JP2005202993A - 光ディスク、記録装置、記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムコーダ等に好適な傾きに対するシステムマージンを有する光ディスクの実現。
【解決手段】
保護層を100μm〜30μmの厚さとし,基板厚さ0.4mm以上0.8mm以下とし、直径55mm以下の光ディスク形状とすることにより、傾きに対するシステムマージンが大きく、かつ環境変化による反りが小さく、成形基板の機械特性も良好な光ディスクを実現する。多層ディスクの場合、第2の情報記録再生層以降はレーザ光入射側(保護層側)から距離が離れていくことになるが、第2層以降、トラックピッチを広くしていくこと、或いは最小マーク長を長くしていくことでシステムマージンを大きくする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光ディスク、及び光ディスクに対する記録装置、記録方法に関するものである。
特開平10−241209号公報 特開平11−273147号公報 特開2001−155384号公報
光ディスクの高密度化に伴って、光ディスクをポータブルタイプのビデオカメラ、いわゆるカムコーダー用のメディアとして使用する提案が行われている。
従来、光ディスクの情報記録密度はいわゆるDV(Digital Video)テープと比較した場合に小さく、このためDVテープ並みの情報記録容量を光ディスクで実現するためには非常に大きな直径サイズのメディアが必要となっていた。
ところが近年、ディスクメディアの高密度化が進み、例えばブルーレイディスク(Blu-ray Disc)のように超高密度光ディスクが実現されつつある。この技術を応用すると、非常に小型かつ大容量の光ディスクメディアが作成可能である。
たとえば次世代光ディスクとして注目されているBlu-ray Discは,直径120mmのディスクに、単層記録で最大23GB(giga byte)以上、また2層記録で47GB以上の大容量データを記録することができる。
Blu-ray Discなどの次世代光ディスクでは、波長405nm程度、N.A.=0.85程度の光学系を用い、ディスク上のグルーブのトラックピッチを0.32μm程度とすることにより高密度化を実現している。
例えばこのBlu-ray Discで採用されている光ディスク技術の応用により、Blu-ray Disc(単層メディア)と同様密度を用いると、直径50〜55mmの光ディスクに4GB以上もの情報記録容量を実現することができる。
この容量は、映像信号についてMpeg2方式のデータ圧縮処理を採用すると1時間相当の録画時間に相当するものであり、例えばビデオカメラに採用した場合、使い勝手がよく非常に好ましい。また直径50〜55mm程度というディスクサイズは、既存のDVテープと比較して同等以上のコンパクトなサイズであり、ユーザーに対する使い勝手のよい情報記録デバイスを提供することができる。
ところが、上記記録技術を用い、カムコーダー用ディスクとして高密度光ディスクを実現すると、情報信号を読み出す光ピックアップなどの読み取りドライブおよびディスクの傾きによる信号劣化に対する許容量、いわゆるディスクと読み取りヘッドの間に発生する傾きに対するシステムマージンが問題となる。
Blu-ray Discでは、ディスクの層構造において情報記録再生層(以下、単に「記録層」ともいう)よりレーザ光入射側に形成される保護層の厚みを0.1mmとし、光ディスク記録再生系を構成するシステムの傾きに対する許容値を±0.80°程度と規定している。 ただし、カムコーダーは雪山や真夏の海岸など苛酷な環境にさらされる可能性があり、光ディスクシステム全体が外部環境の影響を強く受けやすい。このため光ピックアップなどの機械的精密部品の外部環境から受ける影響、および環境変動によるディスクの反り等を考慮すると、少なくとも±0.85°以上の傾きに対する許容度が必要となる。
しかしながらBlu-ray Discと同様の記録密度,保護層厚,トラックピッチ,記録信号の最小マーク長を採用すると、60mm程度の直径の光ディスクでは、ディスク一枚あたり4GB以上の容量を満たしながら傾きに対する許容量±0.85を実現することは非常に困難である。
なお以上の記述は、記録層が単層状態の場合を想定しているが、記録層として多層構造を持つ光ディスクを作成した場合、ディスク一枚あたりの記録容量としては4GBを大きく超えることが可能である。しかし保護層から距離が離れるほど,保護層表面から光が到達するまでの距離が長くなり、傾きに対する許容量が満たせない可能性が高い。
また多層ディスク構造を採用した場合に、Blu-ray Disc技術を応用しユーザーに低コストな製品を提供するためには、単層構造のディスクと光学系部品を共通化する事が望ましい。
Blu-ray Discの光学系部品は、単層ディスクではディスク表面から第一層目までの距離が100μmである.また二層ディスクの場合,第一層がディスク表面から100μm付近に存在し、第二層がディスク表面から70μm付近に存在する。そのため、光学系部品を共通化する場合には同程度のオーダー、例えば30μmから150μm以下であることが好ましい。
そして現状では、記録層が単層、多層の場合を含めて、これらのことを考慮し、例えばカムコーダ等の用途に適した光ディスク構造が求められている。
なお、上記特許文献1〜3は、光ディスクの層構造にかかる技術が開示されているが、以上の課題に対応する技術は示されていない。
本発明では、上記課題を解決するために、光ディスクの保護層の厚み、情報記録再生層(記録層)に存在する情報トラック間の間隔(トラックピッチ)、記録パターンの最小長さ(記録情報としてのマーク(又はピットと呼ばれる)自体の最小長さもしくはマーク(ピット)間距離の最小長さ)について、最適な設定を提案し、また情報記録再生層毎の設定を提案することにより、光ディスクシステムのそりに対する許容量を増加させる光ディスクの構造、及びその光ディスクに対応する記録装置、記録方法を実現する。
本発明の光ディスクは、ディスク直径が55mm以下であるとする。そして基板と、情報記録再生層(記録層)と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされ、上記基板の厚みが0.4〜0.8mm、上記保護層の厚みが30μm以上100μm未満とされる。
また、上記情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチが0.36〜0.32μmであるとする。
また、上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチは、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が広くなるように、異なるトラックピッチとされる。
特に、上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有する場合、上記第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、上記第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとする。
また、上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に記録される記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるように設定されて情報が記録されたものとする。
特に、上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有する場合、上記第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、上記第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされる。
本発明の記録装置は、基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録装置である。そして、上記光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録手段と、上記記録手段によって記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定手段とを備える。
本発明の記録方法は、基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録方法であり、記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定ステップと、上記設定ステップの設定状態において、光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録ステップとを備える。
このような本発明では、基板と、少なくとも一層以上からなる情報記録再生層と、光学的に透明な保護層を持つ光ディスクにおいて、情報記録再生層の記録密度に応じて保護層の厚みを設定することにより、光ディスクシステムの傾きに対する許容値を向上させる。
或いは、光ディスクにおいて、保護層の厚みに応じて情報記録再生層の記録密度(トラックピッチや最小マーク長等)を設定することにより、光ディスクシステムの傾きに対する許容値を向上させるものである。
本発明の光ディスク、即ち保護層を100μm〜30μmの厚さとし,基板厚さ0.4mm以上0.8mm以下とし、直径55mm以下の光ディスク形状とすることにより、傾きに対するシステムマージンが大きく、かつ環境変化による反りが小さく、成形基板の機械特性も良好な光ディスクを実現することができる。これによって、例えばカムコーダ等に用いるディスクシステムに最適な光ディスクを提供できる。
また上記構造をもとに多層ディスクを考えた場合、第2の情報記録再生層以降はレーザ光入射側(保護層側)から距離が離れていくことになるが、第2層以降、トラックピッチを広くしていくこと、或いは最小マーク長を長くしていくことでシステムマージンを大きくでき、第2層以降も適切なシステムマージンを備えた情報記録再生層とできる。つまり多層ディスクとしても適切な光ディスクを提供できる。
特に、2層ディスクの場合、第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとする。また第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされるようにすることで、適切なシステムマージンを得ることができる。
本発明の記録装置、記録方法によれば、記録を行う情報記録再生層に応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定することで、上記多層ディスクに適した記録を実現できる。
以下、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
1.実施の形態の基本構造及び傾きに対するシステムマージン
2.単層ディスク
3.2層ディスク
4.ディスクドライブ装置
1.実施の形態の基本構造及び傾きに対するシステムマージン

実施の形態としての単層ディスク、2層ディスクの基本構造と、傾きに対するシステムマージンについて説明する。
まず単層ディスクの基本的な構造を図1(a)に示す。
単層ディスクとしてのディスク1の場合、情報記録再生に必要な凹凸パターンの転写されたディスク基板2(以下、単に「基板」ともいう)上に、記録層4(情報記録再生層)を形成し、その上に保護層3を形成している。
基板2は、例えば射出成形により形成され、成形時に記録層4を構成する凹凸パターン、例えばトラッキング用のグルーブや、情報ピットによる凹凸パターンが基板2の成形と同時に転写される。
記録層4は、再生専用ディスク(ROMディスク)、一回のみ記録可能なディスク(WO(write once)ディスク)、繰り返し記録再生ディスク(RW(rewitable)ディスク)など、ディスクの性質により構成が異なるが、例えばアルミや銀で構成される反射膜や、相変化記録再生膜、もしくは有機高分子材料,無機記録材料により構成される。
これらの膜はスパッタ法や,スピンコート法により形成塗布される。
保護層3は、再生に必要なレーザー光を透過することができる、例えば樹脂材料により構成される。
保護層3の形成には、樹脂材料、例えば紫外線硬化型樹脂(UVレジン)のスピンコートによる塗布や、例えばポリカーボネートなどの樹脂フィルムを粘着剤により貼り合わせる方法、或いはスピンコートにより基板もしくは樹脂シート側にUVレジンを事前に塗布しディスクに張り合わせる方法、さらにはポリカーボネートなどの樹脂フィルムを粘着剤により貼り付ける方法などを用いることができる。
次に図1(b)に、多層ディスクの形態を2層ディスクを例として示す。
2層ディスクとしてのディスク1の場合、保護層3の下に第1記録層4aを有し、その下に中間層5を介して第2記録層4bが基板2上に形成されている。
3層以上の多層ディスク(図示せず)についても、中間層を介して記録層が積層される。例えば3層構造の多層ディスクの場合、基板2と保護層3の間に、第1記録層、中間層、第2記録層、中間層、第3記録層が積層されることになる。4層以上の場合も同様の構成を持つ。
多層ディスクに用いられる中間層5は、光学的に透過性を有する材料により構成される。例えばUVレジンや紫外線硬化型粘着フィルムなどの樹脂材料により構成されている。また中間層5上には記録層を構成する必要があるため、情報記録再生用の凹凸パターンを転写する材料でなければならない。
以上の基本的な層構造を備えた上で、本実施の形態では、単層状態で保護層3を薄くし、また光ディスク自体の物理形状をカムコーダー用途として好ましいサイズを保ちながらディスク自体の反り量を小さくするためのディスク構造を提案する。
カムコーダー用途に光ディスクを用いる場合、先に述べたように過酷な環境下で使用するためにシステムの傾きに対する許容量が大きくなければならない。
例えばBlu-ray Discの場合は保護層3を0.1mmとしているが、これはDVD(Digital Versatile Disc)の保護層の厚さ0.6mmと比較して、傾きに対する許容量を増すためである。
本実施の形態においては、保護層3を0.1mmより薄くすることにより、傾きに対する許容量を大きくすることも提案する。
ただし保護層3を薄くすることにより傾きに対する許容量が増したとしても、それによりディスク自体の環境変化による反り量が増えてしまうとシステムとしては成り立たない。そのため、傾きに対する許容量を増大させつつディスク自体の反りが小さい構造を提案するものである。
反り量を低減するためには、記録層4を中心とした保護層3の厚みと基板2の厚みの比率を小さくする事が好ましい。記録材料に相変化記録再生膜を使用しているBlu-ray Discの場合は、基板2の厚さ1.1mmに対し、保護層3の厚みが0.1mmであり、11対1の比率である。同様の記録再生材料を用いたディスクを作成する場合、そり量を小さくすることを考慮すると、この比率を大きく超えない方が望ましい。例えば保護層3の厚みを75μmとした場合、基板2の厚みは0.825mm以下とすることが好ましい。
保護層厚と基板厚みの比率が11:1より悪くなると、環境変化によるそりが発生しやすくなる。たとえば周囲の環境が変化したとき、記録材料を中心として保護層3と基板層2が膨張などにより変形しようとする。
保護層3の厚みと基板層2の厚みの比率差が大きい場合、例えば基板層2の方が保護層3よりもはるかに厚い場合は、基板2側が反ろうとする力に対して、保護層3側は厚みがはるかに薄いために反ろうとする力を打ち消すことができず、結果的にディスク自体が大きく反ってしまう。
また射出成形技術を用いた場合、うねりや内部応力の小さい基板を成形するために或る程度以上の基板厚みが必要となる。例えば基板厚が0.3mm以下であると,基板成形時の初期ゆがみが大きくなり、また内部応力分布むらなどにより保存安定性も悪く、さらに板厚が薄いことによる剛性の低さより外部環境の変化による基板変形も起こりやすい。逆に成形基板が厚いほど、剛性の高い、うねりの小さい基板が得られる。
そのため成形性の観点で見れば、基板厚は0.4mm以上である方が望ましく、より厚いほうが成形基板の機械特性が良くなり、また基板の剛性も高くなる。
またディスクサイズについて考えると次のようになる。
ディスク直径が大きい場合、ディスク変形時のそり角度が大きくなり、またディスク自体もたわみやすくなる。またカムコーダーを代表とするポータブル機器にディスクを使用する場合、直径が大きすぎると使い勝手が悪くなる。
ディスク直径を小さくするとこの問題は解決するが、ディスク一枚あたりの情報記録容量が小さくなる。但し、後述する光学系を用いた情報記録再生装置を用いると、50〜55mm程度のディスク直径の場合、単層状態で4GB程度の大きな記録容量を持つことができる。この容量は、例えばMpeg2圧縮方式を用いた画像記録方式を用いると1時間程度の映像が記録できる容量であり、カムコーダ等の用途としても好ましい。
また基板2の厚みを上記した0.825mm以下という条件を踏まえて、例えば0.7mmとした場合、ディスク直径が55mmとすると、いわゆるCDやDVDなどの光ディスクと比較してディスク自体の体積が15%以下となり、湿度の吸収量が小さくなるために反りが発生しにくくなる。
なお基板直径が50mmより小さくなる場合も、基板厚さ及び保護層の厚さが上記の条件を満たしている場合は、ディスク直径が小さくなるほどディスク自体の剛性が強くなるためにそりにくく、また同じ高さだけ反ったとしても、角度換算では直径が小さいほうが反り角度は小さくなり、結果的に、径が小さいほうがより反り量は小さくなる。
以上のことから実施の形態の光ディスクとしては、保護層3を30μmから100μm未満の厚さとし、基板2の厚さ0.5mm以上0.8mm以下とし、直径50〜55mm以下の光ディスク形状とすることにより、傾きに対するシステムマージンが大きく、かつ環境変化による反りが小さく、さらには成形基板の機械特性も良好な光ディスクとすることができる。
次に、上記構造をもとに多層ディスクを作成した場合を考える。
例えば第1記録層4aを保護層3の表面から75μmの場所に設定し、第2記録層4bを第1記録層4aから基板2側に25μm離れた場所に設定すると、第2記録層4bは保護層3の表面から100μmはなれた場所に位置することになり、傾きに対するシステムマージンが小さくなる。
このように層によって傾きに対するシステムマージンが小さくなる状態で、傾きに対するシステムマージンを大きくするために、実施の形態のディスクとしては、各層のトラックピッチを変える、および/または各層の最小記録マーク長を変える手法を提案する。
図2に,あるN.A.と波長λが与えられた集光光学系のMTFを示す.MTFは像の各周波数の伝達関数を示し、この値が高い周波数ほど、観察対象をはっきりと観察できる。
N.A.=0.85、波長λ=405nmのレーザーを使用した場合、MTFによるカットオフ周波数xは,x=2N.A./λとなり、これよりも高い周波数の対象物、すなわち微細な構造はみえなくなる。
図2に見られるようにMTFは観察する構造の周波数が高いほど低い。すなわち微細な構造になるほどMTFが低くなり見えにくくなる。そのため、トラックピッチが広いほど空間周波数としては低くなり、本光学系による見えやすさが高くなるため、ディスクと光ピックアップ(光軸)間が傾いた際のデフォーカスにより見えにくくなる臨界角が大きくなる。
同様に、最小記録ピット長が長くなると空間周波数が低いために、傾きによりデフォーカスが発生した際でも、デフォーカスにより見えにくくなる臨界角が大きくなる。
これらの理由のため、レーザ光入射側に近い記録層に比べて、レーザ光入射側から遠い記録層の方がトラックピッチが広くなるようにすることや、記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるようにすることで、第2記録層以降について、傾きに対するシステムマージンを増大させることができる。
例えば第1記録層4aのトラックピッチが0.32μm、最小ピット長を103.5nmとされる場合、第2記録層4b(又はさらにそれ以降の記録層)は、トラックピッチを0.32μmより広くし、および/または最小ピット長を103.5nmより長くすることにより傾きに対するシステムマージンを増大させることができる。
2.単層ディスク

本発明の実施の形態としての単層ディスクについて説明する。
図3に本実施の形態の光ディスクの構造を示す。
図1(a)で説明したように、単層ディスクの場合、基板2,記録層4,保護層3を有する構造となる。本例では図3に示すように、保護層3の厚みを100μm以下とし、基板2の厚みを0.7mm、ディスク直径を55mmとすることにより、傾きに対するシステムマージンを増大させ、かつ環境変動に対するそりの少ないディスクを実現する。
本例の光ディスクは、基板2として、直径55mm,基板厚0.7mmとして射出成形により作成されたポリカーボネート基板を用いた。この基板2は、成形時に信号転写用スタンパにより凹凸パターンが転写されている。また直径11.0mmのセンターホールが設けてある。
記録層4としては、反射層,誘電体層,相変化記録層などの多層構造を持つ相変化記録層を用いた。
保護層3は、ポリカーボネートフィルムを紫外線硬化型樹脂を用いて張り合わせ、その後紫外線を照射し樹脂を硬化することにより形成した。
また本例では、紫外線硬化型樹脂を基板2上に塗布する際、塗布条件を変えることにより保護層3全体の厚みを調整した。具体的には樹脂の粘度を変える、或いはスピンコーターの回転数を変える等の手法により塗布条件を変えた。
本例では、N.A.=0.85の対物レンズを用い、波長405nmの青紫色半導体レーザーを用い情報を記録再生した。
本例の光ディスク1は、記録層4における記録トラックとして、トラックピッチ0.32μmのグルーブがディスク上直径24mmから50mmの範囲に存在するようにし、この記録トラックには、記録信号パターンの最小マーク長さが103.50nmの信号が記録される。記録は例えば図9で後述するディスクドライブ装置で行う。
なお再生専用のROMディスクを考えた場合、記録ピットとして最小ピット長が103.50nmのピット列が形成されるようにする。
図4に、保護層3の厚みを変化させた際の、ディスク面内方向の傾きに対する記録情報の読み込み許容値の変化の測定値を、ピークトゥピークで示す。横軸は保護層の厚み、縦軸は反り許容値を示している。
この測定は、回転ステージ上に搭載された光ディスクの信号を対物レンズにより読み出している状態で、ディスクをセットしたステージをゴニオメーターにより動かすことにより、ディスクと対物レンズ間の角度を設定した。
例えばBlu-ray Disc等に対する、据え置き型光ディスク記録再生装置は、システム自体のそりに対する許容値が±0.75〜0.8°、ピークトゥピークで1.5°〜1.6°必要とされる。ところがカムコーダーのように、砂浜や雪山で使用される可能性のある装置上で使用する場合、外部環境はより過酷になり、その分システム全体のそりに対する許容量は余裕を持つ必要がある。例えば±0.85°、ピークトゥピークで1.7°以上の許容量を見る必要がある。
図4に示されるように、保護層3の厚みが100μmであれば、傾きに対する許容量はピークトゥピークで1.5°程度となり、カムコーダー用のディスクとして用いるには十分な傾き許容量を満たせない。しかし保護層3を100μmより薄くしていくと、傾きに対する許容量をピークトゥピークで1.7°以上とすることができ、十分な傾き許容量を得ることができた。
保護層3を薄くすると、通常の考え方では、記録層4を中心とした構造の対称性が悪くなるため、ディスク自体が大きなスキューを持つ可能性がある。しかし図5に示すように、保護層3が100μmの時と,70μmの時の反りを実測した結果より、本例のディスクの構造を用いれば温度や湿度による環境変化に対するそりの量は非常に小さいことがわかる。
図5における結果は、温度23度、湿度50%の環境下から、図中に示す環境に変化させた際のディスクの反り量をピークトゥピークで示しているものである。
ディスク一枚あたり、1時間そりの変動量をモニタし、そのときのそり角度の最大値,最小値を測定した。
なお、そりの測定は、図6に示す反り測定器を用いた。反り測定器上のレーザー光源10をディスク1に照射し、ディスク1から反射したレーザー光を位置検出ディテクター(PSD)11により検出することにより、ディスク1の反り角度θを検出した。反り測定器は恒温層内に設置し、任意の環境雰囲気を設定できるようにした。
上述した本例のディスク1の構造は、基板直径が小さいために、最外周においてもそりの角度としては小さくなる。また基板の体積が、いわゆる通常の光ディスクであるCDやDVD(直径12cm、厚み1.2mmのディスク)に対して15%以下となるため,基板材料自体の吸湿量が小さい。またBlu-ray Discと比較して、基板厚と保護層厚の比率が近い構造となる。
これらの構成により、そりの低減を図っているため、図5の結果にみられるように環境変動による反りが生じにくいものとできる。
なお、保護層3の厚さが70μmから100μmの間となる場合も,そりの量は大きくならない。これは、基本的に保護層3と基板2の厚さの比が同一に近づくほど構造の対象性が良くなり反り量が小さくなるため、保護層厚が70μm及び100μmの際、反り量がともに十分小さいとすれば、保護層厚がその間の値としても反り量が悪くなることは考えがたいためである。
以上のことから理解されるように、図3に示した本例の構造をとることにより、そりが小さく、かつシステムの傾き許容量の大きな光ディスクを実現することができる。
なお、基板直径が50mmより小さい場合も、基板2の厚さ及び保護層3の厚さが上記の条件を満たしている場合は、ディスク直径が小さくなるほどディスク自体の剛性が強くなるためにそりにくく、また同じ高さだけ反ったとしても、角度換算では直径が小さいほうが反り角度は小さくなる。つまり、径が小さいほうが、より反り量は小さくなる。
ところで図3では、内周部および外周部の、信号形状(グルーブ)の存在していない部分に、保護層3と基板層2が接触している部分が存在しているが、この部分が保護層3の存在しない、基板層2のみが存在する構造であっても、上記効果になんら影響を及ぼすものではない。
これは、信号読み取りに対する傾き許容量が変わらないのはもちろんのこと、基板2自体の反りに関しても、反りは記録層4を中心とした保護層3と基板層2のそりのつりあいにより発生するので、記録層4が存在しない部分では、ディスク全体の反り量に大きな影響を示さないためである。また本例では、基板2の厚みは十分に厚く剛性があり、また信号の存在する部分に対して存在しない部分の占める面積は小さいため、ディスク全体のそりに影響を及ぼすものではない。
また本例ではディスクの上面および下面ともに平行な構造となっているが、例えば内周部に突起,もしくは基板厚に対して微小な凹みがあったとしても、本例で述べた構造による反り量の低減にはなんら影響ない。なお先に特許文献1として挙げた特開平10−241209号公報によれば、例えば内周部に突起が存在した場合、反り量は逆に低減する効果があることが示されている。
3.2層ディスク

実施の形態の2層ディスクの構造を図7に示す。本例では、上記単層ディスクと同様の基板2を用いた。そして厚さ75μmの保護層3の下に、第1記録層4aを形成し、その下に厚さ25μmの中間層5を介して、基板2上に第2記録層4bを形成した。
本例で用いた基板2,保護層3,記録層4a、4bは、上記単層ディスクの例と同様である。すなわち基板2としては直径55mm,厚さ0.7mmであり、射出成形により凹凸形状のグルーブが転写されたポリカーボネート製基板を用いた。また記録層4a,4bとして、反射層,誘電体層,相変化記録層などの多層構造を持つ相変化記録層を用いた。
保護層3は、ポリカーボネートフィルムを,紫外線硬化型樹脂を用いて張り合わせ,その後紫外線を照射し樹脂を硬化することにより形成した。
なお本例では、中間層5として、紫外線硬化型粘着フィルムを使用し、中間層に凹凸形状転写用スタンパを押し当てることによりグルーブ形状を転写している。
本例で用いた光ディスク1は,第1,第2記録層の両方に、グルーブがディスク上直径24mmから50mmの範囲に存在している。
読み取りのための光学系も上記例と同様,N.A.=0.85の対物レンズを用い、波長405nmの青紫色半導体レーザーを用い情報を記録再生した。
本例では,保護層表面から75μmの位置にある第1記録層4a上のグルーブのトラックピッチを0.32μmとした。一方、保護層3の表面から100μmの位置に存在する第2記録層のトラックピッチ及び最小マーク長さは、第1記録層4aとは異なるようにした。
第1記録層4aは、最小記録マーク長103.5nmの情報を記録した。保護層3の厚みは75μmであるため、このときの傾きに対する許容量は、上述した図4に示すようにピークトゥピークでおよそ1.9°程度となる。
これに対し図8に示されるように、第2記録層4bを、第1記録層4aと同様のトラックピッチ0.32μm,最小マーク長103.5nmとした場合、傾きの許容量はピークトゥピークで1.46°となる。つまり上述したカムコーダーのシステム傾き許容量を満足しない。
そこで、第2記録層4bのトラックピッチを0.32μmから0.35μmとすると、傾きに対する許容量は1.70°となり、そりに対する許容量はカムコーダー用途としては十分な値に入る。
また第2記録層4bの最小記録マーク長を103.5nmから120.0nmに変えた場合、傾きに対する許容量は1.68°となり、最小記録マーク長を長くした場合にもそりに対する許容量は増大することが分かる。
そして、第2記録層4bについて、さらに傾きに対する許容量を増すために、最小マーク長を120nmとし、かつトラックピッチを0.35μmとすると、傾きに対する許容量は1.84°と飛躍的に増大する。
即ち、多層構造を持った光ディスクにおいて、保護層表面(レーザ光入射側)から遠い記録層に対し、トラックピッチを広く、および/または最小マーク長を長くすることにより、傾きに対する許容量を増大させることができる。
従って、本例の2層ディスクとしては、上記構造に加え、第1記録層4aのトラックピッチは0.32μm、最小マーク長は103.5nmとし、第2記録層4bのトラックピッチは0.35μm、最小マーク長は120.0nmとすることで、カムコーダ用途として十分な光ディスクを実現できるものである。
なお、本例は2層ディスクの場合を示したが、傾きに対する許容量は保護層際表面からの距離の影響が主要因であるため、本手法は3層以上の構造に対しても適用することができる。
ところで、本例の層構造のディスク1を相変化記録方式による書換可能型ディスクとする場合は、後述するディスクドライブ装置によって、記録層毎にフェイズチェンジマークの最小マーク長が設定されて記録されればよい。また、ディスク1を再生専用ディスクとする場合は、ディスク製造工程において、記録層毎に最小マーク長が上記のように設定されたピットデータが形成されるようにすればよい。
4.ディスクドライブ装置

次に、上記のような構造のディスク1に対応して記録/再生を行うことのできるディスクドライブ装置を説明する。図9はディスクドライブ装置の構成を示す。
このディスクドライブ装置は、例えばカムコーダ等のビデオ機器に内蔵され、撮像映像信号の記録再生を行う。ディスクドライブ装置の動作は、カムコーダにおける図示しないシステムコントローラによって制御される。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のデータ、即ちエンボスピットによるデータや、フェチェンジマーク或いは色素変化マークによるデータの読出が行われる。
またディスク1上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報やディスクインフォメーションの読み出しがおこなわれる。
またディスク1に対する記録時には光学ピックアップによってグルーブトラックにデータがフェイズチェンジマーク(又は色素変化マーク)として記録される。
ピックアップ51内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系(図示せず)が形成される。
レーザダイオードは、波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
ピックアップ51内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
ディスク1からの反射光情報はフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路54に供給される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
なお、マトリクス回路54は、ピックアップ51内に形成される場合もある。
マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、ウォブリンググルーブの検出情報であるプッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
リーダ/ライタ回路55は、再生データ信号に対して2値化処理、PLLによる再生クロック生成処理等を行い、フェイズチェンジマークやエンボスポットから読み出されたデータを再生して、変復調回路56に供給する。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECC/スクランブル回路57は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理、及びスクランブル処理を行う。
再生時には、スクランブル処理に対するデスクランブル処理を行うとともに、エラー訂正のためのECCデコード処理を行う。
この再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、デスクランブル処理及びエラー検出/訂正処理を行って再生データを得ることになる。
ECC/スクランブル回路57で再生データにまでデコードされたデータは、ドライブコントローラ60の指示に基づいて読み出され、再生データとして転送出力される。
ディスク1のグルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路58において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてMSK復調、HMW復調され、ADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ59に供給される。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、ドライブコントローラ60に供給する。
またアドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
ディスク1に対する記録時には、例えばカムコーダの撮像映像信号処理系から記録データが転送されてくるが、その記録データはECC/スクランブル回路57におけるメモリに送られてバッファリングされる。
この場合ECC/スクランブル回路57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やスクランブル処理、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコード及びスクランブル処理されたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で記録補償処理として、記録層の特性、レーザー光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザードライバ63に送られる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。記録時及び再生時のレーザー出力の目標値はドライブコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
サーボ回路61は、マトリクス回路54からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路61は、ドライブコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
またサーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、ドライブコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53には、図示しないが、ピックアップ51を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ51の所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路62はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、ドライブコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたドライブコントローラ60により制御される。
ドライブコントローラ60は、カムコーダ機器の全体を制御する、図示しないシステムコントローラからの制御信号に応じて記録或いは再生等のための各種処理を実行する。
例えば当該ディスクドライブ装置を内蔵するカムコーダが映像撮像動作をしている期間は、システムコントローラはドライブコントローラ60に記録動作を指示する。その際、ドライブコントローラ60は、撮像映像処理系から供給されてくる記録データ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)の記録のための制御を行う。
また、システムコントローラからの再生指示により、ドライブコントローラ60は当該ディスクドライブ装置での再生動作制御を行い、再生データを出力する。この再生データは、例えばカムコーダ機器におけるモニタ表示部や、外部モニタ機器に供給されて表示出力される。
このようなディスクドライブ装置では、例えば上記図3で説明した単層ディスク、又は図7で示した2層ディスクに対して記録再生を行うが、上述したように2層ディスクについては、第2記録層4bについて異なる最小マーク長での記録を行う。
このため、記録動作に際しては、例えばドライブコントローラ60は図10の処理を行うようにしている。
システムコントローラからの指示により記録を開始する際には、ドライブコントローラ60の処理は図10のステップF101からF102に進み、ディスク1に対して記録を行う記録層を判別する。装填されているディスク1が単層ディスクである場合は当然第1記録層4に記録を行うことになるが、ディスク1が2層ディスクの場合は、そのディスク1の記録済領域の判別、或いはシステムコントローラからの記録位置の指示等に応じて、第1記録層4aに記録を行うか、第2記録層4bに記録を行うかを判別することになる。
単層ディスク、もしくは2層ディスクの第1記録層4aに記録を行う場合は、ステップF103に進み、記録するフェイズチェンジマークの最小マーク長が103.5nmとなるように設定する。例えばレーザドライバ63に、設定に応じた記録レーザ出力が行われるように指示する。
一方、2層ディスクの第2記録層4bに記録を行う場合は、ステップF104に進み、記録するフェイズチェンジマークの最小マーク長が120.0nmとなるように設定する。
ステップF103又はF104での設定の後、ステップF105で記録処理を行う。つまり上述した記録系動作を制御し、供給される記録データのディスク1への記録を実行させる。
2層ディスク1に対する記録中に、記録層の移行がある場合は、ステップF107からF102に進み、移行先の記録層に応じてステップF103又はF104の設定を行い、記録層の移動(フォーカスジャンプ)を行って、ステップF105での記録処理を行う。
ステップF105での記録処理が終了したら、ステップF106から一連の記録処理を終了する。
以上の処理を行うことで、ディスク1が2層ディスクの場合には、第1記録層4aについては最小マーク長が103.5nmでのマークパターンの記録が行われ、第2記録層4bについては最小マーク長が120.0nmでのマークパターンの記録が行われることになり、上述したように、各層で十分な傾きに対するシステムマージンを維持する2層ディスクを実現できるものとなる。
光ディスクの基本的構造の説明図である。 MTFの説明図である。 本発明の実施の形態の単層ディスク構造の説明図である。 反り許容値と保護層厚さの関係の説明図である。 保護層厚と環境変化による反り変動量の説明図である。 反り測定器の説明図である。 本発明の実施の形態の2層ディスク構造の説明図である。 2層ディスクの記録密度と傾き許容度の関係の説明図である。 実施の形態のディスクドライブ装置のブロック図である。 実施の形態のディスクドライブ装置の記録層に応じた処理のフローチャートである。
符号の説明
1 ディスク、2 ディスク基板、3 保護層、4 記録層、4a 第1記録層、4b 第2記録層、5 中間層、6 センターホール、51 ピックアップ、52 スピンドルモータ、55 リーダ/ライタ回路、60 ドライブコントローラ

Claims (8)

  1. ディスク直径が55mm以下であるとともに、
    基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされ、上記基板の厚みが0.4〜0.8mm、上記保護層の厚みが30μm以上100μm未満とされることを特徴とする光ディスク。
  2. 上記情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチが0.36〜0.32μmであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  3. 上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチは、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が広くなるように、異なるトラックピッチとされていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  4. 上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有するとともに、
    上記第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、上記第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとしたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  5. 上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に記録される記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるように設定されて情報が記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  6. 上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有するとともに、
    上記第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、上記第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  7. 基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録装置において、
    上記光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録手段と、
    上記記録手段によって記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定手段と、
    を備えたことを特徴とする記録装置。
  8. 基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録方法として、
    記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定ステップと、
    上記設定ステップの設定状態において、光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録ステップと、
    を備えたことを特徴とする記録方法。
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