JP2005202310A - 光ファイバコード及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低曲げ剛性の光ファイバ心線を用いた光ファイバコードであっても、コネクタ付け時の伝送損失変動を小さくする。
【解決手段】光ファイバコード1は、光ファイバ素線3の外周を心線被覆5で被覆した光ファイバ心線7と、この光ファイバ心線7の外周に長手方向に縦添えした繊維状の抗張力体9と、この抗張力体9の外周を被覆した外被11と、からなる。さらに、前記抗張力体9の充填密度が3000〜4000d/mmであり、光ファイバ心線7の表面粗さが1〜6μmである。これにより、心線被覆5が安価な低強度の熱可塑性樹脂である低曲げ剛性の光ファイバ心線7を用いても、コネクタ付け特性の安定化を図ることができ、光ファイバコード1の低価格化となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、光ファイバコード及びその製造方法に関し、特に低価格化とコネクタ付け特性の安定化を図ることができる光ファイバコード及びその製造方法に関する。
図5を参照するに、従来、光ファイバコード101は、光ファイバ素線103の外周に心線被覆105としての例えば熱可塑性樹脂を被覆した光ファイバ心線107と、この光ファイバ心線107の外周にその長手方向に縦添えした抗張力体としての例えば1本以上のアラミド繊維109と、このアラミド繊維109の外周を被覆した例えばPVCなどの外被111と、から構成されている。なお、光ファイバ素線103に被覆する熱可塑性樹脂にはナイロン等の剛性の強い材料が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3017974号公報
ところで、従来の光ファイバコード101においては、光ファイバ素線103に被覆する熱可塑性樹脂にはナイロン等の剛性の強い材料が用いられているので、高価であるという問題点があった。
そこで、光ファイバコード101用の光ファイバ心線107の低価格化を目的として、ナイロン樹脂の代わりに安価なポリオレフィンやPVCなどの熱可塑性樹脂を心線樹脂105として被覆した光ファイバ心線107の検討が試みられている。しかし、これらの安価な熱可塑性樹脂はナイロンより軟らかく、ナイロンを被覆した光ファイバ心線107と比較して剛性が低くなり、小さな力で座屈が生じるという問題点がある。
光ファイバ心線107の曲げ剛性は、図6に示すような曲げ荷重測定装置113を用いて測定される。この曲げ荷重測定装置113では、図6において下部の微動機構115により、板間距離をD[mm]としたとき、図6において上部の板の反発力(荷重)F[N]がロードセル117により測定されて曲げ剛性Mが計算される。
荷重Fと曲げ剛性Mの関係は以下の式で表される。
M=0.000348×D×F
従来の光ファイバ心線107、つまり光ファイバ素線103にナイロンを被覆した光ファイバ心線107の曲げ剛性は、20〜30N・mmである。一方、検討が試みられている光ファイバ心線107、つまり光ファイバ素線103にポリオレフィンやPVCなどの熱可塑性樹脂を被覆した光ファイバ心線107の曲げ剛性は、2〜12N・mmであり、上記の従来の光ファイバ心線107の曲げ剛性の半分以下である。
図7を参照するに、上記のような剛性の低い光ファイバ心線107が光ファイバコード101用として用いられる場合、この光ファイバコード101がコネクタ119のコネクタ本体121にフェルール123でコネクタ付けされてから、コネクタ119で光ファイバが接続される際にフェルール123の部分が光ファイバコード101の長手方向に押し込まれるときに、光ファイバ心線107の部分が光ファイバコード101のアラミド繊維109内に入りにくくなる。つまり、コネクタ部125でフェルール123が図7において左方向の矢印Aの方向に動いた時に、図7においてB部分で光ファイバ心線107が光ファイバコード101のアラミド繊維109の中方向に動かない、もしくは少ししか動かない状態になる。
この理由としては、光ファイバ心線107の剛性が低いことや、アラミド繊維109の充填密度が高いために光ファイバ心線107が動きにくいことや、光ファイバ心線107の表面粗さが滑らかであるためにアラミド繊維109と光ファイバ心線107との間の摩擦が大きいこと、などがある。
その結果、コネクタ部125の隙間Gで光ファイバ心線107に曲がりが生じるために伝送損失が増加するという問題点がある。つまり、コネクタ部125のフェルール123の部分が前記矢印Aの方向に押し込まれた時に、光ファイバ心線107が光ファイバコード101のアラミド繊維109の中に入っていけば、コネクタ部125で伝送損失の増加が発生しない。一方、光ファイバ心線107が光ファイバコード101のアラミド繊維109の中に入っていかなければ、コネクタ部125の隙間Gで光ファイバ心線107が曲がるために伝送損失の増加が生じることになる。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の光ファイバコードは、光ファイバ素線の外周を心線被覆で被覆した光ファイバ心線と、この光ファイバ心線の外周に長手方向に縦添えした繊維状の抗張力体と、この抗張力体の外周を被覆した外被と、からなる光ファイバコードにおいて、
前記抗張力体の充填密度が3000〜4000d/mmであると共に、光ファイバ心線の表面粗さが1〜6μmであることを特徴とするものである。
この発明の光ファイバコードは、前記光ファイバコードにおいて、前記光ファイバ心線が、2〜12N・mmの曲げ剛性を有していることが好ましい。
この発明の光ファイバコードの製造方法は、光ファイバ素線の外周に熱可塑性樹脂からなる心線被覆を押出成形により被覆して光ファイバ心線を製造し、この光ファイバ心線の外周に繊維状の抗張力体を長手方向に縦添えすると共に前記抗張力体の外周に外被を押出成形により被覆して光ファイバコードを製造する際に、
前記光ファイバ心線を押出成形時に、前記心線被覆の樹脂温度を調整して光ファイバ心線の表面粗さを1〜6μmとし、前記光ファイバコードを押出成形時に、前記抗張力体の充填密度を3000〜4000d/mmとすることを特徴とするものである。
この発明の光ファイバコードの製造方法は、前記光ファイバコードの製造方法において、前記光ファイバ心線の曲げ剛性が2〜12N・mmとなる心線被覆の熱可塑性樹脂を用いていることが好ましい。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明によれば、光ファイバコードに用いられる光ファイバ心線の表面粗さを1〜6μmとすることにより、低曲げ剛性(2〜12N・mm)の光ファイバ心線が用いられても、光ファイバコード化後に、コネクタ接続時の光ファイバ心線の押し込みによる伝送損失変動が小さくなり、コネクタ付け後の特性が良好になる。
また、光ファイバコードのアラミド繊維の充填密度を3000〜4000d/mmとすることにより、低曲げ剛性(2〜12N・mm)の光ファイバ心線が用いられても、光ファイバコード化後に、コネクタ接続時の光ファイバ心線の押し込みによる伝送損失変動が小さくなり、コネクタ付け後の特性が良好になる。
以上のことから、例えば安価なポリオレフィンやPVCなどの熱可塑性樹脂を心線樹脂として被覆した光ファイバ心線を光ファイバコード用に用いることが可能となり、安価な光ファイバコードを提供できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照するに、この実施の形態に係る光ファイバコード1は、光ファイバ素線3の外周を心線被覆5としての例えば熱可塑性樹脂を被覆した光ファイバ心線7と、この光ファイバ心線7の外周にその長手方向に縦添えした抗張力体としての例えば1本以上のアラミド繊維9(例えば、ケブラー;商品名)と、このアラミド繊維9の外周を被覆した例えばPVCなどの外被11と、から構成されている。
なお、この実施の形態の光ファイバコード1では、上記の光ファイバ心線7は安価なポリオレフィンやPVCなどの熱可塑性樹脂が心線被覆5として光ファイバ素線3の外周に被覆されたものであり、2〜12N・mmの曲げ剛性を有している。このように剛性の低い光ファイバ心線7を用いた光ファイバコード1では、図2に示されているようにコネクタ13で光ファイバ素線3を接続する際に押し込まれる光ファイバ心線7が小さな力で光ファイバコード1のアラミド繊維9内に入るように設計されている。
そのために、光ファイバコード1内のアラミド繊維9の充填密度α(単位面積当たりのアラミド繊維9のデニール数)、及び光ファイバ心線7の表面粗さRaが適切な条件を満たす必要がある。この実施の形態では、アラミド繊維9の充填密度αが3000〜4000d/mmとされ、光ファイバ心線7の表面粗さRaが1〜6μmとされている。なお、アラミド繊維9のデニ−ル数とは、単位長さ当たりのアラミド繊維9の重量を意味しており、一般的にはデニール数(d)で表される。
なお、例えば上記の4000d/mmとは、断面積1mm当たりにアラミド繊維9が4000d入っている状態である。
光ファイバコード1の外被11の内径をR(mm)、光ファイバ心線7の外径をr(mm)とすると、アラミド繊維9が充填されている部分の面積S(mm)は、
S=(π/4)(R−r
で表される。
また、上記の面積Sの部分にxデニールのアラミド繊維9をn本入れた時の充填密度α(d/mm)は、
α=(x×n)/S
と、定義される。
したがって、上記の充填密度αが適正な光ファイバコード1を製作するには、光ファイバコード1の外径、内径R、光ファイバ心線7の外径r、アラミド繊維9のデニール数dが適正化される必要がある。
上述したアラミド繊維9の充填密度αと心線表面粗さRaの条件が適正とされる理由は、前記アラミド繊維9の充填密度αが小さいほど、押し込まれる光ファイバ心線7が光ファイバコード1内に入っていき易いことと、光ファイバ心線7の表面粗さRaを粗くすることにより、アラミド繊維9との接触面が小さくなるために押し込まれる光ファイバ心線7が光ファイバコード1内に入り易くなることにある。
具体的には、光ファイバ心線7の表面粗さRaを1μm以上とし、アラミド繊維9の充填密度αを4000d/mm以下とすることにより、光ファイバ心線7が0.5mm押し込まれても伝送損失の増加がない。
ここで、上記のように、光ファイバ心線7が0.5mm押し込まれたときの伝送損失の増加の有無を判断基準としている理由について説明する。
図2を参照するに、光ファイバコード1をコネクタ13で接続した時、コネクタ13の構造上、フェルール15面を押し付け合うために、コネクタ本体17にバネ(図示省略)が入っている。そのために、フェルール15はコネクタ部19で矢印Aの方向に押し込まれることになり、矢印Bの方向に0.5mm動くことになる。このとき、光ファイバ心線7が矢印Cの方向に0.5mm動けば、コネクタ13内での光ファイバ心線7の曲がりは生じない。あるいは0.5mmより少し動かなくても(例えば0.45mm位)伝送損失増加が生じるほどの曲がりが生じない。
そこで、製作された光ファイバコード1に対して適正の良否を判断するために、毎回コネクタ付けを行うのが手間であるので、図3に示されているような簡易的な試験方法が行われている。
この試験装置21では、光ファイバコード1のサンプルから光ファイバ心線7を光ファイバコード1の長手方向の両側に露出し、光ファイバ心線7の右端から光源23の光を送ると共に伝送損失を光ファイバ心線7の左端に接続したパワーメータ25により測定する。さらに、光ファイバ心線7の図3において右側の所定位置がクランプ装置27で把持され、このクランプ装置27により光ファイバ心線7が光ファイバコード1のアラミド繊維9の中へ矢印Dの方向に押し込まれていく。この押込み量における前記光の伝送損失がパワーメータ25により測定されるものである。
このとき、光ファイバ心線7が矢印方向に0.5mm移動しても伝送損失が増加しない構成の光ファイバコード1がコネクタ付けの特性も良好であると評価される。
一方、光ファイバ心線7の表面粗さRaが6μmを超えると、光ファイバ心線7の心線被覆5を除去する際に除去しにくくなる。光ファイバ心線7の被覆除去はコネクタ13で取り付け作業時に必ず必要になるが、光ファイバ心線7の表面粗さRaが6μmを超える凸凹になると、心線被覆5を除去する時に、前記凸凹部分を起点にして心線被覆5の除去がし難くなる。
この点に関しては、表面粗さRaを変化させた光ファイバ心線7を用いて、光ファイバ心線7の心線被覆5を30mm除去する実験を行った。各サンプルに対して10回の試験を行い、その成功率を表1に示す。
Figure 2005202310
上記の表1から分かるように、光ファイバ心線7の表面粗さRaが6μm以下であることが必要条件である。
さらに、アラミド繊維9の充填密度αが3000d/mm未満となると、光ファイバコード1の光ファイバ心線7が必要以上に動き易くなってしまうために光ファイバ素線3の接触状態が不安定になり、コネクタ付けの作業性が悪化することになる。
より詳しく説明すると、光ファイバコード1がコネクタ13に取り付けられる時は、光ファイバコード1の長さが納入長に切断されてから、コネクタ付けが行われる。このとき、アラミド繊維9の充填量が少なく、スカスカの状態では光ファイバ心線7が容易に動いてしまうために、光ファイバコード1の内部のアラミド繊維9や光ファイバ心線7が移動して出てくるという事態になる。
そこで、アラミド繊維9の充填密度の適用範囲を評価するために、表面粗さRaが6μmの光ファイバ心線7を用いて、アラミド繊維9の充填密度αを変化させた光ファイバコード1のサンプルを作製した。なお、短い納入長の光ファイバコード1としては2mのものがあるので、サンプルの長さを2mとした。このサンプルの光ファイバコード1が、0.98N(100gf)の力(作業していて軽く引張った程度の力)で引張られた時に、引張った側と反対側の端の光ファイバ心線7が動くか否かの実験を行ったところ、表2のような結果が得られた。なお、動いたサンプルを×、動かないサンプルを○で表した。
Figure 2005202310
上記の表2から、アラミド繊維9の充填密度αが2999d/mmとなると、光ファイバ心線7が動き易くなってしまうことが分かる。この実験では、光ファイバ心線7を引張って行っているが、実際の作業ではそれ程の引張力がかからないことから、前記充填密度αが3369d/mmのときは光ファイバ心線7が動かないので、適用範囲を3000d/mm以上としても、実作業では光ファイバコード1の内部のアラミド繊維9や光ファイバ心線7が移動して出てくることはないと判断した。
以上のことから、アラミド繊維9の充填密度αが3000〜4000d/mmで、光ファイバ心線7の表面粗さRaが1〜6μmとされることにより、曲げ剛性が2〜12Nmmのように低い剛性の光ファイバ心線7を用いても、良好な特性の光ファイバコード1になる。
次に、この発明の実施の形態の光ファイバコード1の実施例について説明する。
この実施例の光ファイバコード1としては、外径が250μmのSM型光ファイバ素線3の外周に、PVC、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなる心線被覆5を押出成形により被覆して0.9mmφの光ファイバ心線7を製造した。この時、押出成形時の心線被覆5の熱可塑性樹脂の温度を変化させることにより、表面粗さRaの異なる光ファイバ心線7が得られる。
この光ファイバ心線7を用いると共にアラミド繊維9のデニール数、本数n、光ファイバコード1の外被11の内径Rを変化させて押出成形することにより、各種光ファイバコード1の試作を行った。これらの各種光ファイバコード1の評価方法としては、図3で説明した試験装置21を用いて、光ファイバ心線7の押込み長さと伝送損失の増加の関係を調査した。
評価尺度としては、クランプ装置27により光ファイバ心線7が光ファイバコード1のアラミド繊維9の中へ矢印Dの方向に押し込まれていくと伝送損失が上昇していくので、伝送損失が0.3dB上昇したときの押込み長さ(押込み量)を測定した。なお、コネクタ付け時に実際に光ファイバ心線7が押し込まれる量は0.5mm未満であるので、この試験装置21で0.5mm以上押し込むことができる光ファイバコード1は、コネクタ付け時に問題ないとされる。
なお、上記の評価尺度において、伝送損失が0.3dB上昇した時の押込み量を測定尺度としたのは、一般的に伝送損失変動の許容値が0.3dB以下であるとしていることが理由である。
(評価試験1)
この評価試験1では、光ファイバ心線7は曲げ剛性が2N・mmで、心線表面粗さRaが1.0μmであり、アラミド繊維9の充填率(充填密度α)を変化させたときの押込み量の試験結果を表3に示す。
Figure 2005202310
上記の表3から、アラミド繊維9の充填率が3979d/mmでは押込み量が0.50mmで良好な結果を示し、これより小さい充填率では押込み量が0.50mm以上の数値が得られている。一方、4000d/mmより大きい充填率である4301d/mmでは押込み量が0.45mmで不良である。
(評価試験2)
この評価試験2では、光ファイバ心線7は、曲げ剛性が2N・mmで、アラミド繊維9の充填率が4000d/mmであり、心線表面粗さRaを変化させたときの押込み量の試験結果を表4に示す。
Figure 2005202310
上記の表4から、心線表面粗さRaが1.0μm以上では押込み量が0.50mm以上の良好な結果を示しているが、心線表面粗さRaが0.9μmでは押込み量が0.45mmで不良である。
(評価試験3)
この評価試験3では、光ファイバ心線7は曲げ剛性が12N・mmで、心線表面粗さRaが1.0μmであり、アラミド繊維9の充填率を変化させたときの押込み量の試験結果を表5に示す。
Figure 2005202310
上記の表5から、アラミド繊維9の充填率が3979d/mmでは押込み量が0.55mmで良好な結果を示し、これより小さい充填率では押込み量が0.50mm以上の数値が得られている。一方、4000d/mmより大きい充填率である4301d/mmでも押込み量が0.50mmで良好である。この結果を表3と比べると、評価試験3の光ファイバ心線7は曲げ剛性が評価試験1の光ファイバ心線7より大きく、硬いので押込み量が若干増えている。いずれにしても、アラミド繊維9の充填率が3000〜4000d/mmの範囲では良好な結果が得られている。
(評価試験4)
この評価試験4では、光ファイバ心線7は曲げ剛性が12N・mmで、アラミド繊維9の充填率が4000d/mmであり、心線表面粗さRaを変化させたときの押込み量の試験結果を表6に示す。
Figure 2005202310
上記の表6から、心線表面粗さRaが1.0μm以上では押込み量が0.60mm以上の良好な結果を示している。心線表面粗さRaが0.9μmでも押込み量が0.50mmで良好である。この結果を表4と比べると、評価試験4の光ファイバ心線7は曲げ剛性が評価試験2の光ファイバ心線7より大きく、硬いので押込み量が若干増えている。いずれにしても、心線表面粗さRaが1〜6μmの範囲では良好な結果が得られている。
以上のように、低剛性の光ファイバ心線7の中でも、曲げ剛性が12N・mmのように比較的大きい光ファイバ心線7に対して、アラミド繊維9の充填密度αが3000〜4000d/mmで、光ファイバ心線7の表面粗さRaが1〜6μmにおいて良好な結果が得られた。
図4を参照しながら、上述したことをまとめると、
(1)アラミド繊維9の充填密度α(デニール数)は、大きくなるほど光ファイバ心線7が動きにくくなる。下限より小さい場合は光ファイバ心線7が動きやすくなり、上限より大きい場合は光ファイバ心線7が動きにくくなる。
(2)心線表面粗さRaは、小さくなるほど光ファイバ心線7が動きにくくなる。下限より小さい場合は光ファイバ心線7が動きにくくなり、上限より大きい場合は光ファイバ心線7の被覆除去性が悪くなる。
(3)アラミド繊維9の充填密度αと心線表面粗さRaとは相互に関係があり、曲げ剛性が2〜12N・mmの範囲の光ファイバ心線7に対しては、剛性の違いによって良否が異なるために図4において二点鎖線で示す領域Eが良好な範囲と考えられる。しかし、この実施の形態では、曲げ剛性が2〜12N・mmのいずれの光ファイバ心線7に対してもアラミド繊維9の充填密度αと心線表面粗さRaの適正な条件を満たす範囲の領域としては、図4において実線で示す領域H、すなわちアラミド繊維9の充填密度αを3000〜4000d/mm、心線表面粗さRaを1〜6μmとしている。
また、光ファイバコード1の製造方法に関しては、光ファイバ心線7が光ファイバ素線3の外周にポリオレフィンやPVCなどの熱可塑性樹脂からなる心線被覆5を公知の一般的な押出成形により被覆して製造され、さらに、前記光ファイバ心線7の外周に繊維状の抗張力体としての例えばアラミド繊維9が長手方向に縦添えされ、このアラミド繊維9の外周に外被11が公知の一般的な押出成形により被覆されて光ファイバコード1が製造される。このとき、上記の光ファイバ心線7が押出成形される時に、上記の心線被覆5の熱可塑性樹脂の温度が調整されて光ファイバ心線7の表面粗さが1〜6μmとされる。また、前記光ファイバコード1が押出成形される時に、上記のアラミド繊維9の充填密度が3000〜4000d/mmとされるように、光ファイバコード1の外径、内径R、光ファイバ心線7の外径r、アラミド繊維9のデニール数dが適正に調整される。この詳細は前述した説明の通りである。
この発明の実施の形態の光ファイバコードの断面図である。 この発明の実施の形態の光ファイバコードをコネクタに装着するときの概略説明図である。 光ファイバ心線の押込み量と伝送損失を測定する試験装置の概略説明図である。 この発明の実施の形態の光ファイバコードにおけるアラミド繊維の充填量と光ファイバ心線の表面粗さとの相互の関係を示す図である。 従来の光ファイバコードの断面図である。 光ファイバ心線の曲げ剛性を測定する曲げ荷重測定装置の概略説明図である。 従来の光ファイバコードをコネクタに装着するときの概略説明図である。
符号の説明
1 光ファイバコード
3 光ファイバ素線
5 心線被覆
7 光ファイバ心線
9 アラミド繊維(抗張力体)
11 外被
13 コネクタ
15 フェルール
17 コネクタ本体
19 コネクタ部

Claims (4)

  1. 光ファイバ素線の外周を心線被覆で被覆した光ファイバ心線と、この光ファイバ心線の外周に長手方向に縦添えした繊維状の抗張力体と、この抗張力体の外周を被覆した外被と、からなる光ファイバコードにおいて、
    前記抗張力体の充填密度が3000〜4000d/mmであると共に、光ファイバ心線の表面粗さが1〜6μmであることを特徴とする光ファイバコード。
  2. 前記光ファイバ心線が、2〜12N・mmの曲げ剛性を有していることを特徴とする請求項1記載の光ファイバコード。
  3. 光ファイバ素線の外周に熱可塑性樹脂からなる心線被覆を押出成形により被覆して光ファイバ心線を製造し、この光ファイバ心線の外周に繊維状の抗張力体を長手方向に縦添えすると共に前記抗張力体の外周に外被を押出成形により被覆して光ファイバコードを製造する際に、
    前記光ファイバ心線を押出成形時に、前記心線被覆の樹脂温度を調整して光ファイバ心線の表面粗さを1〜6μmとし、前記光ファイバコードを押出成形時に、前記抗張力体の充填密度を3000〜4000d/mmとすることを特徴とする光ファイバコードの製造方法。
  4. 前記光ファイバ心線の曲げ剛性が2〜12N・mmとなる心線被覆の熱可塑性樹脂を用いていることを特徴とする請求項3記載の光ファイバコードの製造方法。

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