場合は、三方弁22の開度を制御して、水蒸気の不足分を補うように燃焼オフガス供給量を増加する。以下、図3のフローチャートに基づいて、過渡運転時に、燃焼オフガスを改質側へ供給する制御を具体的に説明する。
図3では、過渡運転時において、改質器12への改質ガスの要求量が条件Aから条件Bに増加した場合を想定する。この場合、改質反応を促進してより多くの改質ガスを発生させる必要があるが、蒸発器16による水蒸気の供給量が条件Aから条件Bへの改質ガス要求量の増加に追随できない場合、水蒸気の供給遅れが生じ、一時的に改質側で水蒸気が不足してしまう。図3の処理は、蒸発器16による水蒸気の供給に遅れが生じた場合に、燃焼オフガスを供給して供給遅れ分を補償するものである。
先ずステップS1では、現在の運転状態が過渡運転時であるか否かを判定する。過渡運転時の場合はステップS2へ進み、過渡運転でない場合、すなわち定常運転の場合はステップ10へ進む。
次のステップS2では、蒸発器16への熱供給量を増加して、蒸発器16における水蒸気発生量を増加させる。次のステップS3では、条件Bにおいて改質側で必要とされる燃料、空気、水蒸気の量をそれぞれ算出する。
次のステップS4では、ステップS3で算出された水蒸気量が蒸発器16による水蒸気供給量より大きいか否かを判定する。すなわち、ここでは、(条件Bで必要な水蒸気量)>(蒸発器による水蒸気供給量)であるか否かを判定する。蒸発器16による水蒸気供給量は、蒸気流量計から検出しても良いし、蒸発器16への供給水量から取得しても良い。
ステップS4で(条件Bで必要な水蒸気量)>(蒸発器による水蒸気供給量)の場合は、蒸発器16による水蒸気供給のみでは、改質側への水蒸気の供給について供給遅れが生じることが予想できる。従って、この場合はステップS5へ進み、改質側で必要とされる水蒸気量のうち、供給に遅れが予想される分については、燃焼オフガスを改質側へ供給して遅れ分を補償する制御を実施することを決定する。一方、ステップS4で(条件Bで必要な水蒸気量)≦(蒸発器による水蒸気供給量)の場合は、ステップS10へ進み、蒸発器16で発生させた水蒸気のみを改質側へ送る通常の制御を実施する。
次のステップS6では、燃焼オフガスを改質側へ供給する際の三方弁22の開度を算出する。この場合の三方弁22の開度は、下式から算出することができる。
三方弁開度(%)=(改質側不足水分量/燃焼オフガス含有水分量)×100
ここで、三方弁開度が0%の場合は燃焼オフガスの全量が排気され、三方弁開度が100%の場合は燃焼オフガスの全量が改質側へ供給されるものとする。上式において、改質側不足水分量は、供給に遅れが予想される水蒸気量である。改質側不足水分量は、条件Bで必要な水蒸気量から蒸発器16による水蒸気供給量を減算することで求まる。また、燃焼オフガス含有水分量は燃焼オフガス中の水蒸気量であって、燃焼側に供給したアノードオフガス中の水素量から、又は蒸気流量計を用いて求めることができる。このように、燃焼オフガス中の水分量(燃焼オフガス含有水分量)に対する改質側不足水分量の割合から、三方弁22の開度を求めることができる。
次のステップS7では、条件Bで必要とされる改質原料(燃料、空気、水蒸気)を改質側へ供給し、上式から求めた開度に三方弁22の状態を設定する。これにより、三方弁22の開度に応じた量の燃焼オフガスが改質側へ流れる。
次のステップS8では、改質側への改質原料の供給を継続した状態で、予め設定した所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合はステップS9へ進み、所定時間が経過していない場合はステップS8で待機する。
次のステップS9では、蒸発器16により改質側へ供給される水蒸気量が、条件Bで必要とされる水蒸気量以上であるか否かを判定する。すなわち、ここでは、(蒸発器による水蒸気供給量)≧(条件Bで必要な水蒸気量)であるか否かを判定する。
ステップS9で(蒸発器による水蒸気供給量)≧(条件Bで必要な水蒸気量)の場合は、ステップS2で蒸発器16への熱供給量を増加したことにより、蒸発器16のみで条件Bに必要とされる水蒸気を供給できる状態になったため、ステップS10へ進み、三方弁22の開度を0%として燃焼オフガスの全量を排気し、蒸発器16のみから改質側へ水蒸気を供給する通常の制御に戻る。
一方、ステップS9で(蒸発器による水蒸気供給量)<(条件Bで必要な水蒸気量)の場合は、ステップS11へ進む。ステップS11では、現時点で蒸発器16から改質側に供給されている水分量を測定または推定し、ステップS6と同様にして三方弁22の開度を再設定する。ステップS11で三方弁22の開度を再設定した後は、ステップS8へ戻り、ステップ8以降の処理を再度行う。
図3の処理において、改質側へ供給された炭素(C)に対する水蒸気(HO;Steam)のモル数の比をS/Cとすると、ステップS7,S11では、条件Bで改質側へ供給される改質原料(炭素、水蒸気)のS/Cが、条件Aと同等となるように三方弁22の開度を設定することが好適である。すなわち、条件Aから条件Bへ移行する過程において、S/Cに大きな変動を与えないように制御を行うことが望ましい。
また、水蒸気改質反応では、(1)式で示されるように、8モルの炭素(C)と8モルの水蒸気(HO)が反応するため、理論上はS/C=1で反応が行われる。しかし、理論値よりも水蒸気量が不足するとカーボンが発生し易くなるため、最低でもS/C≧1.5を満足するように三方弁22の開度を設定し、改質側へ多めに水蒸気を供給することが望ましい。これにより、カーボンの排出を抑止することができる。
以上のように図3の処理によれば、過渡運転時において、条件Bで必要とされる水蒸気が蒸発器16で生成されるようになるまでの間は、燃焼オフガスの適量を改質側に供給することで、改質側への水蒸気供給の遅れを補償することができる。従って、過渡運転時であっても電力要求量に応じた改質ガスを生成することができ、燃料電池14の応答性を大幅に高めることが可能となる。
なお、定常運転時においても、供給原料等から推定される改質器12の温度よりも実際の温度が高くなった場合は、センサによる検出誤差等の要因から改質原料のS/Cが低下する場合がある。このような場合においても、燃焼オフガスを改質側へ供給することで、水蒸気の不足分を燃焼オフガスで補償することができる。この場合、条件Aで必要な水蒸気量に対して、不足が見込まれる水蒸気量を加算した値を、条件Bで必要な水蒸気量とし、図3の処理を行うことで、三方弁22の開度を適切に制御することができる。
また、図3の処理では、過渡運転時に燃焼オフガスを改質器12へ供給するように制御を行ったが、改質部へ投入される改質原料のS/Cをモニタし、S/Cが所定値以下となった場合に、燃焼オフガスを改質部へ供給するようにしても良い。これにより、改質側でのカーボンの生成を抑止することができる。
また、通常の制御において、燃焼オフガスの全量を改質側へ供給し、水蒸気供給量が不足した場合のみ、蒸発器16から水蒸気を供給するように制御しても良い。
図4は、本実施形態の他の例を示す模式図である。図4のシステムでは、蒸発器16を設けずに、カソードオフガス流路24から改質側へカソードオフガスを送り、改質反応で必要となる酸素、水蒸気をカソードオフガスから供給する。アノードに供給された改質ガス中の水素と完全に反応させるため、カソードには十分な量の酸素を含むカソードガスが供給される。従って、カソードから排出されたカソードオフガスには、カソードで生成された水蒸気の他、酸素も多く含まれている。このため、カソードオフガスを改質器12の改質側へ供給することで、カソードオフガス中の水蒸気、酸素を改質反応の原料として用いることができる。カソードオフガス中の水蒸気量は蒸気流量計から求めることができるが、燃料電池14の動作温度が100℃以下の場合は、カソードオフガスの温度から求めた飽和蒸気圧から算出できる。また、動作温度が100℃より高い場合は、燃料電池14から発生した放電量に基づいて求めることができる。従って、図4のシステムにおいても、カソードオフガス中の水蒸気量と燃焼オフガス中の水蒸気量とに基づいて、図3と同様の制御が可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、燃焼オフガスを改質器12の改質側へ供給するようにしたため、改質側で必要とされる水蒸気を燃焼オフガスによって供給することが可能となる。これにより、蒸発器16で水蒸気を生成するための熱供給を最小限に抑えることができ、燃料電池システム10の全体的な効率を高めることができる。また、燃焼オフガス中の水蒸気、酸素を改質反応に利用することで、過渡運転時に改質原料としての水蒸気が不足してしまうことを抑止でき、過渡運転時の電力供給の応答性を大幅に向上させることが可能となる。また、カソードオフガスを改質原料として改質側に供給した場合においても、カソードオフガス中の水蒸気の不足分を燃焼オフガスで補うことが可能となる。
なお、上述した実施形態では、改質器12の燃焼側での燃焼用燃料としてアノードオフガスを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。燃焼により水が生成される燃料(ハイドロカーボン系燃料)であれば燃焼用燃料として用いることができ、燃焼オフガス中の水分を改質反応の原料として利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる燃料電池システムの構成を示す模式図である。 燃焼器から改質器へ燃焼ガスを供給する場合のシステム構成を示す模式図である。 過渡運転時に、燃焼オフガスを改質側へ供給する処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の他の例を示す模式図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 改質器
14 燃料電池
16 蒸発器
20 燃焼オフガス流路
22 三方弁
24 カソードオフガス流路

Claims (6)

  1. 炭化水素系燃料と、改質用ガスの供給を受けて、改質反応により水素を含む改質ガスを生成する改質部と、
    アノードに前記改質ガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池と、
    燃焼用燃料を燃焼させて、前記改質反応を生じさせるための熱を供給する改質反応熱供給手段と、
    前記燃焼用燃料の燃焼により排出された燃焼オフガスを、前記改質反応の原料として前記改質部へ供給する燃焼オフガス供給手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記改質用ガスを前記改質部へ供給する改質用ガス供給手段と、
    前記改質用ガス中の水蒸気量を取得する第1の水蒸気量取得手段と、
    前記燃焼オフガス中の水蒸気量を取得する第2の水蒸気量取得手段と、
    前記改質反応で必要とされる水蒸気量と、前記第1及び第2の水蒸気量取得手段で取得した水蒸気量とに基づいて、前記改質部への前記燃焼オフガスの供給量を制御する制御手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記改質反応で必要とされる水蒸気量に対する前記改質用ガス中の水蒸気量の不足分を、前記燃焼オフガス中の水蒸気で補うように、前記改質部への前記燃焼オフガスの供給量を制御することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質用ガス供給手段は、水蒸気を生成して前記改質部へ供給する蒸発器、又は前記カソードから排出されたカソードオフガスを前記改質部へ供給するカソードオフガス供給手段であることを特徴とする請求項2又は3記載の燃料電池システム。
  5. 前記改質部へ供給された改質原料のS/C(炭素(C)に対する水蒸気(S)のモル数の比率)を取得する手段を備え、
    前記S/Cが所定値以下となった場合に、前記燃焼オフガスを前記改質部へ供給することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃焼用燃料として、前記アノードから排出されたアノードオフガスを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
JP2004011183A 2004-01-19 2004-01-19 燃料電池システム Withdrawn JP2005203328A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013196911A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Osaka Gas Co Ltd 燃料電池システム
JP7445416B2 (ja) 2019-12-02 2024-03-07 日産自動車株式会社 燃料電池システムの制御方法、及び、燃料電池システム

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