JP2005203115A - 両面塗工方法および塗工された電極 - Google Patents

両面塗工方法および塗工された電極 Download PDF

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健治 小島
Hiromoto Taguchi
博基 田口
Shinichi Tasaki
信一 田▲さき▼
Tsutomu Fujii
勉 藤井
Nobuo Ando
信雄 安東
Mitsuru Nagai
満 永井
Yukinori Hado
之規 羽藤
Chiaki Marumo
千郷 丸茂
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Abstract

【課題】表裏面を貫通する孔を有した集電体(多孔質基材)上に電極層を形成するために活物質を含む塗料の塗工時に、集電体の裏側への塗料抜け、厚みむらや摩擦を生じて集電体が切れる等の不具合のない塗工方法を提供する。
【解決手段】表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、ダイの塗料噴き出し対向部に、多孔質基材を挟み込む形でロールバー5を並行に宛がい、ダイの塗料噴き出し部とロールバーの間に塗料の液溜まり6を作ることにより、活物質を含む塗料を多孔質基材に対し表裏両面を塗工する。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗料の塗工に際して、ラス、エキスパンドメタル、エッチング、パンチング箔などの表裏貫通孔を備えた多孔質基材に対する塗料の両面塗工方法に関する。
近年、環境問題がクローズアップされる中、太陽光発電や風力発電によるクリーンエネルギーの貯蔵システムや、電力の負荷平準化を目的とした分散型電源、あるいはガソリン車にかわる電気自動車用あるいはハイブリッド電気自動車用の電源(メイン電源と補助電源)の開発が盛んに行われている。
また、自動車の電装設備の電源としては、これまで鉛電池が用いられていたが、最近ではパワーウインドーやIT関連機器の搭載などが充実してきたこともあり、これらの用途においてもエネルギー密度、出力密度の高い新しい電源が求められるようになってきている。
こうした駆動電源等を含めた蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタが注目されている。しかしながら、リチウムイオン電池はエネルギー密度は高いものの出力特性、安全性やサイクル寿命には問題を残している。一方、電気二重層キャパシタは、ICやLSIのメモリーバックアップ用電源として広く利用されている電子部品であり、一充電当たりの放電容量は電池に比べて小さいものの、瞬時の充放電特性に優れ、数万サイクル以上の充放電にも耐えるという、リチウムイオン電池やニッケル水素電池にはない高い出力特性とメンテナンスフリー性を備えている。
電気二重層キャパシタはこうした利点を有してはいるが、一般的な電気二重層キャパシタのエネルギー密度は3〜4Wh/l程度で、リチウムイオン電池に比べて二桁程度小さいため、電気自動車用途などの高エネルギー密度が要求される駆動電源としては、未だ実用化レベルに到達していないのが現状である。電気自動車用途を考えた場合、実用化には6〜10Wh/l、普及させるには20Wh/lのエネルギー密度が必要であるといわれている。
こうした高エネルギー密度、高出力特性を要する用途に対応する蓄電装置としては、近年、ハイブリットキャパシタと呼ばれる蓄電装置が注目されている。電極には、電極−電解液界面において電荷の移動を伴う(ファラデー反応)非分極性電極と、電荷の移動を伴わない(非ファラデー反応)分極性電極がある。
一般に電池は両極に非分極性電極を用いた構成であり、電気二重層キャパシタは両極に分極性電極を用いた構成であるが、ハイブリットキャパシタと呼ばれるものは、片極に分極性電極を、もう片極に非分極性電極を用いた構成である。電池の高いエネルギー密度と電気二重層キャパシタの高い出力特性を兼ね備えた蓄電装置として開発が活発化している。
高エネルギータイプのキャパシタ関連としては、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる材料に、予め化学的方法又は電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵させた材料を負極に用いるキャパシタが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、自動車用電源など大型セルを対象とした場合において、予めリチウムを負極に担持させる方法としては、正極集電体および負極集電体がそれぞれ表裏に貫通する孔を備え
、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムと電気化学的接触により担持される有機電解質電池が提案されている(例えば、特許文献3参照)。該発明においては、電極集電体に表裏面を貫通する孔を設けることにより、リチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるため、積層枚数の多いセル構成の蓄電装置においても、当該貫通孔を通じて、リチウム近傍に配置された負極だけでなくリチウムから離れて配置された負極にもリチウムを電気化学的に担持させることが可能となる。また、当該貫通孔を通じてリチウムイオンが自由に各極間を移動できるため、充放電がスムーズに進行する。
また、正極、負極、並びに、リチウムイオンを移送可能な電解質を備えた有機電解質キャパシタであって、正極がリチウムイオンおよびアニオンを可逆的に担持可能であるとともに、負極がリチウムイオンを可逆的に担持可能であり、負極活物質の単位重量当たりの静電容量が、正極活物質の単位重量当たりの静電容量の3倍以上であり、かつ、正極活物質重量が負極活物質重量よりも大きく、負極には予めリチウムが担持されている有機電解質キャパシタが提案されている。該発明においては、静電容量の異なる正極と負極の活物質量比を適切に制御することにより、大型セルにおいて高エネルギー密度を達成している(例えば、特許文献4参照)。
該発明において重要となるのは、例えばエキスパンドメタルのような表裏面を貫通する孔を有した集電体上に電極層を形成することである。従来の電極の塗工方法は、ダイコーターやロールコーター、コンマコーター、グラビアコーター等を用いて、例えばアルミニウム箔のように表裏面を貫通した孔を有しない集電体に対し、片面に塗工した後乾燥工程を経て、もう片面に同様に塗工を施していた。
また、両面塗工の方法も提案されており、垂直方向に走行する基材の搬送路の両側に一対のダイを配し、この一対のダイの上方に一対のブレードを設けて、ダイから吐出された塗料をブレードで掻き落として塗工厚みを制御するツインブレード法(例えば、特許文献5参照)やダイの塗料噴出し圧力により塗工厚みを制御する両面塗工方法(例えば、特許文献6参照)などがある。
また、両面塗工精度の改善を図った例がいくつかあるが(例えば、特許文献7〜10)、いずれの方法も基材の両側に2台のダイを宛がい両面塗工を行っている(本願、図1参照)。
特開平3−233860号公報(第4ページ、第8欄、第20〜26行) 特開平5−325965号公報(第0015段落) 国際公開第WO98/33227号公報(第5ページ第10行目〜第6ページ第5行目、図1〜図8) 特願平13−200213号(特許請求の範囲) 特公昭55−46223号公報(第2ページ第3欄第32行目〜第4欄第39行目、Fig.1、Fig.2、Fig.3) 特開平3−72976号公報(第2ページ第3欄第5〜21行目、第1図) 特開平8−206567号公報(第0012〜0014段落、図1、図3、図4、図5) 特開平10−34050号公報(第0013段落、図2、図5、図7、図8) 特開平10−216603号公報(第0009段落、図1,図2、図5、図7、図8) 特開2001−170541号公報(第0013段落、図1、図2、図3)
ラスやエキスパンドメタルなどの表裏面を貫通する孔を有した集電体上に電極層を形成するために、活物質を含む塗料のロールコーターやコンマコーターを用いた片面毎の塗工では、集電体の裏側へ塗料が抜け、コーターのヘッドと押さえローラーとの間に塗料が付着し、厚みむらを生じたり、摩擦を生じて集電体が切れる等の不具合が生じていた。
また、上述のごとく提案されているように集電体の両側に対向する一対のダイを宛がい、いわゆる集電体の両面から塗料を塗布する両面塗工の場合、必ず2台のダイを必要とし、そのため各ダイに対して必要となる塗料タンクや供給ポンプ、フィルター、配管などがそれぞれ2セット必要となっていた。
また、塗工厚さや表面状態を制御するためには、2台のダイのクリアランスや塗料の吐出量、ダイリップ部のクリアランスなど厳密に調整する必要があった。
また、該集電体は強度が無孔箔に比べ弱い上に孔を有しているため、100μm以下という薄い電極を製造するのが困難であった。
また、コンマコーターなどの一般的な横型の塗工機に、ラスやエキスパンドメタルなどの表裏面を貫通する孔を有した集電体を搬送すると、回転しているローラーに塗料が転写してしまい、すぐに薄切れを起こしてしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ラスやエキスパンドメタルなどの表裏面を貫通する孔を有した基材(集電体)上に、簡便に塗料の両面塗工を行う方法および電極を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、表裏貫通孔を備えた基材に、活物質を含む塗料の両面塗工を行う際に、1台のダイと1本のロールバーを用いることにより両面塗工が可能であることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、
[1]蓄電装置の電極において、表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、ダイ の塗料噴き出し対向部に、多孔質基材を挟み込む形でロールバーを並行に宛がい、ダイの 塗料噴き出し部と多孔質基材および多孔質基材とロールバーの間に塗料の液溜まりを作る ことにより、活物質を含む塗料を多孔質基材に対し表裏両面を同時に塗工することを特徴 とする両面塗工方法である。また、
[2]表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、[1]記載の方法にて塗工して 得られた電極である。
従来の一般的な両面塗工は、図1に示すように、基材の両側に対向する一対のダイ2を宛がい、各ダイ2の塗料噴出し部であるダイリップ3から吐出される塗料4を基材1の両
面に同時塗工していた。それに対し本発明では、図2に示すように1台のダイ2だけを用い、そのダイ2の塗料噴出し部であるダイリップ3の対向部に、多孔質基材7を挟み込む形でロールバー5を並行に宛がい、多孔質基材7とロールバー5の間に塗料の液溜まり6を作ることにより、多孔質基材7に対し塗料を表裏両面塗工することを可能としたものであり、工程が簡略化でき好適である。更に、設備として安価となり好適である。また、一つのダイで両面同時に塗工するため薄膜化する方法としても好適である。
本発明の両面塗工方法は、表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、ダイの塗料噴き出し対向部に、多孔質基材を挟み込む形でロールバーを並行に宛がい、ダイの塗料噴き出し部と多孔質基材および多孔質基材とロールバーの間に塗料の液溜まりを作ることにより、多孔質基材に対し塗料を表裏両面に同時に塗工することを特徴とした両面塗工方法である。
本発明において、表裏貫通孔を備えた多孔質基材としては、例えば電池やキャパシタなどの用途で提案されている種々の材質を用いることができ、正極用基材(集電体)にはアルミニウム、ステンレス等、負極用基材(集電体)にはステンレス、銅、ニッケル等をそれぞれ好適に用いることができる。また、形状としては例えばエキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔を付与した多孔質箔等を挙げることができる。
電極基材(集電体)の厚さは、正極用、負極用が同じ厚さでもよいが、材質が異なる場合、比重の重い方を薄くする方がセル容積当たりの重量を低減する上での効果が大きい。例えば、正極用としてアルミニウム、負極用として銅を用いた場合、負極用を正極用より薄くすることが、より好ましい。
電極基材(集電体)の貫通孔の形態、数等は、電解液が電極基材(集電体)に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、適宜設定することができる。
この電極基材(集電体)の気孔率は、{1−(基材重量/基材真比重)/(基材見かけ体積)}の比を百分率に換算して得られるものと定義する。本発明用いる電極基材(集電体)の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%、さらに好ましくは30〜50%、最も好ましくは、35〜45%である。また、本発明に用いる基材の厚みは特に限定するものでは無いが、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μmである。
本発明において両面塗工される電極の厚みは、特に限定されるものではないが、通常30〜300μm、好ましくは40〜200μm、より好ましくは50〜100μmである。
例えば負極にリチウムを担持させるのに、電極基材(集電体)の気孔率が高い場合には、担持させるのに要する時間が短く、リチウムの担持むらも生じにくいが、電極基材(集電体)の強度は低下し、皺や切れが発生しやすい。また、貫通孔に活物質等を保持させることが困難となり、活物質等の脱落、電極の切れ等により、電極製造歩留まりが低下する等の問題が生じる。
一方、気孔率が低い場合には、負極にリチウムを担持させるのに要する時間が長くなり生産効率の低下およびセル特性のバラツキ増大などの問題が発生するが、電極基材(集電体)の強度は高くなり、活物質の脱落も起こりにくいため電極歩留まりは高くなる。電極基材(集電体)の気孔率や孔径は、電池の構造(積層タイプや捲回タイプなど)や生産性
を考慮し、上述の範囲で適宜選定することが望ましい。
多孔質基材は帯状であり、厚さは特に限定されないが厚さ5〜50μmが好適であり、さらには厚さ10〜40μmが好適である。また、幅も特に限定されないが約100〜1000mm、さらには約200〜500mmが好適である。
図4に、多孔質基材の一例を示す。図4(a)は、気孔率38%のエキスパンドメタル、図4(b)は気孔率37%の金属網、図4(c)は気孔率34%パンチングメタルの例である。図4(c)の例では、電極集電体の貫通孔は丸状であるが、貫通孔の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図4(d)に示す四角状(気孔率45%)、図4(e)に示す十文字状(気孔率35%)等、適宜設定できる。
本発明における用いる塗料は、活物質とバインダ樹脂等からなり、多孔質基材に塗布されるものである。
活物質は特に限定されないが、電池またはキャパシタ用の電極の場合、粉末状、粒状、短繊維状等の成形しやすい形状にある炭素材料や酸化物等の活物質が含まれる。該活物質としては、正極活物質として例えばコークス、ピッチ、樹脂やヤシ殻、おがくずなどの植物などを出発原料とし、水蒸気、二酸化炭素や水酸化カリウムなどを用いて賦活した各種活性炭や導電性高分子、ポリアセン系物質、細孔直径2.0〜50nmのメソポアが顕著に発達したメソポアカーボン等の炭素材料や、LiCoO2、LiNiO2やMnO2等の金属酸化物等を用いることができる。
また、負極活物質としては、例えば天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト、コークス、ピッチ、熱硬化性樹脂、ヤシ殻や樹木などを出発原料とする種々の炭素材料、炭素繊維、ポリアセン系物質、錫酸化物、珪素酸化物等を用いることができる。中でもポリアセン系有機半導体(PAS)は、アモルファス構造を有することから、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮といった構造変化がないためサイクル特性に優れ、またリチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造(高次構造)であるため急速充電、急速放電にも優れた特性を有することから負極活物質として特に好適である。
塗料は該活物質をバインダー樹脂と混合して作製される。電池またはキャパシタ用電極のバインダー樹脂としては、用いる電解液に不溶のものであればよく、水を分散媒もしくは溶剤として用いる水系樹脂あるいは、アルコールやN−メチルピロリドン等の有機溶剤を分散媒もしくは溶剤として用いる非水系樹脂を用いることができる。例えば共重合ポリマーのポリ(スチレンーブタジエン)(以下、SBRと省略する)等のゴム系バインダー樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂は水系樹脂であり、フェノール樹脂やメラミン樹脂は組成により水系樹脂としても非水系樹脂としても用いることができる。
また、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂などは、エマルジョン化することにより、水系樹脂として用いることができる。一方、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド・イミド共重合樹脂は非水系樹脂の代表的な例である。これらの中でもフッ素系、水系のSBR系樹脂、アクリル系樹脂、非水系のフッ素系樹脂が好ましい。
バインダー樹脂の混合比は、上記活物質に対して重量基準で1〜20%、好ましくは2〜10%、特に好ましくは2〜5%である。
塗料の活物質等の固形分濃度については特に限定するものでは無いが、通常10〜70%、好ましくは12%〜60%程度であり、凝集物が無く、均一な液状を有する塗料が好
適に用いられる。
塗料の粘度についても特に限定するものでは無いが、20℃で通常50〜5000[mPa・s]、好ましくは100〜2000[mPa・s]程度の塗料を好適に用いることができる。
また、塗料の供給速度は特に限定されるものではないが、例えば100mm幅の多孔質基材では1〜100ml/minが好適であり、更には2〜30ml/minが好適である。この事によって前述の厚みの電極が得られるのである。
次に、本発明の塗工機全体の概要を説明する。図3に示すように、多孔質基材原反フープ10から送り出された多孔質基材7はガイドロール12a〜12hを介して塗工部11のダイ2とロールバー5の間を通って垂直方向に引き上げられ、電極フープ9として巻き取られる。
この時、塗工部11で両面に塗工された多孔質基材7は乾燥炉8の中を通過する際に両面に塗工された塗料が乾燥されるので、多孔質基材7の送り速度は乾燥炉8の中で充分に塗料が乾燥されるよう設定しなければならない。乾燥が不充分であれば、乾燥炉8の上部に位置したガイドロール12eに塗料が転着し、均一な電極が得られない場合が多い。充分乾燥するためには乾燥炉を長くすれば送り速度を速くすることができ好適である。
また、多孔質基材7は表裏面を貫通する孔を有しない箔よりも強度が弱く、強いテンションで巻き取ると伸びたり、切れたりすることもあるので、注意が必要である。
本発明における塗工部11の詳細を図2に示す。多孔質基材7の右側に配置したロールバー5の材質はステンレスや樹脂等、塗料との相性に応じて適宜設定できる。またロール径も塗料の粘度、性状あるいは塗工される膜厚等に応じて適宜設定するのが望ましい。
また、塗料の粘度、性状によってはロールバー5と多孔質基材7との距離によって、液溜り6が生じない場合があるので注意が必要である。この場合は、片面のみの塗工になる。
以下具体的な実施例により詳細を説明する。
(実施例1)
(負極PAS塗料の製造法)
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で、更に10℃/時間の速度で650℃まで昇温し、熱処理し、PASを合成した。かくして得られたPAS板をボールミルで粉砕することにより、平均粒子径が7μmのPAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.22であった。
次に、上記PAS粉体92重量部、アセチレンブラック粉体4重量部、SBR4重量部、カルボキシメチルセルロース3.2重量部に対しイオン交換水を添加して固形分が50〜60%となる組成にて充分混合することにより塗料を得た。
(負極1の製造方法)
集電体として厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)を図3に示すように原反フープ設置ロールに固定し、該エキスパンドメタル
をガイドロールを経由してダイとロールバーの間を通し、2mの乾燥炉内を通して巻取り部に固定した。巻取りのテンションは5Nとし、エキスパンドメタルの送り速度を0.5m/minとした。乾燥炉内の温度は70℃に設定した。
また、ダイとロールバーの隙間を300μm、ダイリップの隙間を150μmとして、該負極PAS塗料を吐出させて両面塗工を行い、プレス後負極全体の厚さ(両面の負極電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が82μmの負極1を得た。
(実施例2)
ダイとロールバーの隙間を200μmにする以外は実施例1と同様に両面塗工を行うことにより、全体の厚さが105μmの負極2を得た。
(実施例3)
(正極活性炭塗料の製造法)
ヤシ殻を原料とし、電気炉中に入れ窒素気流下で50℃/時間の速度950℃まで昇温した後、窒素/水蒸気1:1の混合ガスにより2時間賦活することにより、比表面積1860m2/gの活性炭を製造した。該活性炭をボールミル粉砕機で粉砕して平均粒子径が5μmの活性炭粉末を得た。
上記活性炭粉末92重量部、アセチレンブラック粉体4重量部、SBR4重量部、カルボキシメチルセルロース1重量部に対し、イオン交換水を加えて固形分が30〜35%となる組成にて充分混合することにより塗料を得た。
(正極1の製造法)
集電体として厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)、塗料として固形分15%のカーボン系の導電性塗料(日本黒鉛工業株式会社製、バニーハイトT−702A)を用いる以外は実施例2と同様に両面塗工を実施した。ただし、塗工された集電体が乾燥炉に入る手前で集電体に対し垂直方向からエアを吹き付けることにより、エキスパンドメタルの貫通孔内に保持された塗料を吹き飛ばしたため、エキスパンドメタルの金属部に導電性塗料がコーティングされた下塗り集電体が得られた。
該下塗り集電体と該正極塗料を用いて、実施例1と同様に両面塗工を行い、プレス後正極全体の厚さ(両面の正極電極層厚さと両面の導電層厚さと正極集電体厚さの合計)が122μmの正極1を得た。
(セルの作成)
厚さ122μmの正極1と実施例1で製造した厚さ82μmの負極1を図5に示すような形状で電極面積がそれぞれ、5.0×8.0cm2になるようにカットし、セパレータとして厚さ30μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用いて、図5に示したように正極集電体、負極集電体の接続端子との溶接部がそれぞれ反対側になるよう配置し、正極、負極各8枚積層した。最上部と最下部はセパレータを配置させて4辺をテープ止めして電極積層ユニットを得た。負極活物質重量に対して400mAh/g分のリチウム金属として、厚さ90μmのリチウム金属箔を厚さ80μmのステンレス網に圧着したものを用い、負極と対向するように電極積層ユニットの最外部に1枚配置した。負極(8枚)とリチウムを圧着したステンレス網はそれぞれ溶接し、接触させ電極積層ユニットを得た。
上記電極積層ユニットの正極集電体の端子溶接部(8枚)に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した巾10mm、長さ30mm、厚さ0.2mmのアルミニウム製正極端子を重ねて超音波溶接した。同様に負極集電体の端子溶接部(8枚)に、予めシール部分にシーラントフィルムを熱融着した巾10mm、長さ30mm、厚さ0.2mmのニッケル製負極端子を重ねて超音波溶接し、縦102mm、横52mm、深さ1.2mm
に深絞りした外装フィルム2枚(トータル2.4mmのスペース)の内部へ設置した。外装ラミネートフィルムの端子部2辺と他の1辺を熱融着した後、電解液としてエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液を真空含浸させた後、残り1辺を減圧下にて熱融着し、真空封止を行うことによりフィルム型キャパシタを2セル組立てた。
(セルの特性評価)
14日間室温にて放置後、1セル分解したところ、リチウム金属は完全に無くなっていたことから、リチウムは正極および負極の表裏間を移動して全ての負極に予備充電されたと判断した。
また、残った1セルを600mAの定電流でセル電圧が3.6Vになるまで充電し、その後3.6Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次いで、60mAの定電流でセル電圧が1.8Vになるまで放電した。この3.6V−1.8Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電容量は65mAhであった。また、セルの縦長さを100mm、横長さを50mmとした時のエネルギー密度は14.6Wh/lであった。
上述の通り、一つのダイを用いて基材の両面に同時に塗工することができ、従来行っていた二つのダイで基材を挟み込み同時に塗工する方法よりも簡便であった。更に、一つのダイなので塗料タンクやライン内に残る塗料ロス等の工程歩留も向上すると考えられ好適である。また、50%の開口率を有する基材に対し、100μm以下という極めて薄い両面塗工が可能となった。更に、本発明にて得られた電極は高エネルギー密度を有したキャパシタとして機能した。
基材の両側に一対のダイを使用した従来の両面塗工における塗工部を示すモデル図である。白抜きの矢印は基材の進行方向であり、塗料4がダイより供給され基材が塗工されていく様子を黒く示している。 多孔質基材に対し、ダイの塗料噴き出し対向部に、多孔質基材を挟み込む形でロールバーを並行に宛がい、ダイの塗料噴き出し部とロールバーの間に塗料の液溜まりを作る本発明のモデル図である。 本発明の両面塗工機全体のモデル図である。 基材の一例を示す。図4(a)は、気孔率38%のエキスパンドメタル、図4(b)は気孔率37%の金属網、図4(c)は気孔率34%パンチングメタルの例である。図4(c)の例では、電極集電体の貫通孔は丸状であるが、貫通孔の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、図4(d)に示す四角状(気孔率45%)、図4(e)に示す十文字状(気孔率35%)等、適宜設定できる。 電極積層ユニットの一例を示す展開斜視図である。
符号の説明
1 基材
2、2' ダイ
3 ダイリップ
4 塗料
5 ロールバー
6 液溜まり
7 多孔質基材
8 乾燥炉
9 電極フープ
10 多孔質基材原反フープ
11 塗工部
12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g、12h ガイドロール
13 多孔質基材原反フープ設置ロール
14 電極フープ設置ロール
15 ポンプ
16 塗料タンク
17 配管
18 正極
18a 正極集電体
19 負極
19a 負極集電体
20 セパレータ

Claims (2)

  1. 蓄電装置の電極において、表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、ダイの塗料噴き出し対向部に、多孔質基材を挟み込む形でロールバーを並行に宛がい、ダイの塗料噴き出し部とロールバーの間に塗料の液溜まりを作ることにより、活物質を含む塗料を多孔質基材に対し表裏両面を塗工しうる両面塗工方法。
  2. 表裏貫通孔を備えたアルミ、銅などの多孔質基材に対し、請求項1記載の方法にて塗工して得られた電極。
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