JP2005201385A - 転動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 作動時に磁場変動を引き起こすことなく、かつ、環境をクリーンに保つことができる転動装置を提供する。
【解決手段】 外周面にねじ溝12を有するねじ軸11と、内周面にねじ溝16を有するナット14と、それらの両ねじ溝12,16間に転動自在に介装される複数の玉13と、を備えたボールねじ10において、ナット14、転動体循環チューブ17、ナット14両端面部のラビリンスシール19,19、及び、ねじ軸11を抗菌、抗カビ性樹脂で構成する。
【選択図】図1

Description

転動装置に関し、特に抗菌、抗カビ性を有する転動装置に関する。
従来、転動体の転動を介して内方部材又は外方部材が移動するリニアガイドやボールねじ等の転動装置においては、内方部材及び外方部材が金属で構成され、転動体の転動を円滑にするためにグリースが充填されているのが一般的である。また、内方部材及び外方部材を構成する金属は、ほとんどが特殊高炭素鋼、ステンレス鋼等である。
しかしながら、上述のように特殊高炭素鋼やステンレス鋼を用いた従来の転動装置を使用して医療用設備(例えば、分注機)等を構成した場合には、自発的に又は磁場中に置かれることで転動装置が磁気を帯び、さらにはこの転動装置が作動することによって磁場変動を生じ、検査精度等に悪影響を及ぼす可能性が考えられた。
また、医療用設備は衛生的であることが求められるが、転動装置を構成する材料は抗菌性を有するわけではないので、転動装置での細菌等の増殖が抑制されないだけでなく、転動装置の作動時に細菌等を含むグリースが飛散する等により、転動装置自体が雰囲気を汚染するおそれも考えられた。
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、作動時に磁場変動を引き起こすことなく、かつ、環境をクリーンに保つことができる転動装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1による転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える転動装置において、前記内方部材及び前記外方部材の少なくとも1つを、銀、銀酸化物、銀が表面被覆された充填剤、及び、銀酸化物が表面被覆された充填剤のうちの少なくとも1つを含有する抗菌、抗カビ性樹脂で構成したことを特徴とする。
本発明の転動装置によれば、外方部材及び内方部材の少なくとも1つが銀、銀酸化物、及び、銀又は銀酸化物が表面被覆した充填剤のうちの少なくとも1つを含有する抗菌、抗カビ性樹脂で構成されているので、非磁性で抗菌、抗カビ性に優れる。このため、本発明に係る転動装置を医療用設備等に用いても、周辺の細菌汚染を抑制しつつ、磁場変動を引き起こさずに作動するので、環境がクリーンに保たれ、かつ、検査等も高精度に行うことができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。
[ボールねじについて]
図1は本発明の第1の実施形態に係るボールねじの断面図、図2は図1のボールねじのI−I線に沿う断面図である。
図1及び図2において、ボールねじ10は、外周面にねじ溝12を有するねじ軸(内方部材)11と、内周面にねじ溝16を有するナット(外方部材)14と、これらの両ねじ溝12,16間に形成された転動体通路に転動自在に装填される複数の玉(転動体)13と、を備え、ねじ軸11又はナット14のいずれか一方の回転動作によりねじ軸11の軸線方向に一方が直線的に相対移動するようになっている。なお、ナット14はねじ溝16にそれぞれ連通する2つの循環チューブ挿入孔18を有しており、この循環チューブ挿入孔18には略U字型の転動体循環チューブ17の両端が差し込まれている。このため、上記転動体通路の始点と終点とが転動体循環チューブ17を介して連通しており、従って、上記転動体通路を転動した玉13は、転動体循環チューブ17内を通って上記転動体通路を繰り返し転動するようになっている。
このような第1の実施形態に係るボールねじ10において、ナット14、転動体循環チューブ17、ナット14両端面部のラビリンスシール19,19、及び、ねじ軸11は、後述する抗菌、抗カビ性樹脂で構成されている。このため、第1の実施形態に係るボールねじ10は、抗菌性に優れるとともに、作動時にも磁場変動を引き起こさない。
なお、玉13は、抗菌、抗カビ性樹脂で構成してもよいが、後述する抗菌剤を含有しない同種の樹脂、ガラス又はセラミックスで構成してもよい。
また、本発明の適用は上記第1の実施形態に示したボールねじ10に限定されるものではなく、適宜変更されたボールねじ10にも適用可能である。
[リニアガイドについて]
図3は本発明の第2の実施形態に係るリニアガイドの斜視図、図4は第2の実施形態に係るリニアガイドの断面図、図5は第2の実施形態に係るリニアガイドのスライダの一部分を示す断面図である。
図3において、リニアガイド20は、案内レール(内方部材)21と、スライダ(外方部材)24と、これらの間に転動自在に配される玉(転動体)23と、を備えている。案内レール21は軸方向に延びる断面矩形状であり、両側面には断面円弧状の転動体転動溝22が軸方向に沿って形成されている。この転動体転動溝22には多数の玉23が係合しており、これらの玉23の転動体転動溝22に沿った転がり運動を介して、案内レール21に取り付けられたスライダ(外方部材)24が案内レール21の軸方向に直線運動するようになっている。
スライダ24は、スライダ本体25と、このスライダ本体25の軸方向両端に設けられたエンドキャップ26,26と、からなる。
このスライダ本体25は、1対の側板部25a,25aと水平部25bとからなる断面略コ字状であり、この1対の側板部25a,25aには、案内レール21の転動体転動溝22に沿って対向する断面円弧状の転動体転動溝27が形成されるとともに、円形の転動体通路孔28が転動体転動溝27と平行に形成されている。
一方、エンドキャップ26には、図5に示すように、U字状に湾曲した転動体通路孔29が形成されている。この転動体通路孔29は転動体転動溝22と転動体転動溝27との間に形成された転動体通路と転動体通路孔28にそれぞれ連通しており、従って、転動体転動溝22と転動体転動溝27との間に形成された転動体通路を転動した玉23は、転動体通路孔29及び転動体通路孔28を通って上記転動体通路を繰り返し転動するようになっている。
このような第2の実施形態に係るリニアガイド20において、スライダ本体25、エンドキャップ26及び案内レール21は、後述する抗菌、抗カビ性樹脂で構成されている。このため、第2の実施形態に係るリニアガイド20は、抗菌性に優れるとともに、作動時にも磁場変動を引き起こさない。
なお、玉23は、抗菌、抗カビ性樹脂で構成してもよいが、後述する抗菌剤を含有しない同種の樹脂、ガラス又はセラミックスで構成してもよい。
また、本発明の適用は上記第2の実施形態に示したリニアガイド20に限定されるものではなく、適宜変更されたリニアガイド20にも適用可能である。
[ボールねじ一体型直動案内ユニット(モノキャリア)について]
図6は本発明の第3の実施形態に係るボールねじ一体型直動案内ユニットの側面図、図7は図6のII−II線断面図、図8は図7のIII−III線断面図である。
図6において、ボールねじ一体型直動案内ユニット30は、ねじ軸(内方部材)34及びこのねじ軸34に外嵌されて該ねじ軸34の軸方向に沿って移動可能なナット(外方部材)33を備えたボールねじと、断面凹状をなしてナット(内方部材)33を凹部31Aに収納した状態で軸方向に沿って案内する案内レール(外方部材)31を備えたリニアガイドと、が一体化されたものである。
ボールねじのねじ軸34は、案内レール31の両端部の軸受板31B,31B及び一方の軸受板31Bに並設されたベアリングハウジング31Cにそれぞれ設けられた軸受(図示せず)によって回転可能に支持されている。また、ねじ軸34の外周面に設けられたねじ溝34aとナット33の内周面に設けられたねじ溝33aとの間には螺旋状通路が形成されている。この螺旋状通路には転動体としての多数の玉B1が転動可能に装填されており、ねじ軸34の回転により、ナット33が玉B1の転動を介して直線移動するようになっている。なお、ナット33には、更に、ねじ軸34に平行な直線状の貫通孔からなる転動体戻り通路33bがねじ軸34を取り囲むようにして4本形成されている。また、このナット33の両端部に取り付けられるエンドキャップ32には、ナット33との接合端面に、ねじ軸34の4条のねじ溝34aと4つの転動体戻り通路33bとをそれぞれに連通させる4本の湾曲路(図示せず)が形成されている。これにより、上記螺旋状通路を転動した玉B1は、湾曲路及び転動体戻り通路33bを通って上記螺旋状通路を繰り返し転動するようになっている。
一方、リニアガイドの案内レール31の凹部31A両側内面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝31aが形成されており、ナット33の両側外面にはそれぞれ転動体転動溝31aに対向する転動体転動溝33cが形成されている。なお、転動体転動溝31a,33cは例えば2列、3列以上でもよい。これら向き合った両転動体転動溝31a,33cの間には転動体としての多数の玉B2が転動自在に装填され、これらの玉B2の転動を介してナット33が案内レール31に案内されて軸方向に沿って移動できるようになっている。なお、ナット33の肉厚内には両転動体転動溝31a,33cと平行な転動体通路33dが形成され、また、このナット33の両端部に取り付けられたエンドキャップ32には転動体通路33dと両転動体転動溝31a,33cとを連通する転動体循環路32aが内部に形成されており、これにより、玉B2が循環可能になっている。
このような第3の実施形態に係るボールねじ一体型直動案内ユニット30において、ナット33、エンドキャップ32,32、ねじ軸34、及び、案内レール31(凹部31A、軸受板31B,31B、ベアリングハウジング31C)は、後述する抗菌、抗カビ性樹脂で構成されている。このため、第3の実施形態に係るボールねじ一体型直動案内ユニット30は、抗菌性に優れるとともに、作動時にも磁場変動を引き起こさない。
なお、玉B1,B2は、抗菌、抗カビ性樹脂で構成してもよいが、後述する抗菌剤を含有しない同種の樹脂、ガラス又はセラミックスで構成してもよい。
また、本発明の適用は上記第3の実施形態に示したボールねじ一体型直動案内ユニット30に限定されるものではなく、適宜変更されたボールねじ一体型直動案内ユニットにも適用である。例えば、上記第3の実施形態に係るボールねじ一体型直動案内ユニット30では、ボールねじの螺旋状通路に玉B1を無限に供給するための湾曲路をエンドキャップ32に設けたが、第1の実施形態のボールねじ10と同様に転動体循環チューブ17を用いてもよい。この場合には、転動体循環チューブも抗菌、抗カビ性樹脂で構成するとよい。
[転がり軸受について]
図9は、本発明の第4の実施形態に係る転がり軸受の断面図である。転がり軸受40は、内輪(内方部材)41と、外輪(外方部材)42と、内輪41及び外輪42の間に装填された玉(転動体)43と、保持器44と、を備えており、玉43の転動を介して外輪42が内輪41に対して相対回転可能になっている。
このような第4の実施形態に係る転がり軸受40において、内輪41及び外輪42は、後述する抗菌、抗カビ性樹脂で構成されている。このため、第4の実施形態に係る転がり軸受40は、抗菌性に優れるとともに、作動時にも磁場変動を引き起こさない。
なお、玉43は、抗菌、抗カビ性樹脂で構成してもよいが、後述する抗菌剤を含有しない同種の樹脂、ガラス又はセラミックスで構成してもよい。
また、本発明の適用は上記第4の実施形態に示した転がり軸受に限定されるものではなく、適宜変更された転がり軸受にも適用可能である。例えば、上記第4の実施形態では、深溝玉軸受に本発明を適用しているが、これに限定されずにその他の軸受形式の転がり軸受にも本発明を適用できる。
また、本発明は上述のような第1〜第4の実施形態に係る装置以外にも適用可能であり、例えば図示しないが上記のようなリニアガイドによる直動案内機構が組み合わされて、テーブルが基台に対してX軸方向及びY軸方向の2方向へ移動可能とされたXYテーブルにも適用可能である。このXYテーブルは、例えば、直線状の案内レールと、この案内レールに沿って移動可能に取り付けられるスライダ部分及び検査対象物等を載置可能なテーブル体が一体化されたテーブルと、を備えるものであり、この場合には、例えば案内レール及びテーブルを後述する抗菌、抗カビ性樹脂で構成する。
[抗菌、抗カビ性樹脂について]
以下、本発明の転動装置の外方部材、内方部材等に使用される抗菌、抗カビ性樹脂について、詳細に説明する。
抗菌、抗カビ性樹脂は、ベースとなる樹脂と、樹脂に抗菌、抗カビ性を付与する抗菌剤と、を含有している。
用いることができる樹脂は、特に限定されないが、転動装置の使用環境を考慮すると、耐熱温度が80℃以上であり、摺動特性に優れる樹脂が好適である。製造コストを考慮すると、射出成形法で成形可能な熱可塑性樹脂が最も好適で、具体的には、ポリオキシメチレン(アセタール樹脂)、超高分子量ポリオレフィンの存在下、多段階重合法で得られた低分子量乃至高分子量ポリオレフィンからなる高摺動性特殊ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂(ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド6等)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等)等である。この中で、超高分子量ポリオレフィンの存在下、多段階重合法で得られた低分子量乃至高分子量ポリオレフィンからなる高摺動性特殊ポリオレフィン樹脂や、PFA、FEP、ETFE等のフッ素樹脂が、自己潤滑性に優れるので最も好適である。
高摺動性特殊ポリオレフィンについて説明する。高摺動性特殊ポリオレフィンは、超高分子量ポリオレフィンと、低分子量乃至高分子量ポリオレフィンと、を含有してなるものであり、チーグラー型触媒の存在下でオレフィンを重合させて超高分子量ポリオレフィンを生成し、次いで水素存在下でさらにオレフィンを重合させて低分子量乃至高分子量のポリオレフィンを生成させることにより製造される。このようにして製造することで、高摺動性特殊ポリオレフィンは、超高分子量ポリオレフィンと低分子量乃至高分子量ポリオレフィンとを単純に混合したときのような層状構造にならず、超高分子量ポリオレフィンが低分子量乃至高分子量オレフィンの間に均一にミクロ分散し、場合によっては、一部で互いに結合状態を作ることにより分散状態が安定に保たれている。このように超高分子量ポリオレフィンがミクロ分散していると、射出成形性が維持されつつ、超高分子量ポリオレフィンの持つ卓越した耐摩耗性が同時に発現される。これらの超高分子量ポリオレフィン及び低分子量乃至高分子量ポリオレフィンは、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体又は共重合体からなる。この中では、エチレンの単独重合体、又は、エチレンと他のα−オレフィンとからなりエチレンを主成分とする共重合体が望ましい。
また、高摺動性特殊ポリオレフィンにおいて、超高分子量ポリオレフィンの割合は、実質15〜40質量%であり、より好ましくは20〜30質量%である。超高分子量ポリオレフィンの量が15質量%未満であると、耐摩耗性等の改善効果が十分とはいえず、実用性が低い。また、超高分子量ポリオレフィンの割合が40質量%を超えると、溶融時の粘度が高く、射出成形による成形が困難であるとともに、超高分子量ポリオレフィンの絶対量が多くなりミクロ分散しにくくなるので、種々の物性が低下する。
次に、抗菌剤について詳細に説明する。
抗菌剤としては、半永久的に効果が持続する銀系抗菌剤が最も好ましく、樹脂中への分散性を考慮すると、銀あるいは銀酸化物そのものより、比重の軽い充填剤の表面に銀あるいは銀酸化物を被覆してなるものの方が、更に好ましい。
充填剤としては、酸化チタン(チタニア)、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、マイカ、カオリンクレー、セリサイト、タルク、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト等)、ガラス繊維等の無機系充填剤を用いることができる。また、他の充填剤としては、アラミド繊維、カーボン繊維、カーボンブラック等の有機系充填剤等も使用することができる。これらの中では、繊維状あるいはウィスカー状のものであれば、充填剤を含有した樹脂自体の強度も向上するので、更に好ましい。
抗菌、抗カビ性樹脂中の抗菌剤の含有量としては、銀量(銀酸化物の場合は、銀酸化物中の銀原子の量)に換算して0.2〜2.0質量%であることが好ましく、1.0〜2.0質量%であるとより好ましい。抗菌剤の含有量が銀量で0.2質量%未満の場合は、銀の絶対量が少ないので、十分な抗菌、抗カビ性を得ることが難しく実用性が低い。また、抗菌剤の含有量が銀量で2.0質量%を超える場合は、含有量の増加に応じた抗菌、抗カビ性の効果の向上がほとんどみられず、コストアップにつながるので好ましくない。
なお、本発明の転動装置に用いられる抗菌、抗カビ性樹脂には、上記銀あるいは銀酸化物で表面が被覆された充填剤の他に、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等の強化材、熱安定剤、光安定剤等各種添加剤を更に含有させてもよい。その中で強化材は、転動装置の耐久性を考慮すると、抗菌、抗カビ性樹脂全体に対する含有量が10〜40質量%であることが好ましく、含有量が20〜30質量%であるとより好ましい。強化材の含有量が10質量%未満の場合は、機械的強度や耐摩耗性等の改善効果が少なく、実用性が低い。また、強化材の含有量が40質量%程度を超える場合は、抗菌、抗カビ性樹脂の成形性が低下すると共に、他の成分、特に銀が表面被覆された充填剤の添加量が低く抑えられて、抗菌、抗カビ性樹脂の全体量に対する銀量が上記規定量以下となることにより、抗菌、抗カビの効果が不十分となる。
なお、本発明の転動装置に用いるべき潤滑剤や潤滑方法等は特に限定されない。しかしながら、医療用設備用等の比較的軽荷重用途の転動装置は、上記のように摺動性に優れた材料からなる抗菌、抗カビ性樹脂で内方部材又は外方部材を構成すれば、無潤滑で使用することができ、この場合は雰囲気の汚染を防止することができるので、好ましい。
また、耐久性を付与するために潤滑を行う場合は、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する特殊潤滑膜で外方部材及び内方部材の転動体転動溝や転動体等の表面を覆う方法が(特開2002−357221号公報に記載)、発塵量が少なく好適である。
図3〜5に示すリニアガイド20を構成する部材のうち玉23を除く部材(スライダ本体25、エンドキャップ26、案内レール21)を、以下の抗菌、抗カビ性樹脂で構成し、玉23をガラスで構成して、リニアガイド20を作製した。
抗菌、抗カビ性樹脂組成:
(1)樹脂:テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)60質量%
(2)強化材:PAN系カーボンファイバー 20質量%
(3)抗菌剤:銀被覆チタン酸カリウムウィスカー 20質量%
なお、抗菌、抗カビ性樹脂全体量に対する銀量は1.2質量%である。
上記のようにして作製されたリニアガイド20について、大腸菌(Escherichia coli)に対する殺菌効果を確認する抗菌性試験を行った。
本抗菌性試験では、スライダ本体25上面の3cm×3cmのエリアに大腸菌を約1000個含有する培養希釈液を塗布し、該培養希釈溶液の塗布部分について4時間後の菌数を測定した。この結果、4時間後の菌数は300個以下まで減少しており、充分な抗菌性が確認された。なお、培養希釈液は、大腸菌を普通ブイヨン培地で35℃で18時間、3回継代培養したものを滅菌リン酸緩衝液により適宜希釈して得た。また、4時間後の菌数の測定の際には、標準寒天培地を使用した。
第1の実施形態に係るボールねじの断面図である。 図1のボールねじのI−I線に沿う断面図である。 第2の実施形態に係るリニアガイドの斜視図である。 第2の実施形態に係るリニアガイドの断面図である。 第2の実施形態に係るリニアガイドのスライダの一部分を示す断面図である。 第3の実施形態に係るボールねじ一体型直動案内ユニットの側面図である。 図6のII−II線断面図である。 図7のIII−III線断面図である。 第4の実施形態に係る転がり軸受の断面図である。
符号の説明
10 ボールねじ
11 ねじ軸
12,16 ねじ溝
13 玉
14 ナット
17 転動体循環チューブ
18 循環チューブ挿入孔
19 ラビリンスシール
20 リニアガイド
21 案内レール
22 転動体転動溝
23 玉
24 スライダ
25 スライダ本体
25a 側板部
25b 水平部
26 エンドキャップ
27 転動体転動溝
28,29 転動体通路孔
30 一体型直動案内ユニット
31 案内レール
31A 凹部
31B 軸受板
31C ベアリングハウジング
31a 転動体転動溝
32 エンドキャップ
32a 転動体循環路
33 ナット
33a ねじ溝
33b 転動体戻り通路
33c 転動体転動溝
33d 転動体通路
34 ねじ軸
34a ねじ溝
40 転がり軸受
41 内輪
42 外輪
43 玉
44 保持器
B1,B2 玉

Claims (1)

  1. 外面に軌道面を有する内方部材と、該内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配置された外方部材と、前記両軌道面の間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備える転動装置において、
    前記内方部材及び前記外方部材の少なくとも1つを、銀、銀酸化物、銀が表面被覆された充填剤、及び、銀酸化物が表面被覆された充填剤のうちの少なくとも1つを含有する抗菌、抗カビ性樹脂で構成したことを特徴とする転動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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