JP2005202993A - 光ディスク、記録装置、記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
保護層を100μm〜30μmの厚さとし,基板厚さ0.4mm以上0.8mm以下とし、直径55mm以下の光ディスク形状とすることにより、傾きに対するシステムマージンが大きく、かつ環境変化による反りが小さく、成形基板の機械特性も良好な光ディスクを実現する。多層ディスクの場合、第2の情報記録再生層以降はレーザ光入射側(保護層側)から距離が離れていくことになるが、第2層以降、トラックピッチを広くしていくこと、或いは最小マーク長を長くしていくことでシステムマージンを大きくする。
【選択図】 図3
Description
従来、光ディスクの情報記録密度はいわゆるDV(Digital Video)テープと比較した場合に小さく、このためDVテープ並みの情報記録容量を光ディスクで実現するためには非常に大きな直径サイズのメディアが必要となっていた。
ところが近年、ディスクメディアの高密度化が進み、例えばブルーレイディスク(Blu-ray Disc)のように超高密度光ディスクが実現されつつある。この技術を応用すると、非常に小型かつ大容量の光ディスクメディアが作成可能である。
Blu-ray Discなどの次世代光ディスクでは、波長405nm程度、N.A.=0.85程度の光学系を用い、ディスク上のグルーブのトラックピッチを0.32μm程度とすることにより高密度化を実現している。
例えばこのBlu-ray Discで採用されている光ディスク技術の応用により、Blu-ray Disc(単層メディア)と同様密度を用いると、直径50〜55mmの光ディスクに4GB以上もの情報記録容量を実現することができる。
この容量は、映像信号についてMpeg2方式のデータ圧縮処理を採用すると1時間相当の録画時間に相当するものであり、例えばビデオカメラに採用した場合、使い勝手がよく非常に好ましい。また直径50〜55mm程度というディスクサイズは、既存のDVテープと比較して同等以上のコンパクトなサイズであり、ユーザーに対する使い勝手のよい情報記録デバイスを提供することができる。
また多層ディスク構造を採用した場合に、Blu-ray Disc技術を応用しユーザーに低コストな製品を提供するためには、単層構造のディスクと光学系部品を共通化する事が望ましい。
Blu-ray Discの光学系部品は、単層ディスクではディスク表面から第一層目までの距離が100μmである.また二層ディスクの場合,第一層がディスク表面から100μm付近に存在し、第二層がディスク表面から70μm付近に存在する。そのため、光学系部品を共通化する場合には同程度のオーダー、例えば30μmから150μm以下であることが好ましい。
なお、上記特許文献1〜3は、光ディスクの層構造にかかる技術が開示されているが、以上の課題に対応する技術は示されていない。
また、上記情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチが0.36〜0.32μmであるとする。
また、上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチは、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が広くなるように、異なるトラックピッチとされる。
特に、上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有する場合、上記第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、上記第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとする。
また、上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に記録される記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるように設定されて情報が記録されたものとする。
特に、上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有する場合、上記第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、上記第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされる。
或いは、光ディスクにおいて、保護層の厚みに応じて情報記録再生層の記録密度(トラックピッチや最小マーク長等)を設定することにより、光ディスクシステムの傾きに対する許容値を向上させるものである。
また上記構造をもとに多層ディスクを考えた場合、第2の情報記録再生層以降はレーザ光入射側(保護層側)から距離が離れていくことになるが、第2層以降、トラックピッチを広くしていくこと、或いは最小マーク長を長くしていくことでシステムマージンを大きくでき、第2層以降も適切なシステムマージンを備えた情報記録再生層とできる。つまり多層ディスクとしても適切な光ディスクを提供できる。
特に、2層ディスクの場合、第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとする。また第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされるようにすることで、適切なシステムマージンを得ることができる。
1.実施の形態の基本構造及び傾きに対するシステムマージン
2.単層ディスク
3.2層ディスク
4.ディスクドライブ装置
実施の形態としての単層ディスク、2層ディスクの基本構造と、傾きに対するシステムマージンについて説明する。
まず単層ディスクの基本的な構造を図1(a)に示す。
単層ディスクとしてのディスク1の場合、情報記録再生に必要な凹凸パターンの転写されたディスク基板2(以下、単に「基板」ともいう)上に、記録層4(情報記録再生層)を形成し、その上に保護層3を形成している。
記録層4は、再生専用ディスク(ROMディスク)、一回のみ記録可能なディスク(WO(write once)ディスク)、繰り返し記録再生ディスク(RW(rewitable)ディスク)など、ディスクの性質により構成が異なるが、例えばアルミや銀で構成される反射膜や、相変化記録再生膜、もしくは有機高分子材料,無機記録材料により構成される。
これらの膜はスパッタ法や,スピンコート法により形成塗布される。
保護層3の形成には、樹脂材料、例えば紫外線硬化型樹脂(UVレジン)のスピンコートによる塗布や、例えばポリカーボネートなどの樹脂フィルムを粘着剤により貼り合わせる方法、或いはスピンコートにより基板もしくは樹脂シート側にUVレジンを事前に塗布しディスクに張り合わせる方法、さらにはポリカーボネートなどの樹脂フィルムを粘着剤により貼り付ける方法などを用いることができる。
2層ディスクとしてのディスク1の場合、保護層3の下に第1記録層4aを有し、その下に中間層5を介して第2記録層4bが基板2上に形成されている。
3層以上の多層ディスク(図示せず)についても、中間層を介して記録層が積層される。例えば3層構造の多層ディスクの場合、基板2と保護層3の間に、第1記録層、中間層、第2記録層、中間層、第3記録層が積層されることになる。4層以上の場合も同様の構成を持つ。
カムコーダー用途に光ディスクを用いる場合、先に述べたように過酷な環境下で使用するためにシステムの傾きに対する許容量が大きくなければならない。
例えばBlu-ray Discの場合は保護層3を0.1mmとしているが、これはDVD(Digital Versatile Disc)の保護層の厚さ0.6mmと比較して、傾きに対する許容量を増すためである。
本実施の形態においては、保護層3を0.1mmより薄くすることにより、傾きに対する許容量を大きくすることも提案する。
ただし保護層3を薄くすることにより傾きに対する許容量が増したとしても、それによりディスク自体の環境変化による反り量が増えてしまうとシステムとしては成り立たない。そのため、傾きに対する許容量を増大させつつディスク自体の反りが小さい構造を提案するものである。
保護層3の厚みと基板層2の厚みの比率差が大きい場合、例えば基板層2の方が保護層3よりもはるかに厚い場合は、基板2側が反ろうとする力に対して、保護層3側は厚みがはるかに薄いために反ろうとする力を打ち消すことができず、結果的にディスク自体が大きく反ってしまう。
また射出成形技術を用いた場合、うねりや内部応力の小さい基板を成形するために或る程度以上の基板厚みが必要となる。例えば基板厚が0.3mm以下であると,基板成形時の初期ゆがみが大きくなり、また内部応力分布むらなどにより保存安定性も悪く、さらに板厚が薄いことによる剛性の低さより外部環境の変化による基板変形も起こりやすい。逆に成形基板が厚いほど、剛性の高い、うねりの小さい基板が得られる。
そのため成形性の観点で見れば、基板厚は0.4mm以上である方が望ましく、より厚いほうが成形基板の機械特性が良くなり、また基板の剛性も高くなる。
ディスク直径が大きい場合、ディスク変形時のそり角度が大きくなり、またディスク自体もたわみやすくなる。またカムコーダーを代表とするポータブル機器にディスクを使用する場合、直径が大きすぎると使い勝手が悪くなる。
ディスク直径を小さくするとこの問題は解決するが、ディスク一枚あたりの情報記録容量が小さくなる。但し、後述する光学系を用いた情報記録再生装置を用いると、50〜55mm程度のディスク直径の場合、単層状態で4GB程度の大きな記録容量を持つことができる。この容量は、例えばMpeg2圧縮方式を用いた画像記録方式を用いると1時間程度の映像が記録できる容量であり、カムコーダ等の用途としても好ましい。
なお基板直径が50mmより小さくなる場合も、基板厚さ及び保護層の厚さが上記の条件を満たしている場合は、ディスク直径が小さくなるほどディスク自体の剛性が強くなるためにそりにくく、また同じ高さだけ反ったとしても、角度換算では直径が小さいほうが反り角度は小さくなり、結果的に、径が小さいほうがより反り量は小さくなる。
例えば第1記録層4aを保護層3の表面から75μmの場所に設定し、第2記録層4bを第1記録層4aから基板2側に25μm離れた場所に設定すると、第2記録層4bは保護層3の表面から100μmはなれた場所に位置することになり、傾きに対するシステムマージンが小さくなる。
このように層によって傾きに対するシステムマージンが小さくなる状態で、傾きに対するシステムマージンを大きくするために、実施の形態のディスクとしては、各層のトラックピッチを変える、および/または各層の最小記録マーク長を変える手法を提案する。
N.A.=0.85、波長λ=405nmのレーザーを使用した場合、MTFによるカットオフ周波数xは,x=2N.A./λとなり、これよりも高い周波数の対象物、すなわち微細な構造はみえなくなる。
図2に見られるようにMTFは観察する構造の周波数が高いほど低い。すなわち微細な構造になるほどMTFが低くなり見えにくくなる。そのため、トラックピッチが広いほど空間周波数としては低くなり、本光学系による見えやすさが高くなるため、ディスクと光ピックアップ(光軸)間が傾いた際のデフォーカスにより見えにくくなる臨界角が大きくなる。
同様に、最小記録ピット長が長くなると空間周波数が低いために、傾きによりデフォーカスが発生した際でも、デフォーカスにより見えにくくなる臨界角が大きくなる。
これらの理由のため、レーザ光入射側に近い記録層に比べて、レーザ光入射側から遠い記録層の方がトラックピッチが広くなるようにすることや、記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるようにすることで、第2記録層以降について、傾きに対するシステムマージンを増大させることができる。
例えば第1記録層4aのトラックピッチが0.32μm、最小ピット長を103.5nmとされる場合、第2記録層4b(又はさらにそれ以降の記録層)は、トラックピッチを0.32μmより広くし、および/または最小ピット長を103.5nmより長くすることにより傾きに対するシステムマージンを増大させることができる。
本発明の実施の形態としての単層ディスクについて説明する。
図3に本実施の形態の光ディスクの構造を示す。
図1(a)で説明したように、単層ディスクの場合、基板2,記録層4,保護層3を有する構造となる。本例では図3に示すように、保護層3の厚みを100μm以下とし、基板2の厚みを0.7mm、ディスク直径を55mmとすることにより、傾きに対するシステムマージンを増大させ、かつ環境変動に対するそりの少ないディスクを実現する。
記録層4としては、反射層,誘電体層,相変化記録層などの多層構造を持つ相変化記録層を用いた。
保護層3は、ポリカーボネートフィルムを紫外線硬化型樹脂を用いて張り合わせ、その後紫外線を照射し樹脂を硬化することにより形成した。
また本例では、紫外線硬化型樹脂を基板2上に塗布する際、塗布条件を変えることにより保護層3全体の厚みを調整した。具体的には樹脂の粘度を変える、或いはスピンコーターの回転数を変える等の手法により塗布条件を変えた。
本例の光ディスク1は、記録層4における記録トラックとして、トラックピッチ0.32μmのグルーブがディスク上直径24mmから50mmの範囲に存在するようにし、この記録トラックには、記録信号パターンの最小マーク長さが103.50nmの信号が記録される。記録は例えば図9で後述するディスクドライブ装置で行う。
なお再生専用のROMディスクを考えた場合、記録ピットとして最小ピット長が103.50nmのピット列が形成されるようにする。
この測定は、回転ステージ上に搭載された光ディスクの信号を対物レンズにより読み出している状態で、ディスクをセットしたステージをゴニオメーターにより動かすことにより、ディスクと対物レンズ間の角度を設定した。
例えばBlu-ray Disc等に対する、据え置き型光ディスク記録再生装置は、システム自体のそりに対する許容値が±0.75〜0.8°、ピークトゥピークで1.5°〜1.6°必要とされる。ところがカムコーダーのように、砂浜や雪山で使用される可能性のある装置上で使用する場合、外部環境はより過酷になり、その分システム全体のそりに対する許容量は余裕を持つ必要がある。例えば±0.85°、ピークトゥピークで1.7°以上の許容量を見る必要がある。
図5における結果は、温度23度、湿度50%の環境下から、図中に示す環境に変化させた際のディスクの反り量をピークトゥピークで示しているものである。
ディスク一枚あたり、1時間そりの変動量をモニタし、そのときのそり角度の最大値,最小値を測定した。
なお、そりの測定は、図6に示す反り測定器を用いた。反り測定器上のレーザー光源10をディスク1に照射し、ディスク1から反射したレーザー光を位置検出ディテクター(PSD)11により検出することにより、ディスク1の反り角度θを検出した。反り測定器は恒温層内に設置し、任意の環境雰囲気を設定できるようにした。
これらの構成により、そりの低減を図っているため、図5の結果にみられるように環境変動による反りが生じにくいものとできる。
なお、基板直径が50mmより小さい場合も、基板2の厚さ及び保護層3の厚さが上記の条件を満たしている場合は、ディスク直径が小さくなるほどディスク自体の剛性が強くなるためにそりにくく、また同じ高さだけ反ったとしても、角度換算では直径が小さいほうが反り角度は小さくなる。つまり、径が小さいほうが、より反り量は小さくなる。
これは、信号読み取りに対する傾き許容量が変わらないのはもちろんのこと、基板2自体の反りに関しても、反りは記録層4を中心とした保護層3と基板層2のそりのつりあいにより発生するので、記録層4が存在しない部分では、ディスク全体の反り量に大きな影響を示さないためである。また本例では、基板2の厚みは十分に厚く剛性があり、また信号の存在する部分に対して存在しない部分の占める面積は小さいため、ディスク全体のそりに影響を及ぼすものではない。
また本例ではディスクの上面および下面ともに平行な構造となっているが、例えば内周部に突起,もしくは基板厚に対して微小な凹みがあったとしても、本例で述べた構造による反り量の低減にはなんら影響ない。なお先に特許文献1として挙げた特開平10−241209号公報によれば、例えば内周部に突起が存在した場合、反り量は逆に低減する効果があることが示されている。
実施の形態の2層ディスクの構造を図7に示す。本例では、上記単層ディスクと同様の基板2を用いた。そして厚さ75μmの保護層3の下に、第1記録層4aを形成し、その下に厚さ25μmの中間層5を介して、基板2上に第2記録層4bを形成した。
本例で用いた基板2,保護層3,記録層4a、4bは、上記単層ディスクの例と同様である。すなわち基板2としては直径55mm,厚さ0.7mmであり、射出成形により凹凸形状のグルーブが転写されたポリカーボネート製基板を用いた。また記録層4a,4bとして、反射層,誘電体層,相変化記録層などの多層構造を持つ相変化記録層を用いた。
保護層3は、ポリカーボネートフィルムを,紫外線硬化型樹脂を用いて張り合わせ,その後紫外線を照射し樹脂を硬化することにより形成した。
なお本例では、中間層5として、紫外線硬化型粘着フィルムを使用し、中間層に凹凸形状転写用スタンパを押し当てることによりグルーブ形状を転写している。
読み取りのための光学系も上記例と同様,N.A.=0.85の対物レンズを用い、波長405nmの青紫色半導体レーザーを用い情報を記録再生した。
第1記録層4aは、最小記録マーク長103.5nmの情報を記録した。保護層3の厚みは75μmであるため、このときの傾きに対する許容量は、上述した図4に示すようにピークトゥピークでおよそ1.9°程度となる。
これに対し図8に示されるように、第2記録層4bを、第1記録層4aと同様のトラックピッチ0.32μm,最小マーク長103.5nmとした場合、傾きの許容量はピークトゥピークで1.46°となる。つまり上述したカムコーダーのシステム傾き許容量を満足しない。
また第2記録層4bの最小記録マーク長を103.5nmから120.0nmに変えた場合、傾きに対する許容量は1.68°となり、最小記録マーク長を長くした場合にもそりに対する許容量は増大することが分かる。
そして、第2記録層4bについて、さらに傾きに対する許容量を増すために、最小マーク長を120nmとし、かつトラックピッチを0.35μmとすると、傾きに対する許容量は1.84°と飛躍的に増大する。
従って、本例の2層ディスクとしては、上記構造に加え、第1記録層4aのトラックピッチは0.32μm、最小マーク長は103.5nmとし、第2記録層4bのトラックピッチは0.35μm、最小マーク長は120.0nmとすることで、カムコーダ用途として十分な光ディスクを実現できるものである。
なお、本例は2層ディスクの場合を示したが、傾きに対する許容量は保護層際表面からの距離の影響が主要因であるため、本手法は3層以上の構造に対しても適用することができる。
次に、上記のような構造のディスク1に対応して記録/再生を行うことのできるディスクドライブ装置を説明する。図9はディスクドライブ装置の構成を示す。
このディスクドライブ装置は、例えばカムコーダ等のビデオ機器に内蔵され、撮像映像信号の記録再生を行う。ディスクドライブ装置の動作は、カムコーダにおける図示しないシステムコントローラによって制御される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のデータ、即ちエンボスピットによるデータや、フェチェンジマーク或いは色素変化マークによるデータの読出が行われる。
またディスク1上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報やディスクインフォメーションの読み出しがおこなわれる。
またディスク1に対する記録時には光学ピックアップによってグルーブトラックにデータがフェイズチェンジマーク(又は色素変化マーク)として記録される。
レーザダイオードは、波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
ピックアップ51内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
なお、マトリクス回路54は、ピックアップ51内に形成される場合もある。
マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、ウォブリンググルーブの検出情報であるプッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
再生時には、スクランブル処理に対するデスクランブル処理を行うとともに、エラー訂正のためのECCデコード処理を行う。
この再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、デスクランブル処理及びエラー検出/訂正処理を行って再生データを得ることになる。
ECC/スクランブル回路57で再生データにまでデコードされたデータは、ドライブコントローラ60の指示に基づいて読み出され、再生データとして転送出力される。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、ドライブコントローラ60に供給する。
またアドレスデコーダ59はウォブル回路58から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
この場合ECC/スクランブル回路57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やスクランブル処理、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコード及びスクランブル処理されたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。記録時及び再生時のレーザー出力の目標値はドライブコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、ドライブコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53には、図示しないが、ピックアップ51を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ51の所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、ドライブコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
ドライブコントローラ60は、カムコーダ機器の全体を制御する、図示しないシステムコントローラからの制御信号に応じて記録或いは再生等のための各種処理を実行する。
また、システムコントローラからの再生指示により、ドライブコントローラ60は当該ディスクドライブ装置での再生動作制御を行い、再生データを出力する。この再生データは、例えばカムコーダ機器におけるモニタ表示部や、外部モニタ機器に供給されて表示出力される。
このため、記録動作に際しては、例えばドライブコントローラ60は図10の処理を行うようにしている。
単層ディスク、もしくは2層ディスクの第1記録層4aに記録を行う場合は、ステップF103に進み、記録するフェイズチェンジマークの最小マーク長が103.5nmとなるように設定する。例えばレーザドライバ63に、設定に応じた記録レーザ出力が行われるように指示する。
一方、2層ディスクの第2記録層4bに記録を行う場合は、ステップF104に進み、記録するフェイズチェンジマークの最小マーク長が120.0nmとなるように設定する。
2層ディスク1に対する記録中に、記録層の移行がある場合は、ステップF107からF102に進み、移行先の記録層に応じてステップF103又はF104の設定を行い、記録層の移動(フォーカスジャンプ)を行って、ステップF105での記録処理を行う。
ステップF105での記録処理が終了したら、ステップF106から一連の記録処理を終了する。
Claims (8)
- ディスク直径が55mm以下であるとともに、
基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされ、上記基板の厚みが0.4〜0.8mm、上記保護層の厚みが30μm以上100μm未満とされることを特徴とする光ディスク。 - 上記情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチが0.36〜0.32μmであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
- 上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチは、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が広くなるように、異なるトラックピッチとされていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
- 上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有するとともに、
上記第1の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.32μm、上記第2の情報記録再生層に形成される記録再生トラックのトラックピッチを0.35μmとしたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。 - 上記情報記録再生層を複数有するとともに、各情報記録再生層に記録される記録パターンの最小長が、レーザ光入射側に近い情報記録再生層に比べて、レーザ光入射側から遠い情報記録再生層の方が長くなるように設定されて情報が記録されたことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
- 上記情報記録再生層としてレーザ光入射側に近い第1の情報記録再生層と、レーザ光入射側から遠い第2の情報記録再生層とを有するとともに、
上記第1の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が103.5nm、上記第2の情報記録再生層に記録された記録マークの最小マーク長が120.0nmとされていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。 - 基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録装置において、
上記光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録手段と、
上記記録手段によって記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする記録装置。 - 基板と、情報記録再生層と、光学的に透明な保護層とを有する層構造とされるとともに、上記情報記録再生層を複数有する光ディスクに対する記録方法として、
記録を行う情報記録再生層が、上記複数の情報記録再生層のうちのいずれであるかに応じて、形成される記録マークの最小マーク長を設定する設定ステップと、
上記設定ステップの設定状態において、光ディスクに対して記録する情報に応じたレーザ光照射を行うことで上記光ディスクに記録マークを形成して情報記録を行う記録ステップと、
を備えたことを特徴とする記録方法。
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